JP4165863B2 - 半導電性ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式複写機、電子写真式プリンタ、電子写真式ファクシミリ及び電子写真式印刷機などに使用される、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ及び紙送りローラなどとして有用な半導電性ローラ並びにこの半導電性ローラを用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置において、帯電ローラ、現像ローラ及び転写ローラとしては、感光ドラムとのニップ幅を保持するために圧接して使用するのに適した発泡体を用いた低硬度のローラが使用されている。長期間、同一部を圧接したままで放置すると弾性体からの低分子物質のブルームによる感光体への汚染や弾性体が永久変形を起こすことがあり、感光体の帯電不良、トナーへの摩擦帯電不良や転写不良等の問題が生じることがあった。この様な観点から、弾性体に低分子物質の含有量が比較的少ない熱可塑性エラストマーを使用したり、発泡体の剛性を高くすることが知られている。また、特開平11−351239号公報では熱可塑性エラストマーを発泡体として使用した例が記載されており、特開平4−358825号公報では発泡弾性体に短繊維を混入した例がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性エラストマーからなる発泡体だけでは長時間、圧接放置時に感光体に接するセル壁が変形したまま元に戻らず永久変形する場合がある。また、剛性を高めるために混入した短繊維が連続運転中の感光体との摩擦によって弾性体から抜け落ちる場合があるという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、前述した課題を解決するために、長期圧接放置した半導電性ローラから感光体への汚染物質のブルームがなく、さらに圧縮永久変形を緩和し、長期使用においても弾性体から短繊維が抜け落ちることがなく安定して使用できる半導電性ローラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、芯金及び該芯金上に形成された弾性体層を有する半導電性ローラにおいて、
該弾性体層を構成する弾性体が、
熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー、並びに、
該熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー中に分散された短繊維及び少なくとも一部が加硫されたゴム
を含有する組成物を発泡させて得られた発泡体であることを特徴とする半導電性ローラに関するものである。
【0006】
本発明に係る半導電性ローラを用いることにより、感光体表面を汚染することなく、長期圧接放置に起因する圧縮永久変形を抑制でき、使用時の摩擦による半導電性ローラ表面からの短繊維の抜け落ちを防止する半導電性ローラを実現できる。
【0007】
また、本発明は、電子写真感光体と、上記半導電性ローラとを有する電子写真装置に関するものである。
【0008】
また、本発明は、上記半導電性ローラが、上記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を転写材に転写するための転写ローラである電子写真装置に関するものである。
【0009】
また、本発明は、上記半導電性ローラが、上記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナー画像として現像するための現像装置に用いられる現像ローラである電子写真装置に関するものである。
【0010】
また、本発明は、上記半導電性ローラが、上記電子写真感光体の表面を帯電するための 帯電ローラである電子写真装置に関するものである。
【0011】
また、本発明は、上記電子写真感光体と上記帯電ローラとがニップ部を形成しており、上記帯電ローラが上記電子写真感光体に対して速度差を持って移動するものであり、該ニップ部に帯電促進粒子が介在している電子写真装置に関するものである。
【0012】
この結果、上記半導電性ローラを、電子写真装置の帯電ローラ、現像ローラ及び転写ローラとして用いた場合、すじや色ムラのない画像を長期にわたって維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導電性ローラを構成する弾性体層上には、1層以上の層が形成されていても良い。例えば、弾性体層上に所望の硬度(AskerC硬度10〜50度)を有する表面層を形成することで、低硬度かつ低圧縮永久歪み性を有する半導電性ローラを得ることができる。
【0014】
図1は、本発明の半導電性ローラ10の概略を示したものである。10aは円筒形状の導電性基体からなる芯金で、芯金の外周部は、熱可塑性エラストマー組成物発泡体からなる発泡弾性体層10bから形成されている。さらに、用途によって半導電性ローラ全体の抵抗調整やトナーの摩擦帯電性及びトナー離型性を考慮して、発泡弾性体層10b上に1層以上の層からなる表層10cを形成する場合がある。発泡体としては低分子化合物のブルーム要因が少なく、かつ熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー単体で用いるよりもゴム状弾性を保つように、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー中にさらに少なくとも一部が加硫されたゴム及び短繊維が分散したものが適している。図2は発泡弾性体層10bの詳細であり、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー22を主成分とし、加硫ゴム23及び短繊維21が分散している。ここで、24は発泡セルであり、25のセル壁の剛性が高まるように短繊維21が分散している。また、この短繊維21のいくつかはセル内に突出している場合もある。
【0015】
本発明は更に、上記発泡体が、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを5質量%以上95質量%以下、上記少なくとも一部が加硫されたゴムを5質量%以上95質量%以下、上記短繊維を5質量%以上50質量%以下、含有することが好ましい。ここで、上記半導電性ローラでは発泡体の主成分が熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーであるため、低分子化合物等の感光体への汚染が少ない。
また、短繊維はセル間の隙間(セル壁)に充填されるため、半導電性ローラが感光体に圧接されて変形する部分の剛性が高まり圧縮永久変形が抑制され、長期圧接放置時の十分なセット性が実現される。また、短繊維は発泡体と強固に接着しているため、長期使用により半導電性ローラ表面と感光体表面との間で繰り返し摩擦力を受けて短繊維が半導電性ローラから抜け落ちることが抑制される。短繊維と発泡体を強固に接着するためには、短繊維への熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー並びに少なくとも一部が加硫されたゴムの、短繊維への付着率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
ここで、付着率とは半導電性ローラ作製後、半導電性ローラ断面をカッターで切り出し発泡セル内に突き出している繊維をピンセット状の治具で掴み、弾性体から短繊維を引き抜いた後、引き抜かれた短繊維の投影面を顕微鏡で観察することにより測定する。付着率は、短繊維に付着している全ての付着物の投影面の面積および短繊維の露出している部分の投影面の面積に対する短繊維に接着している熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー並びに少なくとも一部が加硫されたゴムの投影面の面積の割合を計算したものである。
