JP2010215151A - 乗用型農作業機 - Google Patents

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敏章 笠原
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Abstract

【課題】乗用型農作業機において、エンジンとミッションケースとを中核にした動力系統をスペース効率面から無理のない状態に配置する。
【解決手段】乗用型農作業機の走行機体は前輪3と後輪4とで支持されており、前輪と後輪との間にエンジンを配置して、エンジンの手前側にミッションケース20を配置している。エンジンはミッションケース20の上面よりも下にずれた状態で配置されている。ミッションの入力軸と後輪出力軸78とはミッションケース20の一方の側面部に設けている。入力軸はミッションケース20の後部に配置され、後輪出力軸78はミッションケース20の前部に配置されている。ミッションケース20の他方の側面部には作業動力出力部を設けている。
【選択図】図7

Description

本願発明は、乗用型田植機や乗用型苗移植機のような乗用型農作業機に関するもので、より詳しくは、動力系統に特徴を有する乗用型農作業機に関するものである。
乗用型田植機は前輪及び後輪で支持された走行機体を有しており、走行機体の後部に苗植装置を高さ調節可能に取り付けている。そして、走行機体には座席と操縦ハンドルとが配置されていると共にエンジンが搭載されており、エンジンからの動力によって走行と苗植作業とが行われる。言うまでもないが、エンジンの動力はミッションケースに内蔵されたミッション(変速装置)に伝えられ、ミッションで回転数が適宜調節される。
また、田植機は前輪と後輪とが駆動される4輪駆動方式になっており、このため前輪を駆動するフロントアクスルと後輪を駆動するリアアクスルとがあり、フロントアクスルとリアアクスルとにはミッションから動力が伝達される。更に、苗植装置にもミッションから動力が伝達される。田植機には、走行機体の走行速度と苗植装置の作業サイクルとの関係を変えることで苗の植付け間隔を変える株間調節装置も設けられている。この株間調節装置はミッションケースに内蔵する場合とミッションケースの外側に配置する場合とがあり、植付け装置には株間調節装置から動力伝達される。
そして、エンジンの配置位置について見ると、エンジンが前輪の車軸より前に配置されている態様(フロントマウントタイプ)と、例えば特許文献1に開示されているように、エンジンが前輪と後輪との間に配置されている態様(ミッドマウントタイプ)とに大別される。特許文献1では、エンジンはクランク軸が左右長手となるように配置されており、従って、ミッションケースの入力軸も左右長手の姿勢になっており、エンジンの回転はミッションケースの入力軸にベルトとプーリとを介して伝達されている。
また、ミッションケースの入力軸は当該ミッションケースの後部の一方の側面部に設けている一方、リアアクスルに動力伝達するための後輪出力軸はミッションケースの後端面に設けており、更に、植付け装置を駆動するための植付け駆動軸はミッションケースのうち入力軸と反対側の側面部に設けている。また、フロントアクスルはミッションケースの後部の側面に取り付けている。
エンジンを走行機体の前部に配置すると、狭いスペースにエンジンや補機類や操縦用パワーステアリング等の機器・装置類が配置されるため設計面で苦労することがあるが、エンジンを前輪と後輪との間に配置すると、エンジンやミッションケースや操縦機構のレイアウトについて制約が少なくなって、設計の自由性が高くなる利点がある。
特開2002−302023号公報
さて、乗用型農作業機は走行安定性を高めるため重心をできるだけ低くするのが好ましい。特に、田植機は畦道と圃場との移行に際してかなり傾くため、できるだけ重心を低くすべきである。かかる要請からは、エンジンもできるだけ低い位置に設けるのが好ましいと言える。かかる要請には、ミッションケースとエンジンとを前後に配置することで応え得ると言えるが、特許文献1のようにミッションケースの後面から後輪出力軸が突出していると、後輪出力軸が邪魔になってエンジンを低い位置に配置できなくなる。従って、特許文献1ではエンジンはその全体をミッションケースの上方に配置せねばならず、このため走行機体の重心を低くし難いという問題がある。
