JP2006333728A - リール脚固定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視認方向によって異なる模様が視認できたりする変化のある模様を視認できる釣竿を提供する。
【解決手段】筒状のリールシート本体と前後に対向して配置され、リールの脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を有し、該一対のフード部の内、少なくとも一方のフード部が移動式であり、前記リールシート本体は少なくとも一部に外部から視認可能な透明状部又は半透明状部を有し、この透明状部又は半透明状部の少なくとも一部に装飾面を形成するよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】筒状のリールシート本体と前後に対向して配置され、リールの脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を有し、該一対のフード部の内、少なくとも一方のフード部が移動式であり、前記リールシート本体は少なくとも一部に外部から視認可能な透明状部又は半透明状部を有し、この透明状部又は半透明状部の少なくとも一部に装飾面を形成するよう構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、釣竿に用いるリール脚固定装置に関する。
下記特許文献1には、竿杆等の筒体に着色や模様を形成し、その外周に透光性を有する部材を被せたグリップ部が開示されている。この釣竿用のグリップ部では、筒体表面の模様等を外部から視認することができる。
特開平9−275858号公報
然しながら、上記釣竿用グリップは、内部に配設した筒体の模様を外部から視認できるだけであり、その意味では単純な1種類の模様を視認できるに過ぎず、外観上の改善が望まれる。
従って解決しようとする課題は、視認方向によって異なる模様が視認できたりする変化のある模様を視認できる釣竿を提供することである。
従って解決しようとする課題は、視認方向によって異なる模様が視認できたりする変化のある模様を視認できる釣竿を提供することである。
請求項1に係る発明では、内周部を有する筒状のリールシート本体と前後に対向して配置され、リールの脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を有し、該一対のフード部の内、少なくとも一方のフード部が移動式であり、前記リールシート本体は少なくとも一部に外部から視認可能な透明状部又は半透明状部を有し、この透明状部又は半透明状部の少なくとも一部に装飾面を形成したことを特徴とするリール脚固定装置を提供する。
請求項2に係る発明では、リールシート本体部が竿杆を挿通させる直線状の貫通孔を有すると共に、透明又は半透明の合成樹脂材で形成されていて、少なくともその平面視形状又は側面視形状が長手方向に亘って一定ではなくて前記貫通孔の孔壁の厚さが場所によって異なり、前記貫通孔の孔壁には、該貫通孔の長手方向に亘って均一な厚さを有する塗膜を有し、該塗膜には干渉光を発生させる粒子が混在しており、リール脚を載置するリール脚載置部に、載置するリール脚よりも幅広でかつこのリール脚載置部を形成した本体部よりも幅狭の寸法で、光輝性外観を有する板状の装飾部材を備えたことを特徴とするリール脚固定装置を提供する。
請求項3に係る発明では、前記リール脚載置部は、このリール脚載置部側で開口する空隙部を有し、前記装飾部材は、この開口を覆って配置されることを特徴とする請求項1、2のいずれか1つに記載のリール脚固定装置を提供する。
本発明の請求項1では、視認可能な透明状又は半透明状のシート本体部の少なくとも一部に装飾面を設けたことにより装飾面が平面的な見え方では無く、奥行きのある装飾面として視認出来、より立体感のある装飾外観を実現することが出来る。
請求項2では、透明又は半透明状のシート本体部に設けた貫通孔の孔壁には、長手方向に亘っては均一な厚さを有する塗膜を有し、該塗膜には干渉光を発生させる粒子が混在している。このため太陽光の当る場所で竿杆の位置する貫通孔壁部を見ると干渉光を視認できるが、その孔壁に設けた膜厚が長手方向に亘って均一な厚さであるため、その長手方向に沿った高輝性ハイライトラインを視認できる。しかも、その高輝性ハイライトラインは、貫通孔壁の円周方向位置に応じてその発生色が異なり、種類の異なる発色を視認でき、ひいては挿通させている竿杆がそのように発色しているように見える面白さがある。
