JP5497586B2 - 乗用型作業機 - Google Patents

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Description

本願発明は、例えば乗用型農作業機のような乗用型の作業機に係り、より詳しくは、走行速度制御手段としてHST(静油圧式無段変速機)を有すると共に、回転ハンドル式操縦装置を有する乗用型作業機(例えば乗用型田植機)に関するものである。
乗用型農作業機の一例として乗用型田植機がある。この乗用型田植機は、近年、走行制御用として無段変速機を搭載することで走行フィーリングの向上が図られていると共に、パワーステアリング装置付きの回転ハンドル式操縦装置を設けることで操縦性の向上も図られている。
そして、無段変速機としては一般に可変容量型HSTが使用されており、また、走行ミッションケースに操縦装置の支持部を一体に設け、この支持部にパワーステアリングユニットを取り付けることも行われている(例えば特許文献1,2)。
あえて説明するまでもないが、HSTは入力軸で駆動される油圧ポンプと出力軸が取り付けられた油圧モータとを有しており、両者を閉回路で接続して作動油を循環させて油圧的な動力を発生させるものであり、油圧ポンプに備わる斜板の角度を調節して油圧モータに送られる油量を調節することで油圧モータの回転数を無段階で調節し、以て、走行速度が無段階に調節される。また、斜板の回転方向を反転すれば機体は後進する。
また、走行ミッションケースはオイルタンクも兼用しており、HSTで使用する作動油は閉回路内において常に満たされた状態を保つ必要があるため、走行ミッションケースに溜まった油をチャージポンプにてHSTの閉回路に供給すると共に、閉回路の余剰油の他、油圧ポンプや油圧モータ等の摺動部分から漏れたリーク油などHSTから排出された作動油は、走行ミッションケースに戻されるようになっている。すなわち、作動油は走行ミッションケースの内部とHSTとを循環している。
特許第4379763号公報 特開平6−321129号公報
さて、HSTの油圧ポンプはエンジンが回転している限り回転し続けており、また、田植機が走行している状態では油圧モータも回転している。このため作動油は高圧の状態で閉回路を循環すると共に、循環に際して油圧モータや油圧ポンプに発生した熱が伝達されており、このため、100℃以上の高温になっていることが殆どである。
そして、作動油が高温になればなるほどHSTの伝動効率は低下するという不具合がある。この点については、水冷式や空冷式のオイルクーラーを設けて作動油を冷却することが考えられるが、水冷式のオイルクーラーの場合は、装置が大がかりになってコストが嵩むと共に空冷式よりも冷却性能は劣る問題がある一方、空冷式では冷却性能が走行速度に影響するので、比較的低速で長時間走行する田植機では十分な冷却効果は期待できない可能性が高いという問題がある。
本願発明は、このような現状を改善することを課題とするものである。
本願発明は、走行機体にエンジンと走行ミッションケースと回転ハンドル式操縦装置とを設けており、前記走行ミッションケースには、前記エンジンから動力伝達されるHSTが取り付けられており、前記HSTの作動油は前記走行ミッションケースの内部から供給されて使用後は排出ポートを経て前記走行ミッションケースに戻されるようになっており、更に、前記走行ミッションケースには前記操縦装置が取り付くステアリング支持部を一体に設けている、という乗用型作業機に関する。
そして、請求項1の発明では、前記ステアリング支持部に、前記HSTから排出された余剰油やリーク油が流入する受け入れポートと、油を走行ミッションケースの内部に流出させるドレン穴とが設けられており、前記ステアリング支持部の受け入れポートと前記HSTの排出ポートとを管路で接続している。なお、本願発明は、ステアリング支持部の受け入れポートとHSTの排出ポートとが管路で直接に接続されている場合と、管路に空冷式オイルクーラーやオイルフィルター等が介在している場合との両方を含んでいる。
