JP2007318069A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法、投影光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置EXは、第1方向の異なる位置に第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定するとともに、第1露光領域及び第2露光領域のそれぞれに露光光ELを照射する光学ユニットUと、第1露光領域及び第2露光領域と基板とを第1方向に相対的に移動する第1移動システム4とを備える。第1露光領域及び第2露光領域と基板P上の所定領域とを相対的に移動しつつ、光学ユニットUにより第1露光領域及び第2露光領域のそれぞれに露光光ELを照射することにより、第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターン像と、第2露光領域に照射される露光光で形成される第2パターン像とで基板P上の所定領域を多重露光する。スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光できる。
【選択図】図1
【解決手段】露光装置EXは、第1方向の異なる位置に第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定するとともに、第1露光領域及び第2露光領域のそれぞれに露光光ELを照射する光学ユニットUと、第1露光領域及び第2露光領域と基板とを第1方向に相対的に移動する第1移動システム4とを備える。第1露光領域及び第2露光領域と基板P上の所定領域とを相対的に移動しつつ、光学ユニットUにより第1露光領域及び第2露光領域のそれぞれに露光光ELを照射することにより、第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターン像と、第2露光領域に照射される露光光で形成される第2パターン像とで基板P上の所定領域を多重露光する。スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板を露光する露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法、投影光学系に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、基板を多重露光する露光装置が知られている。
特開平10−214783号公報
多重露光において、複数のマスクを用意してマスク毎に露光を実行したり、複数の照明条件を用意してマスク毎に異なる照明条件で露光を実行したりする場合がある。この場合、マスクを交換する時間や、照明条件等を変更する時間が必要となるため、露光装置の稼動率が低下し、スループットが低下する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光できる露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法、投影光学系を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、基板(P)を露光する露光装置であって、第1方向の異なる位置に第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とを規定するとともに、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)のそれぞれに露光光(EL)を照射する光学ユニット(U)と、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板(P)とを第1方向に相対的に移動する第1移動システム(4)とを備え、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板(P)上の所定領域(SH)とを相対的に移動しつつ、光学ユニット(U)により第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)のそれぞれに露光光(EL)を照射することにより、第1露光領域(AR1)に照射される露光光(EL)で形成される第1パターン像と、第2露光領域(AR2)に照射される露光光(EL)で形成される、第1パターン像とは異なる第2パターン像とで基板(P)上の所定領域(SH)を多重露光する露光装置(EX)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、基板を効率良く多重露光できる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第3の態様に従えば、基板(P)を露光する露光方法であって、第1方向の異なる位置に規定された第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とのそれぞれに露光光(EL)を照射することと(S2)、基板(P)上の所定領域(SH)が第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とに対して相対移動されるように基板(P)を第1方向に移動することによって、第1露光領域(AR1)に照射される露光光(EL)で形成される第1パターン像と、第2露光領域(AR2)に照射される露光光(EL)で形成される、第1パターン像とは異なる第2パターン像とで基板(P)上の所定領域(SH)を多重露光すること(S3)を含む露光方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第4の態様に従えば、所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系であって、第1パターンを介した露光ビームに基づいて該第1パターンと光学的に共役な第1共役位置(CP1)を形成する第1光学系(31)と、第2パターンを介した露光ビームに基づいて該第2パターンと光学的に共役な第2共役位置(CP2)を形成する第2光学系(32)と、第1光学系(31)からの露光ビームと第2光学系(32)からの露光ビームとに基づいて、基板(P)と第1共役位置(CP1)とを光学的に共役にすると共に、基板(P)と第2共役位置(CP2)とを光学的に共役にする第3光学系(33)と、第1光学系(31)と第3光学系(33)との間の光路中であって、且つ第2光学系(32)と第3光学系(33)との間の光路中に配置されて、第1光学系(31)からの露光ビームと第2光学系(32)からの露光ビームとを第3光学系(33)に導入する中間光学系(30)とを備える投影光学系(PL)が提供される。
本発明の第4の態様によれば、第1パターンを介した露光ビームと第2パターンを介した露光ビームのそれぞれを基板に照射する投影光学系を小型化することができる。
本発明の第5の態様に従えば、基板(P)を露光する露光装置であって、第1方向の異なる位置に第1露光領域(AR1)と第2露光領域(AR2)とを規定するとともに、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)のそれぞれに露光光を照射する光学ユニット(U)と、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板(P)とを第1方向に相対的に移動する第1移動システム(61、62、63など)とを備え、光学ユニット(U)は、上記態様の投影光学系(PL)を備え、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)と基板上の所定領域(SH)とを相対的に移動しつつ、光学ユニット(U)により第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)のそれぞれに露光光を照射することにより、第1露光領域(AR1)に照射される露光光で形成される第1パターン像と、第2露光領域(AR2)に照射される露光光で形成される、第1パターン像とは異なる第2パターン像とで基板上の所定領域(SH)を多重露光する露光装置(EX)が提供される。
本発明の第5の態様によれば、上記態様の投影光学系(PL)を用いて基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第6の態様に従えば、基板(P)を露光する露光装置であって、第1所定面(K1)の第1領域(IA1)からの第1露光光(EL)を第1露光領域(AR1)に照射し、第2所定面(K2)の第2領域(IA2)からの第2露光光(EL)を第2露光領域(AR2)に照射する光学ユニット(PL)と、第1所定面(K1)及び第2所定面(K2)を介した検出光(Ls)を受光する受光装置(82)を有し、受光装置(82)の受光結果に基づいて、第1領域(IA1)に配置されている第1パターン(PA1)と第2領域(IA2)に配置されている第2パターン(PA2)との位置関係に関する情報を取得する検出システム(80)とを備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第6の態様によれば、取得した第1パターンと第2パターンとの位置関係に関する情報を用いて、基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第7の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、基板を効率良く多重露光することができる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第8の態様に従えば、基板(P)を露光する露光方法であって、第1所定面(K1)の第1領域(IA1)からの第1露光光(EL)を第1露光領域(AR1)に照射し(SS1)、第2所定面(K2)の第2領域(IA2)からの第2露光光(EL)を第2露光領域(AR2)に照射すること(SS2)と、第1所定面(K1)及び第2所定面(K2)を介した光(Ls)を検出すること(SS3)と、検出結果に基づいて、第1領域(IA1)に配置されている第1パターン(PA1)と第2領域(IA2)に配置されている第2パターン(PA2)との位置関係に関する情報を取得すること(SS4)とを含む露光方法が提供される。
本発明の第8の態様によれば、取得した第1パターンと第2パターンとの位置関係に関する情報を用いて、基板を効率良く多重露光することができる。
本発明の第9の態様に従えば、第3または第8の態様の露光方法を用いて基板を多重露光すること(S3、SS6、204)と、多重露光した基板を現像すること(204)と、現像した基板を加工すること(205)を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第9の態様によれば、基板を効率良く多重露光できる露光方法を用いてデバイスを製造することができる。
本発明によれば、スループットの低下を抑制し、基板を効率良く多重露光することができ、デバイスの生産性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、所定面(XY平面)上の互いに異なる位置に第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定するとともに、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射する光学ユニットUと、露光光ELが照射される第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を含む所定領域内で基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。本実施形態においては、光学ユニットUは、Y軸方向の異なる位置に、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定する。なお、ここでいう基板はシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜を塗布したものを含む。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、所定面(XY平面)上の互いに異なる位置に第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定するとともに、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射する光学ユニットUと、露光光ELが照射される第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を含む所定領域内で基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。本実施形態においては、光学ユニットUは、Y軸方向の異なる位置に、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを規定する。なお、ここでいう基板はシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜を塗布したものを含む。
基板ステージ4は、露光光ELが照射される第1露光領域AR1及び露光光ELが照射される第2露光領域AR2を含む所定領域内で基板Pを保持して移動可能である。
光学ユニットUは、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで第1パターンの像を形成可能であり、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで第2パターンの像を形成可能である。本実施形態においては、第1パターンと第2パターンとは異なるパターンである。
露光装置EXは、基板P上に第1パターンの像を形成するための第1パターン形成装置3Aと、露光光ELを射出可能な光源装置、及び複数の光学部材を含む照明光学系(いずれも不図示)を有し、その照明光学系を介して第1パターン形成装置3Aを露光光ELで照明する第1照明系IL1とを備えている。光学ユニットUは、露光光ELが照射される第1照明領域IA1(図1では不図示)内で第1パターン形成装置3Aにより形成されたパターンの像を基板P上に投影する第1投影系(光学系)PL1を備えている。
なお、第1照明系IL1の照明光学系は、例えば、第1パターン形成装置3Aの照明条件を可変とする成形光学系、第1パターン形成装置3Aでの露光光ELの照度分布を均一化する照度均一化部材(内面反射型インテグレータあるいはフライアイレンズなど)、第1パターン形成装置3A上の第1照明領域IA1を規定するマスクブラインド系(マスキング・システム、又は可変視野絞りとも呼ばれる)、及びリレー光学系などを有する。
また、成形光学系は、例えば、交換可能な回折光学素子、間隔が可変である複数のプリズム(アキシコンなど)、及びズーム光学系(アフォーカル系)を有する。そして、回折光学素子の交換、プリズムの移動(上記間隔の変更)、及びズーム光学系の移動の少なくとも1つによって、第1投影系PL1の瞳面と光学的に共役となる照明光学系の瞳面上での露光光ILの強度分布を変更する(換言すれば、照明光学系の瞳面に形成される2次光源の形状及び/又は大きさを変更する)。これにより、第1パターン形成装置3Aの照明条件が変更される。従って、照明光学系は、第1パターン形成装置3Aにより形成されるパターンに対応した照明条件を設定できるとともに、そのパターンの変更に応じて照明条件の変更も行うことが可能となっている。
さらに、マスクブラインド系は、その少なくとも一部、例えば独立に可動な複数の遮光板(マスキング・ブレード)が、照明光学系内で第1パターン形成装置3Aの表面と光学的にほぼ共役な面に配置され、その複数の遮光板の少なくとも1つの移動によって、第1パターン形成装置3A上の第1照明領域IA1の大きさ(幅)などを変更する。従って、このマスクブラインド系によって、第1露光領域AR1(第1投影系PL1に関して第1照明領域と共役な、第1パターンの像の投影領域)の大きさ(幅)などを調整できる。すなわち、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによる基板の走査露光の開始及び終了を制御可能となっている。これにより、1回の走査露光動作によって多重露光すべき基板P上の1つのショット領域以外での不要な露光が防止される。なお、光源装置を制御してその不要な露光を防止してもよい。
また露光装置EXは、基板P上に第2パターンの像を形成するための第2パターン形成装置3Bと、露光光ELを射出可能な光源装置、及び複数の光学部材を含む照明光学系(いずれも不図示)を有し、その照明光学系を介して第2パターン形成装置3Bを露光光ELで照明する第2照射系IL2とを備えている。光学ユニットUは、露光光ELが照射される第2照明領域IA2(図1では不図示)内で第2パターン形成装置3Bにより形成されたパターンの像を基板P上に投影する第2投影系(光学系)PL2を備えている。ここで、第2照明系IL2の照明光学系は、その構成が第1照明系IL1の照明光学系と同一であるので、その詳細な説明は省略する。本実施形態の露光装置EXは、成形光学系、マスクブラインド系などを含む照明光学系をそれぞれ有する第1、第2照明系IL1、IL2を備える。このため、第1パターン形成装置3Aと第2パターン形成装置3Bとでそれぞれ独立に照明条件を設定可能である。さらに、走査露光時には基板Pの移動に同期して、第1、第2露光領域AR1、AR2の走査方向(Y軸方向)の幅をそれぞれ独立に調整可能となっている。すなわち、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによる基板の第1走査露光と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELによる基板の第2走査露光とでそれぞれ、その開始及び終了を独立に制御可能となっている。
なお、第1照明系IL1と第2照明系IL2とでその一部を兼用してもよい。例えば、1つの光源装置から第1、第2照明系IL1、IL2の照明光学系にそれぞれ露光光ELを供給するようにしてもよい。また、照明光学系の一部を兼用してもよい。本実施形態の露光装置EXでは、照明光学系のうち、例えば成形光学系よりも上流に配置される第1光学系は第1、第2照明系IL1、IL2で兼用し、成形光学系及びその下流に配置される光学部材を含む第2光学系は第1、第2照明系IL1、IL2にそれぞれ設けることが好ましい。この場合、光源装置も兼用してよく、この光源装置と、第1光学系及び一対の第2光学系を含む照明光学系とを有する照明系によって、第1、第2パターン形成装置3A、3Bはそれぞれ露光光ELで照明される。
第1、第2照明系IL1、IL2のそれぞれは、第1、第2パターン形成装置3A、3Bを露光光ELで照明するものである。第1、第2照明系IL1、IL2から射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においては露光光ELとしてArFエキシマレーザ光が用いられる。
第1パターン形成装置3Aは、第1露光領域AR1に投影される可変のパターンを生成する電子マスク(可変成形マスク)を有する。本実施形態では、この可変成形マスクとして、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器:Spatial Light Modulator (SLM)とも呼ばれる)の一種であるDMD(Deformable Micro-mirror Device又はDigital Micro-mirror Device)を用いる。DMDは、所定の電子データに基づいて駆動する複数の反射素子(微小ミラー)2を有する。この複数の反射素子2は、DMDの表面に2次元マトリックス状に配列され、かつ素子単位で駆動されて露光光ELを反射、偏向する。各反射素子2はその反射面の角度が調整され、本実施形態では、例えば第1投影系PL1の物体面に対して傾いて反射面が設定される第1状態(ON状態)ではその反射される露光光ELが第1投影系PL1に入射し、その物体面とほぼ平行に反射面が設定される第2状態(OFF状態)ではその反射される露光光ELが第1投影系PL1に入射しないようになっている。
DMDを含む第1パターン形成装置3Aの動作は、制御装置7により制御される。制御装置7は、基板P上に形成すべき第1パターンに応じた電子データ(パターン情報)に基づいてDMDの反射素子2を駆動し、第1照明系IL1により照射される露光光ELを反射素子2でパターン化する。すなわち、DMDの少なくとも一部(例えば、第1照明領域内)に反射パターンを生成する。第1パターン形成装置3Aはその表面が、第1投影系PL1の物体面に配置されており、第1パターン形成装置3Aの複数の反射素子2でパターン化された露光光ELは、第1投影系PL1を介して基板P上に照射され、前述の第1露光領域AR1にパターン像を形成する。
また、制御装置7は、前述のパターン情報に基づいてDMDに生成すべき反射パターン(表示パターン)を変化させることができる。これにより、走査露光時、基板Pの移動に同期して、DMDで生成されるパターンを適宜変化させることができる。なお、DMDで生成するパターンのスクロール速度(表示速度)は、基板Pの移動速度等を含む走査露光用パラメータの一部として、制御装置7によって決定される。また、本実施形態では走査露光時、DMDの反射素子2の駆動により、パターンの生成だけでなく、その生成されたパターンの像が形成される第1露光領域AR1の大きさ(幅)なども調整可能である。すなわち、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによる基板の走査露光の開始及び終了を制御可能となっている。
第2パターン形成装置3Bは、第1パターン形成装置3Aとほぼ同等の構成を有しており、複数の反射素子2を備えたDMD(Digital Micro-mirror Device)を含む。制御装置7は、基板P上に形成すべき第2パターンに応じた電子データ(パターン情報)に基づいてDMDの反射素子2を駆動し、第2照明系IL2で照明された露光光ELを反射素子2でパターン化する。第2パターン形成装置3BのDMDは、その構成、動作が第1パターン形成装置3AのDMDと全く同じであるので、その詳細な説明は省略する。第2パターン形成装置3Bはその表面が、第2投影系PL2の物体面に配置されており、第2パターン形成装置3Bの複数の反射素子2でパターン化された露光光ELは、第2投影系PL2を介して基板P上に照射され、前述の第2露光領域AR2にパターン像を形成する。
本実施形態では、第1、第2パターン形成装置3A、3Bがそれぞれ可変成形マスクを有し、この可変成形マスクとしてDMDを使用する。これにより、パターンが形成されたマスク(レチクル)を用いて露光する場合に比べて、パターンが変更されたときに、マスクの交換作業及びマスクステージにおけるマスクの位置合わせ操作が不要になるため、多重露光を一層効率よく行うことができる。なお、DMDを用いた露光装置は、例えば特開平8−313842号公報、特開2004−304135号公報、米国特許第6,778,257号公報に開示されている。
