JP5480525B2 - 車両シートのエアサスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、設定した基準高さ位置に自動調整するエアサスペンション装置に関し、特に搭乗者の利便性を更に向上させた多機能型の、車両シートのエアサスペンション装置に関するものである。
車両の運転や搭乗を快適にするために、車両シートの高さを搭乗者の所望の位置に設定可能とし、衝撃や振動等を減衰吸収させるエアサスペンション装置が車両シートに用いられている。このエアサスペンション装置は、空気ばねとなるエアタンクに、弁制御によって外部から空気を給気し、又はエアタンクから外部に排気させることで、搭乗者の体重の軽重によらず所定の設定位置の高さに維持調整する機能を有するものである。
このようなエアサスペンション装置としては、所定の設定位置の高さに車両シートを調整するために、各種の制御機構が搭載されたものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の車両用シートのエアサスペンション装置は、中立位置から所定以上に移動したときに弁体を引っ張りばねによって瞬時に引き寄せて全開させ、素早い応答で設定基準高さに戻す調整動作を実行させると共に、中立位置に近づく復帰回動時には弁体がストッパによって徐々に弁を閉じるという高性能な機能を有するものである。
また特許文献2に記載のエアサスペンションの制御装置は、任意のハイト設定位置を中心にして所定幅の不感帯を設け、微小な上下動による煩雑な制御動作を防止して乗り心地を向上させた機能性の高いものである。
特開平5−131869号公報 特開平11−334441号公報
特許文献1、2に記載のエアサスペンション装置は、上記したように従来のエアサスペンション装置の機能を向上させたもので、所定の設定高さ位置に迅速、快適に維持するものである。
しかしながら、エアサスペンション装置は、運転時に快適となるように設定した所定高さ位置に自動的に調整するため、車両への乗降の際にはステアリング装置が支障となる場合がある。また所定高さ位置に自動的に調整する機能が常時作動すると、上下動が頻繁に行われたときは走行中に煩わしく感じる場合があり、時としてこの自動位置調整機能を解除することが望まれる。
このような場合、自動位置調整機能を解除して所定位置に固定したり、あるいは座席位置を下げたりすることは機構上可能であるが、例えばリンクの伸縮動作による抵抗値変動させるポテンションメータを高さ監視手段とする特許文献1に記載の装置や、あるいは引っ張りばねとストッパ等の機構で高さ調整する特許文献2に記載の装置では、複雑な装置構成になり、搭乗者の使い勝手の良いものとならない。さらに搭乗者が所望の高さ位置に調整できる幅は、機構上固定的なものとなっており車種や搭乗者の要求に応じての個別変更に対応することが困難である。
本発明は、搭乗者の乗降時の利便性の向上を図り、使い勝手の良い、車両シートのエアサスペンション装置の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明が提案するのは、車両の床面又は該床面上のスライドレールに設置されるロアフレームと、車両の座席シート下部に設けられ、前記ロアフフレームの上部に位置するアッパーフレームと、前記座席シートの左右側面にそれぞれ位置し、前記ロアフレームと前記アッパーフレームとに接続して前記アッパーフレームを上下に移動可能とし、相互間を結ぶ軸体に枢設形成された一対のXリンクと、圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化によって前記アッパーフレームを上下に移動させる空気ばねのエアタンクと、該エアタンクへの給気管を開閉する第1の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第1の排気弁と、前記座席シートの左右側面の何れか一つのXリンクを形成する一方のリンク部材に設けられ、前記第1の給気弁の開閉を制御する給気制御カムと、該給気制御カムと相対位置を調整可能として一体となるように係止され、前記第1の排気弁の開閉を制御する排気制御カムと、前記軸体に枢設され、前記Xリンクの回動の方向に応じて前記給気制御カム又は前記排気制御カムを回動させるアーム部材と、前記軸体に枢設され、前記アーム部材と弾性部材により連結される、ギア部材と、前記Xリンクを形成する他方のリンク部材に設けられ、前記ギア部材を係止する係止手段と、該係止手段によ前記他方のリンク部材に対する前記係止を所定操作により一時解除する解除手段と、前記エアタンクへの給気管を開閉する第2の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第2の排気弁と、を備え、前記アッパーフレームが予め基準高さとして設定された位置にあるときには、前記アーム部材が、前記給気制御カム及び前記排気制御カムのいずれにも作用しない中立位置にあり、前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に下降したときには、その下降に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記給気制御カムを回動させて前記第1の給気弁を開き、前記エアタンクの圧力を上昇させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻し、また前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に上昇したときには、その上昇に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記排気制御カムを回動させて前記第1の排気弁を開き、前記エアタンクの圧力を低下させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻す設定基準位置維持機構と、前記解除手段により前記係止手段による前記ギア部材への係止を解除すると共に、前記第2の給気弁又は前記第2の排気弁の開閉により前記エアタンクの圧力変化により前記アッパーフレームを上下させて新たな所定位置を基準高さとする基準高さ変更機構と、を備えた車両シートのエアサスペンション装置であって、前記一方のリンク部材に枢設された板状部材のロックブラケットと、該ロックブラケットを回動させる回動手段と、を更に備え、前記回動手段は、前記ロックブラケットを回動させて、前記ロックブラケットに設けられたロックピン部材を前記ギア部材に設けられた凹部状の溝部に嵌合させて係止させる第1の角度位置と、前記ロックブラケットの他端を前記アーム部材に当接し、該アーム部材を回動させ、前記排気制御カムの回動により前記第1の排気弁を開く第2の角度位置と、前記設定基準位置維持機構が機能する位置となる第3の角度位置とに切換え可能であることを特徴とする車両シートのエアサスペンション装置である。
上記構成により、一方のリンク部材に取り付けられたロックブラケットを第1の角度位置に回動させて、ロックピン部材をギア部材に設けられた凹部状の溝部に嵌合させて係止させると、一方のリンク部材に対するギア部材の回転が規制される。またギア部材は、他方のリンク部材に係止手段により係止されているので、Xリンクの回動が規制され、サスペンションはロックされて上下動しないことになる。設定基準位置維持機構の働きによる車両シートの上下動の動作が煩わしいと感じる場合などに、このサスペンションのロック機能が有効となる。
またロックブラケットを第2の角度位置に回動させて、アーム部材に当接させて回動させ、排気制御カムを作用させて第1の排気弁を開くと、エアタンク内の圧力が低下するので、車両シートの重量及び乗員の体重によりアッパーフレームは下降するようになる。設定された基準位置より下降させる、下降装置を設けることにより、車両への乗降がステアリングに邪魔されずに容易となる。
さらにまたロックブラケットを第3の角度位置に回動させて、ギア部材及びアーム部材のいずれにも当接、作用しないようにすることで、本来の設定基準位置維持機構の機能を発揮させて、車両の運転を良好に行うことができる。
このようにロックブラケットを3段階の角度位置に回動させることで、簡便な装置により、搭乗者の乗降時の利便性の向上を図り、使い勝手の良い車両用エアサスペンション装置を提供することができる。
