JP5509669B2 - 銅または銅合金の組織観察用エッチング液、エッチング方法および組織観察方法 - Google Patents

銅または銅合金の組織観察用エッチング液、エッチング方法および組織観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅または銅合金の組織観察用エッチング液、エッチング方法および組織観察方法に関し、特に、酸化感受性が高く、酸化物生成の発生しやすい銅合金や、耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などの組織を観察する際に、前処理として行うエッチングに好適に用いられる組織観察用エッチング液、エッチング方法および組織観察方法に関する。
従来から、銅または銅合金の結晶粒度の測定や析出状態の観察等を行うために、銅または銅合金の組織状態や結晶粒界の顕微鏡観察(ミクロ組織観察)が行われている。一般に、銅または銅合金のミクロ組織観察を行う場合には、ミクロ腐蝕エッチング液を用いて被観察面をエッチングする前処理(ミクロ腐蝕)が行われている。
また、従来から、鋳造材料の凝固状態や組織の流れ等を観察(マクロ組織観察)する場合、マクロ腐蝕エッチング液を用いて被観察面をエッチング(マクロ腐蝕)する作業が多く行われている。
銅または銅合金からなる被観察面の前処理に用いられるミクロ腐蝕エッチング液としては、例えば、非特許文献1に記載されているm11(水酸化アンモニウム25ml、過酸化水素(3%)5〜25ml、蒸留水25ml)相当液であるアンモニアと過酸化水素水との混合液や、m3(塩化銅(II)アンモニウム10g、沈殿が溶けるまで水酸化アンモニウムを添加、蒸留水120ml)相当液である塩化銅IIアンモニウムと水酸化アンモニウムとを含む水溶液、m4(硫酸(1.84)5ml、重クロム酸ナトリウムまたはカリウム10g、蒸留水80ml)相当液である重クロム酸ナトリウムと硝酸と塩酸と塩化ナトリウムとを含む水溶液などがある。また、汎用性が高く、優れたエッチング特性を持つミクロ腐蝕エッチング液の代表例として、米国国内規格ASTM F68 17.TABLE2に規定される重クロム酸を用いたエッチング液組成が知られている。
また、材料の凝固状態や組織の流れ等を観察するマクロ組織観察において用いられるマクロ腐蝕エッチング液としては、M2b(硝酸(1.40)1ml、蒸留水100ml),M3(硝酸(1.40)10〜60ml、蒸留水90ml),M4(硝酸(1.40)50ml、蒸留水50ml)に示されるような希硝酸が多用されている。
また、ミクロ腐蝕およびマクロ腐蝕としてのエッチング方法としては、一般的に、エッチング液で湿らせた脱脂綿などを用いて、被観察面を擦る方法が用いられている。
金属エッチング技術、ギュンター・ペッォー、アグネ社、1991年2月20日、第1版5刷、P62〜P65
しかしながら、エッチング液m4相当液や汎用性が高く優れたエッチング特性を持つASTM F68 17.TABLE2に規定されるミクロ腐蝕エッチング液は、重クロム酸を含むため、対策がなされた設備内で相当の注意を持って取り扱う必要があり、原料試薬保管・処分や廃液処理に関しても適切な管理が必須である。このため、設備・管理・処理コストが増加するといった問題があった。また、金属組織の観察を必要とする現場で、重クロム酸に対応する充分な設備と体制を有している場合は比較的少なく、重クロム酸に比べて安全で低公害と思われる一般的な試薬で構成される能力の低いエッチング液しか使用できない事例も多かった。
また、既存のエッチング液を用いる場合、検体の組成や加工履歴により好ましいエッチング液の適性が異なるため、エッチング液と検体との好適な組み合わせを選択する必要性があり、広く汎用的な性能を示すエッチング液はなかった。特に、ニッケルやシリコンを含有したコルソン系銅合金は、合金中に含まれるニッケル成分などに起因する腐蝕阻害が発生するため、結晶粒界の出現が不明瞭となりやすく、組織観察しにくい場合があった。また、マンガンやマグネシュームなどの活性な成分を含有した銅合金は、酸化感受性が高く、異常変色やスマットと呼ばれる酸化物生成が発生し、組織観察が不可能となる場合や研磨時の砥粒履歴の酸化出現が起き易い等の不具合が多かった。同様に黄銅などの添加元素を多く含む高合金についても、腐蝕阻害や異常腐蝕が生じ組織観察が不可能となる場合が多かった。