本願発明は更に具体化できる。これを請求項2以下で特定している。このうち請求項2の発明は、請求項1において、前記操縦装置はパワーステアリングユニットを有しており、前記ステアリング支持部の内部に前記パワーステアリングユニットのステアリングギヤを配置している。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ステアリング支持部は前記走行ミッションケースの外周の一部を外向きに突出させた状態に形成されており、このステアリング支持部の外面にフィン状のリブを多数突設している。請求項4の発明は請求項3を更に具体化したもので、この発明は、前記走行ミッションケースはダイキャスト製であって前記HSTの取り付け部と反対側に向いて開口しており、前記ステアリング支持部のリブを、前記走行ミッションケースの開口面と直交した方向に突出するように形成している。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、前記ステアリング支持部の受け入れポートは前記ステアリング支持部の外面のうち前記HSTから遠い箇所に設けており、前記HSTの排出ポートとステアリング支持部の受け入れポートとを金属製ドレンパイプで接続している。
さて、走行ミッションケースは金属製であり、HST等の温度が伝熱するとしても高温になることはない。従って、走行ミッションケースのうちステアリング支持部の温度は作動油の温度に比べて格段に低い。このため、本願発明では、HSTから排出された余剰油やリーク油は走行ミッションケースのステアリング支持部を経由することで冷却される。また、操縦装置のうちステアリング支持部に入り込んでいる部分も高速運動する訳ではなくて高温にはならないため、油は操縦装置の一部に接触することによっても冷却される。
このように、本願発明によると、HSTから排出された余剰油やリーク油を走行ミッションケースと操縦装置との一部を利用して冷却できるため、走行ミッションケースに溜まる油の油温をできるだけ下げてHSTの伝動効率を確保することを、コストを抑制した状態で実現できる。
パワーステアリング装置は油圧式又は電動式になっており、操向ハンドルの回転トルクが増幅して出力軸に出力され、出力軸の回転はステアリングギヤで減速されて操舵アーム(ビットマンアーム)に伝達される。そして、ステアリングギヤは操向ハンドルを回転させていない状態では停止しており、また、回転してもその速度は低いため、ステアリングギヤの温度が高くなることはない。
そして、請求項2のように構成すると、ステアリングギヤが油の吸熱体として機能するため、油の冷却効果を一層向上できる。また、走行ミッションケースのステアリング支持部はギアを収納するために中空になっており、このため、油がステアリング支持部と接触する面積も大きくすることができるのであり、この面においても油の冷却効果を向上できる。
請求項3のように構成すると、リブの存在によってステアリング支持部の強度を向上できると共に、ステアリング支持部の表面積が格段に大きくなって高い空冷効果が発揮されるため、油の冷却機能をより一層向上できる。
また、ダイキャスト品は、密着・離反する金型の間に形成された空間に溶融金属を充填して金属が固化してから型抜きするという方法で製造されるものであり、走行ミッションケースの場合はその開口面と直交した方向に相対動する金型で製造されるが、請求項4ではリブは金型の相対動方向に突出しているため、型抜きの容易性を損なうことなくリブを形成できる。
HSTとステアリング支持部とを金属製ドレンパイプで接続すると、ドレンパイプが空冷されるため作動油の冷却効果を一層向上できるが、請求項5のように構成すると、ドレンパイプは、受け入れポートに接続する際にステアリング支持部を巻き込む形状となって長さを長くできるため、作動油の冷却に一層効果的である。
さて、ドレンパイプは金属パイプをベンダー(プレスブレーキ式ベンディングマシン)で曲げ加工して製造されるものであり、その両端は継手でHSTとステアリング支持部とに固定される。この場合、金属パイプを弾性変形させて継手に嵌め込んだり、少し曲げ変形させて加工誤差を吸収したりせねばならない場合があるが、金属パイプの長さが短いと変形させにくく、継手への嵌め込みが厄介になったり加工誤差を吸収できなくなったりする場合がある。これに対して請求項5のように構成すると、金属製ドレンパイプの長さをできるだけ長くして、接続作業に際しての曲げ変形を容易ならしめることができるため、接続作業が容易になると共に加工誤差も吸収できるようになる。