また、特許文献1ではミッションケースの後部にフロントアクスルを取り付けているため、ミッションケースは前輪の車軸から前方にかなり突出することになり、すると、ミッションケースの手前に部材を配置し難くなるといった問題や、入力軸をミッションケースの前部に設けねばならないため、ベルトの長さが長くなってカバリングが面倒になるといった問題が懸念される。
本願発明はこのような現状に鑑みなされたものであり、エンジンミッドマウントタイプ田植機のようにミッションケースとエンジンとを前後に並べて配置した乗用型農作業機において、動力系統を合理的な配置にせんとするものである。
本願発明に係る乗用型農作業機は、「前輪及び後輪で支持された走行機体に、エンジンとミッションケースとが、エンジンの手前にミッションケースが位置する状態で配置されており、前記ミッションケースにおける前部の左右側面にフロントアクスルが取り付けられており、前記フロントアクスルで前輪が回転自在に支持されている一方、前記ミッションケースの後方には前記後輪を支持するリアアクスルが配置されている」、という基本構成になっている。
そして、本願発明は上記基本構成の下で多面的な広がりを持っている。このうち第1の発明(請求項1の発明)は、前記エンジンはクランク軸が左右方向を向くように配置されており、エンジンからの動力が伝達される横向きの入力軸とリアアクスルに動力を伝達する後ろ向きの後輪出力軸とが、前記ミッションケースの側面部に設けられている。
第2の発明(請求項2)は第1の発明を具体化したものであり、この発明は、前記ミッションケースの左右側面部のうち一方の側面部に、前記入力軸と後輪出力軸とが、入力軸が後ろで後輪出力軸が手前に位置する状態で設けられている。また、第3の発明(請求項3の発明)は第1の発明又は第2の発明を具体化したもので、この発明では、前記ミッションケースはHSTを有しており、前記入力軸の回転はHSTに伝達されるようになっている。
第4の発明(請求項4の発明)は第2の発明又は第3の発明を具体化したもので、この発明では、前記エンジンはミッションケースの上側にはみ出る状態で配置されており、前記入力軸と後輪出力軸とが、入力軸が上で後輪出力軸が下になるように高さを変えて配置されている。第5の発明(請求項5の発明)は第2〜第4の発明を具体化したもので、この発明は、前記ミッションケースの前部にフロントアクスルが取り付く左右外向きの凸部を形成しており、前記後輪出力軸は一方の凸部から後ろ向きに延びている。
第6の発明(請求項6の発明)は第2〜第5の発明を愚たかしたものであり、この第6の発明では、前記走行機体の後部には植付け装置が取り付けられており、前記ミッションケースのうち入力軸及び後輪出力軸の配置部と反対側に位置した他方の側面部に、前記植付け装置に動力伝達するための作業動力出力部が設けられている。
本願各発明では、後輪出力軸がミッションケースの側面部に配置されているため、エンジンをミッションケースの後方の部位に下げた状態で配置することが可能となり、その結果、走行機体の重心を低くすることが可能になる。
第2の発明のように入力軸と後輪出力軸とをミッションケースの同じ側面部に設けると、入力軸と後輪出力軸とをスッキリと纏めることができるのみならず、第6の発明のようにミッションケースの他方の側面部に作業動力出力部を設けることにより、後輪出力軸と作業動力出力部とをバランス良く配置できる利点がある。また、第2の発明では入力軸が後ろ側に位置しているため、エンジンと入力軸との間隔を短かくすることができ、その結果、ベルト等の伝達手段をコンパクト化することができる。第3の発明のようにミッションケースにHSTを組み込むと、乗用車のような軽快な走行フィーリングを得ることができる。
