JP5470243B2 - 手袋の製造方法および製造装置及びその方法またはその装置で得られる手袋 - Google Patents

手袋の製造方法および製造装置及びその方法またはその装置で得られる手袋 Download PDF

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Description

本発明は、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる手袋の製造方法及び製造装置に関する。
本願は、2008年3月25日に、日本に出願された特願2008−077740号、及び2008年7月29日に、国際出願されたPCT/JP2008/063578に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
登山用やスキー用等の手袋には、手袋の外装材と手袋の裏材の間に、防水性を有するフィルムからなる手袋インサートを挟み込むものがある。この手袋インサートを手袋外装材(表皮材)と裏材の間に挟み込む方法としては、手袋外装材や裏材に熱可塑性樹脂を用いて手袋インサートを貼り合わせる方法が知られている(特許文献1)。手袋インサートは、それ自体が手袋の形をしているもので、このような手袋インサートと手袋外装材との貼り合わせには、指の形状や手の形状を有した型を使用して、この型に手袋外装材と手袋インサートとを被せて、外部から加熱圧縮させて、手袋インサートの外部に塗布された熱可塑性接着剤を溶融させる等して貼り合わせ作業がなされている(特許文献1)。
特開平7−216609号公報
しかしながら、このような指や手の形状をした型を用いたものでは、手袋の大きさや種類に合わせて型を準備する必要があり、その分コスト高となる。しかも、そのような型を準備したとしても、外部から加熱圧縮する方法では、手袋外装材と手袋インサートの間の熱可塑性接着剤に必要な熱や圧力を与えることができず、部分的に貼り合わされていない箇所や、見かけ上は貼り合わされているものであっても、十分に接着しておらず、手袋の使用中に手袋インサートが外装材や裏材から部分的に剥がれてしまうという問題を有していた。そのため、装着感を損ねる原因にもなっていた。
また、型を用いた貼り合わせ作業では、手作業で一つ一つ行っていく必要があり、時間がかかり、しかも不良率も高く生産性が非常に低いものであった。
そこで本発明の目的は、手袋外装材と手袋インサートの接着ばらつきを抑制することができ、しかも作業効率に優れ生産性の向上を図ることができ、さらに手袋の変形を防止するための手袋の製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明の手袋の製造方法は、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる手袋の製造方法であって、外側に熱可塑性接着剤が付与された手袋インサートを手袋外装材の内側に挿入させてから、気体注入手段により手袋インサートに気体を注入し、手袋インサートを膨らませて、加熱炉で加熱処理して手袋外装材と手袋インサートを接着する手袋の製造方法において、前記加熱処理中に、手袋インサート内をさらに加圧し、加熱処理初期時に比べ、手袋インサート内の圧力を上昇させることを特徴とする。
本発明によれば、手袋インサートの外側に接着剤が付与された手袋インサートの開口から気体を注入すると、気体により手袋インサートが膨らみ、気体の圧力で手袋外装材に手袋インサートが密着するので、手袋外装材と手袋インサートとの間に介在されている接着剤により、手袋外装材と手袋インサートは接着することとなる。
本発明の接着剤としては熱可塑性接着剤が好ましいが、熱可塑性接着剤の加熱処理においては、加熱炉で加熱処理して手袋外装材と手袋インサートを接着させても、また、加熱した気体を手袋インサートに注入することで加熱処理して手袋外装材と手袋インサートを接着させても良い。そして、加熱処理した手袋を冷却するときには、手袋インサートに気体を注入した状態で冷却することが好ましい。加熱処理した後直ちに気体を排気すると、熱可塑性樹脂が温かいため十分固化しておらず、手袋外装材と手袋インサートが十分接着しないおそれがあるからである。なお、冷却としては、自然冷却のほか、冷却手段を配して冷却しても良い。
また、加熱処理中に、手袋インサート内をさらに加圧し、加熱処理初期時に比べ、手袋インサート内の圧力を上昇させることが好ましい。このようにすることにて、変形し易い手袋外装材を用いた場合においても、手袋インサートを貼り合わせる際に、大部分の場合は抑えカバー(手袋インサート内に注入された気体により、手袋外装材が異常にふくらんで変形するのを抑えるためのカバー)を用いなくても手袋外装材の変形を抑制することができるため、不良品の発生を抑えながら、生産性を向上させることができる。また、手袋インサート内へ、手袋インサートと手袋外装材をしっかりと接着させるための十分な圧力をかけることができるので、手袋インサートと手袋外装材の接着ばらつきも抑えられた手袋を供給することができる。
前記加熱処理中の加圧により上昇させた圧力で処理する時間が3秒〜20秒であることが好ましい。3秒未満では手袋インサートと手袋外装材をしっかりと接着させることができない。また、20秒を超えると手袋外装材Tsが伸びてしまい元の形状に復元しない恐れがある。
前記加熱処理中の前記加熱処理初期時の圧力が0.0001MPa以上0.003MPa以下であり、加圧により上昇させた圧力が0.003MPa以上0.05MPa以下であることが好ましい。
前記加熱処理初期時の圧力が0.0001MPa(0.001kg/cm)未満では手袋外装材Tsと手袋インサートTiの間に隙間ができ、後で加圧した場合においても、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが充分密着せず、部分的に接着しない箇所や充分な接着強度が得られないおそれがある。
また、前記加熱処理初期時の圧力が0.003MPaを超えると手袋外装材Tsの種類によっては、変形するおそれがある。
加圧により上昇させた圧力が0.003MPa未満では手袋インサートと手袋外装材をしっかりと接着させることができない。
加圧により上昇させた圧力が0.05MPa(0.5kg/cm)を上回ると、手袋外装材Tsが伸びてしまい元の形状に復元しない恐れがある。
気体注入手段により手袋インサートに気体を注入し、手袋インサートを膨らませて、手袋外装材と手袋インサートを密着した後に、手袋インサートに注入した気体の流出を制御するための気体遮断手段により手袋インサートの気体を遮断し、手袋外装材と手袋インサートを保持する手袋保持部材を前記気体注入手段から分離し、前記手袋保持部材を加熱炉に移してもよい。
この場合、手袋インサートTiに気体を注入する装置と加熱処理する装置(加熱炉)を分離できるので、気体注入装置と加熱炉の管理を別々に行なうことができる。たとえば、一つの気体注入装置に対し、多数の加熱炉を用意し、加熱処理の工程を優先的に処理することが可能である。また、一つの加熱炉に対し、多数の気体注入装置を用意し、気体注入の工程を優先的に処理することも可能である。
ここで、温めた気体を気体注入手段により手袋保持部材を介して手袋インサートに注入してから(仮の加熱処理)、加熱炉に搬送して、加熱炉で本加熱を行って熱可塑性接着剤を軟化又は溶融させてもよい。この場合、温めた気体で熱可塑性接着剤を軟化または溶融させることもできるが、温めた気体で予熱、つまり熱可塑性接着剤が溶融しない程度の温度として、その後、加熱炉で本加熱して、熱可塑性接着剤を軟化又は溶融させることが好ましい。
