JP5512645B2 - 屋根用シール材 - Google Patents

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Description

本発明は、複数階建ての建物の下層階を覆う傾斜した屋根面と、屋外側の交差角度が90度になる内角部を形成する上層階の2つの側壁面とが交差する部分である入隅部をシールするために設けられ、所定厚みを有した可撓性のシート状体からなる屋根用シール材に関する。
従来、例えば下記特許文献1に示されるように、下層階の屋根面と、その上の上層階の内角部(屋外側に90度の交差角度をもつ奥窄まりの角部)を形成する2つの側壁面とが交差する部分である入隅部に、雨水等の浸入を防止するためのシール材(防水シート)を取り付けることが行われている。
具体的に、同文献に開示されたシール材は、合成樹脂、紙、ゴム等の可撓性の部材からなるもので、上層階の直交する2つの側壁面に沿うように上面視L字状に折曲された立上り片と、立上り片の下端部と連続して設けられ、下層階の屋根面に沿って配置される扁平片とを備える。このシール材は、その立上り片が上層階の側壁面にステープルまたは釘等を用いて固定されることで、上記入隅部を覆うように取り付けられる。
実開昭55−157934号公報
ここで、建物の屋根は、棟(屋根の頂部)を境に両方向に傾斜する、いわゆる逆V字型に形成されることが多く、水平面に対し傾斜しているのが一般的である。このように屋根面が傾斜している場合は、上層階の内角部を形成する2つの側壁面のうち左側の側壁面が傾斜方向に沿って配置される場合と、右側の側壁面が傾斜方向に沿って配置される場合とで、入隅部の3次元的な形状が異なってくる。したがって、このような勝手違いの入隅部に対しては、同一形状のシール材を取り付けることができない。
もちろん、勝手違いの入隅部に合わせて2種類の形状のシール材を用意すれば、これら2種類のシール材の種類を使い分けることで、いずれの入隅部に対してもシール材を取り付けることができる。しかしながら、このように勝手違いの入隅部に合わせて2種類のシール材を用意することは、次のような問題につながる。
例えば、シール材が合成樹脂またはゴム製の一体品である場合、成形用の金型を2種類用意しなければならず、シール材の単価が増大してしまう。また、シール材を使用する現場において、用意すべきシール材の種類を間違えて、シール材の取付けができなくなるおそれもある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、勝手違いの入隅部に対し共通に使用することが可能な屋根用シール材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、複数階建ての建物の下層階を覆う傾斜した屋根面と、屋外側の交差角度が90度になる内角部を形成する上層階の2つの側壁面とが交差する部分である入隅部をシールするために設けられ、所定厚みを有した可撓性のシート状体からなる屋根用シール材であって、上記屋根面に沿って傾斜状に配置される基部と、基部から上方に立ち上がり、上記上層階の2つの側壁面に沿ってそれぞれ配置される第1および第2の立上り部とを備え、上記第1立上り部と第2立上り部との折曲部の交差角度、および上記基部と第2立上り部との折曲部の交差角度が、それぞれ90度に設定される一方、上記基部と第1立上り部との折曲部の交差角度が90度よりも大きい角度に設定され、上記基部と第1立上り部との折曲部、上記基部と第2立上り部との折曲部、上記第1立上り部と第2立上り部との折曲部のそれぞれに、各折曲部の折曲ラインに沿って延びる所定深さの溝が形成され、上記基部と第1立上り部との折曲部に設けられた溝の深さが、他の溝の深さよりも小さく設定されており、上記溝を起点に上記第1および第2の立上り部が上記基部に対し折り返されることで、表裏が逆転したリバース状態と、逆転する前のノーマル状態との間で変位可能であることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、可撓性のシート状体からなる共通の屋根用シール材を基にして、ノーマル状態と、これを表裏裏返しにしたリバース状態という2種類の形態をつくり出すことができるため、勝手違いの入隅部に対し共通の屋根用シール材を使用することができる。このように、共通の屋根用シール材が使用可能であれば、屋根用シール材を最初から2種類の形態に作り分ける必要がない(つまり準備段階ではノーマル状態の屋根用シール材のみを用意すればよい)ため、例えば屋根用シール材を製造するための金型が1種類で済み、屋根用シール材の単価を効果的に低減することができる。また、屋根用シール材の種類を間違えるおそれがないため、現場での作業性を向上させることができる。