更に、第4の発明を採用すると、動力伝達系統をよりコンパクト化できる。すなわち、エンジンはミッションケースの上側にはみ出る状態で配置されるので、仮に後輪出力軸が入力軸の上に配置されていると、後輪出力軸に接続される後輪ドライブ軸はエンジンと干渉しないようにミッションケースの左右外側に大きくずらさねばならず、すると動力伝達系統が大型化することになるが、請求項4のように後輪出力軸を入力軸の下側に配置すると、後輪ドライブ軸をミッションケースの側面部にできるだけ近接させつつエンジンの下方位置に配置できるのであり、従って、動力伝達系統をよりコンパクト化できるのである。
第5の発明を採用すると、ミッションケースの前部にフロントアクスルが取り付くため、仮に前輪と後輪との間隔が特許文献1と同じであったとしても、走行機体の全長を大きくすることなくミッションケースの手前側に他の部材(例えばバワーステアリングユニット)を配置することが可能になり、その結果、走行機体全体として設計の自由性を向上できる。また、フロントアクスルはミッションケースの凸部に設けられるため、フロントアクスルの支持強度を向上できる。更に、後輪出力軸は一方の凸部から後ろ向きに延びているため、後輪出力軸を後ろ向き突出させるための凸部を別に設ける必要はなくてそれだけ構造を簡素化することができる。
田植機の側面図である。 田植機の一部省略平面図である。 車体カバーが取り付けられた状態での走行機体の平面図である。 田植機の大まかな骨組みを示す斜視図である。 走行機体のみの側面図である。 動力系統を構成する主要要素の分離側面図である。 走行機体の底面図である。 動力系統を示す主要部材の底面図である。 動力系統図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は乗用型田植機(以下、単に「田植機」と略す)に適用している。以下の説明では、方向を特定するために「前後」「左右」の文言を使用するが、これらの文言は、特に断らない限り、前進方向を向いて着座した運転者の向きを基準にして表示している。
(1).田植機の概要
まず、田植機の概要を説明する。図1及び図2に示すように、田植機は主要要素として走行機体1と苗植装置2とを有しており、走行機体1は左右の前輪3と後輪4とで支持されている。走行機体1は、運転者が腰掛ける座席5とその前方に配置された操縦ハンドル6とを有している。座席5と操縦ハンドル6とは走行機体1の左右中間位置に配置されている。操縦ハンドル6は、ボンネット7で覆われた操縦機構部8に設けている。また、座席5の前方でかつ左右両側には予備苗台9を設けており、座席5の後ろには施肥装置10を配置している。操縦機構部8は裏カバーや操縦パネルを有しているが、図では省略している。
例えば図1や図4から理解できるように、走行機体1は、前後方向に延びる左右のサイドフレーム12と、左右のサイドフレーム12をその前端寄り部位において連結したフロントフレーム13と、左右サイドフレーム12の後端に連結された左右長手のリアフレーム14とを有している。これらサイドフレーム12とフロントフレーム13とリアフレーム14とにより、走行機体1の中核を成す車体フレーム(シャーシ)が構成されている。
サイドフレーム12は角形鋼管から成っており、その前端にはバンパー17を固着している。図4に示すように、左右のサイドフレーム12は操縦ハンドル6の下方の部分等において横長ステー15で連結されている。走行機体1のうち人が載る部分は、一体構造の車体カバー(ステップ板)16で覆われている。
サイドフレーム12は、略前半部は略水平姿勢で後半部は後傾姿勢となるように屈曲している。すなわち、サイドフレーム12の後半部は、後ろに行くほど高さが高くなる傾斜部12aになっている。サイドフレーム12の左右外側には前後方向に延びる補助フレーム18が平面視で平行に配置されており、補助フレーム18は外向きの枝フレームやリアフレーム14等に溶接されている。
