JP5475928B2 - 部品の組付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、第1の材料で形成される少なくとも第1の部品と、第2の材料で形成される少なくとも第2の部品とを、恒久的に組付ける方法に関し、この少なくとも第2の部品は、上記第1の部品を上記恒久的な組立体に閉じ込めるようになっている。
本発明の技術分野は、精密機械分野である。より詳細には、本発明は非晶質金属部品の製造方法の技術分野に関する。
本発明は、クランプで組付けた2つの部品、又は反対に、互いに対して可動な2つの部品を得るための、2つの部品の互いに対する組付けに関する。
可動組立体(例えば回転軸受)を得るために、いくつかの製造ステップが公知であり、この製造ステップはまず、可動に取り付けられた少なくとも3つの部品を極めて正確に機械加工することからなる。次に、可動に保たれることになる第3の部品を部分的に閉じ込めるために、3つの部品のうち少なくとも2つを、ネジ留め、接着、溶接またはその他の手段で組付けなければならない。この可動組立体を作製するには、2つの部品間の最終的な遊びが、これらが互いに対して動くことができるようにするのに十分なものである必要がある。この遊びは大きすぎてはならず、もし大きすぎれば、一方の部品の他方に対する位置が変化してしまうリスクがあり、これは理想的ではない。よって、このタイプの組立体の作製は複雑かつ高コストである。
非可動/密閉組立体を作製するには、組立体のためのネジ山を形成するか、部品を互いに接着、鑞接、溶接、又はリベット留めすることができる。
いくつかの問題が発生し得る。実際、上述の公知の手段を用いることができない場合がある。まず、これらの方法は、これらが不可能であるため用いることができない。例えば、ネジ山を脆い材料に部品を破損することなく作製するのは不可能である。
次に、これらの方法は、望ましくない影響、例えば接着材料の脱ガス化などを引き起こすため、用いることができない。
本発明は、2つの部品を互いに固定する方法に関し、この方法は、第1の部品を第2の部品に簡単かつ効率的に固定できるようにすることにより、先行技術の欠点を克服し、上記組立体は固定されていても可動でもよい。
従って、本発明は以下のステップを含むことを特徴とする、上述の組付け方法に関する:
−第1の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金を選択し、第2の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金ではない材料を選択する;
−第2の材料で形成される部品を準備する;
−第1の部品を成形し、同時にこれを第2の部品に組付け、ここで上記第1の材料には、遅くとも上記成形時までに、少なくとも部分的に非晶質となるような処理を施してあり、第1の部品と第2の部品は、少なくとも第2の部品を確実に膨張させる温度上昇勾配と、それに続いて、第2の部品を第1の部品の周りで収縮させるための冷却勾配とからなる熱サイクルを経て、これによって上記第1の部品を閉じ込める;
−上記少なくとも1つの第2の部品と上記少なくとも1つの第1の部品をサイズ決めし、上記第2の材料の熱膨張率を、上記第1の材料の熱膨張率と比較して、必要に応じて適切に選択する;
−上記第2の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積が、上記第1の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積より大きい場合は、上記第1の部品に上記第2の部品をクランプ留めして恒久的な組立体を得る;
−上記第2の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積が、上記第1の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積より小さい場合は、上記第2の部品と上記第1の部品の間にある程度の自由を与えて恒久的な組立体を得る。
本発明の1つの利点は、2つの部品を、非常に簡単に互いに固定できることである。実際、材料の熱膨張率を利用するということは、クランプ手段又は遊びを設けるための手段が不要であるということである。2つの部品間の遊び又はクランプ留めは、材料及びその熱膨張率の選択によって直接的に達成される。同様に、使用する材料の特定の選択により、クランプ留め又は遊びを容易に調節できるようになる。
この固定方法の有利な実施形態は、従属請求項の主題を形成する。
第1の有利な実施形態では、本方法は以下のステップを含む:
