JP5506333B2 - 車両用手摺り付き格納式補助ステップ - Google Patents
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Description
この補助ステップは、基端を車両ステップ下部に枢支すると共に、先端を前方にして、且つ下方傾斜方向へ指向させた左右一対の2つ折アームにて補助ステップ板を水平に支持し、2つ折アームの屈伸により車両ステップ下部の格納位置と該格納位置より下方にして前方の張り出し位置との間に補助ステップ板をその水平状態を維持しつつ斜め直線状に移動させ、車両乗降時に補助ステップ板を張り出させることにより、これが車両ステップと地上との間の足継ぎとしての役割を果たす様にしている。
そこで、本発明では、車両ドア開放時に車両乗降口より出没自在な手摺りを設けると共に、該手摺りの出没動作に連動して補助ステップ板を車両ステップより出没させる車両用手摺り付き格納式補助ステップを提供し、乗降時において車外に張り出した補助ステップ板の上方から車内へ掛け渡された手摺りの使用によって乗降の安全性をより一層高めることを目的としている。
この様に、手摺りを車内から車両乗降口を通して車外の補助ステップ板上へ掛け渡すことができるので、補助ステップ板を張り出して乗降する際には、車外の補助ステップ板上から車両ステップ上へ常に伝い歩きの支えとして手摺りを利用しながら補助ステップ板及び車両ステップを踏み込んで安全にして良好に乗降できる。
又、手摺りは、ドア開放時にのみ車外へ突出移動し、それ以外では車内に収容保持され、常時風雨にさらされる様なことはなく汚れないので、乗客は手摺りを掴むことを躊躇することなく、手摺りを乗降時の伝い歩きの支えとして利用できる。
そして、補助ステップ板の張り出し状態で各アームの関節点が該関節点の軌道上の死点を超えて位置する様に設定したので、左右のアームに倍力作用を具有させられ、補助ステップ板を踏み込む時に外力を生じてもその張り出し状態を強固にして安定的に保持でき、安全な足継ぎとしての役割を果たすことができる。
又、補助ステップ板の格納状態で、クランクと連接杆の枢軸が、その軌道上の死点を超えて位置する様に設定したので、アームの屈曲状態を保持した梃子杆の揺動状態を強固に保持でき、補助ステップ板の自重及び車両走行時の振動等によっても補助ステップ板が勝手に張り出すことのない格納状態を保持できる。
本発明に係る車両用手摺付き格納式補助ステップは、バス、その中でも主に小型バス等の車両(図示せず)において、その車両乗降口E(以下、単に乗降口Eと称する。)に設置された車両ステップS上に回転軸1を直立すると共に、該回転軸1にはこれの回転で車両ドアD開放時に乗降口Eより出没自在と成した手摺り2を取付け、該手摺り2の出没動作に連動して車両ステップS下部の格納位置Hと、該格納位置Hより下方にして前方の張り出し位置Kとの間を進退移動する補助ステップ板3を設けている。
尚、図において、車両ステップSは車両フロアFより所定高さ低い位置に形成されている。
そして、回転軸1の下端は、車両ステップSを回転自在に貫通してその下部の格納位置Hに突入している。
手摺り2は、回転軸1の上記上方及び下方部位に直交連結される上方より下方が長くて平行な水平杆2a、2bの先端間に下り傾斜状に掛け渡されている。
このピン6は、手摺り2の出没のためこれを回転軸1を中心に(図示例では180度)転回させるに相当する長さを有する様に回転軸1の外周に凹設した略半円弧状の溝7(図示例では回転軸1が管材のためスリット状に形成される。)内に移動自在に配置している。
そして、溝7の長手方向の一端7aと他端7bの夫々がピン6に触突した各状態を保持する回転軸1の回り止め手段8を外筒5に設けている。
各アーム11、11aは、前後に小口を有すると共に外側一面が開放された溝型状の上腕部12と、前後に小口を有すると共に内側一面が開放された溝型状の前腕部12aとから成り、上腕部12の先端と前腕部12aの基端を枢軸13にて枢着している。