第1、第2投影系PL1、PL2はそれぞれ第1、第2パターン形成装置3A、3Bで生成されるパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。第1、第2投影系PL1、PL2は、それぞれ、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒で保持されている。本実施形態においては、第1、第2投影系PL1、PL2のそれぞれの光軸AX1、AX2は、Z軸方向と平行である。本実施形態の第1、第2投影系PL1、PL2は、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、DMDを使用する場合には、第1、第2投影系PL1、PL2の投影倍率を、例えば1/500〜1/100の範囲内にしてもよい。なお、第1、第2投影系PL1、PL2は縮小系のみならず、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、第1、第2投影系PL1、PL2は、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。例えば、国際公開第2004/107011号パンフレット(対応米国公開第2006/0121364号)に開示されているように、複数の反射面を有しかつ中間像を少なくとも1回形成する光学系(反射系または反屈系)がその一部に設けられ、単一の光軸を有する、いわゆるインライン型の反射屈折系を使用してもよい。また、第1、第2投影系PL1、PL2は、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。また、第1投影系PL1の投影倍率と第2投影系PL2の投影倍率とが異なっていてもよい。
第1投影系PL1の複数の光学素子のうち、第1投影系PL1の像面に最も近い終端光学素子FL1の下面(射出面)は、基板ステージ4に保持された基板Pの表面が対向して配置される。第1パターン形成装置3Aでパターン化された露光光ELは、第1投影系PL1の終端光学素子FL1の下面から射出される。
同様に、第2投影系PL2の複数の光学素子のうち、第2投影系PL2の像面に最も近い終端光学素子FL2の下面(射出面)は、基板ステージ4に保持された基板Pの表面が対向して配置される。第2パターン形成装置3Bでパターン化された露光光ELは、第2投影系PL2の終端光学素子FL2の下面から射出される。
基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有しており、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板ホルダ4Hに基板Pを保持した状態で、ベース部材BP上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。本実施形態においては、基板ホルダ4Hは、基板ステージ4上に設けられた凹部4Rに配置されており、基板ステージ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面と、基板ステージ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。また、基板ホルダ4Hを基板ステージ4と一体に形成してもよいが、本実施形態では基板ホルダ4Hと基板ステージ4とを別々に構成し、例えば真空吸着などによって基板ホルダ4Hを凹部4Rに固定している。
基板ステージ4(ひいては基板P)の位置情報はレーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは、基板ステージ4に設けられた反射鏡4K(又はその側面に形成される反射面)を用いて基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
なお、フォーカス・レベリング検出系はその複数の計測点でそれぞれ基板PのZ軸方向の位置情報を計測してその面位置情報を検出する。本実施形態では、この複数の計測点はその少なくとも一部が第1、第2露光領域AR1、AR2内に設定されるが、例えば後述の第2実施形態(図3)の液浸露光装置では、全ての計測点が第1、第2露光領域AR1、AR2(又は第1、第2液浸領域LR1、LR2)の外側に設定されてもよい。また、レーザ干渉計4Lは基板ステージ4のZ軸、θX及びθY方向の位置情報をも計測可能としてよく、その詳細は、例えば特表2001−510577号公報(対応国際公開第1999/28790号パンフレット)に開示されている。この場合、フォーカス・レベリング検出系は設けなくてもよい。
露光装置EXは、互いに異なる露光条件で、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射することができる。露光条件は、基板Pに対する露光光ELの照射条件を含む。基板Pに対する露光光ELの照射条件は、例えば第1、第2パターンの像などに応じてそれぞれ最適化されるとともに、前述の照明条件、投影系PL1、PL2の開口数などを含む。
第1露光領域AR1に露光光ELを照射するとき、制御装置7は、第1照明系IL1より露光光ELを射出する。第1照明系IL1より射出された露光光ELは、反射ミラー5で反射した後、DMDを含む第1パターン形成装置3Aに照射される。制御装置7は、基板P上に形成すべき第1パターンの像に応じて第1パターン形成装置3Aの反射素子2を駆動する。反射素子2で反射した露光光ELは、第1投影系PL1を介してその終端光学素子FL1の下面から射出され、第1露光領域AR1に照射される。このように、第1照明系IL1より射出され、第1パターン形成装置3A及び第1投影系PL1を介した露光光ELを、基板ステージ4に保持された基板P上に照射することによって、第1パターンの像が基板P上に投影され、基板Pが露光される。
同様に、第2照明系IL2より射出され、第2パターン形成装置3B及び第2投影系PL2を介した露光光ELを、基板ステージ4に保持された基板P上に照射することによって、第2パターンの像が基板P上に投影され、基板Pが露光される。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について、図1、2及び図20を参照しながら説明する。
本実施形態の露光装置EXは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される露光光ELに対して基板Pを所定方向に走査することにより基板Pの各ショット領域を多重露光(二重露光)する走査型の露光装置である。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、第1、第2露光領域AR1、AR2に対して基板Pを所定の走査方向に移動しながら、基板Pの移動に同期して第1、第2パターン形成装置3A、3Bを制御して、パターン化された露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射する走査型の露光装置である。基板P上には被露光領域であるショット領域が複数マトリクス状に設定されている。露光装置EXは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対して基板P上のショット領域SHをY軸方向に移動しつつ、光学ユニットUにより第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射することにより、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで、基板P上のショット領域SHを多重(二重)露光する。
最初に、制御装置7により基板ステージ4を制御して第1投影系PL1及び第2投影系PL2の下方に移動し、基板ホルダ4Hに保持された基板P(ショット領域SH)を第1投影系PL1及び第2投影系PL2に対して所定位置に位置付ける(図20のS1)。図2は、基板Pを−Y方向に移動しながら基板P上の1つのショット領域を露光しているときの、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と、基板P上のショット領域SHとの関係を示す模式図である。本実施形態においては、露光光ELが照射される第1露光領域AR1は、第1投影系PL1の投影領域であり、露光光ELが照射される第2露光領域AR2は、第2投影系PL2の投影領域である。
図2に示すように、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれは、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)である。第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、1つのショット領域SHに同時に配置可能となっている。すなわち、本実施形態においては、第1露光領域AR1の中心と第2露光領域AR1の中心とのY軸方向の距離が、1つショット領域SHのY軸方向の大きさよりも小さい。また、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはY軸方向に離れている。また、第1露光領域AR1は第2露光領域AR2に対して+Y側に設定される。なお、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、必ずしも1つのショット領域SHに同時に配置可能でなくてよく、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2は任意に設定可能である。
制御装置7により第1及び第2照明系IL1,IL2を制御して、Y軸方向の異なる位置に規定された第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とのそれぞれに露光光ELを照射する(S2)。この照射とともに、基板P上のショット領域SHが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とに対して相対移動されるように基板ステージ4を制御して基板PをY軸方向に移動する(S3)。この基板の移動によって、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで基板P上のショット領域SHを多重露光(二重露光)する(S3)。すなわち、制御装置7は、第1露光領域AR1に照射された露光光ELで露光された基板Pの感光層を、現像工程等を介さずに、第2露光領域AR2に照射された露光光ELで再度露光(二重露光)する。
例えば、基板Pを−Y方向に移動しながら、基板P上の1つのショット領域SHを露光するときには、制御装置7は、図2中、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第1露光領域AR1に到達したときに、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第1走査露光)を開始する。本実施形態では、第1照明系IL1のマスクブラインド系によって、第1走査露光の開始前は基板P上での第1露光領域AR1の走査方向の幅が零であるが、第1走査露光の開始時点、すなわちエッジG1が第1露光領域AR1の+Y側のエッジに到達した時点からその幅が徐々に広げられていき、所定の設定値に達した時点でその幅は一定に維持される。これにより、第1走査露光の開始前後に、基板P上でショット領域SHに対して−Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。なお、第1走査露光の開始直後は、第2照明系IL2のマスクブラインド系によって第2露光領域AR2の走査方向の幅が零となっている。
更に、基板Pを−Y方向に移動することにより、基板P上のショット領域SHは、第1露光領域AR1に対して相対移動される。そして、制御装置7は、図2中、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第1露光領域AR1の−Y側のエッジに到達したときに、第1露光領域AR1に対する露光光ELの照射を停止する。これにより、ショット領域SHの第1走査露光が完了する。本実施形態では、第1照明系IL1のマスクブラインド系によって、第1走査露光の終了直前、すなわちエッジG2が第1露光領域AR1の+Y側のエッジに到達した時点から第1露光領域AR1の幅が徐々に狭められていき、エッジG2が第1露光領域AR1の−Y側のエッジに到達した時点でその幅が零となる。これにより、第1走査露光の終了前に、基板P上でショット領域SHに対して+Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。
また、ショット領域SH上に第1露光領域AR1が存在している間(第1走査露光中)に、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達する。制御装置7は、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達したときに、第2露光領域AR2に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第2走査露光)を開始する。より具体的には、制御装置7は、第1露光領域AR1への露光光ELの照射が開始された後に、第1露光領域AR1の位置、第2露光領域AR2の位置、及び基板Pの−Y方向への移動速度に基づいて、第2パターン形成装置3Bなどを制御して、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達したときに、第2露光領域AR2への露光光ELの照射を開始する。本実施形態では、第2照明系IL2のマスクブラインド系によって、第2走査露光の開始時点、すなわちエッジG1が第2露光領域AR2の+Y側のエッジに到達した時点からその幅が徐々に広げられていき、所定の設定値に達した時点でその幅は一定に維持される。これにより、第2走査露光の開始前後に、基板P上でショット領域SHに対して−Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。また、この第2走査露光はその動作の一部が前述の第1走査露光と並行して行われる。さらに、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とで前述の設定値が等しくなっている。
更に、基板Pを−Y方向へ移動することにより、基板P上のショット領域SHは、第2露光領域AR2に対しても相対移動される。そして、制御装置7は、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第2露光領域AR2の−Y側のエッジに到達したときに、第2露光領域AR2に対する露光光ELの照射を停止する。これにより、ショット領域SHの第2走査露光が完了する。本実施形態では、第2照明系IL2のマスクブラインド系によって、第2走査露光の終了直前、すなわちエッジG2が第2露光領域AR2の+Y側のエッジに到達した時点から第2露光領域AR2の幅が徐々に狭められていき、エッジG2が第2露光領域AR2の−Y側のエッジに到達した時点でその幅が零となる。これにより、第2走査露光の終了前に、基板P上でショット領域SHに対して+Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。なお、本実施形態では、マスクブラインド系によって第1、第2露光領域AR1、AR2の幅を変更する、すなわち第1、第2走査露光の開始及び終了を制御するものとしたが、例えば前述のDMDによって走査露光の開始及び終了の制御を行ってもよい。この場合、照明光学系にマスクブラインド系を設けなくてもよいし、あるいはマスクブラインド系に走査露光の開始及び終了を制御する機能を持たせなくてもよい。
第1露光領域AR1に対して基板P上のショット領域SHが移動している間、第1パターン形成装置3Aにより第1露光領域AR1に投影されるパターンの像が逐次変更され、第1露光領域AR1を通り過ぎたショット領域SHには第1パターンの像が形成される。同様に、第2露光領域AR2に対してショット領域SHが移動している間、第2パターン形成装置3Bにより第2露光領域AR2に投影されるパターンの像が逐次変更され、第2露光領域AR2を通り過ぎたショット領域SHには第2パターンの像も形成される。すなわち、基板P上のショット領域SHが、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで多重露光(二重露光)される。
以上説明したように、Y軸方向の異なる位置に規定された第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とのそれぞれに露光光ELを照射するとともに、基板P上のショット領域SHが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とに対して相対移動されるように基板PをY軸方向に移動することで、基板Pのショット領域SHを効率良く多重露光することができる。本実施形態においては、基板P上の複数のショット領域SHを多重露光(二重露光)するときに、1回のスキャン動作で、1つのショット領域を第1パターンの像と第2パターンの像とで露光することができ、スループットを向上できる。また、基板Pの−Y方向へのスキャン動作と+Y方向へのスキャン動作とを繰り返すことによって、基板P上の複数のショット領域を効率よく多重露光することができる。また、1回のスキャン動作で1つのショット領域を多重露光することができるので、各ショット領域内に第1パターンの像と第2パターンの像とを所望の位置関係で形成することができる。
本実施形態の露光装置EXは、照明系IL1、IL2、パターン形成装置3A、3B、及び投影系PL1、PL2を有しており、基板Pを多重露光する際にも、例えばマスクを交換したり、照明条件等の露光条件を変更する動作が低減されるため、露光装置EXの稼動率の低下、スループットの低下を抑制し、基板Pを効率良く多重露光することができる。
多重露光においては、互いに異なるパターンを基板P上に露光するのが一般的であるが、それぞれの露光において、必ずしも同等の露光精度が必要とは限らない。基板Pを多重露光する場合において、例えば、1回目の露光における解像度と2回目の露光における解像度とが互いに異なっていたり、1回目の露光における投影系の光学性能と2回目の露光における投影系の光学性能とが互いに異なっていてもよい可能性がある。例えば、1回目の露光における投影系の開口数を、2回目の露光における投影系の開口数よりも小さくしてもよい。また、第1露光領域AR1に照射される露光光ELの波長を、第2露光領域AR2に照射される露光光ELの波長と異ならせてもよい。本実施形態においては、多重露光すべきパターンに対応して、目標解像度に応じた光学性能(開口数)を有する第1、第2投影系PL1、PL2を設けることができるので、装置コストの上昇を抑え、基板Pを効率良く露光することができる。また、本実施形態においては、第1パターン形成装置3A及び第2パターン形成装置3Bの各々がDMDを含んでいるので、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに互いに異なるパターンの像を容易に形成することができる。
なお、上述の実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とがY軸方向に離れているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはその一部がY軸方向において重複していてもよい。また、本実施形態の露光装置EXは前述のDMDの位置及び/又は回転(傾斜)を調整するアクチュエータを備えていてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の露光装置及び露光方法の特徴的な部分は、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の少なくとも一方では、液体LQを介して露光光ELが基板に照射される点にある。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の露光装置及び露光方法の特徴的な部分は、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の少なくとも一方では、液体LQを介して露光光ELが基板に照射される点にある。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図3は、第2実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、例えば国際公開第99/49504号パンフレット、特開2004−289126号(対応米国特許公開第2004/0165159号公報)等に開示されているような、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した露光装置であって、露光光ELの光路の少なくとも一部を液体LQで満たす第1、第2液浸システム1A、1Bを備えている。本実施形態では、液体LQとして、水(純水)を用いる。また、基板Pには、液体LQから感光材や基材を保護するトップコート膜などを設けることができる。
第1液浸システム1Aは、第1投影系PL1の終端光学素子FL1と基板Pとの間の露光光ELの光路の近傍に設けられ、その光路に対して液体LQを供給するための供給口12Aを有する供給部材13A、及び液体LQを回収するための回収口22Aを有する回収部材23Aを有している。供給部材13Aには液体LQを送出可能な液体供給装置(不図示)が接続されており、液体供給装置は、清浄で温度調整された液体LQを供給口12Aを介して光路に供給可能である。また、回収部材23Aには、真空系等を含む液体回収装置(不図示)が接続されており、液体回収装置は、光路を満たす液体LQを回収口22Aを介して回収可能である。液体供給装置及び液体回収装置の動作は制御装置7に制御され、制御装置7は、第1液浸システム1Aを制御して、液体供給装置による液体供給動作と液体回収装置による液体回収動作とを並行して行うことで、第1投影系PL1の終端光学素子FL1の下面と、基板ステージ4上の基板Pの表面との間の露光光ELの光路を液体LQで満たすように、基板P上の一部に液体LQの第1液浸領域LR1を局所的に形成する。第1液浸領域LR1は、基板P上の第1露光領域AR1よりも大きく形成される。すなわち、第1液浸領域LR1は、第1露光領域AR1の全てを覆うように形成される。
