JP5479640B1 - 建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】限られた床面積の中で、採光や換気に優れた広い収納室を低コストで確保できる建築物を提供する。
【解決手段】地盤面GL上に板状に設けたベタ基礎部61と、ベタ基礎部61の外周近傍より立ち上げた立上げ基礎部62とを含む基礎構造体21を具備し、立上げ基礎部62上に設けた複数の柱73と、これらの柱73の上部により支持させた横架材としての梁81,82及び床根太85とをさらに備えており、横架材の一部である床根太85の下方に天井パネル部材91を取り付けることで天井面を構成するとともに、複数の柱73に壁パネル部材93を設け、壁パネル部材93と立上げ基礎部62を基に壁面を構成し、ベタ基礎部61を床面として、これらの天井面、壁面、及び床面に仕切られた空間の少なくとも一部を収納室31として構成した。
【選択図】図9

Description

本発明は、限られた床面積を有効に活用しつつ広い収納スペースを確保した建築物に関するものである。
従来、戸建て住宅等の建築物において、快適な居住空間を実現するため、様々な間取りや構造を備えたものが提案されている。
その中でも、限られた床面積の中で広い収納スペースを確保することを目的に、下記特許文献1のような建物が提案されている。
これは、基礎の一部を地盤から1.2〜2.2mの高さにして、その基礎の一部に囲まれた床下空間を蔵型収納部としたものであり、このような構成にすることで大掛かりな地下室を設けることなく床下に広い収納スペースを確保することが可能となっている。
特許第2767779号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のような構成とすると、収納スペースの四方がコンクリート製の基礎によって囲まれるため、収納部の内部が暗く、湿気のこもったものとなってしまう。仮に、換気及び採光を目的として基礎の一部に換気口を設ける場合であっても、その換気口をコンクリート製の基礎に対して自由な位置に設けることは困難であるため、上記の問題を解消するには至らない。換気扇や窓を設けることも考えられるが、これらをコンクリート製の基礎に対して組み込むことは困難であるため、こうした手段を採る場合には製造コストの大幅な上昇に繋がる。
また、特許文献1のような構成とすることで、基礎が大型化して重量が大幅に増加するため、布基礎構造や独立基礎構造を前提とした場合には地盤への沈み込みを考慮する必要があるため、地盤調査や地盤改良等の必要性が増し、一層、工事費用が増大する恐れがある。
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、限られた床面積の中で、採光や換気に優れた広い収納室を備えた建築物を、低コストで提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の建築物は、地盤面上に基礎構造体を介して居室スペースを設け、居室スペースと地盤面の間に前記居室スペースよりも天井高さの低い収納室を構成するものであって、前記基礎構造体が、地盤面上に板状に設けたベタ基礎部と、当該ベタ基礎部の外周近傍より立ち上げた立上げ基礎部とを含んでいて、前記立上げ基礎部上に土台を介し複数の柱を設けて、これらの柱の上部に床根太を含む横架材を支持させており、前記床根太の下に天井パネル部材を取り付けることで天井面を、前記複数の柱に壁パネル部材を設け当該壁パネル部材、前記土台および前記立上げ基礎部を基に壁面を、さらに前記ベタ基礎部によって床面をそれぞれ構成して、これらの天井面、壁面、及び床面によって仕切られた空間の少なくとも一部を収納室とするとともに、前記床根太の上に床パネル部材を設けることで第2の床面を構成し、当該第2の床面より上方の空間を居住スペースとしたことを特徴とする。
このように構成すると、建築物に必須となる基礎構造体のうちベタ基礎部を床面、立上げ基礎部を壁面の一部として利用して、立上げ基礎部上に柱を追加することで天井高を確保して、その内部に広い収納室を構成することができ、収納室の設置に掛かる製造コストの上昇を抑えることができる。さらには、壁面の上側が柱を中心として設けた壁パネル部材となっているため、窓や換気扇を容易に設けることができ、収納室内部を明るく快適なものにすることができる。また、基礎構造体を従来のベタ基礎構造と同様に構成することができ、地盤改良等のためのコスト上昇も従来と同等に抑えることができる。
さらに、前記床根太の上に床パネル部材を設けることで第2の床面を構成し、当該第2の床面より上方の空間を居住スペースとしているため、広い収納室と広い居住スペースを両立させるとともに、さらに構造を簡略化させて一層製作コストの低減を図ることができる。
具体的には、ベタ基礎部の外周に沿った壁面と、床面と、天井面とによって仕切られた空間のほぼ全体を収納室としているものや、ベタ基礎部の外周に沿った壁面と、内部壁とによって収納室を小さく仕切ることで、収納室の上の第2階層に対して当該収納室を、床面積の判断に用いられる基準比率以下の床面積とし、階数の判断に用いられる基準値以下の天井高さとしているものが挙げられる。
さらに材料の無駄を省くとともに物流コストを低減して、製造コストを削減するためには、前記居住スペースを形成するための複数の第2の柱を前記横架材上に設け、前記横架材を支持する柱及び前記第2の柱の少なくとも一部を、前記横架材を挟んで上下に連続するように配しつつ、横断面形状を同一とするように構成することが好適である。
また、簡単な構成でありながら、収納室内における天井としての見た目を損なうことなく、居住スペース内における断熱性を高めることを可能とするためには、前記天井パネル部材を発泡樹脂により形成することが好適である。
また、より強度の高い強固な構造とするためには、前記収納室を含む第1階層内において床面より天井面まで立ち上げられた第1の内部壁が設けられており、当該第1の内部壁が、前記第2の床面を含む第2階層内に設けられた第2の内部壁と平面視略同一の位置に配されるように構成することが好適である。
