JP5501190B2 - フェースギアの噛み合い進行方向線決定方法、フェースギアの製造方法、フェースギア及びスピニングリールのロータ駆動装置 - Google Patents

フェースギアの噛み合い進行方向線決定方法、フェースギアの製造方法、フェースギア及びスピニングリールのロータ駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数のギア歯を有するフェースギアとフェースギアに噛み合うピニオンギアを用いてフェースギアの噛み合い進行方向線を決定するフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法、フェースギアの製造方法、フェースギア及びスピニングリールのロータ駆動装置に関する。
スピニングリールのハンドル軸とロータとは食い違う軸回りに配置されている。このため、ハンドルの回転をロータに伝達するロータ駆動機構には、フェースギアと、はす歯ギアを有するピニオンギアとを用いている。フェースギアは、はす歯のピニオンギアと同形状の切削工具で円板を切削加工して得られるギア歯を有している。これにより、滑らかな回転フィーリングを得ることができる。
従来は、切削加工により得られたマスターを金型に転写し、金型によりフェースギアを成形して作成している(例えば、特許文献1参照)。これにより、大量にフェースギアを作成でき、フェースギアの低コスト化を図ることができる。
特開2010−75075号公報
型成形によりフェースギアを作成すると、ロータ駆動機構の組立時に、フェースギアとピニオンギアとが基準の噛み合い位置からずれて配置されると、僅かなずれが生じても、ピニオンギアに対してフェースギアの回転むらが発生する。回転むらが発生すると、ハンドルを回転させたときにハンドルの回転がギクシャクした動きになり、回転フィーリングが悪化するおそれがある。このため、ロータ駆動機構の組立及び調整に多大な時間を要する。
本発明の課題は、組立寸法に誤差が生じても回転むらが生じにくいフェースギアを得ることにある。
発明1に係るフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法は、複数のギア歯を有するフェースギアとフェースギアに噛み合うピニオンギアを用いてフェースギアの噛み合い進行方向線を決定する方法である。噛み合い進行方向線決定方法は、配置工程と、曲線作成工程と、曲線配置工程と、第1座標算出工程と、直線算出工程と、第2座標算出工程と、誤差算出工程と、決定工程と、を含んでいる。配置工程では、ピニオンギアを基準の噛み合い位置からフェースギアの回転軸芯方向にフェースギアに対して離反又は接近させて噛み合わせる。曲線作成工程では、配置されたピニオンギアを等速回転させ、ピニオンギアの回転角度を第1軸とし、回転角度毎のフェースギアの回転角度の変動誤差を第1軸と直交する第2軸として回転角度と変動誤差との関係を示すフェースギアの一歯分のモーション曲線を作成する。曲線配置工程では、作成されたモーション曲線を、360度をピニオンギアの歯数Nで除算した角度間隔で第1軸方向にずらして3以上配置する。第1座標算出工程では、配置された3以上のモーション曲線のうち、中間にある第1モーション曲線と第1モーション曲線の両側に配置された2つの第2モーション曲線との第1交点と第2交点の座標を求める。直線算出工程では、第1交点と第2交点とを結ぶ第1直線を算出する。第2座標算出工程では、第1モーション曲線上の第1交点と第2交点との間の少なくとも一つの誤差位置から第1直線に垂直に下ろした第2直線と、第1直線と、の第3交点の座標を求める。誤差算出工程では、誤差位置の変動誤差から第3交点の変動誤差を減算して回転誤差を算出する。決定工程では、第1交点でのピニオンギアの第1接触位置と、回転誤差分フェースギアを回転させたときの第3交点の前記ピニオンギアの第3接触位置と、第2交点のピニオンギアの第2接触位置と、の少なくとも3つの点を結ぶ曲線を、ギア歯の歯面上でのフェースギアの噛み合い進行方向線として決定する。
このフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法では、フェースギアとピニオンギアとを基準位置からずらせて噛み合わせて、そのときのピニオンギアの回転角度に対するフェースギアの回転誤差をグラフ化したフェースギアの一歯分のモーション曲線を作成する。このモーション曲線を360/N分第1軸方向にずらして3以上のモーション曲線を配置する。この3つのモーション曲線の第1交点と第2交点を求め、第1交点と第2交点とを結ぶ第1直線を算出する。そして、第1交点と第2交点の間の少なくとも一つの誤差位置から第1直線に垂直に下ろした第2直線と第1直線との第3交点の座標を求める。次に、誤差位置の変動誤差から第3工程の変動誤差を減算して回転誤差を求め、第1交点でのピニオンギアの第1接触位置と、第3工程でのピニオンギアの第3接触位置と、第2交点でのピニオンギアの第2接触位置との少なくとも3つの点を結ぶ曲線をギア歯の歯面上での噛み合い進行方向線として決定する。
