JP5494930B2 - 電子写真装置用導電性部材および画像形成装置 - Google Patents
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Description
これに対して例えば特許文献1(特開2003−306553号公報)では、ポリイミド樹脂に無機フィラーを含有させた構成であるベルト状の成形体が開示されているが、かかる構成では脆くクラックが入りやすくなるという問題がある。
また特許文献2(特許第3888038号公報)にでは、ウレタン変性ウレア樹脂に粒状の導電性フィラーと繊維状導電性フィラーとを含有させてなるシームレスベルトが開示されているが、導電性フィラーは抵抗の制御が困難であるという問題がある。
さらに特許文献3(特開2004−045637号公報)では、フッ素ゴムやウレタンゴムで構成された転写ベルトに導電性繊維部材であるカーボン繊維を含有させた構成が開示されているが、かかる構成では上記特許文献2と同様の問題がある。
(1):少なくとも樹脂、導電性物質およびナノファイバーが添加されてなる表層を備え、電子写真装置に用いられる中間転写材であって、前記ナノファイバーは、有機高分子からなり、前記ナノファイバーの平均直径Dは、20nm以上100nm以下であり、前記ナノファイバーの平均長さLは、前記平均直径Dの100倍以上であることを特徴とする中間転写材である。
このため、上記(1)に記載の構成では、ナノファイバーには導電性が付与されているカーボンナノチューブなどを使用せず、強度は有機高分子からなるナノファイバーを用い、抵抗制御に関しては別途導電性物質にて付与することで抵抗安定性と機械安定性(耐久性)を得る。
しかしながら、上記(4)に記載の構成によれば、導電性物質をカーボンブラックとすることで環境変動や長時間の通電による抵抗変動が抑制されると共に、ナノファイバーを存在させることでカーボンブラック粒子同士の距離が安定化され、より抵抗変動が抑制され強度面も向上する。さらに上記(4)に記載の構成によれば、カーボンブラックが存在する形態で、二次粒子径よりナノファイバーの直径を小さくすることで充分な強度を確保することができる。
しかしながら、上記(5)に記載の構成によれば、導電性物質を導電性高分子とすることで電圧依存性がより小さくすることができる。その結果、電気特性が安定し、例えば画像形成装置に用いた場合には画像品質の向上につながる。
しかしながら、上記(7)〜(9)に記載の構成によれば、ナノファイバーは光透過性がよいので光感度を損なうことなく強度を向上させることができると共に、ナノファイバーを用いることによりフィルミングやクリーニング性が向上する。
なお、上記(6)〜(9)によれば、それぞれが対応する上記(1)〜(3)と同様の効果を奏する。
本発明に係る電子写真装置用導電性部材は、少なくとも樹脂、導電性物質およびナノファイバーが添加されてなる電子写真装置用導電性部材であって、前記ナノファイバーは、有機高分子からなり、前記ナノファイバーの平均直径Dは、500nm以下であり、前記ナノファイバーの平均長さLは、前記平均直径Dの100倍以上であることを特徴とする。
本発明の電子写真装置用導電性部材に使用できる樹脂としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PE(ポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、POM(ポリアセタール)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PU(ポリウレタン)、ポリエステル樹脂、PA(ポリアミド、ナイロン)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PEI(ポリエーテルイミド)、PC(ポリカーボネート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などが用いられるが、好ましくはPVDF、PPなど軟化点が150℃〜200℃のものが好ましく使用される。
本発明の電子写真装置用導電性部材に使用できる導電性物質としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、アンチモン酸亜鉛、酸化スズなどの無機導電剤、導電性高分子及び光導電性材料が挙げられ、好ましくはカーボンブラック、導電性高分子、及び光導電性材料が挙げられる。イオン導電性液体のような液体のものではなく、固体導電性物質を用いることで電子写真装置用導電性部材への固定化が容易で、ブリードアウトによる汚染等の問題を防止できるため好ましい。
カーボンブラックの二次粒子径よりナノファイバーの平均直径Dを小さくすることで二次粒子径を起点としたクラックの広がり抑制することができる。特に二次粒子径の半分以下、より好ましくは1/5以下が良い。
本発明の電子写真装置用導電部材に使用できる有機高分子からなるナノファイバーは直径が500nm以下であり、長さがその直径より100倍以上である必要がある。ナノファイバーの材料としては、PS(ポリスチレン)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド、ナイロン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PU(ポリウレタン)、PVA(ポリビニルアルコール)、PLA(ポリ乳酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PEG(ポリエチレングリコール)、PLGA(乳酸・グリコール酸共重合体)、PEVA(ポリエチレンビニルアセテート)、PEVOH(ポリエチレンビニルアルコール)、PEO(ポリエチレンオキサイド)、セルロース、ポリマーブレンド、有機無機複合材料などが挙げられ、好ましくは、PETやセルロースが使用できる。セルロースを使用した場合、安価であるため低コスト化を達成できる。
