JP5477303B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安価で高効率の太陽電池の製造方法及びこれによって得られる太陽電池に関する。
単結晶や多結晶P型半導体基板を用いた量産用太陽電池の断面の概観を図1に示す。基板101の受光面には、基板の導電型と反対の薄い拡散層102を設け、その上にパッシベーションを目的として酸化膜103を形成する。この酸化膜は、高温による熱酸化やCVD法などによって形成される。これらの手法によって得られた酸化膜は、半導体基板表面の表面準位密度を低減させ、基板内にて発生した少数キャリアが基板表面で再結合することを効果的に防止し、太陽電池の高効率化を促進させている。その後、半導体基板受光面に光反射を抑制する反射防止膜104を形成する。反射防止膜は、主にプラズマCVD法により窒化膜が形成される。この窒化膜は、パッシベーション膜としての機能も持ち、基板上に直接成膜される場合もある。次にAl電極105を印刷等の手法によって形成し、焼成することでBSF層106を形成する。最後に受光面電極107を形成するが、形成方法としては、印刷、焼成による方法の他、スパッタ法や蒸着法などがある。
これらの工程の中で、特に酸化膜形成工程においては、酸化膜形成により、半導体基板表面の表面準位密度を低減させる効果を得るものの、酸化膜表面及び酸化膜内部においては、ダングリングボンドが多く存在し、キャリアの寿命を低下させるという問題がある。これらを解決する手法として、水素ガスを含む雰囲気中で300〜500℃で熱処理(FGA)を行うという方法が一般的に知られている。この方法は、熱によって分解された水素が、酸化膜表面、酸化膜中のダングリングボンドを終端することにより、基板内に少数キャリアの再結合を防止するというものである。
しかしながら、このような熱処理は一般的に処理速度が遅く、太陽電池のコスト増につながるという問題がある。
一方、酸化膜形成後に反射防止膜として窒化膜を形成する太陽電池プロセスにおいては、窒化膜形成は、シランガスとアンモニアガスを用いたプラズマ照射による分解及び反応により非晶質SiNx膜を形成する。
また、この反射防止膜は、酸化膜を形成せずに直接半導体基板上に形成する場合もある。この場合の量産用太陽電池の断面構造を図2に示す。
反射防止膜形成後は、電極ペースト印刷等による電極をパターン印刷し、その後、焼成の工程を経て電極が形成される。
このとき、反射防止膜として形成した窒化膜は、膜中に多量に含まれる水素が成膜後の焼成により放出されて、酸化膜が存在する場合においては、酸化膜表面及び酸化膜中のダングリングボンドを終端する効果を副次的に得ることができる。また、酸化膜が存在しない場合においても、窒化膜中に含まれる水素が、半導体基板表面及び内部の欠陥を終端する効果を副次的に得ることができる。
いずれにおいても反射防止膜は、反射防止膜形成時に膜中に多量に水素が含まれることが望まれるが、反射防止機能を目的として望まれる屈折率の条件など、反射防止機能を高めるための条件と必ずしも一致しないことがある。即ち、太陽電池特性を高めるための手法としてこれら両方の機能を最適に両立させるのは難しい。
例えば、酸化膜を形成するプロセスにおいて、電極形成後の酸化膜表面及び酸化膜中の水素終端を促進させる目的で、電極形成後においてFGA処理を行うと、ダングリングボンドの水素終端が促進され、太陽電池の電気特性が上昇する。しかしながら、この方法では、電極材料に含まれるガラス成分が水素により還元され、電極と半導体基板との接着強度が著しく損なわれるという欠点がある。
このような問題に対して、特許文献1(特開2003−303984号公報)にあるように、シリコン基板上に形成した酸化膜等に、Si−H結合を有する液体又は固体を有機溶剤などに溶解した液体を塗布し焼成することによって、膜中のダングリングボンドを終端した膜を形成する技術がある。但し、この技術においては、反射防止効果を得る膜が得られず、再度エッチングして膜を除去した後に反射防止膜を別途形成させる必要があった。
また、特許文献2(特開2004−128438号公報)にあるように、屈折率が2.0近辺の酸化膜を、塗布及び乾燥、焼成により形成し、その後プラズマ発生装置を備えた設備にて水素ガスによるプラズマ照射を行う技術が存在するが、水素ガスはプラズマによる分解が難しく、酸化膜表面のパッシベーションを促進するのに30分以上のプラズマ照射が必要であった。
