JP4271073B2 - 基板処理方法および基板処理液 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して高濃度アルカリ溶液をなす処理液により所定の処理を行う基板処理方法及び、この基板処理方法に用いられる基板処理液に関する。
従来、半導体デバイスの製造に用いられる例えばシリコンインゴットからスライスして切り出されたシリコンウエハは、例えば周縁の面取りがされる面取り工程、厚みが整えられるラッピング工程、エッチング液を用いてウエットエッチングするエッチング工程、表面を研磨して鏡面化するポリッシング工程およびシリコンウエハに付着した不純物を取り除く洗浄工程などの所定の処理が施されて製造される。
前記洗浄工程においてシリコンウエハから除去される不純物としては、例えば有機物又は有機物を含む化合物からなるパーティクルや、例えばニッケル、銅、クロム、鉄などの金属不純物である。これらのうちシリコンウエハの表面に付着したパーテクルを除去するには例えばアンモニア溶液、水酸化カリウム溶液などのアルカリ溶液を洗浄液に用いるのが有効であり、またシリコンウエハの表面に付着した金属不純物を除去するには例えば塩酸、硝酸、硫酸などの酸性溶液を洗浄液に用いるのが有効であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また処理液がアルカリ溶液の場合には、この処理液中に金属不純物が含まれているとシリコンウエハが金属汚染されてしまうため、当該処理液にキレート剤例えばEDTA(エチレンジアミン4酢酸)などを添加することにより、このキレート剤のキレート作用により金属不純物をいわば捕獲して当該金属不純物が基板の表面に付着するのを抑えることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−68696号公報(従来技術) 特開2003−13266号公報(段落0053、0054)
しかしながらが、上述のアルカリ溶液及び酸性溶液を用いてシリコンウエハを洗浄する手法においては、例えば酸性溶液で金属不純物を除去し、パーティクルは例えば1重量%のアルカリ溶液で除去するといったように除去対象に対して洗浄液を使い分けているのが実情である。
そこで本発明者らは、例えばシリコンインゴットから切り出された後のシリコンウエハ、研磨工程後のシリコンウエハなど機械処理がなされた特定の基板にあっては、切り出し時あるいは研磨時においてスライスカッタや研磨材から機械的エネルギを受けて金属不純物が活性化し、そのため切り出し面や研磨面にあるシリコン又はシリコン酸化物の分子構造内に金属不純物が潜り込んでいることに着目し、洗浄液の一つであるアルカリ溶液の濃度を高く設定してこの溶液にエッチング力を持たせることにより、パーティクルだけでなく金属不純物をも除去したいと考え検討を行った。しかしながらある種のキレート剤例えばEDTAなどはアルカリ濃度を高くすると所定量溶解できなくなり、結果として洗浄時に基板から洗浄液中に分散した金属を捕獲できずに基板に再付着してしまう場合があった。また溶解はするが金属を捕獲するキレート作用が弱まってしまうものもある。
よって基板からパーティクル及び金属不純物を除去するために高濃度アルカリ溶液を洗浄液に適用するにあたり、この洗浄液の組成について更なる検討が必要であった。
本発明は、このような事情の下、発明者らの試行錯誤の結果なされたものであり、その目的は少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなるシリコンインゴットから切り出された後の基板からパーティクルだけでなく金属不純物をも除去することのできる基板処理方法及び基板処理液を提供することにある。
本発明の基板処理方法は、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなるシリコンインゴットから切り出された後の基板の表面を基板処理液により処理する基板処理方法において、
CyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸)を含む10重量%以上のアルカリ溶液からなるエッチング液である基板処理液を基板に供給してこの基板の表面部にある金属不純物を除去する工程と、
この基板から除去されて基板処理液中に分散した金属不純物と、前記CyDTAとを反応させる工程と、を含むことを特徴とする。