また、より収納室の使い勝手を向上させ、利便性を高めるためには、前記収納室と前記居住スペースとを連結する階段を内部に備えるように構成することが好適である。
また、安価な構成としながらも収納室内部に光や風を通すことができ、快適性を向上させるためには、前記壁パネル部材に窓を設けるように構成することが好適である。
収納室の使い勝手を一層向上させるためには、前記壁面の少なくとも一部に前記収納室に出入可能な出入口を設けるように構成することが好適である。
以上説明した本発明によれば、限られた床面積の中で、採光や換気が容易に可能であり快適性に優れた広い収納室を備えた建築物を、低コストで提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る建築物の正面図。 同建築物の背面図。 同建築物の右側面図。 同建築物の左側面図。 同建築物の第1階層部分の間取り図。 同建築物の第2階層部分の間取り図。 同建築物の第3階層部分の間取り図。 同建築物の第4階層部分の間取り図。 同建築物の第1階層部分における柱と横架材の支持構造を模式的に示す断面図。 図9より柱と横架材の支持構造を変形した例を示す断面図。 同建築物の第1階層部分における柱と横架材の支持構造を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態の建築物1は、図1〜図4に示す外観を示す戸建て住宅であり、地盤面GL上に建築されたものである。図1は玄関口11が設けられた正面を示す正面図、図2は背面図、図3は右側面図、図4は左側面図である。なお、この建築物1は玄関扉11の方位が北向きになるように設定してある。
図1に示すように、玄関扉11は西側寄り、すなわち正面より見てやや右寄りの位置に設けられており、さらに階段12を昇ったやや高い位置に配されている。この玄関扉11内部の床面より上方の空間が居住スペースとなっており、これより下の地盤面GLまでの範囲が第1階層F1として設定され、この内部に後述の床下収納室が形成されている。さらに、第1階層F1より上側には、前記居住スペースとして第2階層F2、第3階層F3及び第4階層F4が、順次構成されている。
ここで、本実施形態の建築物1は4つの階層F1〜F4より構成されているが、これと建築基準法等に定められた建築基準に照らした場合の階数の判断とは無関係である。後述するように、本建築物1における第4階層F4は、小屋裏収納室として構成するとともに、天井高さを基準値(現行は1400mm)以下まで低くするとともに、床面積を基準比率(現行は第3階層の床面積の50%)未満にまで小さく設定しているため、延べ床面積や階数の判断には用いられない。そのため、第4階層F4は、建築基準に照らした場合には四階として数えられない。従って、第1階層F1より第3階層F3のみが上記判断の根拠とされて、この建築物1は一般には三階建とされることになる。また、第1階層F1も、床下収納スペースとして活用するものであることから、例えば基準値(現行は第2階層F2の床面積の50%)未満であるなど、床面積の設定次第では、階数の判断に用いられなくなり、結果として本建築物が二階建てと判断されることもあり得る。以下においては、建築基準法等に定められた建築基準による階数の判断とは異なり、実質的な構造を表すものとして、第1階層F1〜第4階層F4といった語を用いて説明を行っていく。
建築物1は、いわゆるベタ基礎構造からなる基礎構造体21を備えており、この基礎構造体21によって地盤面GLに設置されている。そして、基礎構造体21上には内部の構造体を覆う外壁22が設けられており、その上部には屋根構造体23が設けられている。屋根構造体23は頂点付近が西側寄りにある玄関扉11の上方に位置し、その頂点より東側と西側に同一の角度で傾斜させたものとなっており、東側の端部は西側に比して大きく下方に位置するものとなっている。図中では、外壁22を一体的に示しているが、この外観は様々に変更することが可能であって、複数に分割されたものとすることもできる。また、基礎構造体21の側面を覆う外装を設けるとともに、その外装を外壁22と一体化させた外観とすることも可能である。
図1で示す正面図に表れる北側の外壁22には、上述した玄関扉11に加えて、第1階層F1に対応する位置に窓W11が、第2階層F2に対応する位置に窓W21が、第3階層F3に対応する位置に窓W31,W32が、第4階層F4に対応する位置に窓W41がそれぞれ設けられている。これらのうち窓W11,W21は壁面に直接設けられた開閉不能な採光用の窓とされ、窓W31,32,W41は窓枠を介して壁面に設けられた開閉可能な窓とされているが、これらの窓の構成は適宜変更することが可能である。以下に説明する窓についても同様である。
図2で示す背面図に表れる南側の外壁22には、第1階層F1に対応する位置に窓W12が、第2階層F2に対応する位置に窓W22が、第3階層F3に対応する位置に窓W33が、第4階層F4に対応する位置に窓W42がそれぞれ設けられている。さらに、この南側の外壁22には、第3階層F3に対応する位置において紙面手前方向に張り出すようにベランダ56が設けられており、その手摺り部分によって窓W33は一部が隠れるようになっている。
図3で示す右側面図に表れる西側の外壁22には、第2階層F2に対応する位置に窓W23〜W25が、第3階層F3に対応する位置に窓W34,W35,W36が、第4階層F4に対応する位置に窓W43,W44がそれぞれ設けられている。
図4で示す背面図に表れる東側の外壁22には、第1階層F1に対応する位置に窓W13が、第2階層F2に対応する位置に窓W26〜W29が、第3階層F3に対応する位置に窓W37,W38がそれぞれ設けられている。第4階層F4に対応する位置には屋根23が掛かっている。
