JP5493511B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真複写機などの画像形成装置の用途は拡大しており、それに伴い使用されるトナーの各種性能への要求はより高いものになってきている。
例えば、複写やプリントの高速化に伴い、トナーなどの定着速度の高速化が望まれている。定着工程が高速の場合は、低速時に比べて、送紙速度、定着部材の性質等によって、定着ローラ表面の温度ムラが発生しやすくなり、結果として画質(特に定着強度、光沢性)が影響を受ける。このような高速時の画像不良を改善する方法として、より精密な温度制御が可能な定着装置によって対応する方法も考えられるが、定着装置の複雑化、大型化、耐久性低下やコストアップなどの問題が発生する。そのため、高速での複写やプリントにおいて良好な画質を得るため、定着時にオフセットが発生しない、より広い定着温度範囲を有するトナーが望まれている。
また、画像形成時に必要なエネルギーの削減の要求が高まり、大きなエネルギーを消費する定着工程の省電力化も求められている。このような省電力化への対応としては、トナーの定着温度をより低温化させる方法が提案されている。一般的に、トナーのガラス転移温度を下げることでトナーの低温定着を実現できるが、トナーの保存安定性との両立が困難となる。つまり、トナーの低温定着性と保存安定性との両立を図るためには、保存安定性を悪化させないガラス転移温度を保ちながら、高温領域においてトナーが十分大きい粘度低下を起こすことが望ましい。このような要望を満たすため、トナーを構成する樹脂の分子量分布を狭くする方法が提案されているが、このようなトナーは、定着時、高温領域でオフセットが発生しやすいという新たな問題が生じる。
このように、高画質化や省電力化など求められている各種要求性能を満足するトナーを製造するためには、トナーを構成する樹脂の分子量や分子量分布、トナー中における樹脂分布、トナー粒子の構造など様々なパラメーターを精密に制御することが必要である。そこで、そのような各種パラメーターを精密に制御でき、種々の樹脂設計が可能なトナーの製造方法の開発が要求されている。
従来、一般的に広く用いられてきた静電荷像現像用トナーの製造方法として、溶融混練粉砕法が挙げられる。この方法は、各種バインダー樹脂と着色剤と、必要に応じて帯電制御剤や磁性体などとを混合した後、押出機により溶融混練し、次いで粉砕・分級する方法である。しかし、この溶融混練粉砕法では、トナーの粒径制御に限界があり、実質的に10μm以下の平均粒径のトナーを歩留まり良く製造することは困難であった。そのため、電子写真に要求される高解像度化を達成するためには十分なものとはいえなかった。
一方、近年、溶融混練粉砕法に代わる製造法として、乳化重合凝集法や懸濁重合法等の湿式重合法によるトナーの製造法が提案されている。特に、乳化重合凝集法では、得られるトナーの粒径、粒度分布、さらには形状の制御を比較的容易に行うことができる。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する方法としては、まず、乳化重合により得られる粒子径0.05μm〜0.5μm程度の重合体一次粒子を含む分散液を製造する。次に、分散液に顔料や荷電制御剤等を加えて重合体一次粒子を凝集させ、さらに得られた凝集粒子を融着させてトナー母粒子を得ることができる。この方法において、粒子径、粒子形状などトナー粒子の粒子特性はトナーの性質に大きな影響を与えることから、所望の特性を
有するトナーを製造するためには、トナー粒子の粒子特性とその構造を精密に制御する必要がある。
低温定着を実現するため、トナー中に低融点ワックス或いは結晶性樹脂を混合する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、凝集を行う際に、トナー表面に低融点成分が染み出すことがあり、冷却時にトナー同士が融着することによって、2量体などのトナー凝集体が発生し、得られるトナーの品質が安定せず問題となっていた。
トナー凝集体の発生を防止するため、トナー表面にワックス等が染み出さないカプセル構造が提案されている(特許文献2)。しかし、低温定着性を実現するためには、ワックスをトナー表面或いは表面の近傍に分布させることが必要であり、凝集体の発生防止と低温定着性の両立については十分な検討がなされていなかった。
特開2004−251932号公報 特開平11−231570号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、トナー同士の凝集が発生せず、トナー粒子の分布がシャープであり、高画質化および高速化に適した定着性などの特性を有するトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、乳化重合凝集法の凝集熟成工程後の工程に着目し、鋭意検討を行った結果、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、トナー母粒子の超音波処理を行うことにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
1.乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する乳化重合工程と、
前記重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る凝集工程と、
前記粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する熟成工程と、
前記トナー母粒子の分散液を冷却する冷却工程と、
前記トナー母粒子を洗浄する洗浄工程と、
前記トナー母粒子を乾燥する乾燥工程を備える静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、トナー母粒子の超音波処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
2.超音波処理を、冷却工程において行うことを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.粒子凝集体が少なくともワックス及び結着樹脂を含有するトナーの製造方法において、超音波処理の開始温度が、トナー中に含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度より高い温度であることを特徴とする前記2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、トナーの凝集が発生せず、トナー粒子の分布がシャープであり、低温定着で高画質化および高速化に適したトナーの製造方法を提供することを目的とする。
熟成工程以降において、トナーの凝集が発生すると、トナーの分布がブロードになり、
画像形成時にトナーの帯電が不均一になり、高い画質を得ることができない。