シリコンインゴットから切り出された後の基板とは、シリコンインゴットからスライスした基板だけでなく、その後に例えば表面研磨をした後の基板、例えば面取り工程において周縁の面取りがされた後の基板、ラッピング工程において厚みが整えられた後の基板、エッチング工程においてエッチング液によりウエットエッチングがなされた後の基板も含んでいる。
前記基板処理液のアルカリ濃度は、45重量%〜55重量%であってもよい。また基板処理液のCyDTAの濃度は、0.1mmol/リットル〜100mmol/リットルであってもよく、この場合基板処理液のアルカリ濃度に応じてその濃度を決めるようにしてもよい。また基板処理液中の金属不純物の濃度は0.5ppb以下であり、例えば基板を処理することで0.5ppbを越えると新しい処理液と取り替えるようにしてもよい。
本発明の基板処理液は、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなるシリコンインゴットから切り出された後の基板の表面を処理するエッチング液である基板処理液において、
前記基板処理液に処理されて前記基板の表面部から当該基板処理液中に分散した金属不純物と反応するCyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸)を含む10重量%以上のアルカリ溶液からなることを特徴とする。
前記基板処理液のアルカリ濃度は、45重量%〜55重量%であってもよい。また基板処理液中のCyDTAの濃度は、0.1mmol/リットル〜100mmol/リットルであってもよく、この場合基板処理液のアルカリ濃度に応じてその濃度を決めるようにしてもよい。更にまた、基板処理液のアルカリは、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが含まれる

本発明によれば、例えばシリコンインゴットから切り出された後のシリコンウエハなど、少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなる基板に対して、CyDTAを含む10重量%以上のアルカリ溶液をなす処理液で洗浄することにより、基板の表面からパーティクルを取り除くことができると共に、基板の表面部がエッチングされて処理液中に分散した金属不純物をCyDTAが捕獲する。このため基板から処理液中に分散した金属不純物が基板に再付着するのを抑えることができるので、処理後の基板の金属不純物を極めて少なくすることができる。
本発明の実施の形態について説明する。先ず基板例えばシリコンインゴットから切り出されたシリコンウエハの表面部にある不純物を除去するための洗浄液をなす基板処理液(以下、単に処理液と呼ぶ)について説明する。当該処理液はその液中に水酸化物イオン(OH)を生じさせるアルカリ成分を含むアルカリ溶液であり、このアルカリ成分としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムのなかから少なくともいずれか一つが選択される。特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。更に処理液は、当該処理液中に分散する金属不純物と反応していわば当該金属不純物を捕獲するための金属捕獲剤であるCyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸)を含んでいる。CyDTAの捕獲対象となる金属不純物は、例えばシリコンインゴットからの切り出しの際に切り出し面となるシリコンウエハの表面部に付着した金属不純物であって当該シリコンウエハを洗浄することにより処理液中に分散するものである。この表面部に付着した金属不純物の中には、切り出しの際あるいは表面研磨の際に例えばカッター、研磨材などから機械的エネルギを受けて活性化し、シリコンウエハの表面(表層部も含む)にあるシリコンの分子構造内に潜り込んでいるものが含まれる。更に処理液の精製技術の限界から処理液中に既に含まれているものもCyDTAの捕獲対象に含まれる。金属不純物の具体例としては、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、カドミウム(Cd)およびこれらの化合物、特にアルカリ溶液中にて形成されるこれらの金属水酸化物又は金属水酸化物イオンである。
