JP2007281169A - 投影光学系、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットの低下を抑制し、多重露光するためのパターンの像を基板上に効率良く投影できる投影光学系を提供する。
【解決手段】投影光学系は、第1パターンPA1を介した露光ビームに基づいて第1共役位置CP1を形成する第1光学系41と、第2パターンPA2を介した露光ビームに基づいて第2共役位置CP2を形成する第2光学系42と、第1光学系からの露光ビームと第2光学系からの露光ビームとに基づいて、基板と第1、第2共役位置とを光学的に共役にする第3光学系43と、第1光学系からの露光ビームと第2光学系からの露光ビームとを第3光学系に導入する導入光学系50とを備え、第1パターンからの露光ビームに基づいて基板上に第1露光領域を形成するとともに、第2パターンからの露光ビームに基づいて基板上に第2露光領域を形成する。第1露光領域と第2露光領域の少なくとも一部とは基板上で重複する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターンの像を基板上に投影する投影光学系、基板を露光する露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に関するものである。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、基板を多重露光する露光装置が知られている。
特開平10−214783号公報
多重露光において、複数のマスクを用意して各マスク毎に露光を実行したり、複数の照明条件を用意して各照明条件毎に露光を実行したりする場合がある。この場合、マスクを交換する時間や、照明条件等を変更する時間が必要となるため、露光装置の稼動率が低下し、スループットが低下する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、スループットの低下を抑制し、多重露光するためのパターンの像を基板上に効率良く投影できる投影光学系、基板を効率良く多重露光できる露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、所定のパターンの像を基板(P)上に投影する投影光学系において、第1パターン(PA1)を介した露光ビーム(EL1)に基づいて該第1パターン(PA1)と光学的に共役な第1共役位置(CP1)を形成する第1光学系(41)と、第2パターン(PA2)を介した露光ビーム(EL2)に基づいて該第2パターン(PA2)と光学的に共役な第2共役位置(CP2)を形成する第2光学系(42)と、第1光学系(41)からの露光ビーム(EL1)と第2光学系(42)からの露光ビーム(EL2)とに基づいて、基板(P)と第1共役位置(CP1)とを光学的に共役にするとともに、基板(P)と第2共役位置(CP2)とを光学的に共役にする第3光学系(43)と、第1光学系(41)と第3光学系(43)との間の光路中であって、且つ第2光学系(42)と第3光学系(43)との間の光路中に配置されて、第1光学系(41)からの露光ビーム(EL1)と第2光学系(42)からの露光ビーム(EL2)とを第3光学系(43)に導入する導入光学系(50)とを備え、第1パターン(PA1)からの露光ビーム(EL1)に基づいて基板(P)上に第1露光領域(AR1)を形成するとともに、第2パターン(PA2)からの露光ビーム(EL2)に基づいて基板(P)上に第2露光領域(AR2)を形成し、第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)の少なくとも一部とは基板(P)上で重複する投影光学系(PL)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、第1パターンを介した露光ビーム及び第2パターンを介した露光ビームのそれぞれを基板に照射する投影光学系を小型化することができ、多重露光するための第1パターンの像及び第2パターンの像を基板上に効率良く投影できる。
本発明の第2の態様に従えば、基板を露光する露光装置において、上記態様の投影光学系(PL)と、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板(P)とを第1方向に相対的に移動する第1移動システム(4)とを備え、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板(P)上の所定領域(S)とを相対的に移動しつつ、投影光学系(PL)により第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)のそれぞれに露光光(EL1、EL2)を照射することにより、第1露光領域(AR1)に照射される露光光(EL1)で形成される第1パターン(PA1)の像と第2露光領域(AR2)に照射される露光光(EL2)で形成される、第1パターン(PA1)とは異なる第2パターン(PA2)の像とで基板(P)上の所定領域(S)を多重露光する露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、上記態様の投影光学系を用いて基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第3の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いて基板(P)を露光する露光工程と、基板(P)を現像する現像工程とを含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、基板を効率良く多重露光できる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第4の態様に従えば、基板(P)を露光する露光方法において、上記態様の投影光学系(PL)を介して基板(P)上の第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とのそれぞれに露光光(EL1、EL2)を照射するとともに、基板(P)上の所定領域(S)が第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とを通過するように基板(P)を第1方向に移動することによって、第1露光領域(AR1)に照射される露光光(EL1)で形成される第1パターン(PA1)の像と第2露光領域(AR2)に照射される露光光(EL2)で形成される、第1パターン(PA1)とは異なる第2パターン(PA2)の像とで基板(P)上の所定領域(S)を多重露光する露光方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、上記態様の投影光学系を用いて基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第5の態様に従えば、上記態様の露光方法を用いて基板(P)を露光する露光工程と、基板(P)を現像する現像工程とを含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、基板を効率良く多重露光できる露光方法を用いてデバイスを製造することができる。