特開2003−303984号公報 特開2004−128438号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、パッシベーション膜として酸化膜を形成するプロセスにおいては、酸化膜の表面及び膜中に存在するダングリングボンドを短時間で水素終端し、かつ反射防止膜形成工程と連続して行うことにより、低コストで効率よく太陽電池特性を向上させることができ、また、反射防止膜として窒化膜を形成するプロセスにおいて、窒化膜中に多量の水素を含有させることにより、窒化膜の電荷コントロールを促進し、高特性な太陽電池を得ることができる太陽電池の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、上述したように、太陽電池セルの表面パッシベーション膜として窒化膜及び酸化膜がある。半導体基板界面のパッシベーション膜としては有効であるが、窒化膜及び酸化膜表面はダングリングボンドが多く存在し、キャリアの寿命を低下させるという問題がある。これらを解決するために、水素アニール処理等のプロセスが有効であるものの、設備費用が高価であるほか工程増の問題があったが、本発明者らは、表面パッシベーション膜形成後、プラズマCVD法によるアンモニアガスを用いたプラズマ照射を行い、パッシベーション膜表面のパッシベーションを促進させることにより、パッシベーション膜が酸化膜の場合においては、後工程における反射防止膜形成と同一設備かつ連続にて処理が行えるため、水素アニール処理等の設備を追加することなく、低コストで太陽電池特性を向上させることができることを知見した。
また、パッシベーション膜が窒化膜の場合においても、同様にアンモニアガスによるプラズマ照射により窒化膜表面のパッシベーションを促進させることができること、窒化膜は反射防止膜として利用されるので、反射防止膜形成と同一設備かつ連続処理にて太陽電池特性を向上させることができること、このように酸化膜、窒化膜のいずれにおいても、アンモニアガスを用いたプラズマ照射により、膜表面及び膜中に多くの水素が取り込まれることにより、例えば反射防止膜をN層面に窒化膜を形成した場合においては、窒化膜がより正電荷側にシフトすることにより、太陽電池特性をより向上させることができることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記太陽電池の製造方法を提供する。
請求項1:
P型半導体基板にPN接合を形成する工程と、該半導体基板に酸化膜であるパッシベーション膜を形成する工程と、次いで該パッシベーション膜表面上に対してアンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程と、該プラズマ照射の後、前記パッシベーション膜が形成された第一主表面上に窒化膜である反射防止膜を形成する工程と、次いで該反射防止膜表面上に対してアンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程とを有し、前記パッシベーション膜表面上へのプラズマ照射工程と、前記反射防止膜形成工程と、前記反射防止膜表面上へのプラズマ照射工程とを同一設備で連続して行うことを特徴とする太陽電池の製造方法。
請求項
半導体基板が単結晶シリコンからなる請求項に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程において、水素ガスと窒素ガスの少なくとも一方を更に含む請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程において、アンモニアガスは、50〜2,000ml/minである請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程が、プラズマCVD装置を使用して形成する工程であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行うプラズマCVD装置において、プラズマ発生用電源の周波数は、ラジオ周波数又はマイクロ波であることを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行うプラズマCVD装置おいて、前記アンモニアプラズマ照射時の基板温度が、200〜600℃である請求項又はに記載の太陽電池の製造方法。
本発明により、パッシベーション膜として酸化膜を形成した場合、酸化膜表面及び酸化膜中に存在するダングリングボンドが、アンモニアガスによるプラズマ照射により水素終端され、パッシベーション機能が高まることで、高特性な太陽電池を得ることができる。またプラズマ照射は、後工程の反射防止膜形成において、反射防止膜形成と連続にて処理することが可能であり、設備増強を伴わずに低コストで効率向上が可能となる。
また、反射防止膜として窒化膜を形成するプロセスにおいて、窒化膜形成後アンモニアガスによるプラズマ照射を行うことにより、窒化膜界面のパッシベーションが促進すると同時に、窒化膜中に多量の水素を含有させ、窒化膜がより正電荷にシフトすることで、特性向上が可能となる。
酸化膜を有する一般的な太陽電池の断面図である。 酸化膜を形成しない一般的な太陽電池の断面図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法の一例を説明する断面図で、(A)は単結晶シリコン基板、(B)は基板に拡散層を形成した状態、(C)は拡散層上に酸化膜を形成した状態、(D)は酸化膜にアンモニアプラズマ照射した状態、(E)はその上に反射防止膜(窒化膜)を形成した状態、(F)は裏面電極(Al電極)を形成した状態、(G)はBSF層を形成した状態、(H)は受光面電極を形成した状態を示す。 本発明に係る太陽電池の製造方法の他の例を説明する断面図で、(A)は多結晶シリコン基板、(B)は基板に拡散層を形成した状態、(C)は拡散層上に反射防止膜(窒化膜)を形成した状態、(D)は反射防止膜にアンモニアプラズマ照射した状態、(E)は裏面電極(Al電極)を形成した状態、(F)はBSF層を形成した状態、(G)は受光面電極を形成した状態を示す。 酸化膜に対するアンモニアプラズマ照射のモデル図である。 酸化膜に対してアンモニアプラズマ照射を行って太陽電池を製造する場合の工程フローを示す説明図である。 窒化膜に対するアンモニアプラズマ照射のモデル図である。 窒化膜に対してアンモニアプラズマ照射を行って太陽電池を製造する場合の工程フローを示す説明図である。 酸化膜及び窒化膜に対してそれぞれアンモニアプラズマ照射を行って太陽電池を製造する場合の工程フローを示す説明図である。
