JP5505685B2 - 投影光学系、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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本発明はこのような事情に鑑み、露光装置のステージ系を大型化することなく、基板を高いスループットで露光するために使用可能な投影光学系を提供することを目的とする。さらに本発明は、その投影光学系を用いる露光技術及びデバイス製造技術を提供することをも目的とする。
また、本発明による露光装置は、パターンが設けられたマスクを保持し、該マスクのパターン面を第1面に配置させるマスクステージと、その第1面に設けられたそのパターンの像を第2面に投影する本発明の投影光学系と、基板を保持し、該基板の露光面をその第2面に配置させる基板ステージと、を備えたものである。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光装置又は露光方法を用いてそのパターンの像をその基板に転写することと、そのパターンの像が転写されたその基板を該パターンの像に対応して処理することと、を含むものである。
以下、本発明の第1の実施形態につき図1〜図5を参照して説明する。本実施形態は、走査露光型の投影露光装置であるスキャニングステッパー型の露光装置で露光を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態に係る露光装置100の概略構成を示す。図1において、露光装置100は、露光光源(不図示)と、この露光光源からの露光用の照明光(露光光)ILによりレチクルR(マスク)のパターン面(物体面)の照明領域18を照明する照明光学系10とを備えている。さらに、露光装置100は、レチクルRを移動するレチクルステージRSTと、照明光ILのもとでレチクルRの照明領域18内のパターンの像をフォトレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)の表面(像面)上の第1及び第2の露光領域18A,18Bに形成する投影光学系PLと、ウエハWの位置決め及び移動を行うウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系2と、その他の駆動系等とを備えている。
照明光学系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ、回折光学素子など)等を含む照度均一化光学系、固定及び可変のレチクルブラインド(固定及び可変の視野絞り)、並びにコンデンサ光学系等を含んでいる。その可変のレチクルブラインドは、レチクルRを+Y方向又は−Y方向に移動して1回の走査露光を行う期間の最初及び最後に照明領域18をY方向に開閉するために使用される。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域18内のパターン(回路パターン)は、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で、例えばウエハW上のY方向に隣接する後述の2つのショット領域SA(i,j) 及びSA(i,j+1) 上の第1及び第2の露光領域18A,18B(それぞれ照明領域18と共役な領域)に投影される。投影光学系PLは、レチクルRのパターン面(物体面)の近傍に配置されて、レチクルRからの照明光ILを2つの光束に分割する2分割光学系50と、それらの2つの光束を用いて露光領域18A,18B上に照明領域18内のパターンの像を形成する結像光学系51と、第2の露光領域18BのX方向、Y方向の位置を調整するための像位置調整光学系56(図2(A)参照)とを備えている。2分割光学系50は、レチクルRと結像光学系51との間に配置されている。
一例として、ショット領域SA(i,j) のX方向の幅は26mm、Y方向の長さSYは33mmであり、スクライブライン領域SLの幅SLYは数100μm程度以下であり、露光領域18A,18BのY方向の幅(スリット幅)は8mm程度である。また、露光領域18A,18BのX方向の幅はショット領域SA(i,j) のX方向の幅程度である。
ウエハWの各ショット領域SA(i,j) には、図3(C)に示すように、それぞれ例えばそれを囲むスクライブライン領域SL上に1対の2次元のアライメントマークWM1,WM2が付設されている。アライメント制御系6は、ウエハW上の所定個数のアライメントマークの位置の計測結果を処理して、例えばいわゆるエンハンスド・グローバル・アライメント(EGA)方式でウエハW上の全部のショット領域の配列座標を求めて主制御系2に供給する。