本発明によれば、スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光することができ、デバイスの生産性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、第1パターンPA1を有する第1マスクM1を保持して移動可能な第1マスクステージ1と、第2パターンPA2を有する第2マスクM2を保持して移動可能な第2マスクステージ2と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、各ステージの位置情報を計測可能な計測システム3と、第1露光光EL1で第1マスクM1の第1パターンPA1を照明する第1照明系IL1と、第2露光光EL2で第2マスクM2の第2パターンPA2を照明する第2照明系IL2と、第1露光光EL1で照明された第1パターンPA1の像及び第2露光光EL2で照明された第2パターンPA2の像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。基板ステージ4は、投影光学系PLの光射出側、すなわち投影光学系PLの像面側で移動可能である。
なお、ここでいう基板は半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクは、ガラス板等の透明板部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成されたものである。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。また、本実施形態においては、第1パターンPA1と第2パターンPA2とは異なるパターンである。
本実施形態の投影光学系PLは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1に基づいて基板P上に第1露光領域AR1を形成するとともに、第2パターンPA2からの第2露光光EL2に基づいて基板P上に第2露光領域AR2を形成する。投影光学系PLは、その光射出側、すなわちその像面側に、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを所定の位置関係で形成する。本実施形態においては、投影光学系PLによって形成される第1露光領域AR1と第2露光領域AR2の少なくとも一部とは、基板P上で重複する。
投影光学系PLは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1を第1露光領域AR1に照射して、その第1露光領域AR1に第1パターンPA1の像を形成可能であり、第2パターンPA2からの第2露光光EL2を第2露光領域AR2に照射して、その第2露光領域AR2に第2パターンPA2の像を形成可能である。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、第1照明系IL1より射出され、第1パターンPA1及び投影光学系PLを介して第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1によって、第1露光領域AR1に第1パターンPA1の像を形成可能であり、第2照明系IL2より射出され、第2パターンPA2及び投影光学系PLを介して第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2によって、第2露光領域AR2に第2パターンPA2の像を形成可能である。
そして、本実施形態の露光装置EXは、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで基板P上のショット領域Sを多重露光(二重露光)する。
また、本実施形態の露光装置EXは、第1マスクM1及び第2マスクM2と基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、第1マスクM1の第1パターンPA1の像及び第2マスクM2の第2パターンPA2の像を基板P上に投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。露光装置EXは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と基板P上のショット領域Sとを所定の走査方向に相対的に移動しつつ、投影光学系PLにより第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2のそれぞれを照射することにより、第1露光領域AR1に形成される第1パターンPA1の像と第2露光領域AR2に形成される第2パターンPA2の像とで基板P上のショット領域Sを多重露光する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とする。露光装置EXは、基板ステージ4を用いて基板Pのショット領域Sを第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対してY軸方向に移動しつつ、基板P上のショット領域Sを多重露光する。また、本実施形態の露光装置EXは、基板PのY軸方向への移動と同期して、第1マスクM1をY軸方向に移動し、第2マスクM2をZ軸方向に移動する。すなわち、本実施形態においては、第1マスクM1の走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、第2マスクM2の走査方向(同期移動方向)をZ軸方向とする。