同様に、第2液浸システム1Bは、その構成が第1液浸システム1Aと同一であり、液体LQを供給するための供給口12Bを有する供給部材13B、及び液体LQを回収するための回収口22Bを有する回収部材23Bを有しており、第2投影系PL2の終端光学素子FL2の下面と、基板ステージ4上の基板Pの表面との間の露光光ELの光路を液体LQで満たすように、基板P上の一部に液体LQの第2液浸領域LR2を局所的に形成する。第2液浸領域LR2は、基板P上の第2露光領域AR2よりも大きく形成される。すなわち、第2液浸領域LR2は、第2露光領域AR2の全てを覆うように形成される。なお、第1、第2液浸システム1A、1Bは、それぞれその一部(例えば、液体供給装置及び/又は液体回収装置を構成する部材)が露光装置に設けられている必要はなく、例えば露光装置が設置される工場等の設備を代用してもよい。また、液浸システム100の構造は、上述の構造に限られず、例えば、欧州特許公開第1420298号公報、国際公開第2004/055803号パンフレット、国際公開第2004/057590号パンフレット、国際公開第2005/029559号パンフレット(対応米国特許公開第2006/0231206号)、国際公開第2004/086468号パンフレット(対応米国特許公開第2005/0280791号)、特開2004−289126号公報(対応米国特許第6,952,253号)などに記載されているものを用いることができる。
露光装置EXは、基板ステージ4に保持された基板P上に液体LQの第1、第2液浸領域LR1、LR2を形成し、第1、第2液浸領域LR1、LR2の液体LQを介して基板P上の第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに露光光ELを照射して、基板Pを露光する。
露光装置EXは、第1、第2液浸領域LR1、LR2を形成した状態で、第1、第2露光領域AR1、AR2に対して基板P上のショット領域SHをY軸方向に移動しつつ、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに露光光ELを照射することにより、第1露光領域AR1に液体LQを介して照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に液体LQを介して照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光(二重露光)する。
本実施形態において、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはY軸方向に離れているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはその一部がY軸方向において重複していてもよい。
なお、本実施形態において、第1液浸領域LR1を形成する液体LQと、第2液浸領域LR2を形成する液体LQとは、その種類(物性)が同一であるものとしたが、互いにその種類(物性)が異なっていてもよい。例えば、第1、第2液浸領域LR1、LR2を種類(少なくとも露光光ELに対する屈折率)が異なる液体でそれぞれ形成してもよい。一例としては、第1、第2液浸領域LR1、LR2の一方を、水(純水)で形成し、他方を、水(屈折率は1.44程度)よりも露光光ELに対する屈折率が高い液体で形成してもよい。また、第1液浸領域LR1と第2液浸領域LR2とで、液体LQの粘度、露光光ELの透過率、及び温度の少なくとも1つが互いに異なっていてもよい。
例えば、露光光ELがF2レーザ光である場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQは、例えば過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影系や基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
ここで、純水よりも屈折率が高い(例えば1.5以上)の液体LQとしては、例えば、屈折率が約1.50のイソプロパノール、屈折率が約1.61のグリセロール(グリセリン)といったC−H結合あるいはO−H結合を持つ所定液体、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の所定液体(有機溶剤)、あるいは屈折率が約1.60のデカリン(Decalin: Decahydronaphthalene)などが挙げられる。また、液体LQは、これら液体のうち任意の2種類以上の液体を混合したものでもよいし、純水にこれら液体の少なくとも1つを添加(混合)したものでもよい。さらに、液体LQは、純水にH+、Cs+、K+、Cl−、SO4 2−、PO4 2−等の塩基又は酸を添加(混合)したものでもよいし、純水にAl酸化物等の微粒子を添加(混合)したものでもよい。なお、液体LQとしては、光の吸収係数が小さく、温度依存性が少なく、第1、第2投影系PL1、PL2、及び/又は基板Pの表面に塗布されている感光材(又はトップコート膜あるいは反射防止膜など)に対して安定なものであることが好ましい。また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。液体LQとして、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、第1、第2投影系PL1、PL2の終端光学素子FL1、FL2を同一材料で形成してもよいし、あるいは異なる材料で形成してもよい。また、終端光学素子FL1、FL2の少なくとも一方を、例えば石英(シリカ)、あるいは、フッ化カルシウム(蛍石)、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、及びフッ化ナトリウム等のフッ化化合物の単結晶材料で形成してもよいし、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で形成してもよい。屈折率が1.6以上の材料としては、例えば、国際公開第2005/059617号パンフレットに開示される、サファイア、二酸化ゲルマニウム等、あるいは、国際公開第2005/059618号パンフレットに開示される、塩化カリウム(屈折率は約1.75)等を用いることができる。
また、第1、第2投影系PL1、PL2の少なくとも一方では、露光光ELに対する終端光学素子の屈折率n1を、露光光ELに対する液体LQの屈折率n2よりも小さくしてもよい。例えば、終端光学素子を石英(屈折率は約1.5)で形成し、液体LQはその屈折率n2が石英の屈折率よりも高い(例えば1.6〜1.8程度)のものが使用される。あるいは、第1、第2投影系PL1、PL2の少なくとも一方では、終端光学素子の屈折率n1を、液体LQの屈折率n2よりも大きくしてもよい。例えば、屈折率が1.6以上の材料で終端光学素子を形成し、液体LQはその屈折率n2が純水よりも大きくかつ終端光学素子よりも小さいものが使用される。この場合、終端光学素子の屈折率n1よりも小さい液体LQの屈折率n2を、投影系の開口数NAよりも大きくすることが好ましい。
また、本実施形態の投影系において、例えば、国際公開第2004/019128号パンフレット(対応米国特許公開第2005/0248856号)に開示されているように、終端光学素子の像面側の光路に加えて、終端光学素子の物体面側の光路も液体で満たすようにしてもよい。さらに、終端光学素子の表面の一部(少なくとも液体LQとの接触面を含む)又は全部に、親液性及び/又は溶解防止機能を有する薄膜を形成してもよい。なお、石英は液体LQとの親和性が高く、かつ溶解防止膜も不要であるが、蛍石は少なくとも溶解防止膜を形成することが好ましい。
また、例えば、終端光学素子FL1と基板Pとの間の空間、及び終端光学素子FL2と基板Pとの間の空間のいずれか一方を液体LQで満たし、他方を気体で満たすようにしてもよい。このように、終端光学素子FL1と基板Pとの間の空間を満たす媒体、及び終端光学素子FL2と基板Pとの間の空間を満たす媒体の条件(種類など)が異なっていてもよい。
なお、第2実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、第1液浸領域LR1と第2液浸領域LR2とによって別々に覆われているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを1つの液浸領域で覆うようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第3実施形態について説明する。上述の第1、第2実施形態においては、第1、第2パターンの像は、DMDを含む第1、第2パターン形成装置3A、3Bを用いて形成されるが、本実施形態の特徴的な部分は、ガラス板等の透明部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された第1、第2マスクM1、M2を用いて、基板P上に第1、第2パターンの像を形成する点にある。第1、第2マスクM1、M2は、基板P上に縮小投影されるパターンが形成されたレチクルを含む。なお、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。なお、上述の第1、第2実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第3実施形態について説明する。上述の第1、第2実施形態においては、第1、第2パターンの像は、DMDを含む第1、第2パターン形成装置3A、3Bを用いて形成されるが、本実施形態の特徴的な部分は、ガラス板等の透明部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された第1、第2マスクM1、M2を用いて、基板P上に第1、第2パターンの像を形成する点にある。第1、第2マスクM1、M2は、基板P上に縮小投影されるパターンが形成されたレチクルを含む。なお、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。なお、上述の第1、第2実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図4は、第3実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、第1マスクM1を保持して移動可能な第1マスクステージ6Aと、第2マスクM2を保持して移動可能な第2マスクステージ6Bとを備えている。
第1マスクM1は、基板P上に第1パターンの像を形成するための部材である。第2マスクM2は、基板P上に第2パターンの像を形成するための部材である。第1マスクM1には、第1パターンが形成されている。同様に、第2マスクM2には、第2パターンが形成されている。第1マスクM1及び第1マスクステージ6Aは、基板P上の第1露光領域AR1に第1パターンの像を形成するために用いられ、第2マスクM2及び第2マスクステージ6Bは、基板P上の第2露光領域AR2に第2パターンの像を形成するために用いられる。
第1、第2照明系IL1、IL2のそれぞれは、所定の第1、第2照明領域IA1、IA2を均一な照度分布の露光光ELで照明する。本実施形態においては、第1、第2照明領域IA1、IA2のそれぞれは、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されている。
本実施形態においては、第1照明系IL1の光軸BX1は、第1投影系PL1の光軸AX1とほぼ直交しており、図4においては、Y軸方向と平行である。同様に、第2照明系IL2の光軸BX2は、第2投影系PL2の光軸AX2とほぼ直交しており、図4においては、Y軸方向と平行である。そして、第1マスクステージ6Aは、第1マスクM1の表面とY軸とが直交するように第1マスクM1を保持し、第2マスクステージ6Bは、第2マスクM2の表面とY軸とが直交するように第2マスクM2を保持する。
第1、第2マスクステージ6A、6Bのそれぞれは、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置の駆動により、第1、第2マスクM1、M2を保持した状態で、X軸、Z軸、及びθY方向に移動可能である。第1、第2マスクステージ6A、6B(ひいては第1、第2マスクM1、M2)の位置情報は、不図示のレーザ干渉計によって計測される。レーザ干渉計は、第1、第2マスクステージ6A、6Bに設けられた反射面を用いて第1、第2マスクステージ6A、6Bのそれぞれの位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置を駆動し、第1、第2マスクステージ6A、6Bに保持されている第1、第2マスクM1、M2の位置制御を行う。なお、第1、第2マスクステージ6A、6B3は、例えば特開平8−130179号公報(対応米国特許第6,721,034号)に開示される粗微動可能な構成としてもよい。
第1露光領域AR1に露光光ELを照射するとき、制御装置7は、第1照明系IL1より露光光ELを射出する。第1照明系IL1より射出された露光光ELは、第1マスクステージ6Aに保持された第1マスクM1の第1照明領域内のパターンを照明する。第1マスクM1を通過した露光光ELは、反射ミラー8で反射した後、第1投影系PL1を介してその終端光学素子FL1の下面から射出され、第1露光領域AR1に照射される。このように、第1照明系IL1より射出され、第1マスクM1及び第1投影系PL1を介した露光光ELを、基板ステージ4に保持された基板P上に照射することによって、第1パターンの像が基板P上に投影され、基板Pが露光される。
同様に、第2照明系IL2より射出され、第2マスクM2及び第2投影系PL2を介した露光光ELを、基板ステージ4に保持された基板P上に照射することによって、第2パターンの像が基板P上の第2露光領域AR2に投影され、基板Pが露光される。
本実施形態の露光装置EXは、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向への移動とを同期して行うことによって、パターン化された露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射する走査型の露光装置である。基板P上のショット領域SHを多重露光する場合には、制御装置7は、Y軸方向の異なる位置に規定された第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とのそれぞれに露光光ELを照射するとともに、基板P上のショット領域SHが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とに対して相対移動されるように基板ステージ4を制御して基板PをY軸方向に移動することによって、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光(二重露光)する。このとき、制御装置7は、基板Pを保持した基板ステージ4のY軸方向への移動と同期して、第1マスクM1を保持した第1マスクステージ6A及び第2マスクM2を保持した第2マスクステージ6Bを、所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、制御装置7は、基板Pのショット領域SHを露光するとき、例えば基板ステージ4の−Y方向への移動と同期して、第1マスクステージ6Aを−Z方向に移動するとともに、第2マスクステージ6Bを+Z方向に移動する。これにより、上述の実施形態と同様に、第1露光領域AR1に照射された露光光ELで露光された基板Pの感光層が、現像工程などを介さずに、第2露光領域AR2に照射された露光光ELで再度露光(二重露光)される。
例えば、図2に示したように、基板Pを−Y方向に移動しながら基板P上の一つのショット領域SHを多重露光する場合、制御装置7は、図2において、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第1露光領域AR1に到達したときに、第1マスクM1のパターンの像の第1露光領域AR1への投影が開始されるように、第1マスクステージ6Aの走査方向への移動を制御する。さらに基板Pを−Y方向に移動させ、ショット領域SHが第1露光領域AR1を通り過ぎることによって、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第1走査露光)が完了する。また、ショット領域SH上に第1露光領域AR1が存在している間(第1走査露光中)に、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達する。制御装置7は、図2において、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達したときに、第2マスクM2の第2パターンの像の第2露光領域AR2への投影が開始されるように、第2マスクステージ6Bの走査方向への移動を制御する。より具体的には、第1露光領域AR1への第1パターンの像の投影が開始された後に、第1、第2露光領域AR1、AR2の位置(AR1とAR2の相対距離)、及び基板Pの−Y方向への移動速度に基づいて、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達したときに、第2マスクM2のパターンの像の第2露光領域AR2への投影が開始されるように、第2マスクステージ6Bの走査方向への移動を制御する。さらに基板Pを−Y方向に移動させ、ショット領域SHが第2露光領域AR2を通り過ぎることによって、第2露光領域AR2に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第2走査露光)が完了する。これにより、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とによるショット領域SHの多重露光(二重露光)が完了する。なお、本実施形態でも、前述の第1実施形態と同様にマスクブラインド系によって、第1、第2走査露光の開始直後及び終了直前の所定期間中に第1、第2露光領域AR1、AR2の幅を変化させる、すなわち第1、第2走査露光の開始及び終了を制御することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態においては、基板P上の各ショット領域SHを多重露光するための第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とをY軸方向の異なる位置に規定した場合にも、第1マスクM1のパターンの像の第1露光領域AR1への投影と第2マスクM2のパターンの像の第2露光領域AR2への投影とが所定のタイミングで開始されるように、基板ステージ4、第1マスクステージ6A、及び第2マスクステージ6Bの同期移動が制御されているので、基板P上の各ショット領域SH内に第1パターン像と第2パターン像とを所望の位置関係で形成することができる。
本実施形態において、第1、第2マスクM1、M2に形成されているパターンが互いに異なっているので、そのパターンに応じて第1、第2照明系IL1、IL2による第1、第2マスクM1、M2の照明条件、ひいては基板Pに対する露光光ELの照射条件を互いに異ならせてもよい。
また、第1、第2マスクM1、M2の一方を、例えば位相シフトマスクとし、他方を、クロムパターンのみで形成されたバイナリーマスクとすることができる。この場合、例えば、位相シフトマスクの照明条件を小σ照明(コヒーレンスファクター(σ値)が、例えば0.2〜0.4程度の通常照明)とし、バイナリーマスクの照明条件を変形照明(輪帯照明又は多極照明など)としてもよい。さらに、第1、第2マスクM1、M2はそれぞれ位相シフトマスクでもよい。
また、第1照明系IL1はコヒーレント照明とし、第2照明系は部分的コヒーレント照明とする等、互いに異なった最適な照明条件で第1、第2マスクM1、M2を照明するようにしてもよい。部分的コヒーレント照明とは、σ=(照明系の開口数/投影系の開口数)の値がゼロより大きく1より小さい照明であり、コヒーレント照明とは、σの値がゼロまたはそれに近い値であり、部分的コヒーレント照明のσに比べて相当小さい値である。また、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の少なくとも一方で、二光束干渉露光を行うようにしてもよい。また、本実施形態においても、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2の少なくとも一方で液浸露光を行ってもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態を示す概略構成図である。なお、上述の第1〜第3実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。また、本実施形態の露光装置EXも、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向への移動とを同期して行うことによって、パターン化された露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射する走査型の露光装置である。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態を示す概略構成図である。なお、上述の第1〜第3実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。また、本実施形態の露光装置EXも、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向への移動とを同期して行うことによって、パターン化された露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射する走査型の露光装置である。
図5において、露光装置EXは、第1パターンの像を形成するための第1マスクM1及び第2パターンの像を形成するための第2マスクM2を保持して移動可能なマスクステージ6を備えている。また、本実施形態の光学ユニットUは、露光光ELで照明された第1、第2マスクM1、M2のパターンの像を基板P上に投影する投影系PLを備えている。図5には不図示であるが、第1マスクM1は第1照明系(IL1)からの露光光ELで照明され、第2マスクM2は第2照明系(IL2)からの露光光ELで照明される。
本実施形態の投影系PLは、基板Pの表面が対向して配置される1つの終端光学素子FLを有し、その1つの終端光学素子FLを介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射する。
投影系PLは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と光学的に共役な位置(第1、第2マスクM1、M2のパターンの中間像がそれぞれ形成される後述の第1、第2共役位置CP1、CP2)の近傍に配置され、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとを終端光学素子FLへ導く中間光学系30を有している。中間光学系30は、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光をそれぞれ反射する二つの反射面を有している。本実施形態においては、中間光学系30は、プリズムを含む。
また、投影系PLは、第1マスクM1からの露光光ELを中間光学系30に導く第1光学系31と、第2マスクM2からの露光光ELを中間光学系30に導く第2光学系32とを有している。これらの第1、第2光学系31、32は所定の走査方向(Y軸方向)に沿って並置されている。第1、第2光学系31、32のそれぞれは複数のレンズ、及び複数のレンズを通過した露光光ELを中間光学系30に向けて反射する反射面を有する反射部材FM1、FM2を含む。第1、第2光学系31、32の反射部材FM1、FM2は、所定の走査方向(Y軸方向)を含むYZ平面内において第1、第2光学系31、32の光路をそれぞれ折り曲げる。
