JP2007201457A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板を効率良く多重露光できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置EXは、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1から射出された露光光ELを第1露光光EL1と第2露光光EL2とに分離する分離光学系13を有し、第1露光光EL1で第1パターンPA1を照明するとともに第2露光光EL2で第2パターンPA2を照明する照明系ILとを備え、第1パターンPA1からの第1露光光EL1と第2パターンPA2からの第2露光光EL2とを基板P上の所定領域に照射することによって、基板P上の所定領域を多重露光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板を露光する露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、基板を多重露光する露光装置が知られている。
特開2001−297976号公報
多重露光において、複数のマスクのそれぞれを露光光で照明するために、複数の光源装置を設けたり、複数の照明系を設ける場合、装置コストが増大したり、露光装置が大型化する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板を効率良く多重露光できる露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、基板(P)を多重露光する露光装置であって、露光光(EL)を射出する光源装置(1)と、光源装置(1)から射出された露光光(EL)を第1露光光(EL1)と第2露光光(EL2)とに分離する分離光学系(13)と、第1露光光(EL1)で第1パターン(PA1)を照明するとともに第2露光光(EL2)で第2パターン(PA2)を照明する照明系(IL)とを備え、第1パターン(PA1)からの第1露光光(EL1)と第2パターン(PA2)からの第2露光光(EL2)とを基板(P)上の所定領域(SH)に照射することによって、基板(P)上の所定領域(SH)を多重露光する露光装置(EX)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板を効率良く多重露光できる。
本発明の第2の態様に従えば、基板(P)を露光する露光装置(EX)であって、露光光(EL)を発生する光源(1)と、第1露光光(EL1)で第1パターン(PA1)を照明するとともに第2露光光(EL2)で第2パターン(PA2)を照明する照明系(IL)と、前記基板(P)に相対して第1パターン(PA1)及び第2パターン(PA2)を移動する移動装置(61)と、第1パターン(PA1)、第2パターン(PA2)及び前記基板の少なくとも一つの移動と同期して移動可能であり、且つ第1露光光だけを通過させる第1領域(10A)と、第2露光光だけを通過させる第2領域(10B)と、第1露光光と第2露光光の両方を通過させる第3領域(10C)とを有する可動ブラインド(10)と、第1パターンからの第1露光光(EL1)と第2パターンからの第2露光光(EL2)とを前記基板上の所定領域(SH)に照射することによって、前記基板上の所定領域(SH)を多重露光する露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様の露光装置によれば、単一の可動ブラインドを使用して基板上の隔離された位置に形成される二つの露光領域を良好に制御して基板の不要な露光を防止することができる。
本発明の第3の態様に従えば、第1または第2態様の露光装置(EX)を用いて基板を多重露光すること(S2−S4、204)と、多重露光した基板を現像すること(204)と、現像した基板を加工すること(205)を含むデバイス製造方法が提供される。本発明のデバイス製造方法によれば、基板を効率良く多重露光できる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第4の態様に従えば、基板(P)を走査方向に移動しつつ基板(P)上の所定領域(SH)を多重露光する露光方法であって、光源装置(1)から射出された露光光(EL)を、第1露光光(EL1)と第2露光光(EL2)とに分離し(S2)、第1露光光(EL1)を第1露光領域(AR1)に照射するとともに、走査方向に関して第1露光領域(AR1)とは異なる位置に設定された第2露光領域(AR2)に第2露光光(EL2)を照射し(S3)、第1露光領域(AR1)及び第2露光領域(AR2)に対して基板(P)上の所定領域(SH)を移動することによって、基板(P)上の所定領域(SH)を多重露光する(S4)露光方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板を効率良く多重露光できる。
本発明の第5の態様に従えば、上記露光方法を用いて基板を多重露光すること(S2−S4、204)と、多重露光した基板を現像すること(204)と、現像した基板を加工すること(205)を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、基板を効率良く多重露光できる露光方法を用いてデバイスを製造することができる。
本発明によれば、装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板を効率良く多重露光することができ、デバイスを良好に製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、そのXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、第1パターンPA1を有する第1マスクM1、及び第2パターンPA2を有する第2マスクM2を保持して移動可能なマスクステージ60と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ80と、各ステージの位置情報を計測可能な計測システム70と、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1から射出された露光光ELを、その第1成分としての第1露光光EL1と第2成分としての第2露光光EL2とに分離する分離光学系13を有し、第1露光光EL1で第1マスクM1の第1パターンPA1を照明するとともに第2露光光EL2で第2マスクM2の第2パターンPA2を照明する照明系ILと、第1露光光EL1で照明された第1パターンPA1の像及び第2露光光EL2で照明された第2パターンPA2の像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置30と、制御装置30に接続され、露光に関する各種情報を記憶した記憶装置31とを備えている。
なお、ここでいう基板はシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクは、ガラス板等の透明板部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成されたものである。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。また、本実施形態においては、第1パターンPA1と第2パターンPA2とは異なるパターンである。
また、本実施形態においては、光源装置1と基板Pとの間に配置され、照明系IL及び投影光学系PLの光学素子及び光学部材等を含む光学系を適宜、光学ユニットU、と称する。
本実施形態の露光装置EXは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1と第2パターンPA2からの第2露光光EL2とを基板P上のショット領域に照射することによって、基板P上のショット領域を多重露光(二重露光)する。具体的には、露光装置EXは、照明系ILより射出され、第1パターンPA1及び投影光学系PLを介して第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、照明系ILより射出され、第2パターンPA2及び投影光学系PLを介して第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、基板P上のショット領域を多重露光する。
また、本実施形態の露光装置EXは、第1マスクM1及び第2マスクM2と基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、第1マスクM1の第1パターンPA1の像及び第2マスクM2の第2パターンPA2の像を基板P上に投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、第1マスクM1及び第2マスクM2と基板Pとの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とする。
そして、本実施形態の露光装置EXは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される第1露光光EL1及び第2露光光EL2に対して基板PをY軸方向に移動することにより、基板P上のショット領域を多重露光する。基板ステージ80は、基板P上のショット領域を、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対してY軸方向に移動可能であり、制御装置30は、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対して、基板ステージ80を用いて基板P上のショット領域をY軸方向に移動しつつ、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射することにより、基板P上のショット領域を多重露光(二重露光)する。
まず、光源装置1について説明する。光源装置1は、基板Pを露光するための露光光ELを射出するものである。光源装置1から射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においては、光源装置1には、ArFエキシマレーザ装置が用いられ、露光光ELにはArFエキシマレーザ光が用いられる。また、本実施形態においては、露光装置EXは、光源装置1を1つ備えている。すなわち、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を照明するために単一の光源を用いている。
次に、照明系ILについて説明する。照明系ILは、光源装置1より射出された露光光(レーザビーム)ELを、分離光学系13を用いて第1露光光EL1と第2露光光EL2とに分離し、マスクステージ60に保持されている第1マスクM1の第1パターンPA1を第1露光光EL1で照明するとともに、第2マスクM2の第2パターンPA2を第2露光光EL2で照明するものである。本実施形態の照明系ILは、例えば、国際公開第2005/076045号パンフレットに開示されているような、ビームエキスパンダ、偏光状態切換光学系3、回折光学素子4、アフォーカル光学系(無焦点光学系)、ズーム光学系、偏光変換素子5、オプティカルインテグレータ6、及びコンデンサー光学系等を含む第1光学系2と、第1マスクM1上での第1露光光EL1による第1照明領域IA1、及び第2マスクM2上での第2露光光EL2による第2照明領域IA2を規定する固定ブラインド9、及び第1、第2露光光EL1、EL2による基板Pの不要な露光を防止するための可動ブラインド10を含むブラインド装置11と、光源装置1から射出され、第1光学系2及びブラインド装置11を通過した露光光ELを第1露光光EL1と第2露光光EL2とに分離する分離光学系13とを備えている。すなわち、本実施形態の露光装置の照明系ILは、分離光学系13を備えることにより、第1マスクM1の第1パターンPA1と、第2マスクM2の第2パターンPA2とを照明するための、(共通の)単一の照明系として用いられる。なお、分離光学系は照明系IL中に組み込む必要はなく、照明系とは別に設けてもよい。
偏光状態切換光学系3は、回折光学素子4へ入射する露光光ELを、偏光状態と非偏光状態とに切り換えることができる。また、偏光状態切換光学系3は、偏光状態の場合には、直線偏光状態と円偏光状態とに切り換えることができる。また、偏光状態切換光学系3は、直線偏光状態の場合には、互いに直交する偏光状態間(S偏光とP偏光との間)で切り換えることができる。
回折光学素子4は、入射された露光光ELを所望の角度に回折する機能を有する。回折光学素子4は、光源装置1からの露光光ELにより回折光を生成し、その回折光で所定面を所定の照明領域で照明可能である。回折光学素子4は、所定の基材上に形成された露光光ELの波長程度のピッチを有する段差(凹凸構造)を有しており、ピッチ、凹凸構造の凹部の深さ(凸部の高さ)、及び凹部の内側面(凸部の外側面)が向く方向等を含む構造条件を適宜調整することにより、この回折光学素子4による照明領域の大きさ及び形状を設定することができる。例えば、回折光学素子4は、光源装置1からの露光光ELにより回折光を生成し、その生成した回折光で、アフォーカル光学系、ズーム光学系、及び偏光変換素子5等を介して、マイクロフライアイレンズ等を含むオプティカルインテグレータ6の光入射面を、所定の大きさ及び形状を有する照明領域で照明可能である。本実施形態においては、オプティカルインテグレータ6の光入射面上には、照明系ILの光軸を中心とした輪帯状の照明領域が形成され、オプティカルインテグレータ6の光射出面(後側焦点面)には、照明系ILの光軸を中心とした輪帯状の二次光源7が形成される。また、制御装置30は、ズーム光学系の焦点距離を調整することにより、オプティカルインテグレータ6の光入射面上における照明領域の大きさ及び形状、ひいては二次光源7の大きさ及び形状を調整可能である。
偏光変換素子5は、露光光ELの偏光状態を変換するものである。本実施形態においては、偏光変換素子5は、オプティカルインテグレータ6の直前(光入射面近傍)に配置されている。偏光変換素子5は、オプティカルインテグレータ6の光入射面に入射する露光光ELの偏光状態(ひいてはマスクM及び基板Pに照射される露光光ELの偏光状態)を調整可能である。
図2は、偏光変換素子5の一例を示す図である。偏光変換素子5は、照明系ILの光軸AXを中心とした輪帯状の有効領域を有している。輪帯状の有効領域は、例えば水晶等、旋光性を有する光学材料によって形成されている。輪帯状に形成された有効領域の光学材料は、その周方向に関して変化する厚みの分布を有している。ここで、光学材料の厚みとは、光学材料の光透過方向(Y軸方向)に関する長さである。
本実施形態においては、偏光変換素子5は、輪帯状の有効領域に配置され、旋光性を有する光学材料からなる複数の基本素子5A〜5Dを有している。本実施形態においては、偏光変換素子5は、互いに異なる特性を有する第1〜第4基本素子5A〜5Dを2つずつ備えており、全部で8つの基本素子5A〜5Dを備えている。第1〜第4基本素子5A〜5Dのそれぞれは、図2中、XZ方向に関して扇状に形成され、輪帯状の有効領域をほぼ等分割するように配置されている。また、同じ特性を有する2つの基本素子5A、5B、5C、5Dどうしが、光軸AXを挟んで対向するように配置されている。また、第1〜第4基本素子5A〜5Dは、その結晶光学軸と光軸AXとがほぼ平行となるように、すなわち結晶光学軸と入射光の進行方向とがほぼ一致するように配置されている。
上述のように、本実施形態においては、オプティカルインテグレータ6の光入射面には、光軸AXを中心とした露光光ELによる輪帯状の照明領域が形成される。すなわち、オプティカルインテグレータ6の光入射面には、光軸AXを中心としたほぼ輪帯状の断面を有する露光光ELが入射するように設定されている。したがって、オプティカルインテグレータ6の直前に配置された偏光変換素子5の輪帯状の有効領域には、光軸AXを中心としたほぼ輪帯状の断面を有する露光光ELが入射する。
偏光変換素子5の輪帯状の有効領域に配置された第1〜第4基本素子5A〜5Dに入射した露光光ELは、各基本素子5A〜5Dの旋光性により、その偏光状態を変換され、各基本素子5A〜5Dより射出する。例えば、所定方向の直線偏光を主成分とする露光光ELが各基本素子5A〜5Dに入射した場合、偏光変換素子5の各基本素子5A〜5Dは、入射された露光光ELの偏光方向を、光軸AX周り(図中、θY方向)に所定の回転角度だけ回転するように露光光ELの偏光状態を変換し、その偏光状態が変換された露光光ELを射出する。偏光方向の回転角度は、各基本素子5A〜5Dの旋光能及び厚み等に応じて定められる。各基本素子5A〜5Dの旋光能及び厚み等を設定することにより、偏光変換素子5は、入射される直線偏光状態の露光光ELの偏光方向を所定の回転角度だけ回転し、その偏光方向が変換された偏光状態の露光光ELを射出する。
本実施形態においては、第1〜第4基本素子5A〜5Dの光透過方向(Y軸方向)に関するそれぞれの厚みは互いに異なっており、各基本素子5A〜5Dは、入射された露光光ELの偏光方向を互いに異なる回転角度で回転させる。各基本素子5A〜5Dにより偏光状態(偏光方向)を変換された露光光ELは、オプティカルインテグレータ6の光入射面よりオプティカルインテグレータ6に入射し、オプティカルインテグレータ6の光射出面に、光軸AXを中心とした輪帯状の二次光源7を形成する。
図3は、偏光変換素子5及びオプティカルインテグレータ6を通過した露光光ELによってオプティカルインテグレータ6の光射出面に形成された二次光源7を模式的に示す図である。本実施形態においては、第1〜第4基本素子5A〜5Dのそれぞれに、図2及び図3中、Z軸方向の直線偏光を主成分とする露光光ELが入射する。
図2及び図3において、第1基本素子5Aは、入射した露光光ELの偏光方向をZ軸に対してθY方向に+90度回転させるように設けられている。したがって、第1基本素子5Aからは、Z軸に対してθY方向に+90度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。また、二次光源7のうち、第1基本素子5Aの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第1円弧状領域7Aからは、Z軸に対してθY方向に+90度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。
第2基本素子5Bは、入射した露光光ELの偏光方向をZ軸に対してθY方向に+135度回転させるように設けられている。したがって、第2基本素子5Bからは、Z軸に対してθY方向に+135度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。また、二次光源7のうち、第2基本素子5Bの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第2円弧状領域7Bからは、Z軸に対してθY方向に+135度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。
第3基本素子5Cは、入射した露光光ELの偏光方向をZ軸に対してθY方向に+180度回転させるように設けられている。したがって、第3基本素子5Cからは、Z軸と平行な方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。また、二次光源7のうち、第3基本素子5Cの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第3円弧状領域7Cからは、Z軸と平行な方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。
第4基本素子5Dは、入射した露光光ELの偏光方向をZ軸に対してθY方向に+45度回転させるように設けられている。したがって、第4基本素子5Dからは、Z軸に対してθY方向に+45度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。また、二次光源7のうち、第4基本素子5Dの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第4円弧状領域7Dにおいては、Z軸に対して+45度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELが射出される。
このように、本実施形態においては、偏光変換素子5は、ほぼ単一方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELを、その偏光変換素子5の周方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELに変換する。以下の説明においては、偏光変換素子5の周方向を偏光方向とする直線偏光状態を適宜、周方向偏光状態と称する。
これにより、オプティカルインテグレータ6の光射出面に形成された輪帯状の二次光源7から射出される露光光ELは、周方向偏光状態となる。
本実施形態においては、オプティカルインテグレータ6の光射出面近傍、すなわち二次光源7の直後には、所定の開口を有する開口絞り8が配置される。
図4は、開口絞り8の一例を示す図である。図4において、開口絞り8は、露光光ELを通過可能な開口8A、8Cを有している。開口絞り8は、二次光源7のうち、第1基本素子5Aの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第1円弧状領域7Aから射出される露光光ELを通過させるための2つの第1開口8A、8Aと、第3基本素子5Cの旋光作用を受けた露光光ELによって形成される第3円弧状領域7Cから射出される露光光ELを通過させるための2つの第2開口8C、8Cと、を有している。第1開口8A、8Aは、光軸AXを挟んで対向する位置に設けられ、第2開口8C、8Cも、光軸AXを挟んで対向する位置に設けられている。本実施形態においては、第1開口8A、8Aは、図4中、光軸AXに対して+Z側及び−Z側のそれぞれに設けられ、第2開口8C、8Cは、光軸AXに対して+X側及び−X側のそれぞれに設けられている。
開口絞り8は、第1開口8A、8Aを介して、Z軸に対してθY方向に+90度回転させた方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELを通過させ、第2開口8C、8Cを介して、Z軸と平行な方向を偏光方向とする直線偏光状態の露光光ELを通過させる。すなわち、第1開口8Aは、図4中、X軸方向の直線偏光を主成分とする露光光ELを通過させ、第2開口8Cは、X軸方向と直交するZ軸方向の直線偏光を主成分とする露光光ELを通過させる。本実施形態においては、第1開口8Aは、直線偏光であるS偏光状態の露光光ELを通過させ、第2開口8Cは、P偏光状態の露光光ELを通過させる。したがって、光源装置1から射出され、開口絞り8を通過する露光光ELは、S偏光成分とP偏光成分とを主に含む。
