JP6199326B2 - 分光装置及び分光検出方法 - Google Patents

分光装置及び分光検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6199326B2
JP6199326B2 JP2015009074A JP2015009074A JP6199326B2 JP 6199326 B2 JP6199326 B2 JP 6199326B2 JP 2015009074 A JP2015009074 A JP 2015009074A JP 2015009074 A JP2015009074 A JP 2015009074A JP 6199326 B2 JP6199326 B2 JP 6199326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
waveguide
conversion element
wavelength conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015009074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016133437A (ja
Inventor
忠永 修
修 忠永
弘和 竹ノ内
弘和 竹ノ内
明雄 登倉
明雄 登倉
毅伺 梅木
毅伺 梅木
圓佛 晃次
晃次 圓佛
拓志 風間
拓志 風間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2015009074A priority Critical patent/JP6199326B2/ja
Publication of JP2016133437A publication Critical patent/JP2016133437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6199326B2 publication Critical patent/JP6199326B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、波長変換光源を用いた分光装置及び分光検出方法に関し、より具体的には、ガスのセンシングや光学部品分光に好適な波長変換光源を用いた分光装置及び分光検出方法に関する。
近年、地球温暖化の問題などがクローズアップされており、高感度にメタンや二酸化炭素などを検出するために、2〜5μmの波長を出力する中赤外域の光源が必要とされている。このような波長域では、従来から半導体レーザの研究開発がなされている。しかしながら、室温で簡易に使用できるような光源が実現されていないのが現状である。そこで、このような光源から直接発生させることが困難な波長領域の光を、非線形光学効果を用いた波長変換を利用して発生させる技術が知られている。
又、焼却炉のCO2、CO、O2等の濃度観測による燃焼制御により、ダイオキシンの発生が抑制できることから、0.76μmに存在するO2の吸収線観測が注目を浴びている。ガス吸収線に適した0.76μm帯の光を発生させるレーザとして面発光レーザが用いられているが、出力が大きくとれないことから、非線形効果を用いた波長変換を利用して、0.76μm帯の光を発生する技術が注目されている。
波長変換素子としては様々な形態のものが利用可能であるが、実用的な観点から、非線形光学定数を周期的に変調した擬似位相整合を用いた導波路型の波長変換素子が最も有望である。非線形定数の周期変調構造を形成するためには、非線形定数の符号を交互に反転するか、あるいは、非線形定数が大きい部分と小さい部分をほぼ交互に配置する方法が考えられる。
LiNbO3(ニオブ酸リチウム)のような強誘電体結晶においては、非線形定数の正負が自発分極の極性に対応するため、自発分極を反転することにより非線形定数の符号を反転することができる。中赤外波長域を発生させるための方法として、非特許文献1に示されるように、2つの半導体レーザ及び擬似位相整合を利用した導波路型波長変換素子による差周波発生による方法が知られている。又、0.76μm帯の光を出す方法としては、非特許文献2に示されるような導波路型波長変換素子による第2高調波発生による方法が知られている。
図8に、差周波発生を基にした波長変換光源の構成を示す。図8に示される光源50は、光導波路52が形成されたLiNbO3基板51と、合波器55と、信号光53及び励起光54をそれぞれ出力する2個の半導体レーザ(図示せず)とから構成される。信号光53及び励起光54は、合波器55で合波され、周期的に分極反転されたLiNbO3基板51に形成された光導波路52に入射される。光導波路52では、信号光53と励起光54との差周波光である変換光56が発生する。信号光53の信号光波長をλa、変換光56の変換光波長をλb、励起光54の励起光波長をλcとすると、これら3つの波長は以下の(式1)を満たす。
1/λc=1/λb+1/λa (式1)
例えば、信号光波長λaを1.56μm、励起光波長λcを1.06μmとすれば、変換光波長λb=3.31μmの変換光56を発生させることができる。信号光波長λaにおける屈折率をna、変換光波長λbにおける屈折率をnb、励起光波長λcにおける屈折率をncとするとき、下記の(式2)で与えられる非線形定数の変調周期Λ0を設定すると、効率よく変換光56が発生する。
c/λc−nb/λb−na/λa−1/Λ0=0 (式2)
ちなみに、同様にして、2次非線形光学効果である和周波発生と第二高調波発生を利用した場合を説明する。図8に即して説明すると、入力光波長λaとλcの光を入力し、1/λb=1/λa+1/λcを満たす新たな光λbが発生する現象を和周波発生と言い、波長λaと波長λcが同じ波長の場合を第二高調波発生と言う。この場合、波長λaと波長λcが同じ波長であるので、合波器55を用いずに、波長λaの光のみ入力すれば良い。効率よく変換光を発生させるために設定すべき非線形定数の変調周期Λ0は次式となる。
b/λb−nc/λc−na/λa−1/Λ0=0 (式3)
さて、図9に差周波発生を利用した光源を用いた従来の分光装置を示す。導波路型波長変換素子61と合波器62と信号光光源63と励起光光源64とからなる中赤外光源60を有しており、導波路型波長変換素子61から出た変換光は空気中を空間伝搬し、受光器65でその強度が測定される。このとき、励起光波長λcを固定し、信号光波長λaを変化させると、(式1)に従い変換光波長λbが変化する。もしくは、信号光波長λaを固定し、励起光波長λcを変化させると、(式1)に従い変換光波長λbが変化する。