第1、第2マスクM1、M2でパターン化された露光光ELのそれぞれは、第1、第2光学系31、32を介して、第1、第2マスクM1、M2と光学的に共役な位置である第1共役位置CP1、第2共役位置CP2で中間結像をした後、中間光学系30に導かれる。第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとは、中間光学系30で反射された(折り曲げられた)後、終端光学素子FLを含む第3光学系33を介して、投影系PLの同一視野内に規定される第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される。
本実施形態では中間光学系30が第1共役位置CP1、第2共役位置CP2の近傍に配置されているため、中間光学系30の大型化や投影系PLの長大化を招くことなく、第1、第2光学系31、32からの露光光ELを第3光学系33に導くことができる。
そして、本実施形態の投影系PLは、第1照明領域IA1に対応した第1露光領域AR1と、第2照明領域IA2に対応した第2露光領域AR2とを備えており、この第1、第2露光領域AR1、AR2は、所定の走査方向(Y軸方向)を横切る方向(X軸方向)に長手方向を有するスリット形状である。したがって、第1、第2共役位置CP1、CP2の近傍での露光光ELの断面形状はX軸方向に長手方向を有する形状となっているため、第1、第2光学系31、32からの露光光ELを中間光学系30を用いて第3光学系33に容易に導入することができる。
なお、本実施形態においても、一つの終端光学素子FLからの露光光ELが照射される第1露光領域AR1の中心と第2露光領域AR2の中心とのY軸方向の距離は、図2に示したように、基板P上の1つのショット領域よりも小さい。また、第1、第2露光領域AR1、AR2はその一部が基板上で重複していてもよい。本実施形態の投影系PLは、第1、第2マスクM1、M2が配置される物体面側に2つの視野を有する双頭型の反射屈折系であり、その2つの視野内のパターンの像が、基板Pが配置される像面側の1つの視野内の第1、第2露光領域AR1、AR2にそれぞれ投影される。
図6は、本実施形態に係るマスクステージ6を示す斜視図である。マスクステージ6は、第1ステージ61と、第1ステージ61上で第1マスクM1を保持した状態で移動可能な第2ステージ62と、第1ステージ61上で第2マスクM2を保持した状態で移動可能な第3ステージ63とを備えている。
第1ステージ61は、第1マスクM1と第2マスクM2とをY軸方向に移動するためのものである。第1ステージ61は、基板上の1つのショット領域SHの走査露光中に、第1マスクM1の第1パターン全体が第1照明領域IA1に対して相対移動される(横切る)とともに、第2マスクMの第2パターン全体が第2照明領域IA2に対して相対移動される(横切る)ように、Y軸方向に比較的大きなストロークを有している。マスクステージ6は、第1ステージ61をY軸方向に移動するための第1ステージ駆動装置64を備えている。第1ステージ駆動装置64は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、第1ステージ駆動装置64は、第1ステージ61のX軸方向両側に設けられた可動子64Aと、可動子64Aに対応して設けられた固定子64Bとを備えている。制御装置7は、第1ステージ駆動装置64を駆動することにより、第1ステージ61をY軸方向に移動可能である。第1ステージ61がY軸方向に移動することにより、第1ステージ61上の第2、第3ステージ62、63、ひいては第1、第2マスクM1、M2も移動する。
第2ステージ62は、第1ステージ61上でX軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能に設けられ、不図示の第2ステージ駆動装置により、第1ステージ61に対して第1マスクM1を微小移動可能である。同様に、第3ステージ63は、第1ステージ61上でX軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能に設けられ、不図示の第3ステージ駆動装置により、第1ステージ61に対して第2マスクM2を微小移動可能である。
露光装置EXは、第1ステージ61、第2ステージ62、及び第3ステージ63の位置情報をそれぞれ計測可能な計測システム70を備えている。計測システム70は、第2ステージ62に設けられた反射部材72、第3ステージ63に設けられた反射部材73、及び第1ステージ61に設けられた反射部材74と、反射部材72、73、74の反射面に計測ビームを投射するとともに、その反射光を受光して第1ステージ61、第2ステージ62、及び第3ステージ63のそれぞれの位置情報を取得するレーザ干渉計71とを含む。本実施形態においては、レーザ干渉計71は、マスクステージ6の+Y側に配置され、反射部材74は、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、レーザ干渉計71からの計測ビームが照射可能な第1ステージ61上の所定位置に2つ設けられ、反射部材72は、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、第2ステージ62上におけるレーザ干渉計71からの計測ビームが照射可能な所定位置に2つ設けられている。反射部材73も、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、第3ステージ63上におけるレーザ干渉計71からの計測ビームが照射可能な所定位置に2つ設けられている。また、不図示ではあるが、計測システム70は、第1、第2、第3ステージ61、62、63のX軸方向の位置情報を計測するための反射部材(反射面)及びレーザ干渉計も備えている。以下では、このX軸用のレーザ干渉計とY軸用のレーザ干渉計71とをまとめてレーザ干渉計71と呼ぶものとする。
レーザ干渉計71は、第1ステージ61に設けられた反射部材74などを用いて第1ステージ61のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、レーザ干渉計71は、第2、第3ステージ62、63に設けられた反射部材72、73などを用いて第2、第3ステージ62、63のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計71の計測結果に基づいて、第1、第2、及び第3ステージ61〜63を適宜駆動し、第2、第3ステージ62、63に保持されている第1、第2マスクM1、M2の位置制御を行う。
次に、本実施形態の露光方法及び露光装置EXによる基板Pの露光動作を説明する。
上述したように、本実施形態の露光装置EXも、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向への移動とを同期して行うことによって、パターン化された露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射して、基板Pの各ショット領域を多重露光する。
第1マスクM1でパターン化された第1照明領域IA1からの露光光ELは、第1光学系31を介して中間光学系30の二つの反射面のうちの一方に入射する。中間光学系30の一方の反射面で反射した露光光ELは、第3光学系33に入射し、第3光学系33の終端光学素子FLを介して投影系PLの像面側に規定された第1露光領域AR1に照射される。また、第2マスクM2でパターン化された第2照明領域IA2からの露光光ELは、第2光学系32を介して中間光学系30の他方の反射面に入射する。中間光学系30の他方の反射面で反射した露光光ELは、第3光学系33に入射し、第3光学系33の終端光学素子FLを介して、投影系PLの像面側に第1露光領域AR1とは異なる位置(第1露光領域AR1から+Y方向に離れた位置)に規定された第2露光領域AR2に照射される。本実施形態においては、第1露光領域AR1へ照射される露光光EL、及び第2露光領域AR2へ照射される露光光ELが1つの終端光学素子FLを介して基板Pに照射されるので、投影系PLの構成を簡素化することができる。また、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを異なる位置に規定しているので、第1、第2露光領域AR1、AR2と光学的な共役な位置近傍に反射面(30)を配置することによって、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとを第3光学系33に導くことができ、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射することができる。すなわち、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを異なる位置に規定しているので、偏光ビームスプリッタを使わずに、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとを終端光学素子FLに導くことができ、所望の状態(所望の偏光状態)の露光光ELを第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射することができる。また、本実施形態の投影系PLにおいては、中間光学系30で反射した第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとが、第3光学系33の光軸AX3に対して対称に第3光学系33に入射するので、第3光学系33内の各素子内の温度分布も光軸AX3に対して対称にすることができる。したがって、第3光学系33内の各素子に温度変化(温度分布変化を含む)が生じても、例えば投影系PL内の一部の光学素子(例えば、第3光学系33内の一部のレンズ)を移動したり、傾斜させたりすることによって、投影系PLの光学性能を所望状態に維持することができる。上述したように、本実施形態においては、基板Pを保持する基板ステージ4のY軸方向(例えば−Y方向)への移動に同期して、マスクステージ6を用いて第1マスクM1と第2マスクM2とをY軸方向(例えば+Y方向)に移動することにより、基板P上の各ショット領域SHは、第1マスクM1の第1パターンの像と第2マスクM2の第2パターンの像とで多重露光される。
制御装置7は、基板Pの露光の開始前に、基板Pの感光材の感度などに基づいて基板Pの各ショット領域を露光するときの基板ステージ4の移動速度(走査速度)を決定するとともに、投影系PLの投影倍率と基板Pの走査速度とに基づいてマスクステージ6の第1ステージ61の走査速度を決定する。また上述の各実施形態と同様に、制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測軸で規定されるXY座標系内における第1露光領域AR1および第2露光領域の各位置情報を予め記憶している。また制御装置7は、第1ステージ61のY軸方向への移動によって、第1マスクM1のパターンの像の第1露光領域AR1への投影、及び第2マスクM2のパターンの像の第2露光領域AR2への投影のそれぞれが所望のタイミングで開始されるように、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報(例えば、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との距離)に基づいて、第2、第3ステージ62、63を移動し、第1ステージ61上におけるマスクM1、マスクM2の各位置(マスクM1とマスクM2の相対位置関係)を調整する。この調整が完了した後に、制御装置7は、基板P上の各ショット領域を順次多重露光する。
例えば、図2に示すように、第1、第2露光領域AR1、AR2に対して基板Pを−Y方向に移動しながら基板Pの1つのショット領域SHを多重露光する場合、制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果に基づいて基板ステージ4の−Y方向に移動するとともに、レーザ干渉計71及び反射部材74を用いて計測される第1ステージ61の位置情報に基づいて第1ステージ駆動装置64を制御して、第1ステージ61を+Y方向に移動する。
そして、図2において、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第1露光領域AR1に到達したときに第1マスクM1のパターンの投影が開始される。さらに、第1ステージ61の+Y方向への移動と、基板ステージ4の−Y方向への移動を続けることによって、マスクM1のパターンの像の第1露光領域AR1への投影が連続的に行われ、マスクM1の第1パターンが第1照明領域IA1に対して相対移動されるとともに、ショット領域SHが第1露光領域AR1に対して相対移動される。そして、図2において、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第1露光領域AR1の−Y側エッジに到達した時点で、第1マスクM1のパターンの投影が終了する。これにより、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第1走査露光)が完了する。ショット領域SH上に第1露光領域AR1が存在している間(第1走査露光中)に、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達する。ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR1に到達したときに第2マスクM2のパターンの投影が開始される。上述したように、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対的な位置関係(Y軸方向の距離)に基づいて、第1ステージ61に対する第1マスクM1の位置及び第2マスクM2の位置、すなわち第1ステージ61上における第1マスクM1と第2マスクM2との相対的な位置関係が予め調整されているので、基板ステージ4と第1ステージ61とを同期して移動することによって、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR1に到達したときに第2マスクM2のパターンの投影を開始することができる。さらに、第1マスクステージ61の+Y方向への移動と、基板ステージ4の−Y方向への移動を続けることによって、第2マスクM2のパターンの像の第2露光領域AR2への投影が連続的に行われ、第2マスクM2の第2パターンが第2照明領域IA2に対して相対移動されるとともに、ショット領域SHが第2露光領域AR2に対して相対移動される。そして、図2において、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第2露光領域AR2の−Y側エッジに到達した時点で、第2マスクM2のパターンの投影が終了する。これにより、ショット領域SHの第1走査露光完了後に、第2露光領域AR2に照射される露光光ELによるショット領域SHの露光(第2走査露光)も完了する。すなわち、第1マスクM1の第1パターンの像と、第2マスクM2の第2パターンの像とによるショット領域SHの多重露光も完了する。なお、本実施形態でも、前述の第1実施形態と同様に、各照明系内に配置される可変視野絞り(マスクブラインド系)によって、各走査露光の開始及び終了を制御してもよい。
このように、本実施形態においても、1回のスキャン動作で1つのショット領域SHを第1パターンの像と第2パターンの像とで多重(二重)露光することができる。また、基板Pの−Y方向へのスキャン動作と+Y方向へのスキャン動作とを繰り返すことによって、基板P上の複数のショット領域を効率良く多重露光することができる。
また、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係などに基づいて、第1ステージ61上での第1、第2マスクM1、M2の位置(第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置)を予め調整するとともに、レーザ干渉計4L、71の計測結果に基づいて基板ステージ4と第1ステージ61とを同期移動することによって、第1マスクM1の第1パターンの投影と第2マスクM2の第2パターンの投影とのそれぞれを所望のタイミングで実行することができ、各ショット領域SH内に第1マスクM1の第1パターンの像と第2マスクM2の第2パターンの像とを所望の位置関係で形成することができる。なお、本実施形態では、第1、第2パターンの投影タイミングの調整は前述のマスクブラインド系で行うこととし、第1、第2パターンの像と基板上のショット領域との高精度な位置合わせ(アライメント)のために、第1、第2マスクM1、M2の相対的な位置関係の調整を行うだけでもよい。
なお、図2のように、基板P上の1つのショット領域SHを多重露光しているときに、基板ステージ4と第1ステージ61との相対位置、すなわち基板Pと第1、第2マスクM1、M2の少なくとも一方との相対位置が目標相対位置からずれる可能性がある。本実施形態では、その相対位置のずれをレーザ干渉計4L、71の計測結果から検知することができる。そこで、制御装置7は、その相対位置のずれを検知した場合には、レーザ干渉計4L、71の計測結果に基づいて第2ステージ62及び第3ステージ63の少なくとも一方を移動して、第1マスクM1及び第2マスクM2の少なくとも一方の位置を調整する。これにより、第1、第2マスクM1、M2とショット領域SHとの各位置関係が常に所望状態に調整され、第1パターンの像と第2パターンの像とをショット領域SH内に所望の位置関係で形成することができる。
なお、投影系PLへの露光光ELの照射、投影系PLの周囲の環境変化(温度変化、圧力変化含む)などにより投影系PLの光学特性が変化して、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係に変化が生じる可能性がある。この場合には、投影系PLへの露光光ELの照射量、投影系PLの周囲の環境変化を検出して、第1マスクM1の第1パターンと第2マスクM2の第2パターンとのそれぞれがショット領域SH内の所望の位置に形成されるように、その検出結果に基づいて第2ステージ62及び第3ステージ63の少なくとも一方を動かして、第1マスクM1及び第2マスクM2の少なくとも一方の位置を調整してもよい。
また、第1光学系31、第2光学系32、及び第3光学系33の少なくとも1つを調整して、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係(Y軸方向の距離など)を補正してもよい。さらに、上記の照射量や環境変化に起因して投影系PLの結像特性も変動する。そこで、上記の検出結果に基づいて、例えば、投影系PLの調整(光学素子の移動を含む)、露光光ELの波長特性(中心波長、スペクトル幅など)の調整、及び基板Pの移動(Z軸、θX及びθY方向の位置調整)の少なくとも1つを行うことが好ましい。これにより、結像特性の変動の抑制(補正)、及び/又はその変動に起因する露光精度の低下の防止を図ることが可能となる。
また、本実施形態においては、計測システム70は第1ステージ61に設けられた反射部材74を使って第1ステージ61の位置情報を取得し、制御装置7はその位置情報に基づいて第1ステージ61の位置制御をしているが、反射部材74を省いて、反射部材72を使って得られる第2ステージ62の位置情報と、反射部材73を使って得られる第3ステージ63の位置情報との少なくとも一方を使って第1ステージ61の移動を制御するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、第1、第2マスクM1、M2を可動にするための機構として第2、第3ステージ62、63を設け、第2、第3ステージ62、63の位置情報を取得するために反射部材72、73を設けているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置の変化、及び第1ステージ61と基板ステージ4との同期誤差(位置誤差)が許容できる場合には、これらを省いてもよい。この場合、第1マスクM1及び第2マスクM2を第1ステージ61上の所定位置にそれぞれ固定し、反射部材74を用いてレーザ干渉計71で取得された第1ステージ61の位置情報とレーザ干渉計4Lで取得された基板ステージ4の位置情報とに基づいて、第1ステージ61と基板ステージ4とを同期移動させるだけでよい。この場合、第1、第2マスクM1、M2の相対的な位置関係に関する情報、例えば第1、第2マスクM1、M2の位置情報(位置又は変位)などを検出する検出系(例えば、エンコーダなどの光学センサ)を、レーザ干渉計71とは別に設けてもよい。また、第1、第2マスクM1、M2の相対的な位置関係を調整するアクチュエータ、例えば第1、第2マスクM1、M2の少なくとも一方を微動する圧電素子、あるいはボイスコイルモータなどを設けてもよい。
また、本実施形態においては、第1マスクM1及び第2マスクM2のY軸方向の移動を、主に第1ステージ61を用いて行っているが、第3実施形態のように、第1マスクM1用のマスクステージと第2マスクM2用のマスクステージとを別々に設けてもよい。この場合、第3実施形態のように第1、第2マスクM1、M2をXZ面内で移動するようにしてもよいし、本実施形態と同様に、第1、第2マスクM1、M2をXY面内で移動するようにしてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第5実施形態について説明する。図7は、第5実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の第4実施形態と異なる部分は、第1光学系31及び第2光学系32が凹面ミラー341、342を有している点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の第4実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第5実施形態について説明する。図7は、第5実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の第4実施形態と異なる部分は、第1光学系31及び第2光学系32が凹面ミラー341、342を有している点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の第4実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7に示すように、本実施形態の投影系PLは、上述の第4実施形態と同様、基板Pの表面が対向して配置される1つの終端光学素子FLを有し、その1つの終端光学素子FLを介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELを照射する。また、投影系PLは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と光学的に共役な位置(CP1、CP2)の近傍に配置され、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとを第3光学系33へ導く中間光学系30を有している。