ここでは、フェースギアとピニオンギアとを基準位置からずらして配置したときの回転誤差を示すモーション曲線を360/N分ずらして配置し、そのときの第1交点と第2交点とを結ぶ第1直線に沿うように回転誤差が設定される噛み合い進行方向線が決定される。このため、組立時にフェースギアとピニオンギアとが基準位置から外れて配置されても、回転むら、すなわち回転誤差の変動が小さくなる。このため、組立寸法に誤差が生じても、回転むらが生じにくいフェースギアを得ることができる。
発明2に係るフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法は、発明1に記載の決定方法において、第2座標算出工程では、ピニオンギアの所定回転角度毎の複数の誤差位置から複数の第3交点の座標を求める。
前記誤差算出工程では、各誤差位置の変動誤差から複数の前記第3交点の変動誤差を減算して複数の回転誤差を算出し、決定工程では、第1接触位置と、複数の第3接触位置と、第2接触位置とを結ぶ曲線を噛み合い進行方向線とする。この場合には、噛み合い進行方向線のデータが増えるので、基準位置からずれても回転誤差の変動がさらに小さくなる。
発明3に係るフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法は、発明1又は2に記載の決定方法において、各工程は、電子計算機を用いてシミュレーションにより実行される。この場合には、電子計算機によるシミュレーションにより、各工程が実施されるので、プログラムの入力により複雑な演算を精度よく実施できる。
発明4に係るフェースギアの製造方法は、発明1から3のいずれかに記載のフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法により決定された噛み合い進行方向線に基づいて、フェースギアのギア歯の歯面を加工する。これにより、組立誤差が変動しても回転むらが生じにくいフェースギアを得ることができる。
発明5に係るフェースギアは、発明4に記載の製造方法に従って、噛み合い進行方向線に基づいて加工された歯面を有する。この場合には、組立誤差が生じても回転誤差の変動が少ないフェースギアを得ることができる。
発明6に係るスピニングリールのロータ駆動装置は、スピニングリールのリール本体に回転自在に支持されたハンドル軸の回転をロータに伝達する装置である。ロータ駆動装置はフェースギアと、ピニオンギアと、を有している。フェースギアは、ハンドル軸に一体回転可能に設けられた発明5に記載のギアである。ピニオンギアは、ハンドル軸と食い違う方向に配置され、リール本体に回転自在に支持され、フェースギアに噛み合う。このロータ駆動装置では、ピニオンギアとフェースギアとを組み立てる際に、基準位置に対してずれて配置されても、回転誤差の変動を抑えることができる。このため、組立誤差が変動してもフェースギアの回転むらが生じにくくなる。
本発明によれば、フェースギアとピニオンギアとを基準位置からずらして配置したときの回転誤差を示すモーション曲線を360/N分ずらして配置し、そのときの第1交点と第2交点とを結ぶ第1直線に沿うように回転誤差が設定される噛み合い進行方向線が決定される。このため、組立時にフェースギアとピニオンギアとが基準位置から外れて配置されても、回転むら、すなわち回転誤差の変動が小さくなる。このため、組立寸法に誤差が生じても、回転むらが生じにくいフェースギアを得ることができる。
本発明の一実施形態が採用されたスピニングリールの側面断面図。 図1のII−IIによる背面断面図。 ロータ駆動機構の分解斜視図。 ロータ駆動機構の平面図。 噛み合い進行方向線決定方法のフローチャート。 浅噛み時のモーション曲線の一例を示すグラフ。 深噛み時のモーション曲線の一例を示すグラフ。 フェースギア歯面におけるピニオンギアの接触経路を示す模式図。 モーション曲線の配置工程等を説明する模式図。 噛み合い進行方向線を示すフェースギア歯面の模式図。 噛み合い進行方向線で切削加工したフェースギアの三次元モデルを示す模式図。 図11に示した三次元モデルの深噛み時のモーション曲線を示すグラフ。 フェースギア歯面上での噛み合い進行方向線決定方向で決定された噛み合い進行方向線を示す模式図。 噛み合い進行方向線を歯面中央で決定するための方法を示す模式図。 3つのアライメント誤差とその方向を説明するための図。 アライメント誤差による回転誤差の発生のシミュレーション方法の一例を示す割り当て表。 三次元モデルと従来品のアライメント誤差による回転誤差を発生のシミュレーション結果を示すグラフ。 試作品のフェースギアと従来品のアライメント誤差による回転誤差の発生の測定結果を示すグラフ。 試作品と従来品とを組み込んだスピニングリールの官能評価結果を示すグラフ。
