JP4684672B2 - 乾式防水部材 - Google Patents
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Description
このような住宅では、建築物の水平又は傾斜した下階屋根と、上階壁面との接合部には、図9に示されるように、入隅Aや出隅Bが形成される。前記上階壁面には、通常、外壁パネルが設けられており、前記接合部を防水するためには、下階屋根上面から上階壁面と外壁パネルへと連続する防水材を配置する必要がある。
上記防水材は、現場で外壁パネルを貼り付けた後に設けるようにしているため非常に作業性が悪かった。
即ち、本発明の乾式防水部材は、請求項1に記載の通り、可撓性を有するシートの上端部に合成樹脂シートを接合して構成され、建物の下階の屋根の棟部と前記棟部が当接する壁面との間を防水するために、前記棟部と前記壁面に設けられた外壁パネルの下端部との間に形成される開口から介挿される乾式防水部材であって、前記合成樹脂シートは、前記開口の鉛直方向の幅よりも広い幅を有し、前記合成樹脂シートの上端部を折り曲げ、前記開口の鉛直方向の幅よりも狭い折曲片を形成することができるように折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の乾式防水部材において、前記合成樹脂シートは、への字形状の帯状体として形成され、前記折れ筋として、前記への字状の外形に沿うようにして、への字状の折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の乾式防水部材において、前記への字状の合成樹脂シートの頂部から鉛直方向に折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項2又は3に記載の乾式防水部材において、前記への字状の折れ筋の頂部下方に、水平方向に折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の乾式防水部材において、前記への字状の折れ筋の頂点から、前記への字状の合成樹脂シートの頂部の左右両側縁に向かって、上方に開拡するV字状の折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項2又は3に記載の乾式防水部材において、前記への字状の折れ筋の頂部左右両側から上方に向かって、下方に開拡する逆V字状の折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明は、請求項4又は6に記載の乾式防水部材において、前記水平方向の折れ筋又は前記逆V字状の折れ筋が、前記への字状の折れ筋と交わる点から合成樹脂シートの頂部左右両側縁に向かって開拡するように折れ筋を設けたことを特徴とする。
また、合成樹脂シートをへの字形状の帯状体として形成し、折れ筋として、合成樹脂シートのへの字状の外形に沿うようにして、への字状の折れ筋を設けるようにすれば、への字状の開口に施工することができるようになる。
また、への字状の合成樹脂シートの頂部から鉛直方向に折れ筋を設けるようにすれば、施工時に合成樹脂シート頂部が座屈強度が高まり、外壁と外壁パネル間への介挿を容易にすることができる。
また、への字状の折れ筋の頂部下方に、水平方向に折れ筋を設けることにより、合成樹脂シートの頂部を鉛直に近い角度で折り曲げることが可能となり、外壁パネル下端部と棟部との間の隙間に介挿する作業を容易にすることができる。
また、への字状の折れ筋の頂点から、への字状の合成樹脂シートの頂部の左右両側縁に向かって、上方に開拡するV字状の折れ筋を設けることにより、合成樹脂シートの両側から力を加えた場合には、への字状の折れ筋の頂部において、V字状の折れ筋に囲まれた部位は、折れ筋により強化され、外壁パネル下端部と棟部との間の隙間に介挿作業を容易にすることができる。
への字状の折れ筋の頂部左右両側から上方に向かって、下方に開拡する逆V字状の折れ筋を設けることにより、逆V字の折れ筋からへの字状の折れ筋の頂部に平面が立設するようにして形成され、この平面の上端部から合成樹脂シートの頂部に向かって下降するように傾斜面が左右両側に形成され、この傾斜面が当接する稜線に沿って乾式防水部材を介挿するようにすれば、外壁と外壁パネルとの間への介挿作業を容易にすることができる。