−上記温度上昇勾配により、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択した第1の材料の温度がその溶融温度より高温に上昇し、これによって少なくとも局所的に、いかなる結晶構造も失わせることができるように、かつ、上記冷却勾配により、第1の材料の温度がそのガラス転移温度未満になり、これによって第1の材料が少なくとも部分的に非晶質となるように、上記熱サイクルを定義する。
第2の有利な実施形態では、本方法は以下のステップを含む:
−第1の材料を予備成形品に変換し、これを、少なくとも部分的に非晶質とするような処理に供する;
−予備成形品に変換した上記第1の材料の上記熱サイクルを、予備成形品がそのガラス転移温度と結晶化温度の間の温度となるように定義する;
−上記予備成形品に加圧して、上記少なくとも1つの第2の部品で上記少なくとも1つの第1の部品を閉じ込める;
−組立体を冷却し、上記第1の材料が少なくとも部分的に非晶質の性質を維持できるようにする。
第3の有利な実施形態では、本方法は、中間層を第2の部品に溶着するステップと、上記第2の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積が、上記第1の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積より小さい場合は、第1の部品と第2の部品の間の遊びを増大させるために上記中間層を溶解させる最終ステップと、を含む。
別の有利な実施形態では、本方法は、第1の部品と第2の部品の間の機械的接着を増強するために、第2の部品に少なくとも1つの起伏部分を作製するステップを含む。
別の有利な実施形態では、上記少なくとも1つの起伏部分は、機械加工によって得られる。
別の有利な実施形態では、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択される上記第1の材料又は第2の材料は、その全体が非晶質となるような処理を施される。
本発明の1つの利点は、本方法は極めて簡単に達成できるという点である。実際、本方法は、各合金にとって所定の温度範囲[Tg−Tx]内にある特定の時間は非晶質のままであり、その間は軟化するという特質を有する非晶質金属を使用する(ここでTxは結晶化温度、Tgはガラス転移温度である)(例えばZr41.24Ti13.75Cu12.5Ni10Be22.5合金では、Tg=350℃、Tx=460℃である)。従って、これらの金属を比較的低い負荷と低い温度で成形することができ、これによって、簡略化した工程を利用することができる。このタイプの材料の使用はまた、合金の粘性が温度範囲[Tg−Tx]内で急峻に減少することで、この合金が雌型の隅々に行き渡るため、精密な形状寸法の非常に正確な再現を可能とする。例えば、プラチナベースの材料では、成形は、温度Tgにおける粘度1012Pa.sの代わりに、約300℃、圧力1MPaで最高103Pa.sの粘度で行われる。これは即ち、部品の作製と組付けを同時に行うことができることを意味する。
本発明は又、一方で第1の材料で形成される少なくとも第1の部品と、他方で第2の材料で形成される少なくとも第2の部品とを、恒久的に組付ける方法にも関し、この少なくとも第2の部品は、上記第1の部品を上記恒久的な組立体に閉じ込めるようになっており、以下のステップを含むことを特徴とする:
−第2の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金を選択し、第1の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金ではない材料を選択する;
−上記第1の材料で形成される部品を準備する;
−第2の部品を成形し、同時にこれを第1の部品に組付け、ここで上記第2の材料には、遅くとも上記成形時までに、少なくとも部分的に非晶質となるような処理を施してあり、第2の部品と第1の部品は、組付ける第1の部品と第2の部品を確実に膨張させる温度上昇勾配と、それに続く、第2の部品を第1の部品の周りで収縮させるための冷却勾配とからなる熱サイクルを経て、これによって上記第1の部品を閉じ込める;
−上記少なくとも1つの第2の部品と上記少なくとも1つの第1の部品をサイズ決めし、上記第2の材料の熱膨張率を、上記第1の材料の熱膨張率と比較して、必要に応じて適切に選択する;
−上記第2の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積が、上記第1の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積より大きい場合は、上記第1の部品に上記第2の部品をクランプ留めして恒久的な組立体を得る;
