JP5480740B2 - 回路基板検査装置 - Google Patents

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本発明は、回路基板の検査に用いられるプローブ(導電接触ピン)を所定方向に移動可能な可動アームに支持してなるX−Y型(もしくはフライング型等)と呼ばれる回路基板検査装置おいて、4端子対法による測定を可能とする技術に関するものである。
回路基板に存在する導体パターン,実装部品や素子等(以下、これらを「被測定試料」という)のインピーダンスを測定する方法の一つとして4端子法がある。
4端子法においては、図3の模式図に示すように、基本的な構成として、測定信号を発生する測定信号源1と、電圧検出手段としての電圧計2と、電流検出手段としての電流計3とを備える。
プローブとしては、測定信号源1から被測定試料DUTに流れる測定電流径路に内に含まれる2つの電流プローブP1,P2(P1が高電位Hc側で、P2が低電位Lc側)と、被測定試料DUTの電圧検出径路内に含まれる2つの電圧プローブP3,P4(P3が高電位Hp側で、P2が低電位Lp側)の4つのプローブが用いられる。
なお、これらの各プローブは構造的には変わらないが、本明細書では、説明の便宜上、電流系統側のものを電流プローブと言い、電圧系統側のものを電圧プローブと言う。
測定にあたっては、測定信号源1から電流プローブP1,P2を介して被測定試料DUTに例えば定電流を流し、これによって被測定試料DUTの両端に発生する電圧を電圧プローブP3,P4を介して電圧計2で測定し、電流計3による電流値と電圧計2による電圧値とに基づいて、被測定試料DUTのインピーダンスZを測定する。
この4端子法によれば、測定系の電気配線(リード線)の配線抵抗や被測定試料との接触抵抗の影響をほとんど排除することができるが、測定電流径路に流れる電流によって発生する磁束が電圧検出径路をよぎると、検出電圧に誤差が生じ、この誤差がインピーダンス測定値に含まれることになる。
この現象は、特に高い周波数の測定電流で測定を行う高周波測定時に問題となる。なお、測定系の電気配線に、同軸ケーブル(シールド被覆線)を使用しても、静電シールドの効果はあるが、上記のような電磁誘導に対しては有効ではない。
この電磁誘導による問題は、4端子対法によって解決することができる。図4に、4端子対法の接続状態を模式的に示す。
図4を参照して、4端子対法の場合、電流プローブP1,P2の電気配線として同軸ケーブルC1,C2を用い、同様に、電圧プローブP3,P4の電気配線にも同軸ケーブルC3,C4を用いる。そして、各同軸ケーブルC1〜C4の各外部導体(シールド被覆線)Sのすべてを各プローブの基端付近でリード線5にて接続し短絡する。
動作について、測定信号源1よりHcラインを介して被測定試料DUTに測定電圧Vを印加すると(この印加電圧はHpラインと同じ)、被測定試料DUTにはV/Zなる測定電流が流れる。この測定電流は電流計3を通り、そのまま逆向きに外部導体を流れて測定信号源1に戻る(図4の電流の流れ方向を示す矢印参照)。
このとき、被測定試料DUTの反対側では、LpがLc(=GND)となるように帰還制御回路FCが動作する。したがって、被測定試料DUTには、電圧計2の両端と同じ電圧がかかるため、電圧計2の示す値は、被測定試料DUTの両端電圧と同じとなる。
このように、4端子対法によれば、測定電流径路内において、測定電流の往路と復路とが重ね合わされるため、上記4端子法の利点を維持しながら、測定電流により生ずる磁束の影響(電磁誘導)を軽減することができる。
なお、各同軸ケーブルC1〜C4の各外部導体Sのすべてをリード線5にて接続しているのは、上記電圧を測定する際に、それに関与するHp,Lpの各外部導体Sの電位が確定していない状態は好ましくない、等の理由による。
ところで、X−Y型回路基板装置では、例えば特許文献1に記載されているように、回路基板上を所定方向(X,YおよびZ方向)に移動し得る少なくとも2つの可動アームを備え、その各可動アームにプローブを支持させ、あらかじめ設定されている検査プログラムにしたがって、各可動アームを移動させて回路基板上の被測定試料の検査を行うようにしている。