式で表すと
付着率=(熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び少なくとも一部が加硫されたゴムの投影面の面積)/(短繊維に付着している全ての付着物の投影面の面積+短繊維の露出している部分の投影面の面積)×100
となる。
また、これらの短繊維に加えて半導電性ローラ中に少なくとも一部が加硫されたゴムを分散させることにより、より効果的に半導電性ローラ使用時の圧縮永久変形の抑制を図ることができる。
本発明に使用される弾性体は、熱可塑性を与えるのに十分な熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーと、ゴム状弾性を与えるのに十分な量の少なくとも一部が加硫されたゴム及び短繊維とのブレンドとからなり、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー成分のマトリックス層の中にゴムが分散層として存在するものである。かかる構造を有することにより、熱可塑の加工が可能であるため通常の樹脂用成形機を使用してチューブ状に成形できる。
【0016】
半導電性ローラにおいて発泡体中に熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを5質量%以上95質量%以下、より好ましくは10質量%以上80質量%以下、更に好ましくは20質量%以上70質量%以下を含んでいるのが良い。また、発泡体中に少なくとも一部が加硫されたゴムを5質量%以上95質量%以下、より好ましくは10質量%以上80質量%以下、更に好ましくは20質量%以上70質量%以下を含んでいるのが良い。また、発泡体中に短繊維を5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下、更に好ましくは15質量%以上35質量%以下を含んでいるのが良い。
【0017】
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、通常の熱可塑性樹脂でよく、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612))、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステルなどの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン三元共重合体)、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA))、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体)、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE))、イミド系樹脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))などに配合剤を添加したコンパウンドを挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、市販品を使用することができる。熱可塑性樹脂として好ましくはポリプロピレンを使用するのが良い。
【0018】
本発明で使用される熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーおよびウレタン系熱可塑性エラストマー等を使用することができる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びこれらの水素添加物、又はそれらの混合物から選ばれた水素添加物を基本成分として含有したものが使用できる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合ゴム等、または、それらを有機過酸化物等の存在下に加熱処理することにより架橋した弾性体を基本成分として含有したものを使用することができる。
【0019】
ウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、ジイソシアネートと短鎖グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等)とから成るハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖グリコールとから成るソフトセグメントを有するものである。長鎖グリコールとしては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のものを使用することができる。上記熱可塑性エラストマーは、市販品を使用することができる。熱可塑性エラストマーとしては、好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマーを使用するのが良い。
【0020】
これら熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーは単独で用いても、任意の2種以上をブレンドして用いても良い。さらに、上記熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーは併用して使用することができ、この場合、上記熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーは質量比で5:95〜95:5の範囲で使用するのが良い。より好ましくは、質量比で10:90〜90:10の範囲で使用するのが良い。
【0021】
また、少なくとも一部が加硫されたゴムに使用するゴムとしては一般的なものでよく、ジエン系ゴム及びその水添物(例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、BR(高シスBR及び低シスBR)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR、オレフィン系ゴム(例えばエチレン/プロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレン/プロピレンゴム(M−EPM))、ブチルゴム(IIR)、イソブチレン/芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、含ハロゲンゴム(例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレン/パラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレン系ゴム、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)などのゴムを用いることができる。
【0022】
また、これらのゴムに配合剤を添加したコンパウンドを挙げることができる。尚、これらのゴムは単独で用いても任意の2種以上の混合物を用いても良い。上記ゴムには、市販品を使用することができる。好ましくは、ゴムとしてはEPDMを使用するのが良い。また、硫黄、金属酸化物および有機過酸化物などの加硫剤を用いることにより、ゴムの鎖状分子は架橋されて三次元の網目構造を有することができる。
【0023】
半導電性ローラに電気特性が必要な場合は、これらのゴムや樹脂にカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンのような導電性粒子を分散させて所望の体積固有抵抗に制御することができる。ここで、半導電性ローラの体積固有抵抗は1×104〜1×1010Ωcmに設定するのが良い。
【0024】