また、上記したロックブラケットの3段階の角度位置の回動に替えて、前記回動手段は、前記ロックブラケットを回動させることにより、前記設定基準位置維持機構の作動状態から、前記ロックブラケットに設けられたロックピン部材を前記ギア部材に設けられた凹部状の溝部に嵌合させて係止させる状態の角度位置に、又は前記ロックブラケットの他端を前記アーム部材に当接し、該アーム部材を回動させ、前記排気制御カムの回動により前記第1の排気弁を開く状態の角度位置のいずれかに、切換え可能とすることができる。用途に応じるために、設定基準位置維持機構の機能と、サスペンションのロック機能又は下降装置機能のいずれかとの組合せを可能としたものである。
また、前記他方のリンク部材には更に所定径サイズのリンクピン部材が設けられ、前記ギア部材は、円盤状部材の一部に所定角度の切り欠きを設けた板状部材であり、前記基準高さ変更機構により前記ギア部材が前記係止を解除されると、前記アーム部材は、前記アッパーフレームの上下動の際に、前記給気制御カムと前記排気制御カムの何れにも作用しない前記中立位置にあるときに、前記ギア部材が前記一方のリンク部材と共に回動し、前記Xリンクの回動方向に応じて、前記ギア部材は前記切り欠きの両端部を、それぞれ前記リンクピン部材に当接して回動を阻止さることにより、設定可能な前記基準高さの許容範囲を定めることが好ましい。
ギア部材が係止を解除され、ギア部材と弾性部材により連結されるアーム部材が前記中立位置にあり、ギア部材が一方のリンク部材と共に回動し、アッパーフレームの上下動によるXリンクの回動方向に応じて、ギア部材は時計方向又は反時計方向に回動して、所定角度の前記切り欠きの両端がそれぞれ前記リンクピン部材に当接してギア部材の回動を止めることになる。これによりギア部材の開口の角度が、ギアの回動可能な範囲、すなわちアッパーフレームの設定可能な基準高さの範囲を定めることになる。すなわち、開口角度の異なるギア部材への交換により設定可能な基準高さの範囲を変更することが容易に行えることになる。
更にまた、前記ピン部材は、口径の異なる他のリンクピン部材と交換可能なことが好ましい。
リンクピン部材を口径の異なる他のリンクピン部材に交換することでも、設定可能な基準高さの範囲の変更は可能だからである。
また、前記給気制御カム及び前記排気制御カムは、一端に突起部が形成された凹部と、該凹部の他端に隣接する曲面部とを有する板状部材であり、該凹部を重ねて前記曲面部を位置するようにして互いに係止されると共に、前記一方のリンク部材に枢着され、更に前記アーム部材の先端には回動可能なローラ部材が設けられ、該ローラ部材は、前記アッパーフレームの下降に伴う前記Xリンクの回動により前記給気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記給気制御カムを更に回動させて前記第1の給気弁を開き、前記アッパーフレームの上昇に伴う前記Xリンクの回動により前記排気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記排気制御カムを更に回動させて前記第1の排気弁を開き、前記アッパーフレームが前記基準高さにあるときは重ねられた前記凹部に位置して前記中立位置とすることができる。
このようにアーム部材の先端ローラ部材が、アーム部材の回動位置に応じて、給気制御カム又は排気制御カムを回動させることができ、基準高さにあるときはローラ部材は両端を突起部とする凹部に位置して中立位置とすることができる。
さらに、前記ロックブラケットは、弾性部材により前記一方のリンク部材に係止されると共に、前記回動手段は前記弾性部材の弾性力に抗して前記ロックブラケットを回動させて、前記第1の角度位置、前記第2の角度位置及び前記第3の角度位置に切換えることができる。弾性力に抗する力の段階に応じて角度位置を切り換えることができる。
また、前記一方のリンク部材には、前記設定基準位置維持機構により前記アッパーフレームが上昇したときに、前記ギア部材が当接するギア部材当接部材が設けられ、前記ギア部材の回動方向の先端にあるギア部材先端部が、前記ギア部材当接部材に当接して回動が阻止されることが好ましい。
例えば、降車時におけるシートの必要以上の上昇を押さえることができ、降車の妨げを防止するものである。
また、前記一方のリンク部材又は前記他方のリンク部材の何れか一つは前記アッパーフレームに枢設され、他の一つは前記アッパーフレーム上を摺動又は回転可能なローラ部材を介して前後動可能に枢設され、前記ローラ部材は前後動する走行路の側壁に弾性部材により押圧され、前記走行路の上下壁には前記ローラ部材の走行用の離間距離を確保するカラー部材が挿着されていることが好ましい。
ローラ部材を側壁に押圧することで、エアサスペンション装置の作動時における左右の振れである、左右のガタツキを防止するものである。またカラー部材を挿入することで、上下壁間の寸法精度を向上させ、又溶接等による熱変形を抑え、上下の振れである、上下のガタツキを防止するものである。
本発明によれば、設定した基準高さを維持する機能の改良に加え、乗降動作を容易とする機能を加えたので、使い勝手の良い車両シート用エアサスペンション装置を提供することができる。
図1は車両シート用エアサスペンション装置の横断面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、エアタンクを除いた図1のA−A矢視図である。 図4(a)は、図1のB−B矢視図、図4(b)は図1のC−C矢視図である。 図5(a)は、アーム部材とバルブ本体を除いた図1のC−C矢視図、図5(b)は図1のD−D矢視図である。 図6(a)は図1のE−E矢視図、図6(b)は図1のF−F矢視図である。 図7(a)は図3のリンク回動軸体周辺の要部の説明図、図7(b)は(a)のG矢視図である。 図8は、リンク回動軸体に枢着されたアーム部材とギア部材の斜視図である。 図9は、図8と異なる方向から見た、リンク回動軸体に枢着されたアーム部材とギア部材の斜視図である 図10は、リンク回動軸体に枢着されたギア部材の斜視図である。 図11(a)は排気制御カムの正面図、図11(b)は給気制御カムの正面図、図11(c)排気制御カムと給気制御カムとを重ね、カム係止部材により係止した正面図である。 図12(a)〜図12(f)は、ロックブラケット及びその回動手段である回動装置の操作段階毎の説明図である。 図13はエアタンクへの給気、排気の管概要図である。 図14は、リミッターピンとギア突起部との当接の説明図で、図14(a)は当接前の状態説明図、図14(b)は当接の状態説明図である。 図15(a)〜図15(e)はロックブラケットを作動させた各状態のエアサスペンション装置の動作説明図である。 図16(a)〜図16(d)は、基準高さの設定変更の動作を示す説明図である。 図17(a)〜図17(d)は、基準高さ設定許容範囲の動作を示す説明図である。
以下添付図面を参照して、本発明に係る車両シート用エアサスペンション装置の実施形態について説明する。まず車両用エアサスペンション装置の構成を図1〜図13を参照して説明し、次にその動作について図14〜図17を参照して説明する。
図1は車両シート用エアサスペンション装置の横断面図、図2は図1のA−A矢視図、図3はエアタンクを除いた図1のA−A矢視図である。
<全体概略構成>
図1〜図3に示すように、車両シート用エアサスペンション11は、車両の床面又は床面上のスライドレールに設置されるロアフレーム12と、車両シート(図示せず)の下部に設けられ、ロアフレーム12の上部に位置するアッパーフレーム13と、座席シートの左右側面にそれぞれ位置してロアフレーム12とアッパーフレーム13とに接続し、アッパーフレーム13を上下に移動可能にする一対のXリンク15a、15bを有するものである。Xリンク15a、15bは、それぞれ2本のリンク部材が交差してX字形状を成すもので、交差部分で座席シートの左右側面方向に伸びるリンク回動軸体16に枢設されている。
ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間には、アッパーフレーム13を上下動させるエアタンク18が車両床面に設置されている。エアタンク18は、圧縮空気の供給源であるコンプレッサ(図示せず)からの給気と、外部への排気とによる圧力変化により、エアタンク18の胴部であるゴム製ベローズ(図示せず)が上下に伸縮することで、アッパーフレーム13及びその上に載置される車両シートを上下動させるようになっている。