このように、各可動アームが自由に移動可能であるため、従来のX−Y型回路基板装置では、各プローブP1〜P4の同軸ケーブルC1〜C4のすべての外部導体Sを各プローブの基端付近でリード線5にて短絡する4端子対法による測定を物理的に行うことができない。
特開2002−14132号公報
したがって、本発明の課題は、X−Y型(もしくはフライング型等)と呼ばれる回路基板検査装置おいて、4端子対法による測定を可能とすることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、測定信号源および電圧検出手段を含む測定部と、上記測定信号源と被測定試料との間の測定電流径路に含まれる2つの電流プローブおよび上記電圧検出手段と上記被測定試料との間の電圧検出径路に含まれる2つの電圧プローブと、所定の上記プローブが取り付けられ、移動機構により任意方向に駆動される一対の可動アームと、上記測定部からの測定信号に基づいて上記被測定試料のパラメータ解析および/または良否判別を行うとともに、上記移動機構を介して上記各可動アームの動きを制御する制御部とを備えている回路基板検査装置において、上記各電流プローブおよび上記各電圧プローブの上記測定部に至る電気配線に同軸ケーブルが用いられ、4端子対法により上記各同軸ケーブルの外部導体のすべてが上記プローブの基端付近でリード線により接続されていて、上記各電流プローブおよび上記各電圧プローブがともに上記一対の可動アームのうちの少なくとも一方の可動アームに支持されていることを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、上記一方の可動アームには、上記プローブ間の間隔を調整可能とする間隔調整手段が設けられる。
本発明によれば、一対の可動アームのうちの一方の可動アーム側に、2つの電流プローブと2つの電圧プローブとを支持させるようにしたことにより、それら各プーロブの電気配線に同軸ケーブルを用い、各同軸ケーブルの外部導体同士をプローブの基端付近でリード線で接続してなる4端子対法による測定が可能になる。
(a)X−Y型回路基板検査装置の基本的な構成を示す模式図、(b)4端子対法によるプローブの構成例を示す模式図。 本発明の実施形態を示す模式図。 4端子法の接続状態を示す模式図。 4端子対法の接続状態を示す模式図。
次に、図1および図2により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図1(a)を参照して、本発明の回路基板検査装置の構成を概略的に説明すると、この回路基板検査装置は、X−Y型もしくはフライング型と呼ばれる検査装置で、基本的な構成として、制御部10と、測定部20と、一対の可動アーム31,32と、可動アームの移動機構41,42とを備える。検査プローブには、図1(b)に示す4端子対法による4本のプローブP1〜P4が用いられる。
制御部10には、例えばマイクロコンピュータが用いられ、その記憶部には、回路基板A上に存在する被測定試料DUTについての検査プログラムや、良否判定用の基準データ等が設定される。また、制御部10は、測定部20からの測定信号に基づいて、被測定試料DUTのパラメータ(例えば、インピーダンス)を演算し、その良否判定等を行う。
測定部20は、先の図4で説明したように、4端子対法による測定を行うための測定信号源1、電圧検出手段としての電圧計2、電流検出手段としての電流計3および帰還制御回路FC等を備える。
可動アーム31,32は、それらの移動機構41,42によりX,YおよびZ方向に駆動される。可動アーム31,32の移動制御信号は、制御部10から移動機構41,42に与えられる。図示しないが、可動アーム31,32のほかに、別の可動アーム(例えば、ガードプローブ用の可動アーム等)が設けられてもよい。
図1(b)に示す検査プローブのうち、先の図4で説明したのと同じく、P1,P2が被測定試料DUTに対する測定電流径路に含まれる電流プローブで、P3,P4が被測定試料DUTの電圧検出径路に含まれる電圧プローブである。
電流プローブと電圧プローブには、同じ構造のプローブが用いられてよい。なお、説明するうえで、電流プローブ,電圧プローブの区別を必要としない場合には、単にプローブという。
プローブP1,P2,P3およびP4は、それぞれ同軸ケーブルC1,C2,C3およびC4の各内部導体ILを介して測定部20に接続される。
