JP5475358B2 - 2次元電気泳動方法 - Google Patents

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本発明は2次元電気泳動方法に関する。更に詳しくは本発明は、1次元目電気泳動ゲルのゲル長を比較的短く設定すると共に、2次元目電気泳動用ゲルにおける泳動方向基端部のゲル濃度を低くした2次元電気泳動方法に関する。
本発明において「ゲル濃度」とは、直接的には当該ゲルの重合反応時のモノマー濃度を意味するが、重合反応時のモノマー濃度が高い程ゲルの網目構造は密になるので、実質的にはゲルの網目構造の密度を意味する。
従来、細胞抽出物などから蛋白質や核酸を分離・精製する方法が種々に検討されてきている。塩濃度を利用した析出、遠心分離などはその一例であるといえる。
また、蛋白質や核酸の残基が有する電荷や、分子量の違いを利用した精製方法も多数検討されている。電荷を利用した精製方法としては、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーや等電点電気泳動を例示できる。分子量の違いを利用した精製方法としては遠心分離、分子量篩によるカラムクロマトグラフィーやSDS−PAGEを例示できる。
近年、少量のサンプルから多様な蛋白質を分離精製する方法として、1次元目に等電点電気泳動を行い、2次元目にSDS−PAGEを行う2次元電気泳動法が用いられている。
特表2002−503813号公報。 この特許文献1は、肝細胞性のガンの診断のために被験者の血清又は血漿について行う2次元電気泳動を開示している。
David R.M.Grahamet al. 「Improvements in two-dimensional gelelectrophoresis by utilizing a low cost "in-house" neutral pH sodium dodecylsulfate-polyacrylamide gel electrophoresis system」 Proteomics 2005,5,2309-2314。 この非特許文献1は、SDS−PAGEを含む2次元電気泳動における「イン−ハウス・システム」と称する一定の改良について開示している。
通常、電気泳動においては、第1に、泳動用ゲルのゲル長と分離能が対応するため、多くのスポットを得る観点から、ゲル長を長く設定している。例えば、上記特許文献1及び非特許文献1では、実施例の1次元目等電点電気泳動においてゲル長を18cm以上の長さとしている。又、第2に、2次元目電気泳動ゲルのゲル濃度については、一般的に12%程度に設定される場合が多いようであるが、このゲル濃度は、1次元目電気泳動ゲルのゲル長との関連においては、必ずしも十分に考慮されていない。
しかし、上記の第1の点に関しては、泳動距離が長くなると分離能が良くなるが、泳動時間も長くなり、一定時間当たりの泳動回数(スループット)が落ちる。加えて、検出されるスポットがブロードしてしまう傾向がある。スポットのブロードは蛋白質等の分離対象物質の検出限界値の上昇という不具合に結びつく。
一方、1次元目電気泳動ゲルのゲル長を単に短く設定した場合、泳動時間が短くなり、一定時間当たりの泳動回数(スループット)が向上し、1次元目電気泳動におけるスポットがよりシャープになるものの、1次元目電気泳動ゲルにおける蛋白質スポットの相互間隔がコンパクトになり、スポット中の蛋白質濃度も高くなる。
従って、1次元目電気泳動ゲルのコンパクトなスポット中に濃縮された蛋白質の2次元目電気泳動ゲルへの移行が相対的に困難になり、蛋白質の移行漏れが顕著になったり、蛋白質スポットが2次元目電気泳動においてその泳動方向に対する横向きにブロードしてしまうという不具合があった。
そこで本発明は、1次元目電気泳動ゲルのゲル長を比較的短く設定して泳動時間の短縮、1次元目電気泳動のハイスループット化、スポットのブロード抑制等の利点を確保すると共に、それに伴う蛋白質の移行漏れ、2次元目電気泳動における蛋白質スポットの横向きのブロード等の不具合を抑制することを解決すべき課題とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、1次元目電気泳動ゲルの長手方向のゲル長が5〜10cmであって、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向基端部のゲル濃度を3〜6%とした、2次元電気泳動方法である。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明において、2次元目電気泳動ゲルがポリアクリルアミドゲル(PAG)である、2次元電気泳動方法である。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明において、2次元目電気泳動ゲルを用いて行う電気泳動がSDS−PAGEである、2次元電気泳動方法である。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかにおいて、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向先端側の部分のゲル濃度が高く設定されている、2次元電気泳動方法である。