更には、シート本体部の平面視形状や側面視形状が長手方向に亘って一定ではなくて貫通孔の孔壁厚さが場所によって異なるため、レンズの作用によって直線状の貫通孔の孔壁が湾曲し、その結果、挿通させている竿杆の太さ(直径)が変化しているように見える面白さがある。又、リール脚載置部に、載置するリール脚よりも幅広でかつこのリール脚載置部を形成した本体部よりも幅狭の寸法で、光輝性外観を有する板状の装飾部材を備えたことにより、リール脚で覆われていない部分すなわち外部に露出する光輝部分を視認することができるため、装飾効果を向上することができる。又、リール脚を取り付けた状態でリール脚載置部の背面側の光輝部をリール脚固定装置のリール脚載置部の背面側から視認することが出来、光輝部の手前側に位置する貫通孔壁部の塗膜及び干渉光をより引き立たせることが出来る。
更には、シート本体部の平面視形状や側面視形状が長手方向に亘って一定ではなくて貫通孔の孔壁厚さが場所によって異なるため、レンズの作用によって直線状の貫通孔の孔壁が湾曲し、その結果、挿通させている竿杆の太さ(直径)が変化しているように見える面白さがある。又、リール脚載置部に、載置するリール脚よりも幅広でかつこのリール脚載置部を形成した本体部よりも幅狭の寸法で、光輝性外観を有する板状の装飾部材を備えたことにより、リール脚で覆われていない部分すなわち外部に露出する光輝部分を視認することができるため、装飾効果を向上することができる。又、リール脚を取り付けた状態でリール脚載置部の背面側の光輝部をリール脚固定装置のリール脚載置部の背面側から視認することが出来、光輝部の手前側に位置する貫通孔壁部の塗膜及び干渉光をより引き立たせることが出来る。
請求項3では、リール脚載置部側で開口する空隙部を有し、前記装飾部材は、この開口を覆って配置されることにより、軽量化と共に開口内に異物が侵入するのを防止することができる。又、リール脚載置部の背面側からの光輝部の反射光の視認性がより一層向上し、光輝部の手前側に位置する貫通孔壁部の塗膜及び干渉光をより引き立たせることが出来る。
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る釣竿の例としてのキャスティングロッドの要部側面図であり、図2は平面図、図3は図1のシート本体部のみを垂直面で切断した縦断面図、図4は図1のシート本体部のみを水平面で切断した縦断面図、図5は図3の矢視線E−Eによる拡大横断面図である。エポキシ樹脂等の合成樹脂をマトリックスとし、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の竿杆10の後部所定領域にリール脚固定装置を設け、その後側にグリップGを設けている。竿杆10は中空構造でも中実構造でも良く、その材質も適宣のものを用いることができる。又、グリップGはコルク或いは発泡剤等の軟質材で形成されている。リール脚固定装置のリール脚載置面20Sを有するシート本体部20は、例えばABS樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、アクリル等の透明な合成樹脂によって形成している。この例では、射出成形した当初は無色透明でもある。このリール脚載置面の後方部には固定フードF1が一体形成されており、前側には移動フードF2が配設されている。この移動フードF2には、シート本体部20の前部領域に形成した雄ねじNに螺合する雌ねじを設けており、回動操作によって前後に移動する。
シート本体部20の固定フードF1の径方向反対側にはトリガーTが形成されている。
また、シート本体部20には、前後方向に亘って直線状の貫通孔20Kが形成されており、前端から後端にまで亘って壁面で覆われている。即ち、途中において穴が開いていない。特に図3に見られるように、このシート本体部20の竿元側には固定フードF1があると共にトリガーTも有るため、貫通孔の孔壁肉厚が大きく変化している領域と言える。従って、このシート本体部を射出成形した際に、この竿元領域に気泡が発生する確率が高い。