ここで、S偏光(TE偏光)とは、入射面に対して垂直な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に垂直な方向に電気ベクトルが振動している偏光)である。ただし、入射面とは、光が媒質の境界面(被照射面:マスクの表面及び基板の表面の少なくとも一方)に達したときに、その点での境界面の法線と光の入射方向とを含む面として定義される。P偏光(TM偏光)とは、上述のように定義される入射面に対して平行な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に平行な方向に電気ベクトルが振動している偏光)である。
オプティカルインテグレータ6の光射出面に形成された二次光源7からの露光光ELは、開口絞り8の開口8A、8Cを通過した後、コンデンサー光学系に入射される。二次光源7は、コンデンサー光学系等を介して、ブラインド装置11を重畳的に照明する。
ブラインド装置11は、第1マスクM1上での第1露光光EL1による第1照明領域IA1、及び第2マスクM2上での第2露光光EL2による第2照明領域IA2を規定するための開口(光通過領域)を有する固定ブラインド9と、第1、第2マスクM1、M2のうち第1、第2パターンPA1、PA2が形成された第1、第2パターン形成領域以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮るための遮光部材として機能する可動ブラインド10とを備えている。可動ブラインド10は、露光光ELを通過可能な光通過領域を有しており、光源装置1と分離光学系13との間において、第1パターンPA1を有する第1マスクM1、第2パターンPA2を有する第2マスクM2、及び基板Pの少なくとも一つの移動と同期して移動可能に設けられている。可動ブラインド10は、固定ブラインド9を通過することによって制限された露光光ELを、第1マスクM1、第2マスクM2または基板Pの移動時の所定タイミングでさらに制限する。これにより、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮り、その結果、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。固定ブラインド9及び可動ブラインド10を含むブラインド装置11の光通過領域を通過したS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELは、第2光学系12を介して、分離光学系13に入射する。
図5は、分離光学系13近傍を示す図である。分離光学系13は、露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する偏光分離光学系(偏光ビームスプリッタ)を含む。上述のように、光源装置1から射出され、開口絞り8を通過する露光光ELは、S偏光成分とP偏光成分とを主に含み、開口絞り8の開口8A、8Cを通過し、ブラインド装置11の光通過領域を通過した露光光ELは、分離光学系13によって、S偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離される。すなわち、本実施形態の分離光学系13は、光源装置1から射出され、第1光学系2、及びブラインド装置11等を通過した露光光ELを、S偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する。
本実施形態においては、分離光学系13は、S偏光状態の第1露光光EL1を反射し、P偏光状態の第2露光光EL2を通過させる。分離光学系13で分離されたS偏光状態の第1露光光EL1は、第3光学系14に供給され、その第3光学系14を介して第1マスクM1上に照射される。また、分離光学系13で分離されたP偏光状態の第2露光光EL2は、第4光学系15に供給され、その第4光学系15を介して反射ミラー16に供給され、その反射ミラー16で反射した後、第5光学系17を介して第2マスクM2上に照射される。このように、照明系ILは、分離光学系13で分離したS偏光状態の第1露光光EL1で第1マスクM1の第1パターンPA1を照明するとともに、P偏光状態の第2露光光EL2で第2マスクM2の第2パターンPA2を照明する。
図6は、マスクステージ60に保持された第1マスクM1及び第2マスクM2を示す平面図である。なお、図6においては、マスクステージの図示は省略してある。図6に示すように、本実施形態においては、第1マスクM1の第1パターンPA1は、X軸方向を長手方向とする複数のライン・アンド・スペースパターンを主成分とし、第2マスクM2の第2パターンPA2は、Y軸方向を長手方向とする複数のライン・アンド・スペースパターンを主成分とする。すなわち、第1パターンPA1は、X軸方向を長手方向とするラインパターンをY軸方向に周期的に並べたパターンを多く含み、第2パターンPA2は、Y軸方向を長手方向とするラインパターンをX軸方向に周期的に並べたパターンを多く含む。
第1マスクM1上に照射される第1露光光EL1は、所定方向の直線偏光(S偏光)を主成分とする。本実施形態では、第1マスクM1上における第1露光光EL1の偏光方向とX軸とがほぼ平行となるように設定されている。また、第2マスクM2上に照射される第2露光光EL2は、所定方向に直交する方向の直線偏光(P偏光)を主成分とする。本実施形態では、第2マスクM2上における第2露光光EL2の偏光方向とY軸とがほぼ平行となるように設定されている。
すなわち、本実施形態においては、第1パターンPA1に含まれるライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向と、S偏光を主成分とする第1露光光EL1の偏光方向とはほぼ平行であり、第2パターンPA2に含まれるライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向と、P偏光を主成分とする第2露光光EL2の偏光方向とはほぼ平行である。
このように、本実施形態においては、照明系ILは、第1、第2マスクM1、M2のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行う。第1マスクM1の第1パターンPA1からは、S偏光成分、すなわち第1パターンPA1のラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分の回折光が多く射出され、第2マスクM2の第2パターンPA2からは、P偏光成分、すなわち第2パターンPA2のラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分の回折光が多く射出される。
また、第1マスクM1上には、開口絞り8のうち、光軸AXに対して互いに対向する位置に配置された第1開口8A、8Aのそれぞれを通過した第1露光光EL1が照射され、第1マスクM1の第1パターンPA1は、S偏光状態の第1露光光EL1によってダイポール照明(二極照明)された状態となる。同様に、第2マスクM2上には、開口絞り8のうち、光軸AXに対して互いに対向する位置に配置された第2開口8C、8Cのそれぞれを通過した第2露光光EL2が照射され、第2マスクM2の第2パターンPA2は、P偏光状態の第2露光光EL2によってダイポール照明(二極照明)された状態となる。
すなわち、本実施形態においては、図7(A)の模式図に示すように、照明系ILは、直線偏光状態(S偏光状態)の二つの光束(第1露光光EL1)を用いて、第1マスクM1のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明(ダイポール照明)を行うとともに、図7(B)の模式図に示すように、直線偏光状態(P偏光状態)の二つの光束(第2露光光EL2)を用いて、第2マスクM2のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明(ダイポール照明)を行う。図7(A)に示すように、第1マスクM1の第1パターンPA1には、第1マスクM1の表面に対してθX方向に傾斜する二つの方向から、ラインパターンの長手方向に沿う方向(X軸方向)を偏光方向とする第1露光光EL1が入射する。また、図7(B)に示すように、第2マスクM2の第2パターンPA2には、第2マスクM2の表面に対してθY方向に傾斜する二つの方向から、ラインパターンの長手方向に沿う方向(Y軸方向)を偏光方向とする第2露光光EL2が入射する。
なお、ここでは、照明系ILは、回折光学素子4及び偏光変換素子5等を用いて、オプティカルインテグレータ6の光射出面に、周方向偏光状態の露光光ELを射出する輪帯状の二次光源7を形成している。そして、照明系ILは、二次光源7から射出される露光光ELを、開口絞り8によりS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELに変換した後、分離光学系13に入射させ、第1マスクM1をS偏光状態の第1露光光EL1によりダイポール照明(二極照明)するとともに、第2マスクM2をP偏光状態の第2露光光EL2によりダイポール照明(二極照明)している。ここで、回折光学素子を、例えば、クロスポール照明(四極照明)用の回折光学素子とし、そのクロスポール照明用の回折光学素子を露光光ELの光路上に配置することによって、開口絞りを設けることなく、第1マスクM1をS偏光状態の第1露光光EL1によりダイポール照明するとともに、第2マスクM2をP偏光状態の第2露光光EL2によりダイポール照明することができる。露光光ELの光路上にクロスポール照明用の回折光学素子を設けることにより、オプティカルインテグレータ6の光入射面上には四極状の照明領域が形成され、オプティカルインテグレータ6の光射出面には四極状の二次光源が形成される。そして、例えばオプティカルインテグレータ6の光入射面近傍のうち、四極状の照明領域に対応する位置に、偏光変換素子として、図2を参照して説明したような基本素子5A、5Cを設けることにより、図8の模式図に示すように、オプティカルインテグレータ6の光射出面側には、四極状の二次光源7が形成される。この場合、第1円弧状領域7Aから射出される露光光ELは、S偏光状態の露光光ELであり、第3円弧状領域7Cから射出される露光光ELは、P偏光状態の露光光ELである。このような構成とすることにより、開口絞りを省略しても、分離光学系13には、S偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELが到達し、第1マスクM1の第1パターンPA1は、S偏光状態の第1露光光EL1によりダイポール照明されるとともに、第2マスクM2の第2パターンPA2は、P偏光状態の第2露光光EL2によりダイポール照明される。
次に、マスクステージ60について説明する。マスクステージ60は、第1パターンPA1を有する第1マスクM1を第1露光光EL1に対してY軸方向に移動可能であり、第2パターンPA2を有する第2マスクM2を第2露光光EL2に対してY軸方向に移動可能である。マスクステージ60の位置情報は、計測システム70により計測される。
図9は、本実施形態に係るマスクステージ60及び計測システム70を示す斜視図である。マスクステージ60は、メインステージ61と、メインステージ61上で第1マスクM1を保持した状態で移動可能な第1サブステージ62と、メインステージ61上で第2マスクM2を保持した状態で移動可能な第2サブステージ63とを備えている。
メインステージ61は、第1マスクM1及び第2マスクM2をY軸方向に移動するためのものである。メインステージ61は、第1サブステージ62を介して第1マスクM1を保持し、第2サブステージ63を介して第2マスクM2を保持する。メインステージ61は、第1サブステージ62及び第2サブステージ63を介して第1マスクM1及び第2マスクM2を保持して同一の走査方向(Y軸方向)に移動可能である。
メインステージ61は、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、第1マスクM1の第1パターンPA1全体が第1照明領域IA1を通過するとともに、第2マスクM2の第2パターンPA2全体が第2照明領域IA2を通過するように、Y軸方向に比較的大きなストロークを有している。マスクステージ60は、メインステージ61をY軸方向に移動するためのメインステージ駆動装置64を備えている。メインステージ駆動装置64は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、メインステージ駆動装置64は、メインステージ61のX軸方向両側に設けられた可動子64Aと、可動子64Aに対応して設けられた固定子64Bとを備えている。制御装置30は、メインステージ駆動装置64を駆動することにより、メインステージ61をY軸方向に移動可能である。メインステージ61がY軸方向に移動することにより、メインステージ61上の第1、第2サブステージ62、63も、メインステージ61と一緒に移動する。したがって、メインステージ61がY軸方向に移動することにより、第1、第2サブステージ62、63に保持された第1、第2マスクM1、M2も、メインステージ61と一緒に移動する。
第1サブステージ62は、メインステージ61上で、メインステージ61に対してX軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能に設けられ、不図示の第1サブステージ駆動装置により、メインステージ61に対して第1マスクM1を微小移動可能である。同様に、第2サブステージ63は、メインステージ61上で、メインステージ61に対してX軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能に設けられ、不図示の第2サブステージ駆動装置により、メインステージ61に対して第2マスクM2を微小移動可能である。なお、第1、第2サブステージ62、63は、例えば特開平8−130179号公報(対応米国特許第6,721,034号)に開示される構造を採用し得る。
計測システム70は、メインステージ61、第1サブステージ62、及び第2サブステージ63の位置情報をそれぞれ計測可能である。計測システム70は、メインステージ61に設けられた反射部材71、第1サブステージ62に設けられた反射部材72、及び第2サブステージ63に設けられた反射部材73と、反射部材71、72、73の反射面に計測ビームを投射するとともに、その反射光を受光してメインステージ61、第1サブステージ62、及び第2サブステージ63のそれぞれの位置情報を取得するレーザ干渉計74とを含む。本実施形態においては、レーザ干渉計74は、マスクステージ60の+Y側に配置されている。反射部材71は、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、メインステージ61上におけるレーザ干渉計74からの計測ビームが照射可能な所定位置に2つ設けられている。反射部材72も、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、第1サブステージ62上におけるレーザ干渉計74からの計測ビームが照射可能な所定位置に2つ設けられている。反射部材73も、例えばコーナーキューブミラー(レトロリフレクタ)を含み、第2サブステージ63上におけるレーザ干渉計74からの計測ビームが照射可能な所定位置に2つ設けられている。計測システム70は、レーザ干渉計74、反射部材71、72、73を用いて、メインステージ61、第1サブステージ62、及び第2サブステージ63のY軸方向及びθZ方向の位置情報を計測可能である。また、不図示ではあるが、計測システム70は、メインステージ61、第1サブステージ62、及び第2サブステージ63のX軸方向の位置情報を計測するための反射部材(反射面)及びレーザ干渉計も備えている。
計測システム70は、レーザ干渉計74、及びメインステージ61に設けられた反射部材71などを用いて、メインステージ61のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、計測システム70は、レーザ干渉計74、及び第1、第2サブステージ62、63に設けられた反射部材72、73を用いて、第1、第2サブステージ62、63のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。制御装置30は、計測システム70の計測結果に基づいて、メインステージ61、第1サブステージ62、及び第2サブステージ63を適宜駆動し、第1、第2サブステージ62、63に保持されている第1、第2マスクM1、M2の位置制御を行う。また、制御装置30は、メインステージ61に対して第1サブステージ62及び第2サブステージ63の少なくとも一方を移動することによって、第1マスクM1と第2マスクM2との相対的な位置関係を調整することができる。
次に、図1を参照しながら投影光学系PLについて説明する。投影光学系PLは、第1露光光EL1で照明された第1マスクM1の第1パターンPA1の像、及び第2露光光EL2で照明された第2マスクM2の第2パターンPA2の像を、所定の投影倍率で基板P上に投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。また、本実施形態の投影光学系PLは、倒立像を形成する。
図1に示すように、本実施形態の投影光学系PLは、基板Pの表面が対向して配置され且つ投影光学系PLの像面に最も近く配置された1つの終端光学素子FLを含む複数の光学素子を有し、その1つの終端光学素子FLを介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射する。
投影光学系PLは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と光学的に共役な位置近傍に配置され、第1マスクM1の第1パターンPA1からの第1露光光EL1と、第2マスクM2の第2パターンPA2からの第2露光光EL2とを終端光学素子FLへ導く中間光学部材40を有している。投影光学系PLは、第1マスクM1の第1パターンPA1からの第1露光光EL1を中間光学部材40へ導く第1誘導光学系41と、第2マスクM2の第2パターンPA2からの第2露光光EL2を中間光学部材40へ導く第2誘導光学系42とを有している。第1、第2誘導光学系41、42のそれぞれは、複数のレンズ、及び複数のレンズを通過した第1、第2露光光EL1、EL2を中間光学部材40に向けて反射する反射面を有する反射部材を含む。
中間光学部材40は、第1誘導光学系41からの第1露光光EL1を反射する第1反射面40Aと、第2誘導光学系42からの第2露光光EL2を反射する第2反射面40Bとを有している。本実施形態においては、中間光学部材40はプリズムを含む。
第1マスクM1の第1パターンPA1からの第1露光光EL1と、第2マスクM2の第2パターンPA2からの第2露光光EL2とは、第1誘導光学系41及び第2誘導光学系42により中間光学部材40に導かれる。第1マスクM1の第1パターンPA1からの第1露光光EL1と、第2マスクM2の第2パターンPA2からの第2露光光EL2とは、中間光学部材40で反射した後、投影光学系PLの像面側に配置された、終端光学素子FLを含む第3誘導光学系43を介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される。
次に、基板ステージ80について説明する。基板ステージ80は、第1露光光EL1及び第2露光光EL2が照射される第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を含む所定領域内で基板Pを保持して移動可能である。基板ステージ80は、基板Pを保持する基板ホルダを有しており、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置80Dの駆動により、基板ホルダに基板Pを保持した状態で、ベース部材BP上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
基板ステージ80(ひいては基板P)の位置情報は、計測システム70のレーザ干渉計75によって計測される。レーザ干渉計75は、基板ステージ80に設けられた反射面76を用いて基板ステージ80のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ80に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置30は、レーザ干渉計75の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置80Dを駆動し、基板ステージ80に保持されている基板Pの位置制御を行う。なお、フォーカス・レベリング検出系はその複数の計測点でそれぞれ基板PのZ軸方向の位置情報を計測してその面位置情報を検出する。本実施形態では、この複数の計測点はその少なくとも一部が第1、第2露光領域AR1、AR2内に設定されるが、例えば後述の第8実施形態(図21)の液浸露光装置では、全ての計測点が第1、第2露光領域AR1、AR2(又は液浸領域LR、)の外側に設定されてもよい。また、レーザ干渉計75は基板ステージ4のZ軸、θX及びθY方向の位置情報をも計測可能としてよく、その詳細は、例えば特表2001−510577号公報(対応国際公開第1999/28790号パンフレット)に開示されている。この場合、フォーカス・レベリング検出系は設けなくてもよい。
図10は、第1照明領域IA1及び第2照明領域IA2と第1マスクM1及び第2マスクM2との関係を示す模式図、図11は、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と基板P上の被露光領域であるショット領域SHとの関係を示す模式図である。本実施形態においては、第1露光光EL1が照射される第1露光領域AR1、及び第2露光光EL2が照射される第2露光領域AR2は、投影光学系PLの投影領域である。
照明系IL及び投影光学系PLを含む光学ユニットUは、第1パターンPA1からの第1露光光EL1を第1露光領域AR1に照射するとともに、第2パターンPA2からの第2露光光EL2を第2露光領域AR2に照射する。照明系ILは、投影光学系PLを介して、第1パターンPA1からの第1露光光EL1を第1露光領域AR1に照射するとともに、第2パターンPA2からの第2露光光EL2を第2露光領域AR2に照射する。投影光学系PLは、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で第1パターンPA1の像を形成し、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で第2パターンPA2の像を形成する。