(第1発明)
本願発明者は、電気泳動用のゲルが網目構造を持ち、そのゲル濃度がゲルの網目構造の密度を意味することから、第1に、2次元目電気泳動ゲルにおける泳動方向基端部のゲル濃度が、蛋白質が1次元目電気泳動ゲルより2次元目電気泳動ゲルへ移行する際の関門(バリア)になっていると考えた。第2に、蛋白質の2次元目電気泳動ゲルへの移行は、この関門のバリア性の高さと、移行しようとする蛋白質スポットの相互間隔及びスポット中の蛋白質濃度との相対関係によって規定されると考えた。
即ち、仮に1次元目電気泳動ゲルのゲル長が十分に長い(例えば18cm)場合、そのことによる前記の不具合は別にして、2次元目電気泳動ゲルへ移行しようとする蛋白質スポットの相互間隔は十分に大きく、スポット中の蛋白質濃度も十分に低いので、2次元目電気泳動ゲルのゲル濃度が12%程度と高い(高バリア性である)場合でも、蛋白質の移行には比較的支障を生じないと考えられる。
しかし、1次元目電気泳動における泳動時間の短縮、スポットのブロード抑制等を目的として1次元目電気泳動ゲルのゲル長を短く設定した場合には、蛋白質が上記の高バリア性の関門をスムーズに通過できず、前記した蛋白質の移行漏れ、蛋白質スポットの横向きのブロード等の不具合を生じるのである。
そして、本願発明者の研究によれば、通常の検体において、1次元目電気泳動ゲルの長手方向のゲル長が5〜10cmである場合、2次元目電気泳動ゲルにおける、少なくとも泳動方向基端部のゲル濃度を3〜6%の範囲の低濃度に設定することにより、この低バリア性の関門を蛋白質がスムーズに通過し、蛋白質の移行漏れ、蛋白質スポットの横向きのブロード等の不具合を抑制できる。
従って、第1発明によれば、1次元目電気泳動ゲルのゲル長を比較的短く設定して泳動時間の短縮、1次元目電気泳動のハイスループット化、スポットのブロード抑制等の利点を確保すると共に、それに伴う蛋白質の移行漏れ、2次元目電気泳動における蛋白質スポットの横向きのブロード等の不具合を抑制することができる。
(第2発明)
本発明で用いる2次元目電気泳動ゲルの種類は、必ずしも限定されないが、ポリアクリルアミドゲル(PAG)を好ましく例示することができる。
(第3発明)
本発明の2次元電気泳動方法において、2次元目電気泳動の種類は必ずしも限定されないが、SDS−PAGEを好ましく例示することができる。
(第4発明)
本発明の2次元電気泳動方法においては、必要に応じて(例えば、2次元目電気泳動における分離能を高くしたい場合等には)、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向先端側の部分のゲル濃度を高く設定することにより、対応することができる。
第1実施例及び第1実施例に対する比較例1に係る2次元電気泳動の結果を示す。
第1実施例に係る2次元電気泳動の各ゲルのゲル長と、それらのゲルのpH勾配又はゲル濃度勾配を示す模式図である。
第1実施例に対する比較例1に係る2次元電気泳動の各ゲルのゲル長と、それらのゲルのpH勾配又はゲル濃度勾配を示す模式図である。
第1実施例に対する比較例2に係る2次元電気泳動の結果を示す。
第1実施例に対する比較例2に係る2次元電気泳動の各ゲルのゲル長と、それらのゲルのpH勾配又はゲル濃度勾配を示す模式図である。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔1次元目電気泳動〕
本発明の1次元目電気泳動は特に限定されないが、等電点電気泳動を好ましく例示することができる。1次元目に等電点電気泳動を行う場合は、検体中の蛋白質等の分離対象物質が有する等電点を利用して分離を行う。正に荷電した分離対象物質は陰極側に移動し、他方、負に荷電した分離対象物質は陽極側に移動する。そして、等電点(pI)と等しいpHのゲルの位置で分離対象物質の正味の電荷がゼロとなり、泳動を止める。よって泳動開始後は荷電状態の化合物が移動するので、電流が流れることとなる。
〔1次元目電気泳動ゲル〕
