JP5487508B2 - トマトの糖度向上液肥、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態におけるトマトの糖度向上液肥は、30〜40質量%の黒糖水溶液と、その黒糖水溶液100質量部に対し、1〜3質量部のサッカロミセス属の酵母と、2〜4質量部のレバウディオサイドAと、を含み、サッカロミセス属の酵母が発酵している状態にあるものである。
人間の舌は、甘味がさらに高まっているとは感じなくなる。
本発明の第2実施形態におけるトマトの糖度向上液肥の製造方法は、(a)黒糖を水に加えて30〜40質量%黒糖水溶液を得る工程と、(b)黒糖水溶液100質量部に対し、1〜3質量部のサッカロミセス属の酵母を加える工程と、(c)撹拌してサッカロミセス属の酵母を発酵させる工程と、(d)サッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、2〜4質量部のレバウディオサイドAを加える工程と、を含む。
本発明の第3実施形態におけるトマトの糖度向上液肥の使用方法は、さらに、(g)として、(d)、(e)、(f)のいずれかの工程によって得られたトマトの糖度向上液肥を原液とし、その原液のサッカロミセス属の酵母が発酵している期間内にその原液を水で500〜1000倍に希釈して希釈液肥を得る工程と、(h)その希釈液肥のサッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、その希釈液肥をトマトの苗を定植した容器内の培地に散布または添加する工程とを含む。
内寸法が巾25cm、長さ60cm、深さ20cmのプランタに培地として15cmの深さに堆肥を入れ、ミニトマトの種から別途容器栽培したミニトマトの苗を、巾の中央部に4本、13cm等間隔に定植した。
ミニトマトを収穫した。
トマトの糖度向上液肥原液を水で1000倍に希釈し、トマトの糖度向上希釈液肥を得たこと以外は実施例1と同様の方法でミニトマトを栽培し、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
堆肥の代りに培地にピートモス+20質量%軽石を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でミニトマトを栽培し、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
堆肥の代りに培地にピートモス+20質量%軽石を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法でミニトマトを栽培し、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
希釈液肥のかわりに、水のみ1回/日、20ミリリットル/回、ピートモス+20質量%軽石培地表面に均一に散布したこと以外は実施例3と同様の方法でミニトマトを栽培し、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
実施例1と同様に別途容器栽培したミニトマトの苗を、土耕栽培の堆肥土壌に4本、13cm等間隔に定植し、実施例1と同様の500倍希釈液肥を苗の周囲の土壌表面に1リットル/回・日均一に散布して、実施例1と同様にミニトマトの糖度を測定した。
実施例3の方法でミニトマトを栽培し、苗の定植後4ヶ月目に、ピートモス培地はそのままで新しい苗に植え替えて連作を行った。同様に4ヶ月毎の連作を繰り返したところ、6連作目においても根腐れ等の異常は全く見られなかった。6連作目に、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
実施例5の方法で水のみを20ミリリットル/回・日散布してミニトマトを栽培し、苗の定植後4ヶ月目に、ピートモス+20質量%軽石培地はそのままで新しい苗に植え替えて連作を行ったが、根腐れが生じてミニトマトの収穫はできなかった。
実施例6の方法でミニトマトを栽培し、苗の定植後4ヶ月目に、土耕の堆肥土壌はそのままで新しい苗に植え替えて連作を行ったが、実施例3に比べて20倍の量の500倍希釈液肥を散布したにもかかわらず、根腐れが生じてミニトマトの収穫はできなかった。
実施例6と同様の方法で土耕栽培の堆肥土壌に定植したミニトマトの苗を水も肥料も与えずに栽培し、実施例1と同様に収穫したミニトマトの糖度を測定した。
(い)内寸法が巾25cm、長さ60cm、深さ20cmのプランタに培地として充填した15cmの深さの堆肥又はピートモス+20質量%軽石表面に、水で500倍又は1000倍に希釈した本発明のトマトの糖度向上希釈液肥を1リットル/回・日均一に散布することにより、収穫したミニトマトに顕著な糖度向上効果が見られ、また風味も優れていた。糖度の向上は、レバウディオサイドAの吸収によるものであり、優れた風味は、希釈液肥に含まれるビール酵母の酵母菌の作用で分解精製した各種アミノ酸、ビタミン、核酸、ミネラル、ホルモン、脂肪酸等の吸収によるものである。
(ろ)プランタに充填した培地がピートモス+20質量%軽石の場合でも、水のみ20ミリリットル/回・日散布しても、収穫したミニトマトに糖度向上は見られなかった。
(は)土耕の堆肥土壌に、水で500倍に希釈した本発明のトマトの糖度向上希釈液肥を20リットル/回・日散布しても、収穫したミニトマトの糖度向上効果はわずかであった。
(に)プランタに培地としてピートモス+20質量%軽石を入れて、水で500倍に希釈した本発明のトマトの糖度向上希釈液肥を1リットル/回・日均一に散布することによってミニトマトを栽培し、苗の定植後4ヶ月目に、ピートモス+20質量%軽石培地は入れ替えずそのままで、苗を新しい苗に植え替えて連作を行うことを繰り返したところ、6連作目においても根腐れ等の異常は全く見られなかった。また、6連作目に、収穫したミニトマトの糖度は、1段花房から収穫したミニトマトで8〜10、6段花房から収穫したミニトマトで9〜13であり、初回栽培で収穫したミニトマトと同様の糖度であったので、さらに連作を続けることは可能である。ミニトマトの苗の発育は、6連作目の栽培においても全く問題がなく健全であり、希釈液中のビール酵母菌の増殖よる倍地中の悪玉菌の殺菌、制菌作用が強力であることが確認された。
