JP5506162B2 - 筒状リールシート - Google Patents
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Description
一方、固定リングを使用する特許文献1に記載のものでは、糸を巻き付ける作業や樹脂塗料を塗布する作業は必要ではないが、固定リングを竿体の外周面に取付固定するものである為に、固定リングの内周面径と竿体の外周面径とが合致した部分にのみその固定リングを余儀なくされる。
また、リールシートとは別部品として製作保管管理しなければならず、取り扱い面で煩雑になる虞もあった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リール脚を保持する固定側のフード部を備え、前記固定側のフード部を、前記脚部を収納する脚取付部と、前記脚取付部を被覆する前カバー体とで構成してある筒状リールシートであって、
外周面に小径部とその竿先側に大径部を設け、内面側に前記シートボディを装着する前記竿体の外周面径と同一径か又は略同一径の内周部を有し、かつ、前記前カバー体の竿先側開口端と前記竿体の外周面との間隙部分に位置することとなる装飾リングを、
前記脚取付部の竿先端より更に竿先側に延出された前記前カバー体の竿先側端部に対して、前記小径部が前記前カバー体の内周面に内接する状態で、かつ、前記大径部が前記カバー体の竿先端に段差なく繋がるように、更に、前記内周部が前記竿体の外周面に外嵌されるように装着している点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、装飾リングを導入することによって、竿体に装着されるリールシートの竿先側端及び竿元側端と、竿体外周面との間隙を無くすか必要最小限に押さえて、リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を目立たせなくするので、釣り竿としての外観が向上する。
そして、このような装飾リングを導入することによって、間隙部分を隠すための糸の巻き付けや樹脂塗料の塗布等を行う必要がなく、作業性が向上する。
しかも、装飾リングはリールシートの一部品として属することとなり、取り扱いが容易である。さらに、装飾リングの内周面径を竿体の外周面径と同一か大径に形成するので、ある程度リールシートの竿体に対する取付位置の自由度を確保でき、釣り人の好みに合った握り部からの位置にリールシートを取り付けることができる。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記脚取付部の外周面に凹入する取付用の座面を形成するとともに、前記前カバー体を前記座面に被覆装着し、前記前カバー体の縁部の外周面と前記脚取付部の外周面との接続部位を段差のない滑らかに繋がる状態に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
従来、リールシートを所定位置に取り付ける場合に、シートボディの挿通孔の内周面径が竿体の外周面径より大径である場合には、竿体の外周面に糸巻き付け樹脂塗料等で固めて外周面径を大きくして、シートボディとの内外径差を解消することを行っていた。
しかし、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業に手間と煩雑な作業を必要とするところから、竿体の製作工程においてその能率を低下させるものとなっていた。
そこで、本願発明においては、竿体の製造時のバラツキにより、突条の内径が竿体の外周面径より小径になったとしても、突条が多少変形して内径を拡大することが可能である。また、突条の変形によっても対応できない場合であっても、突条の研削により大径化を図ることができる。
しかも、元竿にリールシートを装着する際に、突条の変形が許す範囲で、釣り人が好みの位置を選定して取り付けることが容易に行え、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としない。
そして、この突条と装飾リングの導入によって、リールシートを取り付ける際に、糸を巻き付け、樹脂塗料を施す作業を必要としないところから、作業能率の向上を図ることができた。
請求項3に係る発明の特徴構成は、竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リール脚を押さえ保持する脚押さえ体とその脚押さえ体を収納する後カバー体とからなる可動側フード部と、前記脚押さえ体に螺合して前記脚押さえ体を駆動移動させるナット体と、前記ナット体を受け止めるストッパー体とを備え、前記後カバー体と前記ストッパー体とで前記ナット体を挟み込んで前記ナット体を前記竿体の周方向に回転可能で前記竿体の軸線方向に移動不能に構成してある筒状リールシートであって、
外周面に小径部とその竿元側に大径部を設け、内面側に前記竿体の外周面径と同一径か又は略同一径の内周面径を呈する内周部を有し、かつ、前記ストッパ体の竿元側開口端と前記竿体の外周面との間隙部分に位置することとなる装飾リングを設けるとともに、前記ストッパ体の内周面径を前記竿体の外周面径より大径に形成し、前記装飾リングを、前記ストッパ体の竿元側開口端部の内周面に前記小径部を内接する状態で、かつ、前記大径部が前記ストッパ体の外周面に段差なく繋がるように、更に、内周部が前記竿体の外周面に外嵌されるように装着している点にあり、その作用効果は次の通りである。