1次元目電気泳動ゲルは特に限定されないが、等電点電気泳動用ゲルを好ましく例示できる。ゲルの種類としては、ポリアクリルアミドゲルを好ましく例示することができる。1次元目電気泳動ゲルの形態は、2次元目電気泳動ゲルの検体適用側(泳動方向基端部側)にそなえることができる限りにおいて特に限定されない。棒状、円柱状を好ましい形態として例示することができる。
本発明において「1次元目電気泳動ゲルの長手方向」とは一般的に棒状、円柱状の形状のゲルの軸方向をいい、より本質的には分離対象となる検体の電気泳動の泳動方向を意味する。1次元目電気泳動ゲルの長手方向のゲル長は5〜10cmが好ましく、5〜8cmが特に好ましい。
1次元目電気泳動が等電点電気泳動である場合は、当該等電点電気泳動ゲルには適宜なpH勾配が設定されることが望ましい。当該pH勾配は検体の種類や調製方法により、適宜に設定することができる。その設定方法としては、両性担体をゲルに添加し、電場をかけて所望のpH勾配を形成する手法や、種々の等電点の側鎖を持つモノマー誘導体を用いて、ポリマーゲルの作成と同時にpH勾配を固定的に形成する手法(IPG法)等が好ましく用いられる。
例えば検体がヒト細胞等の生物細胞の抽出物である場合、1次元目電気泳動は等電点電気泳動とすることが好ましく、当該等電点電気泳動に用いるゲルは、ゲルのpHの範囲を3〜10とし、かつ、ゲルのpH勾配が、pH5までのゲル長をa、pH5〜7のゲル長をb、pH7以上のゲル長をcとした場合に「a<b」及び「b>c」の関係を満たすものであり、より好ましくは、ゲルの全長を1とした場合に、aが0.15〜0.3の範囲内、bが0.4〜0.7の範囲内、cが0.15〜0.3の範囲内であるものであり、とりわけ好ましくは、「a+c≦b」の関係を満たすものである。
本願発明者は、ヒト細胞等の生物細胞の抽出物から調製した検体は、pH5〜7に等電点を持つ蛋白質を多数含んでいる場合が多いことを経験的に把握している。前記等電点電気泳動に用いるゲルは、pH5〜7に等電点を持つ多数の蛋白質を高い分離能で分離することができる。その一方で他のpH域に等電点を持つ蛋白質は、pH5〜7に等電点を持つ蛋白質よりも少ない(分離対象数が少ない)ので、当該他のpH域においては、ゲル中のpH勾配がpH5〜7に比べて急であっても十分な分離能を発揮することができる。各pH域において必要な分離能を持たせることで、ゲル長を抑えることができる。その一方で分離対象蛋白質の泳動距離は減少するので、高スループットが実現できる。また、前記他のpH域においてはpH勾配が急であるので、分離対象蛋白質は高濃度スポットとなる。よって、当該他のpH域に等電点を持つ分離対象蛋白質の検出限界値を低くすることができる。
〔等電点電気泳動方法〕
1次元目電気泳動が等電点電気泳動である場合において、泳動に用いられる機器は特に限定されない。しかし、小型装置・高分解能・高スループットを実現するためには、ゲル長5〜10cmのゲルの使用に合致した電気泳動用機器が好ましい。
1次元目電気泳動のプロトコルは特に限定されない。しかし、高分解能、高スループットを実現するためには、電気泳動のプロトコルにも留意する必要がある。1次元目電気泳動が等電点電気泳動である場合、検体溶液を調製する段階において、分離・精製の対象とならない荷電性の物質である粗雑物はできるだけ除くことが好ましい。例えば、分離・精製の対象が蛋白質である場合は、リン脂質、ゲノムDNAやRNAを含む核酸、脂肪酸、金属イオン、抽出用の界面活性剤等が粗雑物に含まれる。しかし、検体中に当該粗雑物が少量残存することがあるので、等電点電気泳動において機器に大きな負荷を与えることなく除くことが好ましい。粗雑物はゲル中の移動速度が速い。よって、等電点電気泳動のプロトコルの早い段階に、検体を含むゲル1本につき比較的弱い電圧である100V〜600Vの範囲内の値の定電圧の印加による定電圧工程を行い、泳動30分間あたりの電流変化幅が5μAの範囲内となった後に前記定電圧から電圧を上昇させる電圧上昇工程を始め、当該電圧上昇工程の最終電圧が3000V〜6000Vの範囲内とすることが好ましい。仮に、等電点電気泳動のプロトコルの早い段階に高い電圧を使用すると、粗雑物が急速に電極側に移動し、強い電流が流れることになるので機器に負荷がかかるとともに、蛋白質ごとの分離が悪くなる(ゲル中のスポットの詰まりが生じる)おそれがある。また、分離対象物質の等電点がずれないように、電気泳動中はゲルの温度を一定に保つことが好ましい。