Xリンク15a、15bは、交差部分が上記したようにリンク回動軸体16に枢設されており、車両シートの後部側の端部はそれぞれ連結軸体19a、19bにより連結され、連結軸体19aの両端部はロアフレーム12に枢設されており、連結軸体19bの両端部はアッパーフレーム13に枢設されている。またXリンク15a、15bの車両シートの前部側端部はそれぞれ連結軸体24a、24bにより連結されており、このうち連結軸体24aの両端は後述するようにロアフレーム12に前後移動可能に枢設され、同じく連結軸体24bの両端もアッパーフレーム13に前後移動可能に枢設されている。なお連結軸体24a、24bの両端を枢設し、連結軸体19a、19bの両端を前後移動可能と、逆にしてもよい。
連結軸体24a、24bの片側端部には、弾性部材であるスプリング部材29a、29bが挿着され、さらに連結軸体24a、24bの両端部には蓋状のキャップ34(34a、34b、34c、34d)が挿着されている。スプリング部材29a、29bをキャップ34a、34cとXリンク15aとの間に位置させることで、キャップ34a、34cを常時ロアフレーム12及びアッパーフレーム13の側壁に付勢し、ローラとして転動するキャップ34の左右の振れを抑止するものである(図1参照)。
またキャップが側壁の寸法(走行幅)より小さすぎると、サスペンション作動時に左右のガタを生じてしまうが、連結軸体(シャフト)とキャップの間にスプリング部材を挿入し、キャップを常に側壁に押し付けた状態にすることによって、左右のガタツキを押えることができる。なおスプリング部材を連結軸体24a、24bの片側端部に設けているが、両側端部にそれぞれ設けてもよい。さらにまた本実施形態では、上記したように弾性部材の一例としてスプリング部材を使用しているが、これに限定するものでなく、弾性を有する樹脂部材その他を使用してもよい。
またアッパーフレーム13の上下壁間には、離間距離を確保するためのカラー部材39がボルトナットにより挿着されている。上下壁間の離間距離を一定に保つことで、アッパーフレーム13の上下壁間を走行路として転動するキャップ34の上下の振れを防止するためである。すなわちアッパーフレーム13の上下壁の間にカラー部材39を挿入して組み付けることによって、上下壁間の寸法の精度を上げ、さらにはフレームの溶接等による変形を押え、上下のガタツキを少なくできる。カラー部材39は樹脂製でも、金属製でも支障はない。
またシャフト24bには、車両床面との間に緩衝装置としてのショックアブソーバ40が設けられている。
Xリンク15aを構成する2本のリンク部材のうち、一方のリンク部材20aの座席シート下部内側には、エアタンク18への給気管を開閉する第1の給気弁82と、エアタンクからの排気管を開閉する第1の排気弁83とを収納した第1のバルブ本体部21が止着部材23を介して止着されている(後述する図13参照)。またバルブ本体部21からは、第1の給気弁82を作動させる給気弁作動棒25と、第1の排気弁83を作動させる排気弁作動棒26とがリンク回動軸体16の方向に突き出した状態となっている。
更に一方のリンク部材20aには、回動により給気弁作動棒25を押して第1の給気弁を開かせる給気制御カム27と、回動により排気弁作動棒26を押して第1の排気弁を開かせる排気制御カム28が、枢着されている。
<給気制御カム及び排気制御カム>
ここで給気制御カム27と排気制御カム28の形状及び構成を他の図面を参照して詳述する。図11は給気制御カム27及び排気制御カム28の正面を示したもので、(a)は排気制御カム28の正面図、(b)は給気制御カム27の正面図、(c)は排気制御カム28と給気制御カム27とを重ね、カム係止部材29により係止した正面図を示すものである。
図11(a)に示すように排気制御カム28は矩形の板状部材であり、その一辺側は、一端に突起部30が形成された凹部31と、凹部31の他端に隣接する曲面部32とを有してなるものである。給気制御カム27は図11(b)に示すように排気制御カム28と線対称に構成された略同様の構造であり、一辺側は一端に突起部33が形成された凹部35と、凹部35の他端に隣接する曲面部36とを有してなるものである。
図11(c)に示すように給気制御カム27と排気制御カム28とは、凹部31、35が重なるようにカム係止部材29により係止されるようになっている。この係止部材29により給気制御カム27と排気制御カム28は、一体のカムとなり、後述するように給気弁作動棒25及び排気弁作動棒26にそれぞれ作用することになる。なお係止部材29による係止を緩めることにより給気制御カム27と排気制御カム28との相対位置を調整することができる。後述するようにXリンク15a、15bの回動とのタイミング調整を図り、給気と排気との切換えをするためである。そして係止された給気制御カム27と排気制御カム28とは、カム枢設部材38により一方のリンク部材20aに枢設される。
図2、図3に示すように、給気制御カム27及び排気制御カム28を回動させるアーム部材41が、リンク回動部材16に枢設されている。アーム部材41の先端部には回動可能なローラ部材43設けられており、このローラ部材43が給気制御カム27の曲面部32、及び排気制御カム28の曲面部36を押圧しながら転動して、ローラ部材43が給気制御カム27及び排気制御28カムを回動させるようになっている。ローラ部材43が凹部31、35に位置するときは、ローラ部材43は、給気制御カム27及び排気制御カム28のいずれも回動させない、中立位置にある状態となっている(図11参照)。またアーム部材41の他端は、リンク回動部材16に枢設されているギア部材45と、弾性部材であるスプリング部材47により連結されている。
<ギア部材及びアーム部材>
ギア部材45は、円盤状部材の一部に所定角度の切り欠きを設けた板状部材であり、外周の一部に凹凸状に連続する溝である歯合部48が形成され、さらに切り欠きの両端断面は壁面としてのギア壁50a、50bが形成されている。
図1〜図3に示すアーム部材41及びギア部材45については、他の図面を参照して詳述する。図8はリンク回動軸体に枢設されたアーム部材とギア部材の斜視図、図9は図8と異なる方向から見た、リンク回動軸体に枢設されたアーム部材とギア部材の斜視図、図10はリンク回動軸体に枢設されたギア部材の斜視図である。
図1及び図8に示すように、リンク回動軸体16の一端側であるXリンク15aの取り付け側に、アーム部材41、ギア部材45及びXリンク15aの順にそれぞれリンク回動軸体16に枢設されている。アーム部材41は大小の板状部材を、大きい板部材をギア部材45の側にして、離間配置してそれぞれ連結した構造であり、この大小の板状部材の先端の間に、回動可能なローラ部材43が取り付けられている。ローラ部材43は上記したように、給気制御カム27の曲面部32、及び排気制御カム28の曲面部36を押圧しながら転動することで、ローラ部材43が給気制御カム27及び排気制御カムを回動させるものである。アーム部材41を構成する大きい板状部材のギア部材側には、アーム円筒部51が垂下形成されており、さらにアーム円筒部51の一部を含むアーム壁53が形成されている。
図8〜図10に示すように、リンク回動軸体16に枢設されるギア部材45は、円盤状部材の一部に所定角度の切り欠きを設けた板状部材であり、アーム部材41に向けたギア部材45の面上には円筒状のギアピン55が止着されている。ギア部材45とアーム部材41とは引っ張りばねのスプリング部材47で連結されていると共に、ギア部材45上のギアピン55にアーム部材41のアーム壁53が当接してスプリン部材47による弾性力に抗している。ギア部材45の外周上、ギア壁50b側の外周側にはギア歯合部48が形成され、ギア壁50aの側の外周側には突出した形状のギア突起部56が形成されている。またギア部材の外周途中には凹部としてのギア溝部57が形成されている。
<ロック片(係止手段)>
図1〜図3の説明に戻る。図2及び図3に示すように他方のリンク部材20bには、ギア部材45の歯合部48と歯合してギア部材を係止するロック片60及びロック片60を歯合部48に常時付勢して係止させるスプリング部材61が、この係止を解除する解除部材62と共に取り付けられている。ロック片60のギア部材45に面する側には歯合部48と歯合するように、凹凸状に連続する溝である歯合部49が形成されている。解除部材62は、ロック片60の歯合部49の反対側の端部に接続する棒状部材であり、スプリング部材61による付勢によって常時ギア部材45を係止しているロック片60を引き離して係止を解除するものである。解除部材62を操作する解除装置(図示せず)に接続している。