制御装置30は、第1照明領域IA1及び第2照明領域IA2に対するマスクステージ60による第1マスクM1及び第2マスクM2のY軸方向への移動に同期して、基板ステージ80を用いて、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対して基板P上のショット領域SHをY軸方向へ移動しつつ、照明系IL及び投影光学系PLを含む光学ユニットUにより、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射することにより、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光(二重露光)する。
すなわち、本実施形態においては、制御装置30は、第1、第2露光領域AR1、AR2に対する基板PのY軸方向への移動と、第1照明領域IA1に対する第1マスクM1のY軸方向への移動と、第2照明領域IA2に対する第2マスクM2のY軸方向への移動とを同期して行うことによって、パターン化された第1露光光EL1及び第2露光光EL2を第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射して、基板P上のショット領域SHを多重露光する。
図10に示すように、本実施形態においては、第1マスクM1と第2マスクM2とはY軸方向に並んで配置され、第1マスクM1は第2マスクM2に対して−Y側に配置される。第1マスクM1上での第1露光光EL1による第1照明領域IA1は、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されており、第2マスクM2上での第2露光光EL2による第2照明領域IA2も、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)に設定されている。第1照明領域IA1及び第2照明領域IA2は、ブラインド装置11の固定ブラインド9によって設定される。固定ブラインド9は、第1、第2マスクM1、M2上での第1、第2照明領域IA1、IA2を規定する矩形状(スリット状)の開口(光通過領域)を有しており、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターンPA1、PA2が形成されたパターン形成面と共役な面から所定距離離れた位置(僅かにデフォーカスした位置)に配置されている。なお、後述するように、第1照明領域IA1及び第2照明領域IA2は、ブラインド装置11の可動ブラインド10により所定のタイミングで制限される。
図11に示すように、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、Y軸方向の異なる位置に設定されている。基板ステージ80は、保持した基板P上のショット領域SHを、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対してY軸方向に移動可能である。また、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれは、X軸方向を長手方向とする矩形状(スリット状)である。また、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、1つのショット領域SHに同時に配置可能となっている。すなわち、本実施形態においては、第1露光領域AR1(第1露光領域AR1の中心)と第2露光領域AR2(第2露光領域AR2の中心)とのY軸方向の距離は、基板P上の1つのショット領域SHのY軸方向の幅よりも小さい。また、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはY軸方向に離れている。また、第1露光領域AR1は第2露光領域AR2に対して+Y側に設定される。
制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1パターンPA1を有する第1マスクM1、及び第2パターンPA2を有する第2マスクM2を、各々の走査方向(Y軸方向)に移動するとともに、基板Pを走査方向(Y軸方向)に移動する。本実施形態においては、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、マスクステージ60を用いて、第1パターンPA1を有する第1マスクM1と第2パターンPA2を有する第2マスクM2とを同一の走査方向(Y軸方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明する。第1マスクM1及び第2マスクM2は、メインステージ61上に載置されており、制御装置30は、メインステージ駆動装置64を用いてメインステージ61を駆動することにより、第1マスクM1及び第2マスクM2を同一の走査方向(Y軸方向)に移動する。例えば、基板P上のショット領域SHの露光中に、マスクステージ60のメインステージ61によって、第1マスクM1が+Y方向に移動される場合、第2マスクM2も一緒に+Y方向に移動され、第1マスクM1が−Y方向に移動される場合、第2マスクM2も一緒に−Y方向に移動される。また、本実施形態の投影光学系PLは、倒立像を形成し、制御装置30は、基板Pのショット領域SHの露光中に、第1、第2マスクM1、M2と基板Pとを互いに逆向きの走査方向(Y軸方向)に移動する。例えば、制御装置30は、マスクステージ60を用いて第1、第2マスクM1、M2を+Y方向に移動する場合、基板ステージ80を用いて基板Pを−Y方向に移動し、第1、第2マスクM1、M2を−Y方向に移動する場合、基板Pを+Y方向に移動する。
図10及び図11には、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1、第2マスクM1、M2の+Y方向への移動と同期して、基板Pを−Y方向に移動している状態が示されている。
第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係は、例えば投影光学系PLの投影倍率及び中間光学部材40等の投影光学系PLを構成する各光学素子の配置等に応じて決定される。また、第1露光光EL1による第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の位置、及び第2露光光EL2による第2照明領域IA2に対する第2マスクM2上の位置、換言すれば、第1、第2露光光EL1、EL2を基準とした第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係は、基板P上のショット領域SHに対する第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報、すなわち、レーザ干渉計75によって規定されるXY座標系内における第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報に応じて定められる。
上述のように、本実施形態においては、基板P上での第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは基板Pの走査方向(Y軸方向)の異なる位置に設定され、第1露光領域AR1は、第2露光領域AR2に対して+Y側に設定される。また、第1マスクM1と第2マスクM2とは同一の走査方向(Y軸方向)に移動する。また、本実施形態の投影光学系PLは倒立像を形成し、第1、第2マスクM1、M2と基板Pとは互いに逆向きの走査方向(Y軸方向)に移動する。したがって、本実施形態においては、図10に示すように、第1マスクM1は第2マスクM2に対して−Y側に配置され、第1露光光EL1による第1照明領域IA1、及び第2露光光EL2による第2照明領域IA2は、第1、第2マスクM1、M2それぞれの中心に対して互いに異なる位置に設定される。換言すれば、第1、第2露光領域AR1、AR2の位置関係に応じて、例えば、図10に示すように、第1、第2照明領域IA1、IA2に対する第1、第2マスクM1、M2上の位置を設定することにより、基板P上のショット領域SHを所望の位置関係で第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで多重露光することができる。
そして、本実施形態においては、制御装置30は、基板P上のショット領域SHを露光するに際し、第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明、及び第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明の一方を開始した後に他方を開始し、一方を終了した後に他方を終了する。また、制御装置30は、ショット領域SHに対する第1露光光EL1の照射(第1露光光EL1による第1パターンPA1の像の投影)、及びショット領域SHに対する第2露光光EL2の照射(第2露光光EL2による第2パターンPA2の像の投影)の一方を開始した後に他方を開始し、一方を終了した後に他方を終了する。
また、本実施形態においては、制御装置30は、ブラインド装置11の可動ブラインド10を用いて、第1、第2マスクM1、M2のうち第1、第2パターンPA1、PA2が形成された第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮ることによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止する。第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の外周には第1遮光帯SB1が設けられ、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の外周には第2遮光帯SB2が設けられている。可動ブラインド10は、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止するため、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2遮光帯SB1、SB2の外側への第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮る。可動ブラインド10は、第1、第2マスクM1、M2のパターン形成面とほぼ共役な面に配置されており、光源装置1と分離光学系13との間において、第1パターンPA1を有する第1マスクM1、第2パターンPA2を有する第2マスクM2、及び基板Pの少なくとも一つの移動と同期して移動可能に設けられている。
図12は、可動ブラインド10の一例を示す図である。図12において、可動ブラインド10は、S偏光状態の第1露光光EL1を通過可能な第1通過領域10Aと、P偏光状態の第2露光光EL2を通過可能な第2通過領域10Bと、第1露光光EL1と第2露光光EL2とを通過可能な第3通過領域10Cとを備えている。第1、第2、第3通過領域10A、10B、10Cは、第1パターンPA1を有する第1マスクM1、及び第2パターンPA2を有する第2マスクM2の走査方向に対応する方向に並んで配置されている。本実施形態においては、第1、第2、第3通過領域10A、10B、10Cは、図12中、Z軸方向に並んで配置されている。第3通過領域10Cは、第1通過領域10Aと第2通過領域10Bとの間に設けられている。
第1、第2、第3通過領域10A、10B、10Cは、所定の光を透過可能な光学部材によって形成されている。第1通過領域10Aは、S偏光状態の第1露光光EL1を通過可能であり、P偏光状態を含む他の偏光状態の光(露光光)をほぼ通過させない偏光子を含む光学部材によって形成されている。第2通過領域10Bは、P偏光状態の第2露光光EL2を通過可能であり、S偏光状態を含む他の偏光状態の光(露光光)をほぼ通過させない偏光子を含む光学部材によって形成されている。第3通過領域10Cは、S偏光状態の第1露光光EL1及びP偏光状態の第2露光光EL2のそれぞれを通過可能な光学部材によって形成されている。これら光学部材は、例えば金属製の支持部材10Dに支持されている。支持部材10Dは、光(露光光)を通過させない。ブラインド装置11は、可動ブラインド10を移動可能なリニアモータ等の駆動装置を備えており、制御装置30は、その駆動装置を用いて、可動ブラインド10を、図12中、ほぼZ軸方向(第1、第2マスクM1、M2の走査方向(Y軸方向)に対応する方向)に移動可能である。また、ブラインド装置11は、可動ブラインド10の位置を検出可能なエンコーダ等の位置検出装置を備えており、制御装置30は、その位置検出装置の検出結果をモニタ可能である。
制御装置30は、基板P上のショット領域SHの走査露光開始前、走査露光中、走査露光終了後において、計測システム70のレーザ干渉計74の計測結果に基づいて、必要に応じて上述の位置検出装置の検出結果をモニタしつつ、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10を移動し、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮ることによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止する。
ここで、以下の説明においては、図12中、第1通過領域10Aの+Z側のエッジ、すなわち第1通過領域10Aと支持部材10Dとの境界を適宜、第1エッジE1、と称し、第1通過領域10Aの−Z側のエッジ、すなわち第1通過領域10Aと第3通過領域10Cとの境界を適宜、第2エッジE2、と称する。また、第3通過領域10Cの−Z側のエッジ、すなわち第3通過領域10Cと第2通過領域10Bとの境界を適宜、第3エッジE3、と称し、第2通過領域10Bの−Z側のエッジ、すなわち第2通過領域10Bと支持部材10Dとの境界を適宜、第4エッジE4、と称する。また、第1、第2、第3通過領域10A、10B、10Cの+X側のエッジを適宜、第5エッジE5、と称し、第1、第2、第3通過領域10A、10B、10Cの−X側のエッジを適宜、第6エッジE6、と称する。
図13は、可動ブラインド10と第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2との関係を示す模式図である。可動ブラインド10は、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止するため、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2遮光帯SB1、SB2の外側への第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮る。
第1通過領域10A及び第3通過領域10Cは、S偏光状態の第1露光光EL1を通過する光通過領域であり、その光通過領域は、第1マスクM1上の第1遮光帯SB1で囲まれた第1パターン形成領域SA1に応じた大きさを有する。また、第2通過領域10B及び第3通過領域10Cは、P偏光状態の第2露光光EL2を通過する光通過領域であり、その光通過領域は、第2マスクM2上の第2遮光帯SB2で囲まれた第2パターン形成領域SA2に応じた大きさを有する。すなわち、可動ブラインド10は、第1パターン形成領域SA1に対応する光通過領域と、第2パターン形成領域SA2に対応する光通過領域とを、所定の範囲(第3通過領域10C)で重複して備えている。
第1マスクM1の第1パターンPA1を第1露光光EL1で照明するために第1パターンPA1を走査開始位置に配置した際、制御装置30は、可動ブラインド10の第1エッジE1及び第3エッジE3の像が第1マスクM1上に投影された場合を仮定したときに、第1エッジE1及び第3エッジE3の像が、第1パターン形成領域SA1の+Y側及び−Y側に設けられた第1遮光帯SB1に収まるように、第1マスクM1と可動ブラインド10との位置関係を調整する。また同様に仮定したときに、可動ブラインド10の第5エッジE5及び第6エッジE6の像が、第1パターン形成領域SA1の+X側及び−X側に設けられた第1遮光帯SB1に収まるように調整される。この第1マスクM1と可動ブラインド10との位置関係を維持しつつ、第1マスクM1と可動ブラインド10とを同期移動することにより、走査露光開始前において、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が特に第1エッジE1で遮られることで、第1パターン形成領域SA1以外の部分に対する不要な第1露光光EL1の照射、ひいては第1露光光EL1による基板Pの不要な露光が防止される。また、走査露光中においても、可動ブラインド10は、第1マスクM1の移動と同期して移動するので、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が特に第5エッジE5及び第6エッジE6により遮られることで、第1パターン形成領域SA1以外の部分に対する不要な第1露光光EL1の照射を防止することができる。また、走査露光終了後においても、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が、第1マスクM1と同期して移動する可動ブラインド10、特に第3エッジE3で遮られるので、第1パターン形成領域SA1以外の部分に対する不要な第1露光光EL1の照射、ひいては第1露光光EL1による基板Pの不要な露光が防止される。
また、第1マスクM1のY軸方向への移動が開始された後、第2マスクM2のY軸方向への移動が開始されるが、第2マスクM2の第2パターンPA2が走査開始位置に配置された際、可動ブラインド10の第2エッジE2及び第4エッジE4の像が第2マスクM2上に投影された場合を仮定したときに、第2エッジE2及び第4エッジE4の像が、第2パターン形成領域SA2の+Y側及び−Y側に設けられた第2遮光帯SB2に収まるように設定されている。また同様に仮定したときに、可動ブラインド10の第5エッジE5及び第6エッジE6の像が、第2パターン形成領域SA2の+X側及び−X側に設けられた第2遮光帯SB2に収まるように調整される。この第2マスクM2と可動ブラインド10との位置関係を維持しつつ、第2マスクM2と可動ブラインド10とを同期移動することにより、走査露光開始前において、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が可動ブラインド10の特に第2エッジE2で遮られるので、第2パターン形成領域SA2以外の部分に対する不要な第2露光光EL2の照射、ひいては第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止される。また、走査露光中においても、可動ブラインド10は、第2マスクM2の移動と同期して移動するので、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が可動ブラインド10の第5エッジE5及び第6エッジE6により遮られるので、第2パターン形成領域SA2以外の部分に対する不要な第2露光光EL2の照射を防止することができる。また、走査露光終了後においても、固定ブラインド9を通過した露光光ELの一部が、第2マスクM2と同期して移動する可動ブラインド10により、特に第3エッジE3により遮られることにより、第2パターン形成領域SA2以外の部分に対する不要な第2露光光EL2の照射、ひいては第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止される。
このように、本実施形態においては、特に走査露光の開始時及び終了時に、可動ブラインド10を用いて、固定ブラインド9を通過した露光光Elを制限することで、第1、第2マスクM1、M2上での第1、第2露光光EL1、EL2の照射を制限して第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
特に、本実施形態においては、第1露光光EL1と第2露光光EL2との偏光状態の違いを利用して、可動ブラインド10に一方の露光光を通過可能で、他方の露光光をほぼ遮光できる第1通過領域10Aと第2通過領域10Bとを設けているので、第1パターン形成領域PA1と第1照明領域IA1との位置関係と、第2パターン形成領域PA2と第2照明領域IA2との位置関係とが異なる場合にも、単一の可動ブラインド10で基板Pに対する不要な露光を確実に防止することができる。これにより、多重を行うことができる露光装置の照明系をコンパクトにし、装置コストを低減することができる。
なお、本実施形態においては、第1通過領域10Aを通過した第1露光光EL1と第3通過領域10Cを通過した第1露光光EL1とを同一の強度で基板P上に照射するとともに、第2通過領域10Bを通過した第2露光光EL2と第3通過領域10Cを通過した第2露光光EL2とを同一の強度で基板P上に照射するために、第3通過領域10Cは、通過する光の強度を調整可能な光学部材によって形成してもよい。この場合、第3通過領域10Cの光学部材は、例えばNDフィルタ(neutral density filter)等、透過率を調整可能な光学部材(フィルタ部材)を含む。光源装置1から射出され、第1光学系2を通過した露光光ELのうち、S偏光状態の第1露光光EL1は、可動ブラインド10の第1通過領域10A及び第3通過領域10Cを通過し、分離光学系13を介して第1マスクM1上に照射され、P偏光状態の第2露光光EL2は、可動ブラインド10の第2通過領域10B及び第3通過領域10Cを通過し、分離光学系13を介して第2マスクM2上に照射される。この場合において、第1通過領域10Aが第1の透過率を有する場合、第3通過領域10Cの第1露光光EL1に対する透過率を、第1の透過率に応じた値に設定する必要がある。同様に、第2通過領域10Bが第2の透過率を有する場合、第3通過領域10Cの第2露光光EL2に対する透過率を、第2の透過率に応じた値に設定する必要がある。本実施形態においては、第3通過領域10Cの光学部材として、透過率を調整可能な機能を有する光学部材を用いることによって、第1通過領域10Aの透過率と第3通過領域10Cの透過率とを一致させることができるとともに、第2通過領域10Bの透過率と第3通過領域10Cの透過率とを一致させることができる。したがって、第1通過領域10Aを通過した第1露光光EL1と第3通過領域10Cを通過した第1露光光EL1との基板P上での強度を同じ値にすることができるとともに、第2通過領域10Bを通過した第2露光光EL2と第3通過領域10Cを通過した第2露光光EL2との基板P上での強度を同じ値にすることができる。
