JP3358494B2 - 歯車および歯車の歯面修整方法 - Google Patents
歯車および歯車の歯面修整方法Info
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Description
に係り、特に、かみあいトルクの相違に起因するかみあ
い伝達誤差の変動を抑制し、広いかみあいトルク領域で
かみあい伝達誤差を小さくする技術に関するものであ
る。
誤差を低減する方法としては、例えば日本機械学会論文
集40巻340号第3514頁以降やMPT '91論文
集第92頁以降等に記載されているように、歯先修整
(ティップリリーフ)やバイアスインが広く知られてい
る。歯先修整は、歯のかみあい剛性により発生する変動
をキャンセルすることを目的として、駆動歯車,被動歯
車の各歯先(はすば歯車ではかみあい始め、かみあい終
わりの位置に相当)に修整量を付与することにより、狙
いのトルクにてかみあい強制力を最小化するものであ
る。また、バイアスインは、歯車の諸元(特にかみあい
率)を有効に活用することを目的として、歯当りがかみ
あい始めからかみあい終わりまでできるだけ長く当たる
ように歯幅方向で圧力角誤差を連続的に変化させるもの
で、同時に当たる歯数が多くなることにより個々のかみ
あい伝達誤差の影響が小さくなる。なお、かみあい伝達
誤差は、互いにかみあう一対の歯車の回転誤差で、例え
ば駆動歯車を一定速度で回転させた場合の被動歯車の最
大進み遅れ量(rad)で表される。
うな従来の歯面修整形状では、かみあい伝達誤差がトル
ク特性を持つため、所定の使用条件ではギヤノイズが小
さくなるものの、かみあいトルク(負荷トルク)が異な
る他の使用条件では必ずしも十分なギヤノイズ低減効果
が得られないという問題があった。すなわち、従来は一
定のかみあいトルクを前提として歯形修整を行っている
ため、かみあいトルクが変化して支持部の弾性変形や歯
自体の撓み変形などで歯面の姿勢が変化すると、接触点
の軌跡が変化して狙い通りの特性が得られなくなるので
ある。なお、接触点の軌跡とは、歯車の回転に伴い、各
回転位置で最も早く接触する歯面上の点を繋いだ線であ
る。
もので、その目的とするところは、かみあいトルクの相
違に起因するかみあい伝達誤差の変動をできるだけ小さ
くし、広いかみあいトルク領域でかみあい伝達誤差を小
さくすることにある。
めに、第1発明は、支持部の弾性変形などにより、歯面
上の接触点の軌跡がかみあいトルクの相違に伴って変化
する歯車において、前記接触点の軌跡が前記かみあいト
ルクの相違に伴って変化させられる方向に離間して定め
た複数の直線上における歯面の凸形状の曲率がそれぞれ
異なっているとともに、該かみあいトルクが大きい時の
接触点の軌跡部分程、該凸形状の曲率が大きくされてい
ることを特徴とする。
もので、(a) 支持部の弾性変形などによりかみあいトル
クの相違に伴って変化する歯面の姿勢を複数のかみあい
トルク値についてそれぞれ設定する姿勢設定工程と、
(b) 前記複数のかみあいトルク値について、前記支持部
の弾性変形などによりそれぞれ異なる接触点の軌跡を前
記歯面上に直線で設定する接触点軌跡設定工程と、(c)
前記複数のかみあいトルク値の各々について、対応する
前記歯面の姿勢でかみあい回転させた場合のかみあい伝
達誤差のトルク特性がそのかみあいトルク値で略極小と
なるように、対応する前記接触点の軌跡上における前記
歯面の凸形状の曲率を設定する曲率設定工程とを有する
ことを特徴とする。
違に伴って支持部の弾性変形や歯自体の撓み変形などに
より接触点の軌跡が変化することに着目し、かみあいト
ルクが大きい時の接触点の軌跡部分程、歯面の凸形状の
曲率を大きくしたのであり、これにより、かみあいトル
クによる歯面の弾性変形と凸形状とが相殺され、かみあ
いトルクの相違に起因するかみあい伝達誤差の変動が軽
減される。各かみあいトルクにおける接触点の軌跡部分
の凸形状の曲率を適当に定めれば、広いかみあいトルク
領域でかみあい伝達誤差を小さくできる。
いトルク値について、対応する歯面の姿勢でかみあい回
転させた場合のかみあい伝達誤差のトルク特性がそのか
みあいトルク値で略極小となるように、対応する接触点
の軌跡部分の凸形状の曲率を設定するもので、かみあい
トルクが大きい程歯面の弾性変形量が大きくなることか
ら、一般にかみあいトルクが大きい時の接触点の軌跡部