図4を参照して、電流プローブP1,P2のうち、電流プローブP1が高電位(Hi)側で測定信号源のHc端子に接続され、電流プローブP2は低電位(Low)側として電流計のLc端子側に接続される。
同様に、電圧プローブP3,P4のうち、電圧プローブP3が高電位側で電圧計2のHp端子に接続され、電圧プローブP3は低電位側として電圧検出系のLp端子側に接続される。
同軸ケーブルC1〜C4の各内部導体ILは、その各一端が測定部20に接続され、各他端がプローブP1〜P4の基端b側に接続されるが、同軸ケーブルC1〜C4の各外部導体(シールド被覆線)S同士は、各プローブP1〜P4の基端b側付近においてリード線5により接続され、相互に短絡されている。
本発明では、この4端子対法による検査プローブ(P1〜P4)を所定方向に移動可能な可動アームに支持させて、X−Y型の回路基板検査装置で被測定試料DUTのインピーダンス測定を可能とする。
そのため、図2に示すように、一対の可動アーム31,32のいずれか一方、この実施形態では可動アーム31側に4端子対法による検査プローブ(P1〜P4)を支持させる。
その一例として、各プローブP1〜P4を一方の可動アーム31に取り付け、各プローブP1〜P4を同軸ケーブルC1〜C4を介して測定部20に接続する。そして、同軸ケーブルC1〜C4のプローブ側の端部の外皮をはぎ取って各外部導体Sを露出させ、その各外部導体S同士を、図1(b)に示すように、プローブの基端b側付近でリード線5により接続する。
このように、この実施形態によれば、各プローブP1〜P4を一方の可動アーム31に取り付けることにより、同軸ケーブルC1〜C4の各外部導体S同士をリード線5にて接続することが可能となるため、X−Y型の回路基板検査装置においても、4端子対法による高精度な測定を行うことができる。
この実施形態において、制御部10は、一方の可動アーム31のみを移動制御し、他方の可動アーム32については、例えば初期アドレス位置に待避させておくが、これとは別に、他方の可動アーム32にも、可動アーム31と同じく、4端子対法による検査プローブ(P1〜P4)を設けて、2つの可動アーム31,32にて異なる被測定試料DUTの測定を同時的に行わせることもできる。
また、図示しないが、可動アーム31のプローブ取付部位に例えばプローブを挿通可能なスリット(長孔)を形成し、その長軸の範囲内で全部のプローブもしくは所定のプローブのみを移動可能として、プローブ間の間隔を調整可能とすることもできる。
1 測定信号源
2 電圧検出手段(電圧計)
3 電流検出手段(電流計)
5 リード線
10 制御部
20 測定部
31,32 可動アーム
41,42 移動機構
A 回路基板
P1,P2 電流プローブ
P3,P4 電圧プローブ
C1〜C4 同軸ケーブル
IL 内部導体
S 外部導体(シールド被覆線)
FC 帰還制御回路
DUT 被測定試料

Claims (2)

  1. 測定信号源および電圧検出手段を含む測定部と、上記測定信号源と被測定試料との間の測定電流径路に含まれる2つの電流プローブおよび上記電圧検出手段と上記被測定試料との間の電圧検出径路に含まれる2つの電圧プローブと、所定の上記プローブが取り付けられ、移動機構により任意方向に駆動される一対の可動アームと、上記測定部からの測定信号に基づいて上記被測定試料のパラメータ解析および/または良否判別を行うとともに、上記移動機構を介して上記各可動アームの動きを制御する制御部とを備えている回路基板検査装置において、
    上記各電流プローブおよび上記各電圧プローブの上記測定部に至る電気配線に同軸ケーブルが用いられ、4端子対法により上記各同軸ケーブルの外部導体のすべてが上記プローブの基端付近でリード線により接続されていて、上記各電流プローブおよび上記各電圧プローブがともに上記一対の可動アームのうちの少なくとも一方の可動アームに支持されていることを特徴とする回路基板検査装置。
  2. 上記一方の可動アームには、上記プローブ間の間隔を調整可能とする間隔調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置。
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