図2及び図3に示すように、他方のリンク部材20bにはリンクピン部材である円筒状のリンクピン64が止着されており、リンクピン64にギア部材45のギア壁50a、50bがギア部材45の回動方向に応じて交互に当接するようになっている。回動方向に応じて交互に当接することで、ギア部材45の回動に制限を与え、設定可能な基準高さ位置の許容範囲を定めることができるようになっている。ギア壁50a、50bの間であるギア部材45の切り欠きの角度を変更すること、例えば切り欠き角度の異なるギア部材45に交換することで基準高さ位置の許容範囲を変更することができ、さらにまた口径の異なるリンクピン64に交換することによっても基準高さ位置の許容範囲を変更することができるようになっている。
<リンクピンとハイトリミッター>
さらに図2及び図3に示すように、アッパーフレーム13の上昇の限界点を設定するために、ギア部材45の回動を阻止すべくギア突起部56と所定の位置で当接するギア部材当接部材である円筒状のリミッターピン65が、一方のリンク部材20aに止着されている。詳細な動作説明は後述する。
次に図4及び図5を参照して、本発明に係る車両シート用エアサスペンション装置11の詳細をさらに説明する。図4(a)は図1のB−B矢視図、同じく(b)は図1のC−C矢視図、図5(a)はアーム部材とバルブ本体を除いた図1のC−C矢視図、同じく(b)は図1のD−D矢視図である。
<ロックブラケット>
図4及び図5(a)に示すように、アーム部材41とギア部材45の間には、略L字形の板状部材であるロックブラケット67が、一方のリンク部材20aに回動可能に取り付けられている。ロックブラケット67の一端側は鉤状の突起部67aが形成され、他端側は矩形状端部67bとなっており、略中心付近には一方のリンク部材20aに対して回動可能となるロックブラケット枢設軸69が設けられている。さらに突起部67a側には止着部材23から延びるワイヤ70が係止されており、またロックブラケット枢設軸69を間にした反対側には止着部材23と連結する引っ張りばねのスプリング部材71が止着されている。スプリング部材71がロックブラケット67を止着部材23方向に常時付勢することで、ワイヤ70の引っ張り操作を確実にすることができる。ワイヤ70はワイヤ取付具72により止着部材23を貫通して取り付けられている。止着部材23を貫通したワイヤ70は、ワイヤ70を操作する回動装置(後述する)に連結されている。
ロックブラケット67の突起部67側付近には、ロックピン部材であるロックピン68が設けられており、ロックブラケット67の回動によりロックピン68はギア部材45のギア溝部57に嵌合し、ギア部材45係止をするようになっている。
ここでロックブラケット67の回動操作による各態様について、図12を参照して説明する。図12(a)〜(f)はロックブラケット及びその回動手段である回動装置の操作段階毎の説明図である。図12(a)と(b)とにより示す態様は、車両シートの下降装置ONの状態を示し、(c)と(d)により示す態様は、設定基準位置維持機構ONの状態を示し、(e)と(f)により示す態様は、サスペンションロックONの状態を示すものである。
<下降装置>
図12(a)に示すロックブラケット67の突起部67aに係止されているワイヤ70は、図12(b)に示すワイヤ70に連続しているものである(図12(c)と(d)及び(e)と(f)も同様に連続している)。そしてワイヤ70は回動装置75の回動片部材75aに係止されている。回動片部材75aは回動レバー75bの回動操作によって共に回動するようになっている。さらに回動レバー75bは先端に設けられている操作ボタン75cを押すことで回動可能となるようになっている。なお操作ボタン75cは、回動レバー75bが下降装置ONの状態(図12(b))及び設定基準位置維持機構ONの状態(図12(d))の位置にあるときは、回動レバー75bの内部にあるバネの反力で飛び出るようにして、スプリング部材71の弾性力による回動装置75の回動誤作動の防止が設定されている。
図12(a)(b)の下降装置ONの状態は、回動レバー75bを約45度上に回動したときに、回動レバー75bと共に回動する回動片部材75aに係止されたワイヤ70が回動装置75の側に引き寄せられ、ロックブラケット67がスプリング部材71の弾性力に抗して、ロックブラケット枢設軸69を中心に時計回りに回動する。このときロックブラケット67の矩形状端部67bは、図4(b)、図5(a)及び図8に示すようにアーム円筒部51に当接してアーム部材41をリンク回動軸体16を中心に反時計回りに回動させる。このアーム部材41の回動にしたがって、その先端にあるローラ部材43が排気制御カム28を回動させて、第1の排気弁83(図13参照)を開かせ、強制排気の状態にする。
ここでアーム部材41とギア部材45の間に作用するロックブラケット67の位置関係を図7を参照して説明する。図7(a)は図3のリンク回動軸体67の周辺の要部の説明図で、(b)は(a)のG矢視図である。
図7(a)(b)に示すように、ロックブラケット67は一方のリンク部材20aに設けられているロックブラケット枢設軸69に回動可能に設けられており、時計回りに回動すると、矩形端部68bはギアピン55の上を接触することなく通過して、アーム円筒部51に当接する(図8参照)。これにより、アーム41はギア部材45との間で連結されているスプリング部材47の付勢に抗して反時計回りに回動し、ローラ部材43が排気制御カム28を回動させて、第1の排気弁を開かせ、強制排気の状態にする。
<設定基準位置維持機構>
次に、上記した図12(a)(b)の下降装置ONの状態から図12(c)及び(d)に示す設定基準位置維持機構ONの状態への移行を説明する。図12(c)及び(d)に示すように、操作ボタン75cを押してロックを外し、回動レバー75bを水平方向やや下向きに回動したときに、ワイヤ70がスプリング部材71の弾性力によりロックブラケット67の側に引き寄せられ、ロックブラケット67が反時計方向に回動する。これによりロックブラケット67の矩形状端部67bはアーム円筒部51から離れ、アーム部材41はスプリング部材47の弾性力により時計回りに回動する。回動したアーム部材41は、アーム壁53がギアピン55に当接した位置で回動が阻止される(図8参照)。このときロックブラケット67の矩形状端部67bは、アーム円筒部51の上部を通過することで、双方が当接しない配置構造となっている。
上記したようにロックブラケット67との当接が解除されたとき、アッパーフレーム13が設定基準位置よりも低い位置にあれば、Xリンク15a、15bの回動によりローラ部材43が給気制御カム27を回動させて第1の給気弁を開き、エアタンク18の内圧が上昇し、アッパーフレーム13が設定基準位置に復帰する。またアッパーフレーム13が設定基準位置よりも高い位置にあれば、Xリンク15a、15bの回動によりローラ部材43が排気制御カム28を回動させて第1の排気弁を開き、エアタンク18の内圧が減少し、アッパーフレーム13が設定基準位置に復帰する。このようにロックブラケット67が図12(c)(d)の位置にあるときには、車両シート用エアサスペンション装置11の設定基準位置維持機構が働く状態になっている。
<サスペンションロック>
次に、上記した図12(c)(d)に示す設定基準位置維持機構ONの状態から図12(e)及び(f)のサスペンションロックONの状態への移行を説明する。
図12(e)及び(f)に図示しするように、操作ボタン75cを押してロックを外し、回動レバー75bを水平方向やや下向から45度下向き回動したときに、ワイヤ70がスプリング部材71の弾性力によりロックブラケット67の側に引き寄せられ、ロックブラケット67が反時計方向に回動する。これによりロックブラケット67のロックピン68(図4(a)(b)参照)がギア溝部57に嵌め込まれ、ギア部材45の回動が阻止される。図12(e)(f)の状態において、ロックブラケット67は一方のリンク部材20aに対してその回動が阻止されるので、ギア部材45も同様に一方のリンク部材20aに対して回動が阻止される。さらにギア部材45は、ロック片60及びスプリング部材61を介して他方のリンク部材20bに係止しているので、他方のリンク部材20bに対しても回動が阻止されている。したがって、Xリンク15a、15bの回動が阻止され、アッパーフレーム13の上下動がなされず、エアサスペンションがロックされた状態となっている。
図5(b)は、アーム部材41及びロックブラケット67よりもギア部材45が最もXリンク15aに接近した位置を示すものである。ギア部材45はリンク回動軸体16に回動可能に取り付けられ、係止手段であるロック片60及びスプリング61を介して他方のリンク部材20bに常時係止されている。なお解除装置(図示せず)により解除部材62を操作し、ロック片60とギア部材との係止を解除することができる。