植物由来の繊維原料としては、パルプ及び植物材料が挙げられる。
このうちパルプとしては再生パルプ、クラフトパルプ及び機械パルプが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
植物材料としては、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花などの各種植物体から得られた植物材料が挙げられる。この植物材料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、上記植物材料として用いる植物体の採用部位は特に限定されず、木質部、非木質部、葉部、茎部及び根部等の植物体を構成するいずれの部位であってもよい。更に、特定の部位から得られた植物材料のみを用いてもよく2ヶ所以上の異なる部位から得られた植物材料を併用してもよい。
更に、微生物由来の繊維原料としては、バクテリアセルロースが挙げられる。
尚、本発明で用いられるセルロースナノファイバーは、その他、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル状微細繊維、微少繊維セルロース、ミクロフィブリル化セルロース、スーパーミクロフィブリルセルロース等と称される各種微細繊維を含み、更には、これらのうちの少なくとも1種を更に微細化した繊維を含む意味である。
PET(ポリエチレンテレフタレート)をジクロロメタンとトリフロオロ酢酸の混合溶媒に溶解させて20wt%のポリマー溶液を作製した。紡糸口(径0.5mm)に10kVの電圧を印加しナノファイバーを得た。ナノファイバーの平均直径Dや平均長さLは紡糸口の径や溶液中のポリマー濃度、紡糸口との電界強度で適宜調整できる。
ナノファイバーの材料はPETやPA(ナイロン)、PAN(アクリロニトリル)、PI(ポリイミド)などを使用できる。
ここで二次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子が凝集もしくは再凝集したもののことを言い、電子顕微鏡や透過型顕微鏡で散見されるレベルを言う。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態であるフルカラーレーザプリンタの構成を示す概略図である。このフルカラーレーザプリンタの概要を以下に示す。
プロセスカートリッジ1内の帯電ローラ(帯電部材)4によって感光体(静電潜像担持体)5は帯電され、不図示の露光装置からの露光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。この後、現像ローラ(現像剤担持体)6にてプロセスカートリッジ1内のトナーを帯電、搬送させ、現像ローラ6と感光体5との対向部である現像部において静電潜像が帯電されたトナーにより現像されて感光体5上に可視像としてのトナー像が形成される。次に、その現像されたトナー像は、感光体5と一次転写ローラ2dとの対向位置である一次転写部において転写ベルト(中間転写材)2aに一次転写され、KYMC(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の順に色重ねされ、転写ベルト2a上にフルカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト2a上のフルカラーのトナー像は、二次転写部材2bと二次転写対向ローラ2cとの対向位置である二次転写部にて記録紙などの転写材(被転写体)に転写される。その後、不図示の定着装置を通過し、転写材に熱溶融されたトナーが定着される。
中間転写ベルト2aは円筒状のフィルムからなり、内側に複数のローラ(2c等)が配置され、該複数のローラに張架されてなる。この中間転写ベルト2aは、トナーの帯電極性と逆極性あるいは同極性のバイアスを印加するなどの方法でトナーを転写させて使用する。また、この中間転写ベルト2aは、像担持体5からトナー像を転写し(一次転写)、さらに転写材(被転写体、記録材)に二次転写するために用いられる。この場合、ベルトはシームレスベルトでもシームベルトでもよいが画像品質・クリーニング性等を考慮するとシームレスベルトが好ましい。
転写ベルト2aは単層であってもよく、基層とその他の層とからなる多層であってもよい。多層の場合、基層に強度を持たせたい場合は基層に、表層の強度を上げたい場合は表層にナノファイバーを含有すればよく、あるいは複数の層に含有させてもよい。また、いずれの構成であっても、特に耐久性が求められる感光体5等と当接する表層において、前述のナノファイバーを有する構成とすることが好ましい。
尚、図2に示す例では一成分現像剤を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、二成分現像剤を用いるものであっても良い。
尚、本実施の形態における現像剤担持体としての現像ローラ(6)は、表面コート層(表層)に前述のナノファイバーを有する構成である。
薄層化されたトナーは、現像ローラ(6)の回転によって感光体ドラム(5)との対向位置へ搬送され、現像ローラ(6)に印加された現像バイアスと感光体ドラム(5)上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて、感光体ドラム(5)表面に移動し現像される。
感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。
また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。
電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
特にトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に有するポリカーボネート樹脂としては、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載のものが挙げられる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。
塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層である。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
前述した高分子電荷輸送物質、特にトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に含むポリカーボネートを用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でもバインダー樹脂との併用も可能である。
これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層3と同様な塗工法が可能である。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
このとき、架橋表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。
1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性がバラツキ、20μmより厚いと電荷輸送層全体の膜厚が厚くなり電荷の拡散から画像の再現性が低下する。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。
上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、導電性支持体上に塗布、必要に応じて乾燥後、光と熱エネルギーにより硬化反応を開始させ、表面層が形成される。
なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を表面層用塗工液に加えてもよい。
このとき、表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。
10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層、電荷輸送層において既に述べたものと同様なものが使用できる。
バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層の項で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。
かかる感光層の下層部分の膜厚は、5〜30μm程度が適当であり、好ましくは10〜25μm程度が適当である。
このとき、表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。
1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性のバラツキが生じる。
また、下層の感光層と架橋層の接着性を中間層により向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。
これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
中間層の形成法としては、一般に用いられる塗工法が採用される。
なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。
下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。
このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面架橋層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置のその他の各部を詳しく説明する。
感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。
この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
ここで言う接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。
一方の非接触近接配置帯電方式とは、例えば帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。
この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。
したがって、空隙は10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。
この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。
感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャを用いてもよい。
これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。
静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。
その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
除電手段としては除電ランプ、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
下記表1に示すようなナノファイバーの平均直径Dと平均長さLとなるようにエレクトロスピニング法により作製した。