また、外添を行う場合、凝集したトナー同士が接地した部分に外添剤が集まってしまい、均一な外添を行うことができない場合がある。さらに、外添時または外添後に衝撃などで凝集したトナーが分離すると、トナー同士が接地していた部分には外添剤が付着しておらず、トナー全体の帯電が不均一になったり、カブリを引き起こしたり、固結性が悪化する場合がある。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、主に以下の6つの工程を備え、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、トナー母粒子の超音波処理を行う含有することを特徴とする。
<乳化重合工程> 乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する工程
<凝集工程> 重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る工程
<熟成工程> 粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する工程
<冷却工程> 熟成工程で得られたスラリーを冷却する工程
<洗浄工程> トナー母粒子を洗浄する工程
<乾燥工程> 洗浄したトナー母粒子を乾燥し、トナー粒子粉体を製造する工程
本発明は、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階で、超音波処理を行うことにより、トナー母粒子の凝集体を分離し、トナー母粒子を均一に分散することができる。
以下に、各工程で使用される材料およびその手順について説明する。
<乳化重合工程>
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。
本発明において、乳化重合工程で、反応容器内の「乳化剤を含有する水性媒体」に、結着樹脂単量体(以下単量体と表現することがある)類及び重合開始剤を添加して乳化状態で単量体を重合して、重合体一次粒子分散液を製造し、これを凝集工程に供する。より具体的には、乳化重合法において、少なくとも1種の単量体、或いは単量体の乳化液を、一括或いは連続的反応容器内の「乳化剤を含有する水性媒体」に供給して単量体の重合を行い、重合体一次粒子を製造する。
添加する単量体類は、単量体のままで添加しでもよいが、単量体を乳化液の状態で添加しでもよい。粒度分布狭い重合体一次粒子を得るため、単量体乳化液の状態で重合装置に添加する方が好ましい。単量体の乳化はバッチで一括乳化しでもよいが、連続で乳化し、重合装置に添加してもよい。
重合の条件は、使用する単量体などに合わせて適宜最適な条件が選択されるが、重合温度は好ましくは50℃以上で、より好ましくは70℃以上であり、また好ましくは100℃以下で、より好ましくは95℃以下である。
以下に、乳化重合工程で使用される結着樹脂、界面活性剤、その他の成分(重合開始剤、連鎖移動剤、架橋剤、ワックス)について説明する。
<結着樹脂>
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。例えば、単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。なかでも、これらの単量体を併用することが好ましい。
本発明の結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましく、より好まし
くは45℃以上である。また、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは75℃以下である。
酸性基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する単量体等が挙げられ、中でもカルボキシル基を有する単量体が好ましく、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
塩基性基を有する単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性基を有する単量体および塩基性基を有する単量体は、それぞれ対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
乳化重合に供する単量体全量に対する酸性基を有する単量体と塩基性基を有する単量体との合計量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、また、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下で含有することが望ましい。酸性基を有する単量体と塩基性基を有する単量体との合計量を上記範囲とすることにより、粒径制御が容易となるため好ましい。更に、重合体一次粒子を構成する全単量体中における酸性基を有する単量体の含有量は、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下で含有することが望ましい。酸性基を有する単量体の含有量を上記範囲とすることにより、粒径制御が容易となるため好ましい。
通常、酸性基を有する単量体の量が多いと水に対する分散安定性が良好であり、凝集工程における粒径制御性に優れているが、逆に酸性基を有する単量体の量が少なすぎると粒径制御が困難となる場合がある。
また、その他の単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等のアクリル酸アミド類等を挙げることができる。この中では特にスチレン、ブチルアクリレート等が好ましい。
乳化重合工程で使用される単量体としては、スチレンを用いることが好ましい。さらに、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルから選ばれる少なくともいずれかを共重合成分として用いることが、性能面でバランスのとれたトナーを得る上で好ましい。
<水>
本発明において、単量体を水乳化液の形態で供給する場合は、その濃度は特に限定されないが、全水乳化液重量に対して、10重量%以上が好ましく、40重量%以下が好ましい。
<界面活性剤>
乳本発明において、化重合を行う際に、必要に応じて、界面活性剤を使用してもよい。なお、自己乳化能力のある単量体(例えば、花王(株)のラテムル、旭電化工業(株)の
リアソープなど)を用いる場合には、界面活性剤は必須ではない。
本発明で使用される界面活性剤(乳化剤)は、特に制限されず、公知のカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は2種以上を併用してもよい。単量体連続乳化で使う界面活性剤の量は一定でもよいが、重合進行によって変動してもよい。
乳化重合工程で界面活性剤(乳化剤)として用いられるカチオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
また、アニオン界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