まず、第1、第2照明系IL1、IL2について説明する。第1照明系IL1は、第1マスクステージ1に保持された第1マスクM1上の第1照明領域IA1を均一な照度分布の第1露光光EL1で照明するものであり、第2照明系IL2は、第2マスクステージ2に保持された第2マスクM2上の第2照明領域IA2を均一な照度分布の第2露光光EL2で照明するものである。第1、第2照明系IL1、IL2のそれぞれから射出される第1、第2露光光EL1、EL2としては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においては、第1、第2露光光EL1、EL2として、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態の露光装置EXは、第1照明系IL1に対応する第1光源装置と、第2照明系IL2に対応する第2光源装置とを有している。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、複数の光源装置(エキシマレーザ光源装置)を有している。また本実施形態においては、第1照明系IL1は、第1偏光状態の第1露光光EL1で第1マスクM1の第1パターンPA1を照明し、第2照明系IL2は、第1偏光状態とは異なる第2偏光状態の第2露光光EL2で第2マスクM2の第2パターンPA2を照明する。より具体的には、本実施形態においては、第1照明系IL1は、P偏光成分(TM偏光成分)が主成分(例えば、P偏光成分が90%以上)である第1露光光EL1で第1マスクM1を照明し、第2照明系IL2は、S偏光成分(TE偏光成分)が主成分(例えば、S偏光成分が90%以上)である第2露光光EL2で第2マスクM2を照明する。
なお、1つの光源装置から射出された露光光を第1偏光状態の第1露光光EL1と第2偏光状態の第2露光光EL2とに分離し、それら第1露光光EL1と第2露光光EL2とで第1パターンPA1と第2パターンPA2とを照明するようにしてもよい。
次に、第1マスクステージ1について説明する。第1マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第1マスクステージ駆動装置1Dの駆動により、第1マスクM1を保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。第1マスクステージ1は、第1マスクM1の第1パターンPA1が形成された第1パターン形成面とXY平面とがほぼ平行となるように、第1マスクM1を保持する。第1マスクステージ1(ひいては第1マスクM1)の位置情報は、計測システム3のレーザ干渉計31によって計測される。レーザ干渉計31は、第1マスクステージ1上に設けられた反射面31Kを用いて第1マスクステージ1の位置情報を計測する。制御装置5は、レーザ干渉計31の計測結果に基づいて第1マスクステージ駆動装置1Dを駆動し、第1マスクステージ1に保持されている第1マスクM1の位置制御を行う。
次に、第2マスクステージ2について説明する。第2マスクステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第2マスクステージ駆動装置2Dの駆動により、第2マスクM2を保持した状態で、Z軸、X軸、及びθY方向に移動可能である。第2マスクステージ2は、第2マスクM2の第2パターンPA2が形成された第2パターン形成面とXZ平面とがほぼ平行となるように、第2マスクM2を保持する。第2マスクステージ2(ひいては第2マスクM2)の位置情報は、計測システム3のレーザ干渉計32によって計測される。レーザ干渉計32は、第2マスクステージ2上に設けられた反射面32Kを用いて第2マスクステージ2の位置情報を計測する。制御装置5は、レーザ干渉計32の計測結果に基づいて第2マスクステージ駆動装置2Dを駆動し、第2マスクステージ2に保持されている第2マスクM2の位置制御を行う。
第1マスクステージ1は、第1パターンPA1を有する第1マスクM1を第1露光光EL1に対してY軸方向に移動可能である。また、第2マスクステージ2は、第2パターンPA2を有する第2マスクM2を第2露光光EL2に対してZ軸方向に移動可能である。制御装置5は、基板P上の一つのショット領域Sを露光するとき、第1マスクM1のうち、少なくとも第1パターンPA1が形成された第1パターン形成領域が第1露光光EL1による第1照明領域IA1を通過するように、第1マスクステージ1を制御して第1マスクM1をY軸方向に移動する。また、制御装置5は、基板P上の一つのショット領域Sを露光するとき、第2マスクM2のうち、少なくとも第2パターンPA2が形成された第2パターン形成領域が、第2露光光EL2による第2照明領域IA2を通過するように、第2マスクステージ2を制御して、第2マスクM2をZ軸方向に移動する。
また、第1、第2マスクステージ1、2のそれぞれには、例えば特開平11−45846号公報に開示されているような、基準部材1F、2Fが設けられている。
次に、基板ステージ4について説明する。基板ステージ4は、第1露光光EL1及び第2露光光EL2が照射される第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を含む所定領域内で基板Pを保持して移動可能である。基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有している。基板ホルダ4Hは、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ4は、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板ホルダ4Hに基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
基板ステージ4(基板P)の位置情報は、計測システム3のレーザ干渉計34によって計測される。レーザ干渉計34は、基板ステージ4に設けられた反射面34Kを用いて基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置5は、レーザ干渉計34の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
基板ステージ4は、基板Pを第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対してY軸方向に移動可能である。制御装置5は、基板P上の一つのショット領域Sを露光するとき、投影光学系PLを介して基板P上の第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とのそれぞれに第1露光光EL1と第2露光光EL2とを照射するとともに、基板P上のショット領域Sが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを通過するように、基板ステージ4を制御して基板PをY軸方向に移動する。