実施形態に係る田植機の側面図である。 田植機全体の平面図である。 走行機体の骨組みを示す側面図である。 走行機体の骨組みを示す平面図である。 走行機体の前部の側面図である。 (A)は走行機体の前部の平面図、(B)は走行ミッションケースの平面図である。 走行ミッションケースと操舵機構とを示す斜視図である。 要部の斜視図である。 (A)は走行ミッションケースを前から見た斜視図、(B)は走行ミッションケースの分離平面図である。 走行ミッションケースの底断面図である。 走行ミッションケースの開蓋状態の側断面図である。 伝動構造を示す斜視図である。 要部の分離斜視図である。 要部の縦断側面図である。 走行ミッションケースの側面図である。 油圧回路図である。
次に、本願発明を乗用型田植機(以下、単に「田植機」という)に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では方向を特定するために「前後」「左右」の文言を使用するが、これは、前進方向を向いたオペレータの姿勢を基準にしている。
(1).田植機の概要
図1,2に示すように、田植機は、左右前輪2及び左右後輪3で走行自在に支持された走行機体1と、走行機体1の後ろに配置した苗植装置4とを有している。前輪2は走行機体1に水平旋回自在に取り付いており、後輪3は走行機体1に水平旋回不能に取り付いている。
苗植装置4は昇降リンク機構6を介して走行機体1に昇降自在に連結されており、昇降リンク機構6を油圧式の昇降シリンダ5で回動させることで苗植装置4が昇降する。苗植装置4は、ロータリー式植付け機構や苗載せ台、フロート等を有するが、本願発明とは直接には関係ないのでそれらの詳細は省略する。図示していないが、走行機体1の後部には施肥装置を取り付けることができる。
図3,4,6に示すように、走行機体1は機体フレーム7を有しており、機体フレーム7の前部でエンジン8を支持している。エンジン8の後ろには走行ミッションケース9が配置されており、走行ミッションケース9の前部に取り付けた左右のフロントアクスル装置10に前輪2が取り付けられている。後輪3はリヤアクスルケース12に取り付けられており、走行ミッションケース9とリアアクスルケース12とは円筒状の連結フレーム11で連結されている。
例えば図4に示すように、機体フレーム7は、走行機体1の前部に位置された左右の前側サイドフレーム7a,左右前側サイドフレーム7aの前端に連結された左右横長のフロントフレーム7b、左右前側サイドフレーム7aの後端に連結された左右横長のミドルフレーム7c、ミドルフレーム7cから後ろ向きに延びる左右の後ろ側サイドフレーム7d、後ろ側サイドフレーム7dの後端に固定された左右横長のリアフレーム7eを有しており、リアフレーム7eはリア支柱7fを介してリアアクスルケース12で支持されている。リアアクスルケース12には左右横長のステー12aが固定されており、リア支柱7fはステー12aに固定されている。
左右の前側サイドフレーム7aには、上向きに開口U形の前後2本のエンジンフレーム13が固定されており、エンジンフレーム13でエンジン8が支持している。エンジン8はクランク軸が左右方向を向くように横置きしている。前側のエンジンフレーム13には、平面視U形の補助フレーム14を固定している。補助フレーム14はフロントフレーム7bにも連結されている。エンジンフレーム13は前側サイドフレーム7aの下方に突出しているためエンジン8は重心が低くなっており、クランク軸は前側サイドフレーム7aの上面よりも下に位置している。
エンジン8はボンネント15で覆われており、ボンネット15の左右両側に予備苗台16を配置している。ボンネット15の後ろ側に運転席17を配置している。走行機体1はオペレータが載る車体カバー(ステップ)18を有している。運転席17の下方に燃料タンクを配置しているが、詳細は省略する。運転席17の前方に回転式の操向ハンドル19を配置している。
