JP4194988B2 - 電気泳動分離物の回収装置と回収方法 - Google Patents

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Description

発明は、生体試料の分離分析装置に関し、特に、ゲノム由来のDNA断片、RNA由来のポリヌクレオチド断片、タンパク質、ペプチド等の分離回収に好適な電気泳動分離物回収方法、及びこれを用いる電気泳動装置に関するものである。
生体物質の分析や分取には電気泳動を用いた分離技術が最も広く用いられている。例えば、DNA解析の分野では、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いてDNAの配列決定が頻繁に行われている。既に、大腸菌、酵母のような微生物の全ゲノム配列が解明され、多細胞生物では、線虫、ハエの全ゲノムがほぼ解明されている。ヒトの全ゲノム配列は2000年代の早い時期に配列解析が終了する予定である。
このような高分解能を有する電気泳動の泳動媒体としては、ポリアクリルアミドゲルのほか、メチルセルロースやアクリルアミドポリマーやその誘導体からなる高分子が用いられる。
分離分取用の電気泳動では一般的に、泳動媒体としてゲルを固定したガラス平板を用いる。ゲルは、0.5〜1mm程度のスペースをもつ2枚のガラス板の間に形成し、これを立ててゲル板の上下に電極槽を設けるバーチカルタイプと、ゲルを一枚のガラスやプラスチックシートの上に塗布した片面オープンのゲル板を水平に置き、両端に電極槽を設けるホリゾンタルタイプがある。DNA分離用に多用されるサブマリン電気泳動もホリゾンタルタイプである。いずれも平板を用いることからスラブ電気泳動として知られている。
分離方法としては、試料を一次元に展開して分離する一次元電気泳動と2種類の異なる電気泳動原理に基づいて物質を2次元平面に展開する2次元電気泳動がある。
一次元電気泳動では、物質を等電点で分離する等電点電気泳動、タンパク質を分子量で分離するSDS電気泳動や濃度勾配ゲル電気泳動、電荷と分子量の兼ね合いで分離する方法、特定物質とのアフィニティーで分離するアフィニティー電気泳動などがある。2次元電気泳動では、一次元目に等電点電気泳動、2次元目にSDS電気泳動や濃度勾配ゲル電気泳動や電荷と分子量の兼ね合いで分離する方法を組み合わせるケースが多い。
いずれの電気泳動においても、試料をゲル中に展開分離した後、必要な分離バンドを検出して、この部分を切り出して回収する。回収したゲル断片は小さく切って中に含まれる分離物質を溶出させたり、電場の中に置き、溶液中に電気泳動的に溶出させたりして回収する。
上記のように、従来の技術では電気泳動分離バンドの位置をあらかじめカッターなどで切り出して回収する。このため、分離バンドの大きさや形状がまちまちな電気泳動分離バンドを隣接するバンドと区別して認識し、エリアを特定して切り出すのに、手間と時間がかかる問題がある。自動化する上でも、上記条件を満たすのは容易ではない。ゲルは一般的に柔らかく、切断時に歪むのもコンタミネーションの原因となり目的物質の回収に影響する。
特に、タンパク質の2次元電気泳動では、量の異なるタンパク質が数百〜数千スポットに亘って2次元に展開しており、巨大スポットの隣に小さなスポットが隣接しているケースなどは切り出しに困難を極める。
電気泳動による分離後の2次元電気泳動ゲルの目的スポットの位置をゲルの厚み方向から電極で挟み、電気的に溶出することで自動化する方法もあるが、電気力線がゲル内で広がるため、やはり隣接スポットからのコンタミネーションの問題が残る。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、分離スポットから分離物質を高純度で確実に回収できるよう形状を工夫したゲル版、分離ゲルスポットを認識し、分離ゲルスポットを回収する電気泳動分離物回収装置ならびに電気泳動分離物回収法を提供することにある。
今までの電気泳動群利物質の回収技術を検討すると、分離後にゲルを切り出すところに問題があることに気づく。自動化する場合、分離バンドを認識してその位置を切り出すわけであるが、切り出し冶具が邪魔になり、観察しながら切り出しを行おうとすると、困難な場合が多い。画像を取り込み、画像データを基に切り出しを行うのが一般的であるが、形状が柔らかいゲルでは微妙な切り出しが困難である。電極を用いて回収する場合も、電極が邪魔となるので取り込み画像を参照にしてスポット位置に電極を移動させて回収する。