次に、投影光学系PLについて説明する。本実施形態の投影光学系PLは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1と第2パターンPA2からの第2露光光EL2とが入射する導入光学系50を有している。また、本実施形態の投影光学系PLは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1を導入光学系50へ導く第1光学系41と、第2パターンPA2からの第2露光光EL2を導入光学系50へ導く第2光学系42と、導入光学系50からの第1露光光EL1及び第2露光光EL2を第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれへ導く第3光学系43とを有している。導入光学系50は、第1光学系41と第3光学系43との間の光路中であって、且つ第2光学系42と第3光学系43との間の光路中に配置されており、第1光学系41からの第1露光光EL1と第2光学系42からの第2露光光EL2とを第3光学系43に導入する。投影光学系PLは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1を第1露光領域AR1に照射して、その第1露光領域AR1に第1パターンPA1の像を形成し、第2パターンPA2からの第2露光光EL2を第2露光領域AR2に照射して、その第2露光領域AR2に第2パターンPA2の像を形成する。
第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターンPA1、PA2でパターン化された第1、第2露光光EL1、EL2のそれぞれは、第1、第2光学系41、42により、導入光学系50に導かれる。本実施形態においては、第1光学系41は第1パターンPA1の中間像を形成し、第2光学系42は第2パターンPA2の中間像を形成する。すなわち、第1光学系41は、第1パターンPA1を介した第1露光光EL1に基づいて、第1パターンPA1と光学的に共役な第1共役位置CP1を形成し、第2光学系42は、第2パターンPA2を介した第2露光光EL2に基づいて、第2パターンPA2と光学的に共役な第2共役位置CP2を形成する。本実施形態においては、第1光学系41が形成する第1共役位置CP1と第2光学系42が形成する第2共役位置CP2とが同じ位置になるように、第1光学系41と第2光学系42とが所定の位置関係で配置されている。すなわち、本実施形態においては、第1共役位置CP1と第2共役位置CP2とは同じ位置である。
導入光学系50は、第1、第2共役位置CP1、CP2の近傍に配置された偏光ビームスプリッタを備えている。導入光学系50の偏光ビームスプリッタは、第1、第2共役位置CP1、CP2と第1、第2光学系41、42との間の光路中において、XY平面に対して斜めに配置されている。導入光学系50には、第1パターンPA1からの第1偏光状態の第1露光光EL1と、第2パターンPA2からの第2偏光状態の第2露光光EL2とが入射し、偏光ビームスプリッタを含む導入光学系50は、入射する第1露光光EL1と第2露光光EL2とを効率良く合成する。本実施形態においては、偏光ビームスプリッタとして、平板状偏光ビームスプリッタを用いている。なお、偏光ビームスプリッタとして、キューブ型偏光ビームスプリッタを用いてもよい。また、導入光学系50は、ハーフミラーを備えていてもよい。
本実施形態においては、第1マスクM1(第1パターンPA1)上での第1光学系41の視野領域は、第1光学系41の光軸AX1から偏心している。また、第2マスクM2(第2パターンPA2)上での第2光学系42の視野領域は、第2光学系42の光軸AX2から偏心している。ここで、第1光学系41の視野領域は、第1照明領域IA1と等しく、第2光学系42の視野領域は、第2照明領域IA2と等しい。そして、導入光学系50は、第1光学系41の光軸AX1の+Y側の空間(光軸AX1をまたがない空間)であって、第2光学系42の光軸AX2の+Z側の空間(光軸AX2をまたがない空間)に配置されている。
導入光学系50、及び第1、第2共役位置CP1、CP2を介した第1、第2露光光EL1、EL2は、第3光学系43に入射する。第3光学系43は、凹面鏡51を含む反射屈折光学系である第1部分群431と、屈折光学系である第2部分群432とを有している。上述のように、本実施形態においては、第1光学系41が形成する第1共役位置CP1と第2光学系42が形成する第2共役位置CP2とは同じ位置に形成されており、導入光学系50は、第1光学系41からの第1露光光EL1と第2光学系42からの第2露光光EL2とをほぼ重複させた状態で、第3光学系43に導入する。すなわち、導入光学系50を介した第1光学系41からの第1露光光EL1と第2光学系42からの第2露光光EL2とはほぼ同一の光路を辿って、第3光学系43に導入される。このように、第1共役位置CP1と第2共役位置CP2とを導入光学系50の近傍の同じ位置に形成し、導入光学系50で第1露光光EL1と第2露光光EL2とを合成することにより、導入光学系50の構成の簡素化を図ることができる。
第3光学系43は、第1光学系41からの導入光学系50を介した第1露光光EL1及び第2光学系42からの導入光学系50を介した第2露光光EL2を、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれへ導くものであって、第1光学系41からの第1露光光EL1と第2光学系42からの第2露光光EL2とに基づいて、第1共役位置CP1及び第2共役位置CP2と光学的に共役な第3共役位置CP3を、第3光学系43の光路中に形成する。第3光学系43は、導入光学系50と基板Pとの間の光路中、より具体的には導入光学系50と第3共役位置CP3との間の光路中に配置され、凹面鏡51を備える第1部分群431と、第1部分群431と基板Pとの間の光路中に配置される第2部分群432と、第1部分群431と第2部分群432との間の光路中に配置される光路折り曲げ鏡52とを備えている。