半導電性ローラに配合される短繊維として、例えばセルロース繊維、タンパク繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維及び炭素繊維が用いられる。短繊維の曲げ剛性や熱可塑性エラストマーとの接着性の点から、好ましくは、ポリエステルモノフィラメント、ポリウレタンモノフィラメント及びポリアミドモノフィラメントからなる群より選ばれる少なくとも1種が良い。これらの短繊維はそれぞれ単独で用いても任意の2種以上の短繊維の混合物を用いても良い。本発明の実施の一態様として、弾性体層が酸変性オレフィンを含むことを特徴とする半導電性ローラに関するものである。また、本発明の実施の一態様として、弾性体層がエポキシ変性熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする半導電性ローラに関するものである。
【0025】
弾性体層に混合する酸変性オレフィンやエポキシ変性熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー並びに少なくとも一部が加硫されたゴムと短繊維との接着性を向上させるものであり、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(具体的には、商品名:ボンダイン:住化アトケム社製)や、エポキシ化スチレン/ブタジエン共重合体(具体的には、商品名:エポフレンド:ダイセル化学社製)が挙げられる。
【0026】
エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体の組成は、無水マレイン酸2〜5質量%、アクリル酸エステル6〜30質量%であって、融点が60℃〜110℃のものが好ましい。エポキシ化スチレン/ブタジエン共重合体においてはエポキシ化率が1mol%以上50mol%以下であることが好ましい。エポキシ化率が1mol%以上であると熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー並びに少なくとも一部が加硫されたゴムと短繊維との間に強固な接着を得ることができる。エポキシ化率が50mol%以下であると良好な貯蔵弾性率を維持することができる。上記酸変性オレフィンやエポキシ変性熱可塑性エラストマーは、弾性体層のマトリックス層に溶融し、短繊維との接着性向上に寄与するため、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーからなるマトリックス層を100質量部とした時に5〜50質量部を混合すれば、十分な効果が得られる。短繊維と熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー並びに少なくとも一部が加硫されたゴムとの接着性は付着率で評価する。この付着率が50%以上で短繊維の抜け落ちのない良好な接着力が得られる。
【0027】
本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物及び/又は熱可塑性エラストマー組成物原料を発泡させて発泡体として使用するために、無機塩、有機化合物および水等の発泡剤が使用される。無機塩は、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられ、有機化合物としてはアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4,4’‐オキシビスベンゾスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。これら発泡剤は熱可塑性エラストマー組成物原料(熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー、少なくとも一部が加硫されたゴム)100質量部に対して0.5〜15質量部の割合で配合することが必要である。この配合割合を0.5質量部以上とすることにより、所望の発泡倍率を得ることができる。また、配合割合を15質量部以下でも使用するに十分な発泡倍率が得られるため、配合割合を15質量部以下とすることでコスト的に有利となるためである。
【0028】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる弾性体層を成形するには、予め熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーと未加硫ゴムとを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー中にゴムを分散させる。ゴムを加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、ゴムを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはゴムへの各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とゴムの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴムの混練およびゴムの動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。
【0029】
溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。短繊維の混合は上記工程中いずれの場合でも良いが、ペレット化した熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーと短繊維をニーダで混練することが好ましい。発泡方法としては、上記に記載された熱可塑性エラストマー組成物原料を押出機に供給して混練し、この混練物に押出機の途中に設けられた発泡剤注入口より発泡剤を適量、連続的に圧入し、熱可塑性エラストマー組成物原料を発泡させる。また、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーと発泡剤とをタンブラー等で均一に混合し、これを押出機に供給して混練し、押出機内で発泡剤を分解させ、熱可塑性エラストマー組成物原料を発泡させることにより、円筒状の発泡体を得ることができる(チューブ化)。チューブ化は、押出機のダイスを使用した通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物をチューブ化する方法によれば良い。
【0030】
本発明における熱可塑性エラストマー組成物弾性体中の特定の熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーとゴムとの組成比は、弾性体層の厚さ、柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は質量比で20/80〜80/20、更に好ましくは質量比で25/75〜70/30である。また、弾性体層に分散する加硫ゴムの平均径は0.1μm以上5μm未満であることが好ましい。加硫ゴムの平均径を0.1μm以上5μm未満とすることによって、半導電性ローラとして適度なゴム弾性を得ることができる。より好ましくは、ゴムの平均径は0.3μm以上3μm未満であるのが良い。更に好ましくは、ゴムの平均径は0.5μm以上2μm未満であるのが良い。なお、加硫ゴムの平均径は、半導電性ローラの任意の断面における任意の100個の加硫ゴムの断面の径を電子顕微鏡により計測し、これを平均することによって求めることができる。また、加硫ゴムの平均径を制御するには、2軸混練押出機のスクリュー形状及び押し出し速度等を適度に調整することで達成できる。
【0031】