また、マクロ腐蝕エッチング液として、M2b,M3,M4に示されるような希硝酸を用いた場合、腐蝕阻害や異常腐蝕・変色が生じて組織観察が不可能となったり、微細な欠陥や組織が表現されなかったりする場合があった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、汎用性が高く、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などの組織を観察する際に行うミクロ腐蝕エッチング液および/またはマクロ腐蝕エッチング液として用いることができ、成分の安全性が高く、取り扱い・処理が簡単で、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる被観察面が得られ、特別な廃液処理を必要としない組織観察用エッチング液を提供することを目的とする。
また、本発明は、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などのエッチング後に、マクロ組織観察および/またはミクロ組織観察の被観察面として好適な腐蝕面が得られるエッチング方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などの組織を、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、効率よく明確・容易に観察できる良好な被観察面が得られる組織観察方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために、エッチング作用を有するエッチング剤と、エッチング剤によるエッチング作用を調整する緩衝材の種類や、銅または銅合金の水酸化と酸化の機構に着目して鋭意検討を重ね、本発明を想到した。即ち、本発明は以下に関する。
本発明の銅または銅合金の組織観察用エッチング液は、建浴組成として、硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を含有することを特徴とする。
本発明の銅又は銅合金の組織観察用エッチング液は、エッチング剤として硝酸を含み、エッチング作用を調整する緩衝材として硫酸銅塩と硫酸と水酸化ナトリウムとを含むものであり、エッチングされる被観察面の酸化を抑制あるいは促進する水酸化皮膜の生成促進を図るために、中和剤として水酸化物である水酸化ナトリウムを含有させるとともに、水酸基のラジカル性を期待して過酸化水素を含有させているので、汎用性が高いものとなり、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などの組織を観察する際に行うミクロ腐蝕エッチング液および/またはマクロ腐蝕エッチング液として用いることができ、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる被観察面が得られるものとなる。
また、本発明の銅又は銅合金の組織観察用エッチング液は、成分の安全性が高く、取り扱い・処理が簡単で、特別な廃液処理を必要としないものとなる。
本発明の銅または銅合金の組織観察用エッチング液においては、前記硫酸銅塩が、硫酸銅五水和物塩であることが好ましい。
また、本発明の銅又は銅合金の組織観察用エッチング液においては、前記建浴組成が、1リットル中に、硝酸0.43〜0.57mol/l硫酸0.51〜0.68mol/l硫酸銅五水和物塩0.005〜0.05mol/l水酸化ナトリウム0.03〜0.035mol/l過酸化水素1〜2mol/lを含有し、残りが水からなるものであることが好ましい。
また、本発明のエッチング方法は、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金をエッチングすることを特徴とする。
また、本発明の組織観察方法は、本発明の組織観察用エッチング液に銅又は銅合金からなる被観察面を浸し、前記組織観察用エッチング液に超音波を伝導させながら前記被観察面をエッチングするエッチング工程と、エッチング後の前記被観察面の組織観察を行う観察工程とを備えることを特徴とする。
本発明の銅または銅合金の組織観察用エッチング液は、建浴組成として、硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を含有するものであるので、銅または銅合金に対するエッチング作用が、緩衝材である硫酸銅塩と硫酸と水酸化ナトリウムにより適切に調整され、銅または銅合金に対するエッチング作用を良好に機能させることができる。
このため、本発明の組織観察用エッチング液は、汎用性が高く、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などの組織を観察する際に行うミクロ腐蝕エッチング液および/またはマクロ腐蝕エッチング液として用いることができ、これを用いて銅または銅合金をエッチングした場合、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、銅または銅合金の組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる被観察面が得られる。