−上記第2の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積が、上記第1の材料の上記熱膨張率と上記冷却勾配との積より小さい場合は、上記第2の部品と上記第1の部品の間に少なくともある程度の自由を与えて恒久的な組立体を得る。
本発明による組付け方法の目的、利点、特徴は、単なる非限定的な例として挙げられ、添付の図面に図示されている、本発明の少なくとも1つの実施形態に関する以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図2は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図3は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図4は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図5は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図6は、本発明による方法の第1の実施形態の概略図である。 図7は、本発明による方法の第2の実施形態の概略図である。 図8は、本発明による方法の第2の実施形態の概略図である。 図9は、本発明による方法の第2の実施形態の概略図である。 図10は、本発明による方法の第2の実施形態の概略図である。 図11は、本発明による方法の第2の実施形態の概略図である。 図12は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図13は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図14は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図15は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図16は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図17は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図18は、本発明による方法の第1の実施形態の変形例の概略図である。 図19は、本発明による方法の第2の実施形態の変形例の概略図である。
本発明は、第1の部品1と第2の部品2の組付けに関する。第1の部品1は、熱膨張率α1を有する第1の材料で作製され、第2の部品2は、熱膨張率α2を有する第2の材料で作製される。第2の部品は、第1の部品1を閉じ込めるように配設される。
本例では、第1の部品1は、少なくとも部分的に非晶質の合金である少なくとも1つの金属要素を備える、少なくとも部分的に非晶質の材料からなる。しかし、第2の部品2を、少なくとも1つの金属要素を備える少なくとも部分的に非晶質の材料で作製し、第1の部品1を他の材料で作製することも想定することができる。好ましくは、第1の部品1及び/又は第2の部品2は、同一でも異なっていてもよい完全に非晶質の合金からなる。上記金属要素は、貴金属に属するものであってもよい。
可動部品1の非晶質金属の特徴を、第2の部品2と第1の部品1の組付けに利用する。実際、非晶質金属は成形に極めて便利であり、複雑な形状の部品を、極めて高い精度で簡単に実現することができる。これは、各合金にとって所定の温度範囲[Tg−Tx]内にある特定の時間は非晶質のままであり、その間は軟化させることができる、という、非晶質金属の特質によるものである(ここでTxは結晶化温度、Tgはガラス転移温度である)(例えばZr41.24Ti13.75Cu12.5Ni10Be22.5合金では、Tg=350℃、Tx=460℃である)。従って、これらの金属は比較的低い負荷と低い温度で成形することができ、これによって、熱間成形等の簡略化した工程を利用することができる。このタイプの材料の使用はまた、合金の粘性が温度範囲[Tg−Tx]内で急峻に減少することで、この合金が雌型の隅々に行き渡るため、精密な形状寸法の非常に正確な再現を可能とする。例えば、プラチナベースの材料では、成形は、温度Tgにおける粘度1012Pa.sの代わりに、約300℃、圧力1MPaで最高103Pa.sの粘度で行われる。これは即ち、部品の作製と組付けを同時に行うことができることを意味する。