弾性体層上にさらに表層を使用する場合、表層としてはローラ円周部を形成し、成形できるものであれば何でも良いが、上記加硫ゴム、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群から選択された少なくとも一つであることが望ましい。これらの物質を用いて、ディッピング、スプレー及びロールコート等の方法により半導電性ローラの表面層を形成すれば良い。このように導電性の表面層を形成することによって低圧縮性かつ低圧縮永久歪み性を有する半導電性ローラを得ることができる。芯金としては、金属製なら何でも良いが、例えばSUSやアルミニウム製が使用される。
【0032】
半導電性ローラに使用する短繊維の平均繊維長は0.05mm以上5mm未満であり、かつ平均繊維径は0.1μm以上50μm未満であるのが良い。平均繊維長を0.05mm以上かつ平均繊維径を0.1μm以上とすることにより、圧接時の変形に耐えうる剛性が得られ、良好な圧縮永久変形性を得ることができる。また、平均繊維長を5mm未満かつ平均繊維径を50μm未満とすることにより、加工性が良く、分散不良が生じない。平均繊維長は好ましくは0.1mm以上3mm未満、より好ましくは0.15mm以上1mm未満であるのが良い。平均繊維径は好ましくは0.5μm以上40μm未満、より好ましくは1μm以上30μm未満であるのが良い。
【0033】
なお、短繊維の平均繊維長および平均繊維径は、任意の100本の短繊維の投影部の長さ及び繊維径を顕微鏡により計測し、これを平均することによって求めることができる。さらに、短繊維の平均繊維長は発泡体中のセルの平均セル径よりも長いことが好ましい。短繊維の長さを平均セル径よりも長くすることで圧接時の変形に耐えうる剛性を得ることができる。ここで平均セル径は半導電性ローラの任意の断面をSEMで観察し、任意の100個のセル径を計測し、これを平均することによって求めることができる。
【0034】
本発明は、前記半導電性ローラが配設された電子写真装置に関するものである。便宜上、図3に示した電子写真装置を例にして説明する。本例の電子写真装置は転写式の電子写真装置である。
【0035】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)を持って回転駆動される。2は帯電部材としての帯電ローラであり、所定の押圧力をもって感光体の面に圧接させてあり、本例装置の場合は感光体の回転に従動して回転する。この帯電ローラ2に対して不図示の帯電バイアス印加回路によって所定の帯電バイアスが印加されて回転感光体の周面が所定の極性電位に一次帯電処理される。その回転感光体の一次帯電処理面に対して不図示の露光装置により目的の画像情報が露光L(スリット露光・走査露光等)されて回転感光体の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0036】
その形成静電潜像が本例装置の場合は非磁性一成分現像方式の現像装置3によりトナー画像として現像される。4は現像ローラ、5はこの現像ローラに対するトナー塗布ローラである。現像ローラ4には不図示の現像バイアス印加回路によって所定の現像バイアスが印加される。
【0037】
一方、給紙カセット6から給紙ローラ7により記録材としての転写材Pが1枚宛繰り出されて搬送ローラ8、レジストローラ9を経て、感光体とこれに所定の押圧力をもって圧接させた転写ローラ10との圧接ニップ部である転写部Nに所定のタイミングで給送され、該転写部Nを挟持搬送される。
【0038】
転写ローラ10には不図示の転写バイアス印加回路によって所定の転写バイアスが所定のタイミングで印加される。そして転写部Nを挟持搬送される転写材Pの表面側に回転感光体の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電力と押圧力にて転写されていく。
【0039】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体の面から分離されて搬送装置15で定着装置16へ導入されてトナー画像の定着処理を受け、排紙ローラ17により画像形成物(コピー、プリント)として排紙トレイ18に排出される。
【0040】
また、転写紙Pに対するトナー画像転写後の感光体の面はクリーニング装置11のクリーニングローラ12により残留トナーの除去を受け、また除電ランプ13により除電露光14を受けて物理的・電気的に清掃されて繰り返して作像に供される。
【0041】
上記電子写真装置の帯電部において、イオンの発生に伴う放電生成による弊害を生じさせないために、接触帯電ローラが感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電機構を基本的に用いないで、感光体に直接電荷注入を行う注入帯電機構を使用する場合もある。具体的には、帯電ローラは感光体に対して速度差を持って移動し、帯電ローラに電圧を印加し、感光体表面に電荷注入するために比抵抗が1.7×103Ωcm、平均粒径4.5μmの導電性酸化亜鉛粒子を帯電促進粒子として、帯電ローラと感光体ニップ部に介在させる。帯電促進粒子をニップ部に介在させるためには、現像剤に混合しておけば随時供給される。また、印字初期においてはあらかじめ帯電ローラ表面に塗布しておく必要がある。
【0042】
上記例のような電子写真装置において、帯電ローラ2や現像ローラ4及び転写ローラ10としては、感光ドラムとのニップ幅を保持するために圧接して使用するのに適した発泡体を用いた低硬度のローラが使用されている。
【0043】
本発明にかかる半導電性ローラは上記の電子写真装置においてローラとして使用することができる。例えば、帯電ローラ2、現像ローラ4、トナー塗布ローラ5、給紙ローラ7、搬送ローラ8、レジストローラ9、転写ローラ10、クリーニングローラ12及び排紙ローラ17として使用することができる。好ましくは、帯電ローラ2、現像ローラ4及び転写ローラ10として使用することができる。
【0044】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0045】
(実施例1)
表1に示すように、ポリエステル(商品名:ハイトレル3458L:東レデュポン社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリエステル/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのポリエステルモノフィラメント(商品名:テトロン:帝人社製)を分散させ、さらに抵抗制御剤としてカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)及び発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0046】
ここで、ポリエステル/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリエステルモノフィラメントは35質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0047】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した後、上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径80μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.2μm)。
【0048】
(実施例2)
表1に示すように、ポリアミドエラストマー(商品名:ダイアミド E40−S3:ダイセル・ヒュルス社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリアミドエラストマー/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのナイロン6モノフィラメント(商品名:アミラン:東レ社製)を分散させ、さらにカーボンブラック等の抵抗制御剤を配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0049】