図6,7に示すように、フロントアクスル装置10は、前側サイドフレーム7aにブラケットを介して固定された固定支持部10aと、固定支持部10aに略水平回転可能に取り付けられた回動支持部10bとを有しており、回動支持部10bに設けた前車軸に前輪2を取り付けている。回動支持部10bにはナックルアーム20が固定されており、ナックルアーム20にタイロッド21が相対回動可能に連結されている。そして、操向ハンドル19を回転操作すると、後述するパワーステアリングユニットを介して左右のタイロッド21が逆方向に同時に動き、これによって左右の前輪2が同じ方向に水平旋回する。その結果、田植機の舵取りが行われる。
例えば図7に示すように、ミッションケース9の左側面にはHST24を装着している。図16に示すように、HST24は、入力軸25で駆動される油圧ポンプ24aと、油圧ポンプ24aで駆動される油圧モータ24bとを有している。入力軸25にエンジン8の出力軸26からベルト27を介して動力が伝達される。入力軸25には冷却用のファン28を固定している。
敢えて述べるまでもないが、エンジン8の出力軸26とHST24の入力軸25及び出力軸36(図10参照)は左右横長で平行になっている。また、HST24は、油圧ポンプ24aが手前に位置して油圧モータ24bが後ろに位置するように配置されている。ベルト27はテンションプーリ29によってテンションが一定に保持されている。
HST24には、油圧ポンプ24aの動力が油圧モータ24bに伝達される割合を制御するための斜板が内蔵されており、この斜板は、例えば図7に示す制御軸30を回転することで駆動される。他方、図4に示すように、操縦フロアのうち平面視で走行ミッションケース9よりも右側の部位には変速ペダル31を設けている。変速ペダル31の回動角度(踏み込み量)はポテンショメータで検知される。
そして、ポテンショメータの検知信号に基づいて制御モータ(図示せず)を駆動し、この制御モータによって動くリンク機構(図示せず)で制御軸30を回転させることにより、HST24における油圧ポンプ24aから油圧モータ24bへの動力伝達割合が変化し、これにより、変速ペダル31の踏み込み量に応じて車速が無段階に調節される。但し、HST24の制御態様そのものは本願発明とは直接には関係ないので、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、操向ハンドル19は側面視において鉛直線に対して傾斜した軸心回りに回動するようになっている。従って、操向ハンドル19は傾斜した上部ハンドル軸32に固定されている。そして、上部ハンドル軸32は自在継手(図示せず)を介して鉛直姿勢の主ハンドル軸33に固定されている。主ハンドル軸33はハンドルポスト34に内蔵されている。
そして、例えば図7に示すように、走行ミッションケース9の前端部に油圧式パワーステアリングユニット35が取り付けられており、主ハンドル軸33の回転トルクはパワーステアリングユニット35で増幅されてタイロッド21に伝達される。
(2).構造の詳細
次に、図8以下の図面も参照して走行ミッションケース9を中心にした部分の詳細を説明する。例えば図6(A)に示すように、ミッションケース9の右側面には、HST24の入力軸25で駆動されるタンデム形のチャージポンプ37aと補助ポンプ37bとが配置されている。
HST24の入力軸25はエンジンが運転されている限り常に回転しており、従って、チャージポンプ37aも常に回転している。補助ポンプ37bで発生した圧油は、第1管38でパワーステアリングユニット35のトルクジェネレータ39に送られる。チャージポンプ37aで発生した圧油は、第2吐出管40でHST24の給油ポート41に送られる。
走行ミッションケース9の後部には既述した昇降シリンダ5を制御するためのバルブユニット42が固定されており、パワーステアリングユニット35のトルクジェネレータ39から排出された圧油は第3管42を介してバルブユニット42に送られる。
例えば図9(B)に示すように、走行ミッションケース9は深さが深い主部9aとこれに被さる蓋部9bとの2つの部材で構成されており、内部に軸やギア等が配置されている。そして、走行ミッションケース9における9aの前端の略下半部に前向きに突出したステアリング支持部46を形成し、このステアリング支持部46にパワーステアリングユニット35を固定している。