以下、本実施形態の露光装置100の露光動作の一例につき図5のフローチャートを参照して説明する。この露光動作は主制御系2によって制御される。この際に、露光対象のウエハWのショット配列は、一例として図3(A)に示すように、ショット領域SA(i,j) と同じ大きさの多数のショット領域をX方向、Y方向に点線で示すスクライブライン領域を隔てて配列したものである。また、説明の便宜上、ショット領域SA(i,j) は、最も+X方向でかつ+Y方向に位置する仮想的なショット領域SA(1,1) を基準として、−X方向にi番目(i=1,2,…I)で、−Y方向にj番目(j=1,2,…J)にあるものとする(I,Jは例えば10程度以上の整数)。この場合、ショット領域SA(i,j) に対して−Y方向に隣接するのはショット領域SA(i,j+1) である。なお、ショット領域SA(i,j) のうちで、例えば半分以上の面積がウエハWの有効領域内に入るショット領域が、露光対象となる有効なショット領域である。有効なショット領域の配列情報及びその中で露光済みのショット領域の位置を示す情報が、ショットマップとして主制御系2の記憶装置に記憶されている。
(1)本実施形態の投影光学系PLは、レチクルRのパターン面(物体面)に設けられたパターンの像をウエハWの表面(像面)に投影する投影光学系において、そのパターンからの照明光IL(光束)を2つの照明光ILA,ILBに分割する2分割光学系50と、その2つの照明光ILA,ILBをウエハW表面の2つの露光領域18A,18Bにそれぞれ導いて、露光領域18A,18Bにそのパターンの像を形成する結像光学系51と、を備えている。
さらに、結像光学系51の投影倍率βが縮小、等倍、又は拡大のいずれの場合であっても、結像光学系51によってレチクルRのパターン面との共役面(中間結像面)を形成し、この中間結像面又はこの近傍に2分割光学系50を配置してもよい。
(6)また、投影光学系PLは、ウエハWの表面における第2の露光領域18Bの位置を補正する像位置調整光学系56を備えている。従って、ウエハWの線形伸縮又は微小回転等によってウエハWのショット配列が設計値から僅かにずれていても、2つの露光領域18A,18BでウエハW上の隣接する2つのショット領域を正確に走査露光できる。
(8)また、本実施形態の露光装置100は、パターンが設けられたレチクルRを保持し、レチクルRのパターン面を投影光学系PLの物体面に配置させるレチクルステージRSTと、その物体面に設けられたパターンの像を像面に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持し、ウエハWの表面(露光面)をその像面に配置させるウエハステージWSTと、を備えている。
従って、投影光学系PLによってウエハW上の2つのショット領域を並行に露光できるため、ステージ系を大型化することなく高いスループットが得られる。
さらに、その露光方法は、Y方向に沿って配列される露光領域18A,18BにレチクルRのパターンの像を投影しつつ、Y方向に沿ったウエハWの移動と、投影光学系PLを介してY方向に対応する方向(Y方向)に沿ったレチクルRの移動とを同期して行うステップ107を含んでいる。
なお、本実施形態では、露光領域18A,18Bを走査方向に分離しているが、露光領域18A,18Bを走査方向に直交する非走査方向(X方向)に分離してもよい。この場合には、1回の走査露光で、ウエハW上のX方向に隣接する2つのショット領域に並行に走査露光できる。
次に本発明の第2の実施形態につき図6(A)、図6(B)を参照して説明する。この実施形態で使用される露光装置は、図1の投影光学系PLの代わりに図6(A)の投影光学系PLAを使用する点と、レチクルRの照明領域18の位置が光軸AXに対して−Y方向にずれている点とを除いて、図1の露光装置100と同様である。以下では、投影光学系PLAの構成等につき説明する。図6(A)及び図6(B)において、図2(A)及び図2(B)に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、投影光学系PLAは、前群レンズ系51Aa及び後群レンズ系51Abよりなる両側テレセントリックの第1結像光学系51Aと、両側テレセントリックの第2結像光学系51Bと、前群レンズ系51Aaと後群レンズ系51Abとの間に配置された2分割光学系59とを備えている。この場合、第1結像光学系51Aは、レチクルRのパターン面のパターンをβ1倍した像を中間結像面58上に形成し、第2結像光学系51Bは、中間結像面59上のパターンの像をさらにβ2倍した像をウエハWの表面に形成する。投影倍率β1及びβ2の積はβである。第2結像光学系51Bの瞳面、すなわち投影光学系PLAの瞳面(射出瞳と共役な面)には、開口絞りASが配置されている。2分割光学系59は、この開口絞りASと共役な位置に配置され、具体的には後群レンズ系51Abの前側焦点面(前群レンズ系51Aaの後側焦点面)又はその近傍に配置されている。