上記製造方法を実施するための本発明の手袋の製造装置は、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる手袋の製造装置であって、手袋外装材の内側に手袋インサートを挿入した状態の手袋部材を保持する手袋保持部材と、手袋インサートに気体を注入する気体注入手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記手袋保持部材により、手袋外装材の内側に手袋インサートを挿入した状態の手袋部材を保持して、気体注入手段により手袋インサートに気体を注入すると、手袋インサートを膨らませることができる。したがって、外側に接着剤を付与した手袋インサートを手袋外装材に挿入して、手袋インサートの開口から気体を注入すると、手袋インサートが膨らみ、気体の圧力で手袋外装材に手袋インサートが密着するので、手袋外装材と手袋インサートとの間の接着剤により両者が接着することとなる。
本発明としては、前記手袋保持部材が内部中空の通路を有するものであり、この手袋保持部材に前記気体注入手段が接続されていることが好ましい。本発明によれば、内部中空の通路を有する手袋保持部材により気体注入手段からの気体を手袋インサートに注入させることができるので、例えば、外側から上記手袋部材を支持しながら、前記気体注入手段で気体を注入するような煩雑な作業としたりする必要がなくなる。
本発明としては、前記手袋保持部材に、気体の流出を制御するための気体遮断手段を備えたり、又、前記手袋保持部材に、手袋インサートに注入された気体の圧力を一定値以上に上昇することを防ぐための圧力調整手段が接続されていることが好ましい。そして、手袋保持部材がターンテーブルに着脱自在に取り付けられて、ターンテーブルを回転させることによりターンテーブルの所定位置に配置されている加熱炉に手袋保持部材を搬送して熱可塑性接着剤を軟化又は溶融させ、所定時間経過後に手袋保持部材が取り入れ取り出し口に戻されることで、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる作業の効率化が図られる。
本発明としては、加熱炉を有することが好ましい。この場合、気体を注入した後、速やかに加熱処理を行なうことができ、作業の効率化が図られる。
本発明としては、前記手袋保持部材を前記気体注入手段と連結する連結部材を有し、連結部材が弁機構を有することが好ましい。この場合、手袋保持部材を連結部材から外すと、気体注入手段からの気体の流出を停止することができる。従って気体注入手段の内部の圧力が安定し、気体注入工程の生産性が高まる。また、気体を無駄に浪費することがない。
上記方法により、本発明の手袋を製造することができる。上記装置により、本発明の手袋を製造することができる。
本発明によれば、気体の注入により手袋インサートが膨らみ、手袋外装材に手袋インサートが密着し、接着剤が手袋外装材と手袋インサートとの間に介在されて接着されることとなる。したがって、気体により手袋インサートを膨らませるだけで、接着のバラツキを抑制することができ、手袋としての形状に合った仕上がりになる。また、気体を注入するという比較的簡単な装置であり、ターンテーブルを用いたものでは、ターンテーブルの所定位置に配置されている加熱炉に手袋外装材に手袋インサートを挿入した手袋部材を搬送しながら熱可塑性接着剤を軟化又は溶融させることにより、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる作業の効率化が図られ、生産性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態の手袋の製造装置を示す斜視図である。 上記第1の実施の形態の断面図である。 上記第1の実施の形態の手袋保持部材と連結部を示す斜視図である。 上記第1の実施の形態の予備加熱室と加熱炉と冷却室の配置構成と手袋保持部材の配置構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態の手袋の製造装置を示す断面図である。 上記第2の実施の形態の加熱炉の配置構成と手袋保持部材の配置構成を示す平面図である。 上記実施の形態の抑えカバーを説明する断面図である。 本発明の第3の実施の形態の手袋の製造装置を示す側面図である。 本発明の第4の実施の形態の手袋の製造装置を示す側面図である。 上記第4の実施の形態の加熱炉の配置構成と手袋保持部材の配置構成を示す平面図である。 実施例6の手袋インサートTi内の圧力を示すグラフである。
符号の説明
1 手袋の製造装置
2 ターンテーブル
3 手袋保持部材
5 加熱炉
6 取り入れ取り出し口
7 気体遮断手段
8 圧力調整手段
8a 高圧用圧力調整手段
8b 低圧用圧力調整手段
9 気体注入手段
10 連結部材
11 冷却室
15 抑えカバー
20 電空切替弁
T 手袋部材(手袋外装材と手袋インサート)
Ts 手袋外装材、Ti 手袋インサート
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の手袋の製造装置の斜視図であり、図2は手袋製造装置の断面図である。図3は、手袋保持部材3のターンテーブル2への取付け状態を示す斜視図である。図4は、ターンテーブル2の加熱炉5と冷却室11と予備加熱室12の配置構成を模式的に示す平面図である。
本実施の形態の手袋の製造装置1は、基台にターンテーブル2と加熱炉5が配置され、ターンテーブル2に手袋保持部材3が備えられている。手袋保持部材3には、気体を注入する気体注入手段9と圧力調整手段8が軸4を介して連結されている。また、手袋保持部材3は、気体遮断手段7を備えている。
本発明に適用される手袋としては、スキー用手袋、登山用手袋、手首部分が長い消防用の手袋や、防寒用手袋等で、手袋外装材Tsの内側に防水性や防風性を保つための手袋インサート(グローブインサートや防水インサートとも呼ばれる。)Tiが挿入される手袋である。なお、手袋としての最終製品としては、手袋インサートTiの内側に裏材が設けられたり、手袋インサートTiと裏材の間に保温材を有したり、また、手袋インサートTiの内側に予め裏材となる繊維布帛を積層したものを手袋インサートとして用いてもよい。
手袋保持部材3は、手袋外装材Tsや手袋インサートTiの開口を被せるようにして保持するものであり、本実施の形態では、手袋インサートTiを手袋外装材Tsに挿入させた状態の手袋部材Tを保持する。手袋保持部材3は、ターンテーブル2の周囲に複数配置することで多数の手袋部材Tを同時に製造することができる(図4)。手袋保持部材3は、ターンテーブル2上に立設されている。