なお、可動ブラインド10において、第1通過領域10Aを形成する光学部材と第2通過領域10Bを形成する光学部材とを、第3通過領域10Cを形成する光学部材が固定された支持部材10Dから分離して、第1通過領域10Aを形成する光学部材と第2通過領域10Bを形成する光学部材とのそれぞれが独立に移動できるようにしてもよい。こうすることにより、第2エッジE2及び第3エッジE3のZ軸方向の位置を変更することができるので、第1露光光EL1が通過する領域の大きさ及び第2露光光EL2が通過する領域の大きさを変更することが可能となる。したがって、第1、第2マスクM1、M2上の第1、第2パターン形成領域PA1、PA2の大きさが変わったり、ショット領域SHを走査露光するときの第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係が変化したりしても、その変化に合わせて第1、第2マスクM1、M2に対する第1、第2露光光EL1、EL2の照射を制限することができ、基板Pの不要な露光を確実に防止することができる。もちろん、可動ブラインド10が、第5、第6エッジE5、E6の位置を調整するための可動な遮光部材を備えていてもよい。また、第1通過領域10A及び第2通過領域10Bが、第1露光光EL1及び第2露光光EL2のそれぞれをほぼ100%通過可能な場合には、第3通過領域10Cには光学部材を設けなくてもよい。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について図22のフローチャートを参照しながら説明する。
上述のように、本実施形態においては、制御装置30は、基板Pのショット領域SHを露光するとき、マスクステージ60を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、マスクステージ60の所定の走査方向への移動と同期して、基板ステージ80を用いて、基板P上のショット領域SHを第1、第2マスクM1、M2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。
以下の説明においては、マスクステージ60による第1マスクM1及び第2マスクM2の+Y方向への移動に同期して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2に対して基板ステージ80を用いて基板P上のショット領域SHを−Y方向に移動しつつ、基板P上のショット領域SHを露光する場合を例にして説明する。
まず、制御装置30は、基板Pの露光を開始する前に、基板Pの感光材の感度等に基づいて、基板Pのショット領域SHを露光するときの基板ステージ80の移動速度(走査速度)を決定するとともに、投影光学系PLの投影倍率と基板Pの走査速度とに基づいて、マスクステージ60(メインステージ61)の移動速度(走査速度)を決定する。また、記憶装置31には、レーザ干渉計75によって規定されるXY座標系内における第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれの位置情報が予め記憶されている。
制御装置30は、メインステージ61のY軸方向への移動によって、第1マスクM1の第1パターンPA1の像の第1露光領域AR1への投影、及び第2マスクM2の第2パターンPA2の像の第2露光領域AR2への投影のそれぞれが、所望のタイミングで開始されるように、メインステージ61上での第1マスクM1及び第2マスクM2のそれぞれの位置(第1マスクM1と第2マスクM2の相対位置関係)を調整する(図22のS1)。
上述のように、メインステージ61上での第1、第2露光光EL1、EL2を基準とした第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係(第1照明領域IA1に対する第1マスクM1の位置、及び第2照明領域IA2に対する第2マスクM2の位置)は、基板P上のショット領域SHに対する第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報、ひいては、レーザ干渉計75によって規定されるXY座標系内における第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報に応じて定められる。レーザ干渉計75によって規定されるXY座標系内における第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれの位置情報は記憶装置31に予め記憶されており、レーザ干渉計75によって規定されるXY座標系内におけるショット領域SHの位置情報も予め求められている。
制御装置30は、記憶装置31に記憶されている、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報(例えば、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との距離)に基づいて、第1、第2サブステージ62、63を用いて、メインステージ61上における第1マスクM1及び第2マスクM2の位置(第1マスクM1と第2マスクM2の相対位置関係)を調整する。
このように、本実施形態においては、制御装置30は、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係に基づいて、メインステージ61上での第1マスクM1及び第2マスクM2の位置(第1マスクM1と第2マスクM2の相対位置関係)を予め調整する。
上述の調整が完了した後、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光を開始する。基板Pの露光を開始するために、制御装置30は、光源装置1より露光光ELを射出する。光源装置1から射出された露光光ELは、第1光学系2に入射する。上述のように、第1光学系2は、偏光変換素子5を含み、オプティカルインテグレータ6の光射出面に、周方向偏光状態の露光光ELを射出する輪帯状の二次光源7を形成する。二次光源7から射出された露光光ELは、開口絞り8で制限され、S偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELに変換される。
第1光学系2より射出されたS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELは、ブラインド装置11を通過した後、分離光学系13に入射する。分離光学系13は、光源装置1から射出され、第1光学系2及びブラインド装置11を通過した露光光ELを、互いに偏光状態の異なるS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する(図22のS2)。分離光学系13で分離された第1露光光EL1は、第1サブステージ62に保持されている第1マスクM1を第1照明領域IA1で照明し、第2露光光EL2は、第2サブステージ63に保持されている第2マスクM2を第2照明領域IA2で照明する(図22のS3)。
第1マスクM1を通過することによりパターン化された第1パターンPA1からの第1露光光EL1は、第1誘導光学系41を介して中間光学部材40の第1反射面40Aに入射する。中間光学部材40の第1反射面40Aで反射した第1露光光EL1は、第3誘導光学系43に入射し、第3誘導光学系43の終端光学素子FLを介して投影光学系PLの像面側に規定された第1露光領域AR1に照射される。また、第2マスクM2を通過することによりパターン化された第2パターンPA2からの第2露光光EL2は、第2誘導光学系42を介して中間光学部材40の第2反射面40Bに入射する。中間光学部材40の第2反射面40Bで反射した第2露光光EL2は、第3誘導光学系43に入射し、第3誘導光学系43の終端光学素子FLを介して、投影光学系PLの像面側に第1露光領域AR1とは異なる位置(第1露光領域AR1からY軸方向に離れた位置)に規定された第2露光領域AR2に照射される。
制御装置30は、計測システム70のレーザ干渉計74を用いてマスクステージ60の位置情報をモニタしながら、そのマスクステージ60を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを+Y方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、マスクステージ60による第1マスクM1及び第2マスクM2の+Y方向への移動に同期して、計測システム70のレーザ干渉計75を用いて基板ステージ80の位置情報をモニタしながら、その基板ステージ80を用いて、基板Pを−Y方向に移動しつつ、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに、第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射する。このように第1及び第2マスクM1,M2と基板Pを移動しつつ第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を別個に照射することで、後に詳述するような過程を経て基板Pの所定領域(ショット領域)が二重露光される(図22のS4)。
本実施形態においては、制御装置30は、基板P上のショット領域SHを露光するに際し、第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明を開始した後に、第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明を開始し、第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明を終了した後に、第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明を終了する。また、制御装置30は、ショット領域SHに対する第1露光光EL1によるパターンPA1の投影を開始した後に、ショット領域SHに対する第2露光光EL2による第2パターンPA2の投影を開始し、ショット領域SHに対する第1露光光EL1による第1パターンPA1の投影を終了した後に、ショット領域SHに対する第2露光光EL2による第2パターンPA2の投影を終了する。
次に、図10及び図11を参照して、基板P上のショット領域SHに第1、第2露光光EL1、EL2が照射される場合のシーケンスの一例について説明する。
図10において、制御装置30は、第1マスクM1の第1パターンPA1が形成された第1パターン形成領域SA1の+Y側のエッジが第1照明領域IA1に到達した時点で、第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明を開始する。また、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の+Y側のエッジが第1照明領域IA1に到達した時点で、図11中、基板P上のショット領域SHの−Y側のエッジG1が第1露光領域AR1に到達するように設定されており、第1露光領域AR1に対する第1露光光EL1の照射が開始される。なお、第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明を開始前は、可動ブラインド10によって、基板P上での第1露光領域AR1の走査方向の幅が零であるが、第1パターンPA1による走査露光(第1走査露光)の開始時点、すなわち基板P上のショット領域SHのエッジG1が第1露光領域AR1の+Y側のエッジに到達した時点からその幅が徐々に広げられていき、所定の設定値に達した時点でその幅は一定に維持される。これにより、第1走査露光の開始前後に、基板P上でショット領域SHに対して−Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。なお、第1走査露光の開始直後は、可動ブラインド10によって第2露光領域AR2の走査方向の幅が零となっている。
制御装置30は、マスクステージ60(メインステージ61)の+Y方向への移動を続けることによって、第1マスクM1の第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明を連続的に行う。マスクステージ60の+Y方向への移動を続けることによって、第1マスクM1の第1パターンPA1は第1照明領域IA1を通過する。
また、制御装置30は、マスクステージ60の+Y方向への移動と同期して、基板ステージ80の−Y方向への移動を続けることによって、基板P上のショット領域SHに対する、第1露光光EL1による第1パターンPA1の像の投影を連続的に行う。基板ステージ80の−Y方向への移動を続けることによって、基板P上のショット領域SHは第1露光領域AR1を通過する。
そして、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の−Y側のエッジが第1照明領域IA1の+Y側のエッジに到達した時点で、第1マスクM1の第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明が終了する。また、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の−Y側のエッジが第1照明領域IA1の+Y側のエッジに到達した時点で、図11中、基板P上のショット領域SHの+Y側のエッジG2が第1露光領域AR1の−Y側のエッジに到達するように設定されており、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第1露光領域AR1の−Y側のエッジに到達した時点で、第1露光領域AR1に対する第1露光光EL1の照射が停止される。これにより、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1によるショット領域SHの露光、すなわちショット領域SHに対する第1露光光EL1による第1パターンPA1の像の投影が終了する。なお、前述のように、可動ブラインド10が第1マスクM1と同期して移動するので、第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の−Y側のエッジが第1照明領域IA1の−Y側のエッジに到達した時点で第1照明領域IA1が可動ブラインドのエッジE3により制限され始め、第1照明領域IA1の+Y側のエッジに到達した時点で第1照明領域IA1の幅は零となる。これに対応して、ショット領域SHのエッジG2が第1露光領域AR1の+Y側のエッジに到達した時点から第1露光領域AR1の幅が徐々に狭められていき、エッジG2が第1露光領域AR1の−Y側のエッジに到達した時点でその幅が零となる。これにより、第1走査露光の終了前に、基板P上でショット領域SHに対して+Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。
第1マスクM1の第1パターン形成領域SA1の一部の領域が第1照明領域IA1を通過している間の所定のタイミングで、第2マスクM2の第2パターンPA2が形成された第2パターン形成領域SA2の+Y側のエッジが第2照明領域IA2に到達し、第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明が開始される。また、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の+Y側のエッジが第2照明領域IA2に到達した時点で、図11中、基板P上のショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達するように設定されており、第2露光領域AR2に対する第2露光光EL2の照射が開始される。すなわち、基板P上のショット領域SHの一部の領域が第1露光領域AR1を通過している間の所定のタイミングで、ショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達し、ショット領域SHに対する第2露光光EL2による第2パターンPA2の像の投影が開始される。なお、第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明の開始前は、可動ブラインド10によって、基板P上での第2露光領域AR2の走査方向の幅が零であるが、第2パターンPA2による走査露光(第2走査露光)の開始時点、すなわち基板P上のショット領域SHのエッジG1が第2露光領域AR2の+Y側のエッジに到達した時点からその幅が徐々に広げられていき、所定の設定値に達した時点でその幅は一定に維持される。これにより、第2走査露光の開始前後に、基板P上でショット領域SHに対して−Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。
上述のように、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係(Y軸方向の距離)に基づいて、メインステージ61に対する第1マスクM1の位置及び第2マスクM2の位置、すなわちメインステージ61上における第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係が予め調整されており、メインステージ61と基板ステージ80とを同期移動することによって、基板P上のショット領域SHの−Y側のエッジG1が第2露光領域AR2に到達したときに、第2マスクM2の第2パターンPA2の投影を開始することができる。
制御装置30は、マスクステージ60(メインステージ61)の+Y方向への移動を続けることによって、第2マスクM2の第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明を連続的に行う。マスクステージ60の+Y方向への移動を続けることによって、第2マスクM2の第2パターンPA2は第2照明領域IA2を通過する。
また、制御装置30は、マスクステージ60の+Y方向への移動と同期して、基板ステージ80の−Y方向への移動を続けることによって、基板P上のショット領域SHに対する、第2露光光EL2による第2パターンPA2の像の投影を連続的に行う。基板ステージ80の−Y方向への移動を続けることによって、基板P上のショット領域SHは第2露光領域AR2を通過する。
そして、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の−Y側のエッジが第2照明領域IA2の+Y側のエッジに到達した時点で、第2マスクM2の第2パターンPA2に対する第2露光光EL2による照明が終了する。また、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の−Y側のエッジが第2照明領域IA2の+Y側のエッジに到達した時点で、図11中、基板P上のショット領域SHの+Y側のエッジG2が第2露光領域AR2の−Y側のエッジに到達するように設定されており、ショット領域SHの+Y側のエッジG2が第2露光領域AR2の−Y側のエッジに到達した時点で、第2露光領域AR2に対する第2露光光EL2の照射が停止される。これにより、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2によるショット領域SHの露光、すなわちショット領域SHに対する第2露光光EL2による第2パターンPA2の像の投影が終了する。なお、前述のように、可動ブラインド10が第2マスクM2と同期して移動するので、第2マスクM2の第2パターン形成領域SA2の−Y側のエッジが第2照明領域IA2の−Y側のエッジに到達した時点で第2照明領域IA2が可動ブラインドのエッジE4により制限され始め、第2照明領域IA2の+Y側のエッジに到達した時点で第2照明領域IA2の幅は零となる。これに対応して、ショット領域SHのエッジG2が第2露光領域AR2の+Y側のエッジに到達した時点から第2露光領域AR2の幅が徐々に狭められていき、エッジG2が第2露光領域AR2の−Y側のエッジに到達した時点でその幅が零となる。これにより、第2走査露光の終了前に、基板P上でショット領域SHに対して+Y方向のショット領域の不要な露光を防止できる。
こうして、第1露光領域AR1に照射された第1露光光EL1で露光された基板P上のショット領域SHの感光材層は、現像工程等を介さずに、第2露光領域AR2に照射された第2露光光EL2で再度露光(二重露光)される。
また、第2パターン形成領域SA2の一部の領域が第2照明領域IA2を通過している途中の所定のタイミングで、第1マスクM1の第1パターンPA1に対する第1露光光EL1による照明が終了する。また、基板P上のショット領域SHの一部の領域が第2露光領域AR2を通過している途中の所定のタイミングで、ショット領域SHに対する第1露光光EL1の照射が終了する。
以上のように、本実施形態においては、1回のスキャン動作で、基板P上の1つのショット領域SHを第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで多重露光(二重露光)することができる。
基板P上にはショット領域SHが複数設けられており、制御装置30は、これらショット領域SHのそれぞれを順次露光する。制御装置30は、基板Pの−Y方向へのスキャン動作と+Y方向へのスキャン動作とを繰り返すことによって、基板P上の複数のショット領域SHを順次多重露光する。
また、第1、第2マスクM1、M2、及び基板Pの移動中には、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10を移動しているので、第1、第2マスクM1、M2のうち第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮ることができる。したがって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止される。特に、単一の可動ブラインドを用いて、第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する露光光の不要な照射を防止しているので、多重露光を行う露光装置の装置コストの増大や装置の大型化を抑えることができる。
また、光源装置1から射出される露光光ELを分離する分離光学系13を設けたので、装置コストの増大や装置の大型化を抑え、基板Pを効率良く多重露光できる。特に、第1露光光EL1と第2露光光EL2は、単一の光源装置から発生される露光光ELをしたものであるので、第1露光光EL1と第2露光光EL2は、偏光方向が異なる以外は、共通のビーム品質(例えば、波長特性)を備えている。それゆえ、異なる二つの光源から第1露光光と第2露光光を発生させる場合に比べて、それらの露光光間の調整を行う必要がなく、一層容易に多重露光における良好な露光品質を維持することができる。