そして、車両ステップS下部の横幅方向左右に対向配置して成る下方を開口した略断面コ字状のフレーム14、14aにおいて、該フレーム14、14aの対向面後部に固定したブラケットにアーム11、11a(上腕部12)の基端を枢着し、該アーム11、11a(前腕部12a)の先端を水平配置した補助ステップ板3の後端左右に突設した別途ブラケットに枢着している。
このリンク機構15、15aは、一端をフレーム14、14a内前方に枢着した曲臂状の長尺リンク片16と、該長尺リンク片16の他端に一端を枢着し、他端を補助ステップ板3の左右側縁後部に枢着した短尺リンク片16aとから成る。
即ち、補助ステップ板3の張り出し状態では、アーム11、11aが伸長して、該アーム11、11aにおいて上腕部12の基端枢軸13aと、前腕部12aの先端枢軸13bと、上腕部12と前腕部12aとの枢軸である関節点13とが、一直線上に並んだ時に関節点13が位置する死点Xを超えて関節点13が位置する様に設定している。
又、アーム11、11aにおける各上腕部12の上面外側の適所には突片17を設け、該突片17は、補助ステップ板3の上記張り出し状態において、フレーム14、14a内側面の適所に突設した合成ゴム製のストッパー18に当止めされ、アーム11、11aの関節点13を死点Xを超えた位置に留める様に成している。
連動機構部19は、アーム11、11a にこれを屈伸動作させる様にリンク20、20a を介して枢着連結した梃子杆21の基端と、手摺り2の回転軸1下端に基端を固定したクランク22の先端とを連接杆23を介して枢着連結している。
尚、リンク20、20aは、アーム11、11aが前方降下状に傾斜しているため、その各端部は、自在継手を以てアーム11、11aと梃子杆21に夫々が枢着されている。
そして、手摺り2が乗降口Eより車内へ没入した補助ステップ板3の格納状態では、クランク22と連接杆23が伸長してクランク軸(回転軸)1と、枢軸25、26が一直線上に並んだ時に枢軸26が位置する死点Zを超えて前記枢軸26が位置する様に設定している(図7参照)。
又、上記格納状態の補助ステップ板3は、その上面適所が合成ゴム製の押さえ片28にて押さえつけられて車両走行時に補助ステップ板3自体が振動しない様に成している。
押さえ片28は、フレーム14、14aの中間部上方に架設された梁部の適所に垂下したL字板状のブラケット下部に固定されている。
この時、回転軸1における溝7の一端7aがピン6の一側に触突し、ねじ棒10はハンドル10aの回転操作により外筒5の貫通ねじ孔9を螺進して回転軸1の係合穴1aにねじ棒10先端が挿嵌され、回転軸1を回転できない様に保持している(図8、9参照)。
このため、回転軸1をクランク軸とするクランク22と連接杆23とが伸長してその枢軸26が死点Zを越えて位置することが保持され、これにより補助ステップ板3が格納位置Hに水平配置する様にアーム11、11aとリンク片16、16aの屈曲状態が強固に保持されている。
次いで、ハンドル10aを緩め、ねじ棒10の先端を回転軸1の係合穴1aより引き出し、回転軸1を回転可能状態とし、かかる状態で後方に指向している手摺り2を回転軸1を中心に平面視で反時計回りに180度転回させる。
これにより、回転軸1において、ピン6の一側に接触していた溝7の一端7aは離間し、その他端7bがピン6の他側に触突し、ねじ棒10の先端に回転軸1の係合穴1bが対峙する(図8、9参照)。
手摺り2の上記転回中では、同方向に回転するクランク22によって連接杆23との枢軸26はその軌道R上の死点Zを越えた位置から離間してクランク22と連接杆23が屈曲する方向へ回転し、該連接杆23を介して梃子杆21は、リンク20、20aをアーム11、11aの伸長方向へ押し出す様に回転する。
このアーム11、11aの伸長により補助ステップ板3は格納位置Hより斜め前方の張り出し位置Kへとその水平状態を保持しながら斜行する。
補助ステップ板3の斜行に伴ってリンク機構15、15aのリンク片16、16aが伸長することで、補助ステップ板3を格納位置Hから張り出し位置Kへと直線的に移動させられる(図1〜4参照)。
これにより、左右のアーム11、11aに倍力作用を具有させられ、補助ステップ板3を踏み込む時に外力を生じてもその張り出し状態を強固にして安定的に保持する。