上記の実施形態により、以下の効果を期待できる。即ち、電圧上昇工程の前に100V〜600Vという低い定電圧で定電圧工程を行うことで、正に荷電した粗雑物は陰極に素早く移動させ、負に荷電した粗雑物は陽極に素早く移動させる。このことにより、機器や検体中の分離対象物質に負荷をかけずにゲルから粗雑物を除くことができる。又、単位時間当たりの電流変化の測定により粗雑物の除去を判断できるので、不十分な定電圧工程となることはなく、かつ、長すぎる定電圧工程となることもない。更に、最終電圧を3000V〜6000Vという高い値に設定することで、より短い泳動時間で高いVhr値を得ることができ、等電点電気泳動の高スループットを実現できる。
電圧上昇工程における電圧上昇の態様は特に限定されないが、電圧の上昇を徐々に行うことが好ましい。具体的には、電気泳動装置の電流値の上限をゲル1本につき40〜80μAの範囲内の値に設定する。そして、ゲル温度が一定に保たれるようにして、最終電圧まで電圧を上昇させることが好ましい。
〔2次元目電気泳動〕
本発明の2次元目電気泳動は特に限定されないが、SDS−PAGEを好ましく例示することができる。当該SDS−PAGEは、検体に界面活性剤であるSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を加え、検体に含まれる蛋白質の高次構造を解くと共に、蛋白質のアミノ酸残基の荷電もSDSによって相対的に減少させたもとで、分子篩効果を利用して電気泳動を行うものである。
〔2次元目のSDS−PAGE〕
2次元目電気泳動ゲルは特に限定されないが、SDS−PAGE用ゲルを好ましく例示できる。ゲルの種類は特に限定されないが、ポリアクリルアミドゲルを好ましく例示することができる。この場合、ゲル濃度はアクリルアミド濃度を示すこととなる。
1次元目電気泳動の完了後、その1次元目電気泳動ゲルを2次元目電気泳動用ゲル上へ設置するプロセスでは、接着用(封入用)アガロースとしてゲル化温度が35〜40℃である高融点アガロースを用い、かつ、この接着用アガロースを予め2次元目電気泳動用ゲル上へ流し込んだ後に前記1次元目電気泳動ゲルを設置することが好ましい。
上記の実施形態によって、2次元目電気泳動中に発生する熱により接着用アガロースのゲル化が弱くなる(ゲルがゆるくなる)ことが防止される。従って、そのような不具合に起因する2次元目電気泳動での検出スポットの広がり、検出限界の上昇、検出蛋白質の減少等の不具合を抑制できる。又、接着用アガロースの先入れにより、高融点アガロースが2次元目電気泳動用ゲルと接触して迅速に冷却されるため、SDS平衡化緩衝液に尿素を加えていた場合でも、その熱分解が起こりにくい。
SDS−PAGEを行う機器は特に限定されない。また、SDS−PAGEを行うPAG(ポリアクリルアミドゲル)に関し、アクリルアミドと架橋剤の総濃度(T%)は3〜20であることが好ましい。また、アクリルアミドと架橋剤の総重量中で架橋剤が占める割合(C%)は0.05〜2.0であることが好ましい。
〔2次元目電気泳動用ゲル基端部のゲル濃度〕
1次元目電気泳動用ゲルのゲル長が短く設定されているので、2次元目として行うSDS−PAGEでは、その電気泳動用ゲルにおける泳動方向基端部のゲル濃度が3〜6%程度の低濃度であることが好ましい。
上記の実施形態によれば、次の効果を期待できる。即ち、1次元目等電点電気泳動用ゲルのゲル長を、例えば5〜10cm程度と短くすると、1次元目の電気泳動時間を短縮してハイスループット化等が可能となる一方、蛋白質のスポットの相互間隔がコンパクトになり、スポット中の蛋白質濃度も高くなる。これに対して2次元目電気泳動用ゲルの泳動方向基端部のゲル濃度が高い(ゲルの網目が密である)と、スポット中に濃縮された蛋白質の2次元目電気泳動用ゲルへの移行に対して高いバリア性を示し、蛋白質の移行漏れが顕著になったり、スポットが泳動方向に対して横向きにブロードしてしまう。上記の実施形態により、このような不具合が抑制される。
2次元目電気泳動ゲルの泳動方向へのゲル濃度の変化については特に限定されないが、スポットのブロード抑制、検体の検出限界値を下げるという観点からは、検体の泳動方向に向かってゲルの濃度が連続して直線的に増加することが好ましい。泳動方向先端側の部分のゲル濃度が10〜20%の範囲内、特に10〜15%の範囲内であることが好ましい。
例えばポリアクリルアミドゲルにおいては、濃度勾配ゲルは2種類の濃度のアクリルアミド溶液を混合し、アクリルアミド濃度の勾配をつけて作成することができる。ゲル濃度変化を設けないゲルで行った2次元目電気泳動では検出されなかったが、ゲル濃度勾配を設けたゲルで行った2次元目電気泳動において新たにスポットが検出された場合、2次元電気泳動において当該新たに検出されたスポットについての検出限界値が低くなったことを意味する。
〔検体の調製〕