ここで、ポリアミドエラストマー/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してナイロン6モノフィラメントは40質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0050】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径75μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.4μm)。
【0051】
(実施例3)
表1に示すように、ポリプロピレン/EPDM系熱可塑性エラストマー(商品名:サントプレーン111−35:AES社製)に、酸変性オレフィン(商品名:ボンダインAX8390:住化アトケム社製)とカット長2mm、平均繊維径10μmのポリエステルモノフィラメント(商品名:テトロン:帝人社製)及びカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0052】
ここで、ポリプロピレン/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリエステルモノフィラメントは35質量部、酸変性オレフィンは5質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は20質量部、混合した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径100μm、付着率95%、加硫ゴムの平均粒子径1.0μm)。
【0053】
(実施例4)
表1に示すように、スチレン系エラストマー(商品名:セプトン 1001:クラレ社製)をマトリックスとし、SBR(商品名:Nipol 1507:日本ゼオン社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー/SBR=40/60質量比)と、エポキシ変性熱可塑性エラストマー(商品名:エポフレンド A1010:ダイセル化学社製)とカット長2mm、平均繊維径10μmのポリウレタンモノフィラメント(商品名:エスパ:東洋紡社製)とカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0054】
ここで、スチレン系エラストマー/SBR熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリウレタンモノフィラメントは40質量部、エポキシ変性熱可塑性エラストマーは5質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部を混合した。加硫ゴムの配合はSBR100質量部に対して、亜鉛華4質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.5質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径100μm、付着率95%、加硫ゴムの平均粒子径0.9μm)。
【0055】
(比較例1)
表1に示すように、ポリプロピレン/EPDM系熱可塑性エラストマー(AES社製 サントプレーン111−35)に、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)を25質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)を2質量部配合し、半導電性のエラストマーに調整したものをチューブ状に成形した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径105μm、加硫ゴムの平均粒子径1.0μm)。
【0056】
(比較例2)
表1に示すように、スチレン系エラストマー(商品名:セプトン 1001:クラレ社製)をマトリックスとし、SBR(商品名:Nipol 1507:日本ゼオン社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー/SBR=40/60質量比)とカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0057】
ここで、スチレン系エラストマー/SBR熱可塑性エラストマー100質量部に対して発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は30質量部、混合した。加硫ゴムの配合はSBR100質量部に対して、亜鉛華4質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.5質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×108Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径110μm、加硫ゴムの平均粒子径0.9μm)。
【0058】
上記半導電性ローラを図3に示す電子写真装置の転写ローラとして感光ドラムとのニップ幅が1mmとなるように装着し、3ヶ月の圧接放置試験を行った。放置後、A4サイズ用紙を使用したベタ黒画像形成試験を行い、初期画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
なお、表1記載の原料の商品名および販売会社を下記に表す。
*1 EPDM:エチレン/プロピレンゴム(商品名:エスプレンEPR505:住友化学社製)
*2 ポリエステル:(商品名:ハイトレル3458L:東レデュポン社製)
*3 PAE:ポリアミドエラストマー(商品名:ダイアミドE40−S3:ダイセル・ヒュルス社製)
*4 PP:ポリプロピレン(商品名:サントプレ−ン111−35:AES社製)
*5 SBR:スチレン/ブタジエンゴム(商品名:Nipol 1507:日本ゼオン社製)
*6 スチレン系エラストマー:(商品名:セプトン1001:クラレ社製)
*7 ポリエステル:(商品名:テトロン:テイジン社製)
*8 ナイロン6:(商品名:アミラン:東レ社製)
*9 ポリウレタン:(商品名:エスパ:東洋紡社製)
*10 酸変性オレフィン:(商品名:ボンダインAX8390:住化アトケム社製)
*11 エポキシ変性熱可塑性エラストマー:(商品名:エポフレンドA1010:ダイセル化学工業社製)
*12 アゾジカルボンアミド:(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)。
【0061】
実施例1〜4のように短繊維が発泡弾性体層に分散しているものは、スジの発生もなく良好な画像が得られたのに対し、比較例1〜2は半導電性ローラ1回転ごとの周期に一致するスジが発生していた。また、これら半導電性ローラを感光ドラムから取り外し、圧接後を目視したところ、実施例では問題がなかったが、比較例1〜2は半導電性ローラ長手方向に対して圧接痕が残っていた。
【0062】
(実施例5)
表2に示すように、ポリエステル(商品名:ハイトレル3458L:東レデュポン社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリエステル/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのポリエステルモノフィラメント(商品名:テトロン:帝人社製)を分散させ、さらに抵抗制御剤としてカーボンブラック及び発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0063】