第1マスクM1からの露光光ELを中間光学系30に導く第1光学系31は、凹面ミラー341を有している。同様に、第2マスクM2からの露光光ELを中間光学系30に導く第2光学系32も、凹面ミラー342を有している。
第1、第2マスクM1、M2のそれぞれでパターン化された露光光ELのそれぞれは、第1、第2光学系31、32により中間光学系30に導かれる。第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとは、中間光学系30で反射された後、終端光学素子FLを含む第3光学系33を介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される。
ここで、第1光学系31は、その内部の光路に第1マスクM1及び第1共役位置CP1と光学的に共役な位置である第3共役位置CP3を形成する第1結像光学系311を備え、第1光路折曲げ鏡FM1は、この第3共役位置CP3の近傍(第1共役位置CP1の近傍)に配置されており、所定の走査方向(Y軸方向)を含むYZ平面内において第1光学系31の光路を折り曲げる。第1光学系31は、第1マスクM1のパターンの中間像を2つの位置CP3、CP1にそれぞれ形成する反射屈折系である。また、第2光学系32は、その内部の光路に第2マスクM2及び第2共役位置CP2と光学的に共役な位置である第4共役位置CP4を形成する第2結像光学系321を備え、第2光路折曲げ鏡FM1は、この第4共役位置CP4の近傍(第2共役位置CP2の近傍)に配置されており、所定の走査方向(Y軸方向)を含むYZ平面内において第2光学系32の光路を折り曲げる。第2光学系32は、第2マスクM2のパターンの中間像を2つの位置CP4、CP2にそれぞれ形成する反射屈折系である。本実施形態では、第1、第2光路折り曲げ鏡FM1、FM2が像共役位置(第1〜第4共役位置CP1〜CP4)の近傍に配置されているため、これらの光路折り曲げ鏡FM1,FM2の小型化を図ることができる。また、本実施形態では、第1結像光学系311から凹面ミラー341へ至る光路と、第2結像光学系321から第2凹面ミラー342へ至る光路との間に反射面が介在しないため、第1、第2光学系31、32と第3光学系33とをZ方向において一部重複するように配置でき、投影系PLの全長(第1、第2マスクM1、M2と基板Pとの距離)を短く抑えることができる。
本実施形態においても、第4実施形態と同様に中間光学系30が第1共役位置CP1、第2共役位置CP2の近傍に配置されているため、中間光学系30の大型化や投影系PLの長大化を招くことなく、第1、第2光学系31、32からの露光光ELを第3光学系33に導くことができる。
そして、本実施形態の投影系PLも、第1照明領域IA1に対応した第1露光領域AR1と第2照明領域IA2に対応した第2露光領域AR2とを備えており、これらの第1、第2露光領域AR1、AR2は、所定の走査方向(Y軸方向)を横切る方向(X軸方向)に長手方向を有するスリット形状である。従って、第1〜第4共役位置CP1〜CP4の近傍での露光光ELの断面形状はX軸方向に長手方向を有する形状となっているため、凹面ミラー341、342の前後での光路分離を容易に行うことができるばかりでなく、第1、第2光学系31,32からの露光光ELのそれぞれを中間光学系30を用いて容易に第3光学系33に導入することができる。
本実施形態においても、スループットの低下を招くことなく、1回のスキャン動作で基板P上の各ショット領域SHを多重露光することができる。また、本実施形態の投影系PLにおいても、偏光ビームスプリッタを用いることなく、第1マスクM1からの露光光ELと第2マスクM2からの露光光ELとを第3光学系33へ導くことができるので、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに、所望の状態(偏光状態)の露光光ELを照射することができる。また、本実施形態の投影系PLにおいては、第1、第2光学系31、32のそれぞれが凹面ミラー341、342を有しているので、いわゆるペッツバール(Petzval)和を零に近づけやすく、投影系PLの像側開口数が大きくても、大きな露光領域(AR1、AR2)を得ることができる。
また、本実施形態においては、第1、第2光路折り曲げ鏡FM1、FM2と中間光学系30の各反射面との間に像共役位置(第1、第2共役位置CP1、CP2)が位置しているため、第1、第2光路折り曲げ鏡FM1、FM2での反射による偏光の影響と、中間光学系30の各反射面での反射による偏光の影響とが逆方向の影響となる。これにより、露光光ELが偏光光であっても、その偏光状態への影響を低減することができる。
なお、第4、第5実施形態において、DMDでパターン化された露光光ELを、図5、図7を参照して説明した投影系PLに入射し、基板P上に規定された第1、第2露光領域AR1、AR2に露光光ELを照射するようにしてもよい。この場合、マスクステージを設けなくてもよい。
なお、第4、第5実施形態においても、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の少なくとも一方で液浸露光を実行するようにしてもよい。
また、第4、第5実施形態においても、第1露光領域AR1に照射される露光光ELによる基板Pの露光と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELによる基板Pの露光とで、露光条件を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1マスクM1の第1パターンと第2マスクM2の第2パターンとの違いを考慮して、第1パターンの照明条件と第2パターンの照明条件とを異ならせるようにしてもよい。
また、第1マスクM1、第2マスクM2の種類を異ならせてもよい。例えば一方を位相シフトマスクとし、他方をバイナリーマスクとすることができる。
また、第4、第5実施形態において、第1マスクM1からの露光光ELが通過する第1光学系31の一部の光学素子と、第2マスクM2からの露光光ELが通過する第2光学系32の一部の光学素子とを移動及び/又は傾斜可能にして、第1露光領域AR1に投影されるパターン像と第2露光領域AR2に投影されるパターン像とをそれぞれ独立に調整するようにしてもよい。
なお、第4、第5実施形態においては、第1マスクM1に第1パターンが形成され、第1マスクM1とは別の第2マスクM2に第2パターンが形成されているが、1つのマスク上に第1パターン及び第2パターンを形成してもよい。その1つのマスク上に設けられている第1パターンの像と第2パターンの像とで基板Pを多重露光することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第6実施形態について説明する。図8は、第6実施形態に係る露光装置EXの概略構成図、図9は、その露光装置EXの斜視図である。本実施形態の第1実施形態と異なる点は、第1、第2投影系PL1、PL2のそれぞれが複数の投影系を備え、第1、第2パターン形成装置3A、3Bからの露光光ELがそれぞれ複数の投影系を介して第1、第2露光領域AR1、AR2に照射されることである。以下では、その差異を中心に説明し、上述の第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第6実施形態について説明する。図8は、第6実施形態に係る露光装置EXの概略構成図、図9は、その露光装置EXの斜視図である。本実施形態の第1実施形態と異なる点は、第1、第2投影系PL1、PL2のそれぞれが複数の投影系を備え、第1、第2パターン形成装置3A、3Bからの露光光ELがそれぞれ複数の投影系を介して第1、第2露光領域AR1、AR2に照射されることである。以下では、その差異を中心に説明し、上述の第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態において、第1、第2投影系PL1、PL2はそれぞれ、XY平面上で露光光ELの照射領域がX軸及びY軸方向に関して異なる位置に配置される複数(本例では8つ)の投影系PLa〜PLhを備えている。以下の説明においては、8つの投影系PLa〜PLhのそれぞれを適宜、第1〜第8投影モジュールPLa〜PLhと称する。また、以下においては、投影モジュールを説明するときに、第1投影モジュールPLaについて主に説明する場合があるが、本実施形態においては、各投影モジュールPLa〜PLhはほぼ同じ構成を有する。
本実施形態の第1、第2照明系IL1、IL2(図8では不図示)は、上述の第1、第2実施形態で説明したような、反射素子2を有するDMDをそれぞれ含む第1、第2パターン形成装置3A、3Bを露光光ELで照明する。
第1〜第8投影モジュールPLa〜PLhはそれぞれ、基板Pの表面が対向して配置される下面(光射出面)を有する終端光学素子FLを備えている。投影モジュールPLa〜PLhの下面はそれぞれほぼ同じ高さ(面一)となっている。このように、第1投影系PL1及び第2投影系PL2のそれぞれは、基板ステージ4に保持された基板Pの表面が対向して配置される複数の終端光学素子FLを有し、終端光学素子のそれぞれから露光光ELを射出する。
第1投影系PL1の複数の投影モジュールPLa〜PLhのうち、第1群の投影モジュールPLa、PLc、PLe、PLgがX軸方向に沿って列を成して配置され、第2群の投影モジュールPLb、PLd、PLf、PLhもX軸方向に沿って列を成して配置されている。また、第1群の投影モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、第2群の投影モジュールPLb、PLd、PLf、PLhとは、Y軸方向に離れかつX軸方向に所定量ずれて配置され、全体で千鳥状に配置されている。すなわち、第1群の投影モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、第2群の投影モジュールPLb、PLd、PLf、PLhとは、X軸方向に関して位置が互いにずれかつほぼ同じ配列間隔を有する。なお、複数の投影モジュールPLa〜PLhは上記構成に限られるものでなく、投影領域(露光光の照射領域)がX軸方向に関して所定間隔で配置されていれば、その構成は任意で構わない。
第2投影系PL2は、基板Pの走査方向(Y軸方向)に関して第1投影系PL1と離れて配置されるとともに、その複数の投影モジュールPLa〜PLhが、第1投影系PL1の複数の投影モジュールPLa〜PLhと同様に配置されている。
投影モジュールPLa〜PLhに入射した露光光ELは、終端光学素子FLの下面からそれぞれ射出され、基板P上に照射される。本実施形態では、第1、第2投影系PL1、PL2を介して露光光ELが照射される第1、第2露光領域AR1、AR2はそれぞれ、複数の投影モジュールPLa〜PLhの投影領域から構成される。
図10は、基板P上の第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と、基板P上のショット領域SHとの関係を示す模式図である。図10において、第1投影系PL1の投影モジュールPLa〜PLhは、基板P上の複数の照射領域51a〜51hに露光光ELを照射する。照射領域51a〜51hは、それぞれ投影モジュールPLa〜PLhの視野内でパターン像が生成される投影領域に対応する。第1露光領域AR1は、複数の照射領域51a〜51hにより構成される。
照射領域51a〜51hは、所定の形状、例えば矩形状(本実施形態ではほぼ正方形状)に設定され、かつX軸方向の幅がほぼ同一となっている。照射領域51a〜51hのうち、第1群の照射領域51a、51c、51e、51gはその中心がX軸と平行な第1直線上に設定されるようにX軸方向に沿って所定間隔で配置され、第2群の照射領域51b、51d、51f、51hもその中心がX軸と平行な第2直線上に設定されるようにX軸方向に沿って第1群の照射領域と同じ間隔で配置されている。また、第1群の照射領域51a、51c、51e、51gと、第2群の照射領域51b、51d、51f、51hとは、Y軸方向に離れかつX軸方向にずれて配置されている。本実施形態では、第1群の照射領域と第2群の照射領域とは、Y軸方向に関して第1群の照射領域の+Y側のエッジと第2群の照射領域の−Y側のエッジとが同一位置に配置され、X軸方向に関して照射領域の幅だけずれて配置される。さらに、照射領域51a〜51hは、X軸方向に関する露光光ELの強度分布がその両端にそれぞれ、強度が徐々に減少する傾斜部(スロープ部)を有する、すなわち本実施形態ではX軸方向の強度分布がほぼ台形状となるように、それぞれ露光光ELが照射される。
なお、図10では、強度がピーク値の半分となる露光光ELの照射領域が示されているので、X軸方向に関して第1群の照射領域の−X側(+X側)のエッジと第2群の照射領域の+X側(−X側)のエッジとが同一位置となるように、第1及び第2群の照射領域が示されている。しかし実際には、X軸方向に関しては図10の照射領域よりも僅かに広い領域に露光光ELが照射される。具体的には、X軸方向に関して第1群の照射領域と第2群の照射領域とがその端部で部分的に重なる、すなわち、X軸方向に関して第1群の照射領域の−X側(+X側)の周辺部と第2群の照射領域の+X側(−X側)の周辺部とが重なるように、図10の照射領域よりも、±X側の周辺部の1つに対応した幅だけ広い領域に露光光ELが照射される。また、前述したX軸方向の強度分布のうち両端のスロープ部は、照射領域の±X側の周辺部にそれぞれ設定されるとともに、第1群の照射領域の−X側(+X側)の周辺部と第2群の照射領域の+X側(−X側)の周辺部とによって、基板P上の同一領域(重複領域)が走査露光される。これにより、本実施形態では、投影モジュールPLa〜PLhと基板PとをY軸方向に相対的に移動しつつ基板Pを露光したときに、基板P上のショット領域内の各位置での積算露光量が等しくなる。
また、投影モジュールPLa〜PLhの各照射領域では、前述したX軸方向の強度分布がその両端にスロープ部を有するものとしたが、例えば、基板P上で少なくともX軸方向に並ぶ複数のショット領域のスティッチング露光を行わない場合などは、投影モジュールPLaの照射領域51aの+X側周辺部、及び投影モジュールPLhの照射領域の−X側周辺部での各強度分布をスロープ部としなくてよい、あるいは露光時にマスクブラインド系によってその周辺部への露光光ELの照射を阻止してもよい。さらに、投影モジュールPLa〜PLhの各照射領域は、Y軸方向に関する露光光ELの強度分布がほぼ矩形状となるように露光光ELが照射される。また、投影モジュールPLa〜PLhの各照射領域は基板P上でほぼ正方形状であるものとしたが、その形状は正方形以外、例えばX軸方向に沿って一対の平行な辺が配置される台形または平行四辺形、あるいは菱形などでもよい。
同様に、第2投影系PL2の投影モジュールPLa〜PLhは、基板P上の複数の照射領域52a〜52hに露光光ELを照射し、その照射領域にパターン像を生成する。第2露光領域AR2は、複数の照射領域52a〜52hにより構成される。
第2投影系PL2における複数の照射領域52a〜52hの配置は、第1投影系PL1における複数の照射領域51a〜51hの配置とほぼ同等である。第1投影系PL1における複数の照射領域51a〜51hを含む第1露光領域AR1と、第2投影系PL2における複数の照射領域52a〜52hを含む第2露光領域AR2とは、Y軸方向に離れている。図10に示すように、本実施形態においても、第1露光領域AR1の中心と第2露光領域AR1の中心とのY軸方向の距離が、一つショット領域SHのY軸方向の大きさよりも小さい。
制御装置7は、基板P上のショット領域SHが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とに対して相対移動されるように基板PをY軸方向に移動することによって、第1露光領域AR1に照射される露光光ELで形成される第1パターンの像と、第2露光領域AR2に照射される露光光ELで形成される第2パターンの像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光する。
以上説明したように、本実施形態においても、基板P上のショット領域SHを1回のスキャン動作で多重露光することができ、スループットを向上できる。また、基板P上での第1パターンと第2パターンとの位置合わせ精度も向上できる。
また、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに露光光ELを照射するために複数の投影モジュールPLa〜PLhを設けたので、各投影モジュールPLa〜PLhの光学素子の大型化を抑え、投影モジュールPLa〜PLhの光学特性を良好に維持しつつ、解像度を向上することができる。すなわち、所定の大きさを有するショット領域SHを1つの投影系で露光する場合、解像度の向上を図るために投影系の開口数を大きくすると、投影系の光学素子の大型化を招く可能性がある。大型な光学素子は、製造が困難であったり、製造コストが上昇する可能性がある。一方、光学素子を大型化することなく、開口数を大きくしようとすると、1つの投影系(投影モジュール)による投影領域が小さくなり、1回の走査露光で露光できるショット領域の大きさも小さくなってしまう。本実施形態においては、複数の投影モジュールPLa〜PLhを並べて設け、各投影モジュールPLa〜PLhを用いて基板Pの所定のショット領域SHを露光するので、各投影モジュールPLa〜PLhの光学素子の大型化を抑えつつ、高い解像度で所望の大きさを有するショット領域SHを露光することができる。
なお、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはY軸方向に離れているが、図11に示すように、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とをY軸方向において接近させてもよいし、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはその一部がY軸方向において重複していてもよい。
また、第1、第2パターン形成装置3A、3Bはそれぞれ複数のDMDを備えてもよい。例えば、第1投影系PL1の投影モジュールPLa〜PLhに関して照射領域51a〜51hと光学的に共役な領域にそれぞれ対応して配置されるDMDを備えてもよい。さらに、照明系IL1、IL2は、第1、第2パターン形成装置3A、3Bの一部、すなわち、照射領域51a〜51h、52a〜52hに像が形成されるパターンを生成するのに必要な複数の領域(照射領域と共役な領域を含む)のみ、露光光で照明してもよいし、あるいは、その複数の領域を含む所定領域全体を露光光で照明してもよい。また、本実施形態でも、前述の第1実施形態と同様に、マスクブラインド系、及び/又はDMDによって、第1、第2露光領域AR1、AR2による走査露光の開始及び終了を制御することが好ましい。
なお、本実施形態では、複数の投影モジュールPLa〜PLhの照射領域を第1群と第2群とに分け、その群毎に複数の照射領域をXY平面上でX軸方向と平行に一列に配置するものとしたが、複数の照射領域の配置はこれに限られるものではない。例えば、複数の照射領域を3つ以上の群に分け、この3つ以上の群をX軸方向に離して配置してもよい。この場合、本実施形態と同様に、全ての照射領域のX軸方向の位置を異ならせることが好ましい。また、各群の複数の投影領域の列はX軸方向と交差してもよく、要はY軸方向と交差する方向と平行であればよい。さらに、各群の複数の照射領域を一列に配置しなくてもよく、例えば上記列がX軸方向と平行である場合は、上記列をなす複数の照射領域の一部又は全部についてY軸方向の位置を異ならせてもよい。要は、複数の照射領域がY軸方向に関して所定間隔で配置されていればよい。また、複数の投影モジュールの照射領域を複数の群に分けず、複数の照射領域をY軸方向に関して所定間隔で配置する、例えばX軸方向と平行に一列に配置してもよい。この場合、少なくとも2回の走査露光によって、基板上の1つのショット領域の全体が露光されることになる。例えば、複数の照射領域のX軸方向の間隔を、1つの照射領域のX軸方向の幅と等しく設定する場合、+Y軸方向に基板を移動する走査露光と、−Y軸方向に基板を移動する走査露光とによって、基板上の1つのショット領域の全体が露光される。ここで、基板はその2回の走査露光の間に、照射領域の間隔に応じた距離だけX軸方向に移動される。
<第7実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第6実施形態の変形例であり、上述の第6実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。第7実施形態の露光装置EXにおいては液浸露光が行われる。なお、本実施形態の露光装置は、第2実施形態の露光装置との差異が投影系PL1、PL2の構成、及び液浸システム1A、1Bの一部(供給部材及び回収部材)の構成のみであるとも言える。本実施形態の投影系は第6実施形態と同一であるので、以下では、液浸システムについては第2実施形態との差異のみ、説明する。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第6実施形態の変形例であり、上述の第6実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。第7実施形態の露光装置EXにおいては液浸露光が行われる。なお、本実施形態の露光装置は、第2実施形態の露光装置との差異が投影系PL1、PL2の構成、及び液浸システム1A、1Bの一部(供給部材及び回収部材)の構成のみであるとも言える。本実施形態の投影系は第6実施形態と同一であるので、以下では、液浸システムについては第2実施形態との差異のみ、説明する。
図12は、第7実施形態に係る露光装置の斜視図である。図12に示すように、本実施形態の露光装置EXは、第1、第2投影系PL1、PL2でそれぞれ複数の投影モジュールPLa〜PLhの終端光学素子FLと基板Pの表面との間の露光光ELの光路を含む空間を液体LQで満たして第1、第2液浸領域LR1、LR2を形成し、その液体LQを介して基板Pを露光する。図12に示す液浸システム1A、1Bは、投影モジュールPLa〜PLhを囲むように設けられた回収口22A、22Bを有する回収部材23A、23Bと、投影モジュールPLa〜PLhの間に配置された供給口を有する供給部材(不図示)とを備えている。回収口22A、22Bは、回収部材23A、23Bのうち基板Pの表面が対向して配置される下面に設けられている。供給口も、供給部材のうち基板Pの表面が対向して配置される下面に設けられている。
なお、本実施形態において、上述の第2実施形態と同様に、第1投影系PL1の露光光ELの光路を含む第1液浸領域LR1の液体LQと、第2投影系PL2の露光光ELの光路を含む第2液浸領域LR2の液体LQとはその種類(物性)が互いに異なっていてもよい。例えば、第1、第2液浸領域LR1、LR2の一方を、水(純水)で満たし、他方を、水よりも露光光ELに対する屈折率が高い液体で満たすようにしてもよい。また、第1液浸領域LR1と第2液浸領域LR2とで、液体の粘度、露光光ELの透過率、及び温度の少なくとも1つが互いに異なっていてもよい。また、