上記屋根用シール材の素材としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい(請求項2)。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、耐水性、耐候性、耐熱老化性等に優れ、かつゴム弾性に富むという性質をもつため、屋根部という環境の厳しい場所で使用される屋根用シール材の材質として、特に好適である。
以上説明したように、本発明によれば、勝手違いの入隅部に対し共通に使用することが可能な屋根用シール材を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる屋根用シール材の斜視図である。 図1に示した屋根用シール材の3面展開図である。 図2のIII部を拡大した図である。 図2のIV部を拡大した図である。 図2のV部を拡大した図である。 上記屋根用シール材の立上り部を基部に対し折り返す前と折り返した後の状態とを示す図である。 図6の折り返し後の状態を上下逆転したものであり、図1、図2に示したノーマル状態の屋根用シール材と表裏逆転の関係にあるリバース状態の屋根用シール材を示す斜視図である。 図7に示した屋根用シール材の3面展開図である。 屋根の入隅部を示す斜視図である。 屋根の一部にルーフィング材を施工した後の状態を示す図である。 屋根の入隅部に両面テープを貼り付けた後の状態を示す図である。 屋根の入隅部に屋根用シール材を取り付けた後の状態を示す図である。 図9とは勝手違いの入隅部を示す斜視図である。 図13に示す入隅部に屋根用シール材を取り付けた後の状態を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態にかかる屋根用シール材1(以下、単にシール材1という)の斜視図、図2は、シール材1の3面展開図である。これらの図に示されるシール材1は、建物の屋根部をシールするために使用される部品であり(例えば図12等参照)、所定厚みのシート状体を立体的に折曲形成したものから構成される。
具体的に、上記シール材1は、鉛直面に沿って配置される第1立上り部3と、この第1立上り部3の一側辺部から面外方向に延びる第2立上り部4と、これら第1、第2立上り部3,4の各下端部と連続して平面状に延びるように設けられた基部2とを一体的に有している。
上記第1立上り部3は、正面視で長方形状に形成されており、水平方向に延びる上辺部3aおよび下辺部3bと、鉛直方向に延びる一対の側辺部3c,3dとを有している。一方、上記第2立上り部4は、上辺部4aおよび下辺部4bが非平行な台形状に形成されている。具体的に、第2立上り部4は、水平方向に延びる上辺部4aと、水平方向に対し所定角度だけずれた方向(第1立上り部3から遠ざかるほど高さが低くなる方向)に傾斜して延びる下辺部4bと、鉛直方向に延びる一対の側辺部4c,4dとを有している。
上記第1立上り部3と第2立上り部4とは、第2立上り部4の短辺側の側辺部4cが第1立上り部3の一側辺部3dにつながることで、全体として上面視L字状に形成されている。これら第1、第2立上り部3,4の交差角度は、90度に設定されている。
上記基部2は、上記第1、第2立上り部3,4の各下辺部3b,4bとつながっており、上面視で長方形状に形成されている。この基部2は、第2立上り部4の下辺部4bと平行な傾斜面に沿って配置され、その傾斜角度は、後述する屋根面Rs(図9等参照)の傾斜角度に対応して、例えば水平面に対し24°傾斜するように設定されている。このため、基部2と第1立上り部3との交差角度は90°よりも大きい角度になる。一方、基部2と第2立上り部4との交差角度は90°である。