<スピニングリールの構成>
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1はリール本体2の左右いずれにも装着可能である。
ハンドル1は、図1及び図2に示すように、ハンドル軸1aと、ハンドル軸1aから径方向に延びるハンドルアーム1bと、ハンドルアーム1bの先端に回転自在に設けられたハンドル把手1cと、を有している。
リール本体2は、図1及び図2に示すように、側部が開口する収納空間を内部に有するリールボディ2aと、リールボディ2aの収納空間を塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図2)と、を有している。また、リール本体2は、リールボディ2a及び蓋部材2bの後部を覆う本体ガード26と、を有している。
リールボディ2aは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものであり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。リールボディ2aの収納空間内には、図1に示すように、ロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。
ロータ駆動機構5(ロータ駆動装置の一例)は、ハンドル1の回転をロータ3に伝達するものであり、ハンドル1の回転に連動してロータ3を回転させる。ロータ駆動機構5は、図2及び図3に示すように、ハンドル1のハンドル軸1aが一体回転可能に連結されたフェースギア軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。
図2に示すように、フェースギア11は、フェースギア軸10と一体又は別体(この実施形態では一体)に形成されている。フェースギア軸10は、ねじ結合又は非円形係合(この実施形態ではねじ結合)により一体回転可能に、ハンドル軸1aに連結されている。フェースギア軸10は、蓋部材2bに装着された軸受27a及びリールボディ2aに装着された軸受27bにより、リール本体2に回転自在に装着されている。フェースギア軸10の両端の内周面には、ハンドル軸1aに螺合する左雌ねじ部10a及び右雄ねじ部10bが形成されている。ここで、フェースギア11に近い側の左雌ねじ部10aは左ねじであり、フェースギア11から離れた側の右雌ねじ部10bは、右ねじである。したがって、ハンドル軸1aは、右ねじ用と左ねじ用の2種類のものが用意されている。
フェースギア11は、図2、図3及び図4に示すように、フェースギア軸10と一体で形成された円板部11aと、円板部11aの一側面の外周側に形成されたフェースギア部11bと、を有している。フェースギア部11bは、円板部の一側面の外周側に周方向に間隔を隔てて形成された複数のフェースギア歯11cを有している。フェースギア11は、フェースギア軸10とともに、例えばアルミニウム合金を鍛造して形成されている。フェースギア歯11cは、図4に示すように、ハンドル1が糸巻取方向に回転する時にピニオンギア12に噛み合う第1歯面11dと、糸繰り出し方向に回転したときに噛み合う第2歯面11eとを有している。少なくとも第1歯面11dは、後述する噛み合い進行方向線決定方法により決定された噛み合い進行方向線に沿うように形成されている。図15に示すように、第1歯面11dは歯すじ方向の中央部が凹んだ凹面で構成され、第2歯面11eは歯すじ方向の中央部が突出した凸面で構成されている。
ピニオンギア12は、筒状のギア本体12aと、ギア本体12aの後部外周面に形成されたはす歯12cを有するギア部12bと、を有している。ギア本体12aは、ハンドル軸1aと食い違う軸回り(スプール軸15回り)にリールボディ2aに回転自在に装着されている。ギア本体12aは、ギア部12bの前後で前軸受14a及び後軸受14bによりリールボディ2aに回転自在に支持されている。ギア本体12aの中心には、スプール軸15が貫通可能な貫通孔12dが形成されている。ギア本体12aの前端外周面には、ロータ3を固定するためのナット13が螺合する雄ねじ部12eが形成され、前部外周面には、ロータ3を一体回転可能に連結するための平行な回り止め平面12fが形成されている。