また、シート本体部20には、前後方向に亘って直線状の貫通孔20Kが形成されており、前端から後端にまで亘って壁面で覆われている。即ち、途中において穴が開いていない。特に図3に見られるように、このシート本体部20の竿元側には固定フードF1があると共にトリガーTも有るため、貫通孔の孔壁肉厚が大きく変化している領域と言える。従って、このシート本体部を射出成形した際に、この竿元領域に気泡が発生する確率が高い。
前記貫通孔20Kの横断面形状は、完全な丸穴ではなく、図5の貫通孔壁部の一部拡大図である図6に示すように、円周方向に適宜間隔で設け、貫通孔の長手方向に沿った凸条20Kが形成されている。この凸条と隣接した凸条との間は凹条であり、貫通孔20Kに竿杆10を挿通させて接着固定する際に、ここに接着剤を保持できて接合力が高まる。この貫通孔20Kの壁面には、ガン吹き塗装、即ち噴霧塗装によって塗装膜24を形成している。塗装膜24付近の拡大模式図である図7に示すように、塗装膜になる塗料中にはベースとなる有色塗料中に干渉光を発生させる微小粒子24Rを混在させている。このベースとなる有色塗料に代わって、透明又は半透明の無色又は有色のクリヤー塗料とし、このクリヤー塗料中に前記粒子24Rを混在させ、これを貫通孔壁にガン吹き塗装し、乾燥後に、更にその内側に遮蔽性のある塗膜を形成してもよい。
上記微小粒子24Rは、例えば、よく知られているように、ベース部材BSとしてのアルミニウム等の金属箔に、干渉膜HSとしてのクロムやチタン等の酸化被膜を施して形成したものである。例えばその粒子サイズは、平面視サイズ(粒子径)が10〜40ミクロン、厚さが0.01〜3ミクロン程度等である。透明又は半透明のシート本体部20を透過してきた光の内、微小粒子24Rの干渉膜HSの表面で反射する光と、その裏面で反射する光とが互いに干渉して干渉光を発生させる。微小粒子としては、その他、ベース部材として顔料を使用した粒子も可能である。
前述したガン吹き塗装方法としては、図8に模式図を示しているが、先端部の外周に適宜数のノズル孔を設けた塗装パイプNZを貫通孔20K内に挿入し、貫通孔の入口から出口にまで亘って貫通孔の長手方向に沿って等速度で移動させつつ一定噴出圧力で微小粒子の混在した塗料を塗布する。挿入口としてはシート本体部20の元側でも先側でもよい。
また、入口から出口までの塗装パイプの移動は1回とは限らず、往復させたり、或いはそれ以上の回数移動させつつ塗装してもよいが、途中で止めない方がよい。即ち、移動は前方移動又は後方移動の何れでもよいが、1回、2回、3回、・・・というように整数回であることが望ましい。途中で止めては、その残りの領域と塗膜厚さが異なることになるからである。
また、入口から出口までの塗装パイプの移動は1回とは限らず、往復させたり、或いはそれ以上の回数移動させつつ塗装してもよいが、途中で止めない方がよい。即ち、移動は前方移動又は後方移動の何れでもよいが、1回、2回、3回、・・・というように整数回であることが望ましい。途中で止めては、その残りの領域と塗膜厚さが異なることになるからである。
こうして形成された塗膜24は、貫通孔の長手方向に亘って均一な膜厚を有する。しかし、貫通孔の円周方向の位置の相違によっては膜厚が相違することがある。何れにしても、長手方向に亘って均一な膜厚を有するため、透明又は半透明のシート本体部20を透過した光による干渉光の輝きは、貫通孔の長手方向に沿ったハイライトラインを呈し、意匠外観的に優れたデザイン性をかもし出す。更には、貫通孔の円周方向位置や視認方向によってその色が異なり、意匠性が向上する。しかし、本願はこれだけの外観デザインではなく、シート本体部が図1〜図4に図示されているように、平面視形状も側面視形状も長手方向に沿って一定ではないため、貫通孔の孔壁の肉厚が長手方向に沿って種々に変化している。このため、肉厚の変化した孔壁の長手方向におけるレンズ作用が異なり、直線状であって一定孔径の貫通孔20Kの輪郭等が湾曲して見える。
その輪郭の概ねの様子を図1に2点鎖線20KKで示している。こうしたレンズ効果が重なって外観上の面白さをかもし出している。従って、既述のハイライトラインは、図1における貫通孔の中心軸線上では直線であるが、その中心軸線から上下に位置がずれるに従って湾曲したラインとなる。しかし、長手方向に沿ったハイライトラインであることには変りはなく、釣竿の長手方向に沿ったラインを強調することができ、釣竿として外観的に優れたデザイン性をかもし出している。
