JP5493511B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、複写やプリントの高速化に伴い、トナーなどの定着速度の高速化が望まれている。定着工程が高速の場合は、低速時に比べて、送紙速度、定着部材の性質等によって、定着ローラ表面の温度ムラが発生しやすくなり、結果として画質(特に定着強度、光沢性)が影響を受ける。このような高速時の画像不良を改善する方法として、より精密な温度制御が可能な定着装置によって対応する方法も考えられるが、定着装置の複雑化、大型化、耐久性低下やコストアップなどの問題が発生する。そのため、高速での複写やプリントにおいて良好な画質を得るため、定着時にオフセットが発生しない、より広い定着温度範囲を有するトナーが望まれている。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する方法としては、まず、乳化重合により得られる粒子径0.05μm〜0.5μm程度の重合体一次粒子を含む分散液を製造する。次に、分散液に顔料や荷電制御剤等を加えて重合体一次粒子を凝集させ、さらに得られた凝集粒子を融着させてトナー母粒子を得ることができる。この方法において、粒子径、粒子形状などトナー粒子の粒子特性はトナーの性質に大きな影響を与えることから、所望の特性を
有するトナーを製造するためには、トナー粒子の粒子特性とその構造を精密に制御する必要がある。
1.乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する乳化重合工程と、
前記重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る凝集工程と、
前記粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する熟成工程と、
前記トナー母粒子の分散液を冷却する冷却工程と、
前記トナー母粒子を洗浄する洗浄工程と、
前記トナー母粒子を乾燥する乾燥工程を備える静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、トナー母粒子の超音波処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
2.超音波処理を、冷却工程において行うことを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.粒子凝集体が少なくともワックス及び結着樹脂を含有するトナーの製造方法において、超音波処理の開始温度が、トナー中に含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度より高い温度であることを特徴とする前記2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
熟成工程以降において、トナーの凝集が発生すると、トナーの分布がブロードになり、
画像形成時にトナーの帯電が不均一になり、高い画質を得ることができない。
また、外添を行う場合、凝集したトナー同士が接地した部分に外添剤が集まってしまい、均一な外添を行うことができない場合がある。さらに、外添時または外添後に衝撃などで凝集したトナーが分離すると、トナー同士が接地していた部分には外添剤が付着しておらず、トナー全体の帯電が不均一になったり、カブリを引き起こしたり、固結性が悪化する場合がある。
<乳化重合工程> 乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する工程
<凝集工程> 重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る工程
<熟成工程> 粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する工程
<冷却工程> 熟成工程で得られたスラリーを冷却する工程
<洗浄工程> トナー母粒子を洗浄する工程
<乾燥工程> 洗浄したトナー母粒子を乾燥し、トナー粒子粉体を製造する工程
本発明は、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、超音波処理を行うことにより、トナー母粒子の凝集体を分離し、トナー母粒子を均一に分散することができる。
以下に、各工程で使用される材料およびその手順について説明する。
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。
本発明において、乳化重合工程で、反応容器内の「乳化剤を含有する水性媒体」に、結着樹脂単量体(以下単量体と表現することがある)類及び重合開始剤を添加して乳化状態で単量体を重合して、重合体一次粒子分散液を製造し、これを凝集工程に供する。より具体的には、乳化重合法において、少なくとも1種の単量体、或いは単量体の乳化液を、一括或いは連続的反応容器内の「乳化剤を含有する水性媒体」に供給して単量体の重合を行い、重合体一次粒子を製造する。
添加する単量体類は、単量体のままで添加しでもよいが、単量体を乳化液の状態で添加しでもよい。粒度分布狭い重合体一次粒子を得るため、単量体乳化液の状態で重合装置に添加する方が好ましい。単量体の乳化はバッチで一括乳化しでもよいが、連続で乳化し、重合装置に添加してもよい。
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。例えば、単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。なかでも、これらの単量体を併用することが好ましい。
本発明の結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましく、より好まし
くは45℃以上である。また、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは75℃以下である。
通常、酸性基を有する単量体の量が多いと水に対する分散安定性が良好であり、凝集工程における粒径制御性に優れているが、逆に酸性基を有する単量体の量が少なすぎると粒径制御が困難となる場合がある。
本発明において、単量体を水乳化液の形態で供給する場合は、その濃度は特に限定されないが、全水乳化液重量に対して、10重量%以上が好ましく、40重量%以下が好ましい。
乳本発明において、化重合を行う際に、必要に応じて、界面活性剤を使用してもよい。なお、自己乳化能力のある単量体(例えば、花王(株)のラテムル、旭電化工業(株)の
リアソープなど)を用いる場合には、界面活性剤は必須ではない。
本発明で使用される界面活性剤(乳化剤)は、特に制限されず、公知のカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は2種以上を併用してもよい。単量体連続乳化で使う界面活性剤の量は一定でもよいが、重合進行によって変動してもよい。
また、アニオン界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
更に、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイル蔗糖等が挙げられる。
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、重合開始剤を使用してもよい。本発明で使用される重合開始剤は、公知の重合開始剤(例えば、水溶性重合開始剤)を用いることができ、重合開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類等が用いられる。
また、これらの重合開始剤に、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸等の還元性有機化合物類、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物類等の還元剤を併用したレドックス系開始剤とすることもできる。中でも、開始剤としては過酸化水素、有機過酸化物類、アゾ系化合物類が好ましい。