同時に梃子杆21の垂下片21bもストッパー27に触突し、これにより連動機構部19の梃子杆21の回転が制止され、この時梃子杆21に枢着された連接杆23とクランク22との枢軸26がその軌道Q上の死点Yを越えて位置し、上記と同様に梃子杆21の揺動状態を強固に保持し、アーム11、11aの伸長状態、延いては補助ステップ板3の張り出し状態を上記アーム11、11aの倍力作用と相俟ってより一層安定且つ安全に保持する。
よって、張り出し位置Kに水平配置された補助ステップ板3は、その張り出し状態をアーム11、11aと連動機構部19により、手摺り2は、その突出状態を連動機構部19により強固に保持され、このままでも手摺り2と補助ステップ板3は乗降者が手摺り2を伝いながら補助ステップ板3を踏み込んでも揺るぎなく乗降できるが、ハンドル10aの回転操作によりねじ棒10の先端を回転軸1の係合穴1bに挿嵌することにより、回転軸1の回転を完全に仰止して、より一層確実にして堅固に手摺り2の突出状態と補助ステップ板3の張り出し状態を保持する。
これにより、回転軸1において、ピン6の他側に接触していた溝7の他端7bは離間し、その一端7aがピン6の一側に触突し、ねじ棒10の先端に回転軸1の係合穴1aが対峙する。
手摺り2の上記転回中では、同方向に回転するクランク22によって連接杆23との枢軸26は、その軌道Q上の死点Yを超えた位置から離間してクランク22と連接杆23が伸長する方向へ回転し、該連接杆23を介して梃子杆21は、リンク20、20aをアーム11、11aの屈曲方向へ引き寄せる様に回転し、これによりアーム11、11aの関節点13もその軌道P上の死点Xを越えた位置から離間してアーム11、11aの屈曲方向へと回転する。
この様にして、手摺り2が車内に収容される様にその突出状態より180度方向転回すると、補助ステップ板3は上記の様に格納位置Hへ水平配置され、ハンドル10aの回転操作でねじ棒10の先端を回転軸1の係合穴1aに挿嵌することで、その状態が保持される。
2 手摺り
3 補助ステップ板
5 外筒
6 ピン
7 溝
7a 一端
7b 他端
8 回り止め手段
11、11a (2つ折)アーム
13 関節点
15、15a リンク機構
20、20a リンク
21 梃子杆
22 クランク
23 連接杆
26 枢軸
E 車両乗降口
H 格納位置
K 張り出し位置
P 軌道
Q 軌道
R 軌道
S 車両ステップ
X 死点
Y 死点
Z 死点
Claims (3)
- 車両乗降口に設置された車両ステップ上に回転軸を直立すると共に、該回転軸にはこれの回転で車両ドア開放時に車両乗降口より出没自在と成した手摺りを取付け、該手摺りの出没動作に連動して車両ステップ下部の格納位置と、該格納位置より下方にして前方の張り出し位置との間を進退移動する補助ステップ板を設け、該補助ステップ板は、車両ステップ下部との間に、内側へのみ屈曲可能と成すと共に前方降下状に傾斜させた左右一対の2つ折アームを枢着連結し、各アームの屈伸動作に同期して補助ステップ板を往復直線運動させながら案内するリンク機構を設けて成り、補助ステップ板の張り出し状態で各アームの関節点が該関節点の軌道上の死点を超えて位置する様に設定したことを特徴とする車両用手摺り付き格納式補助ステップ。
- アームにこれを屈伸動作させる様にリンクを介して枢着連結した梃子杆の基端と、手摺りの回転軸に基端を固定したクランクの先端とを連接杆を介して枢着連結し、手摺りの回転による補助ステップ板の張り出し状態及び格納状態で、クランクと連接杆の枢軸が、該枢軸の軌道上の死点を超えて位置する様に設定したことを特徴とする請求項1記載の車両用手摺り付き格納式補助ステップ。
- 手摺りの回転軸の下方は車両ステップ上に立設した外筒に遊嵌され、該外筒には内方へピンを突設し、該ピンは、手摺りの出没のためこれを回転軸を中心に転回させるに相当する長さを有する様に回転軸の外周に凹設した溝内に移動自在に配置し、該溝の一端と他端の夫々がピンに触突した各状態を保持する回転軸の回り止め手段を外筒に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用手摺り付き格納式補助ステップ。
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