フェースギア11とピニオンギア12は、基準噛み合い高さ(ピニオンギア12のフェースギア11に対する基準の噛み合い位置の一例)SHで噛み合うように設計されている。ピニオンギア12は、フェースギア11の回転中心に対して基準オフセット量OSだけオフセットして配置されている。フェースギアのピッチ円は、フェースギア11の歯先から、ピニオンギア12のピッチ円径の歯先からの距離(歯先直径−ピッチ円直径)/2)分歯底側の位置となる。したがって、基準噛み合い高さSHでピニオンギア12のピッチ円とフェースギア11のピッチ円とが一致する。基準オフセット量OSは、図15のフェースギア11の回転中心からピニオンギア12の回転中心までの距離により定義される。
オシレーティング機構6は、図1及び図2に示すように、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置されたトラバースカム軸21と、トラバースカム軸21に沿って前後方向にリールボディ2aに案内されるスライダ22と、トラバースカム軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
ロータ3は、図1に示すように、たとえばマグネシウム合金やアルミニウム合金製等の軽合金製であり、ピニオンギア12に回転不能に連結され、リール本体2に対して回転自在である。ロータ3は、ピニオンギア12に一体回転可能に連結された筒部30と、筒部30の後部の対向する位置に接続され筒部30と間隔を隔てて前方に延びる第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32と、を有している。
筒部30は、前部内周側に円板状の壁部30dを有し、壁部30dの中心部には、ピニオンギア12と一体回転可能に連結される環状ボス部30eが形成されている。このボス部30eの内周部をピニオンギア12の前部が貫通し、ピニオンギア12の前部にある回り止め平面12fがボス部30eの内周面に一体回転可能に係止される。この状態でピニオンギア12の雄ねじ部12eにナット13をねじ込むことにより、ロータ3がピニオンギア12に固定される。第1ロータアーム31の先端の外周側には、釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されている。
ロータ3の筒部30の内部には、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換レバー52とを有している。切換レバー52は、リールボディ2aに揺動自在に装着されている。切換レバー52の先端には図示しないカムが設けられており、切換レバー52を揺動させると、カムによりワンウェイクラッチ51が作動状態と非作動状態とに切り換わる。
スプール4は、図1に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後方に糸巻き胴部4aと一体形成された筒状のスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に設けられた大径のフランジ部4cとを有している。
ドラグ機構60は、スプール4の回転を制動するものであり、スプール軸15の先端に螺合するドラグ調整つまみ61と、ドラグ調整つまみ61により押圧されてスプール4を制動する制動部62とを有している。
このように構成されたスピニングリールでは、ベールアーム44が糸案内姿勢の状態で釣り人がハンドル1を糸巻取方向に回転させると、その回転でフェースギア11が回転し、フェースギア11に噛み合うピニオンギア12が回転する。これにより、ロータ3が糸巻取方向に回転し、繰り出された釣り糸がスプール4に巻き付けられる。このとき、フェースギア11のフェースギア歯11cの第1歯面11dは、噛み合い進行方向線決定方向により決定された歯面であるので、組立誤差が生じてもハンドル1の回転むらが生じにくくなる。
<フェースギアの噛み合い進行方向線の決定方法>
本発明の一実施形態によるフェースギアの噛み合い方向線の決定方法の各工程を図5に示すフローチャートに基づき説明する。フェースギア11の噛み合い進行方向線の決定方法は、ステップS1の配置工程と、ステップS2の曲線作成工程と、ステップS3の曲線配置工程と、ステップS4の第1座標算出工程と、ステップS5の直線算出工程と、ステップS6の第2座標算出工程と、ステップS7の誤差算出工程と、ステップS8の決定工程とを含んでいる。上記各工程は、例えば三次元CAD(Computer Aided Design:以下単にCADと言う)等の電子計算機を用いたシミュレーション処理により実施される。