即ち、PET(ポリエチレンテレフタレート)をジクロロメタンとトリフロオロ酢酸の混合溶媒に溶解させて20wt%のポリマー溶液を作製した。紡糸口(径0.5mm)に10kVの電圧を印加しナノファイバーを得た。ナノファイバーの平均直径D及び平均長さLが下記表1に示すようなものとなるように、紡糸口の径や溶液中のポリマー濃度、紡糸口との電界強度を適宜調整して所望のナノファイバーを作製した。
このようにして得られた導電性物質とナノファイバーとを含有するPVDFを、Tダイから押出し、シート状の電子写真装置用導電性部材を得た。導電性部材は体積抵抗率が108(100V印加時)であった。またカーボンブラックの二次粒子径は350nmであった。また、カーボンブラックはPVDF+ナノファイバーの重量に対して16.8重量%含有してなる。
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたシート状の電子写真装置用導電性部材を、以下に示す評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果は処方と共に上記表1に示す。
・平均直径D、平均長さL
平均直径Dや平均長さLの測定は走査型電子顕微鏡(日立S−4800)にて行った。
・引張強度
引張強度はJIS K7127に則って行った。
引張破断伸びは、好ましくは50%以上、より好ましくは100%以上、特に好ましくは150%以上である。
上記表1では、50%未満を×、50%以上100%未満を△、100%以上150%未満を〇、150%以上を◎とした。
尚、×、△、○、◎のうち、△、○、◎が合格で、×が不合格である。
引張破断伸びは、JIS K7113に従って、幅10mm及び長さ100mmの試験片を用いて、引張試験機により、引張速度50mm/分及びチャック間距離50mmの条件で測定することができる。
MIT試験はJIS P8115に規定されているMIT形試験機による耐折強さ試験法に従って行った。幅15mmの短冊型試験片を使用し、左右の折り曲げ角度135度、折り曲げ速度175c/m(サイクル/分)、及び厚み100μm当たりの荷重9.8Nの条件で、切断するまでの往復折り曲げ回数を測定した。この往復折り曲げ回数は、5,000回以上が好ましく、10,000回以上がより好ましく、20,000回以上がさらに好ましい。上記表1では、5000回未満を×、5000回以上10000回未満を△、10000回以上を○とした。
電気特性は上記表1では、環境変動(10℃15%〜30℃80%)による抵抗率のバラツキが2桁以上を×、2桁未満を○とした。抵抗率測定はハイレスタ(ダイアンインスツルメンツ製)を用いたときの表面抵抗率を電圧500V印加した場合で行った。
図1に示す中間転写部材2aに各実施例1〜4、比較例1〜4で得られたシートを用いた。
画像評価マシンはIpsio SP C310を用い、5%の印字率で24p/j(プリント/ジョブ)の間隔で印字した。転写材(転写紙、被転写体)にはT6200(リコー社製)を用いた。90kp印字するまでにクラックやワレが生じるものは×、90kp以上印字してクラックやワレが無いものは〇、クラックやワレが生じるものの実用可能なものは△とした。
中間転写部材は、感光体上のトナーを一旦中間転写ベルトに一次転写しその後転写材に二次転写するための部材である。二次転写方式は4回転ドラムによる転写であっても感光体ドラムが連装されたタンデム方式であってもよい。
中間転写ベルトは半導電性であって、単層からなるベルトが比較的多く、その材料はポリイミド、ポリアミドイミドに代表される熱硬化性樹脂からなるものやポリエステル、ポリカーボネート、PVDF、ナイロンのような熱可塑性樹脂からなるものにカーボンブラックに代表される導電材を含有して抵抗調整したものが上げられる。転写ベルトはワレ、伸び、クリープ、永久ひずみなどの機械的強度の問題が多く、端部については補強テープを用いたりする。
また、積層からなるベルトの構成もある。積層ベルトは、表面に離型性のよい材料を用いたり、中間層にゴム的性質を持った弾性体を用いて凹凸の大きい紙に良好に転写させる構成をとったりする。ゴム材だけでは機械的強度は不足し、伸びや、クリープ、永久ひずみ等の問題は抱えたままであるので、基層にポリイミドなど比較的機械強度の高い材料を用いたりする。
機械的強度を考えると、ナノフィアバーは、本実施例では単層構成を採用しているため、層中に均一に分散させてなる。
本実施例では本発明の導電性部材を単層からなる中間転写ベルトとして使用している。
耐久寿命と同様に、評価マシンはIpsio SP C310を用い、中間転写部材2aに各実施例1〜4、比較例1〜4で得られたシートを用いて、二色のベタ画像を積層させた二層ベタ画像を、再生紙からなる転写材(クラシックホワイト;STEINBEIS VISION製)に各種環境(10℃/15%Rh、23℃/65%Rh、30℃/80%Rh)で両面転写を試み、トータルでの画像評価を行った。
ボソツキや白ポチが目立つものを×、あまり目立たないものを△、目立たないものを〇とした。
実施例5−1として、前記実施例3と同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
実施例5−2として、実施例5−1においてナノファイバー樹脂をPETからPC(ポリカーボネート)に変更し、母体樹脂をPVDFからPETに変更し、エレクトロスピニングで用いられる溶媒をジクロロメタンとトリフロオロ酢酸の混合溶媒からTHF(テトラヒドロフラン)に変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
実施例5−3として、実施例5−2において母体樹脂をPETからPBT(ポリブチレンテレフタレート)に変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
ここで、PETの軟化点は220℃、PCの軟化点は250℃、PVDFの軟化点は170℃、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の軟化点は225℃であった。軟化点はDSC(セイコーインスツルメンツ社製)により測定した。
