JP5470158B2 - 光コネクタ、光コネクタの組立方法 - Google Patents
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Description
また、現場組立形光コネクタとしては、フェルール後側に延出させた内挿光ファイバの後端と該内挿光ファイバ後端に突き合わせた挿入光ファイバ先端とを半割り部材の間に挟み込んで固定するクランプ部をフェルール後端に設けたものも知られている(例えば特許文献1)。この光コネクタの場合は、前記クランプ部とハウジング後端の引留部との間に挿入光ファイバの撓みを形成し、この撓みによって内挿光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ力を確保する。
第1の発明は、内挿光ファイバを内挿固定したフェルールと、前記内挿光ファイバを前側から挿入し、且つ挿入光ファイバを後側から挿入可能な貫通孔を有する位置決め部材とを具備し、前記フェルールと前記位置決め部材との間に、前記内挿ファイバの撓みを許容する空間を確保し、前記挿入光ファイバを後側から前記貫通孔に挿入して前記内挿光ファイバに位置決めして突き合わせ、さらに前記内挿光ファイバを押圧して前進させることで、前記内挿光ファイバを前記空間で撓ませることが可能である光コネクタを提供する。
第2の発明は、前記挿入光ファイバおよび前記位置決め部材のうちの少なくとも一方に、前記挿入光ファイバを前記位置決め部材に対して引き留め可能な引留構造を設ける第1の発明の光コネクタを提供する。
第3の発明は、前記フェルールの後端に、前記内挿ファイバを挿通するとともに、前記空間を確保した筒状部材を設け、前記筒状部材に、前記位置決め部材を固定する第1又は2の発明の光コネクタを提供する。
第4の発明は、前記位置決め部材の後側に、前記挿入光ファイバを収納するファイバ収納孔を有するストレータをさらに設け、前記挿入光ファイバを、前記ストレータのファイバ収納孔を介して前記位置決め部材の貫通孔に挿入する第1〜3のいずれか一つの発明の光コネクタを提供する。
第5発明は、前記挿入光ファイバは、光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線の先端に口出しされた裸光ファイバであり、前記ストレータの前記ファイバ収納孔に、前記光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線の被覆部を収納する第4の発明の光コネクタを提供する。
第6の発明は、前記位置決め部材と前記ストレータを一体化した第4又は5の発明の光コネクタを提供する。
第7の発明は、前記挿入光ファイバは、光伝送体から口出しした裸光ファイバであり、前記引留構造として、前記挿入光ファイバを含む前記光伝送体に、引留用取付部材を設ける第2の発明の光コネクタを提供する。
第8の発明は、少なくとも前記フェルールを収容するハウジングをさらに具備し、前記ハウジングは、前記フェルールと突き合わせ接続される光コネクタが内挿、嵌合されるコネクタ嵌合筒部を具備する第1〜7のいずれか一つの発明の光コネクタを提供する。
第9の発明は、内挿光ファイバを内挿固定したフェルールと、前記内挿光ファイバを前側から挿入し、且つ挿入光ファイバを後側から挿入可能な貫通孔を有する位置決め部材とを具備する光コネクタの組立方法であって、前記挿入光ファイバを後側から前記貫通孔に挿入して前記内挿光ファイバに位置決めして突き合わせ、さらに前記内挿光ファイバを押圧して前進させることで、前記内挿光ファイバを前記フェルールと前記位置決め部材の間に確保された空間で撓ませるステップを含む光コネクタの組立方法を提供する。
第10の発明は、前記挿入光ファイバおよび前記位置決め部材のうちの少なくとも一方に設けた引留構造を用いて、前記挿入光ファイバを前記位置決め部材に対して引き留めるステップをさらに含む第9の発明の光コネクタの組立方法を提供する。
第11の発明は、前記位置決め部材の後側に、ファイバ収納孔を有するストレータをさらに設け、前記挿入光ファイバを、前記ストレータのファイバ収納孔を介して前記位置決め部材の貫通孔に挿入するステップを含む第9又は10の発明の光コネクタの組立方法を提供する。