LY1=2・LYR・β1 …(3)
また、第2結像光学系51Bの投影倍率はβ2であるため、照明光ILA,ILBの主光線は第2結像光学系51Bを介して、ウエハW上でY方向に次の間隔LY’だけ離れた露光領域18A,18Bの中心に入射する。
ここで、式(2)の関係及びβ=β1・β2の関係を用いると、式(4)は次のように目標とする間隔LYと一致する。
LY’=LY …(5)
また、本実施形態においては、例えば中間結像面58又はこの近傍の第2の照明光ILBの光路上の位置61に、図2(A)の像位置調整光学系56と同様の像位置調整光学系(不図示)が配置され、位置61の近傍に照明光ILBを遮光するためのシャッター(不図示)が配置されている。
(1)本実施形態の投影光学系PLAにおいて、2分割光学系59は、ウエハWの表面(像面)に対する第2結像光学系51B(又は投影光学系PLA)の射出瞳と共役な位置に配置され、レチクルRのパターンからの照明光ILを互いに異なる方向に進む2つの照明光ILA,ILBに分割している。従って、照明光ILA,ILBによってウエハW上で離れた2箇所の露光領域18A,18BにレチクルRのパターンの像を並行に形成できるため、第1の実施形態と同様に、露光装置のステージ系を大型化することなく、ウエハWを高いスループットで露光できる。
(2)また、2分割光学系59は、レチクルRのパターンからの照明光ILを第1結像光学系51A(投影光学系PLA)の光軸AXに関してY方向に対称な方向に進む2つの照明光ILA,ILBに分割している。従って、レチクルR上の照明領域18の光軸AXからの距離LYRを調整するのみで、ウエハW上の露光領域18A,18Bの間隔LYを容易に調整可能である。
なお、その偏光光学素子としては、ウォラストンプリズム(Wollaston prism)も使用可能である。ただし、ウォラストンプリズムでは、この表面の法線に平行に入射した光束のうちの常光線と異常光線とが対称な角度で折り曲げられて射出される。そのため、ウォラストンプリズムを用いる場合には、図6(A)において、レチクルRの照明領域18の中心は光軸AXに配置され、その照明領域18からの照明光ILが、ウォラストンプリズムによって照明光ILA,ILBのように光軸AXに関して対称な角度で射出される。
図6(A)に対応する部分に同一符号を付した図7(A)において、第1結像光学系51A内で第2結像光学系51B(又は投影光学系PLB)の射出瞳と共役な位置にY方向に周期性を持つ位相格子60が配置されている。位相格子60には、図7(B)の拡大図で示すように、位相差が180°(照明光ILの波長λを用いて、光路長差で例えばλ/2)となる段差dでY方向に所定周期で凹凸パターンが形成されている。この場合、位相格子60に垂直に照明光ILが入射すると、0次光IL(0) は殆どなくなり、+1次回折光IL(+1)及び−1次回折光IL(-1)がY方向に対称な角度で射出される。
図7(A)の投影光学系PLBによれば、レチクルRの照明領域18からの照明光ILは、前群レンズ系51Aaを介して位相格子60にほぼ垂直に入射し、位相格子60からは+1次回折光及び−1次回折光がそれぞれ第2の照明光ILB及び第1の照明光ILAとして光軸AXに関して対称な角度で射出される。そして、照明光ILA,ILBは後群レンズ系51Abを介して中間結像面58にそれぞれ照明領域18の像を形成した後、第2結像光学系51Bを介してウエハWの表面でY方向に間隔LYだけ離れた露光領域18A,18Bに入射する。従って、この投影光学系PLBによってもウエハW上の2箇所の露光領域18A,18Bに並列にレチクルRのパターンの像を露光できる。
また、位相格子60からは0次光が発生しないため、レチクルRからの照明光ILを少ない光量損失で露光領域18A,18Bに照射できるとともに、ウエハW上に不要なパターンが露光されることが防止される。
さらに、本発明は、上述の走査露光型の露光装置で露光する場合の他に、ステッパー等の一括露光型の露光装置で露光する場合にも適用できる。さらに、本発明は、例えば国際公開第2004/053955号パンフレット、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置で露光する場合にも同様に適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