本発明である2次元電気泳動方法に適用される検体は特に限定されないが、動物、植物、微生物由来の抽出物や、化学、生化学的に合成された化合物、蛋白質、核酸等を含む種々の検体が適用できる。検体が生物細胞、特に動物細胞、とりわけヒト細胞の抽出物であることが好ましい。
上記したゲルのpH勾配の設定は、例えば生物細胞の抽出物に含まれる各種蛋白質の等電点の分布が、蛋白質の種類においても、その量においてもpH5〜7の領域に相対的に集中していることに対応したものであり、実質的に高分離能を損なうことなくゲル長を短縮化できる。
泳動用ゲル中においては分子量により泳動の速度が異なるが、ナトリウムイオン等分子量の小さい物質は篩にかからないので素早くゲル中を移動する。また、ゲノムDNAは分子量が大きいが、大きく負に荷電しているため、陽極に素早く移動する。検体の調製においては、機器への負荷を軽減し、定電圧工程を短くし、また、ゲル中のスポットの詰まりを抑制するため、分離・精製の対象とならない粗雑物を除くことが好ましい。そのために、透析、沈殿、遠心分離、クロマトグラフィー、親水−疎水相互作用を利用した分画等、種々の前処理を適用することができる。蛋白質が分離・精製の対象となる場合は、酸による沈殿及び有機溶媒による沈殿を好ましく例示できる。TCA(トリクロロ酢酸)による沈殿及びアセトンによる沈殿を更に好ましい手法として例示できる。
分離・精製に供される検体は、等電点電気泳動に使用するゲルの膨潤用の緩衝液に溶解して膨潤用検体溶液とし、ゲルの膨潤とともにゲル中に検体を取り込ませることができる。また、検体を適当な溶液に溶解し、膨潤後のゲルに適用することもできる。
このような等電点電気泳動用膨潤ゲルの作成においては、ゲル全体に膨潤用検体溶液を適用した後、当該ゲルにオイルを流し込むことが行われるが、その際、従来のようにゲル表面に油性成分を流し込むのではなく、ゲルの長手方向の側端部から、とりわけゲルの長手方向の両側の側端部から同時に、油性成分を流し込むという方法が特に好ましい。油性成分としては、シリコンオイル又はミネラルオイル、とりわけ前者が好ましい。
上記の実施形態により、油性成分はゲルの側端部から中央部に向かって広がりゲルを覆う。油性成分がゲルを覆った状態でしばらく放置すると、検体は効率的にゲルに取り込まれる。その際、ゲルの側端部から中央部に向かって広がる油性成分によって膨潤用検体溶液がはじかれるため、膨潤用検体溶液のゲルへの染み込みが促進され、検体のゲル全体への染み込みが迅速かつ良好に完了する。従来のようにゲル表面に油性成分を流し込んだ場合、油性成分がゲルから広がるので、その流れに押されてはじかれた、染み込みきれていない膨潤用検体溶液の一部がゲルから拡散してしまい、検出できる蛋白質等の減少及びゲルの膨潤不足につながっていたと考えられるが、上記の実施形態によれば、このような検体成分の脱落を生じない。
2次元目電気泳動に移行する前に、1次元目電気泳動を終えた1次元目電気泳動ゲルを2次元目電気泳動に用いる移動相等で平衡化する。平衡化の後、アガロースなどのゲル支持材を用いて1次元目電気泳動ゲルを2次元目電気泳動ゲルの検体適用側に密着させる。その後、2次元目電気泳動を開始する。
2次元目電気泳動がSDS−PAGEである場合は、分子量篩を利用した電気泳動を行うので、検体の立体構造を解くために1次元目電気泳動ゲルをまず還元剤を含む緩衝液で平衡化することが好ましい。当該還元剤は特に限定されないが、DTTを好ましく例示することができる。その後、1次元目電気泳動ゲルの2回目の平衡化においては、アルキル化剤を含む緩衝液で平衡化することが好ましい。アルキル化剤は特に限定されないが、Iodoacetamideを好ましく例示することができる。
以下に本発明の実施例と比較例を説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施例、比較例によって限定されない。
〔第1実施例〕
(蛋白質の抽出)
ヒトケラチノサイトからなる再構成3次元培養皮膚(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング製の商品名LabCyte EPI-MODEL 12)の培養物1枚(約1cm)を、蛋白質抽出液であるmammalian cell lysis
kit;MCL1(SIGMA−ALDRICH社製)500μlに浸漬し、4℃で2時間、voltexを使用して振とう破砕した。この振とう破砕の後、蛋白質抽出液を回収した。上記のmammalian cell lysis kit;MCL1の組成は下記の通りである。
50mM Tris−HCl pH7.5
1mM EDTA
250mM NaCl
0.1%(w/v) SDS
0.5%(w/v) Deoxycholic acid sodium salt