このことを利用して、変換光波長λbを変化させ、中赤外域のガスの吸収線の形状を観測する。ここでは励起光波長λcを0.98μmに固定し、信号光波長λaを1.5626μmから1.5638μmに変化させ、変換光波長λbを2.625μmから2.6285μmまで変化させた。中赤外光源60と受光器65の距離は1mである。図10に横軸が変換光波長で縦軸が受光強度のグラフを示す。中央に出力のへこみが見える。これは1mの空間の空気中に含まれる水分(水蒸気)の影響で強度が低下したもので、湿度が高いと低下が大きくなり、湿度が低いと低下が小さくなった。即ち、低下具合は水分濃度に従って大きさが変わり、その大きさから水分濃度が分かる。
このように、2.6μm帯での水の吸収は非常に強いので、吸収線の形状が容易に観測できる。しかしながら、多くのガスは吸収係数が中赤外域といえども大きくなく、その吸収強度が1%以下ということが通常である。吸収強度が1%を切ると、吸収の無い場合のベースラインのノイズによる揺らぎによって吸収線強度を正確に把握することは困難になってくる。
そこで、非特許文献3や非特許文献4に記載の吸収線の2次微分成分を観測する波長変調分光法が用いられている。観測のために用いるレーザ光の波長を微小に周波数fの速いサイン波変調をし、ロックインアンプでその2倍波の周波数2fで強度が変化する成分を観測する方法である。多くの場合は、分布帰還型レーザダイオード(DFB−LD)の注入電流を変化させることにより実行される。吸収線形状を観測するためには吸収線の波長依存性も観測する必要があるので、周波数fの微小なサイン波に加えて変化量の大きい鋸歯状波もしくは三角波を重畳してDFB−LDの電流注入量を変調させる。図11に実際の吸収量と観測される2f成分の形状の模式図を示す。丁度、吸収量が一番大きいところで、2f成分は最大値を取る。
O. Tadanaga, T. Yanagawa, Y. Nishida, H. Miyazawa, K. Magari, M. Asobe, H. Suzuki, "Efficient 3-μm difference frequency generation using direct-bonded quasi-phase-matched LiNbO3 ridge waveguides", APPLIED PHYSICS LETTERS, Vol.88, No.6, 2006年, pp.061101-1 - 061101-3. O. Tadanaga, M. Asobe, Y. Nishida, H. Miyazawa, K. Yoshino, H. Suzuki, "763-nm Laser Light Source for Oxygen Monitoring Using Second Harmonic Generation in Direct-Bonded Quasi-Phase-Matched LiNbO3 Ridge Waveguide," IEICE Trans. Electron. Vol. E89-C, No.7, 2006年, pp.1115-1117. I. Linnerud, P. Kaspersen, T. Jager, "Gas monitoring in the process industry using diode laser spectroscopy", Appl. Phys. B, Vol. 67, 1998年, pp.297-305. A. Tokura, M. Asobe, K. Enbutsu, T. Yoshihara, S. Hashida, and H. Takenouchi, "Real-Time N2O Gas Detection System for Agricultural Production Using a 4.6-μm-Band Laser Source Based on a Periodically Poled LiNbO3 Ridge Waveguide", Sensors, Vol. 13, 2013年, pp.9999-10013 竹本菊郎、他3名、「生体・環境計測へ向けた近赤外光センシング技術」、株式会社サイエンスフォーラム、1999年、pp.257-261, pp.269-276
光路中に光学部品を挿入すると、一般に光の多重反射により透過率の波長依存性に周期的な変調が加わる。この多重反射による透過強度の周期的変調のことをフリンジ(干渉縞)という。導波路型波長変換素子も一種の光学部品で、導波路端面による反射の影響が出る。導波路端面の反射の影響を最小にするため、導波路端面を斜めにカットする、又は、導波路端面に無反射コート(ARコート)を施すが、0.1%程度のフリンジが取りきれない場合がある。このようなフリンジが存在すると、出力の波長依存性に揺らぎが出て、その揺らぎ以下の吸収強度を観測しようとする場合は、フリンジが支配的になるため、2f成分がかき消されてしまい、その判別が難しくなる。
例えば、本来であれば、図3(f)に示すように、吸収線を示す2f成分がほぼ中央の一点鎖線の位置に存在しているが、周囲のフリンジが大きい場合には、図3(a)に示すように、2f成分がフリンジにかき消されてしまい、吸収線の位置を特定することは困難となる。
そこで、非特許文献5にあるように、一般に出力光を2光路に分岐し、一方はガスの吸収を受けずに受光し、他方はガスの吸収を受けてから受光することにより、その2つの受光強度を割り算するなどして、フリンジの影響を相殺し、微小な吸収を観測することが知られている。しかしながら、このような光路を2分岐すると光源の出力が半減する、もしくは、受光器が2台必要となり光学系が複雑になるという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、光路を2分岐することなく、導波路型波長変換素子での端面の反射によるフリンジの効果を相殺する分光装置及び分光検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る分光装置は、
第1の波長の光と第2の波長の光とを入射することにより、2次非線形光学効果により新たな第3の波長の光を発生する2次非線形光学媒質からなる周期分極反転構造を有する導波路型波長変換素子と、測定対象を透過した前記第3の波長の光を受光する受光器と、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の少なくとも一方の光の波長を掃引することにより、前記第3の光の波長を掃引し、前記受光器で受光した光の分光を行う分光手段とを少なくとも備えた分光装置において、
前記導波路型波長変換素子の入力側又は出力側に接続された導波路と前記導波路に配置された電極とからなり、前記第3の光による前記導波路型波長変換素子でのフリンジの山が1周期分変化する変調電圧を周期的に前記電極に印加することにより、前記導波路の屈折率を周期的に変調させる屈折率変調部を設け、