また、例えば、第1投影系PL1及び第2投影系PL2のいずれか一方の露光光ELの光路を液体LQで満たし、他方の露光光ELの光路を気体で満たすようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、第1露光領域AR1の複数の照射領域51a〜51hは、1つの液浸領域LR1で覆われるが、照射領域51a〜51hのそれぞれを別々の液浸領域で覆うようにしてもよい。同様に、第2露光領域AR2の複数の照射領域52a〜52hは、1つの液浸領域で覆われてもよいし、照射領域52a〜52hのそれぞれが別々の液浸領域で覆われてもよい。また、第1露光領域AR1の照射領域51a〜51hと、第2露光領域AR2の照射領域52a〜52hとを1つの液浸領域で覆うようにしてもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第8実施形態について説明する。本実施形態の露光装置EXの特徴的な部分は、第1マスクM1の第1パターンと第2マスクM2の第2パターンとの位置関係に関する情報を取得する検出システムを備えた点にある。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第8実施形態について説明する。本実施形態の露光装置EXの特徴的な部分は、第1マスクM1の第1パターンと第2マスクM2の第2パターンとの位置関係に関する情報を取得する検出システムを備えた点にある。
図13は、第8実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、上述の第4実施形態で説明した露光装置EXとほぼ同等の構成を有しており、図13は、図5で示した光学ユニットUを含む露光装置EXを模式的に示したものである。以下の説明において、上述の実施形態と同一または同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第4実施形態と同様、本実施形態の露光装置EXは、露光光ELで照明された第1、第2マスクM1、M2のパターンの像を基板P上に投影する投影系PLを備えている。第1マスクM1は第1パターンPA1を有し、第2マスクM2は第1パターンPA1とは異なる第2パターンPA2を有する。また、図13には示されていないが、上述の第4実施形態と同様、露光装置EXは、第1マスクM1及び第2マスクM2を保持するマスクステージ6(図6参照)を備えている。
また、本実施形態の露光装置EXも、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向(Y軸方向)への移動とを同期して行うことによって、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに露光光ELを照射して、基板P上のショット領域SHを露光する走査型の露光装置である。
第1マスクM1は、第1パターンPA1が形成された第1パターン形成面(下面)K1を有し、第2マスクM2は、第2パターンPA2が形成された第2パターン形成面(下面)K2を有する。第1マスクM1は、第1照明系IL1からの露光光ELで照明され、第2マスクM2は、第2照明系IL2からの露光光ELで照明される。上述の実施形態と同様、第1照明系IA1は、第1マスクM1上の第1照明領域IA1を露光光ELで照明し、第2照明系IA2は、第2マスクM2上の第2照明領域IA2を露光光ELで照明する。
投影系PLは、第1マスクM1の第1パターン形成面(下面)K1の第1照明領域(第1視野領域)IA1からの露光光ELを第1露光領域AR1に照射可能であり、第2マスクM2の第2パターン形成面(下面)K2の第2照明領域(第2視野領域)IA2からの露光光ELを第2露光領域AR2に照射可能である。
また、本実施形態の露光装置EXは、第1マスクM1の第1パターンPA1と第2マスクM2の第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得する検出システム80を備えている。図13に示すように、検出システム80は、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための検出光Lsを射出する照射装置81と、照射装置81から射出され、第1マスクM1の下面K1及び第2マスクM2の下面K2を介して検出光Lsを受光する受光装置82とを有している。本実施形態においては、受光装置82は、投影系PLの少なくとも一部を介して、照射装置81から射出された検出光Lsを受光する。検出システム80は、受光装置82の受光結果に基づいて、第1照明領域(第1視野領域)IA1に配置される第1パターンPA1と第2照明領域(第2視野領域)IA2に配置される第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得する。
本実施形態においては、照射装置81は、その少なくとも一部が第1マスクM1の上方に配置され、受光装置82は、その少なくとも一部が第2マスクM2の上方に配置されている。照射装置81は、第1マスクM1の下面K1の、第1照明領域IA1とは異なる第3照明領域IA3に、反射ミラー81Mを介して検出光Lsを照射する。
本実施形態においては、照射装置81は、露光光ELと同一波長の光を検出光Lsとして照射する。本実施形態においては、露光光ELの波長は193nmであるので、照射装置81も、193nmの波長を有する検出光Lsを照射する。この検出光Lsは、前述の光源装置とは別の光源から発生させてもよいし、あるいは、前述の光源装置から発生される露光光を用いてもよい。
第3照明領域IA3に照射された検出光Lsは、第1光学系31に入射する。第1照明領域IA1からの光(露光光EL)と、第3照明領域IA3からの光(検出光Ls)とは、第1光学系31において、互いに異なる光路を進行する。上述のように、第1照明領域IA1からの光(露光光EL)は、第1光学系31を介して、中間光学系30の第1反射面30Aに入射する。一方、第3照明領域IA3からの光(検出光Ls)は、第1光学系31を介して、中間光学系30を介さずに、第2光学系32に入射する。すなわち、第1光学系31は、第3照明領域IA3からの光(検出光Ls)を、第2光学系32に供給可能である。第3照明領域IA3の位置は、その第3照明領域IA3に照射された光(検出光Ls)が、第1光学系31を通過した後、中間光学系30を介さずに第2光学系32に供給されるように、投影系PLの各光学素子の配置などに応じて、最適な位置に設定されている。
第2光学系32に入射した検出光Lsは、第2マスクM2の下面K2の、第2照明領域IA2とは異なる第4照明領域IA4に照射され、第2マスクM2を介して、受光装置82に入射する。このように、本実施形態においては、受光装置82は、第3照明領域IA3(下面K1)からの検出光Lsを、投影系PLの中間光学系30を介さずに、第1光学系31、第2光学系32、及び第4照明領域IA4(下面K2)を介して受光する。
図14は、マスクステージ6(図14では不図示)に保持された第1マスクM1及び第2マスクM2を示す平面図である。第1マスクM1は、第1マスクM1の第1パターンPA1が形成された下面K1とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクステージ6に保持され、第2マスクM2は、第2マスクM2の第2パターンPA2が形成された下面K2とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクステージ6に保持される。なお、第1、第2マスクM1、M2の下面K1、K2は投影系PLの物体面に配置されている。図14に示すように、露光光ELが照射される第1照明領域IA1、及び第2照明領域IA2は、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されている。検出光Lsが照射される第3照明領域IA3は、第1照明領域IA1と異なる位置に設定され、第1マスクM1、第1光学系31,第2光学系32を介して、検出光Lsが照射される第4照明領域IA4は、第2照明領域IA2とは異なる位置に設定されている。
図14に示すように、第1マスクM1は、第1パターンPA1と所定の位置関係で形成された第1アライメントマークRM1を備えており、第2マスクM2は、第2パターンPA2と所定の位置関係で形成された第2アライメントマークRM2を備えている。
第1アライメントマークRM1は、第1マスクM1の下面K1のうち、第1パターンPA1が形成された第1パターン形成領域SA1の外側に複数形成されている。本実施形態においては、13個の第1アライメントマークRM1(RM11〜RM113)は、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の+X側及び−X側の外側の領域のそれぞれにおいて、第1マスクM1の走査方向(Y軸方向)に沿って形成されている。また、第1アライメントマークRM1は、第3照明領域IA3内に配置可能であり、照射装置81は、検出光Lsで第1アライメントマークRM1を照明可能である。第2アライメントマークRM2は、第2マスクM2の下面K2のうち、第2パターンPA2が形成された第2パターン形成領域SA2の外側に複数形成されている。本実施形態においては、13個の第2アライメントマークRM2(RM21〜RM213)は、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の+X側及び−X側の外側の領域のそれぞれにおいて、第2マスクM2の走査方向(Y軸方向)に沿って形成されている。また、第2アライメントマークRM2は、第4照明領域IA4内に配置可能であり、照射装置81は、第1マスクM1、第1光学系31、及び第2光学系32を介して、検出光Lsで第2アライメントマークRM2を照明可能である。本実施形態においては、第1アライメントマークRM1(RM11〜RM113)と第2アライメントマークRM2(RM21〜RM213)とは、互いに対応するように第1マスクM1上及び第2マスクM2上のそれぞれに形成されている。マスクステージ6を制御して、マスクM1とマスクM2とをY軸方向に移動することによって、第3照明領域IA3には第1アライメントマークRM1が順次配置され、第3照明領域IA3に配置された第1アライメントマークRM1に対応する第2アライメントマークRM2が第4照明領域IA4に順次配置される。図14においては、第1マスクM1のアライメントRM17が第3照明領域IA3内に配置され、アライメントRM17に対応する第2マスクM2のアライメントマークRM27が第4照明領域IA4内に配置されている。
第1アライメントマークRM1が配置される第3照明領域IA3、及び第2アライメントマークRM2が配置される第4照明領域IA4を介した検出光Lsは、受光装置82に入射する。受光装置82は、第1アライメントマークRM1及び第2アライメントマークRM2を介して照射装置81からの検出光Lsを受光する。
図15は、受光装置82を下方(ウエハ側)から見た概念図である。図15において、受光装置82は、検出光Lsを透過可能な透過部(開口)86が形成された板部材85と、板部材85の透過部86を通過した光を光学系を介して受光する受光素子84とを備えている。受光素子84は、板部材85の+Z側に配置されており(図13参照)、透過部86を介した検出光Lsを受光可能である。板部材85は、例えば石英などによって形成されており、検出光Lsを透過可能である。透過部86は、板部材85の第2マスクM2側(−Z側)の面85Aに例えばCr(クロム)等の金属で形成された遮光領域に開口を形成したものである。透過部86は、第3、第4照明領域IA3,IA4に合わせて、X軸方向に離れた2つの位置のそれぞれに形成されている。不図示ではあるが、板部材85と受光素子84との間には所定の光学系が配置されており、板部材85の透過部86を通過した光は、その光学系を介して受光素子84に受光される。受光素子84の受光面は、この光学系に関して第2マスクM2の下面K2と光学的に共役に配置されている。受光素子84は、例えば撮像素子(CCD等)、フォト・マルチプライヤ・チューブ(PMT、光電子増倍管)等の光電変換素子を含む。
本実施形態では、第2パターン形成領域SA2の±X側に配置される一対の第2アライメントマークRM2に対応して2つの透過部86がX軸方向に離れて配置される。このため、実際には、受光装置82は2つの透過部86に対応して2組の光学系及び受光素子84を備えている。なお、その一対の第2アライメントマークRM2に対応して2つの受光装置82を設けてもよい。また、第3、第4照明領域IA3、IA4をY軸方向に広げて、Y軸方向に並ぶ複数の第1、第2アライメントマークRM1、RM2を検出可能としてもよい。
受光素子84の受光面は、第1マスクM1の下面K1、及び第2マスクM2の下面K2と光学的に互いに共役な位置(又はその近傍)に配置されている。なお、例えば投影系PLの構成などによっては、第1、第2光学系31、32に関して第1マスクM1の下面K1と第2マスクM2の下面K2とが光学的に共役とならないことがある。この場合、検出光Lsの光路に補正光学系を設け、第1マスクM1の下面K1と第2マスクM2の下面K2とを光学的に共役な関係にすることが好ましい。
照射装置81より射出され、第1マスクM1、投影系PLの一部、及び第2マスクM2を介した検出光Lsは、受光装置82に入射する。第3、第4照明領域IA3、IA4のそれぞれに第1、第2アライメントマークRM1(例えばRM17)、RM2(例えばRM27)が配置された場合、透過部86及び光学系を介して第1、第2アライメントマークRM1、RM2からの検出光Lsが受光素子84に入射し、その受光面には、第1、第2アライメントマークRM1(例えばRM17)、RM2(例えばRM27)の像が形成される。
図16は、第1、第2アライメントマークRM1、RM2の像が、受光素子84の受光面に形成されている状態の一例を示す模式図である。図16に示すように、受光素子84の受光面には、第1、第2アライメントマークRM1(例えばRM17)、RM2(例えばRM27)の像が形成される。
制御装置7は、受光素子84から出力される撮像信号を処理して、受光素子84の受光面に投影系PLの一部を介して形成される第1アライメントマークRM1の像と第2アライメントマークRM2の像との位置関係(相対的な位置ずれ)を求める。なお、制御装置7は、受光素子84の受光面と、上述の計測システム70で規定されるXY座標系との対応関係(方向、及びスケールなど)を管理しており、第1アライメントマークRM1の像と第2アライメントマークRM2の像との位置ずれを求めることによって、計測システム70で規定されるXY座標系内における第1アライメントマークRM1と第2アライメントマークRM2との相対的な位置関係、例えばX軸及びY軸方向の位置ずれ(目標相対位置からのずれ)を求めることができる。また、制御装置7はXY座標系内における第1、第2アライメントマークRM1、RM2の位置も求めることができる。
また、上述したように、第1マスクM1上の第1パターンPA1と第1アライメントマークRM1とは所定の位置関係で形成されており、第2マスクM2上の第2パターンPA2と第2アライメントマークRM2とは所定の位置関係で形成されている。したがって、制御装置7は、受光装置82の受光結果から得られる第1、第2アライメントマークRM1、RMの位置関係に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係(例えば、X軸及びY軸方向の位置ずれ)に関する情報を取得することができる。なお、本実施形態においては、X軸方向に離れた一対の第1アライメントマークRM1と、対応する一対の第2アライメントマークRM2との位置関係を検出することができるので、制御装置7はその2組の第1、第2アライメントマークRM1、RMの位置関係に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との相対的な回転位置関係(θZ方向の位置ずれ)に関する情報も求めることができる。また、制御装置7はXY座標系内における第1、第2パターンPA1、PA2の位置及び回転も求めることができる。
制御装置7は、検出システム80を用いて取得した第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を調整する。
本実施形態において、制御装置7は、基板P上のショット領域SHを走査露光(多重露光)する動作と、検出システム80を用いた第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得する動作とを並行して行う。すなわち、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1、第2マスクM1、M2を走査方向(Y軸方向)へ移動しながら、制御装置7は、検出システム80を用いて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。
制御装置7は、基板P上のショット領域SHを多重露光する動作の少なくとも一部と並行して、第3照明領域IA3内に順次配置される第1アライメントマークRM1と第4照明領域IA4に順次配置される第2アライメントマークRM2との位置関係を、検出システム80を用いて順次取得し、その取得した情報に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を調整しつつ、第1照明領域IA1からの露光光EL及び第2照明領域IA2からの露光光ELを第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射する。露光光ELが照射される第1照明領域IA1と検出光Lsが照射される第3照明領域IA3とは異なる位置に設定され、露光光ELが照射される第2照明領域IA2と検出光Lsが照射される第4照明領域IA4とは異なる位置に設定されており、制御装置7は、露光光ELの照射動作を含む基板P上のショット領域SHの露光動作と、検出光Lsの照射動作を含む検出システム80を用いた第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得する動作とを並行して行うことができる。
制御装置7は、基板P上のショット領域SH内の所望位置に、第1、第2パターンPA1、PA2の像のそれぞれが投影されるように、そのショット領域SHの露光中に、第1、第2照明領域IA1、IA2に対して第1、第2パターンPA1、PA2が所望位置に配置されるように、第1パターンPA1及び第2パターンPA2の少なくとも一方の位置及び/又は回転を調整する。
基板P上のショット領域SHを多重露光するために、第1マスクM1と第2マスクM2とを走査方向(Y軸方向)に移動したとき、第1パターンPA1とともに第1アライメントマークRM1が走査方向(Y軸方向)に移動し、第2パターンPA2とともに第2アライメントマークRM2が走査方向(Y軸方向)に移動する。図14に示したように、第1アライメントマークRM1は、第1マスクM1に走査方向(Y軸方向)に沿って複数形成され、第2アライメントマークRM2は、第2マスクM2に走査方向(Y軸方向)に沿って複数形成されている。したがって、基板P上のショット領域SHを多重露光するために、第1マスクM1と第2マスクM2とを各走査方向(Y軸方向)に移動したとき、第3照明領域IA3には複数の第1アライメントマークRM1のそれぞれが順次配置され、第4照明領域IA4には複数の第2アライメントマークRM2のそれぞれが順次配置される。したがって、検出システム80を使って、基板P上のショット領域SHを多重露光するために、第1マスクM1と第2マスクM2とを各走査方向(Y軸方向)に移動しているときに、第1アライメントマークRM1の像と第2アライメントマークRM2の像との位置関係を順次取得することができ、その取得した位置関係に基づいて、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。
本実施形態の露光装置EXを用いた露光動作(露光方法)を図13〜15及び図21を参照しながら説明する。まず、第1照明系IA1により、第1マスクM1上の第1照明領域IA1を露光光ELで照明し、所定のタイミングで第2照明系IA2により第2マスクM2上の第2照明領域IA2を露光光ELで照明する。第1マスクM1の第1パターン形成面(下面)K1の第1照明領域IA1からの露光光ELは投影系PLにより第1露光領域AR1に照射される(SS1)。また、第2マスクM2の第2パターン形成面(下面)K2の第2照明領域IA2からの露光光ELは投影系PLを介して第2露光領域AR2に照射される(SS2)。
このように第1露光領域AR1が照射されて基板P上のショット領域SHが露光されている第1のタイミングにおいて、例えば、図14に示すように、第1マスクM1上の複数の第1アライメントマークRM1のうち、第1アライメントマークRM17を第3照明領域IA3において検出光Lsで照明し、第2マスクM2上の複数の第2アライメントマークRM2のうち、第2アライメントマークRM27を第4照明領域IA4において検出光Lsで照明するものとする。なお、第1のタイミングは、第2照明系IA2により第2マスクM2上の第2照明領域IA2が露光光ELで照明開始される前が望ましい。
第1のタイミングにおいて、第1アライメントマークRM17の像と第2アライメントマークRM27の像とを受光素子84により同時に検出する(SS3)。すなわち、第1パターン形成面K1及び第2パターン形成面K2を介した検出光Lsを検出する。第1パターンPA1と第2パターンPA2とが目標相対位置からずれている場合、受光素子84の受光面において第1アライメントマークRM17の像と第2アライメントマークRM27の像とに位置ずれが生じる。こうして、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を取得することができる(SS4)。
したがって、制御装置7は、複数のタイミングのそれぞれにおいて、各タイミングに対応する第1アライメントマークRM1の像と第2アライメントマークRM2の像の受光素子84の受光面上での位置情報(位置関係)を求めることによって、複数のタイミングのそれぞれにおいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を取得することができる。
そして、制御装置7は、基板P上のショット領域SHの多重露光中に、第1パターンPA1と第2パターンPA2とが所望の位置関係になるように、検出システム80(受光装置82)の出力に基づいて、第2ステージ62及び第3ステージ63の少なくとも一方の位置及び/又は回転を調整する(SS5)。この調整を行いながら制御装置7は、基板P上のショット領域SHを多重露光する(SS6)。すなわち、本実施形態では、図21のフローチャートに示したように、基板の多重露光と、第1パターンPA1と第2パターンPA2の位置調整が並行して行われる。
これにより、第1マスクM1の第1パターンPA1と第2マスクM2の第2パターンPA2と基板P上のショット領域SHとの位置関係は常に所望状態に調整され、第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とを基板P上のショット領域SH内の所望位置に形成することができる。