上記基部2と第1立上り部3とが交差する角部を折曲部L1、基部2と第2立上り部4とが交差する角部を折曲部L2、第1、第2立上り部3,4どうしが交差する角部を折曲部L3とすると、これら各折曲部L1,L2,L3には、それぞれの折曲ライン(面どうしの交差ライン)に沿って、図3〜図5に示される溝10が形成されている。この溝10は、基部2および第1、第2立上り部3,4の各表面を延長した面(仮想線で示す)よりも所定量凹むように形成され、この溝10の深さの分だけ、上記各折曲部L1,L2,L3の肉厚が薄くなっている。
なお、図3〜図5を比較すると分かるように、当実施形態では、基部2と第1立上り部3との折曲部L1に形成された溝10のR(半径)が、他の折曲部L2,L3に形成された溝10のRよりも小さく設定されている。言い換えると、折曲部L1の溝10の深さは、他の折曲部L2,L3の溝10の深さよりも小さい。
上記シール材1の素材としては、人の手で自由に屈曲させ得る程度に柔軟な可撓性材料が用いられる。例えば、シール材1の素材として、オレフィン系熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系またはポリプロピレン系の樹脂)のマトリックスにオレフィン系ゴム(EPRゴムまたはEPDMゴム)を微分散させたものであり、優れたゴム弾性を有するとともに、耐水性、耐候性、耐熱老化性等に優れるといった特性を有している。このため、屋根部という環境の厳しい場所で使用されるシール材1の素材として、好適に使用することができる。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマーを素材とするシール材1は、透明、または半透明に形成することができる。シール材1を透明または半透明とした場合、シール材1による屋根のシール対象部分(図9〜図12等に示す屋根の入隅部P)をシール材1を通して視認することができるので、シール材1の施工性を向上させることができる。
上記シール材1の素材としてオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いた場合、さらに、当該素材にヒンダードアミン系光安定剤(Himdered Amine Light Stabilizer)と呼ばれる添加剤を添加することが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、紫外線による劣化を防止して耐光性を向上させるための添加剤である。HALS自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線エネルギーによって生じる有害なフリーラジカル(過激分子)を捕捉することで、オレフィン系ゴム等の素材に優れた耐光性を付与する。
上記のような可撓性の(屈曲自在な)材質からなるシール材1は、図6に示すように、第1、第2立上り部3,4を基部2に対し折り返すことが可能である。すなわち、図3〜図5に示したように、シール材1は、その各折曲部L1,L2,L3に溝10を有しているため、この溝10を起点に容易に屈曲変形させる(つまり各折曲部L1,L2,L3の折り曲げ角度を変更する)ことが可能で、しかも屈曲後の状態を保持することができる。これにより、シール材1は、その立上り部3,4が基部2に対し上方に立ち上がった図中上側の状態から、立上り部3,4が下方に折り返された図中下側の状態に変位することが可能である。なお、図6では、立上り部3,4を折り返した後のシール材を、符号1’で表わしている。
折り返し後のシール材1’(図6の下側)を上下反転させたものを図7に示す。シール材1’は、この図7に示した状態で、屋根部のシールに用いられる。なお、図7のシール材1’を展開した3面展開図を、図8に示す。
図7および図8に示したシール材1’と、元のシール材1(図1および図2参照)とを比較すると分かるように、シール材1’は、シール材1に対して表裏裏返しの関係になっている。以下では、表裏が逆転した後のシール材1’を「リバース状態のシール材」、逆転する前のシール材1を「ノーマル状態のシール材」と称する。
図9は、上記ノーマル状態のシール材1を用いたシールの対象である屋根の入隅部Pを示す斜視図である。なお、図9では、複数階建ての建物の一例として、2階建ての住宅を図示している。