フェースギアの噛み合い進行方向線をシミュレーションにより決定方法を実施する前に、まず、フェースギア11及びピニオンギア12の諸元を設定する。この実施形態では、
ピニオンギア12の諸元は、
モジュール0.65mm、圧力角20、歯数6、転位係数+0.5、捩れ角55度である。
フェースギア11の諸元は、
歯数31、外径25.9mm、内径21.4mm、基準オフセット(OS)6.5mm基準噛み合い高さ(SH)3.725mmである。
フェースギア11の諸元が決定されると、図5のステップS1の配置工程では、ピニオンギア12をフェースギア11に対して基準噛み合い高さHより近づける深噛みの状態及び遠ざける浅噛みの状態とのいずれかに配置する。図15では、近づける方向がΔH−であり、遠ざける方向がΔH+である。
ピニオンギア12とフェースギア11の噛合い状態を表す図4において、ピニオンギア12が図4の第3軸Z方向に移動するとギアノイズが大きく変化し、回転むらが生じることが経験から分かっている。
ステップS2の曲線作成工程では、上記経験則に基づいて、シミュレーションにより図6及び図7に示すモーション曲線を作成する。モーション曲線は、縦軸に回転誤差を横軸のピニオンギア12の回転角度をとったグラフ上に表示される。具体的には、フェースギア11の一歯分だけ、配置されたピニオンギア12を等速回転させたときに、フェースギア11の回転が等速回転からどのようにずれているかを表すのが、モーション曲線である。したがって、シミュレーションでは、CAD上に配置したピニオンギア12を糸巻取方向に等速回転させてギア比により求めたフェースギア11の等速回転角度と実際の回転角度との変動誤差を回転誤差としてピニオンギア12の所定回転角度毎に求める。そして、それをグラフ化してモーション曲線を作成する。図6に浅噛みの時のモーション曲線を示し、図7に深噛みの時のモーション曲線を示す。いずれの場合も、ピニオンギア12を第3軸Z方向に移動させることにより、ピニオンギア12の回転度に対して回転誤差が大きく変化していることがわかる。通常、基準噛み合い位置SHでは、モーション曲線は、台形状の平坦なものになる。
ここでピニオンギア12を第3軸Z方向にΔ+移動させたときに噛合う接触点の軌跡を浅噛み経路、ピニオンギア12を第3軸Z方向にΔ+移動させたときに噛合う接触点の軌跡を深噛み経路と呼ぶ。図8は、図6及び図7のモーション曲線のグラフと接触位置を対応させた図である。図8では、浅噛み経路及び深噛み経路とも、それぞれ0.05mmだけ第3軸Zの正負の方向に基準噛み合い高さSHからずらしてピニオンギア12を配置している。この対応関係からモーション曲線はフェースギア11のフェースギア歯11cの歯面形状に依存している事が推測できる。すなわち、深噛みの時には、フェースギア歯11cの外縁部でピニオンギア12と接触し、浅噛みの時には、干渉防止経路を含む内縁部で接触すると推測される。なお、図8に示す干渉防止経路は、フェースギア歯11cとピニオンギア12との歯元干渉領域と、噛合い歯面領域との境界線である。
ステップS3の曲線配置工程では、得られた一歯分のモーション曲線を横軸方向にずらして3つのモーション曲線を並べて配置する。具体的には、モーション曲線を360/ピニオンギアの歯数(例えば6)で除算した回転角度で横軸方向にシフトする。従ってこの実施形態では、図6及び図7に示すように、60度ずらして3つのモーション曲線が配置される。これにより、フェースギア11の連続する3つのフェースギア歯11cにおいて、ピニオンギア12の回転角度とフェースギア11の回転誤差との関係がわかる。
ステップS4の第1座標算出工程では、例えば深噛み時のモーション曲線を模式的に示した図9において、配置した3つのモーション曲線の交点を三次元CADのデータにより求める。ここで、図9のグラフ上の左側のモーション曲線を第1歯のモーション曲線(第2モーション曲線の一例)、中央のモーション曲線を第2歯のモーション曲線(第1モーション曲線の一例)、右側のモーション曲線を第3歯のモーション曲線(第2モーション曲線の一例)と呼ぶ。ステップS4では、第1歯のモーション曲線と第2歯のモーション曲線との第1交点Aと、第2歯のモーション曲線と第3歯のモーション曲線との第2交点CをCADの三次元データから求める。