ターンテーブル2は、手袋保持部材3を取り付けた状態で回転するもので、ターンテーブル2の上方側には加熱炉5が配置されている。また、加熱炉5の前後に予備加熱室12と冷却室11が配置されている。すなわち、ターンテーブル2の正面側は取り入れ取り出し口6とされ、後方側は加熱炉5等とされ、取り入れ取り出し口6で上記手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3を連結部材10を介し、ターンテーブル2に取り付けて、ターンテーブル2を1回転させると、予備加熱室12、加熱炉5、冷却室11を順に通過して、取り入れ取り出し口6に上記手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3が戻される構造である(図4)。回転するターンテーブル2の所定範囲を壁2dにより区画するとともに、その壁2dに形成した開口に遮蔽カーテン2cを設けることで、加熱炉5と冷却室11と予備加熱室12を構成する。加熱炉5は循環式熱風ヒーター、赤外線ヒーター、電熱ヒーター、ガス等により加熱するものである。予備加熱室12は、加熱炉5と同様に循環式熱風ヒーター、赤外線ヒーター、電熱ヒーター、ガス等により加熱するものの他、加熱炉5と予備加熱室12の間の遮蔽カーテン2cの隙間より漏れてくる加熱炉5の熱風にて加温されているものであってもよい。加熱炉5にて加熱される前に、加熱炉5内の温度と室温の間の温度にて手袋保持部材3に保持された手袋部材Tを予備加熱できるものであれば良い。また、冷却室11は、ブロアー、換気ファンなどを用いることにより冷却室外から空気を取り込んだり、冷媒などを用いた冷房装置を用いたりすることにより冷却室11内の温度を加熱炉5に比べ低温とするものの他、加熱炉5と冷却室11の間の遮蔽カーテン2cにより、冷却室11への加熱炉5からの熱風の流入を抑制することにより、冷却室11内の温度を加熱炉5の温度よりも低い温度とし、手袋保持部材3に保持された手袋部材Tを冷却できるものであっても良い。加熱炉5内の温度の安定性の観点からは、予備加熱室12を有し、また、冷媒を用いるなどの強制的な冷却手段を用いずに、遮蔽カーテン2cにて加熱炉5からの熱風の流入を抑制する冷却室11を有するものが好ましい。ターンテーブル2の下方には、ターンテーブル2を回転させる軸4が配置され、駆動モータ13により減速機17、ベルトVを介して軸4およびターンテーブル2を所定速度で回転駆動させる。本実施の形態は、ターンテーブル2上に加熱炉5が配置されるとともに、手袋部材Tを予備加熱する予備加熱室12、加熱炉5で加熱した手袋部材Tを冷却する冷却室11を配置しているが(図4)、加熱炉5のみ配置することも可能であり(図6)、加熱炉5と冷却室11を配置することも可能であり、加熱炉5と予備加熱室12を配置することも可能である。また、予備加熱室12や冷却室11を設けずに取り入れ取り出し口6を遮断カーテンで覆うことにより、加熱炉5内の温度の安定化や、取り入れ取り出し口6に予備加熱室12と冷却室11の役割を持たすことも可能である。
ターンテーブル2を回転させる軸4は、円筒状又は管状のものであり、内部中空の通路が形成され、その先にはロータリージョイント4jを介して気体を送り込むための気体注入手段9が接続されている(図2)。気体注入手段9としては、コンプレッサー、ブロアー、ガスボンベなどを用いることができ、加熱した気体を注入することもできる。気体注入手段9から送り出された気体は、手袋保持部材3の中空部を通過し、手袋部材Tの手袋インサートTiに注入される。軸4は、ターンテーブル2の中心と連結されるとともに軸4より分岐した軸4がターンテーブル2に固着される連結部材10に連結され、この連結部材10を介して手袋保持部材3が取り付けられている。連結部材10は、軸4が連結されると共に、手袋保持部材3が差し込み可能に連結されて、手袋保持部材3が連結部材10によりターンテーブル2から着脱自在になっている。なお、連結部材10は、手袋保持部材3の連結部材10への差し込みにより、上記軸4からの気体を流出させるとともに、手袋保持部材3を連結部材10から外すと、上記軸4からの気体の流出を停止する弁機構を採用することも可能である。気体遮断手段7は、気体の流出を制御するためのコック(バルブ)等であり、手袋保持部材3の下方に取り付けられている。コック7が取り付けられているので、このコック7を閉めることにより手袋保持部材3を連結部材10から外しても、手袋保持部材3から気体が流出しないようにしている。
手袋保持部材3は、手袋部材Tを取り付けるとともに、手袋インサートTiに気体を注入する注入口の役割を果たすもので、軸4と同様、円筒状又は管状のものであり、内部中空の通路が形成されている。したがって、手袋保持部材3がターンテーブル2に取り付けられ、軸4と連結されると、気体注入手段9により気体がロータリージョイント4jを介して手袋インサートTiに送り込まれる。手袋保持部材3の注入口(取付け口)としては、円形状や楕円形状としてもよい。
軸4には、手袋インサートTiの圧力を一定に保つための圧力調整手段8として、逃がし弁付きの圧力調整手段8が設けられている。逃がし弁は、設定圧力以上の圧力上昇分の気体を逃がす働きを持つ弁である。加熱炉5内にて加熱処理されることにより手袋インサートTi内の気体の圧力が上昇しすぎた場合には、手袋外装材Ts又は手袋インサートTiが伸びすぎてしまい、気体の圧力を除去しても手袋外装材Tsの形状が元に戻らず、手袋の変形の原因となるおそれがある。圧力調整手段8として、逃がし弁付き圧力調整手段8を用いることにより、手袋インサートTiの気体の圧力が一定以上になった場合に気体を手袋インサートTi内より放出し、手袋インサートTi内の圧力が一定以上に上昇することを防止する。また、手袋インサートTiへの気体の注入時に、過剰に気体が注入され、手袋外装材Tsが変形してしまうことを防止するためにも圧力調整手段8を有しているとよい。
手袋外装材Tsとしては、織物製、編物製、不織布製、合成皮革製、人工皮革製、天然皮革製、プラスチックフィルム製等いずれを用いて製造されるものであってもよく、又、プラスチックフィルムを織物などの繊維基材に積層したものや手の甲の部分に織物を用い掌の部分に天然皮革をもちいるなどこれらを組み合わせて製造される物であってもよい。これらの素材もポリエステル、ナイロン、ポリアミド、アクリル、ポリウレタン、レーヨン、アセテート、塩化ビニル樹脂などの化学繊維や樹脂、綿、羊毛、絹、麻などの天然繊維や牛などの皮革またはこれらを組み合わせたものであっても良い。そして、このような手袋外装材Tsとしては、5本の指が各々独立したものやミトンのように親指部だけが他の4本の指部とに別れたものなどその種類や大きさを問わない。この点、先行技術文献として挙げた特許文献1では、手袋の大きさや種類に応じて型を使用するもので、本実施の形態は、このような型を使用せず、手袋インサートTiを膨らませるもので、この膨らませる気体がいわば型となり、その種類や大きさに柔軟に対応することとなる。
手袋インサートTiの素材としては、気体の注入により膨らむものであれば特に限定されるものでないが、防水性を有していることや、手袋として用いたときの着用感や作業性の観点からは伸縮性を有しているものが好ましい。また、手袋内のムレを抑えるとの観点からは、透湿性を有していると良い。具体的な素材としては、無孔質や多孔質のポリウレタン製フィルム、延伸された多孔質のポリテトラフルオロエチレン製フィルム、ポリエステル製フィルム、ナイロン製フィルム、塩化ビニル製フィルム等が挙げられる。また、前記フィルムを積層した不織布、織物、編物が挙げられる。これらのものは2種以上組み合わせたものであってもよい。そして、手袋の形状をした2枚の手袋インサート用の素材の外周部が手の出し入れをする開口を除き、融着や接着剤により接合されているもの等を手袋インサートとして用いることができる。
また、手袋インサートTiの外側には熱可塑性接着剤が付与されており、予め熱可塑性接着剤が付与された手袋インサート用の素材を用いて手袋インサートTiを製造してもよいし、手袋インサートの形状とした後、エアーガン、エアースプレーなどを用い、その外側に熱可塑性接着剤を付与してもよい。手袋インサートTiの外面へ付与された接着剤は、点状、線状、格子状または手袋インサートの外側全面に隙間なく付与されたものであってもよい。