前記分光手段は、前記受光器の出力を前記変調の1周期以上に渡って時間平均することにより分光スペクトルを得る
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る分光装置は、
上記第1の発明に記載の分光装置において、
前記第1の波長の光と前記第2の波長の光は同じ波長であって、同じ光源から出力される
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る分光装置は、
上記第1又は第2の発明に記載の分光装置において、
前記屈折率変調部は、前記電極に電圧を印加して、電気光学効果により前記導波路の屈折率を変調する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る分光装置は、
上記第1又は第2の発明に記載の分光装置において、
前記屈折率変調部は、前記電極に電圧を印加して、熱光学効果により前記導波路の屈折率を変調する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る分光装置は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の分光装置において、
前記導波路型波長変換素子は直接接合法で作製され、コア層がLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成る
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る分光装置は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の分光装置において、
前記導波路型波長変換素子はリブ型の形状を持つコア層が基板に接着剤で貼り付けられて作製され、コア層がLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成る
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る分光装置は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の分光装置において、
前記導波路型波長変換素子は基板としてLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成り、Tiもしくはプロトンが拡散されて導波路が形成されている
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る分光検出方法は、
第1の波長の光と第2の波長の光とを2次非線形光学媒質からなる周期分極反転構造を有する導波路型波長変換素子に入射して、前記導波路型波長変換素子の2次非線形光学効果により新たな第3の波長の光を発生させると共に、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の少なくとも一方の光の波長を掃引することにより、前記第3の光の波長を掃引し、
前記導波路型波長変換素子で発生させた前記第3の波長の光を測定対象に入射し、前記測定対象を透過した前記第3の波長の光を受光器で受光し、
前記受光器で受光した光の分光を行う分光検出方法において、
前記導波路型波長変換素子の入力側又は出力側に接続された導波路と前記導波路に配置された電極とを設けて、前記第3の光による前記導波路型波長変換素子でのフリンジの山が1周期分変化する変調電圧を周期的に前記電極に印加することにより、前記導波路の屈折率を周期的に変調させると共に、
前記受光器の出力を前記変調の1周期以上に渡って時間平均することにより分光スペクトルを得る
ことを特徴とする。
本発明によれば、導波路型波長変換素子の入力側又は出力側に接続された導波路の電極に、第3の光による導波路型波長変換素子でのフリンジの山が1周期分変化する変調電圧を周期的に印加することにより、導波路の屈折率を周期的に変調させるので、導波路型波長変換素子のフリンジに起因する受光器出力の周期的な波長依存性が時間的に変化することになる。そして、受光器出力を変調の1周期以上に渡って時間平均することにより、受光器出力の周期的な波長依存性を平均化(相殺)し、導波路型波長変換素子での端面の反射に起因する波長領域の強度振動成分(一定周期のフリンジ)を相殺して、分光スペクトルの信号対雑音比を改善することになり、微小な吸収線を観測することができる。
本発明に係る分光装置に用いる波長変換光源となる導波路型波長変換素子の一例を示す構成図である。 図1に示した導波路型波長変換素子の変形例を示す構成図である。 図1に示した導波路型波長変換素子の屈折率変調部に0(V)からVπ(V)の電圧を印加してフリンジの周期を変更した場合の2f成分観測結果を示す波形図であり、(a)が0(V)の場合、(b)が1/4×Vπ(V)の場合、(c)が1/2×Vπ(V)の場合、(d)が3/4×Vπ(V)の場合、(e)がVπ(V)の場合であり、(f)が、フリンジがない場合の2f成分の観測結果を示す波形図である。 本発明に係る分光装置の一例を示す構成図である。 実施例1の分光装置で観測された吸収線の観測結果を示す波形図であり、(a)は、電圧印加が無い場合、(b)は、電圧印加がある場合である。 実施例3の分光装置で観測された吸収線の観測結果を示す波形図であり、(a)は、電圧印加が無い場合、(b)は、電圧印加がある場合である。 実施例4の分光装置に用いる導波路型波長変換素子を示す構成図である。 従来の波長変換光源を示す構成図である。 従来の波長変換光源を用いた分光装置を示す構成図である。 吸収率の大きいガスの吸収線を観測した場合の例を示すグラフである。 吸収率の小さいガスの吸収線を観測した場合の例を示す模式図である。
空気中の屈折率n、長さLの光学部品に波長λの光を通した場合に出るフリンジについて、その山の位置になる関係は、mを整数として、以下の式で書ける。
2nL=mλ
即ち、丁度1/2波長(=λ/2n)変化させるに足りる量の屈折率nが変化すると、光学部品を光が往復して、トータルして、1波長変化することになるので、同じ波長でフリンジの山が重なることになる。光学結晶に電圧をかけて電気光学効果により屈折率変化をさせる変調器において、通常、半波長変化させる電圧をVπと呼んでいる。即ち、Vπの電圧をかけることにより、フリンジの波長依存性において、山であった位置が丁度隣の山の位置に変化することになり、mが十分に大きい場合には、周期的に変動する波長依存性が元の形状と一致することを意味する。