なお、重合開始剤は直接バッチ式反応器に供給されてもよい。単量体および界面活性剤などと共に供給されて乳化液中に含有され、反応器に供給されてもよい。
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、公知の連鎖移動剤を使用することもできる。上記のように連鎖移動剤を使用することにより、重合体一次粒子を構成する樹脂の分子量や分子量分布などのより精密な制御が可能となり、所望のトナーを容易に製造することができる。
連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙げられる。
連鎖移動剤は単独でも2種類以上の併用でもよく、単量体100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。また、0.01質量部以上が好ましい。
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、架橋剤として作用する少なくとも2つの官能基を有する単量体(多官能性単量体)を使用することもできる。
多官能性単量体としては、特に制限されないが、通常、ラジカル重合性を有するものが用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループとして有する単量体、例えば、グリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。
また、重合体一次粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が15重量%〜80重量%となるように上記の多官能性単量体を含有することが好ましい。
本発明において、トナー中にワックスを含有させる場合、ワックスは後述する凝集工程で添加してもよいが、重合体一次粒子内にワックスを含むように乳化重合工程で添加してもよい。
乳化重合工程で使用する場合は、ワックス存在下で重合を行う方法が挙げられる。より具体的には、乳化剤の存在下で乳化させて得られたワックス微粒子を乳化重合工程で添加し、ワックス微粒子をシードとして単量体を乳化重合する方法や、単量体にワックスを溶解しておき、それを乳化重合する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、乳化剤の存在下でステアリルアクリレートのような長鎖重合性単量体と共にワックスを乳化したワックス微粒子を乳化重合工程で添加する方法が、特に好ましい。このような方法で乳化重合工程においてワックスを添加することにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、また多量に添加することが可能となる。それにより、得られるトナーの離型性、耐フィルミング性が良好となる場合がある。
上記の工程で得られた重合体一次粒子の体積中位径は、目的とするトナーの性質に応じて適宜最適な大きさが選択されるが、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。重合体一次粒子の体積中位径は、乳化剤や単量体、開始剤等の原料濃度や、重合条件等によって制御することができる。
凝集工程では、上記乳化重合工程で得られた重合体一次粒子と着色剤と、必要に応じて使用される帯電制御剤、ワックス、他の成分とを凝集させる工程である。凝集工程では、後述する熟成工程に先立って、ほぼトナー粒子の大きさまで凝集を行う。
凝集工程においては、重合体一次粒子、着色剤、必要に応じて添加される帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時にまたは逐次に混合することができる。また、組成の均一性および粒径の均一性の観点から、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液としてから凝集させることが好ましい。
まず、以下に凝集工程で使用される材料について詳述する。
本発明の着色剤は、無機顔料または有機顔料、有機染料のいずれでもよく、またはこれらの組み合わせでもよい。また、着色剤は有彩色でも無彩色でもよい。
具体的には、シアン系着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、イエロー系着色剤としてはC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、マゼンタ系着色剤としては、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド122が特に好ましく用いられる。
着色剤の使用量は特に制限されないが、重合体一次粒子100質量部に対して3質量部以上、20質量部以下となるように用いることが好ましい。
本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のために、帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知の任意のものを単独または併用して用いることができる。例えば、正帯電性帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤としては、金属キレート類、有機酸の金属塩、含金属染料、ニグロシン染料、アミド基含有化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物およびそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性若しくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
帯電制御剤の使用量はトナーに所望の帯電量により決定すればよいが、通常は重合体一次粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下である。
本発明に用いられるトナーには、定着性改良のためワックスを用いることができる。使用されるワックスとしては、上記の乳化重合工程で説明したワックスを使用することができる。
凝集処理の方法としては、攪拌槽内で、加熱する方法、電解質を加える方法、またはこれらを組み合わせる方法などがある。重合体一次粒子を攪拌下で凝集させる場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するまたは電解質を加えることによって凝集力を調整し、目的とする粒径とすることができる。
電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、また、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
本工程で得られる凝集体の体積中位径(Dv50)は特に限定されないが、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。
熟成工程は、上記凝集工程で得られた凝集体を加熱することにより、重合体一次粒子および着色剤、必要により添加されるワックス、帯電制御剤、他の成分などを互いに融着し、物理的に1つの粒子(トナー母粒子)とする工程である。
また、熟成工程に要する時間は、目的とする形状により異なるが、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1時間〜10時間、好ましくは1時間〜6時間保持することが望ましい。
界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、凝集液のpH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、粗大粒子が生じることを抑制できる場合がある。