また、水平方向の折れ筋又は逆V字状の折れ筋が、への字状の折れ筋と交わる点から合成樹脂シートの頂部左右両側縁に向かって開拡するように折れ筋を設けることにより、介挿時に合成樹脂シートの両側から力を加えた場合に、合成樹脂シートの頂部に凸上面を形成することができ、座屈を防ぐことができる。
また、合成樹脂シートの上端部を、外壁パネル側に折り返すことにより折り返し片を形成することにより、外壁パネルと外壁との間に前記折り返し片を引っ掛けることができ、水の浸入を防ぐと共に、乾式防水部材が外れることを防止することができる。
図1は、本発明の乾式防水部材の適用部位を示す説明図である。図2は、図1の断面模式図である。図示されるように、棟部1は、外壁2に当接され、外壁2には所定の間隔を存して外壁パネル3が設けられている。
本発明の乾式防水部材は、図1で斜線で示される間隙、即ち、棟部1と外壁パネル3の下端部3aとの間の間隙から介挿されるものである。
本発明の乾式部材20は、図3に示されるように、ゴムシート4の上端部に、への字状のポリプロピレンシート5を貼着し、その外形状に沿うようにしてへの字状の折れ筋6が設けることにより構成されている。尚、図示されるゴムシート4は、ポリプロピレンシート5を展開状態で示すために折り畳まれた状態で表されている。
前記乾式防水部材20は、施工の際に、ポリプロピレンシート5の両端部から折れ筋6が谷折りされるようにして把持する。この時、ポリプロピレンシート5の上側部分となる折曲片5aは、図4に示すように手前側に折れ曲がり、棟部1と外壁パネル3の下端部3aとの間の開口部の上下方向の幅よりも狭くなり、容易に介挿することができる。尚、介挿した後の乾式防水部材20を図5に示す。
尚、本実施の形態では、折れ筋6としてへの字状のものを設けるようにしているが、ポリプロピレンシート5の上下方向の幅を、前記開口部の上下方向の幅よりも狭くすることができるものであれば特に制限されるものではない。また、本発明において、への字状の頂部は、角張った形状やアールを設けた形状も含まれることとする。
図6に示される乾式防水部材20は、図3で説明した乾式防水部材20のへの字状の折れ筋6の頂部6dの下方に水平方向の折れ筋7を設け、また、への字状に形成されたポリプロピレンシートの頂部5dから鉛直方向に折れ筋8を設けるようにしたものである。
上記構成の乾式防水部材20のポリプロピレンシート6の両端部から折れ筋6が谷折りされるように把持すると、への字状の折れ筋6とその頂部6d下方に設けられた水平方向の折れ筋7により面が形成され、この面に対して鉛直に近い角度で折曲片5aが折れ曲がるため、開口の頂部と折曲片5aの頂部とを合わせやすくなり、介挿作業がしやすくなる。
図7に示される乾式防水部材20は、図3で説明した乾式防水部材20において、への字状の折れ筋6の上方から、前記への字状の折れ筋の頂部6d両側に交わるように、下側開拡するV字状の折れ筋9,9を設けるようにしている。また、この交点からへの字状のポリプロピレンシートの頂部5dの両側縁に向かって開拡するように折れ筋10,10が設けられている。また、ポリプロピレンシートの頂部5dから鉛直方向(ポリプロピレンシート5の幅方向)に折れ筋8を設けるようにしている。
上記構成により、ポリプロピレンシート6の両端部から力を加えると、同図(b)に示されるように、折れ筋9,9が山折りされて、への字状の折れ筋の頂部6dには立設面9a,9aが形成される。また、折れ筋10,10において谷折りされることにより、同図(c)に示されるように、ポリプロピレンシートの頂部6dには、立設面9a,9a側から頂部6d側に向かって下降する傾斜面10a,10aが形成されることになる。
上記の状態で、図1及び図2で示される外壁パネルの下端部3aと棟部1との間の開口に折曲片5aから挿入すれば、乾式防水部材20は介挿しやすくなる。また、傾斜面10a,10aの当接する稜線に沿って滑らせるようにしてポリプロピレンシート5を介挿するようにすれば介挿作業がし易くなる。
図8に示される乾式防水部材20は、図7で説明した乾式防水部材20において、逆V字状の折れ筋9,9の頂点からポリプロピレンシートの頂部5d近傍の左右両側の端縁に向かって開拡するV字状の折れ筋11,11を設けたものである。尚、本実施の形態では、折れ筋10,10は、ポリプロピレンシート5の一方の端部から他方の端部まで設けられている。