前記処理液のアルカリ濃度(複数のアルカリ成分を選択した場合は各アルカリ成分濃度の和)は高濃度例えば10重量%以上に設定される。一方、CyDTAの濃度は0.1〜100mmol/リットル(mmol=10−3mol)、好ましくは0.1〜10mmol/リットルに設定される。CyDTAの濃度設定値が高すぎると、処理液がシャーベット状になってしまうので100mmol/リットル以下、好ましくは10mmol/リットル以下に設定するのが好ましい。
続いて、上述の処理液を用いてシリコンウエハを洗浄処理する手法について説明するが、説明を分かり易くするため金属不純物としてニッケルを一例に挙げて説明する。先ず、例えばCyDTAを溶解せしめた溶液と、所定のアルカリ溶液とが混合されて既述の濃度の処理液が調製される。このとき処理液中に既に分散していたニッケルは、CyDTAと反応してキレート化合物が生成される。ここでいう反応は、ニッケルにCyDTAが配位結合するいわゆるキレート反応である。
前記したようにして調製された処理液を例えば処理槽に満たし、この処理液を例えば60〜80℃に温調すると共に例えば多数枚のシリコンウエハを隙間をあけて処理液中に浸漬させると、処理液中のアルカリ成分から生じる水酸化物イオン(OH)がエッチャントとして作用し、シリコンウエハの表層部がエッチングされる。なお処理液の温度は例えば常温〜80℃の範囲内で設定してもよいが、高温に設定することでCyDTAのキレート作用がより促進されると共に水酸化物イオンによるエッチングが盛んになるので、詳しいメカニズムは後述するが、より確実にシリコンウエハから金属不純物を除去することができる。しかしながら温度が高すぎるとエッチングの程度、例えばエッチング速度を制御するのが難しくなることから前記した60〜80℃の範囲内で設定するのが好ましい。これによりシリコンウエハの表面に付着していたパーティクル及び表面部にあるシリコン分子構造内にもぐり込んでいたニッケルは、シリコンウエハの表面がエッチングされることで当該シリコンウエハから離脱して処理液中に分散する。そして処理液中に分散したニッケルはCyDTAと反応してキレート化合物を生成する。この反応により生成したキレート化合物のニッケルの捕獲力(結合力)は、シリコンとニッケルとの結合力に比較して大きい。
しかる後、例えば所定の時間が経過するまでシリコンウエハを処理槽内にて処理液に浸漬させた後、このシリコンウエハは処理槽から引き上げられ、例えば純水、超純水などのリンス液により洗浄される。これによりアルカリ成分、CyDTA及びキレート化合物などがシリコンウエハから洗い流され、その後例えば乾燥処理などが行われて洗浄処理を終える。
なお処理液中の金属不純物濃度と、シリコンウエハ表面の不純物濃度は化学的に平衡関係が成立するので、処理液中の金属不純物の濃度が高くなると、その分シリコンウエハに付着しようとする金属不純物が多くなる。従って、例えば繰り返しシリコンウエハが処理されて処理液中の金属不純物の濃度が例えば0.5ppb以上になると処理槽内の処理液つまりシリコンウエハに供給する処理液を新しい処理液と取り替えるようにするのが好ましく、このような措置を行うことでより確実に金属汚染を抑えることができる。
更に上述の実施の形態によれば、CyDTAを含む例えば10重量%の高濃度アルカリ溶液をなす処理液を用いて例えばシリコンインゴットから切り出されたシリコンウエハの洗浄処理を行うことにより、シリコンウエハの表面がエッチングされてパーティクル及び金属不純物が除去される。そして更に処理液中に分散した金属不純物であるニッケルはCyDTAと反応してキレート化合物を生成する。この化合物におけるニッケルの捕獲力(結合力)は、シリコンとニッケルとの結合力よりも大きいので、一旦キレート化合物を形成したニッケルは当該キレート化合物から解離してシリコンウエハに再付着することは極めて少なく、またキレート化合物の状態でシリコンウエハの表面に付着したとしてもキレート化合物は分子サイズが大きいのでシリコンの分子構造内にもぐり込むことはできずにいわば物理的に付着するので、例えばシリコンウエハを純水で洗浄するだけで簡単に取り除くことができる。そのため洗浄後のシリコンウエハには金属不純物がないか、あるいは極めて少ない。その結果として清浄なシリコンウエハを得ることができる。なお、上述の例では金属不純物としてニッケルを挙げているが、既述した他の金属不純物においても同様の作用・効果を得ることができる。これら金属不純物のうちシリコンウエハに対する付着力が強く、取り除くのが難しいのはニッケルであるため、例えば工程分析においてニッケル汚染がなければ他の金属の汚染もないものと推測し、例えば作業員の監視負担の軽減を図るようにしてもよい。更にシリコンウエハの表面が例えば自然酸化することによりシリコン酸化物となっている場合であっても同様の作用・効果を得ることができる。