図9に示される入隅部Pは、下層階(1階)を覆う屋根Rの上面と、上層階(2階)の内角部Cを形成する2つの側壁面W1,W2とが交差する部分に形成される。内角部Cは、屋外側の交差角度(側壁面W1,W2の外面どうしがなす角度)が90度になる奥窄まりの角部であり、この内角部Cの下端部近傍に、入隅部Pが形成されている。なお、図示の屋根Rは、瓦等の屋根葺材を敷く土台となるものであり、屋根の下地材と言い換えることもできる。
上記屋根Rは、その頂部に形成された稜線(棟)Vを境に両方向に傾斜する、いわゆる逆V字型に形成されている。図9の場合、屋根Rは、稜線Vから手前側に向かって下向きに傾斜する面と、稜線Vから奥側に向かって下向きに傾斜する面とを有しており、2階の内角部Cは、手前側の傾斜面の上に形成されている。なお、以下では、屋根Rのうち、内角部Cが形成される側(図9では手前側)の傾斜面に符号Rsを付し、これを屋根面Rsと称する。
図9に示すように、上記内角部Cを形成する2つの側壁面W1,W2のうち、内角部Cを正面から見たときに右側に位置する側壁面W1は、稜線Vと平行に(水平方向に)延びるように配置されている。一方、内角部Cを正面から見たときに左側に位置する側壁面W2は、屋根面Rsの傾斜方向(稜線Vと直交する方向)に沿って配置されている。
この図9の例のように、左側の側壁面W2が屋根面Rsの傾斜方向に沿って配置される場合、入隅部Pには、ノーマル状態のシール材1(図1、図2)を取り付けることが可能である(例えば図12参照)。
一方、図13に示すように、住宅によっては、図9とは逆に、内角部Cを正面から見たときに右側に位置する側壁面W2が屋根面Rsの傾斜方向に沿って配置され、左側の側壁面W1が稜線Vと平行に配置されることもある。このようなケースにおいて、屋根面Rsと側壁面W1,W2との交差部分に形成される入隅部P’は、図9に例示した入隅部Pと比べて、3次元的な形状が異なっている(鏡で反転した関係にある)。したがって、このような入隅部P’には、上記ノーマル状態のシール材1を取り付けることはできず、シール材1を表裏裏返しにしたリバース状態のシール材1’(図7、図8)を取り付ける必要がある。なお、以下では、ノーマル状態のシール材1が取り付けられる入隅部P(図9)と、リバース状態のシール材1’が取り付けられる入隅部P’(図13)とを区別して指すときは、入隅部Pを「正勝手の入隅部」、入隅部P’を「反対勝手の入隅部」と称する。
次に、上記シール材1(1’)の取付け手順について説明する。なお、ノーマル状態のシール材1を正勝手の入隅部Pに取り付ける場合と、リバース状態のシール材1’を反対勝手の入隅部P’に取り付ける場合とでは、取り付ける手順は同じである。したがって、ここでは、ノーマル状態のシール材1を正勝手の入隅部Pに取り付ける場合を代表的に説明する。
まず、図10に示すように、屋根面Rsに、防水性のシートからなるルーフィング材20を施工する。ルーフィング材20とは、例えばフェルト製のシート素地にアスファルトを染み込ませたもので、瓦等の屋根葺材と屋根面Rs(屋根の下地材の上面)との間に敷設されるものである。このとき、2階の側壁面W1,W2の下端部近傍についても、ルーフィング材20を折り返した部分によって覆うようにする。そのための準備として、ルーフィング材20のうち、側壁面W1,W2の間の内角部Cに対応する部分には、あらかじめ切り込みを入れておく。そして、ルーフィング材20を施工する際には、切り込みを入れた部分のルーフィング材20を、内角部Cにおいて部分的に重ね合わせるようにする(図11等も参照)。
なお、図10では、屋根面Rsのうち高さが低い外側端部を中心にルーフィング材20を施工した状態を示しているが、残りの部分の屋根面Rsについても、適宜の時期にルーフィング材20が施工される。
上記ルーフィング材20の施工後は、図11に示すように、粘着性の両面テープ22を入隅部Pに貼り付ける。すなわち、所定長さ(シール材1の周囲長に近い長さ)に切断した両面テープ22を用意し、この両面テープ22を、側壁面W1,W2に亘ってルーフィング材20の上から貼り付ける。
次いで、図12に示すように、シール材1を両面テープ22の上から重ねるように配置することにより、入隅部Pにシール材1を取り付ける。なお、シール材1の取り付けよりも先にルーフィング材20が施工されていることから、シール材1と入隅部Pの各壁面(屋根面Rsおよび側壁面W1,W2)との間にはルーフィング材20が介在することになる。つまり、シール材1は、ルーフィング材20を介して入隅部Pを覆うように取り付けられる。