上記実施例5−1、5−2、5−3で得られたシート状の電子写真装置用導電性部材を、上述した評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果を処方と共に表2に示す。
実施例6−1として、前記実施例1においてナノファイバー樹脂をPETからセルロースに変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
また、実施例6−2として、表3記載の処方で実施例1と同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
針葉樹由来の漂白済み未叩解サルファイトパルプ(日本製紙ケミカル社)50g(絶乾)を4−メトキシTEMPO(Sigma Aldrich社製)940mg(6.2mmol)と臭化ナトリウム7550mg(73.4mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで攪拌した。
反応中は系内のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。
2時間反応した後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで酸化処理したパルプを得た。
酸化処理したパルプの0.3%(w/v;単位体積あたりの重量%)スラリーを12,000rpmで10分攪拌したところ、透明なゲル状水溶液が得られた。
この水溶液を透過型電子顕微鏡で観察するとナノファイバー化していることが確認できた。
上記実施例6−1、実施例6−2で得られたシート状の電子写真装置用導電性部材を、上述した評価方法及び評価基準、並びに、以下に示す評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果を処方と共に下記表3に示す。
φ20のアルミパイプに、作製した膜厚100μm、幅230mm、周長650mmの円筒状シートを60Nの張力を架けて巻きかけて固定し、40℃90%の環境に2週間放置した。それを常温に戻した後、画像評価マシンIpsio SP C310に転写ベルト(中間転写部材2a)としてセットし、クリープした部分が異常画像として現われるかどうかの評価を行った。使用する画像パターンはハーフ画像及びベタ画像を用いた。許容できるレベルを〇、それと見てクリープした部分が分かるレベルを△、明らかに画像欠損となるレベルを×とした。尚、○、△を合格、×を不合格とした。
実施例7−1として、前記実施例3において母体樹脂をPVDFからPC(ポリカーボネート:三菱化学社製)に変更し、カーボンブラックの二次粒子径を0.2μmに変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
実施例7−2として、前記実施例4において母体樹脂をPVDFからPCに変更し、カーボンブラックの二次粒子径を0.1μmに変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
比較例7−1として、前記実施例1において母体樹脂をPVDFからPC(ポリカーボネート:三菱化学社製)に変更し、カーボンブラックの二次粒子径を0.4μmに変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
比較例7−2として、前記比較例1において母体樹脂をPVDFからPC(ポリカーボネート:三菱化学社製)に変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
この熱可塑性樹脂組成物を射出成形機(住友ネスタール社製、型締め力75トン)によって、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で試験片を作成し、この試験片につき各種の評価試験を行なった。カーボンブラックの二次粒子径は主にスクリュー回転数と時間で調整した。
上記実施例7−1〜7−3及び比較例7で得られたシート状の電子写真装置用導電性部材を、上述した評価方法及び評価基準、並びに、以下に示す評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果を処方と共に下記表4に示す。
カーボンブラックの二次粒子径は、作製したシート状の電子写真装置用導電性部材の断面をミクロトーム(EMUC6:ライカ社製)により薄片を作製し電子顕微鏡にてSTEMモードで観察した。
実施例8−1として、前記実施例3において導電性物質をカーボンブラックからポリピロール(製品名:ポリピロール、アルドリッチ社製)に変更する以外は同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
比較例8として、前記比較例1と同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
実施例8−2として、前記実施例7−3と同様にしてシート状の電子写真装置用導電性部材を得た。
上記実施例8−1〜8−2及び比較例8で得られたシート状の電子写真装置用導電性部材を、上述した評価方法及び評価基準、並びに、以下に示す評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果を処方と共に下記表5に示す。
電圧依存性は、印加バイアスが10V印加時の表面抵抗率を、500V印加時の表面抵抗率で割った時の値で、10未満を○、10以上50未満を△、50以上を×とした。尚、○、△、を合格とし×を不合格とした。
実施例9として、セルロースナノファイバーをポリカーボネート10部に対し2部分散し、前記化学式(2)で表される電荷輸送物質を8部、テトラヒドロフラン200部からなる分散溶液をビーズミルにて分散し浸漬塗工法によりローラ状の電子写真装置用光導電性部材を得た。