図2に示す第1のステップは、支持体として使用する第2の部品2を準備することからなる。この支持体2は、「第2の材料」とよばれる材料で形成され、この第2の材料はいかなる材料であってもよい。第2の部品2は第1の部品1を閉じ込める。
図3に示す第2のステップは、第1の材料、即ち第1の部品1を形成する材料を準備することからなる。図4〜6に示す第3のステップは、ここでは非晶質金属である第1の材料を成形して、第1の部品1を、第1の部品1を第2の部品2に組付けるために形成することからなる。これを達成するために、熱間成形法を用いる。
まず、非晶質金属の予備成形品4を作製する。この予備成形品4は、最終的な部品と同様の外観及び寸法を有する部品からなる。典型的には、例えば円形の膜を作製したい場合、予備成形品4はディスク形状をとることになる。重要なのは、上記予備成型品4は既に非晶質構造を有しているということである。これを達成するために、材料または第1の材料を形成する材料を、溶融温度を超える温度に上昇させることによって液体状態にする。次にこれらを均一に混合し、上記第1の材料を形成する。続いてこの混合物を所望の形状の鋳型5のダイ5a、5bに流し込む。そしてこれを、原子がある構造をとる時間を与えないように、可能な限りの早さで冷却すると、第1の材料は少なくとも部分的に非晶質となる。
次に、図4に示すように、予備成形品4を、第2の部品2上に、これを覆うように配設する。続いて、その材料に固有の温度、好ましくはガラス転移温度Tgと結晶化温度Txの間の温度までホットプレスを加熱する。こうして第1の部品と第2の部品は、同一の温度上昇を受ける。この温度上昇が第2の部品2と第1の部品1とで異なることも想定することができる。
ホットプレスが所望の温度に達すると、予備成形品4に圧力をかけ、図5に示すように第2の部品のハウジング6に充填する。この加圧操作は所定の時間だけ行う。
加圧時間が終わると、第1の材料をTg未満に冷却し、第1の部品1を形成する。加圧及び冷却は、第1の材料の結晶化を防ぐために十分な早さで行わなければならない。実際、ガラス転移温度Tgと結晶化温度Txの間の所定の温度にある所定の材料に関して、それを超えると上記材料が結晶化してしまう最長の時間が存在する。この時間は、温度が結晶温度Txに近づくと減少し、温度がガラス転移温度Tgに近づくと増加する。よって、TgとTxの間の温度にある時間が、各温度/合金の組み合わせに関してある特定の値を超えると、非晶質材料は結晶化してしまう。典型例として、Zr41.2Ti13.8Cu12.5Ni10Be22.5合金、温度440℃の場合、加圧時間は約120秒を超えないようにすべきである。このようにして、加熱作業は予備成形品4の、少なくとも部分的に非晶質である最初の状態を保つ。
続いて、図6に示すように、第1の部品1及び第2の部品2を鋳型5から取り外し、最終的な部品を得る。
再度記載しておくが、第2の部品を非晶質金属で作製し、第1の部品1を他の材料で作製してもよい。
熱間成形の変形例は、鋳造の原理を利用する。非晶質金属の構成要素を液体状態で、即ち、少なくとも溶融温度に等しい温度で混合する。次にこの混合物を、作製する部品の形状を有する鋳型に流し込み、続いて原子がある構造をとる時間を与えないように、急速に冷却する。
本発明によると、有利には、第1の材料及び第2の材料を、熱膨張率α1と熱膨張率α2が異なるように選択する。材料の熱膨張率によって、温度を上昇させたときの材料の膨張が定義され、これは式ΔL=α・L0・ΔTに従い、ここで
・ΔL、メートル(m)で表した長さの変化
・α、ケルビンのマイナス1乗(K-1)で表した線膨張率
・L0、メートル(m)で表した初めの長さ
・ΔT=T−T0、ケルビン(K)又はセルシウス度(℃)で表した温度の変化
である。
これは例えば、30mの鋼鉄の棒では、鋼鉄は熱膨張率12.0×10-6を有するため、プラス60℃のΔTを受けると膨張して、棒の長さが30.0216mとなることを意味する。この後温度が下がると、この棒は収縮して初めの長さに戻る。
この原理を、本発明の本例において利用する。実際、熱間成形を、雰囲気温度より高い温度で行うが、これは、第1の部品1と第2の部品2を形成する材料が、温度上昇勾配を経ることによって膨張することを意味する。冷却中、即ち冷却勾配中、第1の材料及び第2の材料は収縮する。熱間成形の場合、第1の部品と第2の部品が共に同じダイ5a及び5bに配置されるため、勾配は同一である。熱膨張率が異なると、収縮も異なる。当然のことであるが、収縮は温度上昇勾配、熱膨張率及び寸法に依存するため、第1の部品1と第2の部品2が同じ温度上昇にさらされなければ、勾配はこの2つの部品で異なり、収縮も異なることになる。