ステアリング支持部46は走行ミッションケース9を構成する主部9aの前面から突出した状態になっており、従って、前端面と左右の側面とを有している。また、例えば図7に示すように、ステアリング支持部46の下端には前向き張り出し部47を形成しており、この前向き張り出し部47にブラケット48をボルト49で連結し、ブラケット48をエンジン8に固定している。
そして、ステアリング支持部46の右側面に、HST24のケースに溜まった余剰油やリーク油が流入する受け入れポート52を設け、HST24のケース内に通じる排出ポート53と受け入れポート52とを金属製ドレンパイプ54で接続している。なお、ドレンパイプ53はその途中に空冷式等のオイルクーラーを介在させたものであっても構わない。
走行ミッションケース9はオイルタンクも兼用しており、ステアリング支持部46に流入した作動油は走行ミッションケース9の内部に戻る(詳細は後述する。)。敢えて説明するまでもないが、ドレンパイプ54は継手55でHST24及びステアリング支持部46に接続されている。
例えば図9に示すように、走行ミッションケース9の右側面のうちチャージポンプ37aの下方にはオイルフィルター56を設けており、走行ミッションケース9に溜まった油はオイルフィルター56を経由してチャージポンプ37aに流入する。
次に、図10〜12に基づいて走行ミッションケース9の内部構造を簡単に説明しておく。走行ミッションケース9の内部には遊星ギヤ機構57を設けており、HST24の出力は遊星ギア機構57により合成されて第1軸58に取り出される。
図11に示すように、第1軸58の下方には、後進走行用の第1中間軸59と前進走行の第2中間軸60とが前後にずれた状態で配置されており、更に、両中間軸59,60よりも下方の部位には、前輪駆動軸61と第3中間軸62とが前後にずれた状態で配置されており、かつ、第3中間軸62よりも下方の部位に後輪駆動軸63が配置されている。
第1軸58には複数の変速用の固定ギア64がスライド不能に固定されており、第2中間軸60にはスライド式ギア65がスプライン嵌合によって取り付けられている。そして、シフター軸66をスライドさせてスライド式ギア65をスライドさせて、固定ギア65との噛み合いを変えたりニュートラル状態にしたりすることにより、田植機は、植付けモード(低速前進)、路上走行モード(高速前進)、苗継ぎモード(ニュートラル)、ニュートラルモード、後進モードの5つのモードに切り換えられる。
シフター軸66のスライドは、図示しない変速レバーの回動操作によって行われる。第1軸58にはボール式等の走行クラッチ68を設けている。また、第2中間軸60には多板式等の駐車ブレーキ69を設けている。本願発明とは直接には関係ないので詳細は省略するが、変速ペダル31(図2,4参照)を踏み込んでいる状態では走行クラッチ68は自動的に入りとなり、変速ペダル31を戻し切ると駐車ブレーキ69が軽く効く。また、駐車ブレーキ69はブレーキペダル70(図3参照)を踏むことで強く効かせることができる。
図10に示すように、走行ミッションケース9の内底部において、前輪駆動軸61は左右2本に分離しており、それぞれの軸でフロントアクスル装置10に動力伝達される。また、左右の前輪駆動軸61はデフ機構71を介して連結されている(左右の前輪駆動軸61の差動関係を無くすデフロック装置72も設けている。)。
第2中間軸60の回転は、図10において紙面左端部の出力ギアからデフ機構71に伝わると共に、図12に示すように、3枚の平ギア75を介して後輪駆動軸63に伝達され、後輪駆動軸63の回転はベベルギア76の対を介してドライブ軸77に伝達される。前記3枚の平ギア74のうち中間の平ギアは、第3中間軸62上のうち図10の紙面左端部で遊転支持されている。
第1軸58の回転は、当該第1軸58のうち図12において紙面の右端に固設した出力ギアを含む3枚の平ギア75を介して第3中間軸62に伝達され、更に、第3中間軸62からベベルギア78の対を介して作業出力軸79に伝達される。3枚の平ギア75のうちの中間ギアは、第2中間軸60上の駐車ブレーキ69に連接して遊転支持されている。