ここで、ポリエステル/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリエステルモノフィラメントは35質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0064】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した後、上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径80μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.2μm)。
【0065】
次いで、弾性体層表面をUV処理した上で、ポリエーテル系ポリウレタン(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)を用い、40%水溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製))をポリウレタン100質量部に対して40質量部を混合したものを、ロールコータによってコーティングし、120℃、20分で加熱硬化させ、厚さ20μmの表層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0066】
(実施例6)
表2に示すように、ポリアミドエラストマー(商品名:ダイアミド E40−S3:ダイセル・ヒュルス社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリアミドエラストマー/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのナイロン6モノフィラメント(商品名:アミラン:東レ社製)を分散させ、さらにカーボンブラック等の抵抗制御剤を配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0067】
ここで、ポリアミドエラストマー/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してナイロン6モノフィラメントは40質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0068】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径75μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.4μm)。
【0069】
次いで、共重合ポリアミド樹脂(共重合ナイロン:商品名:CM4000:東レ社製)を用い、メタノール20%溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)をポリアミド樹脂100質量部に対して40質量部を混合したものを、上で得られた弾性体層の表面にディップ法で塗布した。これを、風乾後80℃にして乾燥し、厚さ20μmの表層を形成して、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0070】
(実施例7)
表2に示すように、ポリプロピレン/EPDM系熱可塑性エラストマー(商品名:サントプレーン111−35:AES社製)に、酸変性オレフィン(商品名:ボンダインAX8390:住化アトケム社製)とカット長2mm、平均繊維径10μmのポリエステルモノフィラメント(商品名:テトロン:帝人社製)及びカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0071】
ここで、ポリプロピレン/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリエステルモノフィラメントは35質量部、酸変性オレフィンは5質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は20質量部、混合した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径100μm、付着率95%、加硫ゴムの平均粒子径1.0μm)。
【0072】
次いで、弾性体層表面をUV処理した上で、弾性体層の表面に、ポリエーテル系ポリウレタン(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)を用い、40%水溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト 3:東海カーボン社製)をポリウレタン100質量部に対して40質量部を混合したものを、ロールコータによってコーティングし、120℃、20分で加熱硬化させ、厚さ20μmの表層を形成して、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0073】
(実施例8)
表2に示すように、スチレン系エラストマー(商品名:セプトン 1001:クラレ社製)をマトリックスとしSBR(商品名:Nipol 1507:日本ゼオン社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー/SBR=40/60質量比)と、エポキシ変性熱可塑性エラストマー(商品名:エポフレンド A1010:ダイセル化学社製)とカット長2mm、平均繊維径10μmのポリウレタンモノフィラメント(商品名:エスパ:東洋紡製社製)とカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0074】
ここで、スチレン系エラストマー/SBR熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリウレタンモノフィラメントは40質量部、エポキシ変性熱可塑性エラストマーは5質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は25質量部、混合した。加硫ゴムの配合はSBR100質量部に対して、亜鉛華4質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.5質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PPW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径100μm、付着率95%、加硫ゴムの平均粒子径0.9μm)。
【0075】
次いで、弾性体層表面をUV処理した上で、弾性体層の表面に、ポリエーテル系ポリウレタン(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)を用い、40%水溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)をポリウレタン100質量部に対して40質量部を混合したものを、ロールコータによってコーティングし、120℃、20分で加熱硬化させ、厚さ20μmの表層を形成して、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0076】
(比較例3)
表2に示すように、ポリプロピレン/EPDM系熱可塑性エラストマー(商品名:サントプレーン111−35:AES社製)100質量部に対してカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)を25質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)を2質量部、配合し、半導電性のエラストマーに調整したものをチューブ状に成形した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径105μm、加硫ゴムの平均粒子径1.0μm)。
【0077】
