JP5507538B2 - 車両用チップアップシートの隙隠し構造 - Google Patents
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Description
下記特許文献1には、チルトダウンシートにおけるチルトダウン状態への移行時に生ずる空間を覆い隠すための発明が開示されている。
上記チップアップシートにおける要望に対し、リンク部材を下方に大きくして上記空間を覆い隠すようにすることが考えられる。
本発明は、このような問題に鑑み、シートクッションの着座位置ではリンク部材は大きくされず、格納位置ではリンク部材が大きくされるようにすることにより、シートクッションを着座位置に戻したときに生じるラッゲージボードとの干渉の問題を抑制しつつ、格納位置におけるリンク部材下方の空間は覆い隠すことを課題とする。
第1発明によれば、格納位置でリンク部材の下方にシャッターが突出されるので、格納位置でリンク部材の下方に形成される空間を側方から覆い隠すことができる。一方、着座位置では、シャッターは突出前の格納状態に戻されるので、着座位置でリンク部材の周辺に配置される部材とシャッターが干渉して、干渉に伴う問題が生じることを抑制することができる。
第2発明によれば、分割されたシートクッションのうち、一つのシートクッションがチップアップされ、そのシートクッションのリンク部材とシートベルトバックルとの間の空間がリンク部材の下方に突出されたシャッターにより覆い隠されるため、分割されたシートクッションが独立してチップアップされるタイプのチップアップシートにおいて、チップアップされたシートクッションのリンク部材の下方の空間を、チップアップされず着座位置にあるシートクッション側に開放されないように覆い隠すことができる。
第3発明によれば、シートクッションが格納位置とされればシャッターは付勢力により自動的にリンク部材の下方に突出して、リンク部材の下方の空間を覆い隠し、シートクッションが着座位置とされてシャッターが後部構造物と当接すれば、自動的に付勢力に抗してシャッターは格納状態とされるため、簡単な構成で、着座位置で後部構造物とシャッターとが干渉することに伴って生じる問題を抑制しつつ、格納位置でリンク部材の下方に形成される空間を側方から覆い隠すことができる。
第4発明によれば、シャッターはカバー部材と強度部材との間にあって、付勢力を付与されると共に突出量を規制されるように構成されているため、シャッターといずれかの部材との間に付勢手段を設けることができると共に、シャッターと強度部材との係合関係によってシャッターの突出量を規制することができ、構成を簡略化することができる。また、シャッターはリンク部材に内蔵される形で一体化され、一つの部品としてコンパクトに扱うことができる。
リンク部材はシートクッションを支持するものであるため相応の強度を備えているのに対し、シャッターはリンク部材ほどの強度を持たせる必要がない。第5発明によれば、格納位置としてリンク部材の下方の空間を覆い隠しているとき、側面視でシャッターに比べてリンク部材が大きくされているため、このときの全体としての強度を、シャッターの強度を高めることなく強くすることができる。
図示した実施形態は、車両後席用の所謂6−4分割シートにチップアップ機能を付加したもので、左右に分割されたシートの分割部分にシートベルトバックル40が配設されている。図1において、31Aは4側のシートクッション、31Bは6側のシートクッション、32Aは4側のシートバック、32Bは6側のシートバック、37Aは4側のヘッドレスト、37B及び37Cは6側の2つのヘッドレストを示す。また、20は、シートベルトバックル40の両側に配置されたリンク部材を示す。
図2は、上記6−4分割シートの6側シートを記載しない状態で4側シートを6側シートの側から見た図である。ここで、シートバック32Aは、シートバック32Aの両側に配置されたヒンジブラケット33を介して車両フロア50に固定され、シートクッション31Aは、シートバック32Aに対してリンク部材20の強度部材25(図6参照)を介してヒンジブラケット33上の回転軸35により回動自在に固定されている。
シートバック32Aの後方には、車両の荷室に配設されたラッゲージボード60(本発明における後部構造物に相当)の前端部が当接され、ヒンジブラケット33を貫いて車両幅方向に配設されたクロスメンバ37にシートベルトバックル40が固定されている。ヒンジブラケット33の上部はヒンジカバー34により覆われ、強度部材25はカバー部材21により覆われてリンク部材20を構成している。
この状態からシートクッション31Aを着座位置に戻すと、リンク部材20もシートクッション31Aと共に回転軸35を中心として図3において反時計方向に回動して図2の状態に戻る。このとき、シャッター10はラッゲージボード50に当接し、ねじりコイルばね12による付勢力に抗してカバー部材21内に収納される。従って、シャッター10やラッゲージボード50が破損することは防止される。
また、シャッター10はリンク部材20のカバー部材21に内蔵される形で一体化され、一つの部品としてコンパクトに扱うことができる。
更に、リンク部材20はシートクッション31Aを支持するものであるため相応の強度を備えているのに対し、シャッター10はリンク部材20ほどの強度を持たせる必要がない。上記実施形態によれば、シートクッション31Aがシートバック32Aに沿った格納位置とされてリンク部材20の下方の空間をシャッター10が覆い隠しているとき、側面視でシャッター10に比べてリンク部材20の強度部材25が大きくされているため、このときの全体としての強度を、シャッター10の強度を高めることなく強くすることができる。従って、強度部材25はシートクッション31Aを支持するものであるため相応の強度を備えているのに対し、シャッター10は強度部材25ほどの強度を持たせる必要がない。
1.分割されず一体化されたシートクッションがチップアップされるシートにおいて、シャッターはシートクッションの両側にあるリンク部材に設けられても良い。
11 突起
12 ねじりコイルばね
20 リンク部材
21 カバー部材
25 強度部材
31A、31B シートクッション
32A、32B シートバック
33 ヒンジブラケット
34 ヒンジカバー
35 回転軸
40 シートベルトバックル
60 ラッゲージボード
Claims (2)
- 着座位置にあるシートクッションの後端部とシートバックの下端部とをリンク部材を介して回動自在に連結し、シートクッションがシートバックの前面に沿うように跳ね上げられて格納位置とされる車両用チップアップシートの隙隠し構造であって、
格納位置でリンク部材の下方に生じる空間を側方から覆うように格納位置でリンク部材の下方に突出し、着座位置では突出前の格納状態に戻されるシャッターを設け、
前記シートクッションは車幅方向に複数に分割され、分割されたシートクッションが互いに独立してチップアップ可能とされており、分割されたシートクッションが共に着座位置にあるとき、各シートクッション間にシートベルトバックルが位置し、シートクッションの両側のリンク部材のうちシートベルトバックル側のリンク部材に前記シャッターが設けられていることを特徴とする車両用チップアップシートの隙隠し構造。 - 請求項1において、前記シャッターは、リンク部材に対して常時下方に突出するように付勢して摺動自在に結合され、シートクッションが着座位置とされているときは、シートバックの下部後方に配置されたラッゲージボードに当接して突出状態から格納状態とされることを特徴とする車両用チップアップシートの隙隠し構造。
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