意匠性を向上させるため、無色透明のシート本体部20の表面に透明性のある有色塗装をも施している。例えば、染料によるカラークリヤー塗装を行うのである。これにより、高輝性ハイライトラインに深みのある装飾感が重畳する。また、既述の通り、シート本体部の貫通孔の孔壁肉厚の変化の大きな竿元側部位には、射出成形時に気泡が残留することがあるため、これを被覆して隠し、歩留まりを向上させると共に意匠性をも向上させるべく、遮蔽性を有する塗装を施すこともできる。この場合、ガン吹き塗装によると、塗装の施された領域と施されていない領域との境界がぼやけ、意匠性が向上する。
前記リール脚載置面20Sは、載置するリール脚よりも幅広でかつこのリール脚載置部を形成した本体部よりも幅狭の寸法と、光輝性外観とを有する板状の装飾部材を備え、この装飾部材は、リール脚を載置したときに、このリール脚から側方に突出するそれぞれの側縁部が、この側縁部に隣接する本体部の側部よりも2ミリメートル以上外方に突出した高さ寸法を持つ横断面形状を有することを特徴とする。
図4および図5に示すように、本実施形態のシート本体部20は、リール脚載置面20S側で開口する空隙部32を両側縁部に沿って形成し、シート本体部20の軽量化を図った軽量構造に形成してある。これらの空隙部32は、リール脚の左右幅よりも広く形成し、図示の実施形態では、その軸方向の中間部位に、例えば2つである適宜数のリブ34を設けてある。このリブ34はシート本体部20の強度を維持するためのものであり、これらのリブ34がなくてもシート本体部20の強度を維持できる場合には、省略してもよい。また、空隙部32の底壁部すなわちトリガーTが突出する側に、図示しない貫通孔を形成することも可能であるが、把持性の低下を防止するためには、このような貫通孔を形成しないことが好ましい。
このような空隙部32により、図5に示すように、リール脚載置面20Sには、軸方向に延在する中央部36と2つの側部38とが形成される。中央部36は、リール脚の幅よりも幅狭でリール脚にほぼ対応して湾曲した横断面形状を持ち、リール脚を載置したときに、このリール脚の側縁部が例えば左右に夫々1mm以上で好ましくは1〜5mm程度側方に突出する寸法を備える。また、空隙部32の幅寸法すなわち中央部36と側部38との間隔は、シート本体部20の軽量化の必要に応じて適宜の寸法および形状とすることができるが、このリール脚載置面20Sにリール脚を載置したときに、リール脚の側縁部がこの空隙部32上に位置する寸法および形状とする。また、中央部36の頂部は、側部38に形成される凹部42(後述する)の底面よりも外方に突出し、したがって、図5に示すように、横断面で見たときに、凹部42よりも高い位置で、後述する装飾部材44を高く突出させた状態で支える。
更に、このリール脚載置面20Sは、図3に示すように、リール脚の長手方向端部を直接支える支持面40をその両端部に有する。これらの支持面40はそれぞれ移動フードF2および固定フードF1の開口内すなわちこれらのフードF2,F1で覆われる位置に配置され、移動フードF2を固定フードF1に向けて移動したときに、リール脚に直接接触して、リール脚に作用する押圧力を支える。この支持面40は、リール脚に対応して僅かに湾曲した横断面形状を有するのが好ましい。また、側部38との関係では、これらの支持面40よりも低い位置に各側部38が配置される。すなわち、両側部38の頂部を通る平面と、2つの支持面40を通る面が例えば1〜5mmあるいは2〜4mmが好ましい間隔に配置される。
これらの2つの支持面40の間には、中央部36と側部38とにわたって凹部42を形成し、後述する板状の装飾部材44を収容することができる。この凹部42は、リブ34の部分で図5の(A)に示すように、装飾部材44との間に間隙を形成し、側部38に形成された肩部43が、装飾部材44の側縁部を横方向から支える。
図2および図5に示すように、装飾部材44は、シート本体部20あるいはリール脚載置面20Sの中央部36に載置される湾曲した中央板部46と、この中央板部46の両側から側方に延びて空隙部32上に配置される平板部48と、この平板部から側部38の肩部43に向けて延びる側板部50とを有し、これらの各部の間に長手方向の折目を形成し、全体として略左右対称でかつ略アーチ状の横断面形状に折曲げ形成される。