また、本発明の銅または銅合金の組織観察用エッチング液は、重クロム酸を含む従来のエッチング液と比較して、成分の安全性が高く、取り扱い・処理が簡単であり、特別な技能や高額な専用設備、特別な廃液処理などを必要としないものであり、好ましい。
また、本発明のエッチング方法は、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金をエッチングする方法であり、銅または銅合金に対するエッチング作用が、緩衝材により適切に調整されるので、比較的緩慢な腐蝕で銅または銅合金がエッチングされることになる。このため、本発明のエッチング方法を用いて、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などのエッチングを行うことで、マクロ組織観察および/またはミクロ組織観察の被観察面として好適な腐蝕面が得られる。
また、本発明の組織観察方法は、本発明の組織観察用エッチング液に銅または銅合金からなる被観察面を浸し、前記組織観察用エッチング液に超音波を伝導させながら前記被観察面をエッチングするエッチング工程と、エッチング後の前記被観察面の組織観察を行う観察工程とを備える方法であるので、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などのマクロ組織観察を行う場合や、ミクロ組織観察を行う場合、マクロ組織観察を行ってからミクロ組織観察を行う場合などに、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる良好な被観察面が得られる。
また、本発明の組織観察方法においては、組織観察される試料である銅又は銅合金からなる被観察面が複数ある場合であっても、複数の試料に対して一括してエッチング工程を行うことができるので、個々の試料を個別にエッチングする場合と比較して、容易に効率よくエッチング工程を行うことができ、複数個の試料の組織観察を効率よく行うことができる。
図1は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。 図2は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。 図3は、エッチング後の被観察面の写真である。 図4は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。 図5は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。 図6は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。
「組織観察用エッチング液」
本発明の銅または銅合金の組織観察用エッチング液は、建浴組成として、硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を含有するものである。
本発明の組織観察用エッチング液は、広い汎用性を有しているため、本発明の組織観察用エッチング液を用いてエッチングする銅または銅合金としては、特に限定されないが、例えば、6N高純度純銅、Cu−Si−Zn黄銅、コルソン系銅合金など既存液・既存手法では好適なエッチングが困難なものや、一般無酸素銅、タフピッチ銅、燐脱酸銅など一般的な銅または銅合金などが挙げられる。コルソン系銅合金としては、例えば、Cu、Ni、Si、Mgを含む銅合金やCu、Ni、Si、Zn、Snを含む銅合金などが挙げられる。
本発明の組織観察用エッチング液においては、硫酸銅塩は、硫酸銅五水和物塩であることが好ましい。硫酸銅五水和物塩は、銅または銅合金に対するエッチング作用を適切に調整する緩衝材として機能するものであり、好ましい。
硫酸銅塩が、硫酸銅五水和物塩である場合、本発明の組織観察用エッチング液に含まれる硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素の含有量は、以下に示す範囲であることが好ましい。すなわち、建浴組成が、1リットル中に、硝酸0.43〜0.57mol/l(18〜24ml/l)、硫酸0.51〜0.68mol/l(27〜36ml/l)、硫酸銅五水和物塩0.005〜0.05mol/l(1.4〜13g/l)、水酸化ナトリウム0.03〜0.035mol/l(1.0〜1.4g/l)、過酸化水素1〜2mol/lを含有し、残りが水(18.2MΩ超純水)からなるものであることが好ましい。