また、手袋インサートTiは、手袋外装材Tsとほぼ同等の大きさのものや、伸縮性のある手袋インサートTiの場合には、手袋外装材Tsよりもやや小さめのものであっても良いが、本発明によれば、手袋外装材Tsよりも大きなものを用いることができる。これにより、手袋外装材Tsの形状や大きさが変った場合においても、同一の手袋インサートTiを用いることができるため、大きさや形状の異なる多種の手袋インサートTiの準備をする必要が無くなり、コストダウンと在庫管理の簡略化が図られる。
次に、本実施の形態の手袋の製造方法を説明する。
本実施の形態では、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる手袋の製造方法であって、外側に接着剤が付与された手袋インサートTiを手袋外装材Tsの内側に挿入させてから、気体注入手段9により手袋インサートTiに気体を注入し手袋インサートTiを膨らませて、手袋外装材Tsと手袋インサートTiを接着することで手袋を製造するものである。
手袋インサートTiの外面に接着剤が付与されている。接着剤としては、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤や光硬化性接着剤等種々のものが適用できるが、加熱により生ずる可塑性を利用して簡単に任意の時期に接着加工することができることから、熱可塑性接着剤が好適である。本実施の形態では、加熱炉5での加熱や加熱した気体を気体注入手段9で手袋インサートTiに注入するので、熱可塑性接着剤が好ましい。熱可塑性接着剤は、ホットメルト型接着剤とも呼ばれ、常温で固体の接着剤で、加熱により軟化、溶融する。熱可塑性接着剤は、手袋インサートTiに熱可塑性接着剤を付与し、手袋外装材Tsに密着させながら加熱し、熱可塑性接着剤を軟化または溶融させ、その後冷却させて接着が行われる。熱可塑性接着剤は、手袋インサートTiの外面全面に隙間なく付与されても良く、点状、線状、格子状等の形状にて付与されてもよい。得られる手袋部材の透湿性や風合いの観点からは、点状が好ましく、接着力の観点からは、全面に隙間なく付与されるものが好ましい。
熱可塑性接着剤は、公知のものを用いることができ、その軟化点は手袋外装材Tsや手袋インサートTiの素材により任意に設定すれば良いが、60℃〜180℃のものが接着性の観点から好ましい。
手袋保持部材3に、手袋外装材Tsの内側に手袋インサートTiに付与されている熱可塑性接着剤が接するように手袋インサートTiを挿入した状態の手袋部材Tを取り付ける。手袋部材Tの手袋保持部材3への取付けは、手袋部材Tの手袋インサートTiの開口を手袋保持部材3の外周形に合わせるようにして装着させる。手袋部材Tはバンド、ベルトやクランプなどを使用して手袋保持部材3に取り付けても良い。これを使用することで、気体を注入したときに気体が漏れたりしないようにする上で有意義である。また、ゴムなどの弾性体とバンドを組み合わせて手袋部材Tを手袋保持部材3に取付け、気体の漏れに対応させても良い。
次に、気体注入手段9により手袋インサートTi内部に気体を注入し、手袋インサートTiを膨らませて手袋外装材Tsと手袋インサートTiを密着させる。気体の種類は、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等を用いることが可能であるが、空気がコスト的に有利である。また、注入される気体は、室温でも良いが50℃〜90℃に加熱された気体を注入すると、熱可塑性接着剤を早く軟化又は溶融させることができるので、生産性の観点より好ましい。注入する気体は、手袋インサートTi内の気体の圧力で0.01〜0.5kg/cm(1.0〜49kPa)が好ましい。0.01kg/cm(1.0kPa)を下回ると、手袋インサートTiが十分に手袋外装材Tsに接着しないおそれがあり、0.5kg/cm(49kPa)を上回ると、手袋外装材Tsが伸びてしまい元の形状に復元しないおそれがある。なお、必要に応じて、抑えカバー15を使用して、手袋外装材Tsの伸びを防止してもよい(図7)。
ここで、手袋インサートTiを手袋外装材Tsに挿入した後、手袋インサートTiに気体を注入する前に、手袋インサートTiの指先部分を80℃〜200℃程度に加熱した棒状のコテなどを使用して加熱し、手袋インサートTiの指先と手袋外装材Tsの指先を仮接着し、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指先を固定させておくと、接着の安定の観点からより好ましい。また、指と指の股部分においても、同様に手袋インサートTiを手袋外装材Tsに挿入した後、手袋インサートTiに気体を注入する前に80℃〜200℃程度に加熱した棒状のコテなどを使用して加熱し、手袋インサートTiの指の股部分と手袋外装材Tsの指の股部分を仮接着し、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指の股部分を固定させておくと、接着の安定の観点からより好ましい。
次に、加熱処理を行う。ターンテーブル2を回転させ、手袋部材Tを加熱炉5の中に搬送させ加熱処理を行うと、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが密着した状態で手袋インサートTiの外面の熱可塑性接着剤が軟化または溶融する。加熱炉5による加熱処理温度は、手袋外装材Tsや手袋インサートTiの素材や熱可塑性接着剤の軟化点により任意に設定すれば良いが、60〜200℃程度で加熱処理を行うと良い。加熱処理により、手袋インサートTi内の気体の圧力が上がりすぎた場合、特に手袋外装材Tsとして薄い素材を用いた場合には変形し易いため、圧力調整手段8により気体を逃がし、手袋インサートTi内の気体の圧力を一定値以上に上昇することを抑えることが手袋部材Tの形状を維持する観点から好ましい。また、必要に応じて、抑えカバー15を使用して、手袋外装材Tsの伸びを防止してもよい(図7)。
加熱処理時間は、手袋外装材Tsや手袋インサートTiの素材や手袋インサートTiに付与された熱可塑性接着剤の軟化点と加熱処理温度にもよるが、10秒〜10分程度行えば良い。得られる手袋の接着の安定性と生産性の観点からは1分〜5分が好ましい。加熱処理時間が10秒未満では、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが十分に接着しないおそれがあり、加熱処理時間が10分以上では生産性の点から好ましくない。また、手袋部材Tは、加熱炉5にて加熱する前に予備加熱室12にて予備加熱を行ってもよい。
加熱炉5で所定時間加熱処理した後は、上記加熱炉5の次に配置されている冷却室11の冷却手段による冷却が行われる(図4)。この場合の冷却は、手袋インサートTiに気体注入手段9より注入された気体を注入した状態での冷却である。また、加熱炉5で所定時間加熱処理した後、手袋外装材Tsに手袋インサートTiを挿入した手袋部材Tが取り入れ取り出し口6に取り出されて熱可塑性接着剤が冷却される自然冷却でも良い。この場合の取り入れ取り出し口6でも、加熱炉5から出てきた手袋部材Tが取り付けられた手袋保持部材のコック(気体遮断手段)7を閉めた後、ターンテーブル2から手袋保持部材3を取り外すことにより、手袋インサートTiに気体注入手段9より注入された気体を注入した状態で冷却することで、熱により軟化している熱可塑性接着剤が冷却される。冷却してしっかりと熱可塑性樹脂が固まってから、手袋インサートTiの中の気体を抜いたり、手袋部材Tを手袋保持部材3から取り外すことができ、これらにより手袋インサートTiの手袋外装材Tsに対する接着性が安定化する。また、手袋インサートTiから気体を除去して冷却する方法も行うことができる。しかしながら、前記のように手袋インサートTiに気体を流入させたままの状態で冷却するとより良い。加熱炉5から出てきた直後の熱可塑性接着剤は十分に固まっていないために、加熱炉5から出てきた直後の手袋保持部材(気体遮断手段7を有していない手袋保持部材、又は、気体遮断手段7を閉めていない手袋保持部材)3をターンテーブル2から外したり、手袋部材Tを手袋保持部材3から外したりした場合には、手袋インサートTiから気体が抜けて、手袋部材Tの内部の急激な圧の変化により部分的に手袋インサートTiが手袋外装材Tsから剥離するおそれがある。手袋保持部材3に設けられている気体遮断手段7により気体の流出を防ぐことで、熱可塑性接着剤の固化の安定性が増加し、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの接着性が安定化する。このようにして、熱可塑性接着剤が固化し、手袋外装材Tsの内面に手袋インサートTiが接着された手袋部材Tが製造される。