更に、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイル蔗糖等が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、目的とするトナーの性質などに応じて適宜最適な量が選択されるが、なかでも単量体100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。上記範囲内であれば、重合体一次粒子の安定性に優れ、凝集させる場合においても、凝集しやすいため好ましい。使用量が上記範囲より多いと、ラテックスとしては安定するが、凝集しにくくなるため好ましくない。また、使用量が上記範囲より少ないと、重合体一次粒子の安定性に問題が生じ、凝集力が強くなりすぎて、粗粉が発生することがあり好ましくない。
<重合開始剤>
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、重合開始剤を使用してもよい。本発明で使用される重合開始剤は、公知の重合開始剤(例えば、水溶性重合開始剤)を用いることができ、重合開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類等が用いられる。
また、これらの重合開始剤に、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸等の還元性有機化合物類、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物類等の還元剤を併用したレドックス系開始剤とすることもできる。中でも、開始剤としては過酸化水素、有機過酸化物類、アゾ系化合物類が好ましい。
重合開始剤の使用量は、目的とするトナーの性質などに応じて適宜最適な量が選択される。
なお、重合開始剤は直接バッチ式反応器に供給されてもよい。単量体および界面活性剤などと共に供給されて乳化液中に含有され、反応器に供給されてもよい。
<連鎖移動剤>
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、公知の連鎖移動剤を使用することもできる。上記のように連鎖移動剤を使用することにより、重合体一次粒子を構成する樹脂の分子量や分子量分布などのより精密な制御が可能となり、所望のトナーを容易に製造することができる。
連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙げられる。
連鎖移動剤は単独でも2種類以上の併用でもよく、単量体100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。また、0.01質量部以上が好ましい。
<架橋剤>
本発明において、乳化重合を行う際に、必要に応じて、架橋剤として作用する少なくとも2つの官能基を有する単量体(多官能性単量体)を使用することもできる。
多官能性単量体としては、特に制限されないが、通常、ラジカル重合性を有するものが用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループとして有する単量体、例えば、グリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。
多官能性単量体を用いる場合の含有量は、重合体一次粒子を構成する全単量体中に好ましくは0.005重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.05重量%以上であり、また、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
また、重合体一次粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が15重量%〜80重量%となるように上記の多官能性単量体を含有することが好ましい。
<ワックス>
本発明において、トナー中にワックスを含有させる場合、ワックスは後述する凝集工程で添加してもよいが、重合体一次粒子内にワックスを含むように乳化重合工程で添加してもよい。
乳化重合工程で使用する場合は、ワックス存在下で重合を行う方法が挙げられる。より具体的には、乳化剤の存在下で乳化させて得られたワックス微粒子を乳化重合工程で添加し、ワックス微粒子をシードとして単量体を乳化重合する方法や、単量体にワックスを溶解しておき、それを乳化重合する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、乳化剤の存在下でステアリルアクリレートのような長鎖重合性単量体と共にワックスを乳化したワックス微粒子を乳化重合工程で添加する方法が、特に好ましい。このような方法で乳化重合工程においてワックスを添加することにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、また多量に添加することが可能となる。それにより、得られるトナーの離型性、耐フィルミング性が良好となる場合がある。
上記のワックス微粒子の平均粒径は、シードとして用いる場合も、共凝集用として用いる場合も特に制限されないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μ以上であり、また、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、特に好ましくは1.5μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、ホリバ社製LA−500を用いて測定することができる。平均粒径が3μmよりも大きい場合には、凝集時の粒径制御が困難となる場合がある。また、平均粒径が0.01μmよりも小さい場合には、分散液を作製するのが困難となる場合がある。
本発明におけるワックスとしては、公知のワックス類を使用することができる。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン系ワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸とから得られる多価アルコールカルボン酸エステル、または部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が挙げられる。
本発明のワックスの融点は、トナーの定着性をより改善するために30℃以上が好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。また、100℃以下が好ましく、90℃以下が更に好ましい。融点が低すぎると定着後にワックスが表面に露出し、べたつきを生じやすく、融点が高すぎると低温での定着性が劣る場合がある。
本発明において、ワックスは1種類で用いてもよいし、数種類を用いてもよい。トナー中のワックスの使用量は、特に制限されないが、トナー全重量に対して、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上、最も好ましくは7重量%以上であり、また、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。