本発明では、ゲルスポットの位置と形状を確認しながらスポットに含まれる分離物質を回収する。このために、光を用いて光熱変換作用でゲルを溶かして回収する。ゲルは熱拡散による溶融範囲のブロード化を抑えるため、0.5mm以下できれば0.2mm以下の薄層でかつ基板に接した形状とするのが望ましい。照射する光はスポットに対して十分小さい必要があるので集束光を用いる。また、光が熱に変わらなければならないので、1480nmのレーザーを用いる。レーザーはゲル中の水に吸収され発熱する。熱でゲルが溶融する必要性から、ゲルにはアガロース、アガロースを含むリニアーポリアクリルアミドやジメチルセルロースなど、アガロースとリニアーポリアクリルアミドやジメチルセルロースなどの共重合体を用いる。特に、タンパク質を分離する場合は、融点が60℃以下の低融点アガロースを含む上記ゲルを使用する。
すなわち、本発明は以下の電気泳動分離物回収法、電気泳動分離物回収装置、熱溶融性ゲル基板を提供する。
(1)熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し、該電気泳動分離バンド部分を溶解して回収することを特徴とする電気泳動分離物回収方法。
(2)熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドを持つ電気泳動分離ゲル基板を保持する手段、上記電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分を検出する手段、上記検出された電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し加熱する手段、上記加熱により溶融したゲルを吸引する手段を備えたことを特徴とする電気泳動分離物回収装置。
(3)上記電気泳動分離ゲル基板を保持する手段が温度調整手段を保持する上記(2)記載の電気泳動分離物回収装置。
(4)上記加熱により溶融したゲルを吸引する手段がピペットと該ピペットを溶解された特定の電気泳動分離バンド部分にアクセスする手段を備えた上記(2)記載の電気泳動分離物回収装置。
(5)上記熱溶融性ゲルに、少なくともゲル構造を維持できるだけのアガロースを含む上記(1)記載の電気泳動分離物回収法。
(6)上記熱溶融性ゲルのアガロースの融点が60℃以下の上記(5)記載の電気泳動分離物回収法。
(7)熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し、該電気泳動分離バンド部分を溶解して回収することを特徴とする電気泳動分離物回収方法に適用する熱溶融性ゲル基板であって、上記熱溶融性ゲルが0.02mm以上0.2mm以下でガラス基板に固定されていることを特徴とする熱溶融性ゲル基板。
(8)加熱により溶融したゲルを吸引する上記手段が、ピペット内側に第1の電極が取り付けられているピペットで、外部の容器に設置した電極との間に電界をかけることのできる構造であることを特徴とする上記(2)記載の電気泳動分離物回収装置。
(9)ピペットにあらかじめ電解液を挿入する工程、集束光で溶融したゲルを吸い上げる工程、ピペット内に吸い上げたゲルの温度を下げて再度ゲル化させる工程、ピペットチップ先端を電解液をいれた容器に接触させる工程、上記ピペット内で電解液と接している第1の電極と容器内の第2の電極との間に第2の電極を正極として電界をかけ、ピペットチップ内で固まったゲルに含まれる電気泳動分離物質が容器中の電解液に電気泳動され溶出する工程を含む電気泳動分離物回収方法。
光が当たり、熱に変換され、溶けるゲルの範囲は厳密に規定できるので、どのような形状の分離スポットからでも分離物質を低クロスコンタミネーションで回収できる。
(実施例1)
図1は実施例1の電気泳動により分離バンドが形成される様子を模式的に示す図、図2(A)、(B)および(C)は、図1で説明した分離バンドの熱による溶融回収を模式的に示す図である。ここでは、1次元の電気泳動でPCR産物を分離する例で説明する。
ここで使用した試料は配列番号1と配列番号2の配列の合成オリゴDNA(濃度:0.2pmol/μl)を、それぞれ、プライマーとして、ヒトmRNAのcDNAから定法に従いPCR増幅を行う。PCRは94℃変性5秒間、55℃アニール10秒間、72℃10秒間のサイクルを35回繰り返す。反応液量は2μlで行う。データベースから予想されるPCR産物の塩基長は233bpである。
CTGAGCGAGT GAGAACCTAC TG :(配列番号1)
AGCCACATCA GCTATGTCCA :(配列番号2)