以下、各階層F1〜F4における間取りを説明する。図5は、第1階層F1における間取りを示す平面図であり、紙面上側を北向きとして記載したものである。この建築物1の外形は、南北を長辺方向とする略長方形となっている。第1階層F1における外部壁P1は、北側に面する短辺側の第1外部壁P11と、西側に面する長辺側の第2外部壁P12と、第1外部壁P11と略平行な南側に面するもう一方の短辺側の第3外部壁P13a,P13bと、第2外部壁P12と略平行な東側に面するもう一方の短辺側の第4外部壁P14a,P14bとを備えている。第3外部壁P13a,P13bは、互いに長辺方向(奥行き方向)に位置をずらして設けられており、その間が第5外部壁P15によって接続されている。第4外部壁P14a,P14b間にはシャッター13が設けられており、本図ではシャッター13を挟んで第4外部壁P14a,P14bが離間したものとなっているが、シャッター13よりも上部の位置において第4外部壁P14a,P14b同士を連続させるようにしてもよい。第1外部壁P11には上述した窓W11が、第3外部壁P13bには窓W12が、第4外部壁P14bには窓W13が形成されている。
外部壁P11〜P14bは、上述した基礎構造体21と、外壁22の内部に設けられた後述する強度部材としての壁パネル部材93(図9参照)を基に構成されるものである。
外部壁P1及びシャッター13の内部に形成される空間は、ほぼ全体が収納室31として設定されており、この内部には建築物としての強度を維持するため床面より天井面まで立ち上がった第1の内部壁としての内部壁Q11〜Q18が設けられている。
まず、第1外部壁P11の第2外部壁P12側より略1/3程度の位置において、内部壁Q11が直交して設けられ、これと同一平面内になるように内部壁Q12,Q13がさらに設けられている。また、内部壁Q13は、第5外部壁P15と連続しつつ同一平面を形成する位置に設けられている。隣接する内部壁Q11〜Q13は離間して設けられており、特に、内部壁Q11,Q12間は広く設定しているために、この間を支障なく人が通過することが可能となっている。
また、第2外部壁P12からは、内部壁Q12に向かって内部壁Q14が延びるとともに、内部壁Q11からは第2外部壁P12に向かって内部壁Q15が延びるように設けられている。内部壁Q15の端部と第2外部壁P12との間には、第2階層F2との間で昇降可能な階段32が設けられている。
シャッター13と隣接する第4外部壁P14a,P14bの各端部からは、内部壁Q16,Q17が内側に向かって延びており、シャッター13を開放した際の入口を形成するとともに、開放に伴う強度低下を補うための補強壁として機能するようになっている。また、第4外部壁14bの略中央付近より内側に向かって内部壁Q18が延びるように形成されている。
このように外部壁P1及びシャッター13の内部に形成される空間の内部には内部壁Q11〜Q18が設けられているものの、それぞれが離間しているために空間を閉鎖することがなく、連続性を有する収納室31として一体的に使用することが可能となっている。
図6は、第2階層F2における間取りを示す平面図であり、紙面上側を北向きとして記載したものである。第2階層F2における外部壁P2は、北側に面する短辺側の第1外部壁P21と、西側に面する長辺側の第2外部壁P22と、第1外部壁P21と略平行な南側に面するもう一方の短辺側の第3外部壁P23a,P23bと、第2外部壁P22と略平行な東側に面するもう一方の短辺側の第4外部壁P24とを備えている。第3外部壁P23a,P23bは、互いに長辺方向(奥行き方向)に位置をずらして設けられており、その間が第5外部壁P25によって接続されている。第1外部壁P21には上述した窓W21が、第2外部壁P22には窓W23〜W25が、第3外部壁P23bには窓W22が、第4外部壁P24には窓W26〜W29が形成されている。第2階層F2における外部壁P2は、第1外部壁P1(図5参照)と対応する位置に設けられており、上下方向に連続するように構成されている。これらの外部壁P21〜P24は、後述する強度部材としての壁パネル部材94(図9参照)を基に構成されるものである。
この外部壁P2内の空間は居住スペースとして設定されており、その内部には第1階層F1と同様に床面より天井面まで立ち上がった第2の内部壁としての内部壁Q21〜Q29が設けられている。
まず、第1外部壁P21の第2外部壁P22側より略1/3程度の位置において、内部壁Q21が直交して設けられ、これと同一平面内になるように内部壁Q22,Q23がさらに設けられている。これらの内部壁Q21〜Q23は、第1階層F1における内部壁Q11〜Q13(図5参照)と対応し、同一平面内に存在するように配されている。また、第1外部壁P21より内側に向けて内部壁Q24を延在させるとともに、第2外部壁P22より内側に向けて、内部壁Q25,Q26,Q27を互いに平行に延在させ、第4外部壁P24より内側に向けて内部壁Q29を延在させている。これらのうち内部壁Q25,Q27,Q29は、第1階層F1における内部壁Q14,Q15,Q18にそれぞれ対応する位置に設けられている。
上記の位置関係を、第1階層F1における内部壁Q11〜Q18を基準に見てみると、内部壁Q11〜Q18のうち、シャッター周辺の補強用の内部壁Q16,Q17以外の、ほとんどの内部壁Q11〜Q15,Q18は、第2階層F2の内部壁Q21〜Q29のうちのいずれかに対応する位置に設けられているといえる。すなわち、第1階層F1における第1の内部壁は、第2階層F2における第2の内部壁と平面視略同一の位置に設けたものということができ、このような構成とすることで、第2階層F2以上の重量を、第1の内部壁及び第2の内部壁を介して地盤面GLにしっかりと伝えることができ、建築物1としての強度を高めることが可能となっている。
第1外部壁P21及び第4外部壁P24並びに内部壁Q21,Q22,Q23,Q29によって仕切られた領域は、リビング・ダイニング・キッチン42として設定され、そのうち内部壁Q24によって図中右上に仕切られた一画はキッチン43として設定されている。リビング・ダイニング・キッチン42の天井には、更に上層階の荷重を支える梁等の支持部材42aが設けられている。また、リビング・ダイニング・キッチン42に連続する第3外部壁P23b及び第4外部壁P24並びに内部壁Q23,Q29によって仕切られた空間は和室44として設定されている。