分程凸形状の曲率は大きくなり、結果的に第1発明と同
様の歯面形状の歯車が得られる。したがって、この場合
にも、かみあいトルクの相違に起因するかみあい伝達誤
差の変動が軽減される。しかも、この発明では、かみあ
いトルク値が異なる複数の歯面の姿勢について、それぞ
れかみあい伝達誤差のトルク特性が対応するかみあいト
ルク値で略極小となるように凸形状の曲率が定められる
ため、広いかみあいトルク領域でかみあい伝達誤差が略
最小になる。
等の動力伝達経路に用いられる歯車など、広いかみあい
トルク領域で使用される歯車に好適に適用されるが、使
用時のかみあいトルクが特に特定されない歯車など種々
の歯車に適用され得る。
ける歯形が円のインボリュート曲線であるインボリュー
ト歯車が好適に用いられる。また、歯すじがつるまき線
であるはすば歯車に好適に適用されるが、歯すじが軸と
平行な直線である平歯車であっても、支持部の弾性変形
などで歯面の姿勢が変化して接触点の軌跡が変化するこ
とがあるため、本発明が適用され得る。交差軸歯車や傘
歯車に適用することも可能である。
触点の軌跡は、支持部の弾性変形に起因する歯面(歯
車)の姿勢変化や歯自体の撓み変形を考慮して設定する
ことが望ましく、例えば支持部の構造や材質(剛性)、
歯のモジュールや材質(剛性)等に基づいて設定され
る。歯面の姿勢変化に関与するできるだけ多くのパラメ
ータを用いることが望ましいが、それ等の何れか1つを
考慮して設定するだけでも良い。この接触点の軌跡は、
できるだけかみあい回転時の実際の接触点の軌跡と一致
するようにすることが望ましく、第1発明では、結果的
にかみあいトルクが大きい時の接触点の軌跡部分程凸形
状の曲率が大きくなっておれば良い。第2発明のように
歯面修整を行う段階では、凸形状の曲率によって実際の
接触点の軌跡は変化するため、曲率を適宜設定する接触
点の軌跡は、必ずしも実際の接触点の軌跡と一致してい
る必要はなく、各かみあいトルク値毎に予め一定の軌跡
が定められるだけでも良い。
化については、例えば歯車軸の軸線が傾斜する平行度誤
差や、歯車軸がねじれの関係となる食い違い誤差で表さ
れ、圧力角誤差やねじれ角誤差で歯面姿勢を設定でき
る。
実行させるためのプログラムを記録した機械読み取り可
能な媒体を有するコンピュータによって自動的に行われ
るようにすることが望ましい。コンピュータを利用し
て、作業者が各工程を順次手作業で実行するようにして
も良いが、かみあい伝達誤差のトルク特性、すなわちか
みあいトルクを順次変化させた場合のかみあい伝達誤差
の値については、予め設定されたシミュレーションプロ
グラムに従ってコンピュータにより自動的に求められる
ようにすることが望ましい。なお、凸形状の曲率を設定
する際の接触点の軌跡と、かみあい伝達誤差のトルク特
性を求める際の対応するかみあいトルク値における接触
点の軌跡とは必ずしも正確に一致している必要はない。
は、かみあい伝達誤差のトルク特性でかみあい伝達誤差
が極小となるトルク値が、その歯面姿勢に対応するかみ
あいトルク値よりも大きい場合は、曲率が大き過ぎるた
め、対応する接触点の軌跡部分の歯面の凸形状の曲率を
小さくすれば良い。逆に、かみあい伝達誤差のトルク特
性でかみあい伝達誤差が極小となるトルク値が、その歯
面姿勢に対応するかみあいトルク値よりも小さい場合
は、曲率が小さ過ぎるため、対応する接触点の軌跡部分
の歯面の凸形状の曲率を大きくすれば良い。このように
すれば、曲率を設定する接触点の軌跡と実際のかみあい
回転時の接触点の軌跡とが違っていても、通常は第1発
明のようにかみあいトルクが大きい時の実際の接触点の
軌跡部分程曲率が大きくなる。
歯面形状が好適に得られる歯面修整方法の一例で、第1
発明の歯車の設計に際しては、結果的にかみあいトルク
が大きい時の接触点の軌跡部分程曲率が大きくなるもの
であれば、如何なるる歯面修整方法を適用しても差し支
えない。
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるはす
ば歯車或いは平歯車である歯車10の1つの歯12の歯
面14の修整形状を説明する図で、インボリュート歯形
の基準歯面16を平坦面として、適宜設定した格子点上
の法線方向の修整量(誤差量)eで修整歯面14を表し
たものである。歯車支持部(ケース、シャフト、ベアリ
ング等)の弾性変形によるミスアライメントで、歯面1