第3光学系43の第1部分群431は、その光軸AX31上に配置された凹面鏡51と、1以上の負レンズとを備えている。本実施形態においては、第1、第2共役位置CP1、CP2は、第1部分群431の光軸AX31から偏心している。具体的には、第1、第2共役位置CP1、CP2は、第1部分群431の光軸AX31の+Z側に形成されている。第3光学系43の第1部分群431は、第1共役位置CP1及び第2共役位置CP2と光学的に共役な第3共役位置CP3を形成する。第3共役位置CP3は、第1、第2共役位置CP1、CP2に対して光軸AX31の反対側、すなわち光軸AX31の−Z側に形成される。第1部分群431は、反射屈折結像光学系であり、凹面鏡51によって全系のペッツバール和の補正を行い、且つ凹面鏡51の近傍に配置された負レンズ(シャップマンレンズ)によって全系の色収差の補正を行う。
第3共役位置CP3の近傍には、YZ平面内において第1部分群431の光路を折り曲げる光路折り曲げ鏡52が配置されている。光路折り曲げ鏡52は、第1部分群431と第2部分群432との間の光路中に配置されており、第1部分群431の光路をほぼ90度折り曲げる。第1部分群431を介した第1、第2露光光EL1、EL2は、光路折り曲げ鏡52によってその光路を折り曲げられ、第2部分群432へ導かれる。また、光路折り曲げ鏡52は、導入光学系50に対して光軸AX31の反対側、すなわち光軸AX31の−Z側に配置されている。
第3光学系43の第2部分群432は、その光軸AX32に沿って配置された複数のレンズを備える屈折光学系であり、第3共役位置CP3と光学的に共役な位置を基板P上に形成する。第2部分群432を屈折光学系とすることで、投影光学系PLは、高い像側開口数を得ることができる。第3光学系43は、第1光学系41からの第1露光光EL1に基づいて、基板Pと第3共役位置CP3及び第1共役位置CP1とを光学的に共役にするとともに、第2光学系42からの第2露光光EL2に基づいて、基板Pと第3共役位置CP3及び第2共役位置CP2とを光学的に共役にする。そして、基板P上には、第1マスクM1(第1パターンPA1)上での第1光学系41の視野領域の像である第1露光領域AR1と、第2マスクM2(第2パターンPA2)上での第2光学系42の視野領域の像である第2露光領域AR2とが所定の位置関係で形成される。
また、本実施形態においては、基板P上において第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2は、第3光学系43の第2部分群432の光軸AX32から偏心した位置に形成される。本実施形態においては、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2は、光軸AX32の−Y側に形成される。これにより、導入光学系50のY軸方向の小型化を図ることができるとともに、像共役位置(第1〜第3共役位置CP1〜CP3)の近傍において、導入光学系50と光路折り曲げ鏡52とを近づけて配置することができる。したがって、スペースを効率的に利用でき、投影光学系PLの小型化を図ることができる。
また、本実施形態においては、第1光学系41の光軸AX1と、第2光学系42の光軸AX2と、第3光学系43の第1部分群431の光軸AX31と、第3光学系43の第2部分群432の光軸AX32とは、同じ位置で交わっている。そして、第1光学系41の光軸AX1と、第3光学系43の第2部分群432の光軸AX32とは互いに共軸であり、第2光学系42の光軸AX2と、第3光学系43の第1部分群431の光軸AX31とは互いに共軸である。これにより、投影光学系PLの製造、組み立て時の調整等を容易にすることができる。そして、本実施形態においては、第1光学系41の光軸AX1と第2光学系42の光軸AX2とが互いに直交しており、第3光学系43の第1部分群431の光軸AX31と第3光学系43の第2部分群432の光軸AX32とが互いに直交している。また、第1光学系41の光軸AX1と、第3光学系43の第2部分群432の光軸AX32とはZ軸と平行であり、第2光学系42の光軸AX2と、第3光学系43の第1部分群431の光軸AX31とはY軸と平行である。なお、これら光軸は必ずしも直交する必要はなく、導入光学系50の偏光分離面の偏向分離(合成)性能の角度特性や、光路折り曲げ鏡52の反射性能の角度特性等に応じて適宜定めればよい。
また、本実施形態においては、第1光学系41、第2光学系42、及び第3光学系43の第1部分群431は、ほぼ等倍(若干の拡大倍率及び若干の縮小倍率である場合を含む)であり、第3光学系43の第2部分群432が、全系の縮小倍率の大半を担っている。本実施形態の投影光学系系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。
また、本実施形態においては、例えば国際公開第99/49504号パンフレット等に開示されているような液浸法が適用されている。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子FL1と基板Pとの間に液体LQを満たした状態で、基板P上に第1、第2露光光EL1、EL2を照射する。本実施形態においては、液体LQとして水(純水)を用いているが、例えば過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体等であってもよい。
また、本実施形態においては、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、第1光学素子FL1の物体面側の光路空間も液体LQで満たされる。すなわち、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、第1光学素子FL1と、第1光学素子FL1に次いで投影光学系PLの像面に近い第2光学素子FL2との間も液体LQで満たした状態で、基板P上に第1、第2露光光EL1、EL2が照射される。
また、露光装置EXは、互いに異なる露光条件で、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射することができる。露光条件は、基板Pに対する第1、第2露光光EL1、EL2の照射条件を含む。基板Pに対する第1、第2露光光EL1、EL2の照射条件は、例えば第1、第2パターンPA1、PA2の像などに応じてそれぞれ最適化される。上述のように、本実施形態においては、第1パターンPA1は、第1照明系IL1によって第1偏光状態(P偏光状態)の第1露光光EL1で照明され、第2パターンPA2は、第2照明系IL2によって第2偏光状態(S偏光状態)の第2露光光EL2で照明される。したがって、第1露光領域AR1には第1偏光状態の第1露光光EL1が照射され、第2露光領域AR2には第1偏光状態とは異なる第2偏光状態の第2露光光EL2が照射され、基板Pは、互いに異なる偏光状態の第1、第2露光光EL1、EL2によって照射される。