ここで、シリコンウエハに対して処理液がある程度エッチング作用を有していなければ、予定とするエッチングに時間がかかるだけでなく、表面部にあるシリコンの分子構造内に潜り込んだ金属不純物を引き離すことができない。更に引き離したとしてもこの金属不純物がシリコンウエハの近傍例えば電気二重層などと呼ばれるシリコンウエハの表面から例えば100nm程度外側に至る領域内にあると、シリコンウエハとの間に働くファンデルワールス力と呼ばれる引力により金属不純物がシリコンウエハ側に引き寄せられて再付着してしまうので、アルカリ濃度を高濃度にして瞬間的なエッチング代(エッチング速度)を例えば前記電気二重層の厚みよりも大きくすることにより、金属不純物とシリコンウエハ表面との距離を相対的に引き離し、つまり電気二重層よりも外側にくる程度にシリコンウエハの表面から金属不純物を遠ざけることでシリコンウエハへの再付着が抑制される。即ち、シリコンウエハを盛んにエッチングすることのできる例えば10重量%のアルカリ溶液と、このような高濃度アルカリ溶液中であっても簡単に溶解して金属不純物に配位するキレート作用を発揮することのできるCyDTAとを組み合わせたことにより、後述の実施例の結果からも明らかなように予定とする組成の処理液の調製することができ、シリコンウエハの表面部からパーティクル及び金属不純物を除去することができる。
本発明においては、処理液のアルカリ濃度は10重量%以上に限られず、例えば45〜55重量%に設定してもよい。この場合であっても上述の場合と同様の効果を得ることができる。更に45〜55重量%に設定することにより、当該処理液に高いエッチング力をもたせることができるので、深さ方向にある金属不純物をより確実にシリコンウエハから金属不純物を脱離させることができる。但し、CyDTAはその設定濃度が低いにもかかわらずアルカリ濃度によって溶解特性が大きく変ることが発明者らの行った試験により明らかであるため、つまりアルカリ濃度が高くなることに伴いCyDTAが溶解し難くなることから、溶液の安定性を維持するために45〜55重量%に設定する場合にはCyDTAの濃度は0.1〜10mmol/リットルに設定するのが好ましい。即ち、本発明においては、アルカリ濃度を高く設定したときはCyDTAの濃度を低く設定し、反対にアルカリ濃度を低く設定したときはCyDTAの濃度を高く設定するといったように、CyDTAの濃度はアルカリ濃度に応じて設定するのが好ましい。具体的には、アルカリ濃度を45〜55重量%に設定した場合にはCyDTAの濃度は10mmol/リットルを上限とし、アルカリ濃度を10重量%に設定した場合にはCyDTAの濃度は100mmol/リットル、好ましくは10mmol/リットルを上限とすることが一例として挙げられる。実際にどのように設定するかは例えば予め溶解実験を行って決めるようにしてもよい。
更に本発明においては、シリコンインゴットから切り出された後のシリコンウエハとは、シリコンインゴットからスライスしたシリコンウエハ及び表面研磨をした後のシリコンウエハに限られず、例えば面取り工程において周縁の面取りがされた後のシリコンウエハ、ラッピング工程において厚みが整えられた後のシリコンウエハ、エッチング工程においてエッチング液によりウエットエッチングがなされた後のシリコンウエハも含んでいる。即ち、これらの工程の後あるいは各工程間にて行われる洗浄工程において本発明を適用することにより、いずれの工程によりシリコンウエハの表面に付着した金属不純物を除去することができる。
更に本発明においては、基板はシリコンウエハに限られず、ガラス基板であってもよい。この場合であってもシリコンウエハの場合と同様の効果を得ることができる。
更に処理液は、必要ならばシリコンを酸化してシリコン酸化膜とするための酸化剤例えば過酸化水素を含むようにしてもよい。この場合、基板表面のシリコンを直接エッチングする場合に比して高いエッチング速度を確保できると共に、エッチング面をマイルドに仕上げることができる点で有利である。
続いて本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
(実施例1)