硝酸の含有量が0.43mol/l未満であると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が不十分となり、腐蝕速度が遅すぎてエッチングに要する時間が長時間となったり、結晶粒界を明瞭に出現させることができず、良好な被観察面が得られなかったりする恐れが生じる。また、硝酸の含有量が、0.57mol/lを超えると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が過剰となり、硫酸銅塩と硫酸と水酸化ナトリウムによる緩衝材としての機能が不十分となる恐れがあり、結晶粒界が不明瞭となる恐れが生じる。
硫酸の含有量が0.51mol/l未満であると、硫酸による緩衝材としての機能が不十分となり、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色などが発生して、結晶粒界が不明瞭となる恐れが生じる。また、硫酸の含有量が0.68mol/lを超えると、硫酸による酸としての機能が過剰となり、変色やオーバーエッチングを起こすなどして良好な被観察面が得られなくなる恐れが生じる。
組織観察用エッチング液に含まれる硫酸銅五水和物塩の含有量は、エッチングされる材料の酸化感受性などの特性に応じて決定されるものであり、0.005〜0.05mol/l(1.4〜13g/l)の範囲であることが好ましい。硫酸銅五水和物塩の含有量が0.005mol/l未満であると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が過剰となり、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色などが発生したり、組織観察に支障を来たす酸化物が生成したりして、結晶粒界が不明瞭となる恐れが生じる。また、硫酸銅五水和物塩の含有量が0.05mol/lを超えると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が不十分となる恐れがある。
また、硫酸銅五水和物塩の含有量は、例えば、Mn,Mg,Znなどを含有しない酸化感受性の低い銅又は銅合金をエッチングする場合には、0.005〜0.010mol/l(1.4〜2.6g/l)の範囲とすることがより好ましい。酸化感受性の低い銅又は銅合金をエッチングする場合、硫酸銅五水和物塩の含有量を上記範囲とすることで、十分な腐蝕速度を維持しつつ、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色などが発生したり、組織観察に支障を来たす酸化物が生成したりすることを十分に防止できる。
しかし、硫酸銅五水和物塩の含有量が0.010mol/l以下であると、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすいMn,Mg,Znなどを含有する銅合金をエッチングする場合には、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色、組織観察に支障を来たす酸化物の生成などを十分に抑制できない恐れがある。このような酸化物生成の発生しやすい銅合金をエッチングする場合であっても、硫酸銅五水和物塩の含有量を0.05mol/l以下の範囲で適宜増量することで、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色、組織観察に支障を来たす酸化物の生成などを十分に防止できる。
また、水酸化ナトリウムは、組織観察用エッチング液の中和剤として機能するとともに、被観察面に対する酸化作用を調整する水酸化皮膜の生成を促進するものである。水酸化ナトリウムの含有量が0.03mol/l未満であると、腐蝕阻害や異常腐蝕、変色などが発生したり、組織観察に支障を来たす酸化物が生成したりして、結晶粒界が不明瞭となる恐れが生じる。また、水酸化ナトリウムの含有量が0.035mol/lを超えると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が不十分となり、結晶粒界を明瞭に出現させることができず、良好な被観察面が得られなくなる恐れが生じる。
過酸化水素の含有量が1mol/l未満であると、過酸化水素を含有させることによる水酸化皮膜の生成を促進する効果が十分に得られず、組織観察用エッチング剤による過剰なエッチング作用を抑制できなくなり、結晶粒界が不明瞭となる恐れが生じる。また、過酸化水素の含有量が2mol/lを超えると、組織観察用エッチング液のエッチング作用が過剰となる上に、硫酸などに対する酸化剤として強く働くため、変色やオーバーエッチングを起こすなどして、良好な被観察面が得られなくなる恐れが生じる。