ステップS5の直線算出工程では、第1交点Aと第2交点Cとを結ぶ第1直線L1を三次元データから算出する。この第1直線L1となるようなモーション曲線に近づけることができる歯面を作成可能とするのが、今回決定される噛み合い方向進行線である。
ステップS6の第2座標算出工程では、第2歯のモーション曲線上の第1交点Aと第2交点Cとの間の少なくとも一つの誤差位置Bから第1直線L1に垂直に下ろした第2直線L2と、第1直線L1と、の第3交点Dの座標を三次元データから求める。
ステップS7の誤差算出工程では、誤差位置Bの変動誤差から第3交点Dの変動誤差を減算して回転誤差を算出する。図9では、回転誤差は、例えば0.0064度である。
ステップS8の決定工程では、図10に示すように、フェースギア歯11cの第1歯面11dにおいて、第1交点Aでのピニオンギア12の第1接触位置A1と、回転誤差分フェースギア11を回転させたときの第3交点Dのピニオンギア12の第3接触位置D1と、第2交点Cのピニオンギア12の第2接触位置C1と、の少なくとも3つの点を結ぶ図10に一点鎖線で示す曲線を、フェースギア歯11cの第1歯面11d上でのフェースギア11の歯面の外縁部における噛み合い進行方向線として決定する。これにより、誤差位置Bと第3交点Dとは同じ接触線であるので、同一接触線上でかつ回転誤差分回転させて歯面上の位置を求めることにより、一つの歯において、第1交点Aから第3交点Dを通って第2交点Cまで、変動誤差が一定になり、回転むらが生じなくなる。
なお、実際のシミュレーションでは、第3交点Dは、第1交点Aと第2交点Cとの間で所定回転角度毎に複数求めて、ある位置の噛み合い進行方向線が決定されている。
なお、上記噛み合い進行方向線は、第1歯面11d外周側で決定したが、噛み合い進行方向線は、第1歯面11d及び第2歯面11eのいずれの位置でも決定することができる。
<噛み合い進行方向線で形成されたフェースギアの噛み合いのシミュレーション>
図10は、第1歯面11d上で各点を表示した模式図である。図9での第3交点Dは、第1歯面11dの外端から第1歯面11dの内部に移動し、かつ第1交点Aと第2交点Cを結ぶ直線上に実質的に位置する。ここで三次元モデルを上記の第1交点A第3交点D及び第2交点Cを結ぶ線でカットした三次元モデルを作成し、この三次元モデルでピニオンギア12との噛み合いのシミュレーションを行った。なお、シミュレーションはリール回転時の正転歯面となる第1歯面11dのみで行った。図11は、シミュレーションに使用した三次元モデルのフェースギア11のフェースギア歯11cを示している。それぞれのフェースギア歯11cは、第1歯面11dと第2歯面11eとの間の外周面に上記方法で決定された噛み合い進行方向線によってカットされたカット面11fが形成されている。このカット面11fは、フェースギア歯11cの外周部から歯先に向かって角部を削って斜めにショートカットした形状である。また、第1歯面11dの内周面には、前述した干渉防止経路11gが形成されている。
ここで、図12は、上記三次元モデルのフェースギア11にピニオンギア12を深噛みで噛み合わせたときのCAD上でシミュレーションして得られたモーション曲線ある。図12に示したモーション曲線は、図7に示したモーション曲線に比べて平坦で振動が少ない曲線となっている。したがって、進行方向線でカットしたカット面11fを形成したフェースギア11は、回転むらが生じにくくなっていることがわかる。
なお、上記噛み合い進行方向線は、第1歯面11d外周側で決定したが、噛み合い進行方向線は、第1歯面11d及び第2歯面11eにおいて、外周側と内周側との間のいずれの位置でも決定することができる。
さらに上記方法を図6に示した浅噛みの場合にも適用すると、図13に示すように、干渉防止経路と歯面の内周側との角部を斜めにショートカットする噛み合い進行方向線が決定される。
また外周部又は内周部より中央部側の位置での噛み合い進行方向線を決定する場合、深噛みの場合は、図14に示すように、モーション曲線において、第1直線L1の位置を変動誤差が少ない方向にシフトさせて第1交点A、第2交点C及び第3交点Dを求めればよい。それを図13に当てはめると、第1歯面11dの外縁部から内周側の位置で噛み合い進行方向線を決定できる。そして、深噛みと浅噛みの噛み合い進行方向線を歯面の中央部まで決定すると、図13に示すように、深噛みの時と浅噛みの時との噛み合い進行方向線が一致することがわかった。
<三次元モデルの組立誤差に関する検証>