鋳造の場合、上記溶融した合金を鋳型に流し込むことにより、上記鋳型5内に配置された第2の部品2の温度上昇が起こる。そしてこの2つの材料の温度は、熱交換によって互いに近いものになると考えられる。
第1の実施形態では、第1の部品1と第2の部品2を可動に組付けてユニット3を形成する。例えばユニット3として、ボールジョイント、又はアーバに回転可能に取り付けられたホイールを考えることができる。また、互いに対して緩く取り付けられた2本のチューブを考えることもできる。このユニットは、第2の部品である支持体2を含み、この支持体2に、図1に示す第1の部品である可動部品1を固定する。
本発明によると、有利には、第1の部品1及び第2の部品2の熱膨張率α1及びα2は異なる。これにより、第2の部品2に対して第1の部品1が可動となる。遊び又はクランプ留めの発現の原因となるのは、膨張率の差異である。少なくとも1つの金属要素を含む少なくとも部分的に非晶質の材料を使用することにより、少なくとも1つの金属要素を含む少なくとも部分的に非晶質の材料で作製された部品を製造する操作と、上記部品を別の部品に組付ける操作とを同時に実施することを、巧みに可能とする。
2つの可動部品間の遊びは、第1の材料と第2の材料の熱膨張率の差異、熱間成形を実施する温度、並びに第1の部品1及び第2の部品2の寸法によって規定される。可動組立体、即ち2つの部品1、2の間に遊び12がある組立体の場合、熱膨張率α1は熱膨張率α2より大きい。熱膨張率α1が熱膨張率α2に比べて大きくなればなるほど、遊び12も大きくなる。実際、第1の部品1は第2の部品2内に閉じ込められ、この第1の部品1は第2の部品2よりも収縮する。これを達成するために、上記熱膨張率α2と上記冷却勾配との積は、上記熱膨張率α1と上記冷却勾配との積未満でなければならない。
同様に、熱間成形温度が高ければ高いほど、雰囲気温度における遊びは大きくなる。少なくともTgまでの冷却中により大きな又はより小さな負荷をかけることによって、組立体の最終的な遊び12を調整することもできる。
非晶質金属を使用することで、方法をより複雑にすることなく、そればかりか簡略化して、第1の部品1を同時に可動組立体として製造することができる。
余剰の材料を、例えば化学的又は機械的工程によって除去してもよい。余剰は、冷却の前又は後に除去することができる。
代替形態では、第2の部品2を非晶質金属又は合金で作製し、第1の部品1を他の材料で作製する。支持体である第2の部品2は、第1の部品1を格納するハウジング6を含む。使用する方法は、上述の熱間成形方法である。
図12〜18に示す第1の変形例では、第1のステップと第2のステップの間に追加のステップを提供してもよい。この追加のステップは、非晶質金属製でない部品、即ち本例のように第1の部品を上記ハウジング6に流し込む際には第2の部品2のハウジング6の壁7に、又は、上記第1の実施形態の代替形態の場合は第1の部品1の壁7に、中間層9を溶着することからなる。この中間層9は、CVD、PVD、電気溶着、ガルバニック溶着、又はその他の手段で溶着することができる。この第3のステップの後、この層9を第1の部品1と第2の部品2の間に挿入する。そして、この中間層を化学浴で選択的に溶解させ、上記第1の部品1と第2の部品2の間の遊び12を増大させることができる。第1の部品1と第2の部品2の間に遊び12が事前に生成されており、化学溶液が浸透して中間層9を全て除去できるようになっているため、溶解が可能である。
第2の実施形態では、第1の部品1と第2の部品2を固定して組付けて、ユニットを形成する。部品1及び2に使用する材料の熱膨張率の差異を適切に選択すれば、非晶質金属の、熱加工中に表面の全ての細部に完璧に適合する能力を利用して、組立体を封止することもできる。例えば、このユニット3を、2つのチューブの、又はアーバに固定された時計の針の、封止された組立体とすることも考えられる。このユニット3は、第2の部品2である支持体2を含み、この支持体2に、図7に示す第1の部品である第1の可動部品1を固定する。ここで用いる方法は、図8〜11に示す第1の実施形態で用いる方法と同じである。この方法は熱間成形を利用し、第1の実施形態に関しては、第1の部品1又は第2の部品2を非晶質金属又は非晶質合金で作製してもよい。
この実施形態では、封止された組立体又は第1の部品を閉じ込める第2の部品のクランプ留めを、熱膨張率α1が熱膨張率α2未満になるように第1の材料及び第2の材料を選択することによって達成する。より詳細には、第1の部品及び第2の部品の寸法並びに熱膨張率α1及びα2を、上記熱膨張率α2と上記冷却勾配との積が、上記熱膨張率α1と上記冷却勾配との積より大きくなるように決定する。従って、第1の部品を閉じ込める第2の部品は、第1の部品よりよく収縮し、それによって上記第1の部品をクランプ留めする。