1%(v/v) Igepal CA-630(SIGMA−ALDRICH社製の界面活性剤(Octylphenoxy)polyethoxyethanol)
適量のProtease Inhibitor
その後、2D-CleanUPキット〔GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社(以下、GE社と省略する)製〕を使用して2回の沈殿操作を行った。第1回目の沈殿操作は、回収した上記蛋白質抽出液にTCAを加えて沈殿を行い、当該操作で生じた沈殿(TCA沈殿)を回収した。第2回目の沈殿操作は、回収した前記TCA沈殿にアセトンを加えて沈殿を行い、当該操作で得られた沈殿(検体)を回収した。回収した当該検体は全量500μgであった。
(検体溶液の調製)
得られた検体の一部30μgを1次元目等電点電気泳動用ゲルの膨潤用緩衝液であるDeStreak Rehydration Solution(GE社製)130μlに溶解し、1次元目等電点電気泳動用の検体溶液(膨潤用検体溶液)とした。DeStreak Rehydration Solutionの組成は以下の通りである。
7M Thiourea
2M Urea
4%(w/v) CHAPS:
3-[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonate
0.5%(v/v) IPGbuffer;GE社製
適量のDeStreakReagent;GE社製
適量のBPB(ブロモフェノールブルー)
(1次元目等電点電気泳動用ゲルの調製)
前記したIPG法により、本実施例で用いる1次元目の等電点電気泳動用ゲル(ポリアクリルアミドゲル)を調製した。このゲルは長さが7cmで径が0.3cmの棒状ゲルであり、T=4%、C=3%であって、pHの範囲を3〜10に設定した。
(1次元目等電点電気泳動用ゲルへの検体の浸透)
上記の1次元目等電点電気泳動用ゲルを前記した1次元目等電点電気泳動用の検体溶液(膨潤用検体溶液)130μlに浸漬した後、シリコンオイルを流し込み、シリコンオイルがゲルを覆った状態で、一晩、室温にて検体溶液をゲルに浸透させた。その後、当該シリコンオイルは廃棄した。
(一次元目の等電点電気泳動)
本実施例においては、電気泳動機器としてGE社製のIPGphor とCup Loading Manifold Light Kitを使用した。
検体を浸透させたゲルの両端に水で湿らせた濾紙を設け、電極はゲルとの間に当該濾紙を挟んだ状態でセットした。その後、ゲル及び濾紙の全体をシリコンオイルで浸漬した。
等電点電気泳動機器の電流値の上限をゲル1本当たり75μAに設定し、電圧プログラムを、(1)定電圧工程として300V定電圧で750Vhrまで泳動を行い(当該工程終了前の泳動30分間の電流量の変化が5μA以内であった)、(2)300Vhrかけて1000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(3)更に4500Vhrかけて5000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(4)その後5000V定電圧で総Vhrが12000になるまでとし、1次元目の等電点電気泳動を行った。
(等電点電気泳動ゲルのSDS平衡化)
上記の1次元目の等電点電気泳動を行った後、等電点電気泳動機器からゲルを取り外し、還元剤を含む平衡化緩衝液に当該ゲルを浸漬して、15分・室温にて振とうした。上記還元剤を含む平衡化緩衝液の組成は以下の通りである。
100mM Tris−HCl(pH8.0)
6M Urea
30%(v/v) Glycerol
2%(w/v) SDS
1%(w/v) DTT
次に、上記還元剤を含む平衡化緩衝液を除き、ゲルをアルキル化剤を含む平衡化緩衝液に浸漬して、15分・室温にて振とうし、SDS平衡化したゲルを得た。上記アルキル化剤を含む平衡化緩衝液の組成は以下の通りである。
100mM Tris−HCl(pH8.0)
6M Urea
30%(v/v) Glycerol
2%(w/v) SDS
2.5%(w/v) Iodoacetamide
(2次元目のSDS−PAGE)
本実施例においては、電気泳動機器としてInvitrogen社製のXCell SureLock Mini-Cellを使用した。2次元目泳動用ゲルはInvitrogen社製NuPAGE 4-12% Bis-Tris Gels(検体適用方向のゲル長は8cm、泳動方向のゲル長は8cm)を使用した。
また、以下の組成の泳動用緩衝液を調製し、使用した。
50mM MOPS
50mM Tris base
0.1%(w/v) SDS