図6(a)は、図1のE−E矢視図、同(b)は図1のF−F矢視図である。図6(a)及び(b)に示すように、一方のリンク部材20aは、ロアフレーム12及びアッパーフレーム13の側に位置し、他方のリンク部材20bはエアタンク18のある内側に位置し、リンク回動軸体16にて回動可能に交差し、Xリンク15aを構成している。Xリンク15b(図1参照)は、Xリンク15aと左右対称に位置し、同じくリンク回動軸体16に枢設されている。Xリンク15a、15bを連結する連結軸体19a、19bはロアフレーム12、アッパーフレーム13に枢設されており、連結軸体24a、24bはロアフレーム12、アッパーフレーム13に前後移動可能に枢設されている。
図13は、エアタンク18への給気、排気の管路概要図である。図13に示すように、エアタンク18にコンプレッサからの圧縮空気を給気する管路81が配設されており、管路81の途中には止着部材23(図3等参照)に止着される第1のバルブ本体21が設けられている。第1のバルブ本体21には、上記した給気制御カム27及び排気制御カム28により弁開閉の制御をする、第1の給気弁82及び第1の排気弁83が内蔵されている。
また管路81の途中には、給排操作装置(図示せず)により給気排気を任意に操作するための第2の給気弁85及び第2の排気弁86を内蔵した第2のバルブ本体87が設けられている。給気と排気によりエアタンク18の圧力を変動させて、アッパーフレーム13の高さを調整し、基準高さ変更を行うためである。基準高さ変更機構についての動作の詳細は後述する。
次に本発明に係る車両シート用エアサスペンション装置11の動作について、図14〜図17を参照して説明する。図14はリミッターピンとギア突起部との当接の説明図(ハイトリミッター)で、(a)は当接前の状態説明図、(b)は当接の状態説明図、図15(a)〜(e)はロックブラケットを作動させた各状態のエアサスペンション装置の動作説明図(ロックブラケットによる3段切替)、図16(a)〜(d)は基準高さの設定変更の動作を示す説明図、図17(a)〜(d)は基準高さ設定許容範囲の動作を示す説明図である。
<ハイトリミッター(高さ位置制限)>
図14(a)は基準高さとして設定された状態を示すもので、エアサスペンション装置の自重、車両シートの自重及び乗員の体重等(以下「荷重」と略す)とエアタンク18(図1等参照)の圧力とが均衡を保っている状態を示すものである。このときアーム部材41の先端にあるローラ部材43は、給気制御カム27の凹部35と排気制御カム28の凹部31が重なった位置にあり、給気制御カム27及び排気制御カム28のいずれにも作用することなく、エアタンク18への給気、排気は行われていない。上記均衡状態のときに、ローラ部材43が、凹部35と凹部31とがの重なった位置にあるように設定することで、基準高さが設定されるものである。このときアーム部材41とギア部材45はスプリング部材47で連結され、かつギア部材45はロック片60及びスプリング部材61により他方のリンク部材20bに係止されている。
次に図14(b)に示すように、例えば乗員が車両シートから立ち上がりエアタンク18への荷重が減少すると、エアタンク18の圧力(内圧)によりアッパーフレーム13は上昇する。アッパーフレーム13の上昇に伴い、Xリンク15a、15b(図示せず)が回動し、Xリンク15aを構成する一方のリンク部材20aはリンク回動軸体16を中心に時計回りに回動し、他方のリンク部材20bはリンク回動軸体16を中心に反時計回りに回動する。そしてアッパーフレーム13が所定の距離上昇したときに、ギア部材45のギア突起部56が、一方のリンク部材に設けたギア部材当接部材であるリミッターピン65に当接するので、一方のリンク部材20a及び他方のリンク部材20bの双方とも回動は阻止され、アッパーフレーム13のそれ以上の上昇も阻止される。
そしてアッパーフレーム13の上昇が阻止されると、この上昇によってアッパーフレーム13は設定基準高さよりも高い位置にあるので、ローラ部材43は排気制御カム28を回動させる位置にあり、第1の排気弁83を開かせるので(図13参照)、エアタンク18の圧力が低下してアッパーフレーム13は降下する。アッパーフレーム13の降下により一方のリンク部材20a及び他方のリンク部材20bは、反転して回動し、ローラ部材43が排気制御カム28を回動させる位置から、凹部31(凹部35)の位置に移動し、エアタンク18からの排気を停止させ、乗員の降車によって軽量となった荷重とエアタンクとが均衡し、アッパーフレーム13は設定基準高さで一定となる。すなわち設定していた基準高さに戻ることになる。
このようにアッパーフレーム13の所定以上の上昇が抑えられるので、例えば降車の際における車両シートの必要以上の上昇が抑えられ、乗員の降車の支障となることが防止される。
<ロックブラケットによる3段切替>
次に図15を参照して、ロックブラケットを3段階に回動させたときの各状態の動作を説明する。図15(a)は設定基準位置維持機構が作動(ON)し、設定基準高さ位置にあるときのロックブラケット周辺の状態を示す説明図、図15(b)は図15(a)の状態にあるときにロックブラケットの回動によりサスペンションロックが作動(ON)した状態を示す説明図、図15(c)は図15(b)の状態にあるときにロックブラケットの回動により下降装置が作動(ON)したときの状態の説明図、図15(d)は下降装置により下降した後のロックブラケット周辺の状態を示す説明図、図15(e)は図15(d)の状態において下降装置の解除(OFF)から設定基準位置維持機構をONにしたときのロックブラケット周辺の状態を説明する説明図である。なおこの動作説明においては、適宜図1〜5及び図12等を参照する。
図15(a)に示すように、本発明に係る車両シート用エアサスペンション装置11は、設定基準位置維持機構が作用している状態で、このとき車両シート用エアサスペンション装置11にかかる荷重とエアタンク18の圧力とは均衡状態にある。この状態では、ローラ部材45は、給気制御カム27の凹部35と排気制御カム28の凹部31とが重なっている位置、すなわち給気及び排気の働かない中立位置にある。ロックブラケット67は、アーム41及びギア部材45のいずれにも作用することのない位置にある(図12(c)、(d)の設定基準位置維持機構ONの状態)。
設定基準位置維持機構が作用(ON)している状態にあっては、荷重が減少してアッパーフレーム13が上昇すると、一方のリンク部材20aは、時計回りに回動し、他方のリンク20bが反時計回りに回動すると、ローラ部材43も反時計回り回動して排気制御カム28を回動させ、第1の排気弁83によりエアタンク18から排気させる。これによりアッパーフレーム13が降下し、ローラ部材43は排気制御カム28を回動させる位置から、給気及び排気の働かない中立位置(凹部31、35)に戻り、アッパーフレーム13は設定基準高さとなる。
また荷重が増加してアッパーフレーム13が下降し、一方のリンク部材20aが反時計回りに、他方のリンク20bが時計回りに回動すると、ローラ部材43も時計回りに回動して給気制御カム27を回動させ、第1の給気弁82を開いてエアタンク18へ給気させる。これによりアッパーフレーム13が上昇し、ローラ部材43は、給気制御カム27を回動させる位置から、給気及び排気の働かない中立位置(凹部31、35)に戻り、アッパーフレーム13が設定基準高さとなる。このようにして荷重の変動があっても設定基準位置維持機構が作用(ON)すると、設定された基準高さ位置(適宜「基準位置」という)に戻るように調整される。
次にロックブラケット67によるサスペンションロックONの状態について図15(b)を参照して説明する。サスペンションロックは基準高さ位置にあるときに、ロックブラケット67を回動装置75により回動させて(図12(e)(f))、ロックピン68をギア部材45の溝部57に嵌め込むことによりXリンク15a、15bの回動を阻止し、アッパーフレームの上下動を停止させるものである。
図15(b)は、図15(a)の基準高さ位置の状態にあったときに、図12(e)(f)に示すようにロックブラケット67を回動させてロックピン68をギア部材45の溝部57に嵌め込んだものである。これによりアッパーフレーム13は上昇、降下のいずれの動作もすることができず、基準高さ位置に固定されることになる。このサスペンションロックは、たとえば設定基準位置維持機構が作用(ON)するときの車両シートの上下動が煩わしいと感じるとき等に使用できる。