第1外部壁P21及び第2外部壁P22並びに内部壁Q21,Q27によって仕切られた領域は玄関ホール41として設定されており、ここより玄関扉11を介して外部の出入りができるようになっている。玄関扉11を出た場所には、玄関ホール41と略同一の高さの踊り場14が設けられ、上述の階段12によって地盤面GL(図1参照)まで降りることができる。
第2外部壁P22と内部壁Q22,Q26,Q27によって仕切られた内部領域は、さらに内部壁Q28によって仕切られており、そのうちのリビング・ダイニング・キッチン42と隣接する領域が廊下45として設定されるとともに、この廊下45と連続して第3階層F3との昇降が可能な回り階段49が設けられている。また、内部壁Q28によって仕切られた他の領域はトイレ46として設定されており、廊下45と連続するようになっている。さらには、第2外部壁P22と内部壁Q23,Q25,Q26によって仕切られた領域は脱衣場47として設定され、これと連続する第2外部壁P22及び第3外部壁P23a並びに内部壁Q23,Q25によって仕切られた領域は風呂場48として設定されている。
このように、廊下45はごく僅かなスペースでありながら、リビング・ダイニング・キッチン42、回り階段49、トイレ46、脱衣場47に移動するための空間として機能し、動線の短い効率のよい間取りが実現されている。また、回り階段49の下スペースにはトイレ46が配置されているため、デッドスペースのない効率的な配置となっている。
さらに、玄関ホール41に面する内部壁Q27には扉41aが設けられており、扉41aを開けた位置には、上述した第1階層F1と繋がる階段32(図5参照)が配置されている。建築物1の内部に第1階層F1と繋がる階段32があることで、玄関扉11より外に出ることなく収納室31に降りることができ、利便性がさらに向上されている。また、扉41aより階段32を昇降するための空間は、回り階段49の下を利用して設けられており、より一層空間の無駄を排除した効率的な配置となっている。
図7は、第3階層F3における間取りを示す平面図であり、紙面上側を北向きとして記載したものである。第3階層F3における外部壁P3は、北側に面する短辺側の第1外部壁P31と、西側に面する長辺側の第2外部壁P32と、第1外部壁P31と略平行な南側に面するもう一方の短辺側の第3外部壁P33と、第2外部壁P32と略平行な東側に面するもう一方の短辺側の第4外部壁P34とを備えている。また、第3外部壁P33より外側に張り出すようにベランダ56が設けられている。第1外部壁P31には上述した窓W31,W32が、第2外部壁P32には窓W34〜W36が、第3外部壁P33には窓W33が、第4外部壁P34には窓W37,W38が形成されている。第3階層F3における第1〜第4外部壁P31〜P34は、それぞれ第2階層F2における第1〜第4外部壁P21,P22,P23b,P24(図6参照)と対応する位置に設けられており、上下方向に連続するように構成されている。これらの外部壁P31〜P34も、後述する強度部材としての壁パネル部材を基に構成されるものである。
この外部壁P3内の空間も居住スペースとして設定されており、その内部には第1階層F1、第2階層F2と同様、第3の内部壁としての内部壁Q31〜Q37が適宜位置に設けられている。これらのうち内部壁Q31,Q32,Q33は、第2階層F1における内部壁Q21及びQ22,Q27,Q26とそれぞれ対応する位置に設けられており、第3階層F3からの荷重を下側の第2階層F2によってしっかりと受けることができるようになっている。
第1〜第4外部壁P31〜P34、内部壁Q31〜Q37によって空間を仕切ることにより、各部に居室51,52,53が設定され、これらに連続するようにクローゼット51a,52a,53aがそれぞれ設定されている。居室51,52,53の間には廊下54が設定されており、この廊下54と連続してトイレ55も設けられている。さらには、廊下54は、上述した第2階層F2と繋がる回り階段49に連続するとともに、第4階層F4と繋がる回り階段57にも連続している。
図8は、第4階層F4における間取りを示す平面図であり、紙面上側を北向きとして記載したものである。第4階層F4における外部壁P4は、北側に面する短辺側の第1外部壁P41と、西側に面する長辺側の第2外部壁P42と、第1外部壁P41と略平行な南側に面するもう一方の短辺側の第3外部壁P43と、第2外部壁P42と略平行な東側に面するもう一方の短辺側の第4外部壁P44とを備えている。このうち第4外部壁P44は、傾斜した屋根構造体23(図1参照)の一部として構成されるものであり、屋根構造体23の傾斜のため、第3階層F3における第3外部壁P33よりも内側に位置する。第4階層F4における第1〜第3外部壁P41〜P43は、第3階層F3における第1〜第3外部壁P31〜P33(図7参照)と対応する位置に設けられており、上下方向に連続するように構成されている。外部壁P41〜P43も、後述する強度部材としての壁パネル部材を基に構成されるものである。
この外部壁P4内の空間は、小屋裏の収納スペースとして設定されており、その内部には第1〜第3階層F1〜F3と同様、第4の内部壁としての内部壁Q41が設けられている。内部壁Q41は第3階層F3における内部壁Q38と対応する位置に設けられており、第4階層F4からの荷重を下側の第3階層F3によってしっかりと受けることができるようになっている。
第2〜第4外部壁P42〜P44及び内部壁Q41によって仕切られた領域は収納室59として設定されており、第1外部壁P41、第2外部壁P42、第4外部壁P44及び内部壁Q41によって仕切られた領域は、階段57に繋がる踊り場58と設定され、この踊り場58を介して収納室59への出入りができるようになっている。これらの空間の上部には、屋根構造体23(図1参照)の荷重を支える梁等の支持部材59aが設けられている。