また、Y軸方向の異なる位置に規定された第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とのそれぞれに露光光ELを照射するとともに、基板P上のショット領域SHが第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを通過するように基板PをY軸方向に移動することで、基板Pのショット領域SHを効率良く多重露光することができる。本実施形態においては、基板P上の複数のショット領域SHを多重露光(二重露光)するときに、1回のスキャン動作で、1つのショット領域SHを第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで露光することができ、スループットを向上できる。また、基板Pの−Y方向へのスキャン動作と+Y方向へのスキャン動作とを繰り返すことによって、基板P上の複数のショット領域SHを効率良く多重露光することができる。また、1回のスキャン動作で1つのショット領域SHを多重露光することができるので、各ショット領域SH内に第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とを所望の位置関係で形成することができる。
また、本実施形態においては、分離光学系13は、露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離しており、ラインパターンを含む第1、第2パターンPA1、PA2を直線偏光照明している。ラインパターンの長手方向とほぼ平行な偏光方向を有する露光光は、そのラインパターンの像のコントラストの向上に寄与するので、投影光学系PLの光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、基板P上において高いコントラストの第1、第2パターンPA1、PA2の像を得ることができる。投影光学系PLの開口数NAが、例えば0.9程度と大きい場合、ランダム偏光光では偏光効果によって結像特性が劣化する可能性がある。本実施形態においては、偏光照明を用いているので、良好なパターンの像を得ることができる。
また、本実施形態においては、第1露光領域AR1へ照射される第1露光光EL1、及び第2露光領域AR2へ照射される第2露光光EL2が1つの終端光学素子FLを介して基板Pに照射されるので、投影光学系PLの構成を簡素化することができる。また、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを異なる位置に規定しているので、第1、第2露光領域AR1、AR2と光学的な共役な位置近傍に反射面40A、40Bを配置することによって、第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とを第3誘導光学系43に導くことができ、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに照射することができる。
また、本実施形態の投影光学系PLにおいては、中間光学部材40で反射した第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とが、第3誘導光学系43の光軸に対して対称に第3誘導光学系43に入射するので、第3誘導光学系43内の各素子内の温度分布も光軸に対して対称にすることができる。したがって、第3誘導光学系43内の各素子に温度変化(温度分布変化を含む)が生じても、例えば投影光学系PL内の一部の光学素子(例えば、第3誘導光学系43内の一部のレンズ)を移動したり、傾斜させたりすることによって、投影光学系PLの光学性能を所望状態に維持することができる。
また、本実施形態においては、制御装置30は、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係等に基づいて、メインステージ61上での第1マスクM1及び第2マスクM2の位置(第1マスクM1と第2マスクM2の相対位置関係)を予め調整するとともに、計測システム70を用いて、マスクステージ60及び基板ステージ80の位置情報をモニタしつつ、第1、第2マスクM1、M2と基板Pとを移動しながら露光するので、第1マスクM1の第1パターンPA1の像の投影と第2マスクM2の第2パターンPA2の像の投影とのそれぞれを所望のタイミングで実行することができ、各ショット領域SH内に第1マスクM1の第1パターンPA1の像と第2マスクM2の第2パターンPA2の像とを所望の位置関係で形成することができる。
なお、基板P上の1つのショット領域SHを多重露光しているときに、メインステージ61と基板ステージ80との相対位置が目標相対位置からずれる可能性がある。メインステージ61と基板ステージ80との相対位置のずれは、レーザ干渉計74、75の計測結果に基づいて検知することができるので、制御装置30は、第1ステージ61と基板ステージ80との相対位置のずれを検知した場合には、レーザ干渉計74、75の計測結果に基づいて、第1サブステージ62及び第2サブステージ63の少なくとも一方を移動して、第1マスクM1及び第2マスクM2の少なくとも一方の位置を調整する。これにより、第1、第2マスクM1、M2とショット領域SHとの各位置関係が常に所望状態に調整され、第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とをショット領域SH内に所望の位置関係で形成することができる。
なお、本実施形態においては、計測システム70は、メインステージ61に設けられた反射部材71を用いてメインステージ61の位置情報を取得し、制御装置30は、その取得した位置情報に基づいて、メインステージ61の位置を制御しているが、反射部材71を省いて、反射部材72を用いて得られる第1サブステージ62の位置情報と、反射部材73を用いて得られる第2サブステージ63の位置情報との少なくとも一方を用いて、メインステージ61の移動を制御するようにしてもよい。また、計測システム70はレーザ干渉計以外のセンサ、例えばエンコーダなどを用いて、第1、第2マスクM1、M2の相対的な位置関係に関する情報、例えば第1、第2マスクM1、M2の位置情報(位置又は変位)などを検出してもよい。
なお、本実施形態においては、第1、第2マスクM1、M2を移動するための機構として、第1、第2サブステージ62、63を設け、その第1、第2サブステージ62、63の位置情報を取得するために、レーザ干渉計74による位置計測で用いられる反射部材72、73を設けているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置の変化、及びメインステージ61と基板ステージ80との同期誤差(位置誤差)が許容できる場合には、これらを省いてもよい。この場合、第1マスクM1及び第2マスクM2をメインステージ61上の所定位置のそれぞれに固定し、反射部材71を用いてレーザ干渉計74で取得されたメインステージ61の位置情報と、レーザ干渉計75で取得された基板ステージ80の位置情報とに基づいて、メインステージ61と基板ステージ80とを同期移動するようにしてもよい。
なお、投影光学系PLへの第1、第2露光光EL1、EL2の照射、及び投影光学系PLの周囲の環境変化(温度変化、圧力変化などを含む)等により、投影光学系PLの光学特性が変化して、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係に変化が生じる可能性がある。この場合には、第1マスクM1の第1パターンPA1の像と第2マスクM2の第2パターンPA2の像とのそれぞれがショット領域SH内の所望の位置に形成されるように、第1サブステージ62及び第2サブステージ63の少なくとも一方を動かして、第1マスクM1及び第2マスクM2の少なくとも一方の位置を調整してもよい。例えば、制御装置30は、投影光学系PLへの第1、第2露光光EL1、EL2の照射量、及び投影光学系PLの周囲の環境変化等をモニタし、第1マスクM1の第1パターンPA1の像と第2マスクM2の第2パターンPA2の像とのそれぞれがショット領域SH内の所望の位置に形成されるように、モニタ結果に基づいて、第1サブステージ62及び第2サブステージ63の少なくとも一方を動かすことができる。また、第1誘導光学系41、第2誘導光学系42、及び第3誘導光学系43の少なくとも1つを調整して、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2との相対位置関係(Y軸方向の距離など)を補正してもよい。さらに、上記の照射量や環境変化に起因して投影光学系PLの結像特性も変動する。そこで、上記のモニタ結果に基づいて、例えば、投影光学系PLの調整(光学素子の移動を含む)、露光光の波長特性(中心波長、スペクトル幅など)の調整、及び基板Pの移動(Z軸、θX及びθY方向の位置調整)の少なくとも1つを行うことが好ましい。これにより、結像特性の変動の抑制(補正)、及び/又はその変動に起因する露光精度の低下の防止を図ることが可能となる。
また、上述のように、本実施形態においては、制御装置30は、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明しているが、後述するように、光学ユニットUの構成によっては、ショット領域SHの走査露光中に、第1マスクM1と第2マスクM2とが互いに逆向きに移動する場合もある。そのような場合には、一つのショット領域SHの走査露光に対して、可動ブラインド10の一方向(+Z方向又は−Z方向)への移動により、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射、ひいては第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される第3、第4、第5光学系14、15、17の結像回数等の光学特性を設定すればよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、第2実施形態に係る照明系ILの要部を示す図である。上述の第1実施形態と異なる第2実施形態の特徴的な部分は、照明系ILが、分離光学系(偏光分離光学系)13で生成された第1露光光EL1及び第2露光光EL2の少なくとも一方の偏光状態を変える変換素子18を有している点にある。
本実施形態の照明系ILは、上述の第1実施形態と同様、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1からの露光光ELをS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELに変換して射出する第1光学系2と、ブラインド装置11と、露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する分離光学系(偏光分離光学系)13とを備えている。なお、図14には、光源装置1及び第1光学系2は図示されていない。また、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の光路上に、第2露光光EL2の偏光状態を変える変換素子18が配置されている。変換素子18は、位相差板を含む。本実施形態においては、変換素子18は、λ/4板である。
分離光学系13で分離されたS偏光状態の第1露光光EL1は、第3光学系14を介して第1マスクM1に照射される。一方、分離光学系13で分離されたP偏光状態の第2露光光EL2は、第4光学系15を介して、変換素子18に入射する。λ/4板からなる変換素子18は、入射されたP偏光を主成分とする第2露光光EL2を、円偏光を主成分とする第2露光光EL2に変換する。変換素子18でその偏光状態を変換された第2露光光EL2は、反射ミラー16及び第5光学系17を介して、第2マスクM2に照射される。
上述の実施形態同様、第1光学系2は、光源装置1からの露光光ELを所望の角度に回折する回折光学素子4を含む。本実施形態においては、回折光学素子4は、オプティカルインテグレータ6の光入射面を、照明系ILの光軸AXを含む円形状の照明領域と光軸AXを中心とした輪帯状の照明領域とで照明可能である。上述したように、回折光学素子4の構造条件を調整することによって、所望の照明領域を形成可能である。これにより、オプティカルインテグレータ6の光射出面には、光軸AXを含む円形状の二次光源と光軸AXを中心とした輪帯状の二次光源とが形成される。
また、上述の第1実施形態同様、オプティカルインテグレータ6の直前(光入射面近傍)には偏光変換素子5が配置されている。本実施形態の偏光変換素子5は、円形状の二次光源から射出される露光光ELをP偏光状態の露光光ELに変換するとともに、輪帯状の二次光源から射出される露光光ELを周方向偏光状態の露光光ELに変換する。なお、上述したように、偏光変換素子5の旋光能及び厚み等を調整することによって、所望の偏光状態を有する露光光を生成可能である。
図15は、本実施形態に係る開口絞り8を示す図である。開口絞り8は、オプティカルインテグレータ6の光射出面近傍、すなわち二次光源7の直後に配置される。図15において、開口絞り8は、露光光ELを通過可能な2つの第1開口8A及び第3開口8Gを有している。上述の第1実施形態同様、2つの第1開口8Aは、光軸AXを挟んで対向する位置に設けられており、その2つの第1開口8Aからは、S偏光状態の露光光ELが射出される。第3開口8Gは、円形状であり、光軸AX上に1つ設けられている。第3開口3Gは、円形状の二次光源に対応するように形成されており、その第3開口8Gからは、P偏光状態の露光光ELが射出される。このように、本実施形態においても、光源装置1から射出され、開口絞り8を通過する露光光ELは、S偏光成分とP偏光成分とを主に含む。
開口絞り8の開口8A、8Gを通過した露光光ELは、コンデンサー光学系等を介してブラインド装置11に入射する。ブラインド装置11の光通過領域を通過したS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELは、第2光学系12を介して、分離光学系13に入射する。
分離光学系13は、露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する。分離光学系13で分離されたS偏光状態の第1露光光EL1は、第3光学系14に供給され、その第3光学系14を介して第1マスクM1上に照射される。また、分離光学系13で分離されたP偏光状態の第2露光光EL2は、第4光学系15に供給され、変換素子18で円偏光状態の第2露光光EL2に変換された後、反射ミラー16及び第5光学系17を介して第2マスクM2上に照射される。
第1マスクM1上には、光軸AXに対して互いに対向する位置に配置された2つの第1開口8Aのそれぞれを通過した第1露光光EL1が照射され、第1マスクM1の第1パターンPA1は、S偏光を主成分とする第1露光光EL1によってダイポール照明(二極照明)される。上述の第1実施形態同様、第1マスクM1の第1パターンPA1は、X軸方向を長手方向とする複数のライン・アンド・スペースパターンを主成分とし、第1パターンPA1に含まれるライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向と、S偏光を主成分とする第1露光光EL1の偏光方向とはほぼ平行である。このように、照明系ILは、第1マスクM1のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光状態(S偏光状態)の二つの光束(第1露光光EL1)を用いて、第1マスクM1のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明(ダイポール照明)を行う。
一方、第2マスクM2上には、光軸AXを含む位置に配置された第3開口8Gを通過した第2露光光EL2が照射され、第2マスクM2の第2パターンPA2は、円偏光を主成分とする第2露光光EL2によって照明される。本実施形態においては、第2マスクM2の第2パターンPA2は、例えば複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在するパターンである。照明系ILは、第2マスクM2のパターンを、垂直照明する。以下では、第2露光光EL2による第2マスクM2の第2パターンPA2の照明を通常照明と呼ぶ。
なお、本実施形態においては、開口絞り8の開口8Gを小さくすることによって、照明σ値(コヒーレンスファクター)の小さい照明条件を設定することができるので、第2マスクM2が、例えばコンタクトホールパターンが形成される位相シフトマスクである場合などに有効である。
また、本実施形態においては、照明系ILは、第1マスクM1をダイポール照明し、第2マスクM2を通常照明しており、例えば第1マスクM1の第1パターンPA1としてファインパターンが形成され、第2マスクM2の第2パターンPA2として第1パターンPA1よりもラフなラフパターンが形成されている場合、それぞれのパターンに応じた照明条件で照明することができる。
なお、ここでは、照明系ILは、二次光源7から射出される露光光ELを、開口絞り8によりS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELに変換した後、分離光学系13に入射させ、第1マスクM1をS偏光状態の第1露光光EL1によりダイポール照明(二極照明)するとともに、第2マスクM2を円偏光状態の第2露光光EL2により通常照明している。ここで、回折光学素子の構造を調整し、1つの回折光学素子に、ダイポール照明用の回折光学素子としての機能と通常照明用の回折光学素子としての機能とを持たせ、その露光光ELの光路上に所定の偏光変換素子を配置することにより、開口絞りを設けることなく、第1マスクM1をS偏光状態の第1露光光EL1によりダイポール照明するとともに、第2マスクM2を円偏光状態の第2露光光EL2により通常照明することができる。
次に、本実施形態に係る露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。上述の第1実施形態同様、制御装置30は、基板Pを露光する前に、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の位置情報等に基づいて、メインステージ61上での第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係を、第1、第2サブステージ62、63を用いて調整する。
第1マスクM1と第2マスクM2との相対位置関係の調整が終了した後、制御装置30は、光源装置1より露光光ELを射出する。光源装置1から射出された露光光ELは、第1光学系2によって、所定の偏光状態に変換され、ブラインド装置11を通過して、分離光学系13に入射する。分離光学系13は、入射した露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する。S偏光状態の第1露光光EL1は、第1マスクM1の第1パターンPA1を照明する。P偏光状態の第2露光光EL2は、変換素子18によって円偏光状態の第2露光光EL2に変換された後、第2マスクM2を照明する。
本実施形態においても、制御装置30は、メインステージ61を有するマスクステージ60を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHを露光中に、第1マスクM1及び第2マスクM2の移動と同期して、基板Pを保持した基板ステージ80を、第1マスクM1及び第2マスクM2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10を移動する。これにより、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止される。
基板P上のショット領域SHは、第1パターンPA1及び投影光学系PLを介して第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2パターンPA2及び投影光学系PLを介して第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。本実施形態においても、第1露光領域AR1に照射された第1露光光EL1で露光された基板P上の感光材層は、現像工程等を介さずに、第2露光領域AR2に照射された第2露光光EL2で再度露光(二重露光)され、1つのショット領域SHは、1回のスキャン動作で、第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで多重露光(二重露光)される。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。図16は、第3実施形態に係る照明系ILの要部を示す図である。以下では、上述の第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態の照明系ILは、上述の第1実施形態と同様、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1からの露光光ELをS偏光成分とP偏光成分とを主に含む露光光ELに変換して射出する第1光学系2と、ブラインド装置11と、露光光ELをS偏光状態の第1露光光EL1とP偏光状態の第2露光光EL2とに分離する偏光分離光学系13とを備えている。なお、図16には、光源装置1及び第1光学系2は図示されていない。また、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の光路上に、結像光学系(リレー光学系)19A、19Bが配置されている。
本実施形態においては、可動ブラインド10を移動することによって、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射、ひいては第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される光学系14、17、19A、19Bによる結像回数が設定されている。本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の光路上に、2つの結像光学系(リレー光学系)19A、19Bが配置されている。結像光学系19A、19Bのそれぞれは、物体の像を1回倒立させる機能を有する。したがって、2つの結像光学系19A、19Bによって、ブラインド装置11の像、すなわち可動ブラインド10の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)は、分離光学系13と第2マスクM2との間において、2回倒立する。すなわち、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間における、可動ブラインド10の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)の結像回数(倒立回数)は、2回(偶数回)である。一方、本実施形態においては、分離光学系13と第1マスクM1との間における、可動ブラインド10の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)の結像回数(倒立回数)は、0回(偶数回)である。