次に降下装置ONの前後の状態を図15(c)及び(d)を参照して説明する。図15(c)は、図15(b)のサスペンションロックONの状態のとき、図12(a)(b)に示すようにロックブラケット67を時計回りに回動させて、ロックブラケット67の矩形端部68bによりアーム部材41を反時計回りに回動させたときの状態を示したものである(図15(c)中の「a1」はアーム部材41及びローラ部材43の回動角度を示す)。このときローラ部材43も同様に反時計回りに回動させられるので、これにより排気制御カム28を回動させて第1の排気弁83を開き、エアタンク18から排気が行われる。
図15(d)は、降下装置ONによりエアタンク18からの排気が行われ、アッパーフレーム13が降下し、ロックロックブラケットを回動(角度a2)させて設定基準位置維持機構を作用(ON)させたときの状態を示す説明図である。なお図15(d)(e)ではロックブラケット67の回動状態を表示するため、スプリング部材71の表示を省略している。
図15(d)に示すように、ロックブラケット67を図12(c)(d)に示す設定基準位置維持機構を作用(ON)させる位置に回動させたとき、アッパーフレーム13が設定基準高さ位置よりも低い位置となっているため、Xリンク15a、15bの回動によりローラ部材43は時計回りして給気制御カム27回動させる位置に回動する。このときアーム部材41は、ロックブラケット67との当接が解除され、スプリング部材47の弾性力によりアーム壁53がギアピン55に当接する位置まで回動する(角度a0)。
上記したように給気制御カム27がローラ部材43により回動させられると、第1の給気弁82が開き、エアタンク18に圧縮空気が供給され、アッパーフレーム13は上昇し、図15(a)の位置に戻ることになる。このときエアタンク18の圧力と荷重とが均衡し、ローラ部材43は給気及び排気の働かない中立位置(凹部31、35)に戻り、アッパーフレーム13は設定基準高さとなる。
このように、ロックブラケット67を回動操作することで、例えば下降装置により車両シートを降下させれば、ステアリングの位置が支障とならずに乗降が容易となる。また自動高さ調整による変動が煩わしいと感じるときに、またサスペンションロックにより好みの高さに固定することができる。ロックブラケット67を回動装置75に3段階に回動させることで、サスペンションロックON、設定基準位置維持機構ON及び下降装置ONと容易に切り換えることができる。
<基準高さ変更機構>
次に、基準高さを変更する基準高さ変更機構について図16を参照して説明する。図16(a)〜(d)は基準高さの設定変更の動作を示す説明図である。図16では下限高さに設定された場合から上限高さ位置に設定変更する場合を説明する。
図16(a)は下限となる位置に、基準高さが設定されているときのXリンク周辺の状態説明図である。この状態で、ローラ部材43は給気及び排気の働かない中立位置(凹部31、35)にある。このような基準高さ位置にあるときに、基準高さ位置を変更することができる。まず解除装置(図示せず)により解除部材62を操作してロック片60とギア部材45との係止を解除する。次に図13に示す上下位置調整用の給気排気バルブである第2のバルブ本体87にある第2の給気弁85を開き、エアタンク18に給気してアッパーフレーム13を上昇させる。なおアッパーフレーム13の下降は第2の排気弁86を開いてエアタンク18から排気させるが、図16では高さ位置の上昇の場合を説明する。上昇、下降は、給気と排気との作用による違いにすぎないからである。
図16(b)に示すように、エアタンク18への給気による圧力上昇によってアッパーフレーム13は上昇する(上昇距離「A1」)。アッパーフレーム13の上昇に伴って一方のリンク部材20aは時計回りに回動し、他方のリンク部材20bは反時計回りに回動する。このときローラ部材43は、給気制御カム27と排気制御カム26の重なり合う凹部31、35に位置し、さらに両側を突起部33、30に交互に当接して当該位置を保持する(図11参照)。
他方のリンク部材20bとの回転規制を解除されたギアは、図16(b)に示すように他方のリンク部材20bに対し角度Yだけ時計回りに回動して、ギア壁50bが他方のリンク部材20bに止着されたリンクピン64に当接することで、回動が止められる。
ギア部材45の回動が止められると、アッパーフレーム13の上昇継続によりギア部材45は反時計回りに回動し、ギア部材45とスプリング部材47で連結されているアーム部材41のローラ部材43が図16(c)に示すように、排気制御カム28を回動させる。この排気制御カム28の回動により、第1の排気弁83が開く(13参照)。このときアッパーフレーム13は上限高さ(下限からの上昇距離「A1」)越えた位置にある(図16(c)13’位置参照)。
図16(c)では、第2の給気弁85を開いていることによる給気と、第1の排気弁83が開いたことによる排気とが混在している状態である(図13参照)。このとき第2の給気弁85を閉じ、ロック片60によりギア部材及びこれに連結するアーム部材41を係止すれば、ロックブラケット67が図12(c)(d)の設定基準位置維持機構ONの位置にあるので、ローラ部材43が排気制御カム28を回動させて、アッパーフレーム13は下降する。
そして図16(d)に示すように、アッパーフレーム13はA1の高さの位置に戻り、上限高さ位置に基準高さが変更されたことになる。このようにギア壁50bがリンクピン64に当接することで上限高さ位置に基準高さが変更でき、またリンクピン64に当接するまでの任意の高さ位置に基準高さを変更できることになる。なお下限高さは反対位置にあるギア壁50aがリンクピン64に当接するときの高さになる。
このように、ギア部材45のギア壁50a、50bによる開口角度により、ギア部材45の回動角度Yが決まるので、高さ調整量A1が開口角度で調整可能となるものである。
<高さ位置調整範囲の変更機構>
次に図17を参照して、高さ位置調整範囲の変更について説明する。図17(a)は下限高さ位置、(b)は上限高さ位置、にそれぞれあるときのXリンク周辺の状態説明図であり、(c)はリンクピン64の口径を大きくした場合の下限高さ位置、(b)は同じく上限高さ位置、にそれぞれあるときのXリンク周辺の状態説明図である。
図16で説明したように、高さ位置設定が調整可能となる上限下限範囲をギア部材45の開口角度で決定できることを説明したが、ギア部材の開口角度の変更の他に、リンクピン64の口径を変更することで上限下限高さを変更することができる。
図17(a)(b)に示すように、リンクピン64がギア壁50aに当接した下限位置(図17(a))から上限位置(図17(b))までの高さ範囲(A1)が定まる。次に図17(c)(d)に示すように、ギア部材45の開口角度をそのままにして、リンクピン64の口径をより大きなものに変更する。
図17(c)(d)に示すように、リンクピン64がギア壁50aに当接した下限位置(図17(c)から上限位置(図17(d))までの高さ範囲(A2)が定まることになる。このように、リンクピン64の口径変更によってもアッパーフレーム13の高さの上限下限の範囲を変更することができる。
すなわち、エアサスペンション装置の高さの上限下限の範囲を、ギア部材の開口角度の変更や、リンクピンの口径の変更という、簡単簡便な装置変更によって達成できるものである。
なお本実施形態では、ロックブラケット67による3段階の切替を説明したが、3段階の角度位置の回動に替えて、設定基準位置維持機構の作動状態から
下降装置作動へ切替える2段階切替え、あるいは設定基準位置維持機構の作動状態からサスペンションロックへの切替える2段階切替えであってもよい。
11 車両シート用エアサスペンション装置
12 ロアフレーム
13 アッパーフレーム
15a、15b Xリンク
18 エアタンク
20a 一方のリンク部材
20b 他方のリンク部材
27 給気制御カム
28 排気制御カム
41 アーム部材
43 ローラ部材
45 ギア部材
55 ギアピン
57 ギア溝部
67 ロックブラケット
68 ロックピン
75 回動装置
82 第1の給気弁
83 第1の排気弁
85 第2の給気弁
86 第2の排気弁

Claims (13)

  1. 車両の床面又は該床面上のスライドレールに設置されるロアフレームと、
    車両の座席シート下部に設けられ、前記ロアフフレームの上部に位置するアッパーフレームと、
    前記座席シートの左右側面にそれぞれ位置し、前記ロアフレームと前記アッパーフレームとに接続して前記アッパーフレームを上下に移動可能とし、相互間を結ぶ軸体に枢設形成された一対のXリンクと、
    圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化によって前記アッパーフレームを上下に移動させる空気ばねのエアタンクと、
    該エアタンクへの給気管を開閉する第1の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第1の排気弁と、
    前記座席シートの左右側面の何れか一つのXリンクを形成する一方のリンク部材に設けられ、前記第1の給気弁の開閉を制御する給気制御カムと、該給気制御カムと相対位置を調整可能として一体となるように係止され、前記第1の排気弁の開閉を制御する排気制御カムと、
    前記軸体に枢設され、前記Xリンクの回動の方向に応じて前記給気制御カム又は前記排気制御カムを回動させるアーム部材と、
    前記軸体に枢設され、前記アーム部材と弾性部材により連結される、ギア部材と、
    前記Xリンクを形成する他方のリンク部材に設けられ、前記ギア部材を係止する係止手段と、
    該係止手段によ前記他方のリンク部材に対する前記係止を所定操作により一時解除する解除手段と、
    前記エアタンクへの給気管を開閉する第2の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第2の排気弁と、を備え、
    前記アッパーフレームが予め基準高さとして設定された位置にあるときには、前記アーム部材が、前記給気制御カム及び前記排気制御カムのいずれにも作用しない中立位置にあり、前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に下降したときには、その下降に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記給気制御カムを回動させて前記第1の給気弁を開き、前記エアタンクの圧力を上昇させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻し、また前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に上昇したときには、その上昇に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記排気制御カムを回動させて前記第1の排気弁を開き、前記エアタンクの圧力を低下させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻す設定基準位置維持機構と、
    前記解除手段により前記係止手段による前記ギア部材への係止を解除すると共に、前記第2の給気弁又は前記第2の排気弁の開閉により前記エアタンクの圧力変化により前記アッパーフレームを上下させて新たな所定位置を基準高さとする基準高さ変更機構と、を備えた車両シートのエアサスペンション装置であって、
    前記一方のリンク部材に枢設された板状部材のロックブラケットと、該ロックブラケットを回動させる回動手段と、を更に備え、
    前記回動手段は、前記ロックブラケットを回動させて、前記ロックブラケットに設けられたロックピン部材を前記ギア部材に設けられた凹部状の溝部に嵌合させて係止させる第1の角度位置と、前記ロックブラケットの他端を前記アーム部材に当接し、該アーム部材を回動させ、前記排気制御カムの回動により前記第1の排気弁を開く第2の角度位置と、前記設定基準位置維持機構が機能する位置となる第3の角度位置とに切換え可能であることを特徴とする車両シートのエアサスペンション装置。
  2. 車両の床面又は該床面上のスライドレールに設置されるロアフレームと、
    車両の座席シート下部に設けられ、前記ロアフフレームの上部に位置するアッパーフレームと、
    前記座席シートの左右側面にそれぞれ位置し、前記ロアフレームと前記アッパーフレームとに接続して前記アッパーフレームを上下に移動可能とし、相互間を結ぶ軸体に枢設形成された一対のXリンクと、
    圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化によって前記アッパーフレームを上下に移動させる空気ばねのエアタンクと、
    該エアタンクへの給気管を開閉する第1の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第1の排気弁と、
    前記座席シートの左右側面の何れか一つのXリンクを形成する一方のリンク部材に設けられ、前記第1の給気弁の開閉を制御する給気制御カムと、該給気制御カムと相対位置を調整可能として一体となるように係止され、前記第1の排気弁の開閉を制御する排気制御カムと、
    前記軸体に枢設され、前記Xリンクの回動の方向に応じて前記給気制御カム又は前記排気制御カムを回動させるアーム部材と、
    前記軸体に枢設され、前記アーム部材と弾性部材により連結される、ギア部材と、
    前記Xリンクを形成する他方のリンク部材に設けられ、前記ギア部材を係止する係止手段と、
    該係止手段によ前記他方のリンク部材に対する前記係止を所定操作により一時解除する解除手段と、
    前記エアタンクへの給気管を開閉する第2の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第2の排気弁と、を備え、
    前記アッパーフレームが予め基準高さとして設定された位置にあるときには、前記アーム部材が、前記給気制御カム及び前記排気制御カムのいずれにも作用しない中立位置にあり、前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に下降したときには、その下降に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記給気制御カムを回動させて前記第1の給気弁を開き、前記エアタンクの圧力を上昇させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻し、また前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に上昇したときには、その上昇に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記排気制御カムを回動させて前記第1の排気弁を開き、前記エアタンクの圧力を低下させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻す設定基準位置維持機構と、
    前記解除手段により前記係止手段による前記ギア部材への係止を解除すると共に、前記第2の給気弁又は前記第2の排気弁の開閉により前記エアタンクの圧力変化により前記アッパーフレームを上下させて新たな所定位置を基準高さとする基準高さ変更機構と、を備えた車両シートのエアサスペンション装置であって、
    前記一方のリンク部材に枢設された板状部材のロックブラケットと、該ロックブラケットを回動させる回動手段と、を更に備え、
    前記回動手段は、前記ロックブラケットを回動させることにより、前記設定基準位置維持機構の作動状態から、前記ロックブラケットに設けられたロックピン部材を前記ギア部材に設けられた凹部状の溝部に嵌合させて係止させる状態の角度位置に、又は前記ロックブラケットの他端を前記アーム部材に当接し、該アーム部材を回動させ、前記排気制御カムの回動により前記第1の排気弁を開く状態の角度位置のいずれかに、切換え可能であることを特徴とする車両シートのエアサスペンション装置。
  3. 前記他方のリンク部材には更に所定径サイズのリンクピン部材が設けられ、
    前記ギア部材は、円盤状部材の一部に所定角度の切り欠きを設けた板状部材であり、
    前記基準高さ変更機構により前記ギア部材が前記係止を解除されると、前記アーム部材が、前記アッパーフレームの上下動の際に、前記給気制御カムと前記排気制御カムの何れにも作用しない前記中立位置にあるときに、前記ギア部材が前記一方のリンク部材と共に回動し、前記Xリンクの回動方向に応じて、前記ギア部材は前記開口の両端部を、それぞれ前記リンクピン部材に当接して回動を阻止さることにより、設定可能な前記基準高さの許容範囲を定めることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両シートの車両シートのエアサスペンション装置。