1mM EDTA
又、本実施例においては上記泳動用緩衝液に0.5%(w/v)のアガロースS(ニッポンジーン社製:融解温度≦90℃、ゲル化温度37℃〜39℃のいわゆる高融点アガロース)と適量のBPB(ブロモフェノールブルー)を溶解させた接着用アガロース溶液を使用した。
SDS−PAGEのwell中を十分に上記泳動用緩衝液で洗浄した後、当該洗浄に用いた緩衝液を取り除いた。次に、wellの中に充分に溶解させた接着用アガロース溶液を添加した。次に、SDS平衡化したゲルをアガロース中に浸漬させ、ピンセットでSDS平衡化したゲルと2次元目泳動用ゲルを密着させた。当該両ゲルが密着した状態でアガロースが充分に固まったのを確認し、200V定電圧で約45分間泳動を行った。
(ゲルの蛍光染色)
SyproRuby(Invitrogen社製)を用いてゲルの蛍光染色を行った。
まず、使用するタッパーを事前に高濃度のエタノールで十分に洗浄した。SDS−PAGE機器から泳動後の2次元目泳動用ゲルを取り外して、洗浄したタッパーにおき、50%(v/v)メタノール及び7%(v/v)酢酸含有水溶液に30分間浸漬する処理を2回行った。その後、当該水溶液を水に置換し、10分間浸漬した。次に、2次元目泳動用ゲルを40ccのSyproRuby(Invitrogen社製)に浸漬し、室温で一晩振とうした。次に、SyproRubyを除き、2次元目泳動用ゲルを水で洗浄した後、10%(v/v)メタノール及び7%(v/v)酢酸含有水溶液で30分間振とうした。更に当該水溶液を水に置換し、30分以上振とうした。
(解析)
上記一連の処理を施した2次元目泳動用ゲルをTyphoon9400(GE社製)を使用した蛍光イメージのスキャンに供した。2次元電気泳動の結果を図1(a)に示す。左端はSDS−PAGEにおいて使用されたマーカーである。
〔第2実施例〕
第2実施例では、2D−DIGEを行った。第2実施例においては、第1実施例に記載した手順の内、「(検体溶液の調製)」の項の手順を下記「(2D−DIGEにおける検体溶液の調製)」の項の手順に変更し、又、「(ゲルの蛍光染色)」のプロセスを省略した以外は、第1実施例と同様の手順の操作を行った。
(2D−DIGEにおける検体溶液の調製)
得られた検体の全量を下記の組成の溶液100μlに溶解した。
30mM Tris−HCl(pH8.5)
2M ThioUrea
7M Urea
4%(w/v) CHAPS
溶解したサンプル20μgに対しCydye(GE社製)160pmolを添加し、その溶液の入った容器を氷上で30分間静置した。その後10mMリジン水溶液を0.5μl添加して更に10分間、容器を氷上で静置した。このような処理を行った後、溶液を等電点電気泳動に適した量である130μlまでDeStreak Rehydration Solutionでメスアップした。メスアップ後充分に攪拌し、氷上で10分以上静置して、1次元目の等電点電気泳動用の検体溶液とした。
〔第1実施例に対する比較例1〕
本比較例においては、以下の1)〜3)以外は、検体の調製からゲルの蛍光染色及び解析に至る全てのステップを第1実施例と同様に行った。
1)1次元目等電点電気泳動用ゲルの膨潤用緩衝液であるDeStreak Rehydration Solution(GE社製)340μlに溶解する検体の総量を270μgとした。
2)1次元目等電点電気泳動用ゲルの長手方向のゲル長を18cmと泳動距離を長くし、以下のプロトコルで等電点電気泳動を行った。
使用機器;クールホレスター(登録商標)IPG-IEF Type-PX(アナテック株式会社)
電圧プログラムを、(1)定電圧工程として500V定電圧で1000Vhrまで泳動を行い(当該工程終了前の泳動30分間の電流量の変化が5μA以内であった。)、(2)10700Vhrかけて3000Vまで除々に電圧を上昇させ、(3)その後3500V定電圧で総Vhrが46700Vhrになるまでとし、1次元目の等電点電気泳動を行った。なお、本比較例における等電点電気泳動においては電流値の上限は設けていない。
3)2次元目ゲルの検体適用方向のゲル長を20cmとし、泳動方向のゲル長を20cmとし、当該泳動方向のアクリルアミド濃度を12%で固定し、30mA定電流で3時間泳動した。
使用機器;クールホレスター(登録商標)SDS-PAGE Dual-200(アナテック株式会社製)。