<重合体一次粒子>
上記の工程で得られた重合体一次粒子の体積中位径は、目的とするトナーの性質に応じて適宜最適な大きさが選択されるが、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。重合体一次粒子の体積中位径は、乳化剤や単量体、開始剤等の原料濃度や、重合条件等によって制御することができる。
体積中位径は、実施例記載の方法で測定することができる。重合体一次粒子の体積中位径が上記範囲より小さい場合は、凝集速度の制御が困難となることがある。また、上記範囲より大きい場合は、凝集して得られるトナー母粒子の粒径が大きくなり過ぎるため、トナーとして高解像度を要求される用途には不適当なことがある。
<凝集工程>
凝集工程では、上記乳化重合工程で得られた重合体一次粒子と着色剤と、必要に応じて使用される帯電制御剤、ワックス、他の成分とを凝集させる工程である。凝集工程では、後述する熟成工程に先立って、ほぼトナー粒子の大きさまで凝集を行う。
凝集工程においては、重合体一次粒子、着色剤、必要に応じて添加される帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時にまたは逐次に混合することができる。また、組成の均一性および粒径の均一性の観点から、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液としてから凝集させることが好ましい。
まず、以下に凝集工程で使用される材料について詳述する。
<着色剤>
本発明の着色剤は、無機顔料または有機顔料、有機染料のいずれでもよく、またはこれらの組み合わせでもよい。また、着色剤は有彩色でも無彩色でもよい。
着色剤の具体例としては、無彩色着色剤として、カーボンブラックが挙げられる。また、有彩色着色剤として、シアン系着色剤、イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤などが挙げられる。具体的には、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料等、公知の任意の染顔料を単独または混合して用いることができる。
フルカラートナーの場合、イエロー系着色剤としてはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料が挙げられ、マゼンタ系着色剤としてはキナクリドン、モノアゾ系染顔料が挙げられ、シアン系着色剤としてはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。
具体的には、シアン系着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、イエロー系着色剤としてはC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、マゼンタ系着色剤としては、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド122が特に好ましく用いられる。
着色剤は、乳化剤の存在下で水中にサンドミル、ビーズミルなどの機械的手段により乳化させた状態で用いることが好ましく、より具体的には、実質的に水に不溶である有機顔料を界面活性剤の存在下で水中に微細に分散したものが好ましい。この際、着色剤分散液は、水100質量部に対して、着色剤10〜30質量部、乳化剤を1〜15質量部加えるのがよい。なお、分散剤中の着色剤の体積中位径は、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.05μm以上であり、また、3μm以下が好ましく、より好ましくは1μmである。
着色剤の使用量は特に制限されないが、重合体一次粒子100質量部に対して3質量部以上、20質量部以下となるように用いることが好ましい。
<帯電制御剤>
本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のために、帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知の任意のものを単独または併用して用いることができる。例えば、正帯電性帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤としては、金属キレート類、有機酸の金属塩、含金属染料、ニグロシン染料、アミド基含有化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物およびそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性若しくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
また、本発明の製造方法で得られる静電荷像現像用トナーをカラートナーまたはフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、トナーへの色調障害がない無色または淡色の帯電制御剤を用いることが好ましい。例えば、正帯電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸若しくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
本発明において、乳化重合凝集法でトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、界面活性剤を用いて帯電制御剤を水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
帯電制御剤の使用量はトナーに所望の帯電量により決定すればよいが、通常は重合体一次粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下である。
<ワックス>
本発明に用いられるトナーには、定着性改良のためワックスを用いることができる。使用されるワックスとしては、上記の乳化重合工程で説明したワックスを使用することができる。
<凝集方法>
凝集処理の方法としては、攪拌槽内で、加熱する方法、電解質を加える方法、またはこれらを組み合わせる方法などがある。重合体一次粒子を攪拌下で凝集させる場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するまたは電解質を加えることによって凝集力を調整し、目的とする粒径とすることができる。
電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩の何れでもよい。具体的には、NaCl、KCl、LiCl、NaSO、KSO、LiSO、CHCOONa、CSONa等の1価の金属カチオンを有する無機塩;MgCl、CaCl、MgSO、CaSO、ZnSO等の2価の金属カチオンを有する無機塩;Al(SO、Fe(SO等の3価の金属カチオンを有する無機塩等が挙げられる。電解質を使用することによって、凝集粒子の平均粒径および粒径分布の制御が容易となり、得られるトナーの帯電量分布がシャープになり、カブリのない画像を得ることができる。