リールシートの竿先側端及び竿元側端と竿体外周面との間隙を埋めるために、糸を竿体外周面に巻き付け樹脂塗料で固めるといった手間の掛かる処理作業を必要とせず、かつ、装飾リングがリールシート側に属しているので、装飾リングを取り付けたリールシートを元竿の竿元端から竿先側の任意の位置に設定することが容易に行え、仕掛けの遠投等に使用し易い釣り竿を提供できるに至った。
上記のような構成を採ることによって、種々の外径を有する元竿3に対して幅広く適合性を確保でき、筒状リールシート4を単独で販売することが容易になる。
また、元竿3の外径に対する適合性が高いので、元竿3の竿元から竿先側の任意の間隔位置に筒状リールシート4を位置固定することが容易に行え、釣り人の好みに対応した設置形態を容易に採ることができる。
従来、このような機能を担うものは、樹脂製のクッション材として別部品として構成され、リール脚を押さえ支持していた金属製の可動フードの内周面に接着固定されていた。しかし、可動フードの内周面に取り付ける作業が煩雑でかつ使用が長期に亘ると剥がれやすくなる欠点があった。
しかし、上記のように、クッション部材として機能するものをシートボディの一部として一体形成することが可能になったので、従来の欠点が解消できている。
図3及び図6に示すように、前カバー体11は、浅い削り代部分10cに被着された状態で前記段差部分10dより突出しないように、薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用が可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
ここに、浅い削り代部分10cを、前カバー体11を取り付けるための取付用の座面と称する。
このように、スピニングリール5の前脚部5aを取り付ける脚取付部10Bに前カバー体11を取り付けた状態で、前カバー体11と脚取付部10Bとの外周面を段差のない滑らかな面に形成できた。これによって、釣り操作時に、元竿3とスピニングリール5とを伴握りする釣り人の人指し指等が前カバー体11と脚取付部10Bとの境界面に掛かることとなるが、その部分が滑らかな面に形成してあるので、違和感が少なく釣り人の指が痛くならず、握りやすくなる。
ここに、前カバー体11と脚取付部10Bとで、固定側のフード部7を構成する。フード部7が保持する対象となるリールとしては、スピニングリール以外に両軸受リールであってもよい。
つまり、従来、筒状のシートボディ10の竿先端、竿元端においては、元竿3の外周面とシートボディ10の竿先端等の開口縁との間に内外径の相違により半径方向で間隙が存在する場合には、元竿3の外周面に取付用の糸を巻き付けてその間隙を埋め巻き付けた糸とシートボディ10の端部とに亘って樹脂塗料を塗って固める作業形態を採っていた。そうすると、糸を巻き付ける作業と樹脂塗料を塗布する作業が大変になっていた。
図4及び図5に示すように、筒状のシートボディ10の構造として、前記した脚取付部10Bから竿元側に向けて、リール脚取付面を含む中間取付部10Cを形成するとともに、後カバー体12の装着位置から竿元端までに中間取付部10Cより小径の竿元端部10Dを形成してある。
断面が円弧状に盛り上がっている円弧状受止面10eの左右両端位置には、平坦面が形成してあり、リール脚5Aの左右両端及び脚押さえ体13の両端脚部13Cを受け止めることのできる平坦受止面10fに形成してある。
平坦受止面10fにおける竿元端部10Dに対応した部分10hにおいては、二つの部分に区分けされており、竿先側の部分が広い幅の矩形部分であり、竿元側の部分が狭い幅の矩形部分に形成されている。
この点による作用効果については後述する。
以上、シートボディ10としては、中央部にスリットが切られていてその部分で筒状となっていないもの、或いは、両端において下側部分が欠けているために筒状を呈していないものも含むものである。
後カバー体12の上端部12C及び略直線状部分12Bの上半分と、筒状のシートボディ10の平坦受止面10fと円弧状受止面10eとの間に形成された空間には、脚押さえ体13が挿入される。ここに、後カバー体12と脚押さえ体13とで可動側のフード部8を構成する。
したがって、脚押さえ体13を収納するために、直線状部分12Bと上端部12Cとが図示した形状を維持するものであっても、中間取付部10Cの下半部分を薄肉に形成することによって下半部分12Aの形状を小さくできるので、後カバー体12の構造をコンパクトなものにできる。
そうすると、この部分に指を回してリール脚5Aとリールシート4とを伴握りする釣り人に採って握り易く、かつ、この薄い肉部分の形状も任意なものにできる。
したがって、図6に示すように、後カバー体12は、その取付座面に外嵌被着された状態で、取付座面をピッタリ覆う筒状体に形成されている。また、その取付座面に被着された状態で前記段差10pより突出しないように、後カバー体12は薄い金属で構成されている。金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニュウム等が採用される。ただし、金属以外の材料を使用する場合には、周方向に強化繊維を配置した樹脂材を使用することも可能である。この場合には、熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂のエポキシ等の使用可能である。これによって、金属を使用する場合に比べて軽量化等を図ることができる。