例えば図1から理解できるように、側面視でサイドフレーム12における傾斜部12aの下方に位置した部位にはエンジン19が配置されており、エンジン19の手前でかつサイドフレーム12より低い位置にはギア群を内蔵したミッションケース20が配置されている。エンジン19は、クランク軸23が左右方向に延びる姿勢で配置されている。
例えば図5から容易に理解できるように、エンジン19はクランク軸21が手前に位置してシリンダボアは後傾した姿勢で配置されている。図2や図7から理解できるように、エンジン19は走行機体1の左右中間部に配置されている。)。ミッションケース20の前部の左右側面にはフロントアクスル装置22が取り付けられており、フロントアクスル装置22で前輪3が回転自在に支持されている。
例えば図8から理解できるように、フロントアクスル装置22はミッションケース20に固定された固定ケース23と、固定ケース23に水平旋回自在に取り付けられた可動ケース24とを有しており、可動ケース24に前輪3が前車軸で取り付けられている。操縦ハンドル6の回転は、パワーステアリングユニット25(図5,7参照)と連結棒26(図7参照)とを介して可動ケース24に伝えられ、これによって走行機体1の舵取りが行われる。
座席5は、走行機体1のほぼ左右中間部の位置でかつ側面視では概ねサイドフレーム12における傾斜部12aの前半部の上方に位置している。そして、図3や図5から容易に理解できるように、平面視でエンジン19の前部は座席5と重なり合っており、平面視と側面視でエンジン19は座席5の後ろに大きくはみ出している。座席5とエンジン19との間には燃料タンク27が配置されている。泥土が深い圃場の場合は後ろ車軸に補助輪を取り付けることがある。
後輪4はリアアクスルケース29に取り付けられている。リアアクスルケース30とリアフレーム14とは左右2本のリア支柱30で連結されている。例えば図3〜5図から理解できるように、リア支柱14に平面視Y形のトップリンク31と梯子形のロアリンク32とがその前端を中心にして回動するように連結されており、トップリンク31とロアリンク32の後端にはヒッチ33が相対回動可能に連結されている。ヒッチ33に苗植装置2が左右ローリング可能に連結されている。
ロアリンク33とリアフレーム14とには油圧シリンダ34が相対回動自在に連結されている。従って、油圧シリンダ34を伸縮させると苗植装置2が昇降する。図1及び図2から理解できるように、苗植装置2は、ロータリー式の4個の植付け装置35、4本のベルトを有する苗載台36、フロート37、整地ロータ38などを有している。
既述ののように、ミッションケース20はエンジン19の手前に配置されているが、例えば図5から理解できるように、エンジン19はその下端がミッションケース20の上面よりも下方に位置するように沈み込んだ状態に配置されている。また、ミッションケース20の後端とリアアクスルケース30とは丸パイプを取材としたジョイント装置39で連結されており、エンジン19は、ジョイント装置39の前部とリアアクスルケース30とで支持されている。
更に述べると、図6から理解できるように、ジョイント装置39の前部に左右横長の前ブラケット40を固定し、この前ブラケット40にエンジン19の前部が左右2個の防振ゴム41を介して締結されており、また、リアアクスルケース30の前部に防振ゴム41を介して左右横長のリアブラケット42が取り付けられており、リアブラケット42にエンジン19の後部が締結されている。ジョイント装置39はミッションケース20の下部に固定されており、このためエンジン19は部分的ながらミッションケース20の上面よりも下方に沈んだ状態だ配置されている。このため、エンジン19はできるだけ重心を低くすることができる。
例えば図8から理解できるように、ミッションケース20は前後方向に長い形態を成しており、大雑把には、左右2つのシェル構造体を重ねてボルト群で共締めすることで中空構造になっている。そして、ミッションケース20の前部には左向きに突出した左凸部44と右向きに突出した右凸部45とがそれぞれ形成されており、これら左右の凸部44,45にフロントアクスル装置22の固定ケース23がボルトで締結されている。