また、本実施形態においては、第3光学系43の第2部分群432において、投影光学系PLの瞳面近傍には、開口絞りASが配置されている。そして、第1光学系41において、開口絞りASと光学的に共役な位置には瞳面61が存在し、第2光学系42において、開口絞りASと光学的に共役な位置にも瞳面62が存在する。また、第3光学系43の第1部分群431において、開口絞りASと光学的に共役な位置近傍には、凹面鏡51が配置される。そして、第1光学系41の瞳面61、及び第2光学系42の瞳面62のそれぞれに開口絞りを配置することができる。この場合、投影光学系PLは、互いに異なる開口数条件で、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射することができる。これにより、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに形成されるパターンの目標解像度(目標露光精度)に応じた露光条件で、基板P上のショット領域Sを多重露光することができる。また、これらの瞳面61、62に、瞳フィルタを配置することもできる。
図2は、基板P上のショット領域Sと第1、第2露光領域AR1、AR2との位置関係を示す模式図である。図2に示すように、基板P上での第1露光光EL1による第1露光領域AR1は、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されており、基板P上での第2露光光EL2による第2露光領域AR2も、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されている。第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2はX軸方向を長手方向とする矩形状なので、第1〜第3共役位置CP1〜CP3の近傍での第1、第2露光光EL1、EL2の断面形状は、X軸方向と長手方向とする形状となる。したがって、第1〜第3共役位置CP1〜CP3の近傍に配置される導入光学系50のY軸方向の小型化を図ることができる。
そして、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、基板P上においてY軸方向(基板Pの走査方向)において重複している。本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、基板P上のY軸方向及びX軸方向のそれぞれにおいてほぼ同じ位置に形成されている。すなわち、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは基板P上においてほぼ完全に重複している。第1〜第3共役位置CP1〜CP3の近傍での第1、第2露光光EL1、EL2もほぼ完全に重複しているので、導入光学系50のY軸方向の更なる小型化を図ることができる。また、投影光学系PLを用いて、基板P上のショット領域SをY軸方向に移動しつつ露光する際のスループットの向上を図ることもできる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
第1マスクM1の第1パターンPA1と、第2マスクM2の第2パターンPA2と、基板P上のショット領域Sとの位置関係の調整等、所定の処理が完了した後、制御装置5は、基板Pのショット領域Sに対する露光を開始する。
制御装置5は、第1マスクステージ1及び第2マスクステージ2による第1マスクM1及び第2マスクM2の各走査方向(Y軸方向、Z軸方向)への移動と、基板ステージ4による基板Pの走査方向(Y軸方向)への移動とを同期して行いつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明し、基板P上の第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに、第1露光光EL1及び第2露光光EL2のそれぞれを照射して、基板Pのショット領域Sを多重露光する。
制御装置5は、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板PのY軸方向への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1のY軸方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2のZ軸方向への移動とを同期して行いつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2を第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射して、基板P上のショット領域Sを多重露光する。
本実施形態においては、第1光学系41、第3光学系43の第1部分群431、及び第3光学系43の第2部分群432で形成される系は、基板P上においてY軸方向に対応する方向において正の横倍率を有し、基板P上においてX軸方向に対応する方向において負の横倍率を有し、基板P上に正立裏像を形成する。また、第2光学系42、第3光学系43の第1部分群431、及び第3光学系43の第2部分群432で形成される系は、基板P上においてY軸方向に対応する方向において正の横倍率を有し、基板P上においてX軸方向に対応する方向において正の横倍率を有し、基板P上に正立正像を形成する。
したがって、本実施形態においては、基板Pの露光中に、例えば第1マスクM1を保持する第1マスクステージ1が+Y方向に移動される場合、第2マスクM2を保持する第2マスクステージ2は+Z方向に移動され、基板Pを保持する基板ステージ4は+Y方向に移動される。
基板P上には、露光対象領域であるショット領域Sが複数設けられており、制御装置5は、基板Pの−Y方向へのスキャン動作と+Y方向へのスキャン動作とを繰り返すことによって、基板P上の複数のショット領域Sを順次多重露光する。
本実施形態においては、1回のスキャン動作で、基板P上の1つのショット領域Sを第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで多重露光(二重露光)することができる。基板P上のショット領域Sの感光材層は、現像工程等を介さずに、第1露光領域AR1に照射された第1露光光EL1と、第2露光領域AR2に照射された第2露光光EL2とで多重露光(二重露光)される。