「エッチング方法、組織観察方法」
次に、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金からなる被観察面をエッチング(ミクロ腐蝕またはマクロ腐蝕)した後、被観察面の組織観察を行う組織観察方法について説明する。
マクロ組織観察またはミクロ組織観察を行うために、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金からなる被観察面をエッチング(ミクロ腐蝕またはマクロ腐蝕)する方法としては、特に限定されないが、例えば、組織観察用エッチング液に銅又は銅合金からなる被観察面を浸してエッチングする方法(以下、「第1の方法」という。)や、組織観察用エッチング液に銅又は銅合金からなる被観察面を浸し、組織観察用エッチング液に超音波を伝導させながら被観察面をエッチングする方法(以下、「第2の方法」という。)や、第1の方法と第2の方法の両者を組み合わせた方法などが挙げられ、エッチングされる銅または銅合金の特性や、組織観察の目的などに応じて適宜決定できる。
具体的には、例えば、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金からなる被観察面をマクロ腐蝕する場合、第1の方法を行うだけで、良好な被観察面が得られる。
しかし、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすいMn,Mg,Znなどを含有する銅合金からなる被観察面をマクロ腐蝕する場合には、より良好な被観察面を得るために、第1の方法を行った後に、第2の方法を行うことが好ましい。
また、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金からなる被観察面をミクロ腐蝕する場合、第2の方法を行うことが好ましいが、第1の方法を行うだけでもよい。本発明の組織観察用エッチング液を用いる第1の方法のみを行う場合、比較的緩慢な腐蝕速度で銅または銅合金がエッチングされるので、比較的平滑な腐蝕面が得られる。このため、第1の方法のみを行うことにより得られた被観察面は、例えば200倍程度までの低倍率でのミクロ組織観察に好適であるが、マクロ組織観察にも好適である。
また、本発明の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金からなる被観察面のマクロ組織観察およびミクロ組織観察を行う場合には、例えば、第1の方法を行うことにより得られた被観察面をマクロ組織観察し、その後、マクロ組織観察した後の被観察面に対して第2の方法を行うことにより得られた被観察面をミクロ組織観察することが好ましい。このようにして被観察面のマクロ組織観察およびミクロ組織観察を行った場合、マクロ組織観察においてもミクロ組織観察においても観察に好適な被観察面が得られる。また、このようにして被観察面のマクロ組織観察およびミクロ組織観察を行う方法は、特にビデオマイクロスコープを用いて組織観察する場合に好適である。
本実施形態の銅又は銅合金の組織観察用エッチング液は、建浴組成として、硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を含有するものであるので、銅または銅合金に対するエッチング作用が、緩衝材である硫酸銅塩と硫酸と水酸化ナトリウムにより適切に調整されるため、銅または銅合金に対するエッチング作用を良好に機能させることができる。
より詳細には、本実施形態の組織観察用エッチング液は、水酸化ナトリウムおよび過酸化水素を含有するので、これを用いて被観察面をエッチング(ミクロ腐蝕またはマクロ腐蝕)した場合、被観察面が酸化腐蝕されるのに先立って、中和緩衝剤である水酸化ナトリウムから遊離残留した水酸イオンと過酸化水素との作用に促進されて、被観察面の表面に酸化を抑制あるいは促進する水酸化皮膜が生成され、被観察面の蝕性に起因する被観察面の腐蝕速度が適切に調整される。
その結果、本実施形態の組織観察用エッチング液は、エッチングされる被観察面が、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金からなるものであっても、耐蝕性の高い銅合金からなるものであっても、高純度銅からなるものであっても、被観察面の腐蝕が緩慢かつ略一様に進み、被観察面の結晶粒界を明瞭に出現させることができる汎用性の高いものとなると考えられる。したがって、本実施形態の組織観察用エッチング液は、銅または銅合金の組織を観察する際に行うミクロ腐蝕エッチング液および/またはマクロ腐蝕エッチング液として好ましく用いることができ、これを用いて銅または銅合金をエッチングした場合、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、銅または銅合金の組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる被観察面が得られる。