図1において、1はガラス基板である。ガラス基板1の上に10cm角、0.1mm厚の2%のアガロースゲル2が塗布してある。アガロースゲルの厚みは0.2mmでアガロースゲルサイズは90×90mmである。アガロースゲル2にはスリット3が設けてあり、試料を添加することができる。スリット3の大きさは幅5mmで電気泳動方向に0.5mmである。図では、平面図を省略したが、適当な間隔、例えば、10mm離れた位置に周期的にスリット3が配置され、複数の試料を同時に電気泳動できる構造とされる。
ゲルはTris−酢酸(pH8.2)の緩衝液兼電解液を含むスポンジ4−1と4−2を介し、マイナス電極5−1とプラス電極5−2が接続できる構造をしている。試料用液0.5μlをスリット3に毛管現象で入れ、湿潤箱に入れ、直ちに、電極5−1と5−2を電源に接続して、電界をかける。もちろん従来のサブマリン電気泳動のように、ゲルを電解液の中に浸して電気泳動を行ってもよい。15V/cmの電界強度で、たとえば、30分間電気泳動を行う。
このときゲルには、電解液のほかエチヂウムブロマイドを所定の量入れておく。試料にはエチヂウムブロマイドは入れるが電解液は入れない。理想的には水に溶解したPCR産物が好ましいが、PCR溶液を水で2倍以上薄めたものでもよい。これは、試料用液中のPCR産物がゲルに入り込むときのスタッキング効果を狙うものである。エチヂウムブロマイドは2本鎖DNAにインターカレーとしてYAGレーザー545nmで励起すると蛍光を発するので容易に確認できる。6−1から6−4はこのようにして電気泳動分離された分離バンドを表す。ここでは、バンド6−3が溶かして回収する目的のバンドである。
図2(A)に示すように、波長が1480nmのレーザー光7を照射する。レーザービームは50μmφに絞ってある。これ以上電気泳動分離バンドのスポット径が小さい場合は、レーザービームを更に絞る必要があるが、この場合は10倍程度の顕微鏡用対物レンズを用いれば良い。13は、レンズを挿入した場合のレンズを示す。ただし、この場合は、対物レンズが挿入されるので、ゲルの広い範囲の蛍光観察はできなくなる。切り出したい電気泳動分離バンドの一部を確認できるだけとなるが、ステージを動かしながら目的スポットを確認しながらのレーザー照射となるので問題ない。通常は対物レンズ13を使用しないでも良い場合が多い。
レーザー光7を照射すると、きわめて短時間の内に、ゲル3のバンド6−3の部分のゲルの温度が上昇し、ゲルが溶解する。9はピペットであり、シリンジポンプ14に連動しており、溶解したゲルを吸い出すことができる。図2(B)に示すように、この操作で分離バンド6‐3があったところは穴8が開き、分離バンド6−3はピペットの中に6−3’のように吸い出される。
次いで、図2(C)に示すように、ピペット9を移動し、シリンジポンプ14を操作して、ピペット9から、他のプレート10の上に吐き出すと参照符号11のように分離バンドのドットとして回収することができる。
図3(A)、(B)は、このようにして分離した分離バンドのドット11と、分離前のPCR増幅によって得られた溶液を解析した結果を示す波形図である。ここでは、(株)日立製作所製のi−チップ(マイクロ電気泳動チップ)とコスモ−iチップ電気泳動装置で解析した結果を示す波形図である。
図3(A)に示すように、分離バンドのドット11の解析した結果では、230bpの位置に実質的にシングルの電気泳動分離バンドが得られる。分離バンドのドット11の解析した結果を、データベースとの比較で検討すると、予想されるPCR産物の塩基長は233bpのピーク20−3’以外にバンドが見られないことがわかる。分離前のPCR増幅産物からは、複数のバンドに対応したピーク20−1、20−2、20−3、20−4が検出される。
(実施例2)
実施例2では、2次元電気泳動で分離したタンパク質分離スポットを本発明の装置で分離回収する例について説明する。
電気泳動は1次元が等電点電気泳動である。キャリーアンホライト(pH4−7)を含む0.5%アガロースゲルで、大きさは、1mm直径長さ8cmのガラス管の中で400Vで8時間泳動する。泳動終了後ガラス管からゲルを押し出し、90×90×0.2mmの2次元目のゲルのマイナス極側から10mmの位置に乗せる。2次元目のゲルは2%アガロースである。2次元目は緩衝液としてTris―酢酸緩衝液(pH8.5)を用いる。クマシーブリリアントブルーR250で情報に従い染色すると、タンパク質分離バンドがブルーに染まる。
図4は、2次元電気泳動で分離した特定のバンドを回収するための装置構成を示す概略図である。
本装置では、2次元電気泳動分離ゲル100に分離したタンパク質スポットを観察しながら集束光加熱を行うために、分離ゲル100の上面に全体観察用光学系200、分離ゲル100の下面にレーザー加熱光学系300を持つ。