例えば、ニオブ酸リチウムの屈折率を約2.1とし、長さ50mmの光学部品において、波長1.5μmの光に対しては、mは14万という十分大きな数字となる。この様な原理を利用してフリンジの位置は変化させることができる。加えて、フリンジの1周期分変化させるためには、Vπの電圧をかければよいことが分かる。
そこで、導波路型波長変換素子に電極を配置し、屈折率変調領域を設けることを考える。効率よく波長変換するためには、波長変換素子には周期的分極反転領域が必要である。通常は導波路型波長変換素子の全領域に分極反転構造を施す。そこで、その構造と同時に存在するように分極反転領域に電極を配置し、電圧をかけて屈折率変化を起こさせると、(式2)で示す各屈折率が変化し、効率よく波長変換される波長が変化する。波長変換ではある特定の波長域で効率よく波長変換することが必要で、この様な分極反転領域に電極を配置し、屈折率変化を起こさせることは、ある特定波長域の変換効率を低下させることとなる。そこで、分極反転領域と屈折率変調領域を分けた導波路型波長変換素子が最適であることを見出した。
図1、図2に、上述した導波路型波長変換素子の構造の例を示す。例えば、図1に示す導波路型波長変換素子10Aは、波長変換部11Aと屈折率変調部12Aを有している。波長変換部11Aは、タンタル酸リチウムからなる基板13上に周期的に分極反転して形成した周期分極反転構造を有するニオブ酸リチウムからなるコア層14(光導波路)を有しており、又、屈折率変調部12Aは、基板13上に周期分極反転を施さないで形成したニオブ酸リチウムからなるコア層15(光導波路)を有し、コア層15の上部と基板13の一部に電極16、17を設け、各電極16、17に対して電圧Vを印加できる構成となっている。
又、図2に示す導波路型波長変換素子10Bは、波長変換部11Aと屈折率変調部12Bを有しており、基本的には、図1に示した導波路型波長変換素子10Aと同等の構成であるが、屈折率変調部12Bにおいて、コア層15の上部に設けた電極16の両端に対して電圧Vを印加できる構成となっている。
導波路型波長変換素子10A、10Bにおいては、電極16がニオブ酸リチウムに直接接する構造であると、金属による光の吸収が顕著に表れるので、ニオブ酸リチウムからなるコア層15には、SiO2からなるバッファ層を介して電極16が形成されている。又、基板13上に配置されている電極17もSiO2バッファ層を介して配置することが好ましい。更に、光導波路となるコア層14、15の上面及び側面にクラッド層となるSiO2バッファ層を堆積しても良い。
さて、ここで、実際の吸収線の測定を考える。図9に示した導波路型波長変換素子61を、図1に示した導波路型波長変換素子10Aに置き換えて測定を行う。図3(a)〜(e)では、印加電圧を0(V)からVπ(V)に変化させて、電気光学効果により屈折率変化を起こさせている。具体的には、印加電圧は、図3(a)が0(V)、図3(b)が1/4×Vπ(V)、図3(c)が1/2×Vπ(V)、図3(d)が3/4×Vπ(V)、図3(e)がVπ(V)である。すると、フリンジの山の位置が図中の黒実線のように変化していく。一方で、吸収線は波長が決まっているので、図3(a)〜(e)の各曲線において、一点鎖線の位置に若干のふくらみは見えるが正確な形状は観測できない。そこで、図3(a)〜(e)の曲線に変化するように、印加電圧を0(V)からVπ(V)に変化させて、全ての曲線を重ね合わせると(変調の1周期の時間平均を取ると)、フリンジが平均化される一方で吸収線は位置が決まっているために強調されて、図3(f)のように、はっきりと吸収線の形状が観測される。
2次非線形光学効果の中で、例として、差周波発生による光源を用いて吸収線測定を行うことを考える。図4に、本発明に係る分光装置の実験系を示す。この実験系は、図1に示した導波路型波長変換素子10Aと合波器21と信号光(第1の波長の光)を出力する信号光光源22と励起光(第2の波長の光)を出力する励起光光源23とからなる中赤外光源20を有しており、導波路型波長変換素子10Aから出た変換光(第3の波長の光)は空気(測定対象)中を空間伝搬し、受光器24でその強度が測定される。
信号光光源22にはシグナルジェネレータ25からの注入電流が入力されており、2f強度を測定するため、シグナルジェネレータ25では、信号光光源22への注入電流を1Hzの鋸歯状波で変調しつつ、周波数fが15kHzのサイン波を重畳しており、信号光光源22で入力光である信号光を変調(掃引)できるようにしている。一方、励起光光源23では、入力光である励起光の波長を固定している。このような信号光及び励起光により、導波路型波長変換素子10Aから出た変換光の波長を変調(掃引)できるようにしている。
受光器24で受光した光信号はロックインアンプ26(分光手段)に入力されており、ロックインアンプ26では、2f強度を測定しており、測定した2f強度の時間依存性をオシロスコープ27で観測できるようにしている。なお、シグナルジェネレータ25からロックインアンプ26へは、周波数fの同期信号が入力されており、又、シグナルジェネレータ25からオシロスコープ27へは、鋸歯状波の同期信号が入力されている。
上述した実験系において、信号光と励起光を合波器21で合波し、導波路型波長変換素子10Aに入力する。ここで、導波路型波長変換素子10Aは、入力側に屈折率変調部12Aを配置し、出力側に波長変換部11Aを配置する。屈折率変調部12Aの電極16、17への印加電圧を0(V)からVπ(V)まで1kHzで繰り返し変調する。ちなみに、屈折率変調部12Aにより、励起光と信号光の入力波長の位相が変調を受けて波長が変化するが、変調周波数は1kHzであり、MHzオーダーのレーザの線幅やGHzオーダーの吸収線やフリンジ間隔に比較すると、非常に小さいため、測定に及ぼす影響は皆無である。
そして、受光器24で受光した光信号をロックインアンプ26に入力し、2f強度をロックインアンプ26で測定する。このとき、ロックインアンプ26の時定数を1msecに設定する。測定された2f強度の時間依存性をオシロスコープ27で観測すると、フリンジが丁度屈折率変調部12Aに印加された1kHzの変調とロックインアンプ26の1msecでの時間平均が得られ、フリンジはなまらせる(相殺する)ことができ、吸収線信号が明確に観測できる。
なお、ここでは、導波路型波長変換素子10Aについて、入力側に屈折率変調部12Aを配置したが、入力側に波長変換部11Aを配置し、出力側に屈折率変調部12Aを配置しても、1kHz程度の変調では測定に影響は出ない。
又、同様にして、上述した導波路型波長変換素子10Aを、図2に示した導波路型波長変換素子10Bに置き換えても良い。その場合、電極16に電圧をかけることにより、熱光学効果により屈折率を変化させることができ、その屈折率変化がフリンジの1周期分の量を変化させるだけの電圧を周期的に印加することにより、同じなまらし(相殺)効果を得ることができる。更に、熱光学効果を用いた導波路型波長変換素子10Bの場合も、屈折率変調部12Bが、入力側であっても、出力側であっても、その差に影響はでない。