また、本実施形態のエッチング方法は、本実施形態の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金をエッチング(ミクロ腐蝕および/またはマクロ腐蝕)する方法であり、銅または銅合金に対するエッチング作用が、緩衝材により適切に調整されるので、比較的緩慢な腐蝕で銅または銅合金がエッチングされることになる。このため、本実施形態のエッチング方法を用いて、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などのエッチングを行うことで、マクロ組織観察および/またはミクロ組織観察の被観察面として好適な腐蝕面が得られる。
また、本実施形態のエッチング方法は、本実施形態の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金をエッチングする方法であり、比較的緩慢な腐蝕速度で銅または銅合金がエッチングされるので、例えば、酸化感受性の高い銅合金をマクロ腐蝕する場合においてもオーバーエッチングが生じにくく、エッチング後に良好な腐蝕面であるマクロ組織観察の被観察面が得られる。
また、本実施形態のエッチング方法では、銅または銅合金に対するエッチング作用が、緩衝材により適切に調整されるので、銅または銅合金が比較的均一に溶解されるレベリング効果得られ、意図的に健全層に達するまでエッチングすることができる。
また、本実施形態の組織観察方法は、本実施形態の組織観察用エッチング液に銅又は銅合金からなる被観察面を浸し、組織観察用エッチング液に超音波を伝導させながら被観察面をエッチングするエッチング工程と、エッチング後の被観察面の組織観察を行う観察工程とを備える方法であるので、酸化感受性が高く、酸化物生成が発生しやすい銅合金や耐蝕性の高い銅合金、或は高純度銅などのマクロ組織観察を行う場合や、ミクロ組織観察を行う場合、マクロ組織観察を行ってからミクロ組織観察を行う場合などに、特別な技能や高額な専用設備を用いることなく、組織状態や結晶粒界を明確・容易に観察できる良好な被観察面が得られる。これは、超音波を伝導させながら被観察面を組織観察用エッチング液に浸すことにより、常に新鮮な組織観察用エッチング液が強制的に被観察面に供給されて腐蝕が均質に加速される上に、不働態膜ともなりうる酸化膜の滞留蓄積が生じにくくなるためと考えられる。
また、本実施形態の組織観察方法においては、組織観察される試料である銅又は銅合金からなる被観察面が複数ある場合であっても、複数の試料に対して一括してエッチング工程を行うことができるので、個々の試料を個別にエッチングする場合と比較して、容易に効率よくエッチング工程を行うことができ、複数個の試料の組織観察を効率よく行うことができる。
これに対し、例えば、エッチング液で湿らせた脱脂綿などを用いて被観察面を擦る従来のエッチング方法を用いて、複数の試料をエッチングする場合、個々の試料を個別にエッチングするので、手間がかかっていた。
また、エッチング液で湿らせた脱脂綿などを用いて被観察面を擦る従来のエッチング方法では、被観察面と脱脂綿とが接触することや、被観察面に付着していた異物が脱脂綿によって被観察面に擦りつけられることにより、被観察面に傷が生じてしまう場合があった。特に、エッチングを行うことにより被観察面に酸化物が生じる場合、エッチング液で湿らせた脱脂綿などを用いて被観察面を擦ると、不可避的に酸化物が被観察面に塗り広げられることになり、被観察面の変色を拡大させたり、酸化物の琢磨によって被観察面に新たな傷を生じさせたりする恐れがあった。
また、エッチング液で湿らせた脱脂綿などを用いて被観察面を擦る従来のエッチング方法では、擦る速度や圧力、被観察面のエッチング量などが、作業者の技量などによって変動するので、再現性が乏しく、特にエッチングしにくい材料をエッチングする場合には職人的技能に頼らず得ないという問題もあった。
これに対し、本実施形態の組織観察方法においては、組織観察用エッチング液以外のものを被観察面に接触させる必要がないので、被観察面と脱脂綿とを接触させることに起因する被観察面の傷や、被観察面を擦る作業者の技量によるエッチングむらが生じることはない。
なお、本発明の組織観察用エッチング液は、銅または銅合金の組織観察用エッチング液としてだけでなく、例えば、銅または銅合金を洗浄する場合にも好適に使用できる。