まず、全体観察用光学系200は、以下のような構成になっている。光源170から照射された光は、電気泳動分離ゲル100に照射される。照射された光は、反射光として対物レンズ205とフィルター206を通りCCDカメラ207に到達する。CCDカメラ207に得られる画像データは画像処理解析装置161に送られ、スポットの検出と位置合わせ、レーザー加熱の進行状況をモニターするのに使われる。
レーザー加熱光学系300では、例えば、モニター画面を見て使用者が与えるレーザー照射信号に応じて、レーザー光源141から照射された光が、フィルター309で波長選択された後に、ダイクロイック・ミラー310によって対物レンズ305に誘導され、ゲル100に集光する。集光点を移動させる場合には、可動ダイクロイック・ミラー310を移動させることで、ゲル100平面内でのレーザーの集束位置を動かすことが可能である。レーザー集束光の当たった場所はゲルが融解するが、これは発光点として光学系200で観察可能である。対物レンズ305によるレーザー照射は、ダイクロイック・ミラー310、ミラー144、レンズ145とフィルター146を介して、画像処理解析装置161に送られる。画像処理解析装置161は、レーザー照射の情報から、レーザー光源141に、レーザー照射の停止信号を送る。
カメラ207で得られた画像データは画像処理解析装置161によって解析される。さまざまな解析結果を基に可動ダイクロイック・ミラー310や、ゲル基板100が載っている温調板101付の可動XYステージ304の位置を制御するためにX−Y方向に自在に移動させるステージ移動用モーター162を駆動することが出来る。これによってタンパク質分離スポットの形状を認識したり、認識後にレーザー照射を追跡したり、することが可能である。あるいは、スポットを次々に認識し順次レーザー加熱を行ったり、ピペット9の位置を操作し、シリンジ14を操作して溶解したアガロースを回収したり出来る。
レーザー照射が終わると直ちにピペット9がスポットのあった位置に移動し、溶融したアガロースを吸い上げる。ピペット9にはヒーターが取り付けられており、必要に応じて30℃から65℃にピペット温度を保つことができる。溶融したアガロースはいずれ再凝固するのでピペットのアクセスは速やかに行わなければならない。まずレーザー照射中はレーザー照射光軸近傍にアクセスし、レーザー照射が終わると直ちにアガロースが解けた部分に移動し、溶融アガロースを吸い上げる。図示していないが、矢印210のように、ピペット9はXY移動と上下移動が可能なアームに取り付けられており画像処理装置161の指示により速やかにスポット位置に移動する。
ピペット9に吸い上げられたアガロースは、実施例1で説明したと同様にして、解析される。
(実施例2)
図5は、実施例1で説明した、集束光加熱で溶融した電気泳動スポット部分の熱溶融性ゲルの回収法とは異なった実施例2の回収法とそのためのピペットの構造を示す図である。これは、図4で示した、2次元電気泳動で分離した特定のバンドを回収するための装置のピペット14の代わりに装着し、2次元電気泳動により2次元展開したタンパク質分離スポットからタンパク質を回収する方法として説明する。
ピペット400にはチップ401が取り付けてある。チップ401はディスポーサブルに使用できる。まず、ピペットのシリンダー400’を操作し、ピペット内に電解液404を満たす。ピペット400には内側に第1の電極402が取り付けられている。実施例1と同様に集束光で溶融したゲルを吸い上げる。この時点でゲルの温度は下がり、ピペットチップ401内でゲル化する。その後、チップ401の先端を容器406に所定の量入れた電解液に浸す。容器406には第2の電極403が取り付けてある。第1の電極402をマイナス、第2の電極403をプラスにして両者の間に15V/cmの電界をかける。すると、チップ401内で固まったゲル405に含まれる分離タンパク質が、容器406の中の電解液407に電気泳動されて溶出する。この操作で容器406に目的のタンパク質を回収できる。
[配列表]
SEQUENCE LISTING
<110> Onchip Cellomics Consortium
<120> Electrophoresis product collecting device and method
<130> NT04P1125
<160> 3
<210> 1
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Synthesized DNA
<400> 1
ctgagcgagt gagaacctac tg 22
<210> 2