以上説明したように、制御装置7は、検出システム80を用いて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができ、その検出システム80で取得した情報に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を調整することができる。したがって、第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とを基板P上のショット領域SH内の所望位置に形成することができる。
なお、本実施形態において、照射装置81は、露光光ELと異なる波長(例えば633nmの波長)の光を検出光Lsとして照射してもよい。この場合も、検出システム80は、照射装置81から射出した検出光Lsを第3照明領域IA3に照射することによって、中間光学系30を介さずに、受光装置82に入射させることができる。ただし、受光素子84の受光面、第1マスクM1の下面K1、及び第2マスクM2の下面K2は、光学的に互いに共役な位置(又はその近傍)となるように、検出光Lsの光路上に不図示の光学系が配置されている。一方、検出システム80は、基板Pに検出光Lsが照射されることなく、照射装置81からの検出光Lsを受光装置82に入射させているので、本実施形態のように、検出光Lsとして露光光ELと同じ波長の光を用いても、基板Pを露光することなく、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。
なお、本実施形態においては、検出光Lsは第1マスクM1に先に照射され、第1マスクM1、第1光学系31、第2光学系32、及び第2マスクM2を介して受光装置82で検出光Lsを受光しているが、検出システム80は、検出光Lsを第2マスクM2に先に照射してもよい。第1光学系31と第2光学系32とはほぼ同じ構成であり、第2マスクM2に照射された検出光Lsは、第2光学系32、及び第1光学系31を介して、第1マスクM1の第3照明領域IA3に照射される。検出システム80は、その第1マスクM1の第3照明領域IA3からの検出光Lsを受光装置82を用いて受光することによって、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を取得することができる。
また、本実施形態において、基板Pのショット領域SHの露光中に、検出システム80を使って第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得しているが、基板Pの露光を開始する前に、検出システム80を使って第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得してもよい。この場合、制御装置7は、基板Pの露光を開始する前に、マスクステージ6の第1ステージ61を使って、第1マスクM1と第2マスクM2をY軸方向に移動し、第3照明領域IA3内に順次配置される第1アライメントマークRM1と第4照明領域IA4に順次配置される第2アライメントマークRM2との位置関係(第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係)を検出システム80を用いて取得する。さらに、制御装置7は、検出システム80を用いて取得した情報に基づいて、基板Pの露光を開始する前に、第1マスクM1の第1パターンPA1と第2マスクM2の第2パターンPA2とが所望の位置関係となるように、マスクステージ6の第2ステージ62及び第3ステージ63の少なくとも一方の位置及び/又は回転を調整する。そして、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係の調整を行った後、制御装置7は、その第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を維持しつつ、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板Pの所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の所定の走査方向(Y軸方向)への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の所定の走査方向(Y軸方向)への移動とを同期して行い、第1露光領域AR1に形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に形成される第2パターンPA2の像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光する。このように、基板Pの露光を開始する前に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を取得するとともに、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を調整することによって、第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とを基板P上のショット領域SH内の所望位置に形成することができる。なお、検出システム80を使って、基板Pの露光を開始する前に取得された第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報に基づいて、基板Pの各ショットの露光中に第1パターンPA1と第2パターンPA2の位置関係を調整するようにしてもよい。もちろん、基板Pの露光前、及び基板Pの露光中に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係の取得と、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係の調整を実行するようにしてもよい。
<第9実施形態>
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第9実施形態について説明する。第9実施形態は、上述の第8実施形態の変形例であり、上述の第8実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。本実施形態の露光装置EXの特徴的な部分は、第1照明系IL1からの露光光EL及び第2照明系IL2からの露光光ELの少なくとも一方の一部を、第3照明領域IA3及び第4照明領域IA4の少なくとも一方に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための検出光として照射する点にある。
次に、本発明の露光装置及び露光方法の第9実施形態について説明する。第9実施形態は、上述の第8実施形態の変形例であり、上述の第8実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。本実施形態の露光装置EXの特徴的な部分は、第1照明系IL1からの露光光EL及び第2照明系IL2からの露光光ELの少なくとも一方の一部を、第3照明領域IA3及び第4照明領域IA4の少なくとも一方に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための検出光として照射する点にある。
図17は、第9実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。上述の第8実施形態と同様、投影系PLは、第1照明領域IA1からの露光光ELを第1露光領域AR1に照射し、第2照明領域IA2からの露光光ELを第2露光領域AR2に照射する。
本実施形態の第1照明系IL1は、露光光ELを照射する照明領域を調整することができる。第1照明系IL1は、照明領域の位置及び/又は大きさを調整可能な可変視野絞り(マスクブラインド系)等を含む光学機構BR1を備えている。制御装置7は、その光学機構BR1を制御することによって、第1マスクM1上での照明領域の位置及び/又は大きさを調整することができる。すなわち、基板露光動作では露光光ELを第1照明領域IA1に照射し、アライメントマーク検出動作では露光光ELを検出光として第3照明領域IA3に照射する。アライメントマーク検出動作では、光学機構BR1によって、例えば、第1マスクM1の少なくとも1つの第1アライメントマークRM1を含むように第1照明領域IA1を拡大し、この拡大した照明領域(第3照明領域IA3)に露光光ELを照射してもよいが、本実施形態では、少なくとも1つの第1アライメントマークRM1を含むように第1照明領域IA1を移動し、この移動した照明領域(第3照明領域IA3)に露光光ELを照射する。
本実施形態においては、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための検出光として、第1照明系IL1から射出される露光光ELを用いる。制御装置7は、基板Pの露光を開始する前に、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための動作を実行する。制御装置7は、第1照明系IL1の光学機構BR1を制御して、露光光ELを第3照明領域IA3に照射する。これにより、第1照明系IL1から第3照明領域IA3に入射した露光光ELは、第1光学系31によって、中間光学系30を介さずに、第2光学系32に入射する。第2光学系32に入射した露光光ELは、第4照明領域IA4に照射される。第4照明領域IA4の上方には受光装置82が配置されており、受光装置82は、第4照明領域IA4からの露光光ELを検出光として受光する。制御装置7は、上述の第8実施形態と同様にして、受光装置82の受光結果に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。
図18は、本実施形態に係るマスクステージ6(図6参照)に保持された第1マスクM1及び第2マスクM2を示す平面図の一例である。本実施形態においては、第1アライメントマークRM1は、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1内の+X側及び−X側のエッジ領域のそれぞれにおいて、第1マスクM1の走査方向(Y軸方向)に沿って複数形成されている。第1アライメントマークRM1は、第3照明領域IA3内に配置可能であり、第1照明系IL1からの露光光ELで照明される。第2アライメントマークRM2は、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2内の+X側及び−X側のエッジ領域のそれぞれにおいて、第2マスクM2の走査方向(Y軸方向)に沿って複数形成されている。第2アライメントマークRM2は、第4照明領域IA4内に配置可能であり、第1マスクM1、第1光学系31、及び第2光学系32を介した第1照明系IL1からの露光光ELで照明される。第1アライメントマークRM1と第2アライメントマークRM2とは、互いに対応するように第1マスクM1上及び第2マスクM2上のそれぞれに形成されている。
受光装置82は、第4照明領域IA4からの第1、第2アライメントマークRM1、RM2を介した露光光ELを検出光として受光する。制御装置7は、受光装置82の受光結果に基づいて、第1、第2アライメントマークRM1、RMの位置関係を求めることができ、その位置関係に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。そして、制御装置7は、受光装置82の受光結果を用いて取得した、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報に基づいて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係を調整して、第1照明領域IA1からの露光光EL及び第2照明領域IA2からの露光光ELを、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射する。ここで、検出システム80による第1、第2アライメントマークRM1、RM2の検出後、制御装置7は光学機構BR1を制御して露光光ELを第1照明領域に照射可能とする。
なお、図18の例では、第1、第2アライメントマークRM1,RM2が、第1マスクM1,第2マスクM2のパターン形成領域SA1、SA2内に形成されているが、第3照明領域IA3の少なくとも一部をパターン形成領域SA1の外側に設定できる、例えば第3照明領域IA3をX軸方向に拡大することができる場合には、図14に示したように、第1、第2アライメントマークRM1,RM2を、第1マスクM1,第2マスクM2のパターン形成領域の外側に形成することもできる。
なお、本実施形態においては、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得するための露光光ELは、先に第1マスクM1に照射され、第1光学系31、第2光学系32、及び第2マスクM2を介して受光装置82で受光されるが、露光装置EXは、第2照明系IL2によって、第4照明領域IA4(第2マスクM2)に露光光ELを照射してもよい。第2照明系IL2に、例えば前述の光学機構BR1と同様の構成の光学機構を設け、第4照明領域の位置及び/又は大きさを調整可能とすることにより、制御装置7は、第2照明系IL2からの露光光ELを第4照明領域IA4に照射することができる。第1光学系31と第2光学系32とはほぼ同じ構成であり、第4照明領域IA4(第2マスクM2)に照射された露光光ELは、第2光学系32、及び第1光学系31を介して第3照明領域IA3に照射される。制御装置7は、第3照明領域IA3からの露光光ELを受光装置82で受光し、その受光した結果を用いて、第1パターンPA1と第2パターンPA2との位置関係に関する情報を取得することができる。
なお、上述の第8、第9実施形態においては、受光装置82は、投影系PLの少なくとも一部を介して検出光を受光しているが、投影系PLを介さずに、検出光を受光してもよい。例えば、第1マスクM1及び第2マスクM2の一方を介した検出光が入射する投影系PLとは別の専用の光学系を設け、その専用の光学系、及び第1マスクM1及び第2マスクM2の他方を介した検出光を、受光装置82で受光するようにしてもよい。
なお、上述の第8、第9実施形態においては、第1マスクM1及び第2マスクM2の一方に検出光を照射し、受光装置82は、その一方のマスクに照射された検出光を他方のマスクを介して受光しているが、例えば、第1パターンPA1及び第2パターンPA2の少なくとも一方と所定の位置関係で発光可能な発光素子を設け、その発光素子から発生した光を第1マスクM1及び第2マスクM2の少なくとも一方を介して受光してもよい。
なお、上述の第8、第9実施形態では、検出システム80が画像処理方式であるものとしたが、この検出システム80は画像処理方式に限られるものでなく他の方式を採用してもよい。例えば、第1、第2アライメントマークRM1、RM2から発生する回折光(又は散乱光)を検出する方式などを採用してもよい。この場合、第1、第2アライメントマークRM1、RM2を回折格子とし、コヒーレントな検出光Lsの照射によって第1、第2アライメントマークRM1、RM2の一方から発生する同次数(例えば±1次)の回折光を、第1、第2光学系31、32を介して他方のアライメントマークに照射し、この他方のアライメントマークから発生する2つの回折光を干渉させて受光してもよい。
また、上述の第8、第9実施形態ではY軸方向に関して第1、第2アライメントマークRM1、RM2を離散的に形成するものとしたが、例えばパターン形成領域の全域に渡って、第1、第2アライメントマークRM1、RM2を連続的に形成してもよい。さらに、第1、第2アライメントマークRM1、RM2は、マスクの中心を通りかつY軸と平行な直線に関して対称に配置されていなくてもよい。また、第1、第2マスクM1、M2をそれぞれ異なるマスクステージに保持してもよい。
なお、上述の第1〜第9実施形態において、第1パターンの像及び第2パターンの像の一方を形成するためにDMDを用い、他方を形成するためにマスク(レチクル)を用いるようにしてもよい。
また、上述の第1〜第9実施形態において、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の大きさと形状との少なくとも一方が異なっていてもよい。例えば、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とでX軸方向の幅及び/又はY軸方向の幅が異なっていてもよい。なお、X軸方向の幅が異なる場合には、ショット領域SH内の一部の領域だけが多重(二重)露光される。
また、上述の各実施形態においては、ショット領域SHが第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を通過する間、第1露光領域AR1、第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELの照射が続けられるが、少なくとも一方の露光領域において、ショット領域SHが通過する間の一部の期間だけで露光光ELが照射されるようにしてもよい。すなわち、ショット領域SH内の一部だけ多重(二重)露光するようにしてもよい。
上述の実施形態においては、露光時に基板を投影系(露光光)に対して移動した(第3実施形態などではマスクも基板と同期移動した)が、これらに限らず、投影系を基板に対して移動してもよい。例えば、第1実施形態のようにDMDを用いている場合にはマスクを基板に対して同期移動する必要がないために、DMDと投影系を基板に対して移動することで基板を走査露光することが可能である。
上記各実施形態では第1パターンの像と、第2パターンの像により基板Pの各ショット領域Sをそれぞれ二重露光したが、本発明の原理に従い、三重以上の多重露光を行うことも可能である。三重露光を行う場合には、第1パターンと、第2パターンに加えて、第3パターンを用い、第1パターン及び第2パターンと同様に基板Pの移動と同期して第3パターンの像を基板上に生成させることができる。第3パターンは、それを物理的に形成したマスクまたは、それを電子パターンで形成するDMDを用いてもよい。三重露光の場合、第3パターンに照明光が照射されてその像が形成される第3露光領域(AR3)を、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2とは別に、あるいは第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の少なくとも一方とその一部が重複するように設定することができる。この場合、投影系はそれぞれの露光領域に応じて独立して3つ設けてもよく、あるいは図5に示したような投影系PLに、さらに、第1マスクM1及び第2マスクM2に対応する第1及び第2光学系31,32と同様に、第3マスクに対応する光学系を設けるとともに、この光学系からの光を第3光学系に導く反射及び/または屈折系を設けることができる。なお、第3マスクを用いる場合は、第1マスクM1及び第2マスクM2が搭載されるマスクステージ6に搭載してもよく、第3実施形態に示したように別のマスクステージに搭載してもよい。
なお、上記実施形態では、露光装置が可変成形マスク(アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)として非発光型画像表示素子であるDMDを備えるものとしたが、可変成形マスクはDMDに限られるものでなく、DMDに代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで、非発光型画像表示素子は、所定方向へ進行する光の振幅(強度)、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、上述のDMDの他に、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phonetic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
また、上記実施形態の露光装置は、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。この場合、照明系は不要となる。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、パターン形成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成しても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
なお、上記各実施形態では干渉計システムを用いてマスクステージ及び基板ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば基板ステージの上面に設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り替えて用いる、あるいはその両方を用いて、基板ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、国際公開第1999/46835号パンフレット(対応米国特許7,023,610号)に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、第1、第2露光領域(但し、第6、第7実施形態は除く)がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)、またはフィルム部材等が適用される。また、基板Pの形状は円形のみならず、矩形など他の形状でもよい。
また、本発明は、例えば特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報(対応する米国特許6,341,007、6,400,441、6,549,269及び6,590,634号)、特表2000−505958号公報(対応する米国特許5,969,441号)などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ(マルチステージ)型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば特開平11−135400号公報(対応する国際公開第1999/23692号パンフレット)、特開2000−164504号公報(対応する米国特許6,897,963号)に開示されているように、基板を保持する基板ステージと、計測部材(例えば、基準マークが形成された基準部材、及び/又は各種の光電センサ)を搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態のうち、露光光ELの光路を液体で満たす実施形態においては、投影系と基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、例えば特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