この中央板部46の湾曲形状は、これを載置する中央部36にほぼ対応し、平板部48はこの中央部からほぼ水平に延びる平坦面状に形成され、載置されたリール脚の側縁部に当接するかあるいはこれよりも僅かに下方に位置する。また、側板部50は、平板部48から斜めに延びる傾斜部とこの傾斜部からほぼ水平に横方向に延びる水平部とから形成される。
この側板部50の外側に形成した水平部は、図5に示すように、シート本体部20の軸線に垂直な横断面内でほぼ水平の状態すなわち平板部48と略平行な状態に配置され、装飾部材44をシート本体部20の凹部42内に装着したときに、この水平部を介して側部38の肩部43で係止され、これにより、装飾部材44がシート本体部20に対して側方へ移動するのを確実に防止する。また、この側板部50の傾斜部は、水平部を介して確実に支持された状態であっても、シート本体部20あるいは平板部48に対して変形し易く、装飾部材44の装着を容易にすると共に、装飾部材44に傷がつきあるいは破損するのを防止する。なお、肩部43に係止される側板部50の水平部は、図5に示すように、横断面内で水平に延びて側部38の凹部42内に載置される水平壁部として形成する他、傾斜部と共に、側板部50の全体を凸湾曲面や凹湾曲面又は傾斜面で形成してもよい。勿論、傾斜部のみを凸湾曲面や凹湾曲面又は傾斜面で形成してもよい。
なお、中央板部46をリール脚の底面よりも大きな曲率で湾曲させることにより、この中央板部46の特にその中央部を平板部48よりも大きく突出させ、リール脚の底面に積極的に当接させてもよい。この場合には、リール脚の側縁部に形成される特に底面側の角部が平板部48と当り難く、大きな傷が付き難い。また、装飾部材44の折目については、リール脚の幅に対応させて形成し、リール脚を載置したときに、その側縁部が中央板部46と平板部48との間の折目と重なる位置に配置させてもよい。この場合には、リール脚の側縁部が当接しても装飾部材44が屈曲し易く、大きな傷が付きにくい。
この装飾部材44は、図5の(B)に示すように、幅寸法WPが、載置するリール脚の幅寸法WLよりも幅広でかつこのリール脚載置面20Sを形成したシート本体部20の幅寸法WBよりも幅狭に形成される。また、リール脚を載置したときに、このリール脚から側方に突出する側縁部すなわち平板部48の一部と側板部50との幅寸法WSが、1mm以上で、1〜5mmの範囲となるように形成するのが好ましい。更に、このときの側縁部の高さ寸法HSすなわち本実施形態では側板部50の一部である傾斜部の高さ寸法は2〜5mm程度に形成するのが好ましい。これは高さ寸法HSを1mm以下に形成すると外部から視認し難いために好適な装飾効果が得られず、6mm以上に形成すると、リールを手で握り込んで操作するパーミング操作の際、指が入り易く、あるいは指が痛くなり易くなるためである。なお、この板状部材44の幅寸法WPは、凹部42の肩部43間の幅寸法よりも小さく、換言すると、両側部38に形成する肩部43間の寸法を装飾部材44の横方向寸法すなわち幅寸法WPよりも大きく形成してもよく、この場合には、側板部50が広がり易くなる。
装飾部材44は、例えばアルミニューム、ステンレス等の金属あるいは硬質合成樹脂等の弾性あるいはばね性を有する板材に形成するのが好ましい。金属で形成する場合には、例えば厚さが0.5〜0.2mm程度の軽量構造に形成するのが好ましく、ナイロン、ABS等の熱可塑性樹脂で形成する場合には、クロム、ニッケルあるいはチタン等の傷が付きにくい被膜を形成することにより、装飾性を向上させることが好ましい。また、金属で形成する場合にも、被膜を形成してもよい。いずれの材料で形成する場合にも、装飾部材44は少なくともその外面が光輝性外観を呈することが好ましい。
また、この装飾部材44は、凹部42内に配置したときに、特にその平板部48がシート本体部20の支持面40に対して、ほぼ面一か、あるいはこの支持面40よりも僅かに内方すなわち竿杆10側に位置するように、その厚さと凹部42の深さとを設定するのが好ましい。いずれの場合も、この装飾部材44が支持面40から突出しない位置で、支持面40からの距離が1mm以下の位置に配置するのが好ましい。