分離光学系13で分離されたS偏光状態の第1露光光EL1は、第3光学系14を介して第1マスクM1に照射される。一方、分離光学系13で分離されたP偏光状態の第2露光光EL2は、2つの結像光学系19A、19Bを介して、反射ミラー16に入射し、その反射ミラー16で反射した後、第5光学系17を介して、第2マスクM2に照射される。
上述の実施形態同様、本実施形態においても、制御装置30は、マスクステージ60のメインステージ61を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば−Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、基板Pを保持した基板ステージ80を、第1マスクM1及び第2マスクM2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10を移動する。基板P上のショット領域SHは、第1パターンPA1及び投影光学系PLを介して第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2パターンPA2及び投影光学系PLを介して第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。
本実施形態においても、一つのショット領域SHに対する露光動作中に、可動ブラインド10を一方向(+Z方向又は−Z方向)移動することによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される光学系による結像回数が設定されているので、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明した場合でも、1つの可動ブラインド10によって、第1、第2マスクM1、M2のうち第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮ることができる。これにより、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
また、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の第2露光光EL2の光路上に、リレー光学系として結像光学系19A、19Bが配置されている。このため、第1マスクM1(第1サブステージ62)と第2マスクM2(第2サブステージ63)との距離が長い場合も、第1、第2マスクM1、M2のそれぞれを第1、第2露光光EL1、EL2で良好に照明することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。図17は第4実施形態を示す概略構成図である。上述の第1実施形態と異なる本実施形態の特徴的な部分は、第1誘導光学系41及び第2誘導光学系42が凹面ミラー44を有している点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図17に示すように、本実施形態の投影光学系PLは、上述の実施形態同様、基板Pの表面が対向してに配置される1つの終端光学素子FLを有し、その1つの終端光学素子FLを介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに第1露光光EL1及び第2露光光EL2を照射する。また、投影光学系PLは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2と光学的に共役な位置の近傍に配置され、第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とを第3誘導光学系43へ導く中間光学部材40を有している。
第1マスクM1からの第1露光光EL1を中間光学部材40に導く第1誘導光学系41は、凹面ミラー44を有している。同様に、第2マスクM2からの第2露光光EL2を中間光学部材40に導く第2誘導光学系42も、凹面ミラー44を有している。
第1、第2マスクM1、M2のそれぞれでパターン化された第1、第2露光光EL1、EL2のそれぞれは、第1、第2誘導光学系41、42により中間光学部材40に導かれる。ついで、第1露光光EL1と第2露光光EL2は、中間光学部材40の第1、第2反射面40A、40Bで反射した後、終端光学素子FLを含む第3誘導光学系43を介して、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに照射される。
本実施形態においても、制御装置30は、マスクステージ60のメインステージ61を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば−Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1マスクM1の第1パターンPA1及び第2マスクM2の第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、基板Pを保持した基板ステージ80を、第1マスクM1及び第2マスクM2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10を移動する。基板P上のショット領域SHは、第1パターンPA1及び投影光学系PLを介して第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2パターンPA2及び投影光学系PLを介して第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。
本実施形態においても、スループットの低下を招くことなく、1回のスキャン動作で基板P上の各ショット領域SHを多重露光することができる。
なお、上述の第1〜第4実施形態において、第1マスクM1からの第1露光光EL1が通過する第1誘導光学系41の一部の光学素子と、第2マスクM2からの第2露光光EL2が通過する第2誘導光学系42の一部の光学素子とを移動可能(及び/又は傾斜可能)にして、第1露光領域AR1に投影される第1パターンPA1の像と第2露光領域AR2に投影される第2パターンPA2の像とをそれぞれ独立に調整するようにしてもよい。
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。図18は第5実施形態を示す概略構成図である。上述の各実施形態と異なる本実施形態の特徴的な部分は、光学ユニットUが、第2マスクM2と基板Pとの間の第2露光光EL2の光路上に、所定の結像光学系(リレー光学系)20A、20Bを有している点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態の照明系ILは、上述の実施形態と同様、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1からの露光光ELの偏光状態を変換して射出する第1光学系2と、ブラインド装置11と、露光光ELを第1偏光状態の第1露光光EL1と第2偏光状態の第2露光光EL2とに分離する分離光学系(偏光分離光学系)13とを備えている。そして、第1マスクM1は、第1偏光状態(例えばS偏光状態)の第1露光光EL1で照明され、第2マスクM2は、第2偏光状態(例えばP偏光状態)の第2露光光EL2で照明される。
本実施形態においても、制御装置30は、メインステージ61を有するマスクステージ60を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは同じ位置に重なるように設定されている。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1マスクM1及び第2マスクM2の移動と同期して、基板Pを保持した基板ステージ80を、第1マスクM1及び第2マスクM2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’を移動する。但し、本実施形態においては、第1、第2露光領域AR1、AR2が同じ位置に設定されているので、第1パターン形成領域SA1と第1照明領域IA1との位置関係と、第2パターン形成領域SA2と第2照明領域IA2との位置関係とはほぼ同じなので、可動ブラインド10’は、第1、第2パターン形成領域SA1、SA2に応じた大きさの光通過領域を有していればよい。基板P上のショット領域SHは、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。
本実施形態においても、一つのショット領域SHに対する露光動作中に、可動ブラインド10’の一方向への移動によって、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射、ひいては第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される光学系14、15、17による結像回数が設定されている。
光学ユニットUは、投影光学系PLの物体面側(投影光学系PLとマスクステージ60との間)に設けられ、第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とが入射するビームスプリッタ24を備えている。また、光学ユニットUは、第2マスクM2と基板P(第2露光領域AR2)との間の第2露光光EL2の光路上に設けられた2つの結像光学系20A、20Bを有している。本実施形態においては、結像光学系20A、20Bは、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間の第2露光光EL2の光路のうち、第2マスクM2と投影光学系PLとの間に設けられている。また、本実施形態の結像光学系20A、20Bは等倍結像光学系である。また、結像光学系20A、20Bのそれぞれは、物体の像を1回倒立させる機能を有する。
第1マスクM1とビームスプリッタ24との間には第1反射ミラー21が設けられており、第1マスクM1からの第1露光光EL1は、第1反射ミラー21で反射した後、ビームスプリッタ24に入射する。また、第2マスクM2とビームスプリッタ24との間には第2反射ミラー22、結像光学系20A、20B、及び第3反射ミラー23が設けられており、第2マスクM2からの第2露光光EL2は、第2反射ミラー22で反射した後、結像光学系20A、20Bを通過し、第3反射ミラー23で反射した後、ビームスプリッタ24に入射する。ビームスプリッタ24に入射した第1露光光EL1及び第2露光光EL2は、そのビームスプリッタ24を介して投影光学系PLに入射する。
本実施形態の光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を偶数又は奇数のいずれか一方の回数倒立させ、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を一方の回数倒立させる。すなわち、光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を偶数回倒立させる場合には、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を偶数回倒立させる。一方、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を奇数回倒立させる場合には、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を奇数回倒立させる。
本実施形態においては、第2マスクM2と投影光学系PLとの間の第2露光光EL2の光路上に、物体の像を倒立させる機能を有する結像光学系20A、20Bが設けられている。したがって、2つの結像光学系20A、20Bによって、第2パターンPA2の像は、第2マスクM2と投影光学系PLとの間において、2回倒立する。また、本実施形態においては、投影光学系PLは、物体の像を1回倒立させる。したがって、第2パターンPA2の像は、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間において、3回(奇数回)倒立する。また、第1パターンPA1の像は、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間において、投影光学系PLにより、1回(奇数回)倒立する。
このように、本実施形態の光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を奇数回倒立させ、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を奇数回倒立させている。このため、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明した場合でも、基板P上のショット領域SHに所望の第1、第2パターンPA1、PA2の像を投影することができる。また、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’が移動することによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。図19は第6実施形態を示す概略構成図である。上述の第5実施形態と異なる本実施形態の特徴的な部分は、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像が偶数回倒立し、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像が偶数回倒立する点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態の照明系ILは、上述の実施形態と同等である。照明系ILは、第1マスクM1を第1偏光状態(例えばS偏光状態)の第1露光光EL1で照明し、第2マスクM2を第2偏光状態(例えばP偏光状態)の第2露光光EL2で照明する。
また、上述の実施形態同様、本実施形態においても、制御装置30は、メインステージ61を有するマスクステージ60を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1マスクM1及び第2マスクM2の移動と同期して、基板Pを保持した基板ステージ80を、第1マスクM1及び第2マスクM2とは逆向きの走査方向(例えば−Y方向)に移動する。また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’を移動する。基板P上のショット領域SHは、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。
光学ユニットUは、投影光学系PLの物体面側(投影光学系PLとマスクステージ60との間)に設けられ、第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とが入射するビームスプリッタ24を備えている。また、光学ユニットUは、第1マスクM1と基板P(第1露光領域AR1)との間の第1露光光EL1の光路上に設けられた第1結像光学系20Aと、第2マスクM2と基板P(第2露光領域AR2)との間の第2露光光EL2の光路上に設けられた第2結像光学系20Bとを有している。第1結像光学系20Aは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間の第1露光光EL1の光路のうち、第1マスクM1と投影光学系PLとの間に設けられている。第2結像光学系20Bは、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間の第2露光光EL2の光路のうち、第2マスクM2と投影光学系PLとの間に設けられている。また、本実施形態の第1、第2結像光学系20A、20Bは等倍結像光学系である。また、第1、第2結像光学系20A、20Bのそれぞれは、物体の像を1回倒立させる機能を有する。
第1マスクM1とビームスプリッタ24との間には、第1結像光学系20A及び第1反射ミラー21が設けられており、第1マスクM1からの第1露光光EL1は、第1結像光学系20Aを通過した後、第1反射ミラー21を介して、ビームスプリッタ24に入射する。第2マスクM2とビームスプリッタ24との間には、第2反射ミラー22、第2結像光学系20B、及び第3反射ミラー23が設けられており、第2マスクM2からの第2露光光EL2は、第2反射ミラー22で反射した後、第2結像光学系20Bを通過し、第3反射ミラー23で反射した後、ビームスプリッタ24に入射する。ビームスプリッタ24に入射した第1露光光EL1及び第2露光光EL2は、そのビームスプリッタ24を介して投影光学系PLに入射する。
本実施形態においては、第1パターンPA1の像は、第1結像光学系20Aによって、第1マスクM1と投影光学系PLとの間において、1回倒立する。また、本実施形態においては、投影光学系PLは、物体の像を1回倒立させる。したがって、第1パターンPA1の像は、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間において、2回(偶数回)倒立する。また、第2パターンPA2の像は、第2結像光学系20Bによって、第2マスクM2と投影光学系PLとの間において、1回倒立する。したがって、第2パターンPA2の像は、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間において、2回(偶数回)倒立する。
このように、本実施形態の光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を偶数回倒立させ、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を偶数回倒立させている。このため、第1マスクM1と第2マスクM2とを同一の走査方向(例えば+Y方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明した場合でも、基板P上のショット領域SHに所望の第1、第2パターンPA1、PA2の像を投影することができる。また、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’が移動することによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
なお、上述の第1〜第6実施形態においては、第1マスクM1に第1パターンPA1が形成され、第1マスクM1とは別の第2マスクM2に第2パターンPA2が形成されているが、1つのマスク上に第1パターンPA1及び第2パターンPA2を形成してもよい。その1つのマスク上に設けられている第1パターンPA1の像と第2パターンPA2の像とで基板Pを多重露光することができる。
<第7実施形態>
第7実施形態について説明する。図20は第7実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の特徴的な部分は、第1マスクM1と第2マスクM2とを互いに逆向きの走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態の照明系ILは、上述の実施形態と同様、露光光ELを射出する光源装置1と、光源装置1からの露光光ELの偏光状態を変換して射出する第1光学系2と、ブラインド装置11と、露光光ELを第1偏光状態(例えばS偏光状態)の第1露光光EL1と第2偏光状態(例えばP偏光状態)の第2露光光EL2とに分離する偏光分離光学系13とを備えている。なお、図20には、光源装置1及び第1光学系2は図示されていない。また、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の光路上に、結像光学系(リレー光学系)19が配置されている。
本実施形態においては、マスクステージ60は、ベース部材65と、ベース部材65上で第1マスクM1を保持して移動可能な第1ステージ62’と、第2マスクM2を保持して移動可能な第2ステージ63’とを備えている。第1ステージ62’と第2ステージ63’とはベース部材65上で独立して移動可能である。制御装置30は、第1ステージ62’及び第2ステージ63’を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを互いに逆向きの走査方向(Y軸方向)に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。
例えば、基板P上のショット領域SHの露光中に、マスクステージ60の第1ステージ62’によって、第1マスクM1が+Y方向に移動される場合、第2マスクM2は、第2ステージ63’によって、−Y方向に移動される。また、第1マスクM1が−Y方向に移動される場合、第2マスクM2は+Y方向に移動される。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1マスクM1及び第2マスクM2の移動に同期して、基板Pを保持した基板ステージ80を、所定の走査方向(Y軸方向)に移動する。
そして、本実施形態においては、可動ブラインド10’を移動することによって、第1、第2マスクM1、M2の第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射、ひいては第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される光学系14、17、19による結像回数が設定されている。本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間の光路上に、1つの結像光学系(リレー光学系)19が配置されている。結像光学系19は、物体の像を1回倒立させる機能を有する。したがって、1つの結像光学系19によって、ブラインド装置11の像、すなわち可動ブラインド10’の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)は、分離光学系13と第2マスクM2との間において、1回倒立する。すなわち、本実施形態においては、分離光学系13と第2マスクM2との間における、可動ブラインド10’の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)の結像回数(倒立回数)は、1回(奇数回)である。一方、本実施形態においては、分離光学系13と第1マスクM1との間における、可動ブラインド10’の光通過領域の像(各エッジE1〜E6の像)の結像回数(倒立回数)は、0回(偶数回)である。