「実施例1」
Cu−Ni−Si−Zn−Snからなる試験体を、被観察面を上に向けてビーカーに入れ、表1に示すエッチング液1に浸し、エッチング液に超音波を伝導させながら試験体を120秒間エッチングした。その後、純水洗浄とドライヤーによる乾燥とを行い、倒立型金属顕微鏡(日本光学製エピショット)用いて被観察面のミクロ組織観察を行った。その結果を図1に示す。
図1は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。図1に示すように、エッチング液1を用いた場合には、エッチングに起因する傷線の出現はなく、結晶粒界を明瞭に出現させることができた。
「実施例2」
表1に示すエッチング液2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、Cu−Ni−Si−Mgからなる試験体を、エッチングした。その後、実施例1と同様にして被観察面のミクロ組織観察を行った。その結果を図2に示す。
図2は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。図2に示すように、エッチング液2を用いた場合、被観察面にエッチングに起因する傷線の出現はなく、結晶粒界を明瞭に出現させることができた。
「実施例3」
OFC(普通無酸素銅)組成加工品からなる試験体を、表1に示すエッチング液1に浸し、被観察面を30分間エッチングした。その後、純水洗浄とドライヤーによる乾燥とを行い、被観察面のマクロ組織観察を行った。その結果を図3に示す。図3は、エッチング後の被観察面の写真である。
その後、マクロ組織観察を行った被観察面を、実施例1と同様にしてミクロ組織観察した。その結果を図4に示す。図4は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。
図3に示すように、塑性加工による材料の流動状態や熱影響が詳細に観察できる精密なマクロ組織観察が可能であるとともに、図4に示すように、ミクロ組織観察も可能である。
「比較例1」
実施例1と同様の試験体を、m11相当液である表1に示すエッチング液3を用い、エッチング液で湿らせた脱脂綿を用いて被観察面を擦る方法でエッチングした。その後、実施例1と同様にして被観察面のミクロ組織観察を行った。その結果を図5に示す。
図5は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。図5に示すように、エッチング液3を用いた場合、結晶粒界は不明瞭であった。
「比較例2」
実施例2と同様の試験体を、m11相当液である表1に示すエッチング液3を用い、エッチング液で湿らせた脱脂綿を用いて被観察面を擦る方法でエッチングした。その後、実施例1と同様にして被観察面のミクロ組織観察を行った。その結果を図6に示す。
図6は、エッチング後の被観察面の顕微鏡写真である。図6に示すように、エッチング液3を用いた場合、被観察面にエッチングに起因する傷線が発生しており、結晶粒界は不明瞭であった。

Claims (5)

  1. 建浴組成として、硝酸、硫酸、硫酸銅塩、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を含有することを特徴とする銅または銅合金の組織観察用エッチング液。
  2. 前記硫酸銅塩が、硫酸銅五水和物塩であることを特徴とする請求項1に記載の銅または銅合金の組織観察用エッチング液。
  3. 前記建浴組成が、1リットル中に、
    硝酸0.43〜0.57mol/l
    硫酸0.51〜0.68mol/l
    硫酸銅五水和物塩0.005〜0.05mol/l
    水酸化ナトリウム0.03〜0.035mol/l
    過酸化水素1〜2mol/lを含有し、
    残りが水からなるものであることを特徴とする請求項2に記載の銅または銅合金の組織観察用エッチング液。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の組織観察用エッチング液を用いて、銅または銅合金をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の組織観察用エッチング液に銅または銅合金からなる被観察面を浸し、前記組織観察用エッチング液に超音波を伝導させながら前記被観察面をエッチングするエッチング工程と、エッチング後の前記被観察面の組織観察を行う観察工程とを備えることを特徴とする組織観察方法。
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