4の姿勢はかみあいトルクT(Nm)=0、T1 、
T3 、T5 に応じて図2の(a) から(d) に示すように変
化し、それに伴って各かみあいトルク値0、T1 、
T3 、T5 における接触点の軌跡20a〜20d(以
下、特に区別しない場合には単に接触点の軌跡20とい
う)も図3の(a) 〜(d) に示すように変化する。上記か
みあいトルク値は、0<T1 <T3 <T5 の関係を有す
る。なお、図2は、基準歯面16の姿勢を一定として、
歯面14の姿勢変化を表したものである。
によるミスアライメントを食い違い誤差として把握し、
ねじれ角誤差すなわち歯面14の歯幅方向における傾斜
角度の変化で表したもので、歯面14の形状自体は同じ
である。各かみあいトルク値T1 、T3 、T5 における
傾斜角度(ねじれ角誤差)は、歯車支持部の構造や材質
(剛性)などを考慮して実験やシミュレーション、計算
式などにより設定される。歯12自体の撓み変形を考慮
することも可能である。なお、本実施例では、かみあい
トルク値T3 付近で歯面14の姿勢が正しくなるよう
に、歯面14の基本姿勢が定められている。
た場合の接触点の軌跡20を「○」印でプロットしたも
ので、歯面14の外周縁にも存在するが、隣接歯のかみ
あいを考慮した実際の接触点の軌跡範囲は、歯面14の
面内に位置する所定範囲である。そして、かみあいトル
クTが小さく、接触点での弾性変形量が小さい軽負荷域
における接触点の軌跡20部分では、その軽負荷で歯対
のかみあい剛性をキャンセルできるように歯面14の凸
形状の曲率が小さくされている一方、かみあいトルクT
が大きく、接触点での弾性変形量が大きい高負荷域にお
ける接触点の軌跡20部分では、その高負荷まで歯対の
かみあい剛性がキャンセルされないように歯面14の凸
形状の曲率が大きくされている。すなわち、接触点の軌
跡20a部分から20b、20c、20dへ向かうに従
って、各接触点の軌跡20上における凸形状の曲率が徐
々に大きくなっているのである。なお、各接触点の軌跡
20a〜20d部分は3次元的に滑らかに接続されてい
る。
あいトルク値T1 の場合のかみあい伝達誤差のトルク特
性、すなわち図2(b) に示す歯面14の姿勢において、
かみあいトルクTを連続的に変化させながらかみあい伝
達誤差をシミュレーションで求めた結果で、かみあいト
ルク値T1 付近でかみあい伝達誤差が略極小となってい
る。図4の破線は、図2の(c) に示すかみあいトルク値
T3 の場合のかみあい伝達誤差のトルク特性、すなわち
図2(c) に示す歯面14の姿勢において、かみあいトル
クTを連続的に変化させながらかみあい伝達誤差をシミ
ュレーションで求めた結果で、かみあいトルク値T3 付
近でかみあい伝達誤差が略極小となっている。図4の二
点鎖線は、図2の(d) に示すかみあいトルク値T5 の場
合のかみあい伝達誤差のトルク特性、すなわち図2(d)
に示す歯面14の姿勢において、かみあいトルクTを連
続的に変化させながらかみあい伝達誤差をシミュレーシ
ョンで求めた結果で、かみあいトルク値T5 付近でかみ
あい伝達誤差が略極小となっている。言い換えれば、こ
のように各かみあいトルク値T1 、T3 、T5 における
歯面姿勢でのかみあい伝達誤差のトルク特性が、各かみ
あいトルク値T1 、T3 、T5 付近で略極小となるよう
に接触点の軌跡20b、20c、20d部分の凸形状の
曲率がそれぞれ定められると、結果的にかみあいトルク
Tが小さい軽負荷域における接触点の軌跡20部分では
凸形状の曲率が小さく、かみあいトルクTが大きい高負
荷域における接触点の軌跡20部分では凸形状の曲率が
大きくなる。
図4に実線で示されているようにかみあいトルクTの相
違に起因するかみあい伝達誤差の変動が抑制され、広い
かみあいトルク領域でかみあい伝達誤差が小さくなる。
て発生するミスアライメントは、片当たりの原因となる
ため、これを避けるために歯面14の凸形状の曲率が大
きくされ、歯車性能を制約する要因と考えられていた
が、本実施例の歯車10によれば、歯車支持部の負荷変
形に拘らず歯車性能(かみあい伝達誤差)が良好に維持
されるため、支持部に要求される剛性が緩和され、強度
が持つ範囲で歯車装置全体の小型軽量化を図ることがで
きる。
歯面修整方法の一例を、図5のフローチャートを参照し
つつ説明する。この歯面修整方法は、各ステップ(工
程)を順次実行させるためのプログラムを記録した機械