[実施例1]
本実施例を、図1及び図4を参照して説明する。
本実施例において、導波路型波長変換素子10Aには、コア層14、15がニオブ酸リチウムからなり、クラッド層がタンタル酸リチウムからなる直接接合法を用いたリッジ型導波路を作製している。このリッジ型導波路において、反転周期Λ0=26.1μmの周期分極反転構造からなる波長変換部11Aを30mm作製し、周期分極反転構造の無い領域を20mm確保する。リッジ型導波路のコア層14、15の厚みと幅は、それぞれ13μmと20μmである。リッジ型導波路の上面にSiO2を0.5μm堆積し、フォトプロセスと金属蒸着により、周期分極反転構造の無い導波路上面と当該導波路横の基板13であるタンタル酸リチウム層の上に直線電極部となる電極16、17を作製し、この部分を電気光学効果による屈折率変調部12Aとしている。導波路型波長変換素子10Aの端面は斜めに6度カットされ、ARコートが施されている。
信号光光源22として、1.39μmのDFB−LDを用い、励起光光源23として、1.064μmのDFB−LDを用い、各々の出力光は、ファイバ型のカプラ(合波器21)で合波されて、屈折率変調部12A側から導波路型波長変換素子10Aに入力される。導波路型波長変換素子10Aでは、差周波発生により、変換光である4.54μmの中赤外光が発生する。導波路型波長変換素子10Aからの出力光はGeフィルタにより中赤外光のみ取り出され、外気である空気で満たされ、かつ、10mTorrまで減圧された10mのマルチパスセル(測定対象)に通して、受光器24で受光する。
励起光光源23の波長は固定され、信号光光源22の波長はシグナルジェネレータ25から発せられた周波数1Hzの鋸歯状波と周波数15kHzのサイン波が重畳された信号により変調されている。サイン波の振幅は10mVで、鋸歯状波は0.5Vから0.7Vで発生されている。この電圧により電圧−電流変換を行い、信号光光源22の電流注入量は変調されている。受光器24からの出力をロックインアンプ26に入力し、15kHzのサイン波の倍成分である30kHzの成分を観測し、出力をオシロスコープ27に入力する。オシロスコープ27は、1Hzの鋸歯状波と同期されており、鋸歯状波により発生波長が変調されているので、時間軸が波長の変化に相当し、ロックインアンプ26からの2f成分のスペクトルを観測している。ロックインアンプ26の時定数は1msecに設定されている。
導波路型波長変換素子10Aの屈折率変調部12Aに印加電圧を印加しなかった場合のオシロスコープ波形を図5(a)に示す。中央に乱れはあるが、出力光のフリンジが原因となるほぼサイン波型の出力波形が得られた。次に、屈折率変調部12Aに0Vから5Vの三角波で変調された印加電圧をかけた所、ロックインアンプ26の時定数が長いため、変調の1周期以上の時間平均の出力が得られ、図5(b)に示すように、ほぼ中央付近にピークが観測され、理論予測されるN2Oの吸収線の位置と一致した。以上のように、屈折率変調部12Aに周期的な電圧を印加することによりフリンジの影響を抑えることに成功した。なお、図5(a)及び図5(b)において、横軸は波長に相当する時間を示し、縦軸は2f成分の信号強度を示している。
[実施例2]
本実施例では、導波路型波長変換素子として、実施例1で用いたものと同じものを用い、又、分光装置のシステムとしても、基本的に同様のものを用いているので、図1及び図4を参照して、異なる部分のみ説明する。
実施例1では、励起光光源23の波長は固定され、信号光光源22の波長はシグナルジェネレータ25から発せられた周波数1Hzの鋸歯状波と周波数15kHzのサイン波が重畳された信号により変調されたが、本実施例では、励起光光源23を周波数15kHzのサイン波で変調し、信号光光源22を周波数1Hzの鋸歯状波で変調した。このように、実施例1では信号光にサイン波と鋸歯状波を重畳した信号で変調を行ったが、本実施例では、励起光と信号光に役割を分担させて変調(掃引)を行っている。この場合でも、(式1)に示すように、変換光の波長自体は実施例1も本実施例も同じく重畳された変調が施されることになる。
実施例1と同様にして、オシロスコープ27で波形を観測したところ、屈折率変調部12Aに変調電圧を加えなかった場合は、中央に乱れはあるが、出力光のフリンジが原因となるほぼサイン波型の出力波形が得られ、屈折率変調部12Aに0Vから5Vの三角波で変調された印加電圧をかけた場合は、ほぼ中央付近に理論予測されるN2Oの吸収線の位置と一致するピークが観測された。
なお、上記実施例1及び本実施例では、4.54μm付近のN2Oの吸収線を観測したが、他の波長帯の異なるガスにおいても、同様の効果が得られる。
[実施例3]
本実施例も、図1及び図4を参照して説明する。
本実施例において、導波路型波長変換素子10Aには、コア層14、15がニオブ酸リチウムからなり、クラッド層がタンタル酸リチウムからなる直接接合法を用いたリッジ型導波路を作製している。このリッジ型導波路において、反転周期Λ0=17.6μmの周期分極反転構造からなる波長変換部11Aを30mm作製し、周期分極反転構造の無い領域を20mm確保する。リッジ型導波路のコア層14、15の厚みと幅は、それぞれ8μmと14μmである。リッジ型導波路の上面にSiO2を0.5μm堆積し、フォトプロセスと金属蒸着により、周期分極反転構造の無い導波路上面と当該導波路横の基板13であるタンタル酸リチウム層の上に直線電極部となる電極16、17を作製し、この部分を電気光学効果による屈折率変調部12Aとしている。導波路型波長変換素子10Aの端面は斜めに6度カットされ、ARコートが施されている。
ここでは、信号光光源22及び励起光光源23を同じ入力光源とし、1.526μmのDFB−LDを用いており、この出力光が屈折率変調部12A側から導波路型波長変換素子10Aに入力される。導波路型波長変換素子10Aでは、第二高調波発生により、変換光である0.763μmの赤色光が発生する。導波路型波長変換素子10Aからの出力光は外気である空気(測定対象)を1m伝搬し、Si受光器(受光器24)で受光する。
入力光源の波長は、シグナルジェネレータ25から発せられた周波数1Hzの鋸歯状波と周波数15kHzのサイン波が重畳された信号により変調(掃引)されている。サイン波の振幅は10mVで、鋸歯状波は0.5Vから0.7Vで発生されている。この電圧により電圧−電流変換を行い、入力光源の電流注入量は変調されている。受光器24からの出力をロックインアンプ26に入力し、15kHzのサイン波の倍成分である30kHzの成分を観測し、出力をオシロスコープ27に入力する。オシロスコープ27は1Hzの鋸歯状波と同期されており、鋸歯状波により発生波長が変調されているので、時間軸が波長の変化に相当し、ロックインアンプ26からの2f成分のスペクトルを観測している。ロックインアンプ26の時定数は1msecに設定されている。