本実施形態では、内部壁Q41以外に図示しない仕切りを設けることで、踊り場58の床面積を小さくして、収納室59と合わせた床面積が基準比率(現行は第3階層の床面積の50%)未満にまで小さく設定している。また、天井高が最大で基準値(現行は1400mm)以下となるようにしているため、この第4階層F4は建築基準法上に基づく基準に従うと床面積や階数の判断に含まれないものとなっている。しかしながら、踊り場58の仕切りを設けない場合には、収納室59及び踊り場58を仕切るものは内部壁Q41のみとなるため、両者を合わせると、構造上は比較的広いスペースが得られるものとなっている。
図9〜図11は、第2階層F2以上の空間よりなる居住スペースの下に設けた収納室31の構成を示すものである。
収納室31は、天井高が2000mm以下となるように設定しており、十分に天井高が高い場合には居室として利用することも可能となる。単なる収納室として利用するためには天井高1400mm以下とすることが好ましく、その中でもより収納室内の空間を広くして使い勝手を良くするためには1350mm以上1400mm以下の範囲とすることが特に好ましい。
図9及び図11に示すように、本実施形態における建築物1の基礎構造体21は、地盤面GL上に設けられ、平面視略矩形状で厚みが約50mmの平板状に形成されたベタ基礎部61と、このベタ基礎部61の外周近傍より約440mm立ち上げた立上げ基礎部62とを含むものである。すなわち、基礎構造体21は、ベタ基礎部61と立上げ基礎部62とによって、概ね舟形を構成することになる。このようなベタ基礎構造は、建築物1の重量を広い面積によって支えることになるため、比較的軟かい地盤において沈み込みを防ぐなどの点で有利に働く。立上げ基礎部62は、上述した第1階層F1における外部壁P1(図5参照)に対応する位置に存在するため、シャッター13に対応した位置のみ途切れた状態となっている。さらには、立上げ基礎部62と同様、内部壁Q11〜Q18に対応する位置にベタ基礎部61より立ち上げた内部基礎部(図示せず)が設けられている。
立上げ基礎部62の上面62a上には、厚みが約20mmの基礎パッキン75が設けられ、その上に土台71,72が設けられている。土台71,72として断面90mm×90mmの桧の角材が寝かした状態で使用されている。勿論、土台71,72は寸法が変わってもよい(例えば105mm×105mm、120mm×120mm、スタットの場合は38mm×89mm)。土台71,72上には柱73として、断面90mm×90mmで長さ1480m以下の桧の角材が立てた状態で設けられている。このような寸法のものを用いることで、天井高を2000mm以下とすることができる。上述した収納室31の天井高として特に好ましい1350mm以上1400mm以下の範囲にするためには、柱73の長さ寸法は830〜880mmの範囲に設定することになる。勿論、天井高は2000mm以上であっても構わない。この柱73は基礎パッキン75や土台71,72を介して立上げ基礎部62上に設けられている。柱73は910mmピッチで複数本設けられており、その間には間柱74が設けられている。間柱74としては断面38mm×89mmのツーバイフォー材を柱73と同一の長さにカットしたものを使用している。もちろん、柱73や間柱74の材料、寸法及びピッチは上記のものに限ることなく、適宜変更しても差し支えない。
柱73及び間柱74の上部には、土台71,72と平行に梁81,82が設けられており、これらの梁81,82の上部には、第2の柱83及び第2の間柱84がさらに設けられている。ここで、上記の梁81,82とは、一般にいう梁と桁を含むものであり、柱73上に架け渡されたものを称する。梁81,82は断面90mm×90mmの桧の角材で構成しており、長さが2500〜2700mm以上のものは端部以外の箇所でも支持させることが必要となる。その場合には、ベタ基礎部61上に1又は複数の束を設けて、この束により後述する床根太85の中央付近、又は長手方向に離間させた複数の位置を支持させるように構成すれば良い。このような束は、例えば図5に示すように、内壁部Q16,Q18の延長となる位置X1,X2に設けることが強度を高めるために適切である。また、この位置X1,X2を、同時に第2階層F2における内部壁Q24,Q29の線上にすることも好適であり、こうすることで、上方からの荷重をよりしっかりと伝達することが可能となっている。もちろん床根太85の上下方向の寸法を大きくすることで、上下方向に対する強度を増大させて束を不要とすることも可能である。
図9及び図11に戻り、梁81,82を挟んで、第2の柱83は柱73と、第2の間柱84は間柱73と、それぞれ上下方向に連続するように設けられている。そのため、上からの荷重を適切に土台71,72及び基礎構造体21へと伝達することができるようになっている。また、上下の柱73と第2の柱83、間柱74と第2の間柱84を同一断面のものとしているため、長尺の同一材料を切断して形成することができ、材料の無駄を省くとともに、材料の輸送に掛かる物流費用を削減して、製造コストを削減することが可能となっている。また、下方に用いる柱73と間柱74を、従来使用していた柱や間柱よりも長さの短いものとすることができるため、これまでは端材として処分していた木材を有効活用することで材料採りの効率化を図り、より一層材料の無駄を削減することが可能となっている。
梁81(82)からは、従来の大引きと根太を兼用した複数の床根太85〜85が互いに平行になるように設けられている。これらの床根太85と梁81,82は、本建築物1における横架材となっている。なお、図11においては梁81にのみ床根太85が取り付けられた状態としているが、構造上は、梁82に取り付けたものとしても支障はない。床根太85〜85としては断面90mm×90mmの桧の角材を使用しており、約303mmの比較的短いピッチで配置している。そのため、大引きと根太を組み合わせて使用する場合に比べて、強度が向上するとともに、構成を簡素化することが可能となっている。また、床根太85は従来の根太に比べて太い材料であるために、キシミを抑制することも可能となっている。