上記の三次元モデルのフェースギア11を用いて組立誤差の検証をシミュレーションにより実施した。具体的には、図15に示すように、噛み合い高さ誤差とオフセット誤差と、傾き誤差の3種の組立誤差に関して検証した。組立誤差の検証は、2つの三次元モデルを比較して行った。一つ目は創成シミュレーションによりモデル化した従来の理論形状のフェースギアのモデルである。二つ目は図13に示すように、噛合い進行方向線を歯面中央部に配置し、この線上のみ理論歯面を残し、その両側領域を非接触となるように修正した歯面形状である。なお、シミュレーションはリール回転時の正転歯面となる第1歯面11dのみで行った。
図15は、組立誤差の定義と誤差の方向を示している。各誤差は直交表に3因子及び3水準を割付けて9回のシミュレーションを行った。図16に、直交表の検証計画を示す。図17にシミュレーションの結果を示す。理論形状の従来品の歯面は組立誤差の影響を大きく受けているのが見られるが、噛み合い進行方向線を基準とした本実施形態によるフェースギア11の歯面では殆ど影響を受けていないのが分かる。
<試作品の加工とその測定結果>
上記のシミュレーションから、本発明に係る噛み合い進行線決定方法により決定された噛み合い進行線を中央部に配置して理論形状の歯面を残し、その両側の歯面を非接触となるように逃がした歯面をフェースギア11に形成した。なお、外周縁もピニオンギア12が接触しないように逃がしている。また、理論形状の歯面を有するものを従来品として作成した。
作成された本発明に係るフェースギア11及び従来品のフェースギアの精度は三次元測定機により測定した結果、精度が全ての歯面で充分な精度であることを確認した。
作成された2つのフェースギアに対して噛み合い伝達誤差の測定を行った。測定機には、駆動側及び従動側にそれぞれ1回転当たり1296000パルスを発生するエンコーダを設置し、ピニオンギアを駆動して2つのフェースギアの進み遅れ角を精密に測定した。回転に使用するピニオンギアは、歯車測定機で測定を行い、新JIS5級レベルで仕上がっている事を確認した。測定はシミュレーションと同様に直交表に割り付けて9回行った。図18は第1歯面11dの測定結果の要因効果図で、縦軸は全歯平均の1ピッチ噛合い伝達誤差である。
図17と図18とを比較すると、絶対値に違いが見られるものの、ほぼ同様の傾向を示していることが見てとれる。特に、噛み合い進行方向線を基準に第1歯面11dを形成した本実施形態の発明品としてのフェースギアの試作品は、シミュレーション同様に組立誤差による影響をほとんど受けないものになっている。
図19は、実際にスピニングリールに本発明の一実施形態によるフェースギア11を組み込んでギアの回転フィーリングを官能評価した結果である。縦軸は官能検査の評価結果で、大きいほど回転フィーリングが良いことを示す。横軸はハンドルの軸方向クリアランスで、噛合い高さ方向を示す。このクリアランスを0.06mm間隔で三段階に変化させて官能評価を行った。この評価結果でも、噛み合い進行方向線を基準とした本実施形態の試作品では、回転フィーリングの変化が少ない、つまり回転むらがあまりないことがわかった。
<結び>
上記のことから
(1)フェースギアの噛合い進行方向線をCADを用いたシミュレーションにより求め、フェースギア噛合い進行方向線を決定した。
(2)決定された噛み合い進行方向線を基準とする三次元のフェースギア歯11cの第1歯面11dをシミュレーションにより得、さらに、シミュレーションによる検証を行った。その結果、噛合い高さ、オフセット及び軸傾斜の3つの組立誤差の影響を受けにくいフェースギアを得ることができた。
(3)実際に加工した試作品を評価したところ、噛み伝達誤差測定でもシミュレーションの結果と同様になり、実際の効果を確認できた。
(4)この試作品を実機に組み込んで確認したところ、噛み合い方向進行線を基準にした歯面を形成した試作品もシミュレーション品と同様に、噛み合い高さ、オフセット及び軸傾斜の3つの組立誤差の影響を受けにくいフェースギアを得ることができた。これにより、組立誤差による回転むらを吸収でき、量産時の組立性が向上していることが検証できた。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、噛み合い進行方向線を中央部に配置したが、噛み合い進行方向線は歯面のいずれに設定してもよい。
(b)前記実施形態では、スピニングリールのフェースギアを例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フェースギア以外でも、ベベルギアやハイポイドギア、又は、はすばギア等の歯車に適用可能である。適用条件としては、アライメント誤等により、2つのギアの噛合いが線接触から点接触となる理論歯面を有する全てのギアに適用可能である。