次いで、弾性体層表面をUV処理した上で、ポリエーテル系ポリウレタン(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)を用い、40%水溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)をポリウレタン100質量部に対して40質量部を混合したものを、ロールコータによってコーティングし、120℃、20分で加熱硬化させ、厚さ20μmの表層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0078】
(比較例4)
表2に示すように、スチレン系エラストマー(商品名:セプトン 1001:クラレ社製)をマトリックスとしSBR(商品名:Nipol 1507:日本ゼオン社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー/SBR=40/60質量比)とカーボンブラックの抵抗制御剤をニーダで混練したものに、発泡剤をドライブレンドした後、押出機で内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に成形した。
【0079】
ここで、スチレン系エラストマー/SBR熱可塑性エラストマー100質量部に対して発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は2質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は30質量部、混合した。加硫ゴムの配合はSBR100質量部に対して、亜鉛華4質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.5質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成した(平均セル径110μm、加硫ゴムの平均粒子径0.9μm)。
【0080】
次いで、弾性体層表面をUV処理した上で、弾性体層の表面に、ポリエーテル系ポリウレタン(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)を用い、40%水溶液を作り、さらに抵抗調整のためにカーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)をポリウレタン100質量部に対して40質量部を混合したものを、ロールコータによってコーティングし、120℃、20分で加熱硬化させ、厚さ20μmの表層を形成して、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの複層の半導電性ローラを作製した。
【0081】
上記複層の半導電性ローラを図3に示す電子写真装置の現像装置に感光ドラムとのニップ幅が1mmとなるように装着し、3ヶ月の圧接放置試験を行った。放置後A4サイズ用紙を使用した黒画像形成試験を行い初期画像の評価を行った。本実施例において、現像装置2は非磁性一成分現像方式を用いた。現像容器3には、非磁性一成分トナーが収納されており、また現像剤担持体4に現像されずに残ったトナーをはぎ取り再び現像容器に戻す働きと共に、新しいトナーを現像剤担持体4に供給する発泡ポリウレタン製のスポンジローラ5を装着した。
【0082】
実施例5〜8のように短繊維が発泡弾性体層に分散しているものは、スジの発生もなく良好な画像が得られたのに対し、比較例3〜4は半導電性ローラ1回転ごとの周期に一致するスジが発生していた。また、これら半導電性ローラを感光ドラムから取り外し、圧接後を目視したところ、実施例には問題がなかったが、比較例3〜4に半導電性ローラ長手方向に対して圧接痕が残っていた。結果を表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2記載の原料の商品名および販売会社を下記に表す。なお、表2中の下記以外の原料に関しては、表1と同様の物質を使用した。
*13 ポリウレタン:(商品名:スーパーフレックス460:第一工業製薬社製)
*14 共重合ポリアミド:(商品名:CM4000:東レ社製)。
【0085】
(実施例9)
表3に示すように、ポリエステル(商品名:ハイトレル3458L:東レデュポン社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリエステル/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのポリエステルモノフィラメント(商品名:テトロン:帝人社製)を分散させ、さらに抵抗制御剤としてカーボンブラック及び発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0086】
ここで、ポリエステル/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してポリエステルモノフィラメントは35質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は10質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は40質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0087】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した後、上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径80μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.2μm)。
【0088】
(実施例10)
表3に示すように、ポリアミドエラストマー(商品名:ダイアミド E40−S3:ダイセル・ヒュルス社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリアミドエラストマー/EPDM=40/60質量比)に、カット長2mm、平均繊維径10μmのナイロン6モノフィラメント(商品名:アミラン:東レ社製)を分散させ、さらにカーボンブラック等の抵抗制御剤を配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0089】
ここで、ポリアミドエラストマー/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対してナイロン6モノフィラメントは40質量部、発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)は10質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は40質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0090】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径75μm、付着率60%、加硫ゴムの平均粒子径1.4μm)。
【0091】
(比較例5)
表3に示すように、ポリエステル(商品名:ハイトレル3458L:東レデュポン社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリエステル/EPDM=40/60質量比)に、抵抗制御剤としてカーボンブラック及び発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0092】