読み取り可能な媒体、例えばROMやハードディスクな
どを有するコンピュータにより自動的に行われる。設計
者は、歯車10のモジュール等の基本諸元や使用条件、
歯車支持部の弾性変形に起因するミスアライメントによ
る歯面14の姿勢変化を表すねじれ角誤差のトルク特性
など、予め定められた必要な情報を適宜キーボード等の
入力装置によって入力すれば良い。
複数のかみあいトルク値についてそれぞれ歯面姿勢を設
定する。複数のかみあいトルク値の数や値は、歯車10
の使用条件などに応じて適宜定められる。歯面姿勢は、
例えばミスアライメントに応じて予め設定入力されたね
じれ角誤差のトルク特性(μrad/Nmなど)からか
みあいトルク値に応じて、例えば図6に示すように定め
られる。この歯面姿勢は、例えば最も使用頻度が高いか
みあいトルク値の場合、すなわち前記かみあいトルク値
T3 付近において、歯面の中央部分で接触する正しい歯
面姿勢となるように定められる。図6の実線はかみあい
トルク値T3 の場合で、二点鎖線は前記かみあいトルク
値T1 の場合、一点鎖線は前記かみあいトルク値T5 の
場合である。このステップS1は姿勢設定工程に相当す
る。なお、この段階での歯面は歯形修整が施される前の
基準歯面16で、図6に示すように平坦面で表される。
で示すように歯面16上に前記複数のかみあいトルク値
における接触点の軌跡30a〜30e(以下、特に区別
しない場合は単に接触点の軌跡30という)を設定す
る。この段階での接触点の軌跡30は、歯面修整後の実
際の接触点の軌跡20とは異なるもので、あくまでも予
測によるものであり、例えばねじれ角βだけ傾斜してい
る同時接触線32に対して直角となるかみあい進行方向
と平行な直線で、各かみあいトルク値における歯面16
の姿勢変化(ねじれ角誤差)に対応する所定の間隔で定
められる。図7において歯面16の中央を通る接触点の
軌跡30cは、前記かみあいトルク値T3の場合で、接
触点の軌跡30aはかみあいトルク値T1 の場合、接触
点の軌跡30eはかみあいトルク値T5 の場合である。
このステップS2は接触点軌跡設定工程に相当する。な
お、接触点の軌跡30は、歯面16の全域をカバーする
ように設定することが望ましい。
定された接触点の軌跡30部分に凸形状の曲率を付与す
る。具体的には、図7に示されているように歯面16の
中央を通る同時接触線32を境として両側の修整量eを
それぞれ二次関数e=AY2、e=BY2 で表し、その
係数A、Bをかみあいトルク値に応じて、かみあいトル
ク値が大きい接触点の軌跡30部分程大きな曲率となる
ように、歯車10の材質(弾性係数)等を考慮して設定
する。
値Tn に対応する歯面姿勢でかみあい回転させた場合の
かみあい伝達誤差のトルク特性を、予め記憶されたシミ
ュレーションプログラムに従って求める。これは、かみ
あいトルクを順次変化させてかみあい伝達誤差を求める
もので、例えば図8に示すような特性が得られる。そし
て、ステップS5において、今回のかみあいトルク値T
n 付近でかみあい伝達誤差が略極小となるか否かを判断
し、実線で示すようにかみあいトルク値Tn 付近でかみ
あい伝達誤差が略極小となる場合には、そのかみあいト
ルク値Tn に対応する接触点の軌跡30部分の曲率が適
当(OK)である旨の判断を行い、ステップS6以下を
実行するが、一点鎖線や二点鎖線で示すようにかみあい
伝達誤差の極小部分がかみあいトルク値Tn からずれて
いる場合には、ステップS6の判断がYESとなるまで
ステップS3以下を繰り返す。
性で極小となる部分は、そのトルクにおける接触点の軌
跡部分の曲率と歯対のかみあい剛性(歯面の弾性変形)
とがキャンセルされる位置であるから、図8に二点鎖線
で示すようにかみあいトルク値Tn より低いトルクで極
小となる場合は、そのかみあいトルク値Tn に対応する
接触点の軌跡30部分の曲率が小さい。したがって、ス
テップS3で対応する接触点の軌跡30部分の曲率が大
きくなるように前記係数A、Bを修正してステップS
4、S5を実行すれば良い。また、図8に一点鎖線で示
すようにかみあいトルク値Tn より高いトルクで極小と
なる場合は、そのかみあいトルク値Tn に対応する接触
点の軌跡30部分の曲率が大き過ぎるため、ステップS
3で対応する接触点の軌跡30部分の曲率が小さくなる
ように前記係数A、Bを修正してステップS4、S5を
実行すれば良い。