これによって、リール脚5Aの取付位置を貫通孔10Aの軸芯Xに対して偏芯した状態で設けることができ、実際の釣り時においては、リールシート4の下方に配置されるリール5の取付位置が下方に位置することとなり、釣り竿Aとしての重心が下がって安定する。
板状のリールシートが元竿の外周面の下向き位相だけに取付られている場合には、円形を呈する元竿の下向き位相の部分が板状のリールシートの厚み分だけ外向きに突出していることとなっている。したがって、板状のリールシートを取り付けた元竿は、楕円状に近い状態を呈する。
そこで、完全な円形のリールシートを握る場合に比べて楕円状を呈する部分が抵抗となってリールシートを握る手が滑り難く、仕掛けを投げる投げ釣り操作に適したリールシートとすることができた。
所定位置に装着されたスリーブ14は、後カバー体12の竿元端と段差無く繋がる状態で取り付けられており、リールシート4を握り込む釣り人に、違和感や手の痛みを与えることはない。
ここに、脚押さえ体13とその脚押さえ体13を被覆してガイドする後カバー体12とでフード部を構成する。
図21に示すように、ストッパー体16の外周面は、図面上軸線を挟んで上方側の面においては、竿元側に徐々に縮径する緩傾斜面16aと緩傾斜面16aの更に竿元側に急傾斜面16bとを備えており、図面上軸線を挟んで下方側の面においては、竿先端から竿元端に亘って徐々に縮径する緩傾斜面16aに形成してある。
また、ナットに手が触れるところから、仕掛けを投入する際等に竿を振ると同時にナットを緩め操作するところからナットが釣り操作の途中で緩みを生じたり、ナットを可動フードとともに移動させる必要から、ナットとネジ部との咬合状態は比較的甘く設置されており、ナットがネジ部に螺合した状態であっても、多少ナットにガタツキが生ずる等の欠点があった。
図2〜図6に示すように、装飾リング17は、外周面に大径部17aと小径部17bを有しており、小径部17bをストッパー体16の竿元開口端の内周面に密着する状態で装着される。大径部17aと小径部17bとの段差部分をストッパー体16の竿元端に当接させて、装飾リング17は位置決めされるものである。大径部17aはストッパー体16の外周面と段差の無い状態で繋がるように、同一外径に設定されている。装飾リング17はストッパー体16に接着固定される。
(1) 装飾リング17を取り付ける対象として、竿先側端においては前カバー体11、竿元側端においてはストッパー体16を選定しているが、シートボディ10の竿先側端及び竿元側端に取り付ける構成を採ってもよい。
(2) 装飾リング17の内周面径としては、元竿3の外周面径と同一径か又は僅かに大きな径に設定することができる。
(3) 上記リールシート4を適用する釣り竿Aとしては、前記した投げ竿だけでなく、磯竿、船竿等に使用してもよい。
4 リールシート
5 スピニングリール(リール)
5A 脚部
5B 脚取付部
7 固定側のフード部
8 可動側のフード部
10 筒状のシートボディ
10B 脚取付部
10c 削り代部分(座面)
11 前カバー体
12 後カバー体
13 脚押さえ体
15 ナット体
16 ストッパ体
17 装飾リング
17a 大径部
17b 小径部
Claims (3)
- 竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リール脚を保持する固定側のフード部を備え、前記固定側のフード部を、前記脚部を収納する脚取付部と、前記脚取付部を被覆する前カバー体とで構成してある筒状リールシートであって、
外周面に小径部とその竿先側に大径部を設け、内面側に前記シートボディを装着する前記竿体の外周面径と同一径か又は略同一径の内周部を有し、かつ、前記前カバー体の竿先側開口端と前記竿体の外周面との間隙部分に位置することとなる装飾リングを、
前記脚取付部の竿先端より更に竿先側に延出された前記前カバー体の竿先側端部に対して、前記小径部が前記前カバー体の内周面に内接する状態で、かつ、前記大径部が前記カバー体の竿先端に段差なく繋がるように、更に、前記内周部が前記竿体の外周面に外嵌されるように装着している筒状リールシート。 - 前記脚取付部の外周面に凹入する取付用の座面を形成するとともに、前記前カバー体を前記座面に被覆装着し、前記前カバー体の縁部の外周面と前記脚取付部の外周面との接続部位を段差のない滑らかに繋がる状態に構成してある請求項1記載の筒状リールシート。
- 竿体の所定箇所に装着されるシートボディに、リール脚を押さえ保持する脚押さえ体とその脚押さえ体を収納する後カバー体とからなる可動側フード部と、前記脚押さえ体に螺合して前記脚押さえ体を駆動移動させるナット体と、前記ナット体を受け止めるストッパー体とを備え、前記後カバー体と前記ストッパー体とで前記ナット体を挟み込んで前記ナット体を前記竿体の周方向に回転可能で前記竿体の軸線方向に移動不能に構成してある筒状リールシートであって、
外周面に小径部とその竿元側に大径部を設け、内面側に前記竿体の外周面径と同一径か又は略同一径の内周面径を呈する内周部を有し、かつ、前記ストッパ体の竿元側開口端と前記竿体の外周面との間隙部分に位置することとなる装飾リングを設けるとともに、前記ストッパ体の内周面径を前記竿体の外周面径より大径に形成し、前記装飾リングを、前記ストッパ体の竿元側開口端部の内周面に前記小径部を内接する状態で、かつ、前記大径部が前記ストッパ体の外周面に段差なく繋がるように、更に、内周部が前記竿体の外周面に外嵌されるように装着している筒状リールシート。
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