電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.05質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常25質量部以下であり、好ましくは15質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下である。添加量が上記範囲より少ない場合は、凝集の進行が遅くなり凝集処理後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の問題を生じる場合がある。また、添加量が上記範囲よりも多い場合は、凝集が急速に進行しやすく粒径の制御が困難となり、得られた粒子凝集体中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、また、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
電解質を用いずに加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度を「Tg」とすると、好ましくは(Tg−20℃)以上、より好ましくは(Tg−10℃)以上であり、また、好ましくはTg以下、より好ましくは(Tg−5℃)以下である。温度が上記範囲未満である場合は、目標粒径に達しないことがあり、上記範囲超過である場合は、目標粒径より大きくなることがある。
凝集に要する時間は、装置形状や処理スケールにより最適化されるが、目的とする体積中位径(Dv50)に到達するためには、上述の所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温してもよいし、段階的に昇温することもできる。
本工程で得られる凝集体の体積中位径(Dv50)は特に限定されないが、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。
<熟成工程>
熟成工程は、上記凝集工程で得られた凝集体を加熱することにより、重合体一次粒子および着色剤、必要により添加されるワックス、帯電制御剤、他の成分などを互いに融着し、物理的に1つの粒子(トナー母粒子)とする工程である。
熟成工程の温度は、好ましくは粒子凝集体を構成する重合体一次粒子のガラス転移温度(Tg)以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。
また、熟成工程に要する時間は、目的とする形状により異なるが、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1時間〜10時間、好ましくは1時間〜6時間保持することが望ましい。
熟成工程での加熱処理により、粒子凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、粒子凝集体は球形に近い形状となる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子を主構成成分とした静電的または物理的凝集による集合体であると考えられる。熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、球状に近い形状のトナー母粒子を得ることが可能となる。このような熟成工程によれば、熟成工程の温度および時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状(円形度)のトナー母粒子を製造することができる。
乳化重合凝集法においては、上記凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前または熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、凝集液のpH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、上述の重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる界面活性剤から1種以上を選択して用いることができる。特に、重合体一次粒子を製造した際に用いた界面活性剤と同じものを用いることが好ましい。
界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、凝集液のpH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、粗大粒子が生じることを抑制できる場合がある。
本発明においてトナー母粒子の超音波処理は、上記熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階にあることが必須である。熟成工程において、粒子凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化のために加熱処理がなされるが、その後、トナー母粒子の分散液の温度は、トナーの構成成分である結着樹脂のガラス転移温度又は、トナー中に結晶性物質が含まれる場合はその融点(Tm)より高い温度領域から、より低い温度領域まで変化する。この結着樹脂のガラス転移温度(又はTm)を含む温度領域で、樹脂の流動性の変化によって、トナー表面近傍に分布していたワックスがトナー表面に露出し、トナー表面にワックスが露出しているトナー同士が凝集してしまうことがある。本発明では、熟成工程終了後に超音波処理を行うことによって、凝集したトナー母粒子の分離、分散を行う。
トナー母粒子の超音波処理は、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階にあればよいが、特にトナーに含まれる結着樹脂のガラス転移温度及びトナー中含まれるワックス或いは結晶性物質の融点より高い温度から超音波分散を開始することが、より効果的にトナー母粒子凝集体の発生を防止できる。
本発明の超音波処理に用いられる超音波発振の装置は特に限定されず、製造の規模に合わせ適宜選択される。
超音波処理は、反応槽又は保管容器で行っても良く、反応槽又は保管容器に溶液の外部循環経路がある場合は、外部循環の間に行っても良く、反応槽又は保管容器から、別の反応槽又は保管容器に溶液を移送する経路の間に行ってもよい。
<冷却工程>
熟成工程で得られたトナー母粒子の分散液は、冷却工程によって、トナーに含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度以下まで冷却し、次の洗浄乾燥工程に移す。
本発明の超音波処理は、熟成工程終了後から乾燥工程前の何れかの段階にあればよいが、ワックスが表面に露出しやすい温度領域を通過し、最も凝集体が発生すると考えられる冷却工程で用いることが最も効果的である。
<洗浄・乾燥工程>
上記の各工程を経ることにより得たトナー母粒子は、公知の方法に従って固液分離し、トナー母粒子を回収し、次いで、これを必要に応じて洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー母粒子を得ることができる。