本例は、上述の処理液を用いて2インチサイズのシリコンウエハの洗浄を行った実施例である。CyDTAの濃度が10mmol/リットルの47重量%の水酸化ナトリウム水溶液にシリコンウエハを1時間浸漬した後、純水で洗浄した。洗浄後のシリコンウエハ表面のニッケル量を全反射蛍光X線分析計で測定し、単位面積あたりのNi濃度を計算により求めた。Ni濃度の結果を図1に示す。
(比較例1)
本例は、CyDTAを含まないことを除いて実施例1と同じ比較例である。Ni濃度の結果を図1に示す。
(比較例2)
本例は、CyDTAに代えて種々のキレート剤であるEDTA、DTPA、IDAのいずれかを用いたことを除いて実施例1と同じ比較例である。
(実施例1および比較例1、2の結果と考察)
実施例1においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は0.7×1010atoms/cm未満(用いた分析計の測定限界以下)であった。CyDTAを含まない比較例1においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は、9.1×1010atoms/cmであった。比較例2においては、EDTA、DTPA、IDAのいずれも添加すると塊状となりアルカリ溶液に溶解させることができなかった。以上の結果から分かるように、CyDTAを含む48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてシリコンウエハを洗浄すれば、洗浄後のシリコンウエハのNiの量を極めて少なくできることが確認された。
(実施例2)
本例は、発明の効果をより理解し易くするため、処理液にNiを添加したことを除いて実施例1と同じ例である。処理液中のNiの濃度は100ppbに調整した。Ni濃度の結果を図1に示す。
(比較例3)
本例は、CyDTAを含まないことを除いて実施例2と同じ比較例である。Ni濃度の結果を図1に示す。
(実施例3)
本例は、処理液にCu及びAlを添加したことを除いて実施例2と同じ例である。処理液中のCu及びAl濃度は夫々100ppbに調整した。Cu及びAl濃度の結果を図1に示す。
(比較例4)
本例は、CyDTAを含まないことを除いて実施例2と同じ比較例である。Cu及びAl濃度の結果を図1に示す。
(実施例2、3および比較例3、4の結果と考察)
CyDTAを含む実施例2及び3においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は312.2×1010atoms/cmであり、Cu濃度は78.2×1010atoms/cmであり、Al濃度は1996.0×1010atoms/cmであった。これに対しCyDTAを含まない比較例3及び4においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は503.0×1010atoms/cmであり、Cu濃度は745.7×1010atoms/cmであり、Al濃度は2269.1×1010atoms/cmであった。以上の結果から分かるように、CyDTAを含む48重量%の水酸化ナトリウム水溶液でシリコンウエハを洗浄することによりシリコンウエハのNi、Cu及びAlの量を極めて少なくできることが確認された。
(実施例4)
本例は、水酸化ナトリウム水溶液に代えて水酸化カリウムを用いたことを除いて実施例2と同じ例である。Ni濃度の結果を図1に示す。
(比較例5)
本例は、CyDTAを含まないことを除いて実施例4と同じ比較例である。Ni濃度の結果を図1に示す。
(実施例4および比較例5の結果と考察)
CyDTAを含む実施例4においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は78.2×1010atoms/cmであった。これに対しCyDTAを含まない比較例5においては、シリコンウエハの単位面積あたりのNi濃度は256.7×1010atoms/cmであった。以上の結果から分かるように、CyDTAを含む48重量%の水酸化カリウム水溶液でシリコンウエハを洗浄することによりシリコンウエハのNiの量を極めて少なくできることが確認された。
(実施例5)
本例は、上述の処理液を用いて2インチサイズのシリコンウエハの洗浄を行った実施例である。CyDTAの濃度が10mmol/リットルの10重量%の水酸化ナトリウム水溶液にシリコンウエハを1時間浸漬した後、純水で洗浄した。発明の効果を分かりやすくするため種々の金属不純物を添加して各々100ppbとなるように調整した。金属不純物はAl、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cdである。洗浄後のシリコンウエハ表面の各金属を全反射蛍光X線分析計で測定し、単位面積あたりの金属濃度を計算により求めた。各金属濃度の結果を図2に示す。