また、前記のように手袋インサートTiへの気体の注入時や加熱炉内での加圧時に、手袋インサートTi内の気体の圧力が高まりすぎた場合の手袋外装材Tsの変形を防止する方法として、手袋外装材Tsが伸びすぎないように、抑えカバー15を用いる方法が挙げられ(図7)、この抑えカバー15としては、手袋とほぼ同一の大きさのものが好ましいが、手袋外装材Tsが伸ばされた場合でも手袋外装材Tsが元の大きさに戻る程度に、手袋外装材Tsよりも抑えカバー15を大きくしても良い。この抑えカバー15としては、5本指のものを準備しても良いが、手袋外装材Tsの伸びを防止できれば良いので、全5本指のすべてを備えるものでなくて良い。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、図5と図6に示すように、軸4に、手袋インサートTiの内部の気体を排気する吸引手段16を連結させる構造を採用した。特に、手袋インサートTiに注入する気体が空気ではなく、窒素やヘリウムなどを注入する場合に、手袋インサートTi等の中の空気を排気してから、窒素やヘリウムなどを注入するときに有効である。このような手袋保持部材3と軸4としては、内部が一重の管を用いることができるが、二重や三重の管として、気体の注入と、内部の気体(空気)の排気とを各々別の管路にしてもよい。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態のような冷却室11や予備加熱室12は配されておらず、また、本実施の形態の手袋保持部材3は、ターンテーブル2の径方向の内外にも手袋保持部材3を配置して、第1の実施の形態よりも多く手袋保持部材3を配置することができるようになっている。
また、第1および第2の実施の形態では、ターンテーブル2を用いたが、ターンテーブル2に替えて循環式のベルトコンベアに手袋保持部材3が取り付けられるものを用い、ベルトコンベアが循環すると、手袋保持部材3が加熱炉5に入り、所定時間熱処理されて、取り入れ取り出し口に手袋保持部材3が戻される製造装置であってもよい。なお、この場合の手袋保持部材3としては、第1の実施の形態のような1本の中心の軸4から複数の手袋保持部材3に分岐するものでなく、一つの軸4から一つの手袋保持部材3が接続されたもので、一つずつ手袋部材Tを保持して循環するものが適用可能である。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、図8に示すように、基台上に連結部材10を有し、連結部材10に気体注入手段9が連結されており、手袋保持部材3を連結部材10に取り付けると、気体注入手段9より空気等の気体が手袋インサート内に注入される装置と別途準備された加熱処理が可能な加熱炉を用いる手袋の製造装置である。すなわち、手袋インサートTiに気体を注入する装置と加熱処理する装置(加熱炉)が分離しており、手袋インサートTiに気体を注入した後、手袋保持部材3の気体遮断手段7により手袋インサートTi内に気体を閉じ込める。次に、手袋保持部材3を連結部材10から外して、加熱炉に手袋保持部材3を移して手袋インサートTiと手袋外装材Tsが熱可塑性接着剤を介して密着した手袋部材Tの加熱処理を行うものである。なお、本実施の形態では、ターンテーブルのように手袋保持部材3を搬送する手段はないが、圧力調整手段8は設けられている。また、吸引手段16等を設けても良い。
手袋の製造方法は、外側に熱可塑性接着剤が付与された手袋インサートTiを手袋外装材Tsの内側に挿入して手袋部材Tとした後、その手袋部材Tを手袋保持部材3に取り付ける。次に、手袋保持部材3を連結部材10に取り付け、手袋インサートTi内に気体を注入し、手袋インサートTiを膨らませて、手袋外装材Tsと手袋インサートTiを密着させる。このとき、第1と第2の実施の形態と同様に手袋インサートTiの外側に付与された熱可塑性接着剤は手袋インサートTiと手袋外装材Tsとの間に存在し、手袋外装材Tsと密着している。次に手袋保持部材3の気体遮断手段7を閉め手袋インサートTi内に気体を閉じ込める。注入される気体の圧力は、第1と第2の実施の形態と同様である。また、手袋インサートTi、手袋外装材Ts、熱可塑性接着剤、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指先や指の股部分の仮接着等は、第1と第2の実施の形態と同様である。
次に、連結部材10から取り外した手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3を加熱炉に入れ加熱処理を行う。加熱処理により、接着剤(熱可塑性接着剤)が軟化または溶融し、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが接着する。次に冷却されると、手袋外装材Tsと手袋インサートTiの接着が完了する。加熱処理時の温度、時間は第1と第2の実施の形態と同様である。
加熱炉としては、第1の実施の形態のようなターンテーブル2やベルトコンベアなどの移動手段が付属されたものを用いる場合には、その移動手段上に手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3を取り付けて加熱処理を行えば良い。また、ターンテーブルなどの移動手段を有さない加熱炉を用いる場合には、手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3を加熱炉に入れ加熱処理を行い、必要時間経過後、加熱炉より手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3を取り出せば良い。加熱処理を行った後の冷却については、手袋インサートTiの気体を抜いて行うことも可能であるが、第1と第2の実施の形態のように手袋インサートTi内に気体を注入したままの状態で冷却することが接着の安定の観点より好ましい。
(第4の実施の形態)
手袋外装材Tsに手袋インサートTiを貼り合せるために、手袋インサートTi内に気体を注入し、加熱処理をおこなうと、手袋外装材Tsの種類によっては、注入された気体の圧力により、手袋外装材Tsが変形(膨らむ)し、注入された手袋インサート内の気体を除去した後においても元の形状に戻らないことがある。本実施の形態では、手袋外装材Tsの内側に手袋インサートTiを貼り合せた際の手袋外装材Tsの変形を抑えることのできる手袋の製造方法と装置に関するものである。