その結果、第1の部品及び第2の部品の冷却中、第1の材料及び第2の材料は収縮する。熱膨張率が異なるため、収縮も異なる。本例の場合、第2の材料は第1の材料よりよく収縮し、それによって第2の部品2を第1の部品1上にクランプ留めする。従って、クランプ力は、第1の材料と第2の材料の熱膨張率の差異、熱間成形を実施する温度、及び部品の寸法によって規定される。熱膨張率α2が熱膨張率α1に比べて大きくなればなるほど、クランプ力も大きくなる。同様に、熱間成形温度が高ければ高いほど、雰囲気温度におけるクランプ力も大きくなる。少なくともTgまでの冷却中により大きな又はより小さな負荷をかけることによって、組立体の最終的なクランプ力を調整することもできる。
図19に示す、この第2の実施形態の変形例では、第1のステップと第2のステップの間に追加のステップを提供してもよい。この追加のステップは、第1の部品が非晶質材料で作製されている場合には第2の部品2の内壁10を、又は、第2の部品が非晶質材料で作製されている場合には第1の部品1の外壁11を、機械加工することからなる。この機械加工は、起伏部分13等の粗面領域を機械加工することからなる。これにより、熱間成形中、第1の部品1と第2の部品2の間の機械的接着及び/又は封止が向上する。
部品1と部品2の間に中間層を追加する変形例についても言及する必要がある。部品1及び2とは異なる膨張率を有する材料を上記層に選択することにより、この層を用いて、クランプ力をより広い範囲で調整することができる。
変形例では、特に、例えばシリコン等の脆い材料の組立体の場合に、非晶質金属に組み付けられる部品の破損を回避するために、この層を安全のために用いることもできる。従って、冷却により組立体に負荷がかかると、脆い材料が破損する前に可塑的に変形するような、軟性の層(銅、金、銀、インジウム等)を、脆い材料に溶着することができる。
別の変形例では、第1の部品1又は第2の部品2を局所的に加熱し、第1の部品1又は第2の部品2の材料を局所的に膨張させることができる。これにより、第1の部品及び第2の部品を互いに組付けることができる。好ましくは、この変形例は第2の実施形態に置いて使用される。
当業者に明らかである様々な変形及び/又は改良及び/又は組み合わせは、添付の請求項に定義した本発明の範囲から逸脱することなく、上に記載した本発明の様々な実施形態となり得ることは、明らかであろう。

Claims (20)

  1. 第1の材料で形成される少なくとも第1の部品(1)と、第2の材料で形成される少なくとも第2の部品(2)とを、恒久的に組付け、前記少なくとも第2の部品(2)は、前記第1の部品(1)を前記恒久的な組立体に閉じ込める方法であって、この方法は;
    −前記第1の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金を選択し、前記第2の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金ではない材料を選択するステップ;
    −前記第2の材料で形成される前記第2の部品(2)を準備するステップ;
    −前記第1の部品(1)を成形し、同時に前記第1の部品(1)を前記第2の部品(2)に組付けるステップであって、ここで前記第1の材料には、遅くとも前記成形時までに、前記第1の材料が少なくとも部分的に非晶質となるような処理を施してあり、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)は、少なくとも前記第2の部品(2)を確実に膨張させる温度上昇勾配と、それに続いて、前記第2の部品(2)を前記第1の部品(1)の周りで収縮させるための冷却勾配とからなる熱サイクルを経て、これによって前記第1の部品(1)を閉じ込める、ステップ;
    −前記少なくとも1つの第2の部品(2)と前記少なくとも1つの第1の部品(1)をサイズ決めし、前記第2の材料の熱膨張率(α2)を、前記第1の材料の熱膨張率(α1)と比較して、必要に応じて適切に選択するステップ;
    −前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より大きい場合は、前記第1の部品(1)に前記第2の部品(2)をクランプ留めして恒久的な組立体を得るステップ;
    −前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第2の部品(2)と前記第1の部品(1)の間に少なくともある程度の自由を与えて恒久的な組立体を得るステップ