また、装飾部材44は、装飾効果の上からできるだけ大きいのが好ましいが、傷付くのを防止するためにリール脚よりも軸方向長さを短く形成し、図2に示すように、空隙部32の全面を覆う幅寸法WPを有することが好ましい。このように空隙部32の開口の全面を覆うことにより、開口内に異物が浸入するのを防止することができる。又、リール脚を固定した状態でも、この装飾部材44をリール脚の幅よりも幅広のプレートとして形成することができ、リール脚で覆われていない部分すなわち外部に露出する光輝部分を視認することができるため、装飾効果を向上することができる。特に側方に露出する側縁部の高さ寸法HSを大きくする場合には、幅方向と高さ方向に立体感が得られ、リールを取付けた状態でも、釣竿の側方から視認できる領域が大きくなり、装飾効果が増大し、外観の優れたリール脚固定装置を形成できる。また、リールを装着しない展示状態においては、一層外観がきわだって見え、優れた外観のリール脚固定装置を形成することができる。
又、装飾部材44は少なくともその外面が光輝性外観を呈している為、シート本体部が視認可能な透明状又は半透明状の為、シート本体部の背面側すなわちトリガー部側からシート本体部を通して光輝性外観を視認することが出来る。又、貫通孔の孔壁には長手方向に亘って均一な厚さを有する干渉光を発生させる粒子が混在した塗膜を光輝性外観の手前側に視認することが出来、より一層、塗膜及び長手方向に沿った高輝性ハイライトラインを強調し、引き立たせた外観を実現することが出来る。
このような装飾部材44は、接着層を介して中央板部46をシート本体の中央部36に接着し、側板部50の水平部を側部38の肩部43に係止することにより、凹部42に装着する。中央部36が側部38よりも高い位置で装飾部材44を支えることにより、装飾部材44の高さ寸法HSを大きくし、これにより、外部から視認し易くなり、外観デザインを向上することができると共に、そのデザイン上の自由度が向上する。
凹部42に装着された装飾部材44は、平板部48が空隙部32の開口を覆って配置され、この平板部48とリブ34との間にも間隙が形成されるため、この平板部48は大きな力が作用したときに、板厚方向に微少変形し、特にその装飾面に大きな傷が付いたり破損するのを防止することができる。なお、装飾部材44は、側板部48と肩部43との対向する側面とを接着してもよく、この場合には中央板部46と中央部36との間の接着層を省略してもよい。更に、接着層あるいは接着剤を用いることなく、装飾部材44を凹部42内に嵌め込みあるいは圧入して取り付けてもよい。この場合には、装飾部材44がアーチ状構造を有するため、圧入が容易で、そのばね力により凹部42内に保持することができる。なお、接着層を用いる場合は、例えば両面テープで形成してもよく、接着層としては収縮量が僅かであることが好ましい。いずれの場合も、装飾部材44が凹部42内に固定されることにより、強固かつ確実に取付けられ、この装飾部材44が剥がれたり、端部から欠けることもなく、強度を向上してリール脚固定装置の耐久性を優れたものとすることができる。
このようなリール脚固定装置では、リール脚を装飾部材44上に載置し、その一端を固定フードF1の開口内に挿入する。この後、シート本体部20のネジ部に沿ってナット部材を回転しつつ移動フードF2を固定フードF1に向けて移動し、リール脚の先端側端部をその開口内に受入れる。
更に、移動フードF2を固定フードF1に向けて締付けると、リール脚はそれぞれの開口の内面でシート本体部20側に押圧され、その端部をシート本体部20に形成された支持面40に当接され、この支持面40で直接支えられる。このとき、装飾部材44が支持面40から突出してないため、このリール脚で傷付くことがない。なお、何らかの原因で平板部48がリール脚の側縁部で押圧されたとしても、平板部48が空隙部32上に配置され、また、リブ34との間にも間隙が形成されているため、僅かに変形し、したがって装飾部材44に傷をつける程の押圧力が作用せず、傷が付きにくく、あるいは破損を防止することができる。