本実施の形態の手袋の製造方法では、前記の実施の形態1等と同様に手袋外装材Tsの内側に手袋インサートTiを貼り合せる手袋の製造方法であって、外側に熱可塑性接着剤が付与された手袋インサートTiを手袋外装材Tsの内側に挿入させてから、気体注入手段9により手袋インサートTiに気体を注入し、手袋インサートTiを膨らませて、手袋外装材Tsと手袋インサートTiを接着するものであるが、加熱処理中に手袋インサートTi内をさらに加圧し、加熱処理初期時に比べ、手袋インサート内の圧力を上昇させるものである。
このようにすることにて、変形し易い手袋外装材Tsを用いた場合においても、手袋インサートTiを貼り合わせる際に、抑えカバーを用いなくても手袋外装材の変形を抑制することができるため、不良品の発生を抑えながら、生産性を向上させることができる。また、手袋インサートTi内へ、手袋インサートTiと手袋外装材Tsをしっかりと接着させるための十分な圧力をかけることができるので、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの接着ばらつきも抑えられた手袋を供給することができる。
本実施の形態に用いられる手袋外装材Ts、手袋インサートTi、熱可塑性接着剤等は、実施の形態1等にて説明したものと同様のものが使用できる。
また、手袋外装材Tsへの手袋インサートTiへの挿入等についても実施の形態1と同様におこなえばよく、また、手袋インサートTiの指の股部と手袋外装材Tsの指の股部分の仮接着や手袋インサートTiの指先と手袋外装材Tsの指先の仮接着も実施の形態1と同様におこなうとよい。
加熱処理時の条件としては、加熱処理時の初期は手袋インサートTi内の圧力を低めにし、手袋外装材Tsが大きく伸びないような圧力とする。加熱処理時の低めの圧力とは、手袋外装材Tsの種類によっても異なるが、0.0001MPa(0.001kg/cm)以上がよい。より好ましくは0.0005MPa(0.005kg/cm)以上がよい。また、0.003MPa(0.03kg/cm)以下がよい。0.0001MPa(0.001kg/cm)未満では手袋外装材Tsと手袋インサートTiの間に隙間ができ、後で加圧した場合においても、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが充分密着せず、部分的に接着しない箇所や充分な接着強度が得られないおそれがある。
また、0.003MPaを超えると手袋外装材Tsの種類によっては、変形するおそれがある。
加熱処理時に手袋インサートTi内をさらに加圧した際の圧力は、手袋外装材Tsの種類にもよるが、0.05MPa(0.5kg/cm)以下がよい。より好ましくは0.003MPa(0.03kg/cm)超、0.01MPa(0.1kg/cm)以下がよい。
0.05MPa(0.5kg/cm)を上回ると、手袋外装材Tsが伸びてしまい元の形状に復元しない恐れがある。
加熱処理時の加熱温度や加熱時間は、実施の形態1と同様に行えばよいが、本実施の形態では、加熱処理中にさらに加圧する。そのタイミングは加熱処理が終了する直前〜20秒間前に上記の圧力になるように加圧し、3秒〜20秒間高圧で処理するとよい。そして、次に加熱処理の初期の低圧に手袋インサートTiの圧力を戻し、冷却するとよい。
冷却についても、実施の形態1と同様におこなえばよい。
次に、本実施の形態に用いられる装置の一例の説明をおこなう。また、本実施の形態を示す図9、図10は6個の手袋部材Tを連続して加熱処理できるもので説明を行うが、特にこの数に限定されるものではない。
本実施の手袋の製造装置1では、実施の形態1と同様にターンテーブル2、加熱手段5、手袋保持部材3、気体遮断手段7、連結部材10等を有している。
本実施の形態では、図9と図10に示すように、手袋部材Tの加熱処理中に複数の手袋インサートTi内の気体の圧力を各々変化させることができるようにするため、軸4に検知手段として検知ボルト21、検知ボルト21を検知し圧力切替手段に切替指示を出すためのスイッチとして近接スイッチ22、各手袋インサートTiへ供給する気体の圧力を切り替えるための圧力切替手段としての電空切替弁20、電空切替弁20に高圧の気体を供給するための高圧用圧力調整手段8a、同じく電空切替弁20に低圧の気体を供給するための低圧用圧力調整手段8b、高圧用圧力調整手段8aおよび低圧用圧力調整手段8bには、手袋インサートTiに気体を注入するために気体注入手段9が接続されている。
また、電空切替弁20は、ロータリージョイント4jと接続されており、また、ロータリージョイント4jからは、ホースを介してターンテーブル2、ターンテーブル2上の連結部材10、手袋保持部材3、手袋部材Tと接続され、手袋インサートTiに気体が送り込まれる。
なお、本実施の形態では6個の手袋保持部材が取り付けることができるため、6個の電空切替弁20がある。また、同様に検知ボルト21、近接スイッチ22、連結部材10等についても6個備えられている。また、ロータリージョイント4jにも気体を受け入れまた排出するための接続口がそれぞれ6個有し、電空切替弁20やターンテーブル2上の連結部材10とそれぞれ接続される。
また、図9に示す装置を用いれば手袋保持部材3を連結部材10に取り付けると手袋インサートTi内に低圧の気体が注入され、その後、設定したタイミングにて、加熱処理中に加圧し、手袋インサート内の圧力を上昇させることができるものであるが、別途実施の形態3に記載の図8に示すような手袋保持部材3を連結部材10に取り付けると、気体注入手段9からの空気等の気体を手袋インサート内に注入する装置を用い、手袋インサートTi内に低圧の気体を注入した手袋部材Tが取り付けられた手袋保持部材3を複数準備しておき(気体注入後は、気体遮断手段7を閉じて、手袋インサートTi内の気体の流出を防止)、準備した手袋保持部材3を実施の形態に記載の図9に示す装置の連結部材10に取り付け、気体遮断手段7を開き、加熱処理をおこない、加熱処理中に手袋インサートTi内をさらに加圧し、加熱処理初期時に比べ、手袋インサート内の圧力を上昇させ、手袋内装材Tiと手袋外装材Tsを貼り合わせてもよい。
(実施例1)
手袋外装材Tsとして、ポリエステル織物にて製造されたスキー用の手袋外装材を製造した。手袋インサートTiとして、透湿性及び防水性を有するポリウレタン樹脂製の無孔質フィルムの片面に熱可塑性接着剤(軟化点85℃)を点状に付与したものを手形に打ち抜き、その手形に打ち抜いたものを手袋インサートの外側に熱可塑性接着剤を有するようにし2枚重ね合わせ、手の出し入れをする開口部分以外の外周部を融着させたものを用いた。手袋インサートTiを手袋インサートTiの熱可塑性接着剤が手袋外装材Tsの内側に接するように挿入し、手袋部材Tとした。手袋インサートTiは、手袋外装材Tsよりも若干大きいものを使用した。手袋の製造装置は、第1の実施の形態の装置を使用した。連結部材10は、手袋保持部材3の連結部材10への差し込みにより、上記軸4からの気体を流出させるとともに、手袋保持部材3を連結部材10から外すと、上記軸4からの気体の流出を停止する弁機構を有するものを用いた。
次に、100℃に加熱した棒状のコテを用い、指先と指の股の部分の熱可塑性接着剤を軟化させ、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指先と指先及び指の股の部分と指の股の部分を仮接着した。