分離光学系13で分離された第1偏光状態の第1露光光EL1は、第3光学系14を介して第1マスクM1に照射される。一方、分離光学系13で分離された第2偏光状態の第2露光光EL2は、結像光学系19を介して、反射ミラー16に入射し、その反射ミラー16で反射した後、第5光学系17を介して、第2マスクM2に照射される。
また、本実施形態の光学ユニットUは、投影光学系PLの物体面側(投影光学系PLとマスクステージ60との間)に設けられ、第1マスクM1からの第1露光光EL1と第2マスクM2からの第2露光光EL2とが入射するビームスプリッタ24と、第2マスクM2と基板P(第2露光領域AR2)との間の第2露光光EL2の光路上に設けられた1つの結像光学系20とを有している。結像光学系20は、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間の第2露光光EL2の光路のうち、第2マスクM2と投影光学系PLとの間に設けられている。また、結像光学系20は等倍結像光学系である。結像光学系20は、物体の像を1回倒立させる機能を有する。
第1マスクM1からの第1露光光EL1は、第1反射ミラー21で反射した後、ビームスプリッタ24に入射する。第2マスクM2からの第2露光光EL2は、第2反射ミラー22で反射した後、結像光学系20を通過し、第3反射ミラー23で反射した後、ビームスプリッタ24に入射する。ビームスプリッタ24に入射した第1露光光EL1及び第2露光光EL2は、そのビームスプリッタ24を介して投影光学系PLに入射する。
本実施形態の光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を偶数又は奇数のいずれか一方の回数倒立させ、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を他方の回数倒立させる。すなわち、光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を偶数回倒立させる場合には、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を奇数回倒立させる。一方、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を奇数回倒立させる場合には、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を偶数回倒立させる。
本実施形態においては、第2マスクM2と投影光学系PLとの間の第2露光光EL2の光路上に、物体の像を倒立させる機能を有する結像光学系20が1つ設けられている。したがって、第2パターンPA2の像は、その結像光学系20によって、第2マスクM2と投影光学系PLとの間において、1回倒立する。また、本実施形態においては、投影光学系PLは、物体の像を1回倒立させる。したがって、第2パターンPA2の像は、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間において、2回(偶数回)倒立する。また、第1パターンPA1の像は、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間において、投影光学系PLにより、1回(奇数回)倒立する。
次に、本実施形態に係る露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
制御装置30は、マスクステージ60の第1ステージ62’及び第2ステージ63’を用いて、第1マスクM1と第2マスクM2とを互いに逆向きの走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で、第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明する。また、制御装置30は、基板P上のショット領域SHの露光中に、第1マスクM1及び第2マスクM2の移動と同期して、基板Pを保持した基板ステージ80を、走査方向(Y軸方向)に移動する。
また、制御装置30は、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’を移動する。本実施形態においては、可動ブラインド10’を移動することによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光が防止されるように、分離光学系13と第1パターンPA1及び第2パターンPA2との間に配置される光学系による結像回数が設定されている。このため、第1マスクM1と第2マスクM2とを互いに逆向きの走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明した場合でも、1つの可動ブラインド10’によって、第1、第2マスクM1、M2のうち第1、第2パターン形成領域SA1、SA2以外の部分に対する不要な第1、第2露光光EL1、EL2の照射を遮ることができる。これにより、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
第1パターンPA1の像は、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間において、投影光学系PLにより、1回倒立して、基板P上のショット領域SHに投影される。第2パターンPA2の像は、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間において、2回倒立して、基板P上のショット領域SHに投影される。基板P上のショット領域SHは、第1露光領域AR1に照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、多重露光される。
このように、本実施形態の光学ユニットUは、第1マスクM1と第1露光領域AR1との間で第1パターンPA1の像を奇数回倒立させ、第2マスクM2と第2露光領域AR2との間で第2パターンPA2の像を偶数回倒立させている。このため、第1マスクM1と第2マスクM2とを互いに逆向きの走査方向に移動しつつ、第1露光光EL1及び第2露光光EL2で第1パターンPA1及び第2パターンPA2のそれぞれを照明した場合でも、基板P上のショット領域SHに所望の第1、第2パターンPA1、PA2の像を投影することができる。また、第1、第2マスクM1、M2の移動と同期して、可動ブラインド10’が移動することによって、第1露光光EL1及び第2露光光EL2による基板Pの不要な露光を防止することができる。
<第8実施形態>
第8実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板P上に液体の液浸領域を形成し、その液浸領域の液体を介して第1露光光EL1と第2露光光EL2とを基板P上のショット領域SHに照射する点にある。以下では、その差異を中心に説明し、上述の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図21は第8実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の照明系ILとしては、上述の第1〜第7実施形態の任意のものを用いることができる。投影光学系PL(光学ユニットU)も、上述の各実施形態の任意のものを用いることができる。また、基板P上のショット領域SHを露光する際、第1マスクM1と第2マスクM2とは同一の走査方向に移動されてもよいし、互いに逆向きの走査方向に移動されてもよい。
本実施形態の露光装置EXは、例えば国際公開第99/49504号パンフレット、特開2004−289126号(対応米国特許公開第2004/0165159号公報)等に開示されているような、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した露光装置であって、基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成する液浸システム100を備えている。本実施形態では、液体LQとして、水(純水)を用いる。また、基板Pには、液体LQから感光材や基材を保護するトップコート膜などを設けることができる。
液浸システム100は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子FLと基板Pとの間の第1、第2露光光EL1、EL2の光路の近傍に設けられ、その光路に対して液体LQを供給するための供給口112を有する供給部材113、及び液体LQを回収するための回収口122を有する回収部材123を有している。供給部材113には液体LQを送出可能な液体供給装置(不図示)が接続されており、液体供給装置は、清浄で温度調整された液体LQを供給口112を介して光路に供給可能である。また、回収部材123には、真空系等を含む液体回収装置(不図示)が接続されており、液体回収装置は、光路を満たす液体LQを回収口122を介して回収可能である。液体供給装置及び液体回収装置の動作は制御装置30で制御される。制御装置30は、液浸システム100を制御して、液体供給装置による液体供給動作と液体回収装置による液体回収動作とを並行して行うことで、投影光学系PLの終端光学素子FLの下面と、基板ステージ80上の基板Pの表面との間の第1、第2露光光EL1、EL2の光路を液体LQで満たすように、基板P上の一部の領域に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。液浸領域LRは、基板P上の第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2よりも大きく形成される。すなわち、液浸領域LRは、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の全てを覆うように形成される。
露光装置EXは、基板ステージ80に保持された基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成し、その液浸領域LRの液体LQを介して基板P上の第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに第1、第2露光光EL1、EL2を照射して、基板Pを露光する。
露光装置EXは、液浸領域LRを形成した状態で、第1、第2露光領域AR1、AR2に対して基板P上のショット領域SHをY軸方向に移動しつつ、第1、第2露光領域AR1、AR2のそれぞれに第1、第2露光光EL1、EL2を照射することにより、第1露光領域AR1に液体LQを介して照射される第1露光光EL1で形成される第1パターンPA1の像と、第2露光領域AR2に液体LQを介して照射される第2露光光EL2で形成される第2パターンPA2の像とで、基板P上のショット領域SHを多重露光(二重露光)する。
なお、本実施形態において、液体LQとして水(純水)を用いているが、液体LQとしては、水以外のものを用いてもよい。例えば、露光光ELがFレーザ光である場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしては例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、水よりも露光光ELに対する屈折率が高い液体、例えば屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で終端光学素子FLを形成してもよい。ここで、純水よりも屈折率が高い(例えば1.5以上)の液体LQとしては、例えば、屈折率が約1.50のイソプロパノール、屈折率が約1.61のグリセロール(グリセリン)といったC−H結合あるいはO−H結合を持つ所定液体、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の所定液体(有機溶剤)、あるいは屈折率が約1.60のデカリン(Decalin: Decahydronaphthalene)などが挙げられる。また、液体LQは、これら液体のうち任意の2種類以上の液体を混合したものでもよいし、純水にこれら液体の少なくとも1つを添加(混合)したものでもよい。さらに、液体LQは、純水にH、Cs、K、Cl、SO 2−、PO 2−等の塩基又は酸を添加(混合)したものでもよいし、純水にAl酸化物等の微粒子を添加(混合)したものでもよい。なお、液体LQとしては、光の吸収係数が小さく、温度依存性が少なく、投影光学系PL、及び/又は基板Pの表面に塗布されている感光材(又はトップコート膜あるいは反射防止膜など)に対して安定なものであることが好ましい。また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。液体LQとして、超臨界流体を用いることも可能である。
また、終端光学素子FLを、例えば石英(シリカ)、あるいは、フッ化カルシウム(蛍石)、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、及びフッ化ナトリウム等のフッ化化合物の単結晶材料で形成してもよいし、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で形成してもよい。屈折率が1.6以上の材料としては、例えば、国際公開第2005/059617号パンフレットに開示される、サファイア、二酸化ゲルマニウム等、あるいは、国際公開第2005/059618号パンフレットに開示される、塩化カリウム(屈折率は約1.75)等を用いることができる。
液浸システム100は、その一部(例えば、液体供給装置及び/又は液体回収装置を構成する部材)が露光装置に設けられている必要はなく、例えば露光装置が設置される工場等の設備を代用してもよい。また、液浸システム100の構造は、上述の構造に限られず、例えば、欧州特許公開第1420298号公報、国際公開第2004/055803号パンフレット、国際公開第2004/057590号パンフレット、国際公開第2005/029559号パンフレット(対応米国特許公開第2006/0231206号)、国際公開第2004/086468号パンフレット(対応米国特許公開第2005/0280791号)、特開2004−289126号公報(対応米国特許第6,952,253号)などに記載されているものを用いることができる。
また、本実施形態の投影光学系において、例えば、国際公開第2004/019128号パンフレット(対応米国特許公開第2005/0248856号)に開示されているように、終端光学素子の像面側の光路に加えて、終端光学素子の物体面側の光路も液体で満たすようにしてもよい。さらに、終端光学素子の表面の一部(少なくとも液体LQとの接触面を含む)又は全部に、親液性及び/又は溶解防止機能を有する薄膜を形成してもよい。なお、石英は液体LQとの親和性が高く、かつ溶解防止膜も不要であるが、蛍石は少なくとも溶解防止膜を形成することが好ましい。
また、本実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを1つの液浸領域LRで覆っているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とを別々の液浸領域(第1、第2液浸領域)で覆うようにしてもよい。この場合、第1、第2液浸領域を、種類(少なくとも露光光ELに対する屈折率)が異なる液体でそれぞれ形成してもよい。一例としては、第1、第2液浸領域の一方を、水(純水)で形成し、他方を、水(屈折率は1.44程度)よりも露光光ELに対する屈折率が高い液体で形成してもよい。また、第1液浸領域と第2液浸領域とで、液体LQの粘度、露光光ELの透過率及び温度の少なくとも1つが互いに異なっていてもよい。
上述の第1〜第8各実施形態において、照明系ILは、光源装置1から射出された露光光ELを、分離光学系(偏光分離光学系)13を用いて、第1偏光状態の第1露光光EL1と第2偏光状態の第2露光光EL2とに分離しているが、分離光学系を例えばハーフミラー等で形成し、その分離光学系を用いて、光源装置1から射出された露光光ELを、第1の強度(光量)を有する第1露光光と、第2の強度(光量)を有する第2露光光とに分離するようにしてもよい。そして、照明系は、それら第1、第2の強度(光量)を有する第1、第2露光光で、第1、第2パターンのそれぞれを照明するようにしてもよい。
あるいは、光源装置1が所定の波長帯域を有する露光光ELを射出する場合には、分離光学系を例えばダイクロイックミラー等で形成し、その分離光学系を用いて、光源装置1から射出された露光光ELを、第1の波長を有する第1露光光と、第2の波長を有する第2露光光とに分離するようにしてもよい。すなわち、露光光をその偏光状態、光強度(または光量)、または波長あるいはそれらの組み合わせにより分離してもよい(または露光光からそれらの物理的な特性が異なる第1成分および第2成分を取り出してもよい)。
上述の第1〜第8実施形態において、投影光学系PLとしては、上述のものに限られず、例えば縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれであってもよい。また、上述の実施形態においては、投影光学系PLとして、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系(カタディ・オプトリック系)を例にして説明したが、投影光学系PLとしては、反射光学素子を含まない屈折系、あるいは屈折光学素子を含まない反射系等であってもよい。さらに、反射屈折系として、例えば国際公開第2004/107011号パンフレット(対応米国特許公開第2006/0121364号)に開示されているように、複数の反射面を有しかつ中間像を少なくとも1回形成する光学系(反射系または反屈系)がその一部に設けられ、単一の光軸を有する、いわゆるインライン型の反射屈折系を使用してもよい。また、投影光学系を介して露光光が照射される露光領域は、投影光学系の視野内で光軸を含むオンアクシス領域でもよいし、あるいは上記のインライン型の反射屈折系と同様に、光軸を含まないオフアクシス領域でもよい。
上記各実施形態ではマスクステージ60に搭載されたメインステージ61により第1マスクM1及び第2マスクM2を基板Pに対して同期移動したが、これに限らず、第1マスクM1及び第2マスクM2をそれぞれ独立して基板Pに対して同期移動させることもできる。この場合、第1マスクM1及び第2マスクM2をそれぞれ載置して独立に駆動する第1マスクステージ及び第2マスクステージを設けることができる。例えば、メインステージ61を省略し、第1サブステージ62及び第2サブステージ63を独立してあるいは連動して基板Pに対して同期移動させることができる。このように独立に可動な第1マスクステージ及び第2マスクステージを設ける場合には、第1及び第2マスクステージが基板ステージとそれぞれ同期移動されるようにしなければならない。すなわち、第1マスクステージに載置された第1マスクと基板Pのショット領域の位置関係、並びに第2マスクステージに載置された第2マスクと基板Pのショット領域の位置関係をそれぞれ調整する必要がある。そうすることにより、第1露光領域AR1に形成される第1マスクのパターンPA1の像と、第2露光領域AR2に形成される第2マスクのパターンPA2の像とで、それらの像が正確に重なった状態で、基板Pのショット領域を多重露光(二重露光)することができる。
上述の各実施形態においては、第1マスクM1の第1パターンPA1の像と第2マスクM2の第2パターンPA2の像とを1つの投影光学系PLを用いて基板P上に投影しているが、投影光学系を複数(例えば2つ)設け、第1マスクM1の第1パターンPA1の像と、第2マスクM2の第2パターンPA2の像とを別々の投影光学系を用いて基板P上に投影するようにしてもよい。また、複数の投影光学系を、隣り合う投影領域が走査方向で所定量変位するように、且つ隣り合う投影領域の端どうしが走査方向と直交する方向に重複するように配置した、所謂マルチレンズ方式の走査型露光装置に、本発明を適用することも可能である。この場合であっても、単一の光源装置1と分離光学系13を用いれば、露光装置の大型化を回避できる。
なお、上述の各実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とは、1つのショット領域SHに同時に配置可能であるが、必ずしも1つのショット領域SHに同時に配置可能でなくてもよく、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2は任意に設定可能である。
なお、上述の各実施形態においては、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とがY軸方向に離れているが、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とはその一部がY軸方向(走査方向)において重複していてもよい。
また、上述の各実施形態において、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2の大きさ及び形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。例えば、第1露光領域AR1と第2露光領域AR2とでX軸方向の幅及び/又はY軸方向の幅が異なっていてもよい。なお、X軸方向の幅が異なる場合には、ショット領域SH内の一部だけが多重(二重)露光される。
また、上述の各実施形態においては、ショット領域SHが第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2を通過する間、第1露光領域AR1及び第2露光領域AR2のそれぞれに露光光ELの照射が続けられるが、少なくとも一方の露光領域において、ショット領域SHが通過する間の一部の期間だけで露光光が照射されるようにしてもよい。すなわち、ショット領域SH内の一部だけ多重(二重)露光するようにしてもよい。