    を含むことを特徴とする、部品の取付け方法。
  2. 第1の材料で形成される少なくとも第1の部品(1)と、第2の材料で形成される少なくとも第2の部品(2)とを、恒久的に組付け、前記少なくとも第2の部品(2)は、前記第1の部品(1)を前記恒久的な組立体に閉じ込める方法であって、この方法は;
    −前記第2の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金を選択し、前記第1の材料として、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金ではない材料を選択するステップ;
    −前記第1の材料で形成される前記第1の部品(1)を準備するステップ;
    −前記第2の部品(2)を成形し、同時に前記第2の部品(2)を前記第1の部品(1)に組付けるステップであって、ここで前記第2の材料には、遅くとも前記成形時までに、前記第2の材料が少なくとも部分的に非晶質となるような処理を施してあり、前記第2の部品(2)と前記第1の部品(1)は、組付ける前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)を確実に膨張させる温度上昇勾配と、それに続く、前記第2の部品(2)を前記第1の部品(1)の周りで収縮させるための冷却勾配とからなる熱サイクルを経て、これによって前記第1の部品(1)を閉じ込める、ステップ;
    −前記少なくとも1つの第2の部品(2)と前記少なくとも1つの第1の部品(1)をサイズ決めし、前記第2の材料の熱膨張率(α2)を、前記第1の材料の熱膨張率(α1)と比較して、必要に応じて適切に選択するステップ;
    −前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より大きい場合は、前記第1の部品(1)に前記第2の部品(2)をクランプ留めして恒久的な組立体を得るステップ;
    −前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第2の部品(2)と前記第1の部品(1)の間に少なくともある程度の自由を与えて恒久的な組立体を得るステップ
    を含むことを特徴とする、部品の取付け方法。
  3. 以下のステップ:
    −前記温度上昇勾配により、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択した前記第1の材料の温度がその溶融温度より高温に上昇し、これによって少なくとも局所的に、前記第1の材料のいかなる結晶構造も失わせることができるように、かつ、前記冷却勾配により、前記第1の材料の温度がそのガラス転移温度未満になり、これによって第1の材料が少なくとも部分的に非晶質となるように、前記熱サイクルを定義するステップ
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の恒久的な組付け方法。
  4. 以下のステップ:
    −前記温度上昇勾配により、少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択した前記第2の材料の温度がその溶融温度より高温に上昇し、これによって少なくとも局所的に、前記第2の材料のいかなる結晶構造も失わせることができるように、かつ、前記冷却勾配により、前記第2の材料の温度がそのガラス転移温度未満になり、これによって前記第2の材料が少なくとも部分的に非晶質となるように、前記熱サイクルを定義するステップ
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載の恒久的な組付け方法。
  5. 前記成形するステップは、
    −前記第1の材料を予備成形品(4)に変換し、前記第1の材料を、少なくとも部分的に非晶質とするような処理に供するステップ;
    −前記予備成形品(4)に変換した前記第1の材料の前記熱サイクルを、前記予備成形品(4)がそのガラス転移温度と結晶化温度の間の温度となるように定義するステップ;
    −前記予備成形品(4)に加圧して、前記少なくとも1つの第2の部品(2)で前記少なくとも1つの第1の部品(1)を閉じ込めるステップ;
    −前記組立体を冷却し、前記第1の材料が少なくとも部分的に非晶質の性質を維持できるようにするステップ
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の恒久的な組付け方法。
  6. 前記成形するステップは、