また、ミッションケース20の後部のうち左側面にはHST(静油圧式無断変速機)46が取り付けられており、エンジン19からの動力がHST46の入力軸に既述のベルト47で伝達される。他方、ミッションケース20の後部のうち右側面には作業動力出力部48を突設している。作業動力出力部48の後方には株間調節装置49が配置されており、株間調節装置49からは、苗植装置2を駆動するための植付け軸(PTO軸)50が後ろ向きに突出していると共に、施肥装置10を駆動する施肥駆動軸51が上向きに突出している。株間調節装置49はリアアクスルケース30に固定されている。
(2).動力系統
次に、動力系統を主として図9(おおまかな動力系統図)に基づいて説明する。既述のとおりミッションケース20の後部で左側面部にはHST46が配置されており、エンジン19の動力はHST46の入力軸53にベルト47及びプーリで伝達される。HST46の入力軸53はエンジン19の運転中は常時回転しており、ミッションケース20の右側面には入力軸53で駆動される油圧ポンプ53を取り付けている。前記した昇降用の油圧シリンダ34やパワーステアリングユニット25は油圧ポンプ53からの圧油で駆動される。
HST46は油圧ポンプ54と油圧モータ55とを有しており、油圧モータ55は油圧ポンプ54から送られた圧油によって駆動され、かつ、油圧ポンプ54の圧油吐出量は可動斜板の回動によって調節され、可動斜板はアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に比例して回動する。本実施形態では、HST46と遊星歯車機構56とを組み合わせており、入力軸53に固定した第1ギア57の回転が遊星歯車機構56に伝達される割合を油圧ポンプ55で調整する(すなわち、HST46の出力軸58を、静止状態を境に正転させたり逆転させたりする)ことにより、遊星歯車機構56の出力軸である第1回転軸59の回転をゼロから最大値まで変速することができる。
第1回転軸59には中空の第2回転軸61が摺動自在で相対回転自在に被嵌しており、第1回転軸61の回転は走行切り換えクラッチ62を介して第2回転軸61に伝達される。敢えて述べるまでないが、入力軸53や回転軸59,62は左右方向に延びている。ミッションケース20の前部には左右長手で中空の第3回転軸64が配置されており、第2回転軸62の回転はチェーン63及びスプロケットを介して第3回転軸64に伝達される。第3回転軸64は右前輪駆動軸である第4回転軸65に被嵌している。
第3回転軸64及び第4回転軸63の後ろ側には車輪駆動軸である第5回転軸66が配置されており、第3回転軸64の回転は変速ギア67,68,69の群を介して第5回転軸66に伝達される。第5回転軸66(又は第3回転軸62)に設けた変速ギア67,68の群をスライド操作することにより、路上走行時の高速走行、苗植作業時の低速走行、停車時のニュートラル、後進の切り換えが行われる。
後進用変速ギアは符号69で示しており、後進用支軸71に回転自在に取り付けられている。そして、図では後進用支軸71を第5軸66の後ろに配置しているが、これは作図の便宜のためであり、実際には一点鎖線で示すように、後進用支軸71は第4回転軸64と第5回転軸66との間に配置される。
第5回転軸66の左端部には平ギア72が固定されており、平ギア72はデフギア(差動ギア)73に噛合している。デフギア73はデフケース74に固定されており、デフケース74には右車輪3を駆動するための前記第4回転軸65と左車輪3を駆動するための第6回転軸75とが同軸状姿勢で取り付けられている。敢えて述べるまでもないが、第4回転軸65と第6回転軸75とは操縦ハンドル6の回転角度に応じて回転数が変わる(差動する)。第5回転軸66と第6回転軸75とはフロントアクスル装置22に接続されている。第6回転軸66はブレーキ76で回転が完全に停止されるようになっている。