上記構成とすることにより、ポリプロピレンシート6の両端部から力を加えて把持すると、折れ筋10,10は谷折りされて鉛直方向に形成された折れ筋8に向かって上昇する傾斜部を形成する。そして、同図(c)に示すように、への字状の折れ筋6は、その頂部6dにおいて谷折りされ、逆V字状の折れ筋9が山折りされて、への字状の折れ筋の頂部6dにおいて、これらの折れ筋9,9,6(6d)で囲まれる面が立設することになる。そして、この立設部の頂部からへの字状のポリプロピレンシート6の先端に下降する傾斜部が形成される。この傾斜部を、外壁パネル3の下端部3aに滑らせるようにしてポリプロピレンシート5を介挿するようにすれば介挿作業がし易くなる。
尚、上記したポリプロピレンシートの上端部を、外壁パネル側に所定の幅で折り返して折り返し片を設けるようにすれば、壁面と外壁パネルとの間への水の浸入を折り返し片により防ぐことができ、しかも、折り返し片により乾式防水部材を係止することができる。この折り返し片の折り返し幅については特に制限はないが、例えば10mm程度とすることができる。
尚、可撓性を有するシートとしてゴムシートを使用する場合は、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)とブチルゴムのブレンドゴムを使用することが好ましく、これにより防水シートとして必要な優れた平滑性を備えたゴムシートが得られる。また、このゴムシートに、ゴム糊を引き布に含浸させて裏打ちして、ゴムシートと一体化することが好ましい。引き布も防水性が与えられ、防水性の高い乾式防水部材となるからである。また、更に、引き布にゴム糊が含浸されているため、引き布自体に接着性が付与され、施工部位への貼着作業が容易となる。また、前記引き布をポリエステル製の織布にすると、耐熱性に有効であり、100℃に1000時間養生しても寸法変化のないものとなる。
2 外壁
3 外壁パネル
4 ゴムシート
5 ポリプロピレンシート
5a 折曲片(上側部分)
5b 下側部分
5c 糊代
6 折れ筋(への字状)
6d 折れ筋の頂部
7 水平方向の折れ筋
8 鉛直方向の折れ筋折れ筋
9 V字状の折れ筋
10 折れ筋
11 V字状の折れ筋
Claims (7)
- 可撓性を有するシートの上端部に合成樹脂シートを接合して構成され、建物の下階の屋根の棟部と前記棟部が当接する壁面との間を防水するために、前記棟部と前記壁面に設けられた外壁パネルの下端部との間に形成される開口から介挿される乾式防水部材であって、前記合成樹脂シートは、前記開口の鉛直方向の幅よりも広い幅を有し、前記合成樹脂シートの上端部を折り曲げ、前記開口の鉛直方向の幅よりも狭い折曲片を形成することができるように折れ筋を設けたことを特徴とする乾式防水部材。
- 前記合成樹脂シートは、への字形状の帯状体として形成され、前記折れ筋として、前記への字状の外形に沿うようにして、への字状の折れ筋を設けたことを特徴とする請求項1に記載の乾式防水部材。
- 前記への字状の合成樹脂シートの頂部から鉛直方向に折れ筋を設けたことを特徴とする請求項2に記載の乾式防水部材。
- 前記への字状の折れ筋の頂部下方に、水平方向に折れ筋を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の乾式防水部材。
- 前記への字状の折れ筋の頂点から、前記への字状の合成樹脂シートの頂部の左右両側縁に向かって、上方に開拡するV字状の折れ筋を設けたことを特徴とする請求項4に記載の乾式防水部材。
- 前記への字状の折れ筋の頂部左右両側から上方に向かって、下方に開拡する逆V字状の折れ筋を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の乾式防水部材。
- 前記水平方向の折れ筋又は前記逆V字状の折れ筋が、前記への字状の折れ筋と交わる点から合成樹脂シートの頂部左右両側縁に向かって開拡するように折れ筋を設けたことを特徴とする請求項4又は6に記載の乾式防水部材。
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