本比較例における2次元電気泳動の結果を図1(b)に示す。図1(a)及び図1(b)において、図中で実線で区切り矢印により対応させた四角形の領域同士が分子量において対応している。図1(a)と図1(b)の対比では、比較例である図1(b)に見られるスポットは、実施例である図1(a)に比べ、1次元目の泳動方向においても2次元目の泳動方向においても全体的にブロードしている。また、本比較例においては、泳動に供された検体量が270μgで第1実施例の9倍であるが、検出できているスポット数は第1実施例の結果である図1(a)に比べ少ない。さらに、本比較例の2次元電気泳動にかかった泳動時間は合計22時間であり、第1実施例では合計7.5時間であった。よって、第1実施例は高スループット、ブロード抑制及び低検出限界値(蛋白質の移行漏れが極めて少ない)を実現する2次元電気泳動方法であるといえる。
〔第1実施例に対する比較例2〕
本比較例においては、以下の変更点以外は、検体の調製からゲルの蛍光染色及び解析に至る全てのステップを第1実施例と同様に行った。
1)2次元目電気泳動ゲルの泳動方向の濃度勾配
泳動方向基端部のゲル濃度 : 10%
泳動方向先端側の部分のゲル濃度 : 20%
(泳動方向基端部から泳動方向先端側の部分へは直線的な濃度勾配を設けている)
2)解析におけるコントラスト(明暗)を第1実施例に比べて高く設定した。
本比較例における2次元電気泳動の結果を図4に示す。図4の左端はSDS−PAGEにおいて使用されたマーカーである。
図4左上部分に示す実線の略円形で囲まれた部分は、図1(a)の左上部分と比較してスポットのブロードが顕著である。10%という高いゲル濃度がバリア作用をすることによって、スポット同士が左右に広がっていることが確認できる。
第1実施例及び本比較例で用いたマーカーの組成は同一であり、用いたマーカーの量も同量である。しかし、本比較例においては第1実施例に比べて解析におけるコントラストを高く設定しているので、ゲルの左端のマーカーの濃さは、図1(a)と図4との比較では図4の方が濃く表われている。このようなマーカーの濃さの相違を考慮に入れて比較すると、図4のほうがゲル中のスポットが薄いと判断できる。即ち、本比較例で検出される蛋白質量は第1実施例に比べて少ない。本比較例においては、10%という高いゲル濃度がバリア作用をすることによって、2次元目電気泳動ゲルへの蛋白質の移行漏れが多いことも確認された。
次に、解析におけるスポットの検出条件を統一した上で、画像解析システムImageMaster 2D Platinum(GE社製)を使用して検出されたそれぞれのゲル中のスポットの数は、図1(a)に示したゲルからは約1500スポット、図1(b)に示したゲルからは約600スポット、図4に示したゲルからは約1000スポットであった。即ち、第1実施例に比べて本比較例においては約500スポットが検出されていない。その理由として、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向基端部の高バリア性によって、スポットの横向きのブロードが起こったこと(スポット同士が結合してしまった、及び/又は検出限界値を下回るように蛋白質が拡散してしまった)や、蛋白質の移行漏れにより検出限界値よりも蛋白質濃度が低くなっていることが考えられた。
本発明によって、1次元目電気泳動ゲルのゲル長を比較的短く設定して泳動時間の短縮、1次元目電気泳動のハイスループット化、スポットのブロード抑制等の利点を確保すると共に、それに伴う蛋白質の移行漏れ、2次元目電気泳動における蛋白質スポットの横向きのブロード等の不具合を抑制できる。
1,3,5 1次元目等電点電気泳動用ゲル
2,4,6 2次元目SDS−PAGE用ゲル

Claims (3)

  1. ポリアクリルアミドゲルを用いた1次元目電気泳動ゲルとして、その長手方向のゲル長が5〜10cmであって、ポリアクリルアミドゲルを用いた2次元目電気泳動ゲルの検体適用側にそなえることができる扁平な棒状の形態を備えたものを用い、前記2次元目電気泳動ゲルの泳動方向基端部のゲル濃度を3〜6%とし、かつ、電気泳動を完了した前記1次元目電気泳動ゲルを前記2次元目電気泳動ゲル上へ設置する際、ゲル化温度が35〜40℃である高融点アガロースを流し込んで前記両者のゲルを接着させることを特徴とする2次元電気泳動方法。
  2. 前記2次元電気泳動方法において、2次元目電気泳動ゲルを用いて行う電気泳動がSDS−PAGEであることを特徴とする請求項1に記載の2次元電気泳動方法。
  3. 前記2次元電気泳動方法において、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向先端側の部分のゲル濃度が高く設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の2次元電気泳動方法。
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