また、床根太85〜85は梁81の間に架け渡すように設けるものであるが、部材間の寸法又は組立誤差等によっては、適切に取付けを行うことができない場合もある。こうした場合には、図10に示すように梁81の内側面に根太掛86を設け、この根太掛86に根太受金具87を介して床根太85を設ける構成とすることも可能である。また、これと同様の構成として、根太受金具87を用いる代わりに根太掛86の上部に直接アリ溝を彫り込み、床根太85の端部を対応する形状としてアリ溝内に収容することにより連結させることも可能である。これらの場合に使用する床根太85としては、断面38mm×89mmのツーバイフォー材や、断面38mm×140mmのツーバイシックス材、断面38mm×186mmのツーバイエイト材、断面38mm×235mmのツーバイテン材などを好適に用いることができる。このように床根太85としてより大きなサイズの材料を用いて高さ方向の寸法を大きくすることで、上下方向への強度を高めて上述した束(X1,X2)を不要とすることも可能である。この場合、床根太85のサイズに合わせて、根太掛86及び根太受金具87も寸法を大きくすることになる。
図9及び図11に戻って、床根太85〜85の上には、湿気防止のためのポリフィルム(図示せず)が設けられるとともに、その上に床パネル材92が敷き詰められるようにして設けられ、第2の階層F2における第2の床面を構成している。
床根太85〜85は、適宜ピッチを異ならせて配置することができ、ピッチを455mmとして、柱73と間柱74の間隔に合わせることもできる。ただし、この場合には、第2の床面の強度が低下する恐れがあるため、そのような場合には、床パネル材92の下方に強度の高い構造パネル材を設けることも適切である。また、床根太85〜85として断面90mm×90mmのものを使うことも必須ではなく、105mm×105mmのものなど一般に使用される寸法のものを適宜使用することができる
このように、床根太85よりも上側部分においては第2階層F2を構成している。他方、床根太85よりも下側部分においては第1階層F1を構成することができる。
第1階層F1における床面は、ベタ基礎部61における上面61aをそのまま用いている。このように、従来は有効に利用することのなかったベタ基礎部61を、床面として利用することで材料及び設計の効率化を図るとともに、製造コストの上昇を抑えることができる。また、床面がコンクリート製の平坦な面として構成されることになるため、人や荷物の移動のための台車を好適に使用することができる。収納室31の内部にロープ等を巡らせる構成とすると、人が台車に乗った状態でロープを引っ張りつつ移動を容易に行うこともできる。
また、第1階層F1における天井は、床根太85を支持部材として、これに直接貼り付けた天井パネル部材91によって構成している。このように、床根太85が第1階層F1における天井パネル部材91の下地材である支持部材と、第2階層F2における床パネル部材92の下地材である支持部材としての役割を兼ねるようにしていることから、より製造コストの削減を行うことが可能となっている。また、天井パネル部材91は、厚み30mmのEPS(発泡スチロール)素材の板状パネルであり、第2階層F2側における床面の断熱材としての機能をも有している。また、EPS素材であるために、内部にいる人が天井にぶつかった場合でも衝撃を緩和することができ、頭部等の打撲を防ぐためのガードとしても利用可能となっている。
上記のように構成することで、柱73及び間柱74の長さを830mm〜880mmに設定した場合には、床面としてのベタ基礎部61の上面61aと、天井パネル部材91の下面までの天井高は1350〜1400mmとなる。この高さは、人が内部で移動したり、作業したりするために十分であり、そのために、床根太85への天井パネル部材91の取付けを下側から容易に行うことができ、良好な作業性を得ることができる。なお、上述したように柱73及び間柱74の長さを十分に大きくすることで、天井高を高くして単なる収納室としてのみでなく、居室として利用することも可能となる。なお、天井高を変更するためには、柱73及び間柱74の長さを変更する代わりに、基礎構造体21の寸法、特に立上げ基礎部62の高さ寸法や、土台71,72の高さ寸法、床根太85の高さ寸法、天井パネル部材91の厚み寸法のいずれかを変更することでも実現でき、これらと柱73、間柱74のうち複数の寸法を適宜調整することで、所望の天井高を得ることが可能である。
さらに、図9に示すように、柱73及び間柱74の外側には、壁パネル部材93を設ける。壁パネル部材93は、枠組み壁工法に用いる強度部材としての構造合板であり、これを取り付けることで、構造物としての強度を与えつつ、壁面の一部を構成することができる。柱73及び間柱74の高さ寸法を830〜880mmとした場合には、この部位に取り付ける壁パネル部材93には、一般に規格品として販売されている910mm×1820mmサイズの合板を横向きで用いることができ、こうすることでより材料の無駄を抑えて、コスト削減を図ることが可能となっている。なお、第2階層F2以上においても壁パネル部材94を設けているが、これは一般的な手法により構成することで足りる。
第1階層F1における壁面である構造体としての外部壁P1(図5参照)は、上記壁パネル部材93に加えて立上げ基礎部62を基に構成される。さらに、この外部壁P1に対して、断熱材や外観を整えるためのパネル部材をさらに取り付けることで、上述の外壁22が形成されることになる。このように、これまでは基礎としての役割しか有していなかった立上げ基礎部62の高さ寸法を有効に利用して、低コストで構造体としての壁面及び外壁22を構成することが可能となっている。