本発明の太陽電池の製造方法の一例を、図3をもとに以下に述べる。但し、本発明はこの方法で作製された太陽電池に限られるものではない。
高純度シリコンにホウ素あるいはガリウムのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}P型シリコン基板201の表面のスライスダメージを、濃度5〜60wt%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリ、もしくは、ふっ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ法、FZ法いずれの方法によって作製されてもよい。
引き続き、基板表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10wt%、温度60〜100℃)中に10〜30分程度浸漬することで容易に作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等、もしくはこれらの混合液の酸性水溶液中で洗浄する。経済的及び効率的見地から、塩酸中での洗浄が好ましい。清浄度を向上するため、塩酸溶液中に、0.5〜5wt%の過酸化水素を混合させ、60〜90℃に加温して洗浄してもよい[以上、図3(A)]。
この基板上に、オキシ塩化リンを用いた気相拡散法によりエミッタ層(拡散層)202を形成する[図3(B)]。一般的なシリコン太陽電池は、PN接合を受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するために基板同士を2枚重ね合わせた状態で拡散したり、拡散前に裏面にSiO2膜やSiNx膜などを拡散マスクとして形成して、裏面にPN接合ができないような工夫を施す必要がある。拡散後、表面にできたガラスをふっ酸などで除去する。
次に、酸化膜203の形成を行う[図3(C)]。酸素雰囲気下において、高温熱処理を行うことで酸化膜を通常100〜200nm形成する。なお酸化膜の形成は、この手法に限らずCVD法であってもよい。
次に、アンモニアプラズマ照射204[図3(D)]及び受光面の反射防止膜205の形成を行う[図3(E)]。この工程では、成膜にはプラズマCVD装置を用い、アンモニアガスを供給したチャンバー内にてプラズマ照射を実施したのち、連続して反射防止膜として窒化膜を50〜150nm、通常約100nm成膜する。アンモニアガスはプラズマにより励起され、水素ラジカルを生じ、半導体基板上の酸化膜に打ち込まれ、水素終端に寄与する。また、アンモニアガスは50〜2,000ml/min供給するのが望ましい。このとき、アンモニアガスに水素ガス及び/又は窒素ガスを50〜2,000ml/min程度加えてもよい。また、プラズマ発生用電源の周波数は、ラジオ周波数又はマイクロ波であることが望ましい。更にアンモニアプラズマを照射する際の基板の温度は200〜600℃にするとよい。
連続して実施する反射防止膜305に関しては、反応ガスとしては、モノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが好ましい。NH3の代わりに窒素を用いることも可能であり、また、プロセス圧力の調整、反応ガスの希釈、更には、基板に多結晶シリコンを用いた場合には基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。また、この反射防止膜形成後に上述した方法と同様の方法でアンモニアプラズマを照射することにより、酸化膜同様、窒化膜に対しても同様に水素ラジカルを打ち込む効果がある。これにより、窒化膜は、酸化膜同様、表面のパッシベーションを促進すると同時に、膜中に水素を多量に含むことになり、より正電荷側にシフトすることになる。この効果は、P型半導体基板受光面側にN層を形成する太陽電池において、高電気特性に大きく寄与する。
次に、裏面のほぼ全面に、Al粉末を有機物バインダで混合したペーストを、スクリーン印刷法などで印刷してAl層207を成膜する[図3(F)]。印刷後、5〜30分間700〜850℃の温度で焼成することにより裏面電極及びBSF層208が形成される[図3(G)]。裏面電極形成は製造コストの観点からは印刷法による方が好ましいが、蒸着法、スパッタ法等で作製することも可能である。