(ほ)土耕栽培の堆肥土壌に、水で500倍に希釈した本発明のトマトの糖度向上希釈液肥を20リットル/回・日散布してミニトマトを栽培しても、液肥が拡散して薄まってしまうため、収穫したミニトマトの糖度向上はわずかであった。また、同じ土壌で連作もできなかった。土耕栽培の場合には、悪玉菌が数多く存在するのに対し、堆肥土壌中を液肥が拡散してミニトマトの苗の周りは液肥が薄くなるため、希釈液中の増殖したビール酵母菌による堆肥土壌中の悪玉菌の殺菌、制菌作用が弱まるためである。
Claims (14)
- 30〜40質量%の黒糖水溶液と、前記黒糖水溶液100質量部に対し、
1〜3質量部のサッカロミセス属の酵母と、
2〜4質量部のレバウディオサイドAと、
を含み、
前記サッカロミセス属の酵母が発酵している状態にあることを特徴とするトマトの糖度向上液肥。 - 前記サッカロミセス属の酵母が、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・バヤヌス、サッカロミセス・カールスベルゲンシス、サッカロミセス・パストリアヌス、サッカロミセス・サケ、サッカロミセス・エリプソイディウスの群から選ばれる1つまたは複数であることを特徴とする請求項1に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記サッカロミセス属の酵母がパン発酵酵母、ビール酵母及びワイン酵母のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記トマトの糖度向上液肥が、さらに、前記黒糖水溶液100質量部に対し、パパイヤ、パイナップル、マンゴー、メロン、いちじく、及びキウイフルーツ含む果実のそれぞれを搾汁して得られたプロテアーゼ活性果汁のうちの少なくとも1種以上を1〜3質量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記トマトの糖度向上液肥が、さらに、前記黒糖水溶液100質量部に対し、イワシ、マグロ、カツオ、アジ、及びサバの魚エキスのうちの少なくとも1種以上を1〜3質量部含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記トマトの糖度向上液肥が、さらに、トマトの新葉20〜30質量部を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記トマトの糖度向上液肥を原液として、500〜1000倍に水で希釈した希釈液肥において、前記サッカロミセス属の酵母が発酵状態にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥。
- (a)黒糖を水に加えて30〜40質量%黒糖水溶液を得る工程と、
(b)前記黒糖水溶液100質量部に対し、1〜3質量部のサッカロミセス属の酵母を加える工程と、
(c)撹拌して前記サッカロミセス属の酵母を発酵させる工程と、
(d)前記サッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、2〜4質量部のレバウディオサイドAを加える工程と、
を含むことを特徴とするトマトの糖度向上液肥の製造方法。 - 前記サッカロミセス属の酵母が、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・バヤヌス、サッカロミセス・カールスベルゲンシス、サッカロミセス・パストリアヌス、サッカロミセス・サケ、サッカロミセス・エリプソイディウスの群から選ばれる1つまたは複数であることを特徴とする請求項8に記載のトマトの糖度向上液肥。
- 前記サッカロミセス属の酵母がパン発酵酵母、ビール酵母及びワイン酵母のいずれかであることを特徴とする請求項8又は9に記載のトマトの糖度向上液肥の製造方法。
- 前記(b)の工程において、前記黒糖水溶液100体積部に対し、パパイヤ、パイナップル、マンゴー、メロン、いちじく、及びキウイフルーツ含む果実のそれぞれを搾汁して得られたプロテアーゼ活性果汁のうちの少なくとも1種以上を5〜10体積部さらに加えることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥の製造方法。
- さらに、(e)前記サッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、前記黒糖水溶液100体積部に対し、イワシ、マグロ、カツオ、アジ、及びサバの魚エキスのうちの少なくとも1種以上を30〜60体積部を加える工程と、
を含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥の製造方法。 - さらに、(f)前記サッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、前記黒糖水溶液100質量部に対し、トマトの新葉20〜30質量部を添加して混合してろ過する工程と、
を含むことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥の製造方法。 - さらに、(g)前記トマトの糖度向上液肥を原液とし、前記原液のサッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、前記原液を水で500〜1000倍に希釈して希釈液肥を得る工程と、
(h)前記希釈液肥のサッカロミセス属の酵母が発酵している期間内に、前記希釈液肥をトマトの苗を定植した容器内の培地に散布または添加する工程と、
を含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のトマトの糖度向上液肥の製造方法によって製造されたトマトの糖度向上液肥の使用方法。
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