図示していないが、作業出力軸79は株間変速装置に入力され、そこからPTO軸を介して苗植装置4に動力伝達される。施肥装置を設けている場合は、株間変速装置から施肥装置に動力伝達される。
図10に示すように、走行ミッションケース9を構成する主部9aの内部には、各軸58〜63を保持する軸受けプレート80が配置されている。軸受けプレート80はボルトで主部9aに固定されている。軸受けプレート80の存在により、各軸を安定した状態に保持できる。
次に、パワーステアリング装置を説明する。図13,14に示すように、パワーステアリングユニット35は、既に述べたトルクジェネレータ(油圧モータ)39と、トルクジェネレータ39の出力軸82の回転を減速させる減速機構とを有しており、トルクジェネレータ39はステアリング支持部46の上面にボルトで締結されており、減速機構はステアリング支持部46の上面に形成した凹状の(すなわち上向きに大きく開口した)空所内に配置されている。
図13に示すように、パワーステアリングユニット35の減速機構は、トルクジェネレータ39の出力軸(図示せず)を差し込んでスプライン嵌合するサンギア軸83a、サンギア軸83aの下端に刻設した第1サンギア83、第1サンギア83で駆動される3個の第1遊星歯車84、第1遊星歯車84を支持すると共に、その回転中心に第2サンギア85が固定された第1キャリア86、第2サンギア85に外側から噛合した3個の第2遊星ギア87、第2遊星ギア87を支持した第2キャリア88を有している。
図14に示すように、第2キャリア88の回転中心には操舵軸89が一体に設けられており、操舵軸89は軸受け90によってステアリング支持部46に回転自在に保持されている。つまり、ステアリング支持部46はパワーステアリングユニット35のステアリングギヤボックスになっている。また、操舵軸89はステアリング支持部46の底部より下向きに突出しており、この下向き突出部にピットマンアーム91が固定されており、ピットマンアーム91の先端にタイロッド21が相対回転可能に連結されている。
トルクジェネレータ39の出力軸82は第1サンギア83を介して3個の第1遊星ギア84に伝達され、3個の第1遊星ギア84は減速された状態で出力軸の軸心回りに周回し、これによって第1キャリア86が回転する。そして、第1キャリア86が回転すると第2遊星ギア87は減速された状態で第2サンギア85の回りを周回し、これによって第2キャリア88は更に減速されて回転する。その結果、出力軸82の回転が2段階に減速されて操舵軸89に伝達される。ステアリング支持部46の空所内周壁には筒体92を配置しており、この筒体92の内周面に、第1及び第2の遊星ギア84,87に外側から噛合する内歯ギア93が形成されている。
図14に仮想線で示すように、受け入れポート52はステアリング支持部46の空所に向いて開口しており、また、ステアリング支持部46には、走行ミッションケース9に向いて開口したドレン穴94を形成している。従って、HST24のケースから搬出された余剰油やリーク油は、ステアリング支持部46の空所内面やギア等に接触してから走行ミッションケース9の内部の油溜めに戻る。ドレン穴94は走行ミッションケース9に溜められたオイルの油面OLよりも下方に位置しており、従って、ドレン穴94は常にオイルに漬かっている。
そして、ドレンパイプ54やステアリング支持部46、或いはパワーステアリングユニット35の減速機構を構成するギア等の部材は油に比べて熱伝導率が高いため、油は走行ミッションケース9の内部に戻る過程で冷却される。従って、田植機を長時間使用し続けても、HST24の効率低下を抑制できる。
例えば図9(A)や図15に示すように、ステアリング支持部46の左右側面には、左右外向きに(すなわち主部9aの開口面と直交した方向に)突出したリブ96が多数形成されている。リブ96は側面視で縦横に交叉している。パワーステアリングユニット35が働くとステアリング支持部46には大きな荷重がかかるが、リブ96の群の存在によって高い強度が保持され、しかも、リブ96が冷却フィンの機能を発揮するため、ステアリング支持部46による油の冷却効果も向上させることができる。