以上説明したように、投影光学系PLにより第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに、第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射するとともに、基板P上のショット領域Sが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを通過するように基板PをY軸方向に移動することで、1回のスキャン動作で、基板Pのショット領域Sを効率良く多重露光することができる。
また、本実施形態によれば、第1パターンPA1を介した第1露光光EL1及び第2パターンPA2を介した第2露光光EL2のそれぞれを基板P上に照射するための投影光学系PLを小型化することができる。本実施形態においては、第1パターンPA1からの第1露光光EL1と第2パターンPA2からの第2露光光EL2とを合成する合成光学系として機能する導入光学系50は、第1、第2パターンPA1、PA2(第1、第2マスクM1、M2)から離れた位置に配置されており、パターン側(マスク側)の作動距離を確保することができる。特に、投影光学系PLの像側開口数を大きくする場合、物体側開口数(パターン側開口数)も大きくなる可能性が高く、導入光学系50をパターン近傍に配置した場合、パターン側の光学素子(光学系)の径を大きくしないと、物体側開口数を大きくすることが困難となる可能性がある。本実施形態においては、投影光学系PLの大型化を抑えつつ、所望の開口数を得ることができる。
また、本実施形態においては、第3光学系43は、第1共役位置CP1及び第2共役位置CP2と光学的に共役な第3共役位置CP3を、第3光学系43の光路中に形成しており、パターンの像を少なくとも2回結像する。導入光学系50で第1露光光EL1と第2露光光EL2とを合成した後での収差補正の機会を増やすことで、パターン側の光学系、すなわち第1、第2光学系41、42の構成の簡素化を図ることができる。第1光学系41と第2光学系42とはほぼ同等の構成を有しており、それら2つの光学系41、42それぞれの構成を簡素化することで、投影光学系PL全体の大幅な簡素化を図ることができる。なお、第3光学系43によって、パターンの像を3回以上の任意の回数結像してもよい。
また、第3光学系43の第1部分群431は凹面鏡51を備えており、その凹面鏡51によって全系のペッツバール和の補正を行うことができる。これにより、パターン側の光学系、すなわち第1、第2光学系41、42を屈折光学系で構成することができる。第1、第2光学系41、42を屈折光学系とすることで、第1、第2光学系41、42内で光路分離を行う必要が無くなり、第1、第2光学系41、42の構成の簡素化を図ることができる。そして、像共役位置(第1〜第3共役位置CP1〜CP3)の近傍に配置された光路折り曲げ鏡52によって、凹面鏡51前後での光路分離を行うことができる。
なお、本実施形態において、導入光学系50の偏光分離面は、第3光学系43(431、432)側に設けられることが好ましい。また、偏光ビームスプリッタとして、平板状偏光ビームスプリッタを用いる場合には、その平板状偏光ビームスプリッタと第2光学系42(導入光学系50を透過する露光光を供給する側の光学系)との間の光路中に、平板状偏光ビームスプリッタの基板の厚みとほぼ同じ厚みを有する平行平面板を、その平板状偏光ビームスプリッタと直交するように配置することが好ましい。これにより、光路中に斜めに配置された平板状偏光ビームスプリッタの基板により発生する収差(特に非点収差、コマ収差等)を容易に補正することができる。なお、上述の収差を補正するための平行平面板を配置しない場合には、第2光学系42(導入光学系50を透過する露光光を供給する側の光学系)中の少なくとも一部の光学素子を、光軸に対して直交方向にシフトさせる、あるいは光軸に対して傾けることによって、光路中に斜めに配置された平板状偏光ビームスプリッタの基板によって発生する収差を補正することが可能である。
なお、上述の実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはY軸方向(基板Pの走査方向)において、ほぼ完全に重複した位置に形成されているが、用途によっては、一部だけ重複した状態であってもよい。
なお、上述の実施形態においては、第1,第2露光光EL1、EL2として、第1、第偏光状態の光を用い、導入光学系50は偏光ビームスプリッタを有しているが、導入光学系50はハーフミラー等の振幅分離型のビームスプリッタを備えてもよい。また、第1、第2露光光EL1、EL2として、無偏光状態(ランダム偏光状態)の光を用いてもよい。
また、上述の実施形態において、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の大きさと形状との少なくとも一方が異なっていてもよい。例えば、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とでX軸方向の幅及び/又はY軸方向の幅が異なっていてもよい。なお、X軸方向の幅が異なる場合には、ショット領域S内の一部の領域だけが多重(二重)露光される。
また、上述の実施形態においては、ショット領域Sが第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を通過する間、第1露光領域AR1、第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1、第2露光光EL2の照射が続けられるが、少なくとも一方の露光領域において、ショット領域Sが通過する間の一部の期間だけで露光光が照射されるようにしてもよい。すなわち、ショット領域S内の一部だけ多重(二重)露光するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態のうち、露光光の光路を液体で満たす実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図3に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光工程及びその露光された基板を現像する現像工程を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第1、第2露光領域とショット領域との関係を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