は、実際のかみあい回転時の接触点の軌跡20と異なっ
ているが、上記かみあい伝達誤差のトルク特性はシミュ
レーションによる実際の接触点の軌跡20に基づいて求
められるため、各かみあいトルク値Tn におけるかみあ
い伝達誤差はそれぞれ略最小となる。また、かみあいト
ルク値Tn が大きい程歯面の弾性変形量は大きくなるた
め、各かみあいトルク値Tn でかみあい伝達誤差が極小
となるように接触点の軌跡30部分の曲率を設定すれ
ば、かみあいトルク値Tn が大きい時の実際の接触点の
軌跡20部分程凸形状の曲率は大きくなる。すなわち、
接触点の軌跡20a部分から20b、20c、20dへ
向かうに従って、各接触点の軌跡20上における凸形状
の曲率が徐々に大きくなるのである。ステップS3〜S
5は曲率設定工程に相当する。
値について、対応する接触点の軌跡30a〜30e部分
の曲率の設定が終了した否かを判断し、総ての曲率の設
定が終了するまで、ステップS1でかみあいトルク値に
応じて歯面姿勢を設定しながら、ステップS3以下でそ
のかみあいトルク値に対応する接触点の軌跡30部分の
凸形状の曲率を順次設定する。そして、ステップS7で
は、各接触点の軌跡30a〜30eにおける凸形状を3
次元的に滑らかに接続して理想歯面形状を導出する。こ
れにより、前記修整歯面14が得られる。
一定の接触点の軌跡30が設定されるが、曲率を付与し
たり変更したりする毎に実際の接触点の軌跡は変化する
ため、その実際の接触点の軌跡に近似するように順次接
触点の軌跡30を変化させることも可能である。
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
説明する図である。
に起因してかみあいトルクに応じて変化する歯面姿勢を
説明する図である。
化を説明する図である。
示す図である。
を説明するフローチャートである。
例を説明する図である。
の軌跡およびその軌跡部分の曲率の設定方法を説明する
図である。
誤差のトルク特性を説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 支持部の弾性変形などにより、歯面上の
接触点の軌跡がかみあいトルクの相違に伴って変化する
歯車において、前記接触点の軌跡が前記かみあいトルクの相違に伴って
変化させられる方向に離間して定めた複数の直線上にお
ける歯面の凸形状の曲率がそれぞれ異なっているととも
に、該かみあいトルクが大きい時の接触点の軌跡部分
程、該凸形状の曲率が大きくされている ことを特徴とす
る歯車。 - 【請求項2】 支持部の弾性変形などによりかみあいト
ルクの相違に伴って変化する歯面の姿勢を複数のかみあ
いトルク値についてそれぞれ設定する姿勢設定工程と、 前記複数のかみあいトルク値について、前記支持部の弾
性変形などによりそれぞれ異なる接触点の軌跡を前記歯
面上に直線で設定する接触点軌跡設定工程と、 前記複数のかみあいトルク値の各々について、対応する
前記歯面の姿勢でかみあい回転させた場合のかみあい伝
達誤差のトルク特性が該かみあいトルク値で略極小とな
るように、対応する前記接触点の軌跡上における前記歯
面の凸形状の曲率を設定する曲率設定工程とを有するこ
とを特徴とする歯車の歯面修整方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12976897A JP3358494B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 歯車および歯車の歯面修整方法 |
US09/080,284 US6112611A (en) | 1997-05-20 | 1998-05-18 | Gear with modified tooth surface and gear tooth surface modification method |
DE19822710A DE19822710A1 (de) | 1997-05-20 | 1998-05-20 | Zahnrad mit korrigierter Zahnflanke und Verfahren zur Korrektur einer Zahnradflanke |
Applications Claiming Priority (1)
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