(比較例6)
本例は、CyDTAを含まないことを除いて実施例5と同じ比較例である。各金属濃度の結果を図2に示す。
(比較例7)
本例は、CyDTAに代えてEDTAを含むことを除いて実施例5と同じ比較例である。各金属濃度の結果を図2に示す。
(実施例5、比較例6及び7の結果と考察)
図2から明らかなように、金属捕獲剤であるCyDTA及びEDTAを含む実施例5及び比較例7の結果は、金属捕獲剤を含まない比較例6に比べて全ての金属において濃度が低い結果となっている。更に実施例5と比較例7とを比べてみると、CyDTAを含む実施例5の方が、EDTAを含む比較例7よりも全ての金属において濃度が低い。特にCo、Cdを除く殆どの金属(Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu)において大幅に濃度が低い結果となっている。このような結果となる理由としては、EDTAは高濃度アルカリ溶液中ではキレート作用が低下してしまうためと推測する。以上の結果から分かるように、CyDTAを含む10重量%の水酸化ナトリウム水溶液でシリコンウエハを洗浄することによりシリコンウエハ表面に付着するAl、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cdの量を極めて少なくできることが確認された。
本発明の効果を確認するために行った実施例の結果を示す特性図である。 本発明の効果を確認するために行った実施例の結果を示す特性図である。

Claims (8)

  1. 少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなるシリコンインゴットから切り出された後の基板の表面を基板処理液により処理する基板処理方法において、
    CyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸)を含む10重量%以上のアルカリ溶液からなるエッチング液である基板処理液を基板に供給してこの基板の表面部にある金属不純物を除去する工程と、
    この基板から除去されて基板処理液中に分散した金属不純物と、前記CyDTAとを反応させる工程と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板処理液のアルカリ濃度は、45重量%〜55重量%であることを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  3. 基板処理液のCyDTAの濃度は、0.1mmol/リットル〜100mmol/リットルであることを特徴とする請求項1又は2記載の基板処理方法。
  4. 基板処理液中の金属不純物の濃度は0.5ppb以下であり、0.5ppbを越えると新しい基板処理液と取り替えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の基板処理方法。
  5. 少なくとも表面部がシリコン又はシリコン酸化物からなるシリコンインゴットから切り出された後の基板の表面を処理するエッチング液である基板処理液において、
    前記基板処理液に処理されて前記基板の表面部から当該基板処理液中に分散した金属不純物と反応するCyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸)を含む10重量%以上のアルカリ溶液からなることを特徴とする基板処理液。
  6. 基板処理液のアルカリ濃度は、45重量%〜55重量%であることを特徴とする請求項記載の基板処理液。
  7. 基板処理液中のCyDTAの濃度は、0.1mmol/リットル〜100mmol/リットルであることを特徴とする請求項5又は6記載の基板処理液。
  8. 基板処理液は、少なくとも水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含むことを特徴とする請求項ないしのいずれか一つに記載の基板処理液。
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