導波路型波長変換素子10Aの屈折率変調部12Aに印加電圧を印加しなかった場合のオシロスコープ波形を図6(a)に示す。中央に乱れはあるが、出力光のフリンジが原因となるほぼサイン波型の出力波形が得られた。次に、屈折率変調部12Aに0Vから5Vの三角波で変調された印加電圧をかけた所、ロックインアンプ26の時定数が長いため、変調の1周期以上の時間平均の出力が得られ、図6(b)に示すように、ほぼ中央付近にピークが観測され、理論予測されるO2の吸収線の位置と一致した。以上のように、屈折率変調部12Aに周期的な電圧を印加することにより、フリンジの影響を抑えることに成功した。なお、図6(a)及び図6(b)においても、横軸は波長に相当する時間を示し、縦軸は2f成分の信号強度を示している。
[実施例4]
本実施例では、導波路型波長変換素子の構成、作製方法が上述した実施例と異なる。本実施例で使用する導波路型波長変換素子の概略図を図7に示すと共に、図4も参照して、本実施例を説明する。
図7に示す導波路型波長変換素子10Cも、波長変換部11Bと屈折率変調部12Cを有している。本実施例では、ニオブ酸リチウム基板31の一部にまず周期分極反転領域32(周期分極反転構造)を設け、反転周期Λ0=17.7μmの周期分極反転領域32が30mmの波長変換部11Bとなっており、周期分極反転領域32で無い領域33が20mmとなっており、これらの領域32、33に直線型のプロトン交換導波路34を作製した。フォトプロセスと金属蒸着とにより、プロトン交換導波路34の両側であって、分極反転周期領域で無い領域33に直線電極部となる電極35、36を2本形成し、屈折率変調部12Cとした。
実施例3と同様に、入力光源として、1.526μmのDFB−LDを使用し、この出力光が屈折率変調部12C側から導波路型波長変換素子10Cに入力される。導波路型波長変換素子10Cでは、第二高調波発生により、変換光である0.763μmの赤色光が発生する。導波路型波長変換素子10Cからの出力光は外気である空気(測定対象)を1m伝搬し、Si受光器(受光器24)で受光する。
入力光源の波長は、シグナルジェネレータ25から発せられた周波数1Hzの鋸歯状波と周波数15kHzのサイン波が重畳された信号により変調(掃引)されている。サイン波の振幅は10mVで、鋸歯状波は0.5Vから0.7Vで発生されている。この電圧により電圧−電流変換を行い、入力光源の電流注入量は変調されている。受光器24からの出力をロックインアンプ26に入力し、15kHzのサイン波の倍成分である30kHzの成分を観測し、出力をオシロスコープ27に入力する。オシロスコープ27は1Hzの鋸歯状波と同期されており、鋸歯状波により発生波長が変調されているので、時間軸が波長の変化に相当し、ロックインアンプ26からの2f成分のスペクトルを観測している。ロックインアンプ26の時定数は1msecに設定されている。
実施例3と同様に、導波路型波長変換素子10Cの屈折率変調部12Cに印加電圧を印加しなかった場合には、図6(a)に示すオシロスコープ波形と同様に、中央に乱れはあるが、出力光のフリンジが原因となるほぼサイン波型の出力波形が得られた。次に、屈折率変調部12Cに0Vから15Vの三角波で変調された印加電圧をかけた所、図6(b)とほぼ同様に、ほぼ中央付近にピークが観測され、理論予測されるO2の吸収線の位置と一致した。以上のように、屈折率変調部12Cに周期的な電圧を印加することにより、フリンジの影響を抑えることに成功した。ここでは、電極35、36から屈折率変調部12Cへの電圧(電界)の印加方向が異なるので、Vπ=15Vが大きくなっている。
なお、本実施例ではプロトン交換導波路を用いたが、Ti拡散導波路等の拡散型導波路を用いても良い。
[他の変形例]
上記実施例1〜4では、導波路型波長変換素子のコア層に2次非線形光学結晶であるニオブ酸リチウムもしくはニオブ酸リチウムにプロトンが拡散されたものを用いたが、他の2次非線形光学媒質を用いても良い。特に、基板やコア層に、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムを用いたり、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムに、Mg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料を用いたりすることが望ましい。又、タンタル酸リチウム等からなる基板に、リブ型の形状を持つ上述したコア層を接着剤で貼り付けて、導波路型波長変換素子を作製しても良い。
更に、屈折率変調部と波長変換部の順番に有為な差は無く、上記実施例1〜4では導波路型波長変換素子の屈折率変調部側から入力光が入力されたが、屈折率変調部を出力側とし、入力側に波長変換部を持ってきても良い。
更に、屈折率変調部に印加した電圧は三角波で変調したが、サイン波や鋸歯状波等の繰り返し型の変調を行えば、フリンジの影響を抑制できる。又、上記実施例1〜4では、差周波発生と第二高調波発生に関して示したが、和周波発生などの他の2次非線形光学効果を用いて波長変換をしても同様の効果が得られる。又、上記実施例1〜4では、屈折率変調部は電気光学効果に依るものを示したが、図2に示したように、熱光学効果を用いて屈折率を変調しても良い。又、上記実施例1〜4では、ロックインアンプでノイズ成分を取り除きつつ時間平均を取る計測を行ったが、更に、得られたデータを統計平均し、より明確なノイズ除去を行っても良い。
本発明は、ガスのセンシングや光学部品分光に好適なものである。
10A、10B、10C 導波路型波長変換素子
11A、11B 波長変換部
12A、12B、12C 屈折率変調部
13 基板
14、15 コア層
16、17 電極
20 中赤外光源
21 合波器
22 信号光光源
23 励起光光源
24 受光器
25 シグナルジェネレータ
26 ロックインアンプ
27 オシロスコープ
31 ニオブ酸リチウム基板
32 周期分極反転領域
33 周期分極反転領域の無い領域
34 プロトン交換導波路
35、36 電極

Claims (8)

  1. 第1の波長の光と第2の波長の光とを入射することにより、2次非線形光学効果により新たな第3の波長の光を発生する2次非線形光学媒質からなる周期分極反転構造を有する導波路型波長変換素子と、測定対象を透過した前記第3の波長の光を受光する受光器と、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の少なくとも一方の光の波長を掃引することにより、前記第3の光の波長を掃引し、前記受光器で受光した光の分光を行う分光手段とを少なくとも備えた分光装置において、