    −前記第2の材料を予備成形品(4)に変換し、前記第2の材料を、少なくとも部分的に非晶質とするような処理に供するステップ;
    −前記予備成形品(4)に変換した前記第2の材料の前記熱サイクルを、前記予備成形品(4)がそのガラス転移温度と結晶化温度の間の温度となるように定義するステップ;
    −前記予備成形品(4)に加圧して、前記少なくとも1つの第2の部品(2)で前記少なくとも1つの第1の部品(1)を閉じ込めるステップ;
    −前記組立体を冷却し、前記第1の材料が少なくとも部分的に非晶質の性質を維持できるようにするステップ
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載の恒久的な組付け方法。
  7. 中間層(9)を前記第2の部品(2)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組付け方法。
  8. 中間層(9)を前記第2の部品(2)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組付け方法。
  9. 中間層(9)を前記第2の部品(2)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載の組付け方法。
  10. 中間層(9)を前記第1の部品(1)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載の組付け方法。
  11. 中間層(9)を前記第1の部品(1)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項4に記載の組付け方法。
  12. 中間層(9)を前記第1の部品(1)に溶着することからなるステップと、
    前記第2の材料の前記熱膨張率(α2)と前記冷却勾配との積が、前記第1の材料の前記熱膨張率(α1)と前記冷却勾配との積より小さい場合は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の前記遊び(12)を増大させるために前記中間層(9)を溶解させることからなる最終ステップと
    を含むことを特徴とする、請求項6に記載の組付け方法。
  13. 前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の機械的接着を増強するために、前記第2の部品(2)に少なくとも1つの起伏部分(13)を作製することからなるステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の組付け方法。
  14. 前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の機械的接着を増強するために、前記第1の部品(1)に少なくとも1つの起伏部分(13)を作製することからなるステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の組付け方法。
  15. 前記少なくとも1つの起伏部分(13)は、機械加工によって得られることを特徴とする、請求項13に記載の組付け方法。
  16. 前記少なくとも1つの起伏部分(13)は、機械加工によって得られることを特徴とする、請求項14に記載の組付け方法。
  17. 少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択される前記第1の材料又は前記第2の材料は、前記材料の全体が非晶質となるような処理を施されることを特徴とする、請求項1に記載の組付け方法。
  18. 少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択される前記第1の材料又は前記第2の材料は、前記材料の全体が非晶質となるような処理を施されることを特徴とする、請求項2に記載の組付け方法。
  19. 少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択される前記第1の材料又は前記第2の材料は、前記組付けステップの後で、前記材料が少なくとも部分的に非晶質となるような熱処理を施されることを特徴とする、請求項1に記載の組付け方法。
  20. 少なくとも部分的に非晶質となることができる合金として選択される前記第1の材料又は前記第2の材料は、前記組付けステップの後で、前記材料が少なくとも部分的に非晶質となるような熱処理を施されることを特徴とする、請求項2に記載の組付け方法。
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