  4. 前記リンクピン部材は、口径の異なる他のリンクピン部材と交換可能なことを特徴とする請求項3に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  5. 前記給気制御カム及び前記排気制御カムは、一端に突起部が形成された凹部と、該凹部の他端に隣接する曲面部とを有する板状部材であり、該凹部を重ねて前記曲面部を位置するようにして互いに係止されると共に、前記一方のリンク部材に枢着され、
    更に前記アーム部材の先端には回動可能なローラ部材が設けられ、該ローラ部材は、前記アッパーフレームの下降に伴う前記Xリンクの回動により前記給気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記給気制御カムを更に回動させて前記第1の給気弁を開き、前記アッパーフレームの上昇に伴う前記Xリンクの回動により前記排気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記排気制御カムを更に回動させて前記第1の排気弁を開き、前記アッパーフレームが前記基準高さにあるときは重ねられた前記凹部に位置して前記中立位置にあることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  6. 前記ロックブラケットは、弾性部材により前記一方のリンク部材に係止されると共に、前記回動手段は前記弾性部材の弾性力に抗して前記ロックブラケットを回動させて、前記角度位置にそれぞれ切換えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  7. 前記一方のリンク部材には、前記設定基準位置維持機構により前記アッパーフレームが上昇したときに、前記ギア部材が当接するギア部材当接部材が設けられ、前記ギア部材の回動方向の先端にあるギア部材先端部が、前記ギア部材当接部材に当接して回動が阻止されることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  8. 前記一方のリンク部材又は前記他方のリンク部材の何れか一つは前記アッパーフレームに枢設され、他の一つは前記アッパーフレーム上を摺動又は回転可能なローラ部材を介して前後動可能に枢設され、前記ローラ部材は前後動する走行路の側壁に弾性部材により押圧され、前記走行路の上下壁には前記ローラ部材の走行用の離間距離を確保するカラー部材が挿着されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  9. 車両の床面又は該床面上のスライドレールに設置されるロアフレームと、
    車両の座席シート下部に設けられ、前記ロアフフレームの上部に位置するアッパーフレームと、
    前記座席シートの左右側面にそれぞれ位置し、前記ロアフレームと前記アッパーフレームとに接続して前記アッパーフレームを上下に移動可能とし、相互間を結ぶ軸体に枢設形成された一対のXリンクと、
    圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化によって前記アッパーフレームを上下に移動させる空気ばねのエアタンクと、
    該エアタンクへの給気管を開閉する第1の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第1の排気弁と、
    前記座席シートの左右側面の何れか一つのXリンクを形成する一方のリンク部材に設けられ、前記第1の給気弁の開閉を制御する給気制御カムと、該給気制御カムと相対位置を調整可能として一体となるように係止され、前記第1の排気弁の開閉を制御する排気制御カムと、
    前記軸体に枢設され、前記Xリンクの回動の方向に応じて前記給気制御カム又は前記排気制御カムに当接して作用するアーム部材と、
    前記軸体に枢設され、前記アーム部材と弾性部材により連結される、ギア部材と、
    前記Xリンクを形成する他方のリンク部材に設けられ、前記ギア部材を係止する係止手段と、
    該係止手段によ前記他方のリンク部材に対する前記係止を所定操作により一時解除する解除手段と、
    前記エアタンクへの給気管を開閉する第2の給気弁と、前記エアタンクからの排気管を開閉する第2の排気弁と、を備え、
    前記アッパーフレームが予め基準高さとして設定された位置にあるときには、前記アーム部材が、前記給気制御カム及び前記排気制御カムのいずれにも作用しない中立位置にあり、前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に下降したときには、その下降に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記給気制御カムを回動させて前記第1の給気弁を開き、前記エアタンクの圧力を上昇させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻し、また前記アッパーフレームが前記基準高さより所定の距離以上に上昇したときには、その上昇に伴う前記Xリンクの回動により、前記アーム部材が前記排気制御カムを回動させて前記第1の排気弁を開き、前記エアタンクの圧力を低下させて前記アッパーフレームを前記基準高さに戻す設定基準位置維持機構と、
    前記解除手段により前記係止手段による前記ギア部材への係止を解除すると共に、前記第2の給気弁又は前記第2の排気弁の開閉により前記エアタンクの圧力変化により前記アッパーフレームを上下させて新たな所定位置を基準高さとする基準高さ変更機構と、を備えた車両シートのエアサスペンション装置であって、
    前記他方のリンク部材には更に所定径サイズのリンクピン部材が設けられ、
    前記ギア部材は、円盤状部材の一部に所定角度の切り欠きを設けた板状部材であり、
    前記基準高さ変更機構により前記ギア部材が前記係止を解除されると、前記アーム部材は、前記アッパーフレームの上下の際に、前記給気制御カムと前記排気制御カムの何れにも作用しない中立位置にあるときに、前記ギア部材が前記一方のリンク部材と共に回動し、前記Xリンクの回動方向に応じて、前記ギア部材は前記開口の両端部を、それぞれ前記リンクピン部材に当接することにより、設定可能な前記基準高さの許容範囲を定めることを特徴とする車両シートのエアサスペンション装置。
  10. 前記リンクピン部材は、口径の異なる他のリンクピン部材と交換可能なことを特徴とする請求項9に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  11. 前記給気制御カム及び前記排気制御カムは、一端に突起部が形成された凹部と、該凹部の他端に隣接する曲面部とを有する板状部材であり、該凹部を重ね上下に前記曲面部を位置するようにして係止されると共に、前記一方のリンク部材に枢着され、
    更に前記アーム部材の先端には回動可能なローラ部材が設けられ、該ローラ部材は、前記アッパーフレームの下降に伴う前記Xリンクの回動により前記給気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記給気制御カムを更に回動させて前記第1の給気弁を開き、前記アッパーフレームの上昇に伴う前記Xリンクの回動により前記排気制御カムの曲面部を押圧、滑動して前記排気制御カムを更に回動させて前記第1の排気弁を開き、前記アッパーフレームが前記基準高さにあるときは重ねられた前記凹部に位置して前記中立位置にあることを特徴とする請求項9又は10に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  12. 前記一方のリンク部材には、前記設定基準位置維持機構により前記アッパーフレームが上昇したときに、前記ギア部材が当接するギア部材当接部材が設けられ、前記ギア部材の回動方向の先端にあるギア部材先端部が、前記ギア部材当接部材に当接して回動が阻止されることを特徴とする請求項9ないし11の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
  13. 前記一方のリンク部材又は前記他方のリンク部材の何れか一つは前記アッパーフレームに枢着し、他の一つは前記アッパーフレーム上を摺動又は回転可能なローラ部材を介して前後動可能に枢着され、前記ローラ部材は前後動する走行路の側壁に弾性部材により押圧され、前記走行路の上下壁には前記ローラ部材の走行用の離間距離を確保するカラー部材が挿着されていることを特徴とする請求項9ないし12の何れか一項に記載の車両シートのエアサスペンション装置。
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