超音波処理は、反応槽又は保管容器で行っても良く、反応槽又は保管容器に溶液の外部循環経路がある場合は、外部循環の間に行っても良く、反応槽又は保管容器から、別の反応槽又は保管容器に溶液を移送する経路の間に行ってもよい。
熟成工程で得られたトナー母粒子の分散液は、冷却工程によって、トナーに含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度以下まで冷却し、次の洗浄乾燥工程に移す。
本発明の超音波処理は、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階にあればよいが、ワックスが表面に露出しやすい温度領域を通過し、最も凝集体が発生すると考えられる冷却工程で用いることが最も効果的である。
上記の各工程を経ることにより得たトナー母粒子は、公知の方法に従って固液分離し、トナー母粒子を回収し、次いで、これを必要に応じて洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー母粒子を得ることができる。
本発明の超音処理は、トナーの洗浄工程で行ってもよく、固液分離後、ケーキ状になったトナー母粒子を、再度洗浄液に分散する際に超音波処理を行ってもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記工程で得られるトナー母粒子のままであってもよいが、流動性や現像性を制御する為に、トナー母粒子に公知の外添剤が添加されたものでもよい。
外添剤としては、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、アクリル系樹脂やメラミン樹脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合わせることが可能である。中でも、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、また、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好ましい。その平均粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上であり、また、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。また、上記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用することも好ましい。外添剤の添加量の総量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積中位径が好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。また、体積中位径5.04μm以下の微粉粒子の含有割合は、全トナー体積に対して、好ましくは0.1体積%以上であり、より好ましくは0.5体積%以上であり、特に好ましくは1体積%以上である。一方、上限としては、好ましくは10体積%以下、より好ましくは7体積%以下、特に好ましくは5体積%以下である。また、体積中位径12.7μm以上の粗粉粒子の含有割合は、全トナー体積に対して、好ましくは2体積%以下、より好ましくは1体積%以下、特に好ましくは0.5体積%以下である。体積中位径5.04μm以下のトナーおよび体積中位径12.7μm以上のトナー、特に体積中位径12.7μm以上の粗粉粒子は、本来は全く存在しないのが最も好ましいが、実際の製造上は困難であり、除去工程に設備も要することから、上記範囲に制御することが望ましい。体積中位
径や粒子含有割合が上記範囲を逸脱する場合は、高解像度の画像形成に適さないことがあり、上記範囲未満では粉体としての取り扱いが困難な傾向にある。
1ミクロン以上の径を有す粒子の体積中位径および個数中位径は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザーと略す
)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散さ
せて測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径とし、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径とした。
また、1μm未満の体積中位径を有する粒子の体積中位径は、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、得られた値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000個〜2500個
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000個〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
電気伝導度の測定は、導電率計(アズワン株式会社製のCyberScanCON100)を用いて行なった。
測定試料の0.1重量%THF溶液を調液し、4時間静置してから、クラボウ製GLクロマトディスク(サンプル前処理用フィルター)13Pを使って濾過した。THF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置 :東ソー社製GPC装置 HLC−8020、
カラム :ポリマーラボラトリー社製 PL−gel Mixed−B 10μ、
溶媒 :THF、
試料濃度:0.1重量%、
検量線 :標準ポリスチレンを用いて作製
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製の示差走査熱量計DSC6220を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。ガラス転移温度は、装置付属の解析ソフト(EXSTAR6000熱分析レオロジーシステム)を用い、DSC曲線のベースラインの延長線と吸熱カーブで最大傾斜を示す接線との交点から求めた。ガラス転移温度が樹脂以外の
他の成分、例えば、ワックス等の熱量変化のために明確に判断出来ない場合に、上記のガラス転移温度として理論ガラス転移温度を採用する代わりに、ワックス等の示差走査熱量計の測定の障害となる成分を除いて作成した樹脂について測定した。
セイコーインスツルメンツ社製、型式:SSC5200を用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で、10℃から110℃まで、10℃/分の速度で昇温させた際の吸熱曲線より、融点を測定した。
<ワックス分散液の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、融点75℃)30部、20%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)2.8部、脱塩水67.2部を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)を用いて10分間攪拌した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記したワックス分散液A1を36.3部、脱塩水259部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
スチレン 74.5部
アクリル酸ブチル 25.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
積平均径(Mv)は220nmであった。DSCを用いて測定した結着樹脂のガラス転移温
度は52℃であり、重量平均分子量(Mw)は、88,800であった。
