JP5492462B2 - 車両のシート装置 - Google Patents
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Description
このシート装置は、可動クッションがクッション本体の前方側に前後移動可能に配置され、クッション本体の前面と可動クッションの後面の間に、空気圧によって膨出調整される袋体が介装されている。このシート装置では、袋体を収縮状態にすることによって可動クッションを後退させ、袋体を膨張させることによって可動クッションを前方位置に変位させる。
この発明の場合、シートクッションの前後長を延ばすときには、流体の導入によって袋体を膨出させ、袋体によって可動クッションの下方延出部を前方に押圧する。このとき、袋体は背部をクッション支持部材の前部壁に支持された状態で可動クッションを前方に押圧し、可動クッションはこれによって前方の所定位置まで移動するようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のシート装置において、前記可動クッションの内部には、少なくとも一部が前記上部支持壁に略沿うようにプレート(例えば、後述の実施形態における芯金プレート25)が埋設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両のシート装置において、前記プレートは、前記上部支持壁に略沿う辺と前記下方延出部に略沿う辺とを有する断面略L字状に形成され、前記可動クッションの内部には、前記プレートの前記下方延出部に略沿う辺の前面に配置されるフレーム基部(例えば、後述の実施形態におけるフレーム基部24a)と、このフレーム基部の両端部から後方に向かって延出する支柱部(例えば、後述の実施形態における側部フレーム部24b)とを備えた柱状フレーム(例えば、後述の実施形態における柱状フレーム24)の一部が埋設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシート装置において、前記可動クッションは最大に前方にスライドした状態で、後端が前記上部支持壁の前端よりも後方に配置されていることを特徴とする。
これにより、可動クッションが前後に移動するときには、可動クッション側の支柱部がガイドパイプによって案内されることになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両のシート装置において、前記ガイドパイプは、前記上部支持壁と前記前部壁とに固定されていることを特徴とする。
これにより、支柱部は略球状のスライダ部分でガイドパイプの内面に接触し、その状態でガイドパイプに沿って移動することになる。
これにより、ガイドパイプは上部支持壁の下方の外部から見えにくい位置に配置されるようになる。
図1は、この実施形態の車両のシート装置1の全体構造を示す斜視図である。このシート装置1は、運転席側、若しくは助手席側のセパレータタイプのシートである。
同図に示すように、シート装置1は、乗員の臀部から大腿部にかけてを支持するシートクッション2と、乗員の肩部から腰部にかけてを支持するシートバック3と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト4とを備え、シートクッション2はシートレール5を介して車体に前後移動可能に取り付けられている。シートバック3は、その下端部にてシートクッション2の後端部に傾動可能にヒンジ結合され、ヘッドレスト4は、シートバック3の上端部に昇降調整可能に取り付けられている。
これらの図にも示すように、シートクッション2は、金属製のパイプ材やプレート材、ばね材等によって構成されたフレームユニット6(クッション支持部材)の上部にクッションユニット7が組み付けられて成り、クッションユニット7は、着座する乗員の臀部から大腿部の主領域にかけてを支持するクッション本体8と、クッション本体8の両側に配置されたサイドサポート9と、クッション本体8の前端部に前後移動可能に配置された可動クッション10と、を備えている。なお、クッション本体8とサイドサポート9はフレームユニット6に対して固定されている。
樹脂カバー15は、骨格パネル11の上部支持壁13の上面に重合される上部支持壁16と、この上部支持壁16の前端部から下方に屈曲して骨格パネル11の前部壁14の前面に重合される前部壁17と、この前部壁17の下端部から前方に突出した後に下方に延出する下縁壁18とを備えている。下縁壁18は、車体のフロア面近くまで延出し、可動クッション10の下方の空間部を前方側から隠すようになっている。