また、柱73、間柱74及び壁パネル部材93に掛かる構成は、一般の住宅において居住スペースを構成する際の構造と類似しているため、この部分には、一般に壁面に設ける窓や換気扇を同一の工法を用いて取り付けることができる。本実施形態における第1階層F1の外壁P1に設けた窓W11〜W13は、全て、立上げ基礎部62よりも上方の壁パネル部材93に設置したものである。このようにすることで、コストの上昇を抑えつつ、収納室31内部を採光や換気を行うことのできる快適な空間とすることができる。もちろん、室内に取り込む光量はカーテン等や仕切りによって制限することができるため、紫外線を嫌う発酵物や、熱に弱い物品等の長期保存にも適している。
また、本実施形態においては、上述したように内部壁Q11〜Q18(図5参照)によって空間が細かく仕切られておらず、壁面と床面と天井面によって仕切られた空間のほぼ全体が収納室31として設定されている。この収納室31の内部においては、内部壁Q11〜Q18の間を人が通ることができる程度に離間させていることから、室内全ての空間を有効に利用することができる。なお、上述したように、梁81,82や床根太85を支えるための束(X1,X2)を設けた場合であっても、束は十分に小さいため人の移動にとって障害となるものではない。
また、本実施形態においては、壁面にシャッター13を備え、シャッター13を通じて外部より直接収納室31内に入ることができるとともに、収納室31内の天井高を通常の床下収納スペースよりも高く設定しているため、自転車やベビーカーなどの置き場としても有効に活用することができる。
以上のように、本実施形態における建造物1は、地盤面GL上に板状に設けたベタ基礎部61と、そのベタ基礎部61の外周近傍より立ち上げた立上げ基礎部62とを含む基礎構造体21を具備し、立上げ基礎部62上に設けた複数の柱73と、これらの柱73の上部により支持させた横架材としての梁81,82及び床根太85とをさらに備えており、横架材の一部である床根太85の下方に天井パネル部材91を取り付けることで天井面を構成するとともに、前記複数の柱73に壁パネル部材93を設け、その壁パネル部材93と立上げ基礎部62を基に壁面を構成し、ベタ基礎部61を床面として、これらの天井面、壁面、及び床面に仕切られた空間のほぼ全体を収納室(居室)31として構成したものである。
このように構成しているため、建築物に必須となる基礎構造体21のうちベタ基礎部61を床面、立上げ基礎部62を壁面の一部として利用して、立上げ基礎部62上に柱73を追加することで、天井高を確保して広い収納室31を構成することができ、収納室31の設置に掛かる製造コストの上昇を抑えることができる。また、この収納室31の天井高を十分に高くした場合には、居室としても利用することができる。さらには、壁面の上側が柱73を中心として設けた壁パネル部材93となっているため、窓W11〜W13や換気扇を容易に設けることができ、収納室31内部を明るく快適なものにすることができる。加えて、ベタ基礎部61を床面としていることから、地熱により収納室31の内部を冬は暖かく夏は涼しく保つことが可能となっている。また、基礎構造体21を、従来のものと同様に構成することができるため、地盤改良等のためのコスト上昇も従来と同等に抑えることが可能となっている。さらには、基礎構造体21周辺における湿気を防ぐとともに、シロアリによる被害やカビ・ダニ等の発生のチェックを行うことも容易になる。
また、横架材の一部である床根太85の上方に床パネル部材92を設けることで第2の床面を構成し、第2の床面より上方の空間を、居住スペースとして構成しているため、共通する床根太85によって天井パネル部材91と床パネル部材92の双方を支持させる構造とすることで、さらに構造を簡略化して製作コストの低減を図ることが可能となる。また、収納室31の上方を通常の居住スペースとして構成することで、広い収納室31と広い居住スペースを両立することが可能となる。さらには、第2の床面が通常よりも高い位置に存在することから、居住スペースの湿気を少なくして快適性を向上することが可能となっている。また、収納室31の内部に、上部の居住スペース内に引き入れるための給水・排水用の配管を設ける場合には、水漏れの有無のチェックやメンテナンスも容易に行うことも可能となっている。さらに、この収納室31は、上部の居住スペース内に電気配線や配管を新たに導入する際の作業スペースとしても活用することができるため、リフォームやメンテナンスに係る作業を容易に行うことも可能となっている。
また、居住スペースを形成するための複数の第2の柱83を横架材としての梁81,82上に設け、梁81,82を支持する柱73及び第2の柱83の少なくとも一部を、梁81,82を挟んで上下に連続するように配しつつ、横断面形状を同一とするように構成しているため、梁81,82を挟んで上下に配する柱73と第2の柱83とを同一の木材を利用して構成して材料の無駄を省くとともに、物流コストを低減して、さらに製造コストを削減することが可能となっている。
また、天井パネル部材91を発泡樹脂により形成するように構成しているため、簡単な構成でありながら、収納室31内における天井としての見た目を損なうことなく、居住スペース内における断熱性を高めることが可能となる。さらに、弾力性があるために、収納室31の天井高を低く設定した場合であっても、天井にぶつかった際の衝撃を緩和することが可能となっている。
また、収納室31を含む第1階層F1内において床面61aより天井面91まで立ち上げられた第1の内部壁Q11〜Q18が設けられており、これら第1の内部壁Q11〜Q18が、第2の床面92を含む第2階層F2内に設けられた第2の内部壁Q21〜Q29と平面視略同一の位置に配されるように構成しているため、第2階層F2以上の部分に掛かる重量を、しっかりと第1階層F1内の第1の内部壁Q11〜Q18を介して地盤面GLに伝えることが可能になるため、より強度の高い、しっかりとした構造とすることが可能となっている。
また、収納室31と居住スペースとを連結する階段32を内部に備えるように構成しているため、より利便性を向上することが可能となっている。