第6回転軸75の左端部はミッションケース20の左凸部44に入り込んでおり、かつ、ミッションケース20の左凸部44には当該凸部44から部分的に後ろ向きに突出して前後方向に延びる後輪出力軸78が回転自在に支持されており、後輪出力軸78と第5回転軸66とに設けたベベルギアの対が噛合している。後輪出力軸78には継手(自在継手又は筒形継手)80を介して後輪ドライブ軸81が連結されており、後輪ドライブ軸81はリアアクスルケース30に向けて延びている。例えば図8や図5に示すように、後輪出力軸78及び後輪ドライブ軸81はHST46の入力軸53より低い位置に位置しており、かつ、平面視ではHST46と交叉してミッションケース20の左側面に近づけた状態に配置されている。
リアアクスルケース30には前後長手の後輪入力軸82が回転自在に軸支されており、後輪ドライブ軸81が継手83を介して後輪入力軸82に接続されている。また、リアアクスルケース30は基部の左右に後ろ向き突出部30aを有する平面視略コの字形になっており、基部には左右長手の第7軸84が同心に配置されており、一方の第7軸84にベベルギアの対で後輪ドライブ軸81の回転が伝えられている。左右の第7回転軸84は一体に回転するように継手で連結されている。第7回転軸85は1本の軸で構成することも可能である。
左右の第7回転軸84にはそれぞれ筒状の第8回転軸86が相対回転可能に被嵌しており、第7回転軸84の回転は第8回転軸86にクラッチ87を介して伝えられるようになっている。そして、リアアクスルケース30における左右張り出し部30aには後ろ車軸88回転自在に軸支されており、第8回転軸88の回転が後輪駆動ギア89の群を介して後ろ車軸88に伝達されている。左右の後輪4はクラッチ87を継断することで独立して回転させたり停止させたりすることができる。説明するまでもないが、圃場でUターンする場合は、一方の後輪を停止させて他方の後輪のみを駆動する。これにより、短い半径で旋回できる。
リアアクスルケース30の基部には前後長手の整地ロータ駆動軸90が回転自在に軸支されており、第7回転軸84の回転はギアとクラッチとを介して整地ロータ駆動軸90に伝えられる。整地ロータ駆動軸90には自在継手を介して整地ロータドライブシャフト(図示せず)が接続されている。
ミッションケース20のうち入力軸53より後ろの部位には左右長手の第9回転軸92が軸支されており、第2回転軸92の回転が主動ギア93とアイドルギア94と従動ギア95とで第9回転軸92に伝えられている。アイドルギア94は入力軸53に相対回転自在に被嵌している(入力軸53を支軸に兼用している。)。ミッションケース20の右側面のうち後部には、第9回転軸92の右端部が入り込む作業動力出力部48を突設している。作業動力出力部48には前後方向に延びる作業動力出力軸97が軸支されており、第9回転軸92の回転は第4ベベルギア98の対によって作業動力出力軸97に伝えられている。
作業動力出力軸97は外側に露出していてこれに第10回転軸99が継手を介して接続されている。第10回転軸99は株間調節装置49を構成する株間ケース100に回転自在に軸支されている。株間ケース100には第10回転軸99と平行に延びる第11回転軸101と第12回転軸102と植付け軸(PTO軸)50とが回転自在に取り付けられており、第10回転軸99の回転は固定ギア及び可動ギアよりなるギア102の群及びクラッチを介して植付け軸50に伝えられる。植付け軸50には自在継手を介して植付けドライブ軸(図示せず)が接続されている。
また、植付け軸50の回転はギアによって第12回転軸103に伝えられ、第12回転軸103の回転は第5ベベルギア104の対によって施肥駆動軸51に伝えられる。図8に示すように施肥駆動軸51は上向きに突出しているが、図9では便宜的に横向きに描いている。
(3).まとめ
以上の説明から理解できるように、後輪出力軸78をミッションケース20の側面部に設けているため、ミッションケース20の後ろにジョイント装置39を配置することが可能になり、このため、ミッションケース20とリアアクスルケース30とを走行機体1の骨組みに兼用するにおいてシンプルな形態とすることができる。また、既述のとおり、エンジン19は後輪出力軸78の配置を阻害することなくその高さを低くすることができるのであり、このため安定性を向上できる。