可動クッション10は、上部支持壁13,16上に載置されるクッション基部20と、クッション基部20の前端部から下方に略L字状に屈曲して延出する下方延出部21と、を備えている。下方延出部21の背面は、樹脂カバー15の前部壁17の前面に対向している。また、可動クッション10は、クッション本体8やサイドサポート9と同様に厚みのあるクッション体22の外表面側が布や革等の表皮材23によって覆われている。そして、可動クッション10のクッション体22の内部には、クッション基部20と下方延出部21に跨るように金属製の芯金プレート25が埋設され、下方延出部21のクッション体20には略コ字形状の柱状フレーム24が埋設されている。
柱状フレーム24は、下方延出部21のクッション体20の内部に車幅方向に沿って埋設されて、芯金プレート25の前面に配置されるフレーム基部24aと、このフレーム基部24aの両端部から車体後方側に向かって延出する側部フレーム部24b(支柱部)と、を備え、両側の側部フレーム部24bの先端部が下方延出部21から外部に突出している。
また、ガイドパイプ28内の樹脂パイプ28Bの一方の縁部には係止孔33が形成され、ガイドパイプ28がボス部26とブッシュ27の隙間に嵌合されたときに、ブッシュ27の受容壁30に設けられた係止爪31が係止孔33に係合されるようになっている。
各側部フレーム部24bの先端部には略球状のスライダ34が取り付けられ、このスライド34とブッシュ27の間にリターンスプリング35が介装されている。スライダ34は樹脂材料によって形成され、その外周面がガイドパイプ28(樹脂パイプ28B)の内周面に摺動可能に嵌合されている。なお、図中36は、スライダ34を側部フレーム部24の先端部から抜け止めするための係止リングである。また、リターンスプリング35はコイルスプリングによって構成され、側部フレーム部24bの周域にほぼ同軸を成すように配置されている。
さらに、この実施形態においては、ガイドパイプ28が金属製のパイプ基材28Aの内周側に樹脂パイプ28Bを接合した構造とされているため、摺動抵抗の低い樹脂パイプ28Bの内周面にスライダ34が常時接触することになる。したがって、このことが可動クッション10の作動を円滑するうえで有利となっている。
8…クッション本体
10…可動クッション
13,16…上部支持壁
14,17…前部壁
21…下方延出部
24…柱状フレーム
24a…フレーム基部
24b…側部フレーム部(支柱部)
25…芯金プレート(プレート)
28…ガイドパイプ
32…ブラケット
34…スライダ
38…袋体
Claims (8)
- シートクッションのクッション支持部材と、
このクッション支持部材に固定されるクッション本体と、
このクッション本体に対して前後移動可能な可動クッションと、
流体の導入によって膨出して前記可動クッションを移動させる袋体と、を備えた車両のシート装置において、
前記クッション支持部材は、車体側に固定されて前記可動クッションを前後スライド可能に載置する上部支持壁と、この上部支持壁の前端部から下方に延出した前部壁と、を備え、
前記可動クッションは前端部から下方に延出する下方延出部を備え、
前記袋体は前記前部壁と下方延出部の間に介装されていることを特徴とする車両のシート装置。 - 前記可動クッションの内部には、少なくとも一部が前記上部支持壁に略沿うようにプレートが埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のシート装置。
- 前記プレートは、前記上部支持壁に略沿う辺と前記下方延出部に略沿う辺とを有する断面略L字状に形成され、
前記可動クッションの内部には、前記プレートの前記下方延出部に略沿う辺の前面に配置されるフレーム基部と、このフレーム基部の両端部から後方に向かって延出する支柱部とを備えた柱状フレームの一部が埋設されていることを特徴とする請求項2に記載の車両のシート装置。 - 前記可動クッションは最大に前方にスライドした状態で、後端が前記上部支持壁の前端よりも後方に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシート装置。
- 前記可動クッションには下方延出部から後方に延びる支柱部が設けられ、
前記クッション支持部材の前部壁の背面側には後方に延びるガイドパイプが設けられ、
前記支柱部は前記ガイドパイプの内周に沿って摺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のシート装置。 - 前記ガイドパイプは、前記上部支持壁と前記前部壁とに固定されていることを特徴とする請求項5に記載の車両のシート装置。
- 前記支柱部には前記ガイドパイプの内面に摺動自在に接触する略球状のスライダが設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の車両のシート装置。
- 前記ガイドパイプはブラケットを介して前記上部支持壁の下面に取り付けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両のシート装置。
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