キナクリドンマゼンタPR122の水分散液(EP1210 Red、大日精化製、固形分20%)、UPAで測定した平均粒径は150nmであった。
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液80部(固形分)を仕込み、内温20℃として、20%DBS水溶液0.1部(固形分)を加えて均一に混合した。さらに、第一硫酸鉄の5%水溶液(FeSO4・7H2Oとして0.53部)を5分かけて添加し、5分間攪拌を続けて均一に混合した。続けて、着色剤分散液8.0部(固形分)を5分かけて添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミ水溶液0.2部を(固形分)滴下した。この間、内温は20℃に保った。その後、30分かけて内温54℃に昇温し、更に50分かけて54℃で保持した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径を測定したところ、5.3μmであった。その後、重合体一次粒子分散液20部(固形分)を3分かけて添加してそのまま30分保持し、続いて20%DBS水溶液6部(固形分)と脱塩水22.4部をそれぞれ10分かけて添加してから、30分かけて95℃に昇温して40分保持した。マルチサイザーIIIを用いて測定した凝集粒子の体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
その後15分かけて90℃まで冷却して、超音波発振機UH−50(出力50W、周波
数20kHz)の発振部分をスラリーに入れて、発振レベル10に設定し、超音波を発振した。発振しながら、更に30分掛けて、30℃まで冷却して、超音波の発振を止めた。
その後、再度5種Cの濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過し、再度ろ紙上に残った固形物を攪拌機(プロペラ翼)を備え、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgの入った内容積10Lのステンレス容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。
ここで得られたケーキをステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子Aを得た。
マルチサイザーIIIを用いて測定したトナー母粒子の体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。またトナー母粒子中に含有されるワックスの融点は75℃、結着樹脂のガラス転移温度は52℃であった。
協立理工株式会社サンプルミルKR−3内に、トナー母粒子Aを100部投入し、続い
てシリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径0.015μmのシリカ微粒子1.5部を添加し、攪拌・混合して篩別することにより現像用トナーAを得た。
<トナー母粒子Bの製造>
冷却時、超音波発振機UH−50の代わりに、超音波装置WT−100−Mを含む外部循環装置より、トナー母粒子分散液を循環しながら冷却する以外は実施例1と同様の方法
でトナー母粒子B を得た。体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
超音波付外部循環装置はポンプ、配管、そして超音波装置WT−100−Mより構成し、配管の一部は超音波装置WT−100−Mの水槽に入れた状態でスラリーの外部循環を行った。
トナー母粒子Bを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーBを得た。
<現像用母粒子Cの製造>
トナー母粒子の処理を、トナー母粒子分散液を30℃まで冷却した冷却工程の後に30分間行った以外は実施例1と同様の方法でトナー母粒子Cを得た。体積中位粒径は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
トナー母粒子Cを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーCを得た。
<現像用母粒子Dの製造>
超音波処理を行わない以外は実施例1と同様の方法でトナー母粒子Dを得た。体積中位
粒径は7.0μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.92であった。
トナー母粒子Dを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーDを得た。
得られたトナーを、印刷速度100mm/s、非磁性一成分、保証枚数10000枚(5%印字時)で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、ベルト転写、熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンタを用いて、印字率5%で、10000枚の連続印字を行った。
かぶりの測定方法
画像形成装置を用いて、印字前及び印字後の、それぞれの標準紙(FCドリーム;紀州製紙社製)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
◎(良好) :△E<0.8
○(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
現像用トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、温度50℃、湿度40%の環境下に24時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
○(実用可) :200g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):凝集しており、200g以上の荷重をかけないと崩れない。
25℃湿度 40%の環境下において、虹彩絞(1〜33mmの口径可変)の絞りを1
mmΦにし、虹彩絞の上に載せたサンプル保持筒(内径25mm、高さ30mm)に現像用トナーサンプル3gを入れ、絞り口径1mmより、振動を与えない様に虹彩絞の目盛にそって絞り口を1mmずつ開いていく。サンプルが絞り口を通じて流出したサンプルが1gを越えた時の絞り開の口径を記録した。測定は3回行い、平均値をトナー流動性の数値とした。
○:8mm未満
×:8mm以上
Claims (2)
- 乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する乳化重合工程と、
前記重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る凝集工程と、
前記粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する熟成工程と、
前記トナー母粒子の分散液を冷却する冷却工程と、
前記トナー母粒子を洗浄する洗浄工程と、
前記トナー母粒子を乾燥する乾燥工程を備える静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記冷却工程において、トナー母粒子の超音波処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 粒子凝集体が少なくともワックス及び結着樹脂を含有するトナーの製造方法において、超音波処理の開始温度が、トナー中に含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度より高い温度であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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