ここで、ポリエステル/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対して発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)10質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)45質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した後、上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径105μm、加硫ゴムの平均粒子径1.0μm)。
【0093】
(比較例6)
表3に示すように、ポリアミドエラストマー(商品名:ダイアミド E40−S3:ダイセル・ヒュルス社製)をマトリックスとしEPDM(商品名:エスプレンEPR 505:住友化学社製)加硫ゴムが分散した熱可塑性エラストマー(ポリアミドエラストマー/EPDM=40/60質量比)に、抵抗制御剤としてカーボンブラック及び発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合し、半導電性のゴムに調整したものをチューブ状に成形した。
【0094】
ここで、ポリアミドエラストマー/EPDM熱可塑性エラストマー100質量部に対して発泡剤アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC:永和化成社製)10質量部、カーボンブラック(商品名:シースト3:東海カーボン社製)は45質量部、混合した。加硫ゴムの配合はEPDM100質量部に対して、亜鉛華5質量部(商品名:Sazex:堺化学工業社製)、ステアリン酸1質量部(旭電化社製)、加硫促進剤(商品名:ノクセラーM、ノクセラーTRA:大内新興社製)をそれぞれ0.8質量部ずつ、硫黄1.2質量部(商品名:サルファックスPMC:鶴見化学社製)、プロセスオイル(商品名:PW−380:出光興産社製)、及びカーボンブラック20質量部(商品名:旭#35:旭カーボン社製)とした。
【0095】
押出機を用いてこれらの原料を内径7.5mm、肉厚4mmのチューブ状に形成した。上記チューブをφ8mmの芯金上に被覆し、表面を研磨して4mm厚の発泡弾性体層を形成し、体積固有抵抗1.0×106Ωcmの半導電性ローラを作製した(平均セル径110μm、加硫ゴムの平均粒子径0.9μm)。
【0096】
上記複層の半導電性ローラを図3に示す電子写真装置の注入帯電装置に感光ドラムとのニップ幅が1mmとなるように装着し、3ヶ月の圧接放置試験を行った。放置後A4サイズ用紙を使用したべた黒画像形成試験を行い初期画像の評価を行った。
【0097】
実施例9〜10のように短繊維が発泡弾性体層に分散しているものは、スジの発生もなく良好な画像が得られたのに対し、比較例5〜6は半導電性ローラ1回転ごとの周期に一致するスジが発生していた。また、これら半導電性ローラを感光ドラムから取り外し、圧接後を目視したところ、実施例には問題がなかったが、比較例5〜6に半導電性ローラ長手方向に対して圧接痕が残っていた。結果を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
表3中の物質に関しては、表1と同様の物質を使用した。
【0100】
【発明の効果】
本発明の半導電性ローラは、感光体への汚染が少なく長期圧接放置後の回復力を向上させることができる。特に、電子写真装置の帯電ローラ、現像ローラおよび転写ローラとして用いた場合、長期圧接放置後も画像不良を生じず、かつ長期使用においても高品質な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導電性ローラの構造を表す模式図である。
【図2】 発泡弾性体の構成を表す模式図である。
【図3】 電子写真装置の構造を表す模式図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像ローラ
5 トナー塗布ローラ
6 給紙カセット
7 給紙ローラ
8 搬送ローラ
9 レジストローラ
10 転写ローラ
10a 芯金
10b 発泡弾性体層
10c 表層
11 クリーニング装置
12 クリーニングローラ
13 除電ランプ
14 除電露光
15 搬送装置
16 定着装置
17 排紙ローラ
18 排紙トレイ
21 短繊維
22 熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー
23 加硫ゴム
24 発泡セル
25 セル壁
Claims (14)
- 芯金及び該芯金上に形成された弾性体層を有する半導電性ローラにおいて、
該弾性体層を構成する弾性体が、
熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー、並びに、
該熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー中に分散された短繊維及び少なくとも一部が加硫されたゴムを含有する組成物を発泡させて得られた発泡体であることを特徴とする半導電性ローラ。 - 前記発泡体は、前記熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを5質量%以上95質量%以下、前記少なくとも一部が加硫されたゴムを5質量%以上95質量%以下、前記短繊維を5質量%以上50質量%以下、含有する請求項1に記載の半導電性ローラ。
- 前記短繊維の平均繊維長が0.05mm以上5mm未満であり、前記短繊維の平均繊維径が0.1μm以上50μm未満である請求項1又は2に記載の半導電性ローラ。
- 前記短繊維の平均繊維長が前記発泡体中のセルの平均セル径よりも長い請求項1乃至3の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 前記短繊維が、ポリエステルモノフィラメント、ポリウレタンモノフィラメント及びポリアミドモノフィラメントからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1乃至4の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 前記弾性体層が酸変性オレフィンを含有する請求項1乃至5の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 前記弾性体層がエポキシ変性熱可塑性エラストマーを含有する請求項1乃至6の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 前記少なくとも一部が加硫されたゴムの平均径が0.1μm以上5μm未満である請求項1乃至7の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 前記弾性体層上に更に1層以上の層が形成されている請求項1乃至8の何れかに記載の半導電性ローラ。
- 電子写真感光体と、請求項1乃至9の何れかに記載の半導電性ローラとを有する電子写真装置。
- 前記半導電性ローラが、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を転写材に転写するための転写ローラである請求項10に記載の電子写真装置。
- 前記半導電性ローラが、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナー画像として現像するための現像装置に用いられる現像ローラである請求項10に記載の電子写真装置。
- 前記半導電性ローラが、前記電子写真感光体の表面を帯電するための帯電ローラである請求項10に記載の電子写真装置。
- 前記電子写真感光体と前記帯電ローラとがニップ部を形成しており、前記帯電ローラが前記電子写真感光体に対して速度差を持って移動するものであり、該ニップ部に帯電促進粒子が介在している請求項13に記載の電子写真装置。
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