本発明の超音処理は、トナーの洗浄工程で行ってもよく、固液分離後、ケーキ状になったトナー母粒子を、再度洗浄液に分散する際に超音波処理を行ってもよい。
<外添工程>
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記工程で得られるトナー母粒子のままであってもよいが、流動性や現像性を制御する為に、トナー母粒子に公知の外添剤が添加されたものでもよい。
外添剤としては、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、アクリル系樹脂やメラミン樹脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合わせることが可能である。中でも、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、また、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好ましい。その平均粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上であり、また、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。また、上記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用することも好ましい。外添剤の添加量の総量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部である。
トナー母粒子の表面に、外添剤を添加する方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)等の高速流動式混合機において、羽根形状、回転数、時間、駆動−停止の回数等を適宜設定して均一に攪拌、混合することによりなされる。また、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置によって固着することもできる。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積中位径が好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。また、体積中位径5.04μm以下の微粉粒子の含有割合は、全トナー体積に対して、好ましくは0.1体積%以上であり、より好ましくは0.5体積%以上であり、特に好ましくは1体積%以上である。一方、上限としては、好ましくは10体積%以下、より好ましくは7体積%以下、特に好ましくは5体積%以下である。また、体積中位径12.7μm以上の粗粉粒子の含有割合は、全トナー体積に対して、好ましくは2体積%以下、より好ましくは1体積%以下、特に好ましくは0.5体積%以下である。体積中位径5.04μm以下のトナーおよび体積中位径12.7μm以上のトナー、特に体積中位径12.7μm以上の粗粉粒子は、本来は全く存在しないのが最も好ましいが、実際の製造上は困難であり、除去工程に設備も要することから、上記範囲に制御することが望ましい。体積中位
径や粒子含有割合が上記範囲を逸脱する場合は、高解像度の画像形成に適さないことがあり、上記範囲未満では粉体としての取り扱いが困難な傾向にある。
更に、体積中位径(Dv50)を個数中位径(Dn50)で除した値(Dv50/Dn50)は、好ましくは1.25以下、より好ましくは1.20以下、特に好ましくは1.15以下であり、下限としては1.0が好ましい。静電荷像現像用トナーの粒度分布がシャープなものの方が粒子間の帯電性が均一になる傾向にあるので、高画質および高速化を達成するための静電荷像現像用トナーの(Dv50/Dn50)は上記範囲であることが好ましい。体積中位径(Dv50)、数中位径(Dn50)は、実施例記載の方法で測定し定義される。
また、得られる静電荷像現像用トナーの形状は出来るだけ球形に近いものが好ましく、平均円形度は、0.90以上が好ましく、0.92以上がより好ましく、0.95以上が特に好ましい。球形に近いほど粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあるが、完全な球状トナーを作ることは製造上困難であるので、平均円形度は、好ましくは0.995以下、より好ましくは0.990以下である。平均円形度は、実施例記載の方法で測定し、そのように測定して得た値として定義される。
本発明の静電荷像現像用トナーの帯電性は、正帯電性であっても負帯電性であってもよいが、負帯電性トナーとして用いることが好ましい。トナーの帯電性の制御は、帯電制御剤の選択および含有量、外添剤の選択および添加量等によって調整することができる。また、本発明の静電荷像現像用トナーは、黒色トナー用、カラートナー用、フルカラートナー用の何れにも好適に用いることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーを磁力により静電潜像部に搬送するためのキャリアを共存させた磁性二成分現像剤用、または、磁性粉をトナー中に含有させた磁性一成分現像剤用、または、現像剤に磁性粉を用いない非磁性一成分現像剤用の何れに用いてもよいが、本発明の効果を顕著に発現するためには、特に非磁性一成分現像方式用の現像剤として用いるのが好ましい。
上記の磁性二成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質、または、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いることができる。キャリアの被覆樹脂としては、一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるが、これらに限定されるものではない。キャリアの平均粒径は、特に制限はないが10μm〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1質量部に対して5質量部〜100質量部使用する事が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「質量部」を意味する。また、実写試験は以下の方法により行った。
各粒子径、平均円形度、電気伝導度、熱特性等は次のように測定した。
<体積中位径及び個数中位径測定>
1ミクロン以上の径を有す粒子の体積中位径および個数中位径は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザーと略す
)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散さ
せて測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径とし、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径とした。