Claims (17)
- 第1面に設けられたパターンの像を第2面に投影する投影光学系において、
前記第1面上の所定領域からの光束を複数の光束に分割する分割光学系と、
前記複数の光束を前記第2面の複数の位置にそれぞれ導いて、該複数の位置に前記所定領域の像をそれぞれ形成する結像光学系と、
を備えたことを特徴とする投影光学系。 - 前記分割光学系は、前記複数の位置に形成される前記所定領域の像が互いに同じ向きに投影されるように前記所定領域からの光束を分割することを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
- 前記分割光学系は、前記第1面と前記結像光学系の少なくとも一部の光学系との間に配置され、前記所定領域からの光束を該光束と平行に進む前記複数の光束に分割し、
前記結像光学系は、前記複数の位置に前記所定領域の縮小像を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の投影光学系。 - 前記分割光学系は、前記結像光学系の少なくとも一部の光学系と前記第2面との間に配置され、前記少なくとも一部の光学系を介した前記所定領域からの光束を該光束と平行に進む前記複数の光束に分割し、
前記結像光学系は、前記複数の位置に前記所定領域の拡大像を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の投影光学系。 - 前記結像光学系は、前記分割光学系が配置される側にテレセントリックな光学系であることを特徴とする請求項3又は4に記載の投影光学系。
- 前記分割光学系は、前記第2面に対する前記結像光学系の射出瞳と共役な位置又はこの近傍の位置に配置され、前記所定領域からの光束を互いに異なる方向に進む前記複数の光束に分割することを特徴とする請求項1又は2に記載の投影光学系。
- 前記分割光学系は、前記所定領域からの光束を前記結像光学系の光軸に関して対称な方向に進む前記複数の光束に分割することを特徴とする請求項6に記載の投影光学系。
- 前記分割光学系は、前記所定領域からの光束を互いに直交する2つの偏光に対応させて前記複数の光束に分割する偏光光学素子を含むことを特徴とする請求項7に記載の投影光学系。
- 前記分割光学系は、位相格子を含むことを特徴とする請求項7に記載の投影光学系。
- 前記位相格子は、0次回折光を実質的に生じさせないことを特徴とする請求項9に記載の投影光学系。
- 前記第2面における前記所定領域の像の結像位置を補正する補正光学系を備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の投影光学系。
- パターンが設けられたマスクを保持し、該マスクのパターン面を第1面に配置させるマスクステージと、
前記第1面に設けられた前記パターンの像を第2面に投影する請求項1から11のいずれか一項に記載の投影光学系と、
基板を保持し、該基板の露光面を前記第2面に配置させる基板ステージと、
を備えたことを特徴とする露光装置。 - 第1方向に沿った前記基板ステージの移動と、前記投影光学系を介して前記第1方向に対応する第2方向に沿った前記マスクステージの移動とを同期して行う制御系を備え、
前記投影光学系は、前記第1方向に沿って配列される前記複数の位置に前記パターンの像を投影することを特徴とする請求項12に記載の露光装置。 - パターンが設けられたマスクのパターン面を第1面に配置することと、
請求項1から11のいずれか一項に記載の投影光学系を用いて、前記第1面に設けられた前記パターンの像を前記第2面に投影することと、
基板の露光面を前記第2面に配置することと、
を含む露光方法。 - 第1方向に沿って配列される前記複数の位置に前記パターンの像を投影しつつ、前記第1方向に沿った前記基板の移動と、前記投影光学系を介して前記第1方向に対応する第2方向に沿った前記マスクの移動とを同期して行うこととを含む請求項14に記載の露光方法。
- 前記複数の位置をそれぞれ前記基板の異なる区画領域に同時に配置させることを含む請求項14又は15に記載の露光方法。
- 請求項14から16のいずれか一項に記載の露光方法を用いて前記パターンの像を前記基板に転写することと、
前記パターンの像が転写された前記基板を該パターンの像に対応して処理することと、を含むデバイス製造方法。
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