次に、手袋部材Tをターンテーブル2から取り外した手袋保持部材3に取り付けた(ベルトにて固定)後、ターンテーブル2に連結部材10を介し手袋保持部材3を取り付け、手袋保持部材3に接続されている気体注入手段9から手袋インサートTiに空気を注入し手袋インサートTiを膨らませた。このとき手袋インサートTi内の空気の圧力は、0.2kg/cm(19.6kPa)であった。ターンテーブル2を回転させ、手袋部材Tを加熱炉5に搬送して120℃で2分間本加熱を行った。3分後(予備加熱30秒、本加熱処理2分、冷却処理30秒)に取り入れ取り出し口6に出てきた手袋部材Tをコック(気体遮断手段)7を閉めた後、手袋保持部材3ごと取り外し、手袋インサートTiが手袋外装材Tsに熱可塑性接着剤にて接着された手袋部材Tを得た。
また、今回取り外した手袋保持部材3の箇所には、別途準備した手袋部材Tを取り付けた手袋保持部材3をすぐに取り付け、気体を注入して、段取り良く手袋部材Tの製造が可能であった。このように製造された手袋部材Tは、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが全体にしっかりと接着しており、また、生産性も向上した。また、本実施例では、冷却室(50〜60℃)にて冷却処理が行われているので、取り入れ取り出し口6に出てきた手袋部材Tをコック(気体遮断手段)7を閉めずに、手袋保持部材3ごと取り外してみたところ、熱可塑性接着剤が冷却され固化しており、手袋インサートTiと手袋外装材Tsとが全体にしっかりと接着しており接着ばらつきもなかった。
(実施例2)
60〜80℃程度の気体(温めた空気)を手袋保持部材3を介して手袋インサートTiに注入してから、ターンテーブル2により加熱炉5に搬送して、加熱炉5で本加熱を120℃で行った。本加熱の時間は2分とした。また、冷却処理時間は24秒とした。加熱炉5と予備加熱室12の間の遮蔽カーテン2cを取り外し、予備加熱室12も加熱炉5とし予備加熱は行わなかった。それ以外は、実施例1と同じである。
このように製造された手袋部材Tは、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが全体にしっかりと接着しており接着ばらつきもなかった。また、実施例1と比較すると、予備加熱室の代わりに、温めた空気の注入の場合、加工速度を早くすることができた。これは、温めた空気の注入により、外側の熱可塑性接着剤を早く軟化又は溶融させることができるからである。
(実施例3)
予備加熱室12と冷却室11を有さず、加熱炉5のみを配置した第2の実施の形態の手袋の製造装置を用いて、加熱処理(加熱処理時間2分30秒)後、取り入れ取り出し口6に出てきた手袋部材Tをコック(気体遮断手段)7を閉め手袋保持部材3ごと取り外し、10分間室温にて自然冷却させた。これ以外は実施例1と同様にし、手袋部材Tを得た。このように製造された手袋部材Tは、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが全体にしっかりと接着しており接着ばらつきもなかった。また、従来の型を用いたものに比べ生産性も優れていた。
(実施例4)
予備加熱室12と冷却室11を有さず、加熱炉5のみを配置した第2の実施の形態の手袋の製造装置を用いて、手袋インサートTiの中の空気を吸引手段16により排気した後、窒素を注入した。そして、加熱処理(加熱処理時間2分30秒)後、取り入れ取り出し口6に出てきた手袋部材Tをコック(気体遮断手段)7を閉め手袋保持部材3ごと取り外し、10分間室温にて自然冷却させた。これ以外は実施例1と同様にし、手袋部材Tを得た。このように製造された手袋部材Tは、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが全体にしっかりと接着しており接着ばらつきもなかった。また、従来の型を用いたものに比べ生産性も優れていた。
(実施例5)
熱可塑性接着剤が外側に付与された手袋インサートTiを手袋外装材Tsの内側に接するように挿入した手袋部材Tを、手袋保持部材3にシリコンベルトを巻き付け、その上をバンドにて締め付け取り付けた。加熱炉を配置しない第3の実施の形態の手袋の製造装置の連結部材10に手袋保持部材3を取り付け、気体注入手段9と連結し、手袋インサートTiの中に空気を注入し膨らませて、手袋インサートTiと手袋外装材Tsを密着させた。
なお、連結部材10は実施例1と同様に手袋保持部材3を連結部材10から外すと、気体注入手段からの気体の流出を停止する弁機能を有するものをもちいた。
次に、手袋保持部材3の気体遮断手段7を閉め、手袋インサートTiの中に空気を閉じ込めた。手袋保持部材3を連結部材10から外し、分離している加熱炉に手袋保持部材3を移し、加熱処理を2分間行った。
次に、手袋保持部材3を加熱炉より取り出し、10分間室温にて自然冷却を行った。冷却後、手袋保持部材3から手袋部材Tを取り外し、接着状況を確認したところ、手袋外装材Tsと手袋インサートTiが全体にしっかりと接着しており接着ばらつきもなかった。しかし、気体注入手段9と加熱手段が分離しているために、上記実施例よりも生産性は劣るものであった。
なお、手袋外装材Ts、手袋インサートTi、手袋保持部材3、熱可塑性接着剤、加熱処理温度、手袋インサートTi内の空気圧力、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指先や指の股部分の仮接着等は実施例1と同様とした。
(実施例6)
本実施例では、第4の実施の形態の手袋の製造方法を用いた。
手袋外装材Tsとして、編物の片面に塩化ビニル樹脂製のフィルムを積層した生地にて製造されたゴルフ用手袋外装材を用いた。手袋インサートTiとして、透湿性及び防水性を有するポリウレタン樹脂製の無孔質フィルムを手形に打ち抜き、その手型に打ち抜いたものを2枚重ね合わせ、手の出し入れをする開口部分以外の外周部を融着させ、手袋インサートを得た。次に手袋インサートの外側表面の全面に、パウダー状の熱可塑性接着剤(軟化点75℃)を振りかけ、外側に熱可塑性接着剤が付与された手袋インサートTiとして用いた。
手袋インサートTiを、手袋インサートTi上の熱可塑性接着剤が手袋外装材Tsの内側に接するように挿入し、手袋部材Tとした。手袋インサートTiは、手袋外装剤Tsよりも若干大きいものを使用した。
次に、100℃に加熱した棒状のコテを用い、指先と指の股の部分の熱可塑性接着剤を軟化させ、手袋インサートTiと手袋外装材Tsの指先と指先及び指の股の部分と指の股の部分を仮接着した。
次に、手袋保持部材3に、手袋部材Tを取りつけた。手袋部材Tと手袋保持部材3の重なっている手首の部分にゴム製のベルトを巻きつけ、その上をクランプで止め固定した。
手袋部材Tを取りつけた手袋保持部材3の空気遮断手段7を開け、手袋保持部材3を実施の形態3で用いた図8の装置の連結部材10に取り付け、手袋インサートTiの中に空気を注入した。このときの手袋インサートTiの圧力は0.001MPa(0.01kg/cm)とした。この操作を繰り返し、複数の手袋インサートTiの中に空気が注入された手袋部材Tを取りつけた手袋保持部材3を準備した。なお、図8の連結部材10は、実施例1と同様に手袋保持部材3を連結部材10から外すと、気体注入手段からの気体の流出を停止する弁機能を有するものをもちいた。
次に、手袋保持部材3の空気遮断手段7を閉じ、第3の実施形態でもちいた図8の装置から、手袋保持部材を外し、図9で示す実施の形態4の手袋製造装置のターンテーブル2上の連結部材10に取りつけ、手袋保持部材3の空気遮断手段7を開いた。手袋保持部材3は、中空の軸4の中を通る耐熱ホース、6口のロータリージョイント4j、電空切替弁20を介し、低圧用圧力調整手段8bと接続され、低圧用圧力調整手段8bは気体注入手段9と接続されている。低圧用圧力調整手段は、圧力を0.001MPa(0.01kg/cm)に調整されている。なお、連結部材10は、実施例1と同様に手袋保持部材3を連結部材10から外すと、気体注入手段からの気体の流出を停止する弁機能を有するものをもちいた。