参考例9として、実施例9にカーボンブラックデグサ社製の「プリンテックス150T」をビーズミルにて分散し浸漬塗工法によりローラ状の電子写真装置用光導電性部材を得た。
・二酸化チタン粉末 400部
・メラミン樹脂 65部
・アルキッド樹脂 120部
・2−ブタノン 400部
・チタニルフタロシアニン 7部
・ポリビニルブチラール 5部
・2−ブタノン 400部
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・セルロースナノファイバー 2部
・前記化学式2で示される低分子電荷輸送物質 7部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
上記実施例9及び参考例9で得られたローラ状の電子写真装置用導電性部材を、上述した評価方法及び評価基準、並びに、以下に示す評価方法及び評価基準に従い、各項目についてそれぞれ測定した。各評価結果を処方と共に下記表6に示す。
透明性の評価は、得られたローラ状の電子写真装置用導電性部材から、薄膜20μmを作製し、この薄膜を通して文字がはっきり見えるものを○、滲んで見えるものを△、見えないものを×とする官能評価とした。
2a 転写ベルト
2b 二次転写部材
2c 二次転写対向ローラ
2d 一次転写ローラ
3 レジストローラ
4 帯電ローラ(帯電部材)
5 感光体(静電潜像担持体)
6 現像ローラ(現像剤担持体)
Claims (12)
- 少なくとも樹脂、導電性物質およびナノファイバーが添加されてなる表層を備え、電子写真装置に用いられる中間転写材であって、
前記ナノファイバーは、有機高分子からなり、
前記ナノファイバーの平均直径Dは、20nm以上100nm以下であり、
前記ナノファイバーの平均長さLは、前記平均直径Dの100倍以上であることを特徴とする中間転写材。 - 前記有機高分子は、前記樹脂と比べて軟化点が20℃以上高いことを特徴とする請求項1に記載の中間転写材。
- 前記有機高分子は、セルロースを含むことを特徴とする請求項1に記載の中間転写材。
- 前記導電性物質は、カーボンブラックを含み、
該カーボンブラックの二次粒子径は、前記ナノファイバーの平均直径Dよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の中間転写材。 - 前記導電性物質は、導電性高分子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の中間転写材。
- 少なくとも樹脂、導電性物質およびナノファイバーが添加されてなる表層を備え、電子写真装置に用いられる現像剤担持体であって、
前記ナノファイバーは、有機高分子からなり、
前記ナノファイバーの平均直径Dは、20nm以上100nm以下であり、
前記ナノファイバーの平均長さLは、前記平均直径Dの100倍以上であることを特徴とする現像剤担持体。 - 少なくとも光導電性材料、樹脂、導電性物質およびナノファイバーが添加されてなる表層または電子輸送層を備え、電子写真装置に用いられる静電潜像担持体であって、
前記ナノファイバーは、有機高分子からなり、
前記ナノファイバーの平均直径Dは、20nm以上100nm以下であり、
前記ナノファイバーの平均長さLは、前記平均直径Dの100倍以上であることを特徴とする静電潜像担持体。 - 前記有機高分子は、前記樹脂と比べて軟化点が20℃以上高いことを特徴とする請求項7に記載の静電潜像担持体。
- 前記有機高分子は、セルロースを含むことを特徴とする請求項7に記載の静電潜像担持体。
- 表面に担持する現像剤を静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、
該現像剤担持体表面に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体の表面に当接するように設けられた現像剤層規制部材と、
現像剤を収納する現像剤収納器と、を備える現像装置において、
前記現像剤担持体が請求項6に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。 - 静電潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
帯電した静電潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、
現像剤担持体上に現像剤層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、該現像剤層中の現像剤により前記静電潜像を現像し、可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を直接または中間転写材を介して被転写体に転写する転写工程と、
前記被転写体上の可視像を当該被転写体に定着させる定着工程と、を有し、
前記現像剤担持体は、請求項6に記載の現像剤担持体であることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
帯電した静電潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、
現像剤により前記静電潜像を現像し、可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を中間転写材に一次転写する一次転写工程と、
該一次転写工程で前記中間転写材上に一次転写された可視像を被転写体に二次転写する二次転写工程と、
前記被転写体上の可視像を当該被転写体に定着させる定着工程と、を有し、
前記中間転写材は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の中間転写材であることを特徴とする画像形成方法。
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