この装飾部材44は、平板部48が長手方向に沿うほぼ平行な折目を介して中央部36および側板部50から折曲げ形成されているため、装飾部材44を薄くかつ軽量構造に形成した場合であっても、十分な強度を維持することができる。更に、この装飾部材44の側板部50がシート本体部20の側部38に形成した肩部43で支えられ、中央板部46と平板部48との間の折目が屈曲部を形成することにより、リール脚の側縁部を介してシート本体部20の方向に押圧力が作用しても撓みやすく、損傷が防止される。このようにリール脚が固定された状態では、リール脚の各端部がシート本体部20の硬質の支持面40に当接して保持されているため、この支持面40と面一あるいはこれよりも僅かに内方に位置する装飾部材44には、特にその外面の装飾面に硬いリール脚が強い衝撃を与えることがない。
なお、装飾部材44がシート本体部20の特に支持面40と面一となる位置に形成されている場合には、リール脚の端部が支持面40に当接したときに、リール脚の側縁部が装飾部材44の平板部48に接触するが、このリール脚の側縁部が平板部48を押圧するものではないため、装飾部材44に傷がつくことはない。
また、装飾部材44は平板部48をシート本体部20の中央部36から下方に傾斜させて形成してもよく、更に、長手方向に沿う折目を形成することなく、全体に滑らかなアーチ状の横断面形状としてもよい。そして、外面に施す模様も印刷によるだけでなく、凹凸模様等の立体模様あるいはこれらを適宜に組合せることができる。これにより、リール脚固定装置すなわち釣竿を軽量構造にし、更に、その外観を向上させ、このような装飾を施された外観を長期間にわたって維持することができる。
上述の実施形態では、ナット式の移動フードF2について説明したが、起伏自在のレバー式で固定するように形成してもよいことは明らかである。
図9は本発明に係る他の釣竿の例であり、キャスティングロッド以外のトリガーの無い釣竿である。竿管10’に套嵌させた透明又は半透明のシート本体部20’が、先の例のシート本体部20に相当し、貫通孔20K’が形成されており、ここに竿管が挿入接着固定されている。この例でも、シート本体部は側面視において長手方向中央部が膨出しており、貫通孔の孔壁の肉厚が変化しているため貫通孔の形が湾曲して見える。また、固定フードF1が形成されている端部領域は肉厚変化が大きく、射出成形時に気泡が発生する可能性が高く、発生した場合には、意匠性を兼ねた遮蔽性のある塗装を行うことやその他の事項も、先の例で説明したのと同様である。また、移動フードF2’は環状体ではない形態であるが、本願発明には影響が無い。
10…竿杆、20…シート本体部、F1…固定フード、F2…移動フード、20S…リール脚載置部、32…空隙部、44…装飾部材。
Claims (3)
- 筒状のリールシート本体と前後に対向して配置され、リールの脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を有し、該一対のフード部の内、少なくとも一方のフード部が移動式であり、前記リールシート本体は少なくとも一部に外部から視認可能な透明状部又は半透明状部を有し、この透明状部又は半透明状部の少なくとも一部に装飾面を形成したことを特徴とするリール脚固定装置。
- リールシート本体部が竿杆を挿通させる直線状の貫通孔を有すると共に、透明又は半透明の合成樹脂材で形成されていて、少なくともその平面視形状又は側面視形状が長手方向に亘って一定ではなくて前記貫通孔の孔壁の厚さが場所によって異なり、前記貫通孔の孔壁には、該貫通孔の長手方向に亘って均一な厚さを有する塗膜を有し、該塗膜には干渉光を発生させる粒子が混在しており、リール脚を載置するリール脚載置部に、載置するリール脚よりも幅広でかつこのリール脚載置部を形成した本体部よりも幅狭の寸法で、光輝性外観を有する板状の装飾部材を備えたことを特徴とするリール脚固定装置。
- 前記リール脚載置部は、このリール脚載置部側で開口する空隙部を有し、前記装飾部材は、この開口を覆って配置されることを特徴とする請求項1、2のいずれか1つに記載のリール脚固定装置。
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2005
- 2005-05-31 JP JP2005159407A patent/JP2006333728A/ja active Pending
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