(c)前記実施形態では、中央部だけと外縁部だけを噛み合い進行方向線に沿うように形成したが、歯面全てを噛み合い進行方向線に沿って形成してもよい。
(d)前記実施形態では、スピニングリールに用いるため、負荷が作用するハンドルの糸巻取方向に噛み合う第1歯面11dだけを噛み合い進行方向線を基準にした歯面としたが、負荷を掛けて両方向に回転を伝達する場合及び第2歯面11eでの接触時に負荷が作用する場合には、第2歯面11eを噛み合い進行方向線を基準に形成してもよい。
5 ロータ駆動機構
11 フェースギア
11c フェースギア歯
11d 第1歯面
11e 第2歯面
11f カット面
11g 干渉防止経路
12 ピニオンギア

Claims (6)

  1. 複数のギア歯を有するフェースギアと前記フェースギアに噛み合うピニオンギアを用いて前記フェースギアの噛み合い進行方向線を決定するフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法であって、
    前記ピニオンギアを基準の噛み合い位置から前記フェースギアの回転軸芯方向に前記フェースギアに対して離反又は接近させて噛み合わせる配置工程と、
    配置された前記ピニオンギアを等速回転させ、前記ピニオンギアの回転角度を第1軸とし、前記回転角度毎の前記フェースギアの回転角度の変動誤差を前記第1軸と直交する第2軸として前記ピニオンギアの回転角度と前記変動誤差との関係を示す前記フェースギアの一歯分のモーション曲線を作成する曲線作成工程と、
    作成された前記モーション曲線を、360度を前記ピニオンギアの歯数Nで除算した角度間隔で前記第1軸方向にずらして3以上配置する曲線配置工程と、
    前記配置された3以上のモーション曲線のうち、中間にある第1モーション曲線と前記第1モーション曲線の両側に配置された2つの第2モーション曲線との第1交点と第2交点の座標を求める第1座標算出工程と、
    前記第1交点と前記第2交点とを結ぶ第1直線を算出する直線算出工程と、
    前記第1モーション曲線上の前記第1交点と前記第2交点との間の少なくとも一つの誤差位置から前記第1直線に垂直に下ろした第2直線と、前記第1直線と、の第3交点の座標を求める第2座標算出工程と、
    前記誤差位置の変動誤差から前記第3交点の変動誤差を減算して回転誤差を算出する誤差算出工程と、
    前記第1交点での前記ピニオンギアの第1接触位置と、前記回転誤差分前記フェースギアを回転させたときの前記第3交点の前記ピニオンギアの第3接触位置と、前記第2交点の前記ピニオンギアの第2接触位置と、の少なくとも3つの点を結ぶ曲線を、前記ギア歯の歯面上での前記フェースギアの噛み合い進行方向線として決定する決定工程と、
    を含むフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法。
  2. 前記第2座標算出工程では、前記ピニオンギアの所定回転角度毎の複数の誤差位置から複数の前記第3交点の座標を求め、
    前記誤差算出工程では、各誤差位置の変動誤差から複数の前記第3交点の変動誤差を減算して複数の回転誤差を算出し、
    前記決定工程では、前記第1接触位置と、複数の前記第3接触位置と、前記第2接触位置とを結ぶ曲線を前記噛み合い進行方向線とする、請求項1に記載のフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法。
  3. 前記各工程は、電子計算機を用いてシミュレーションにより実行される、請求項1又は2に記載のフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のフェースギアの噛み合い進行方向線決定方法により決定された噛み合い進行方向線に基づいて、前記フェースギアのギア歯の歯面を加工するフェースギアの製造方法。
  5. 請求項4に記載のフェースギアの製造方法に従って、前記噛み合い進行方向線に基づいて加工された前記歯面を有するフェースギア。
  6. スピニングリールのリール本体に回転自在に支持されたハンドル軸の回転をロータに伝達するロータ駆動装置であって、
    前記ハンドル軸に一体回転可能に設けられた請求項5に記載のフェースギアと、
    前記ハンドル軸と食い違う方向に配置され、前記リール本体に回転自在に支持され、前記フェースギアに噛み合うピニオンギアと、
    を備えたスピニングリールのロータ駆動装置。
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