<1μ未満の体積中位径の測定方法>
また、1μm未満の体積中位径を有する粒子の体積中位径は、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
<平均円形度の測定方法と定義>
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、得られた値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000個〜2500個
以下の「円形度」は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであり、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000個〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<電気伝導度の測定方法>
電気伝導度の測定は、導電率計(アズワン株式会社製のCyberScanCON100)を用いて行なった。
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
測定試料の0.1重量%THF溶液を調液し、4時間静置してから、クラボウ製GLクロマトディスク(サンプル前処理用フィルター)13Pを使って濾過した。THF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置 :東ソー社製GPC装置 HLC−8020、
カラム :ポリマーラボラトリー社製 PL−gel Mixed−B 10μ、
溶媒 :THF、
試料濃度:0.1重量%、
検量線 :標準ポリスチレンを用いて作製
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製の示差走査熱量計DSC6220を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。ガラス転移温度は、装置付属の解析ソフト(EXSTAR6000熱分析レオロジーシステム)を用い、DSC曲線のベースラインの延長線と吸熱カーブで最大傾斜を示す接線との交点から求めた。ガラス転移温度が樹脂以外の
他の成分、例えば、ワックス等の熱量変化のために明確に判断出来ない場合に、上記のガラス転移温度として理論ガラス転移温度を採用する代わりに、ワックス等の示差走査熱量計の測定の障害となる成分を除いて作成した樹脂について測定した。
<融点の測定方法>
セイコーインスツルメンツ社製、型式:SSC5200を用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で、10℃から110℃まで、10℃/分の速度で昇温させた際の吸熱曲線より、融点を測定した。
<実施例1>
<ワックス分散液の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、融点75℃)30部、20%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)2.8部、脱塩水67.2部を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)を用いて10分間攪拌した。
次いで、この分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定しながら体積平均径(Mv)が250nmになるまで分散してワックス分散液を作製した。
<重合体一次粒子分散液の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記したワックス分散液A1を36.3部、脱塩水259部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を4時間かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を滴下開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液1を重合開始30分後から3.5時間かけて添加し、さらに下記の開始剤水溶液2を2時間かけて添加した。その後攪拌下で内温90℃のまま1時間保持した。
[単量体類]
スチレン 74.5部
アクリル酸ブチル 25.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液1]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液2]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後、冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液を得た。重合体一次粒子の体
積平均径(Mv)は220nmであった。DSCを用いて測定した結着樹脂のガラス転移温
度は52℃であり、重量平均分子量(Mw)は、88,800であった。
<着色剤分散液の調整>
キナクリドンマゼンタPR122の水分散液(EP1210 Red、大日精化製、固形分20%)、UPAで測定した平均粒径は150nmであった。
<トナー母粒子Aの製造>
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液80部(固形分)を仕込み、内温20℃として、20%DBS水溶液0.1部(固形分)を加えて均一に混合した。さらに、第一硫酸鉄の5%水溶液(FeSO4・7H2Oとして0.53部)を5分かけて添加し、5分間攪拌を続けて均一に混合した。続けて、着色剤分散液8.0部(固形分)を5分かけて添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミ水溶液0.2部を(固形分)滴下した。この間、内温は20℃に保った。その後、30分かけて内温54℃に昇温し、更に50分かけて54℃で保持した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径を測定したところ、5.3μmであった。その後、重合体一次粒子分散液20部(固形分)を3分かけて添加してそのまま30分保持し、続いて20%DBS水溶液6部(固形分)と脱塩水22.4部をそれぞれ10分かけて添加してから、30分かけて95℃に昇温して40分保持した。マルチサイザーIIIを用いて測定した凝集粒子の体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
その後15分かけて90℃まで冷却して、超音波発振機UH−50(出力50W、周波
数20kHz)の発振部分をスラリーに入れて、発振レベル10に設定し、超音波を発振した。発振しながら、更に30分掛けて、30℃まで冷却して、超音波の発振を止めた。
得られたスラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No.5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。濾紙上に残ったケーキを攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgを加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
その後、再度5種Cの濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過し、再度ろ紙上に残った固形物を攪拌機(プロペラ翼)を備え、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgの入った内容積10Lのステンレス容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。
ここで得られたケーキをステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子Aを得た。
マルチサイザーIIIを用いて測定したトナー母粒子の体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。またトナー母粒子中に含有されるワックスの融点は75℃、結着樹脂のガラス転移温度は52℃であった。
<現像用トナーA1の製造>
協立理工株式会社サンプルミルKR−3内に、トナー母粒子Aを100部投入し、続い
てシリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径0.015μmのシリカ微粒子1.5部を添加し、攪拌・混合して篩別することにより現像用トナーAを得た。
<実施例2>
<トナー母粒子Bの製造>
冷却時、超音波発振機UH−50の代わりに、超音波装置WT−100−Mを含む外部循環装置より、トナー母粒子分散液を循環しながら冷却する以外は実施例1と同様の方法
でトナー母粒子B を得た。体積中位粒径は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
超音波付外部循環装置はポンプ、配管、そして超音波装置WT−100−Mより構成し、配管の一部は超音波装置WT−100−Mの水槽に入れた状態でスラリーの外部循環を行った。
<現像用トナーBの製造>
トナー母粒子Bを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーBを得た。
<実施例3>
<現像用母粒子Cの製造>
トナー母粒子の処理を、トナー母粒子分散液を30℃まで冷却した冷却工程の後に30分間行った以外は実施例1と同様の方法でトナー母粒子Cを得た。体積中位粒径は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.97であった。
<現像用トナーCの製造>
トナー母粒子Cを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーCを得た。
<比較例1>
<現像用母粒子Dの製造>
超音波処理を行わない以外は実施例1と同様の方法でトナー母粒子Dを得た。体積中位
粒径は7.0μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.92であった。
<現像用トナーD4の製造>
トナー母粒子Dを用いた以外は実施例1と同様の方法で現像トナーDを得た。
上記現像用トナーA〜Dを用い、下記の通り、かぶり、耐ブロッキング性、流動性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<画質評価>
得られたトナーを、印刷速度100mm/s、非磁性一成分、保証枚数10000枚(5%印字時)で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、ベルト転写、熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンタを用いて、印字率5%で、10000枚の連続印字を行った。
かぶりの測定方法
画像形成装置を用いて、印字前及び印字後の、それぞれの標準紙(FCドリーム;紀州製紙社製)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
◎(良好) :△E<0.8
○(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
<耐ブロッキング性>
現像用トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、温度50℃、湿度40%の環境下に24時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
○(実用可) :200g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):凝集しており、200g以上の荷重をかけないと崩れない。
<流動性>
25℃湿度 40%の環境下において、虹彩絞(1〜33mmの口径可変)の絞りを1
mmΦにし、虹彩絞の上に載せたサンプル保持筒(内径25mm、高さ30mm)に現像用トナーサンプル3gを入れ、絞り口径1mmより、振動を与えない様に虹彩絞の目盛にそって絞り口を1mmずつ開いていく。サンプルが絞り口を通じて流出したサンプルが1gを越えた時の絞り開の口径を記録した。測定は3回行い、平均値をトナー流動性の数値とした。
○:8mm未満
×:8mm以上
表1の評価結果より、トナー母粒子を超音波により溶液に分散させる工程により、トナー母粒子の凝集体の発生を防止、或いは凝集した場合でも再分散ができ、粒度分布が均一のトナー母粒子を得ることができ、高画質の画質を得られることができた。
Figure 0005493511

Claims (2)

  1. 乳化重合法により重合体一次粒子を含有する分散液を製造する乳化重合工程と、
    前記重合体一次粒子および着色剤を凝集させて粒子凝集体を得る凝集工程と、
    前記粒子凝集体を融着させてトナー母粒子を製造する熟成工程と、
    前記トナー母粒子の分散液を冷却する冷却工程と、
    前記トナー母粒子を洗浄する洗浄工程と、
    前記トナー母粒子を乾燥する乾燥工程を備える静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記冷却工程において、トナー母粒子の超音波処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 粒子凝集体が少なくともワックス及び結着樹脂を含有するトナーの製造方法において、超音波処理の開始温度が、トナー中に含有されるワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度より高い温度であることを特徴とする請求項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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