受光面電極209も蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷法いずれかの方法で形成される[図3(H)]。スクリーン印刷法の場合は、Ag粉末とガラスフリットを有機物バインダと混合したAgペーストをスクリーン印刷した後、熱処理によりSiNx膜にAg粉末を貫通させ(ファイアースルー)、電極とシリコンを導通させることができる。なお、工数の削減という観点から、裏面電極及び受光面電極の焼成は一度に行うことも可能であり、望ましい。
なお、半導体基板のパッシベーションとして酸化膜を形成しないプロセスもある。そのプロセスを図4に示す。その場合においては、基板として多結晶シリコンを用いると共に、反射防止膜として窒化膜を形成し、その窒化膜がパッシベーション膜を兼ねることになる。
即ち、図4において、(A)、(B)の工程は、図3の(A)、(B)の工程と同じであるが、この場合は、エミッタ層(拡散層)202上に直接反射防止膜205として窒化膜を形成し[図4(C)]、次いでこの反射防止膜205にアンモニアプラズマ照射206を行う[図4(D)]。なお、アンモニアプラズマ照射の方法、条件は上述した通りである。その後の工程[図4(E)、(F)、(G)]は、図3の(F)、(G)、(H)とそれぞれ同様である。
いずれの工程においても、アンモニアプラズマ照射は、酸化膜及び窒化膜に水素打ち込み効果を促し、酸化膜においては膜表面、膜中のダングリングボンド終端に寄与し、窒化膜においては膜表面、膜中のダングリングボンド終端に寄与すると同時に、膜中に水素が多く含有されることで、より正電荷な窒化膜を形成し、それぞれ高特性に寄与する。
以下、実施例、参考例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
参考例1,2、比較例1]
本発明の有効性を確認するため、本発明の方法により実際に太陽電池を作製し、太陽電池特性の比較を行った。図5に酸化膜が形成された場合のアンモニアプラズマ照射のモデルを示す。単結晶シリコンからなる半導体基板301に基板の導電型と反対の薄い拡散層302を形成し、その上に酸化膜303が形成された後、アンモニアプラズマを照射した状態を示す。プラズマCVD装置内に供給されたアンモニアガス306はプラズマにより励起され、水素ラジカル307を生じ、半導体基板301上の酸化膜303に打ち込まれ、酸化膜表面及び酸化膜中の水素終端に寄与する。
次に、図6の実験フローを示す。厚さ250μm、比抵抗1Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}P型アズカットシリコン基板18枚に対し、図3に示す工程で太陽電池を作製した。この場合、酸化膜に対しアンモニアプラズマ照射を行ったものを参考例とし、アンモニアプラズマ照射を行わなかったものを比較例とした。即ち、参考例が条件(A)及び(B)であり、(A)がアンモニアプラズマ照射を30秒行ったもの、(B)がアンモニアプラズマ照射を60秒行ったものである。また、アンモニアプラズマ照射を行わなかったものが条件(C)である。なお、アンモニアプラズマ照射条件は、アンモニアガスを3,000ml/minで供給し、更に水素ガス、窒素ガスを1,000ml/minで供給し、基板温度は約450℃とした。また、周波数は250kHzとした。反射防止膜は同一膜、同一条件にて形成した。(A)、(B)、(C)条件共に6枚ずつ作製した。
作製された太陽電池を25℃、100mW/cm2、スペクトルAM1.5グローバルの擬似太陽光照射時の電気特性測定結果(6枚の平均値)を表1に示す。
本発明によるパッシベーション効果の向上により、短絡電流及び開放電圧の上昇が見られる。結果的に変換効率は0.6%以上の向上が見られている。
参考例3,4、比較例2]
また、もう一つの本発明の有効性を確認するため、酸化膜が形成されない場合のアンモニアプラズマ照射のモデルを図7に示す。多結晶シリコンからなる半導体基板301に基板の導電型と反対の薄い拡散層302を形成し、次に反射防止膜305を形成した。反射防止膜形成後にプラズマCVD装置内に供給されたアンモニアガス306は、プラズマにより励起され、生じた水素ラジカル307が反射防止膜305に打ち込まれ、膜中に多くの水素が取り込まれる。窒化膜表面のパッシベーション効果が得られると同時に、もともと正電荷である窒化膜がより正電荷にシフトすることにより、太陽電池の特性が向上する。
次に図8の実験フローを示す。厚さ250μm、比抵抗1Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}P型アズカットシリコン基板18枚に対し、図4に示す工程で太陽電池を作製した。参考例が条件(D)及び(E)であり、(D)がアンモニアプラズマ照射を30秒行ったもの、(E)がアンモニアプラズマ照射を60秒行ったものである。また、アンモニアプラズマ照射を行わなかったものが条件(F)である。なお、アンモニアプラズマ照射条件は、参考例1,2と同様とした。反射防止膜は同一膜、同一条件にて形成した。(D)、(E)、(F)条件共に6枚ずつ作製した。
作製された太陽電池を25℃、100mW/cm2、スペクトルAM1.5グローバルの擬似太陽光照射時の電気特性測定結果(6枚の平均値)を表2に示す。