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Synthesized DNA
<400> 2
agccacatca gctatgtcca 20

実施例1の電気泳動により分離バンドが形成される様子を模式的に示す図ある。 (A)、(B)および(C)は、図1で説明した分離バンドの熱による溶融回収を模式的に示す図である。 (A)、(B)は、このようにして分離した分離バンドのドット11と、分離前のPCR増幅によって得られた溶液を解析した結果を示す波形図である。 2次元電気泳動で分離した特定のバンドを回収するための装置構成を示す概略図である。 実施例1で説明した、集束光加熱で溶融した電気泳動スポット部分の熱溶融性ゲルの回収法とは異なった実施例2の回収法とそのためのピペットの構造を示す図である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…アガロースゲル、3…スリット、4−1,4−2…スポンジ、5−1,5−2…電極、6−1〜6−4…分離バンド、7…レーザー光、8…穴、9…ピペット、10…プレート、11…分離バンドのドット、13…レンズ、14…シリンジポンプ、20−1,20−2,20−3,20−4…分離バンドに対応したピーク、100…2次元電気泳動分離ゲル、200…全体観察用光学系、300…レーザー加熱光学系、205…対物レンズ、206…フィルター、207…CCDカメラ、116…画像処理解析装置、170…光源、141…レーザー光源、309…フィルター、310…ダイクロイック・ミラー、305…対物レンズ、144…ミラー、145…レンズ、146…フィルター、101…温調板、162…ステージ移動用モーター、210…ピペット9のXY移動と上下移動を意味する矢印、304…可動XYステージ、400…ピペット、400’…シリンダー、401…チップ、402,403…電極、404…電解液、405…ゲル、406…容器。

Claims (9)

  1. 熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し、該電気泳動分離バンド部分を溶解して回収することを特徴とする電気泳動分離物回収方法。
  2. 熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドを持つ電気泳動分離ゲル基板を保持する手段、前記電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分を検出する手段、前記検出された電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し加熱する手段、前記加熱により溶融したゲルを吸引する手段を備えたことを特徴とする電気泳動分離物回収装置。
  3. 前記電気泳動分離ゲル基板を保持する手段が温度調整手段を保持する請求項2記載の電気泳動分離物回収装置。
  4. 前記加熱により溶融したゲルを吸引する手段がピペットと該ピペットを溶解された特定の電気泳動分離バンド部分にアクセスする手段を備えた請求項2記載の電気泳動分離物回収装置。
  5. 前記熱溶融性ゲルに、少なくともゲル構造を維持できるだけのアガロースを含む請求項1記載の電気泳動分離物回収法。
  6. 前記熱溶融性ゲルのアガロースの融点が60℃以下の請求項記載の電気泳動分離物回収法。
  7. 熱溶融性ゲルに展開した電気泳動分離バンドの特定の電気泳動分離バンド部分に集束光を照射し、該電気泳動分離バンド部分を溶解して回収することを特徴とする電気泳動分離物回収方法に適用する熱溶融性ゲル基板であって、前記熱溶融性ゲルが0.02mm以上0.2mm以下でガラス基板に固定されていることを特徴とする熱溶融性ゲル基板。
  8. 加熱により溶融したゲルを吸引する前記手段が、ピペット内側に第1の電極が取り付けられているピペットで、外部の容器に設置した電極との間に電界をかけることのできる構造であることを特徴とする請求項2記載の電気泳動分離物回収装置。
  9. ペットにあらかじめ電解液を挿入する工程、集束光で溶融したゲルを吸い上げる工程、ピペット内に吸い上げたゲルの温度を下げて再度ゲル化させる工程、ピペットチップ先端を電解液をいれた容器に接触させる工程、前記ピペット内で電解液と接している第1の電極と容器内の第2の電極との間に第2の電極を正極として電界をかけ、ピペットチップ内で固まったゲルに含まれる電気泳動分離物質容器中の電解液に電気泳動され溶出する工程を含む電気泳動分離物回収方法。
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