ターンテーブル2を一定速度で回転させ、手袋部材Tを加熱炉5(循環式熱風ヒーターにて加熱)に搬送して、120℃加熱処理(120秒)をおこなった。加熱処理が終了する8秒前に、電空切替弁20により、低圧用圧力調整手段8bから高圧用圧力調整手段8aに切替え手袋インサート内の圧力を0.005MPa(0.05kg/cm)に加圧し、加熱処理を6秒間続けた。加熱処理が終了する(手袋保持手段3が取り入れ取り出し口へ出てくる)2秒前に、高圧用圧力調整手段8aから低圧用圧力調整手段8bに切替え手袋インサート内の圧力を元の0.001MPa(0.01kg/cm)に戻した。加熱処理中の手袋インサートTi内の圧力を示すグラフを図11に示した。
低圧用圧力調整手段8bから高圧用圧力調整手段8aへの切替は、軸4に取りつけた検知ボルト21を近接スイッチ22で検知させ、電空切替弁への切替の指示を出した。また、高圧用圧力調整手段8aから低圧用圧力調整手段8bへの切替は、タイマースイッチを用い、高圧用圧力調整手段8aに切り替わった後、6秒後に低圧用圧力調整手段8bに切り替わるよう電空切替弁へ指示を出した。
加熱処理が終了し、取り入れ取り出し口6に出てきた手袋保持部材3は、気体遮断手段7を閉じ、手袋部材Tごとターンテーブル2上の連結部材10より取り外し、手袋インサートTi内に空気を注入した状態で、室温にて20秒冷却した。その後、手袋保持部材3より手袋部材Tを取り外した。その連結部材10には、あらかじめ図8の装置を用い準備した手袋インサートTi内に空気を注入した手袋部材Tを取りつけた手袋保持部材3をすぐに取りつけ、気体遮断手段7を開き、引続き加熱処理をおこなった。
冷却が済んだ手袋部材Tの手袋外装材Tsと手袋インサートTiは全体にしっかりと接着しており、また、得られた手袋部材Tは、伸びなどの変形はしていなかった。
また、同様の手袋外装材Tsと手袋インサートTiをもちいた手袋部材Tにて、手袋インサートTi内の気体の圧力を0.005MPa(0.05kg/cm)で120秒加熱処理しつづけたものは、手袋外装材Tsが全体に伸びてしまい、手袋インサートTiの空気を除去した後も、当初のサイズに比べ大きくなってしまった。
また、本実施例では、先の実施の形態3の図8の手袋製造装置を用いて、手袋保持部材3に手袋インサートTi内に空気を注入させた手袋部材Tを取りつけたものを予め準備し、実施の形態4の図9の装置を用い加熱処理等をおこなったため、先の実施例に比べさらに生産性に優れたものであった。
なお、今回の実施例では、図8の装置を用い、手袋保持部材3に手袋インサートTi内に空気を注入させた手袋部材Tを取りつけたものを予め準備し用いたが、実施の形態4の方法であれば、図8の装置を用いたこのようなものを予め準備せずに、図9の装置のみをもちいて手袋インサートTiと手袋外装材Tsを貼り合わせた場合においても、得られる手袋外装材Tsの伸びによる変形を抑え、かつ、手袋インサートTiと手袋外装材Tsを安定して貼り合わせることができることはいうまでもない。
以上、本発明の各実施の形態では、手袋外装材Tsの内側に手袋インサートTiを貼り合わせて手袋部材Tを製造する場合で説明したが、この手袋部材Tに、公知の方法により裏材を取付けて手袋を得ることができる。
本発明によれば、気体の注入により手袋インサートが膨らみ、手袋外装材に手袋インサートが密着し、接着剤が手袋外装材と手袋インサートとの間に介在されて接着されることとなる。したがって、気体により手袋インサートを膨らませるだけで、接着のバラツキを抑制することができ、手袋としての形状に合った仕上がりになる。また、気体を注入するという比較的簡単な装置であり、ターンテーブルを用いたものでは、ターンテーブルの所定位置に配置されている加熱炉に手袋外装材に手袋インサートを挿入した手袋部材を搬送しながら熱可塑性接着剤を軟化又は溶融させることにより、手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる作業効率化が図られ、生産性の向上を図ることができる。

Claims (14)

  1. 手袋外装材の内側に手袋インサートを貼り合わせる手袋の製造方法であって、外側に熱可塑性接着剤が付与された手袋インサートを手袋外装材の内側に挿入させてから、気体注入手段により手袋インサートに気体を注入し、手袋インサートを膨らませて、加熱炉で加熱処理して手袋外装材と手袋インサートを接着する手袋の製造方法において、
    前記加熱処理中に、手袋インサート内をさらに加圧し、加熱処理初期時に比べ、手袋インサート内の圧力を上昇させることを特徴とする手袋の製造方法。
  2. 前記加熱処理した後、手袋インサートに注入された気体を注入した状態で冷却することを特徴とする請求項記載の手袋の製造方法。
  3. 前記加熱処理中の加圧により上昇させた圧力で処理する時間が3秒〜20秒であることを特徴とする請求項記載の手袋の製造方法。
  4. 前記加熱処理中の前記加熱処理初期時の圧力が0.0001MPa以上0.003MPa以下であり、加圧により上昇させた圧力が0.003MPa以上0.05MPa以下であることを特徴とする請求項記載の手袋の製造方法。
  5. 気体注入手段により手袋インサートに気体を注入し、手袋インサートを膨らませて、手袋外装材と手袋インサートを密着した後に、手袋インサートに注入した気体の流出を制御するための気体遮断手段により手袋インサートの気体を遮断し、手袋外装材と手袋インサートを保持する手袋保持部材を前記気体注入手段から分離し、前記手袋保持部材を加熱炉に移すことを特徴とする請求項記載の手袋の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の方法を実施するための手袋の製造装置であって、手袋外装材の内側に手袋インサートを挿入した状態の手袋部材を保持する手袋保持部材と、手袋インサートに気体を注入する気体注入手段とを備えることを特徴とする手袋の製造装置。
  7. 前記手袋保持部材が内部中空の通路を有するものであり、この手袋保持部材に前記気体注入手段が接続されていることを特徴とする請求項記載の手袋の製造装置。
  8. 前記手袋保持部材に、気体の流出を制御するための気体遮断手段を備えることを特徴とする請求項又は記載の手袋の製造装置。
  9. 前記手袋保持部材に、手袋インサートに注入された気体の圧力を一定値以上に上昇することを防ぐための圧力調整手段が接続されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の手袋の製造装置。
  10. 前記手袋保持部材がターンテーブルに着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の手袋の製造装置。
  11. 前記ターンテーブルの所定位置に加熱炉が配置されて、前記ターンテーブルが回転すると、前記手袋保持部材が加熱炉に入り、所定時間加熱処理されて取り入れ取り出し口に前記手袋保持部材が戻されることを特徴とする請求項10記載の手袋の製造装置。
  12. 前記手袋保持部材を前記気体注入手段と連結する連結部材を有し、前記連結部材が弁機構を有することを特徴とする請求項ないし11のいずれか1項記載の手袋の製造装置。
  13. 請求項1ないしのいずれか1項記載の製造方法で製造された手袋。
  14. 請求項ないし12のいずれか1項記載の製造装置を用いて製造された手袋。
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