本発明によるパッシベーション効果の向上により、主に短絡電流の上昇が見られる。結果的に変換効率は0.5%以上の向上が見られている。
[実施例1,2、比較例3]
更に、本発明の有効性を確認するため、酸化膜形成後にアンモニアプラズマ照射し、かつ反射防止膜を形成した後、更にアンモニアプラズマを照射した場合の実験フローを図9に示す。厚さ250μm、比抵抗1Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}P型アズカット単結晶シリコン基板18枚に対し、本発明が条件(G)及び(H)であり、(G)が酸化膜形成後、反射防止膜形成後にそれぞれアンモニアプラズマ照射を30秒行ったもの、(H)がアンモニアプラズマ照射をそれぞれ60秒行ったものである。また、アンモニアプラズマ照射を行わなかったものが条件(I)である。なお、アンモニアプラズマ照射条件は、いずれも参考例1,2と同様とした。反射防止膜は同一膜、同一条件にて形成した。(G)、(H)、(I)条件共に6枚ずつ作製した。
作製された太陽電池を25℃、100mW/cm2、スペクトルAM1.5グローバルの擬似太陽光照射時の電気特性測定結果(6枚の平均値)を表3に示す。
本発明による酸化膜パッシベーション効果の向上、及び窒化膜パッシベーション及び界面電荷が正にシフトすることで、短絡電流、開放電圧の上昇が見られる。結果的に変換効率は0.8%以上の向上が見られている。
本発明により、アンモニアガスによるプラズマ照射により、半導体基板表面に形成された酸化膜表面及び酸化膜中に存在するダングリングボンドを水素終端することで、太陽電池特性は飛躍的に向上する。また、アンモニアガスによるプラズマ照射は、反射防止膜形成と同一装置、同一チャンバー内で連続して処理することが可能であり、新たな設備増強を伴うことなくかつ短時間で太陽電池特性を向上させることができる。
また本発明により、反射防止膜として窒化膜を形成した場合において、膜形成後のアンモニアガスによるプラズマ照射は、窒化膜表面のパッシベーションを促進すると同時に、膜中の水素量が増えることで、より正電荷にシフトすることにより、太陽電池特性を向上させることができる、この場合においても、アンモニアガスによるプラズマ照射は、反射防止膜形成と同一装置、同一チャンバー内で連続して処理することが可能であり、新たな設備増強を伴うことなくかつ短時間で太陽電池特性を向上させることができる。
101、201、301・・・基板
102、202、302・・・拡散層
103、203、303・・・酸化膜
204 ・・・アンモニアプラズマ照射された酸化膜
104、205、305・・・反射防止膜
206 ・・・アンモニアプラズマ照射された窒化膜
105、207 ・・・Al層(Al電極)
106、208 ・・・BSF層
107、209 ・・・受光面電極
306 ・・・アンモニアガス
307 ・・・水素ラジカル

Claims (7)

  1. P型半導体基板にPN接合を形成する工程と、該半導体基板に酸化膜であるパッシベーション膜を形成する工程と、次いで該パッシベーション膜表面上に対してアンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程と、該プラズマ照射の後、前記パッシベーション膜が形成された第一主表面上に窒化膜である反射防止膜を形成する工程と、次いで該反射防止膜表面上に対してアンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程とを有し、前記パッシベーション膜表面上へのプラズマ照射工程と、前記反射防止膜形成工程と、前記反射防止膜表面上へのプラズマ照射工程とを同一設備で連続して行うことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 半導体基板が単結晶シリコンからなる請求項に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程において、水素ガスと窒素ガスの少なくとも一方を更に含む請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程において、アンモニアガスは、50〜2,000ml/minである請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行う工程が、プラズマCVD装置を使用して形成する工程であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行うプラズマCVD装置において、プラズマ発生用電源の周波数は、ラジオ周波数又はマイクロ波であることを特徴とする請求項に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記アンモニアガスによるプラズマ照射を行うプラズマCVD装置おいて、前記アンモニアプラズマ照射時の基板温度が、200〜600℃である請求項又はに記載の太陽電池の製造方法。
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