    前記導波路型波長変換素子の入力側又は出力側に接続された導波路と前記導波路に配置された電極とからなり、前記第3の光による前記導波路型波長変換素子でのフリンジの山が1周期分変化する変調電圧を周期的に前記電極に印加することにより、前記導波路の屈折率を周期的に変調させる屈折率変調部を設け、
    前記分光手段は、前記受光器の出力を前記変調の1周期以上に渡って時間平均することにより分光スペクトルを得る
    ことを特徴とする分光装置。
  2. 請求項1に記載の分光装置において、
    前記第1の波長の光と前記第2の波長の光は同じ波長であって、同じ光源から出力される
    ことを特徴とする分光装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の分光装置において、
    前記屈折率変調部は、前記電極に電圧を印加して、電気光学効果により前記導波路の屈折率を変調する
    ことを特徴とする分光装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の分光装置において、
    前記屈折率変調部は、前記電極に電圧を印加して、熱光学効果により前記導波路の屈折率を変調する
    ことを特徴とする分光装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の分光装置において、
    前記導波路型波長変換素子は直接接合法で作製され、コア層がLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成る
    ことを特徴とする分光装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の分光装置において、
    前記導波路型波長変換素子はリブ型の形状を持つコア層が基板に接着剤で貼り付けられて作製され、コア層がLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成る
    ことを特徴とする分光装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の分光装置において、
    前記導波路型波長変換素子は基板としてLiNbO3又はLiNbO3にMg、Zn、Sc及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成り、Tiもしくはプロトンが拡散されて導波路が形成されている
    ことを特徴とする分光装置。
  8. 第1の波長の光と第2の波長の光とを2次非線形光学媒質からなる周期分極反転構造を有する導波路型波長変換素子に入射して、前記導波路型波長変換素子の2次非線形光学効果により新たな第3の波長の光を発生させると共に、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の少なくとも一方の光の波長を掃引することにより、前記第3の光の波長を掃引し、
    前記導波路型波長変換素子で発生させた前記第3の波長の光を測定対象に入射し、前記測定対象を透過した前記第3の波長の光を受光器で受光し、
    前記受光器で受光した光の分光を行う分光検出方法において、
    前記導波路型波長変換素子の入力側又は出力側に接続された導波路と前記導波路に配置された電極とを設けて、前記第3の光による前記導波路型波長変換素子でのフリンジの山が1周期分変化する変調電圧を周期的に前記電極に印加することにより、前記導波路の屈折率を周期的に変調させると共に、
    前記受光器の出力を前記変調の1周期以上に渡って時間平均することにより分光スペクトルを得る
    ことを特徴とする分光検出方法。
JP2015009074A 2015-01-21 2015-01-21 分光装置及び分光検出方法 Active JP6199326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009074A JP6199326B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 分光装置及び分光検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009074A JP6199326B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 分光装置及び分光検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016133437A JP2016133437A (ja) 2016-07-25
JP6199326B2 true JP6199326B2 (ja) 2017-09-20

Family

ID=56437949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015009074A Active JP6199326B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 分光装置及び分光検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6199326B2 (ja)

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003107545A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Ngk Insulators Ltd リッジ型光導波路素子の製造方法
JP2004212824A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 干渉型変調器およびそれを用いた高調波光源装置
EP1850116B1 (en) * 2006-04-27 2013-09-18 Axetris AG Gas detection method
JP2007303954A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 干渉計センサおよびそれを用いた光学測定装置ならびに光学測定方法
JP4921307B2 (ja) * 2007-10-02 2012-04-25 日本電信電話株式会社 光吸収分析装置