より具体的に、シール材1は、その第1立上り部3と第2立上り部4との折曲部L3が内角部Cの交差ラインに一致し、基部2と第1立上り部3との折曲部L1が側壁面W1と屋根面Rsとの境界線S1に一致し、基部2と第2立上り部4との折曲部L2が側壁面W2と屋根面Rsとの境界線S2に一致するように取り付けられる。これにより、入隅部Pにおいては、側壁面W1が第1立上り部3によって覆われ、側壁面W2が第2立上り部4によって覆われ、屋根面Rsが基部2によって覆われる。このとき、先に接着した両面テープ22により、シール材1の第1、第2立上り部3,4が、各側壁面W1,W2(正確にはこれを覆うルーフィング材20)にそれぞれ固定される。
また、シール材1よりも先に施工されている両面テープ22は、その幅方向の中心が、シール材1の第1、第2立上り部3,4の上辺部にほぼ一致するような高さに位置している。このため、シール材1は、その第1、第2立上り部3,4の上辺部の近傍のみが両面テープ22により接着されて固定される。また、両面テープ22の上側のほぼ半分は、第1、第2立上り部3,4よりも上側に露出している。
さらに、この状態で、ステープル、釘、または鋲等をシール材1の要所に打ち込んで、シール材1をさらに強固に固定してもよい。なお、ステープルや釘等をシール材1に打ち込んだ場合、シール材の材質によっては、その打ち込み部から雨水等が浸入するおそれがある。そこで、このような事態を確実に防止する観点からも、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマーをシール材1の材質として用いることが好ましい。先にも説明したとおり、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、優れたゴム弾性を有するとともに、耐水性および耐候性等に優れるため、上記のようなステープルや釘等をシール材1に打ち込んでも、シール性が損なわれることがなく、シール材1の性能を長期間にわたって維持することができる。
上記のようにしてシール材1を入隅部Pに取り付けた後は、透湿性の防水シート(図示省略)を、2階の側壁面W1,W2を覆うように施工する。
以上、正勝手の入隅部Pへのシール材1(ノーマル状態のシール材)の取付手順について説明したが、反対勝手の入隅部P’(図13)については、リバース状態のシール材1’が取り付けられる。その手順は、図10〜図12を用いて説明した手順(ノーマル状態のシール材1を取り付ける手順)と同じであるので、ここではその説明を省略するが、図14には、参考のために、反対勝手の入隅部P’にリバース状態のシール材1’を取り付けた状態(先の図12に相当する図)を示している。
以上説明したように、当実施形態では、屋根の入隅部P(P’)をシールするためのシール材1(屋根用シール材)として、屋根面Rs(屋根の下地材の上面)に沿って傾斜状に配置される基部2と、上層階の内角部Cを形成する2つの側壁面W1,W2に沿ってそれぞれ配置される第1、第2立上り部3,4とを備えたものが用意される。このシール材1は、基部2と第1立上り部3との折曲部L1、基部2と第2立上り部4との折曲部L2、第1立上り部3と第2立上り部4との折曲部L3のそれぞれに、各折曲部L1,L2,L3の折曲ラインに沿って延びる所定深さの溝10を有しており、この溝10を起点に上記第1、第2立上り部3,4が基部2に対し折り返されることで、ノーマル状態のシール材1から、表裏が逆転したリバース状態のシール材1’へと変位可能である。
すなわち、上記実施形態では、3平面が交差する入隅部Pをシールするために立体的に形成された可撓性のシール材1に、その折曲部L1,L2,L3の折曲ラインに沿った溝10を設けたことにより、共通のシール材1を基にして、そのままの形態(ノーマル状態)のシール材1と、これを表裏裏返しにしたリバース状態のシール材1’という2種類の形態をつくり出すことが可能である。このため、勝手違いの入隅部(正勝手の入隅部Pと反対勝手の入隅部P’)に対し、共通のシール材を使用することが可能となる。このように、共通のシール材が使用可能であれば、シール材を最初から2種類の形態に作り分ける必要がない(つまり準備段階ではノーマル状態のシール材1のみを用意すればよい)ため、例えばシール材を製造するための金型が1種類で済み、シール材の単価を効果的に低減することができる。