上記各実施形態では、第1パターン及び第2パターンを形成するために第1マスクM1及び第2マスクM2を用いたが、これらに代えて、可変のパターンを生成する電子マスク(可変成形マスク)を用いることができる。このような電子マスクとして、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器:Spatial Light Modulator (SLM)とも呼ばれる)の一種であるDMD(Deformable Micro-mirror Device又はDigital Micro-mirror Device)を用い得る。DMDは、所定の電子データに基づいて駆動する複数の反射素子(微小ミラー)を有し、複数の反射素子は、DMDの表面に2次元マトリックス状に配列され、かつ素子単位で駆動されて露光光ELを反射、偏向する。各反射素子はその反射面の角度が調整される。DMDの動作は、制御装置30により制御され得る。制御装置30は、基板P上に形成すべき第1パターン及び第2パターンに応じた電子データ(パターン情報)に基づいてそれぞれのDMDの反射素子を駆動し、照明系ILにより照射される露光光ELを反射素子でパターン化する。DMDを使用することにより、パターンが形成されたマスク(レチクル)を用いて露光する場合に比べて、パターンが変更されたときに、マスクの交換作業及びマスクステージにおけるマスクの位置合わせ操作が不要になるため、多重露光を一層効率よく行うことができる。なお、DMDを用いた露光装置は、例えば特開平8−313842号公報、特開2004−304135号公報、米国特許第6,778,257号公報に開示されている。
上記各実施形態では干渉計システムを用いてマスクステージ及び基板ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば基板ステージの上面に設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り替えて用いる、あるいはその両方を用いて、基板ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
上記各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、国際公開第1999/46835号パンフレット(対応米国特許第7,023,610号)に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、第1、第2露光領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状、台形状、平行四辺形状、あるいは菱形状などでもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)、またはフィルム部材等が適用される。また、基板Pの形状は円形のみならず、矩形など他の形状でもよい。
また、本発明は、例えば、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報(対応米国特許第6,341,007号、第6,400,441号、第6,549,269号、及び第6.590,634号)、特表2000−505958号公報(対応米国特許第5,969.441号)などに開示されているような複数の基板ステージを備えたマルチステージ型(例えば、ツインステージ型)の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報(対応国際公開第1999/23692号パンフレット)や特開2000−164504号公報(対応米国特許第6,897,963号)に開示されているように、基板を保持する基板ステージと、計測部材(例えば、基準マークが形成された基準部材、及び/又は各種の光電センサ)を搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態のうち、露光光の光路を液体で満たす実施形態においては、投影光学系と基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、例えば、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような、露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
なお、上記各実施形態では露光装置EXが投影光学系を備えるものとしたが、投影光学系の代わりに、パターンの像を形成しない光学系(例えば、回折光学素子など)を用いてもよい。また、上記各実施形態では第1、第2露光領域AR1、AR2の少なくとも一方において、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように干渉縞を形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光してもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図23に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に多重露光する露光工程及び露光した基板の現像工程を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明によれば、基板の多重露光を正確に且つ高い効率で実現することができる。このため、液晶表示素子やマイクロマシンなどに使用される高密度で複雑な回路パターンを有するデバイスを高いスループットで生産することができる。それゆえ、本発明は、我国の半導体産業を含む精密機器産業の発展に著しく貢献するであろう。
第1実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る照明系の偏光変換素子の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る照明系の二次光源の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る照明系の開口絞りの一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る照明系の要部を示す図である。 第1実施形態に係る第1、第2マスクを示す図である。 (A)及び(B)は第1、第2マスクに露光光が入射する様子を示す模式図である。 照明系の開口絞りの別の例を説明するための図である。 マスクステージの一例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る露光方法を説明するための図であって、第1、第2マスクと第1、第2照明領域との関係を示す模式図である。 第1実施形態に係る露光方法を説明するための図であって、基板と第1、第2露光領域との関係を示す模式図である。 第1実施形態に係る可動ブラインドの一例を説明するための図である。 可動ブラインドの作用を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る照明系の要部を示す図である。 第2実施形態に係る照明系の開口絞りの一例を説明するための図である。 第3実施形態に係る照明系の要部を示す図である。 第4実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第5実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第6実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第7実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第8実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第1実施形態の露光装置を用いて基板を露光する方法を示すフローチャートである。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…光源装置、10、10’…可動ブラインド、10A…第1通過領域、10B…第2通過領域、10C…第3通過領域、11…ブラインド装置、13…分離光学系、18…変換素子、19、19A、19B…結像光学系、20、20A、20B…結像光学系、30…制御装置、40…中間光学部材、40A…第1反射面、40B…第2反射面、41…第1誘導光学系、42…第2誘導光学系、43…第3誘導光学系、44…凹面ミラー、60…マスクステージ、61…メインステージ、62…第1サブステージ、63…第2サブステージ、70…計測システム、80…基板ステージ、100…液浸システム、AR1…第1露光領域、AR2…第2露光領域、EL1…第1露光光、EL2…第2露光光、EX…露光装置、FL…終端光学素子、IL…照明系、LQ…液体、LR…液浸領域、M1…第1マスク、M2…第2マスク、P…基板、PA1…第1パターン、PA2…第2パターン、PL…投影光学系、SH…ショット領域、U…光学ユニット

Claims (55)

  1. 基板を露光する露光装置であって、
    露光光を射出する光源装置と、
    前記光源装置から射出された前記露光光を第1露光光と第2露光光とに分離する分離光学系と、
    前記第1露光光で第1パターンを照明するとともに前記第2露光光で第2パターンを照明する照明系とを備え、
    前記第1パターンからの前記第1露光光と前記第2パターンからの前記第2露光光とを前記基板上の所定領域に照射することによって、前記基板上の所定領域を多重露光する露光装置。
  2. 前記分離光学系は、前記露光光を第1偏光状態の第1露光光と第2偏光状態の第2露光光とに分離する偏光分離光学系を含み、
    前記照明系は、前記第1露光光で前記第1パターンを照明するとともに前記第2露光光で前記第2パターンを照明する請求項1記載の露光装置。
  3. 前記第1露光光は、所定方向の直線偏光を主成分とし、
    前記第2露光光は、前記所定方向に直交する方向の直線偏光を主成分とする請求項2記載の露光装置。
  4. 前記第1パターンが第1ラインパターンを含み、第1ラインパターンの長手方向と前記第1露光光の偏光方向とはほぼ平行であり、
    前記第2パターンが第2ラインパターンを含み、第2ラインパターンの長手方向と前記第2露光光の偏光方向とはほぼ平行である請求項3記載の露光装置。
  5. 前記第1パターン及び前記第2パターンの少なくとも一方がダイポール照明される請求項3記載の露光装置。
  6. 前記偏光分離光学系で生成された前記第1露光光及び前記第2露光光の少なくとも一方の偏光状態を変える変換素子を有する請求項2記載の露光装置。
  7. 前記変換素子は、直線偏光を主成分とする露光光を、円偏光を主成分とする露光光に変換する請求項6記載の露光装置。
  8. 前記偏光分離光学系は、光軸の周囲に旋光性を有する複数の素子を備え、該複数の素子はそれぞれ偏光分離光学系への入射光の偏光方向を光軸の周りに回転させる請求項7記載の露光装置。
  9. さらに、特定の前記素子を通過した直線偏光のみを通過させる開口絞りを備える請求項8記載の露光装置。
  10. さらに、直線偏光を円偏光に変換する波長板を有する請求項9記載の露光装置。
  11. 前記第1パターンからの前記第1露光光を第1露光領域に照射するとともに、前記第2パターンからの前記第2露光光を第2露光領域に照射する光学ユニットを備え、
    前記第1露光領域に照射される前記第1露光光で形成される第1パターン像と前記第2露光領域に照射される前記第2露光光で形成される前記第2パターン像とで前記基板上の所定領域を多重露光する請求項1〜10のいずれか一項記載の露光装置。
  12. 前記第1パターンを有する第1マスクを前記第1露光光に対して所定の走査方向に移動可能であり、前記第2パターンを有する第2マスクを前記第2露光光に対して所定の走査方向に移動可能なマスク移動システムと、
    前記基板上の所定領域を前記第1露光領域及び前記第2露光領域に対して所定の走査方向に移動可能な基板移動システムと、を備え、
    前記マスク移動システムによる前記第1マスク及び前記第2マスクの各走査方向への移動に同期して、前記基板移動システムを用いて前記基板上の所定領域を走査方向へ移動しつつ、前記第1パターン像と前記第2パターン像とで前記基板上の所定領域を多重露光する請求項11記載の露光装置。
  13. 前記第1マスクと前記第2マスクとを同一の走査方向に移動しつつ、前記第1露光光及び前記第2露光光で前記第1パターン及び前記第2パターンのそれぞれを照明する請求項12記載の露光装置。
  14. 前記マスク移動システムは、前記第1マスク及び前記第2マスクを保持してほぼ同一の走査方向に移動可能なメインステージを有する請求項13記載の露光装置。
  15. 前記マスク移動システムは、前記メインステージに対して前記第1マスクを移動可能な第1サブステージと、前記メインステージに対して前記第2マスクを移動可能な第2サブステージとを有する請求項14記載の露光装置。
  16. 前記メインステージに対して前記第1サブステージ及び前記第2サブステージの少なくとも一方を移動することによって、前記第1マスクと前記第2マスクとの相対的な位置関係が調整される請求項15記載の露光装置。
  17. 前記第1サブステージ及び前記第2サブステージの位置情報をそれぞれ計測可能な計測システムを更に備える請求項15又は16記載の露光装置。
  18. 第1マスク及び第2マスクは、前記メインステージ上で前記走査方向に配列されている請求項15〜17のいずれか一項記載の露光装置。
  19. 前記光学ユニットは、前記第1マスクと前記第1露光領域との間で前記第1パターン像を偶数又は奇数のいずれか一方の回数倒立させ、
    前記第2マスクと前記第2露光領域との間で前記第2パターン像を前記一方の回数倒立させる請求項13〜18のいずれか一項記載の露光装置。
  20. 前記第1マスクと前記第2マスクとを互いに逆向きの走査方向に移動しつつ、前記第1露光光及び前記第2露光光で前記第1パターン及び前記第2パターンのそれぞれを照明する請求項12記載の露光装置。
  21. 前記光学ユニットは、前記第1マスクと前記第1露光領域との間で前記第1パターン像を偶数又は奇数のいずれか一方の回数倒立させ、
    前記第2マスクと前記第2露光領域との間で前記第2パターン像を他方の回数倒立させる請求項20記載の露光装置。
  22. 前記光学ユニットは、前記基板の表面と対向するように配置された1つの終端光学素子を有し、前記1つの終端光学素子を介して、前記第1露光領域及び前記第2露光領域に前記第1露光光及び前記第2露光光を照射する請求項11〜21のいずれか一項記載の露光装置。
  23. 前記基板上の所定領域の露光中に、前記第1パターン及び前記第2パターンは各々の走査方向に移動されるとともに、前記基板が走査方向に移動され、
    前記第1露光領域と前記第2露光領域とは前記基板の走査方向の異なる位置に設定される請求項22記載の露光装置。
  24. 前記光学ユニットは、前記第1露光領域及び前記第2露光領域と光学的に共役な位置近傍に配置され、前記第1露光光と前記第2露光光とを前記終端光学素子へ導く中間光学部材を有し、
    前記第1パターンからの前記第1露光光と前記第2パターンからの前記第2露光光とが前記中間光学部材と前記終端光学素子とを介して前記第1露光領域及び前記第2露光領域のそれぞれに照射される請求項22又は23記載の露光装置。
  25. 前記光学ユニットは、前記第1パターンからの前記第1露光光を前記中間光学部材へ導く第1誘導光学系と、前記第2パターンからの前記第2露光光を前記中間光学部材へ導く第2誘導光学系とを含む請求項24記載の露光装置。
  26. 前記中間光学部材は、前記第1誘導光学系からの前記第1露光光を反射する第1反射面と前記第2誘導光学系からの前記第2露光光を反射する第2反射面とを有する請求項25記載の露光装置。
  27. 前記第1誘導光学系及び前記第2誘導光学系の少なくとも一方は凹面ミラーを含む請求項25記載の露光装置。
  28. 前記光源装置と前記分離光学系との間において、前記第1パターン、前記第2パターン、及び前記基板の少なくとも一つの移動と同期して移動可能に設けられ、前記第1露光光及び前記第2露光光による前記基板の不要な露光を防止する可動光学部材を備える請求項23〜27のいずれか一項記載の露光装置。
  29. 前記可動光学部材は、前記第1露光光を通過可能な第1領域と、前記第2露光光を通過可能な第2領域と、前記第1露光光と前記第2露光光とを通過可能な第3領域とを有する請求項28記載の露光装置。
  30. 前記第1、第2、及び前記第3領域は、前記第1パターン及び前記第2パターンの走査方向に対応する方向に並んで配置され、前記第3領域は前記第1領域と前記第2領域との間に設けられている請求項29記載の露光装置。
  31. 前記第1領域を通過した第1露光光と前記第3領域を通過した第1露光光とを同一の強度で前記基板に照射するとともに、前記第2領域を通過した第2露光光と前記第3領域を通過した第2露光光とを同一の強度で前記基板に照射する調整装置を備えた請求項29又は30記載の露光装置。
  32. 前記可動光学部材を移動することによって、前記第1露光光及び前記第2露光光による前記基板の不要な露光が防止されるように、前記分離光学系と前記第1パターン及び前記第2パターンとの間に配置される光学系による結像回数が設定されている請求項28〜31のいずれか一項記載の露光装置。
  33. 前記基板上に液浸領域を形成し、前記液浸領域の液体を介して前記第1露光光と前記第2露光光とを前記基板上の所定領域に照射する請求項1〜32のいずれか一項記載の露光装置。
  34. 請求項1〜33のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を多重露光することと、
    多重露光した基板を現像することと、
    現像した基板を加工することを含むデバイス製造方法。
  35. 基板を露光する露光装置であって、
    露光光を発生する光源と、
    第1露光光で第1パターンを照明するとともに第2露光光で第2パターンを照明する照明系と、
    前記基板に相対して第1パターン及び第2パターンを移動する移動装置と、
    第1パターン、第2パターン及び前記基板の少なくとも一つの移動と同期して移動可能であり、且つ第1露光光だけを通過させる第1領域と、第2露光光だけを通過させる第2領域と、第1露光光と第2露光光の両方を通過させる第3領域とを有する可動ブラインドと、
    第1パターンからの第1露光光と第2パターンからの第2露光光とを前記基板上の所定領域に照射することによって、前記基板上の所定領域を多重露光する露光装置。
  36. 第1パターン及び第2パターンが前記基板と同期して移動されつつ、可動ブラインドが第1パターン及び第2パターンと同期して移動される請求項35記載の露光装置。
  37. 第1、第2及び第3領域は、第1パターン及び第2パターンの配列方向に並んで配置され、第3領域は第1領域と前記第2領域との間に設けられている請求項36記載の露光装置。
  38. 第1パターンが第1領域と第3領域に対応し、第2パターンが第2領域と第3領域に対応する請求項36又は37記載の露光装置。
  39. 第1露光光と第2露光光が互いに直交する直線偏光であり、可動ブラインドが偏光板を備える請求項36〜38のいずれか一項記載の露光装置。
  40. 第1領域を通過した第1露光光と第3領域を通過した第1露光光とを同一の強度で前記基板に照射するとともに、第2領域を通過した第2露光光と第3領域を通過した第2露光光とを同一の強度で前記基板に照射する調整装置を備えた請求項35〜39のいずれか一項記載の露光装置。
  41. 前記可動光学部材を移動することによって、第1露光光及び第2露光光による前記基板の不要な露光が防止されるように、前記光源と第1パターン及び第2パターンとの間に配置される光学系による結像回数が設定されている請求項35〜40のいずれか一項記載の露光装置。
  42. 前記基板上に液浸領域を形成し、前記液浸領域の液体を介して第1露光光と第2露光光とを前記基板上の所定領域に照射する請求項35〜41のいずれか一項に記載の露光装置。
  43. 請求項35〜42のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を多重露光することと、
    多重露光した基板を現像することと、
    現像した基板を加工することとを含むデバイス製造方法。
  44. 基板を走査方向に移動しつつ前記基板上の所定領域を露光する露光方法であって、
    光源装置から射出された露光光を、第1露光光と第2露光光とに分離し、
    前記第1露光光を第1露光領域に照射するとともに、前記走査方向に関して前記第1露光領域とは異なる位置に設定された第2露光領域に前記第2露光光を照射し、
    前記第1露光領域及び前記第2露光領域に対して前記基板上の所定領域を移動することによって、前記基板上の所定領域を多重露光する露光方法。
  45. 第1露光光と第2露光光は、偏光状態、強度及び波長のうちの一つが異なる請求項44記載の露光方法。
  46. 第1露光光と第2露光光の偏光状態が異なる請求項44記載の露光方法。
  47. 第1露光光と第2露光光が互いに直交する直線偏光である請求項46記載の露光方法。
  48. 第1露光光が直線偏光であり、第2露光光が円偏光である請求項46記載の露光方法。
  49. 前記第1露光領域及び前記第2露光領域の前記走査方向の距離は、前記基板上の所定領域の前記走査方向の幅よりも小さい請求項44〜48のいずれか一項記載の露光方法。
  50. 前記第1露光光を第1パターンでパターン化して第1露光領域に照射し、前記第2露光光を第2パターンでパターン化して第2露光領域に照射する請求項44〜49のいずれか一項記載の露光方法。
  51. 前記第1露光光を第1マスクによりパターン化し、前記第2露光光を第2マスクによりパターン化する請求項50記載の露光方法。
  52. 前記基板を移動することに同期して、第1マスク及び第2マスクを第1及び第2露光光に対して移動することを含む請求項51記載の露光方法。
  53. 第1、第2マスクを同一のステージで保持し、前記多重露光時に前記ステージを移動して、第1、第2マスクと前記基板との同期移動を行うことを含む請求項52記載の露光方法。
  54. 前記基板上に液浸領域を形成し、前記液浸領域の液体を介して前記第1露光光と前記第2露光光とを前記基板上の所定領域に照射する請求項44〜53のいずれか一項記載の露光方法。
  55. 請求項44〜54のいずれか一項記載の露光方法を用いて基板を多重露光することと、
    多重露光した基板を現像することと、
    現像した基板を加工することを含むデバイス製造方法。
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