さて、ドレンパイプ54の両端は継手55でHST24及びステアリング支持部46に固定されているが、ドレンパイプ54は継手55にきっちり嵌まっているため、ドレンパイプ54の長さが短いと、高い精度で曲げ加工していないとドレンパイプ54の端部と継手55との間にこじれが生じる場合がある。
これに対して本実施形態では、ステアリング支持部46の左右側面のうちHST24から遠い右側面にドレンパイプ54を接続しているため、左側面に接続した場合に比べてドレンパイプ54は、受け入れポートの継手55に接続する際にステアリング支持部46を巻き込むような形になって、ドレンパイプ54の長さは必然的に長くなり、このため、ドレンパイプ54を高い精度で曲げ加工しなくても若干の曲がり変形によって加工精度のバラツキを吸収することができる。また、ドレンパイプ54の長さが長いとそれだけ空冷効果も高くなるため、冷却効果も高くなる。
本実施形態のエンジン8は水冷式であり、従ってファンで冷却されるラジェータを有しているが、ドレンパイプ54をラジェータのファンの近傍まで長く延びる形態にして、強制的に冷却することも可能である。
(3).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば適用対象は田植機には限らないのであり、各種の乗用型農作業機に適用できる。また、走行ミッションケースの姿勢や構造、HSTの配置位置などは必要に応じて任意に設定できる。例えば、エンジンを操縦フロアの後ろに配置することも可能である。エンジンからHSTへの動力伝達手段としてベルトには限らないので、ギアを介して動力伝達したり、エンジンの出力軸とHSTの入力軸とを直結したりすることも可能である。
本願発明は田植機等の乗用型農作業機に具体化して有用性を発揮する。従って、産業上利用できる。
1 走行機体
4 苗植装置
8 エンジン
9 走行ミッションケース9
19 操向ハンドル
24 HST
35 パワーステアリングユニット
39 トルクジェネレータ
41 HST25の給油ポート
46 ステアリング支持部
52 ステアリング支持部の受け入れポート
53 HSTの排出ポート
54 ドレンパイプ
94 ドレン穴

Claims (5)

  1. 走行機体にエンジンと走行ミッションケースと回転ハンドル式操縦装置とを設けており、前記走行ミッションケースには、前記エンジンから動力伝達されるHSTが取り付けられており、前記HSTの作動油は前記走行ミッションケースの内部から供給されて使用後は排出ポートを経て前記走行ミッションケースに戻されるようになっており、更に、前記走行ミッションケースには前記操縦装置が取り付くステアリング支持部を一体に設けている、
    という乗用型作業機であって、
    前記ステアリング支持部に、前記HSTから排出された油が流入する受け入れポートと、油を走行ミッションケースの内部に流出させるドレン穴とが設けられており、前記ステアリング支持部の受け入れポートと前記HSTの排出ポートとを管路で接続している、
    乗用型作業機。
  2. 前記操縦装置はパワーステアリングユニットを有しており、前記ステアリング支持部の内部に前記パワーステアリングユニットのステアリングギヤを配置している、
    請求項1に記載した乗用型作業機。
  3. 前記ステアリング支持部は前記走行ミッションケースの外周の一部を外向きに突出させた状態に形成されており、このステアリング支持部の外面にフィン状のリブを多数突設している、
    請求項1又は2に記載した乗用型作業機。
  4. 前記走行ミッションケースはダイキャスト製であって前記HSTの取り付け部と反対側に向いて開口しており、前記ステアリング支持部のリブを、前記走行ミッションケースの開口面と直交した方向に突出するように形成している、
    請求項3に記載した乗用型作業機。
  5. 前記ステアリング支持部の受け入れポートは前記ステアリング支持部の外面のうち前記HSTから遠い箇所に設けており、前記HSTの排出ポートとステアリング支持部の受け入れポートとを金属製ドレンパイプで接続している、
    請求項1〜4のうちのいずれかに記載した乗用型作業機。
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