また、シール材の種類を間違えるおそれがないため、現場での作業性を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、シール材1の材質の好適例として、オレフィン系熱可塑性エラストマーを例示したが、可撓性を有する材質であれば、必ずしもオレフィン系熱可塑性エラストマーでなくてもよい。ただし、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、上述したように、耐水性、耐候性、耐熱老化性等に優れ、かつゴム弾性に富むという性質をもつため、屋根部という環境の厳しい場所で使用されるシール材1の材質として、特に好適である。
さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマー製のシール材1を用いた場合、屋根面Rsの勾配(傾斜角度)が多少変わっても、シール材1が柔軟に変形することで、その基部2を屋根面Rsに適正に密着させることが可能である。このため、例えば屋根面Rsの勾配が、いわゆる4寸勾配(4/10)〜5.5寸勾配(5.5/10)のいずれであっても、同一のシール材1を用いて問題なく入隅部(PまたはP’)をシールすることができる。なお、4寸勾配の傾斜角度は約22°、5.5寸勾配の傾斜角度は約29°である。したがって、これらの角度の中間値(例えば24°)に基部2の傾斜角度を設定しておけば、4寸勾配〜5.5寸勾配のいずれの屋根面Rsに対しても同一のシール材1を適用することができる。
また、屋根面Rsの傾斜は、上記の例(4寸勾配〜5.5寸勾配)よりもさらに緩やかな場合があり、例えば2寸勾配〜3.5寸勾配の屋根面Rsが存在する。シール材1の基部2の傾斜角度を24°に設定したとすると、このような緩勾配(2寸勾配〜3.5寸勾配)の屋根面Rsに対しては、シール材1の取り付けが困難になると考えられる。そこで、2寸勾配〜3.5寸勾配の屋根面に対しては、傾斜角度が緩やかな別のシール材を用意すればよい。2寸勾配の傾斜角度は約11°、3.5寸勾配の傾斜角度は約19°なので、緩勾配用のシール材としては、基部の傾斜角度が例えば14°のものを用意すればよい。
以上のように、基部の傾斜角度が14°または24°という2種類のシール材を用意しておけば、2寸勾配〜5.5寸勾配という幅広い屋根の種類に適応させることができるので、より望ましいものとなる。
1(1’) 屋根用シール材
2 基部
3 第1立上り部
4 第2立上り部
10 溝
L1,L2,L3 折曲部
Rs 屋根面
C 内角部
W1,W2 (上層階の)側壁面
P(P’) 入隅部

Claims (2)

  1. 複数階建ての建物の下層階を覆う傾斜した屋根面と、屋外側の交差角度が90度になる内角部を形成する上層階の2つの側壁面とが交差する部分である入隅部をシールするために設けられ、所定厚みを有した可撓性のシート状体からなる屋根用シール材であって、
    上記屋根面に沿って傾斜状に配置される基部と、基部から上方に立ち上がり、上記上層階の2つの側壁面に沿ってそれぞれ配置される第1および第2の立上り部とを備え、
    上記第1立上り部と第2立上り部との折曲部の交差角度、および上記基部と第2立上り部との折曲部の交差角度が、それぞれ90度に設定される一方、上記基部と第1立上り部との折曲部の交差角度が90度よりも大きい角度に設定され、
    上記基部と第1立上り部との折曲部、上記基部と第2立上り部との折曲部、上記第1立上り部と第2立上り部との折曲部のそれぞれに、各折曲部の折曲ラインに沿って延びる所定深さの溝が形成され、
    上記基部と第1立上り部との折曲部に設けられた溝の深さが、他の溝の深さよりも小さく設定されており、
    上記溝を起点に上記第1および第2の立上り部が上記基部に対し折り返されることで、表裏が逆転したリバース状態と、逆転する前のノーマル状態との間で変位可能であることを特徴とする屋根用シール材。
  2. 請求項1記載の屋根用シール材において、
    上記屋根用シール材の素材が、オレフィン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする屋根用シール材。
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