また、壁パネル部材93に窓W11〜W13を設けるように構成しているため、通常の建築物において窓を設ける場合と同様の工法で、窓を設置することができるため、安価な構成としながらも収納室31内部に光や風を通すことができ、快適性を向上することが可能となっている。
壁面の少なくとも一部に収納室31に出入可能な出入口としてのシャッター13を設けるように構成しているため、より一層利便性を向上することが可能となっている。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、採光や換気を容易に可能とする広い収納室31を床下に構成可能とする点からすると、立上げ基礎部62上に柱73及び間柱74を置いて、これらに横架材の支持を行わせる構成としていれば、この横架材の構成は様々に変形することができる。本実施形態では、大引きと根太の機能を併せ持つ床根太85を平行に配する構成としていたが、床根太85を縦横に直交するように配する構成とすることもでき、こうすることで、さらに剛性を高めることが可能となる。また、従来と同様、大引きと根太とを組み合わせる構成とすることも可能である。すなわち、柱73及び間柱74に支持される横架材と、この横架材よりも上の階層は、従来の建築物と同様の様々な形状に変更することができ、建築基準さえ満たせば、階層の数を増減させることも可能である。
また、上述の実施形態では、壁面と床面と天井面によって仕切られた空間のほぼ全体を収納室31としていたが、内部壁によって収納室を小さく仕切ることも可能であり、床面積を第2階層F2の基準比率(現行は50%)以下で天井高を基準値(現行は1400mm)以下とした場合には、建築基準法における床面積や階数の判断に用いられないものとすることもできる。また、天井高を基準値(現行は1400mm)以上として、人が立ち上がることも可能な程度にすれば、居住空間の一部として使用することも可能である。
また、各階層F1〜F4内のレイアウトは一例を示したものであって、適宜変更可能である。さらに、ベタ基礎部61からなる床面に床パネルを敷き詰めて、収納する荷物の保護を図ることや、断熱性能を高めるような利用形態も可能である。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…建築物
13…シャッター
21…基礎構造体
22…外壁
31…収納室
32…階段
61…ベタ基礎部
62…立上げ基礎部
71,72…土台
73…柱
74…間柱(柱)
81,82…梁(横架材)
83…柱(第2の柱)
84…間柱(第2の柱)
85…床根太(横架材)
91…天井パネル部材
92…床パネル部材(第2の床面)
93,94…壁パネル部材
F1〜F4…第1階層〜第4階層
GL…地盤面
Q11〜Q18…内部壁(第1の内部壁)
Q21〜Q29…内部壁(第2の内部壁)
W11〜W13,W21〜W29,W31〜W38,W41〜W44…窓

Claims (9)

  1. 地盤面上に基礎構造体を介して居室スペースを設け、居室スペースと地盤面の間に前記居室スペースよりも天井高さの低い収納室を構成するものであって、
    前記基礎構造体が、地盤面上に板状に設けたベタ基礎部と、当該ベタ基礎部の外周近傍より立ち上げた立上げ基礎部とを含んでいて
    前記立上げ基礎部上に土台を介し複数の柱を設けて、これらの柱の上部に床根太を含む横架材を支持させており、
    前記床根太の下に天井パネル部材を取り付けることで天井面を、前記複数の柱に壁パネル部材を設け当該壁パネル部材、前記土台および前記立上げ基礎部を基に壁面を、さらに前記ベタ基礎部によって床面をそれぞれ構成して、これらの天井面、壁面、及び床面によって仕切られた空間の少なくとも一部を収納室とするとともに、
    前記床根太の上に床パネル部材を設けることで第2の床面を構成し、当該第2の床面より上方の空間を居住スペースとしたことを特徴とする建築物。
  2. ベタ基礎部の外周に沿った壁面と、床面と、天井面とによって仕切られた空間のほぼ全体を収納室としている請求項1記載の建築物。
  3. ベタ基礎部の外周に沿った壁面と、内部壁とによって収納室を小さく仕切ることで、収納室の上の第2階層に対して当該収納室を、床面積の判断に用いられる基準比率以下の床面積とし、階数の判断に用いられる基準値以下の天井高さとしている請求項1記載の建築物。
  4. 前記居住スペースを形成するための複数の第2の柱を前記横架材上に設け、前記横架材を支持する柱及び前記第2の柱の少なくとも一部を、前記横架材を挟んで上下に連続するように配しつつ、横断面形状を同一としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の建築物。
  5. 前記天井パネル部材が発泡樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の建築物。
  6. 前記収納室を含む第1階層内において床面より天井面まで立ち上げられた第1の内部壁が設けられており、当該第1の内部壁が、前記第2の床面を含む第2階層内に設けられた第2の内部壁と平面視略同一の位置に配されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築物。
  7. 前記収納室と前記居住スペースとを連結する階段を内部に備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建築物。
  8. 前記壁パネル部材に窓を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の建築物。
  9. 前記壁面の少なくとも一部に前記収納室に出入可能な出入口を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の建築物。
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