なお、上記各実施形態では露光装置EXが投影系を備えるものとしたが、投影系の代わりに、パターンの像を形成しない光学系(例えば、回折光学素子など)を用いてもよい。また、上記各実施形態では第1、第2露光領域AR1、AR2の少なくとも一方において、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように干渉縞を形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光してもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン、MEMS,DNAチップ、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図19に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に多重露光する露光工程及び露光した基板の現像工程を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明によれば、基板の多重露光を正確に且つ高い効率で実現することができる。このため、液晶表示素子やマイクロマシンなどに使用される高密度で複雑な回路パターンを有するデバイスを高いスループットで生産することができる。それゆえ、本発明は、我国の半導体産業を含む精密機器産業の発展に著しく貢献するであろう。
1A…第1液浸システム、1B…第2液浸システム、2…反射素子、3A…第1パターン形成装置、3B…第2パターン形成装置、4…基板ステージ、6…マスクステージ、7…制御装置、12…供給口、22…回収口、30…中間光学系、30A…第1反射面、30B…第2反射面、31…第1光学系、32…第2光学系、33…第3光学系、51a〜51h…照射領域、52a〜52h…照射領域、61…第1ステージ、62…第2ステージ、63…第3ステージ、70…計測システム、71…レーザ干渉計、72…反射部材、73…反射部材、80…検出システム、81…照射装置、82…受光装置、341、342…凹面ミラー、AR1…第1露光領域、AR2…第2露光領域、EL…露光光、EX…露光装置、FL(FL1、FL2)…終端光学素子、IA1…第1照明領域、IA2…第2照明領域、IA3…第3照明領域、IA4…第4照明領域、K1…下面、K2…下面、LQ…液体、LR1…第1液浸領域、LR2…第2液浸領域、Ls…検出光、M1…第1マスク、M2…第2マスク、P…基板、PLa〜PLh…投影モジュール、RM1…第1アライメントマーク、RM2…第2アライメントマーク、SH…ショット領域、U…光学ユニット
Claims (71)
- 基板を露光する露光装置であって、
第1方向の異なる位置に第1露光領域と第2露光領域とを規定するとともに、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射する光学ユニットと、
前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板とを前記第1方向に相対的に移動する第1移動システムとを備え、
前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板上の所定領域とを相対的に移動しつつ、前記光学ユニットにより前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射することにより、前記第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターン像と、前記第2露光領域に照射される露光光で形成される、前記第1パターン像とは異なる第2パターン像とで前記基板上の所定領域を多重露光する露光装置。 - 前記第1露光領域と前記第2露光領域とが前記第1方向に離れている請求項1記載の露光装置。
- 前記第1露光領域と前記第2露光領域の一部とが前記第1方向において重複している請求項1記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、互いに異なる露光条件で、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射する請求項1〜3のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記露光条件は、前記基板に対する露光光の照射条件、及び前記光学ユニットと前記基板との間の空間を満たす媒体条件の少なくとも一方を含む請求項4記載の露光装置。
- 前記第1露光領域及び前記第2露光領域の少なくとも一方には、液体を介して露光光が照射される請求項5記載の露光装置。
- 所定の電子データに基づいて駆動する反射素子を更に備え、
前記反射素子で反射した露光光が前記第1露光領域と前記第2露光領域とのそれぞれに照射される請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記光学ユニットは、前記第1露光領域に露光光を照射する第1光学システムと、前記第2露光領域に露光光を照射する第2光学システムとを有する請求項1〜7のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第1光学システム及び前記第2光学システムのそれぞれは、前記基板が対向して配置される複数の終端素子を有し、前記終端素子のそれぞれから露光光が射出される請求項8記載の露光装置。
- 前記複数の終端素子は、前記第1方向と直交する第2方向に隣合う終端素子の照射領域が前記第1方向に離れるように配置されている請求項9記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、前記基板が対向して配置される1つの終端素子を有し、前記1つの終端素子を介して、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光が照射される請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第1パターン像を形成するための第1パターン形成部材と、
前記第2パターン像を形成するための第2パターン形成部材とを更に備え、
前記光学ユニットは、前記第1露光領域及び前記第2露光領域と光学的に共役な位置の近傍に配置され、前記第1パターン形成部材からの露光光と前記第2パターン形成部材からの露光光とを前記終端素子へ導く中間光学部材を有し、
前記第1パターン形成部材からの露光光と前記第2パターン形成部材からの露光光とが、前記中間光学部材と前記終端素子とを介して、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに照射される請求項11記載の露光装置。 - 前記光学ユニットは、前記第1パターン形成部材からの露光光を前記中間光学部材に導く第1光学システムと、前記第2パターン形成部材からの露光光を前記中間光学部材に導く第2光学システムとを有する請求項12記載の露光装置。
- 前記中間光学部材は、前記第1光学システムからの露光光を反射する第1反射面と前記第2光学システムからの露光光を反射する第2反射面とを有する請求項13記載の露光装置。
- 前記第1光学システム及び前記第2光学システムの少なくとも一方は凹面ミラーを含む請求項13又は14記載の露光装置。
- 前記第1パターン形成部材及び前記第2パターン形成部材の少なくとも一方は、所定の電子データに基づいて駆動する複数の反射素子を含み、
前記複数の反射素子で反射された露光光が前記中間光学部材に入射する請求項12〜15のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記第1パターン形成部材及び前記第2パターン形成部材を保持して移動可能な第2移動システムを更に備え、
前記第1移動システムによる前記基板の前記第1方向への移動に同期して、前記第2移動システムを用いて前記第1パターン形成部材と前記第2パターン形成部材とを所定方向に移動することによって、前記第1パターン像と前記第2パターン像とで前記基板上の所定領域が多重露光される請求項12〜15のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記第2移動システムは、前記第1パターン形成部材と前記第2パターン形成部材とを前記所定方向に移動するための第1ステージと、前記第1ステージに対して前記第1パターン形成部材を移動する第2ステージと、前記第1ステージに対して前記第2パターン形成部材を移動する第3ステージとを有する請求項17記載の露光装置。
- 前記第2ステージ及び前記第3ステージの位置情報をそれぞれ計測する計測システムを更に備える請求項18記載の露光装置。
- 前記計測システムは、前記第2ステージに設けられた反射部及び前記第3ステージに設けられた反射部と、前記反射部に計測ビームを投射するとともに、その反射光を受光して前記第2ステージ及び前記第3ステージのそれぞれの位置情報を取得する干渉計システムとを含む請求項19記載の露光装置。
- 前記第1ステージに対して前記第2ステージ及び前記第3ステージの少なくとも一方を移動することによって、前記第1パターン形成部材と前記第2パターン形成部材との相対的な位置関係が調整される請求項18〜20のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2移動システムは、前記第1、第2パターン形成部材を同一のステージで保持するとともに、前記ステージ上で前記第1、第2パターン形成部材の少なくとも一方を移動可能であり、前記多重露光時に前記ステージを前記所定方向に移動する請求項17記載の露光装置。
- 前記第2移動システムは、前記第1、第2パターン形成部材を同一のステージで保持し、
前記ステージで保持される前記第1、第2パターン形成部材の相対的な位置関係に関する情報を計測する計測システムを更に備える請求項17又は22記載の露光装置。 - 前記第1、第2パターン形成部材は、前記ステージ上で前記所定方向に沿って並ぶ請求項22又は23記載の露光装置。
- 前記基板は半導体ウエハを含む請求項1〜24のいずれか一項記載の露光装置。
- 請求項1〜25のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
- 基板を露光する露光方法であって、
第1方向の異なる位置に規定された第1露光領域と第2露光領域とのそれぞれに露光光を照射することと、
前記基板上の所定領域が前記第1露光領域と前記第2露光領域とに対して相対移動されるように前記基板を前記第1方向に移動することによって、前記第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターン像と、前記第2露光領域に照射される露光光で形成される、前記第1パターン像とは異なる第2パターン像とで前記基板上の所定領域を多重露光することを含む露光方法。 - 所定の電子データに基づいて駆動する反射素子により第1パターン像及び第2パターン像を形成する請求項27記載の露光装置。
- 前記基板の移動に同期して、前記第1、第2パターン像を形成するためのパターン形成部材を露光光に対して移動することを含む請求項27記載の露光方法。
- 前記第1、第2パターン像をそれぞれ形成するための第1、第2パターン形成部材を同一のステージで保持し、前記多重露光時に前記ステージを移動して、前記第1、第2パターン形成部材の前記基板との同期移動を行う請求項27記載の露光方法。
- 前記第1、第2パターン像を形成するための第1、第2パターン形成部材をそれぞれ露光光で照明し、前記第1パターン形成部材及び第1、第3光学系を介して露光光を前記第1露光領域に照射するとともに、前記第2パターン形成部材、前記第1光学系と異なる第2光学系、及び前記第3光学系を介して露光光を前記第2露光領域に照射する請求項27又は30記載の露光方法。
- 前記第1、第2光学系によって前記第1、第2パターン形成部材の中間像をそれぞれ形成し、前記第3光学系による前記2つの中間像の再結像により、前記第1、第2露光領域に前記第1、第2パターン像を形成する請求項31記載の露光方法。
- 前記2つの中間像の形成位置近傍に配置される光学部材を介して、前記第1、第2パターン形成部材からの露光光をそれぞれ前記第3光学系に導く請求項32記載の露光方法。
- 前記第1、第2露光領域は、互いに異なる露光条件で、前記露光光が照射される請求項27〜33のいずれか一項記載の露光方法。
- 液体を介して前記基板上の所定領域を多重露光する請求項27〜34のいずれか一項記載の露光方法。
- 露光光が複数の光学系を介して第1露光領域に照射され、露光光が複数の光学系を介して第2露光領域に照射される請求項27〜35のいずれか一項記載の露光方法。
- 所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系であって、
第1パターンを介した露光ビームに基づいて該第1パターンと光学的に共役な第1共役位置を形成する第1光学系と、
第2パターンを介した露光ビームに基づいて該第2パターンと光学的に共役な第2共役位置を形成する第2光学系と、
前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとに基づいて、前記基板と前記第1共役位置とを光学的に共役にすると共に、前記基板と前記第2共役位置とを光学的に共役にする第3光学系と、
前記第1光学系と前記第3光学系との間の光路中であって、且つ前記第2光学系と前記第3光学系との間の光路中に配置されて、前記第1光学系からの露光ビームと前記第2光学系からの露光ビームとを前記第3光学系に導入する中間光学系とを備える投影光学系。 - 前記第1光学系と前記第2光学系とは第1方向に沿って並置されており、
前記第1光学系は、前記第1方向を含む面内で光路を折り曲げる第1光路折り曲げ面を備え、
前記第2光学系は、前記第1方向を含む面内で光路を折り曲げる第2光路折り曲げ面を備える請求項37記載の投影光学系。 - 前記第1光学系は、前記第1共役位置と光学的に共役な第3共役位置を形成する第1結像光学系と、前記第1共役位置と前記第3共役位置との間の光路中に配置された第1凹面とを備え、
前記第2光学系は、前記第2共役位置と光学的に共役な第4共役位置を形成する第2結像光学系と、前記第1共役位置と前記第3共役位置との間の光路中に配置された第2凹面とを備える請求項38記載の投影光学系。 - 前記第1光路折り曲げ面は前記第1凹面と前記中間光学系との間の光路中に配置され、
前記第2光路折り曲げ面は前記第2凹面と前記中間光学系との間の光路中に配置される請求項39記載の投影光学系。 - 前記第1結像光学系から前記第1凹面へ向かう露光ビームと、前記第2結像光学系から前記第2凹面へ向かう露光ビームとは反射面を経由しない請求項39又は40記載の投影光学系。
- 前記第1光学系と前記第2光学系とは第1方向に沿って並置されており、
前記中間光学系は、前記第1方向を含む面内で前記第1光学系からの露光ビームの光路を折り曲げると共に、前記第1方向を含む面内で前記第2光学系からの露光ビームの光路を折り曲げる請求項37〜41のいずれか一項記載の投影光学系。 - 前記第1光学系は、前記第1方向を横切る方向である第2方向に長手方向を持つ第1視野領域内に位置する前記第1パターンを介した露光ビームを受け、
前記第2光学系は、前記第2方向に長手方向を持つ第2視野領域内に位置する前記第2パターンを介した露光ビームを受ける請求項37〜42のいずれか一項記載の投影光学系。 - 基板を露光する露光装置であって、
第1方向の異なる位置に第1露光領域と第2露光領域とを規定するとともに、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射する光学ユニットと、
前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板とを前記第1方向に相対的に移動する第1移動システムとを備え、
前記光学ユニットは、請求項37〜43のいずれか一項記載の投影光学系を備え、
前記第1露光領域及び前記第2露光領域と前記基板上の所定領域とを相対的に移動しつつ、前記光学ユニットにより前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに露光光を照射することにより、前記第1露光領域に照射される露光光で形成される第1パターン像と、前記第2露光領域に照射される露光光で形成される、前記第1パターン像とは異なる第2パターン像とで前記基板上の所定領域を多重露光する露光装置。 - 前記基板は半導体ウエハを含む請求項44記載の露光装置。
- 基板を露光する露光装置であって、
第1所定面の第1領域からの第1露光光を第1露光領域に照射し、第2所定面の第2領域からの第2露光光を第2露光領域に照射する光学ユニットと、
前記第1所定面及び前記第2所定面を介した検出光を受光する受光装置を有し、前記受光装置の受光結果に基づいて、前記第1領域に配置されている第1パターンと前記第2領域に配置されている第2パターンとの位置関係に関する情報を取得する検出システムとを備えた露光装置。 - 前記受光装置は、前記光学ユニットの少なくとも一部を介して前記検出光を受光する請求項46記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、前記第1露光領域及び前記第2露光領域と光学的に共役な位置の近傍に配置され、前記第1領域からの前記第1露光光と前記第2領域からの前記第2露光光とが入射されるとともに、前記第1領域からの前記第1露光光と前記第2領域からの前記第2露光光とを前記第1露光領域と前記第2露光領域とに導く中間光学部材を有する請求項46又は47記載の露光装置。
- 前記中間光学部材は、前記第1領域から入射された前記第1露光光を反射する第1反射面と、前記第2領域から入射された前記第2露光光を反射する第2反射面とを有する請求項48記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、前記基板が対向して配置される1つの光学素子を有し、
前記中間光学部材は、前記第1領域からの前記第1露光光と前記第2領域からの前記第2露光光とを前記1つの光学素子へ導き、
前記1つの光学素子を介して、前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに前記第1露光光及び前記第2露光光が照射される請求項48又は49記載の露光装置。 - 前記受光装置は、前記中間光学部材を介さずに、前記検出光を受光する請求項48〜50のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記受光装置は、前記第1所定面の前記第1領域とは異なる第3領域からの光、及び前記第2所定面の前記第2領域とは異なる第4領域からの光の少なくとも一方を、前記検出光として受光する請求項46〜51のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、前記第1領域からの第1露光光が入射する第1光学システムと、前記第2領域からの第2露光光が入射する第2光学システムとを有し、
前記第1光学システムは、前記第3領域からの光を前記第2光学システムに供給可能であり、
前記第2光学システムは、前記第4領域からの光を前記第1光学システムに供給可能であり、
前記受光装置は、前記第3領域からの光及び前記第4領域からの光の少なくとも一方を、前記第1光学システム及び前記第2光学システムを介して、前記検出光として受光する請求項52記載の露光装置。 - 前記受光装置は、前記第1パターンと所定の位置関係で配置される第1マーク、及び前記第2パターンと所定の位置関係で配置される第2マークの少なくとも一方からの光を、前記検出光として受光する請求項52又は53記載の露光装置。
- 前記検出システムは、前記第3領域及び前記第4領域の少なくとも一方に検出光を照射する照射装置を備える請求項52〜54のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記検出光は、前記露光光と異なる波長を有する請求項55記載の露光装置。
- 前記検出光は、前記露光光と同じ波長を有する請求項55記載の露光装置。
- 前記第1露光光及び前記第2露光光の少なくとも一方の一部が、前記第3領域及び前記第4領域の少なくとも一方に前記検出光として照射される請求項52〜54のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記検出システムで取得した情報に基づいて、前記第1パターンと前記第2パターンとの位置関係を調整しつつ、前記第1露光光及び前記第2露光光を前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに照射する請求項46〜58のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記光学ユニットは、前記第1露光領域に前記第1露光光を照射して前記第1露光領域に前記第1パターンの像を形成可能であり、前記第2露光領域に前記第2露光光を照射して前記第2露光領域に前記第2パターンの像を形成可能であり、
前記第1露光領域に形成される第1パターンの像と前記第2露光領域に形成される第2パターンの像とで前記基板上の所定領域を多重露光する請求項46〜59のいずれか一項記載の露光装置。 - 請求項44〜60のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
- 基板を露光する露光方法であって、
第1所定面の第1領域からの第1露光光を第1露光領域に照射し、第2所定面の第2領域からの第2露光光を第2露光領域に照射することと、
第1所定面及び第2所定面を介した光を検出することと、
検出結果に基づいて、第1領域に配置されている第1パターンと第2領域に配置されている第2パターンとの位置関係に関する情報を取得することとを含む露光方法。 - さらに、前記位置関係に関する情報に基づいて第1パターンと第2パターンの位置関係を調整することを含む請求項62記載の露光方法。
- 前記第1、第2パターンの位置関係の調整は、少なくとも前記第1、第2露光光の照射中に行われる請求項63記載の露光方法。
- 前記第1、第2パターンの位置関係の調整は、少なくとも前記第1、第2露光光による前記基板の露光前に行われる請求項63記載の露光方法。
- 前記第1所定面及び第2所定面に配置されるマークを検出することで第1パターンと第2パターンとの位置関係に関する情報を取得する請求項62〜65のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記マークは、前記第1領域及び第2領域の外側に配置される請求項66記載の露光方法。
- 前記第1所定面及び第2所定面を介した光は、前記露光光と異なる波長を有する請求項62〜67のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記第1所定面及び第2所定面を介した光は、前記露光光と同じ波長を有する請求項62〜67のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記基板は、前記第1、第2露光光の照射により前記第1、第2露光領域に形成される第1、第2パターンの像で多重露光される請求項62〜69のいずれか一項記載の露光方法。
- 請求項27〜36、62〜70のいずれか一項記載の露光方法を用いて基板を多重露光することと;
多重露光された基板を現像することと;
現像された基板を加工することを含むデバイス製造方法。
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