また、HST46と後輪出力軸78及び後輪ドライブ軸81とはミッションケース20の左側面部に配置しているため、全体としてコンパクト化できる。特に、本実施形態のように後輪ドライブ軸81をHST46の下方に配置すると、後輪ドライブ軸81をできるだけミッションケース20に近づけることできるため、コンパクト化がより一層確実ならしめられる。また、作業動力出力軸78はミッションケース20の右側面部に配置しているため、動力系統の左右バランスがとれていて好適である。
本実施形態のように作業動力出力部48をHST46の後ろの位置に設けると、作業動力出力部48と株間調節装置49との間隔をできるだけ短くしてそれだけ部材の軽量化やコンパクト化に貢献できるのみならず、ミッションケース20の内部における回転軸の配置設計も容易である。敢えて述べるまでもないが、HST46や後輪出力部78と作業動力出力部48とは左右逆に配置することも可能である。
(4).その他
本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば適用対象は田植機には限らず、野菜苗移植機やトラクタ等の他の農作業機にも適用できる。
以上の説明のとおり、本願発明は田植機等の乗用型農作業機に具体化することができて高い有用性を発揮し得る。従って、産業上の利用可能性を有する。
1 走行機体
2 苗植装置
3 前輪
4 後輪
5 座席
12 サイドフレーム
19 エンジン
20 ミッションケース
29 リアアクスルケース
39 ジョイント装置
44,45 凸部
46 HST
48 作業動力出力部
49 株間調節装置
50 植付け軸(PTO軸)
51 施肥駆動軸
53 HST│入力軸
78 後輪駆│軸
81 後輪ドライブ軸
97 作業動力出力軸

Claims (6)

  1. 前輪及び後輪で支持された走行機体に、エンジンとミッションケースとが、エンジンの手前にミッションケースが位置する状態で配置されており、前記ミッションケースにおける前部の左右側面にフロントアクスルが取り付けられており、前記フロントアクスルで前輪が回転自在に支持されている一方、前記ミッションケースの後方には前記後輪を支持するリアアクスルが配置されている、という構成であって、
    前記エンジンはクランク軸が左右方向を向くように配置されており、エンジンからの動力が伝達される横向きの入力軸とリアアクスルに動力を伝達する後ろ向きの後輪出力軸とが、前記ミッションケースの側面部に設けられている、
    乗用型農作業機。
  2. 前記ミッションケースの左右側面部のうち一方の側面部に、前記入力軸と後輪出力軸とが、入力軸が後ろで後輪出力軸が手前に位置する状態で設けられている、
    請求項1に記載した乗用型農作業機。
  3. 前記ミッションケースはHSTを有しており、前記入力軸の回転はHSTに伝達されるようになっている、
    請求項1又は2に記載した乗用型農作業機。
  4. 前記エンジンはミッションケースの上側にはみ出る状態で配置されており、前記入力軸と後輪出力軸とが、入力軸が上で後輪出力軸が下になるように高さを変えて配置されている、
    請求項2又は3に記載した乗用型農作業機。
  5. 前記ミッションケースの前部にフロントアクスルが取り付く左右外向きの凸部を形成しており、前記後輪出力軸は一方の凸部から後ろ向きに延びている、
    請求項2〜4のうちのいずれかに記載した乗用型農作業機。
  6. 前記走行機体の後部には植付け装置が取り付けられており、前記ミッションケースのうち入力軸及び後輪出力軸の配置部と反対側に位置した他方の側面部に、前記植付け装置に動力伝達するための作業動力出力部が設けられている、
    請求項2〜5のうちのいずれかに記載した乗用型農作業機。
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