JP5514989B2 (ja) * 2009-03-05 2014-06-04 日本信号株式会社 光パラメトリック発振器
JP2011021996A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Nippon Soken Inc ガス濃度計測装置
JP2011154093A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Anritsu Corp レーザ光源およびそれを用いたガス検知装置
JP2011196832A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fuji Electric Co Ltd レーザ式ガス分析装置
JP2012118333A (ja) * 2010-12-01 2012-06-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長変換素子
JP2012181554A (ja) * 2012-06-12 2012-09-20 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 中赤外光源およびそれを用いた赤外光吸収分析装置
JP2014211539A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 日本電信電話株式会社 波長変換素子
JP2014235103A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 日本電信電話株式会社 光吸収測定用レーザ光源およびそれを用いた光吸収測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016133437A (ja) 2016-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gyger et al. Observation of stimulated Brillouin scattering in silicon nitride integrated waveguides
JP4921307B2 (ja) 光吸収分析装置
US9152009B2 (en) Terahertz-wave generating element, terahertz-wave detecting element, and terahertz time-domain spectroscopy device
JP2015222414A (ja) テラヘルツ波発生装置、及びこれを用いた測定装置
US20200166822A1 (en) Terahertz wave generating device, optical parametric amplifier, terahertz wave detector, and nonlinear optical element
JP2007193034A (ja) 波長変換装置および光吸収測定装置
EP2309323B1 (en) Method for evaluating characteristics of an optical modulator including plural mach-zehnder interferometers
Loridat et al. All integrated lithium niobate standing wave Fourier transform electro-optic spectrometer
US10969276B2 (en) Dual-frequency-comb spectrometer and spectroscopy method for spectroscopic investigation of a sample
JP2011203376A (ja) 波長変換素子および波長変換光源
US20130230066A1 (en) Light source device, analysis device, and light generation method
JP2015076467A (ja) 中赤外レーザ光源
Amber et al. Nonlinear optical interactions in focused beams and nanosized structures
Shin et al. Enhanced Pockels effect in AlN microring resonator modulators based on AlGaN/AlN multiple quantum wells
JP6199326B2 (ja) 分光装置及び分光検出方法
JP2009036578A (ja) 光吸収測定装置
JP6199327B2 (ja) 分光装置及び分光検出方法
Varga et al. Bandwidth control of the biphoton wavefunction exploiting spatio-temporal correlations
JP2012181554A (ja) 中赤外光源およびそれを用いた赤外光吸収分析装置
Rao et al. Measurements of optical loss in GaAs/Al2O3 nonlinear waveguides in the infrared using femtosecond scattering technique
JP2015176072A (ja) 中赤外レーザ光発生装置及びガス検出装置並びに中赤外レーザ光発生方法及びガス検出方法
Poiana et al. All-Fiber Electro-Optic Dual Optical Frequency Comb for Fiber Sensors
JP2023079135A (ja) ファイバーセンシング装置
JP6093246B2 (ja) 中赤外波長変換光源
Jäger et al. Arrays of individually addressable soi micro ring resonators for bio sensing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161208

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170421

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6199326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150