1…第1マスクステージ、2…第2マスクステージ、4…基板ステージ、5…制御装置、41…第1光学系、42…第2光学系、43…第3光学系、50…導入光学系、51…凹面鏡、52…光路折り曲げ鏡、431…第1部分群、432…第2部分群、AR1…第1露光領域、AR2…第2露光領域、CP1…第1共役位置、CP2…第2共役位置、CP3…第3共役位置、EL1…第1露光光、EL2…第2露光光、EX…露光装置、M1…第1マスク、M2…第2マスク、P…基板、PA1…第1パターン、PA2…第2パターン、PL…投影光学系、S…ショット領域

Claims (17)

  1. 所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系において、
    第1パターンを介した露光ビームに基づいて該第1パターンと光学的に共役な第1共役位置を形成する第1光学系と、
    第2パターンを介した露光ビームに基づいて該第2パターンと光学的に共役な第2共役位置を形成する第2光学系と、
    前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとに基づいて、前記基板と前記第1共役位置とを光学的に共役にするとともに、前記基板と前記第2共役位置とを光学的に共役にする第3光学系と、
    前記第1光学系と前記第3光学系との間の光路中であって、且つ前記第2光学系と前記第3光学系との間の光路中に配置されて、前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとを前記第3光学系に導入する導入光学系とを備え、
    前記第1パターンからの前記露光ビームに基づいて前記基板上に第1露光領域を形成するとともに、前記第2パターンからの前記露光ビームに基づいて前記基板上に第2露光領域を形成し、
    前記第1露光領域と前記第2露光領域の少なくとも一部とは前記基板上で重複する投影光学系。
  2. 前記第3光学系は、前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとに基づいて、前記第1共役位置及び前記第2共役位置と光学的に共役な第3共役位置を前記第3光学系の光路中に形成する請求項1記載の投影光学系。
  3. 前記第3光学系は、前記導入光学系と前記第3共役位置との間の光路中に配置されて、凹面鏡を備える第1部分群と、前記第1部分群と前記基板との間の光路中に配置される第2部分群と、前記第1部分群と前記第2部分群との間の光路中に配置される光路折り曲げ鏡とを備える請求項2記載の投影光学系。
  4. 前記第1部分群は反射屈折光学系であり、前記第2部分群は屈折光学系である請求項3記載の投影光学系。
  5. 前記第1光学系の第1光軸と前記第2光学系の第2光軸との一方と、前記第1部分群の第3光軸とは互いに共軸である請求項3又は4記載の投影光学系。
  6. 前記導入光学系は、前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとを、少なくとも一部分が重複した状態で前記第3光学系に導入する請求項1〜5のいいずれか一項記載の投影光学系。
  7. 前記導入光学系は偏光ビームスプリッタを備える請求項6記載の投影光学系。
  8. 前記導入光学系はハーフミラーを備える請求項6記載の投影光学系。
  9. 前記第1露光領域と前記第2露光領域とは、前記基板上の第1方向においてほぼ同じ位置に形成される請求項1〜8のいずれか一項記載の投影光学系。
  10. 前記第1露光領域は第2方向を長手方向とする形状であり、前記第2露光領域は前記第2方向を長手方向とする形状である請求項1〜9のいずれか一項記載の投影光学系。
  11. 前記第1露光領域と前記第2露光領域とは、前記基板上において前記第2方向と直交する第1方向において重複している請求項10記載の投影光学系。
  12. 前記第3光学系は、前記導入光学系と前記基板との間の光路中に配置される第1部分群と、前記第1部分群と前記基板との間の光路中に配置される第2部分群と、前記第1部分群と前記第2部分群との間の光路中に配置される光路折り曲げ鏡とを備え、
    前記基板上において前記第1露光領域及び前記第2露光領域は前記第2部分群の光軸から偏心した位置に形成される請求項10又は11記載の投影光学系。
  13. 基板を露光する露光装置において、
    請求項1〜請求項12のいずれか一項記載の投影光学系と、
    前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板とを第1方向に相対的に移動する第1移動システムとを備え、
    前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板上の所定領域とを相対的に移動しつつ、前記投影光学系により前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射することにより、前記第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターンの像と前記第2露光領域に照射される露光光で形成される、前記第1パターンとは異なる第2パターンの像とで前記基板上の所定領域を多重露光する露光装置。
  14. 前記投影光学系は、互いに異なる露光条件で、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射する請求項13記載の露光装置。
  15. 請求項13又は請求項14記載の露光装置を用いて前記基板を露光する露光工程と、
    前記基板を現像する現像工程とを含むデバイス製造方法。
  16. 基板を露光する露光方法において、
    請求項1〜請求項12のいずれか一項記載の投影光学系を介して前記基板上の第1露光領域と第2露光領域とのそれぞれに露光光を照射するとともに、前記基板上の所定領域が前記第1露光領域と前記第2露光領域とを通過するように前記基板を第1方向に移動することによって、前記第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターンの像と前記第2露光領域に照射される露光光で形成される、前記第1パターンとは異なる第2パターンの像とで前記基板上の所定領域を多重露光する露光方法。
  17. 請求項16記載の露光方法を用いて前記基板を露光する露光工程と、
    前記基板を現像する現像工程とを含むデバイス製造方法。
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