第12の発明は、内挿光ファイバを内挿固定したフェルールの後側に、前記内挿光ファイバを前側から挿入し、且つ挿入光ファイバを後側から挿入可能な貫通孔を有する位置決め部材を設け、前記挿入光ファイバを後側から前記貫通孔に挿入して前記内挿光ファイバに位置決めして突き合わせ、さらに前記内挿光ファイバを押圧して前進させることで、前記内挿光ファイバを前記フェルールと前記位置決め部材の間に確保された空間で撓ませる光ファイバの突き合わせ接続方法を提供する。
また、本発明によれば、位置決め部材の貫通孔に内挿された内挿光ファイバの後端を、該内挿光ファイバ後端に突き当てた挿入光ファイバによって前側(フェルール側)に押し動かす(前進させる)ことで、前記フェルールと前記位置決め部材との間の空間にて前記内挿光ファイバに撓み部を形成できる。本発明によれば、撓み部の弾性、すなわち内挿光ファイバがその剛性により直線状に復元しようとする復元力によって、内挿光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ力を確保できる。つまり、本発明は、内挿光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ接続部(接続点)における突き合わせ力を内挿光ファイバの撓み部の弾性によって確保する構成である。この構成であれば、従来構成のように挿入光ファイバの撓みによって突き合わせ力を確保する構成に比べて、挿入光ファイバの被覆材質や被覆径等のパラメータが突き合わせ力に与える影響を大幅に低減できる。このため、内挿光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ接続部(接続点)における突き合わせ力の安定化を図ることができ、所期の突き合わせ力を容易に確保できる。
図1は本発明に係る1実施形態の光コネクタ1の構成を説明する断面図である。
なお、図1において、光コネクタ1について左側を前、右側を後として説明する。
前記位置決め部材4は、フェルール2に設けられて該フェルール2から後側に延出された後側延出片6に固定して、フェルール2から後側に離隔した位置に設けられている。前記内挿光ファイバ3の後端部は、位置決め部材4の前記ファイバ位置決め孔4aに該ファイバ位置決め孔4aの軸線方向に移動可能に内挿されている。
このフランジ部品5は、金属あるいはセラミックス等の硬質の材料によって一体成形された1部品になっている。前記フランジ部5bはフェルール2のフランジ部として機能する。
さらに、本発明に係る後側延出片としては、フェルール後端部に固定されフェルールから後側に延出され、フェルール後側に位置決め部材4を支持可能な構成であれば良く、フランジ部品5の一部である構成に限定されず、フェルールのフランジとして機能する部材とは別体の部材であっても良い。
この光コネクタ1は、ハウジング6に挿入した挿入光ファイバ7と内挿光ファイバ3とをハウジング6内にて突き合わせ接続(光接続)することで、挿入光ファイバ7先端部に取り付けることができる現場組立(現場付け)光コネクタである。
これにより、内挿光ファイバ3の前記ファイバ撓み部収納部8に引き通された部分に前記撓み部3wを形成できる(挿光ファイバをファイバ撓み部収納部8内で撓ませるステップ)。
前記挿入光ファイバ7の光コネクタ1への引き留めは、例えば位置決め部材4、後側延出片6といった、フェルール2の後側に位置しフェルール2に対して固定されている部材(以下、後側固定部材とも言う)に移動規制手段を用いて取り付けることで行える。
なお、後述の他の実施形態における後側延出片や該後側延出片に固定された部材(後述のストレータ等)も後側固定部材に該当する構成である。
移動規制手段としては、例えば光硬化型接着剤等の短時間で硬化でき後側固定部材に対する挿入光ファイバ7の接着固定を実現できる接着剤であっても良いが、これに限定されない。移動規制手段としては、例えば板ばね等の弾性部材の弾性を利用して挿入光ファイバを挟み込んで後側固定部材に固定するメカニカルスプライスや、挿入光ファイバを挿通した部材外側に螺着されたナット部材のねじ込みによって前記挿入光ファイバをその周囲から締め付け固定するチャック機構等、機械的に固定する構成のものも採用可能である。
ここで、位置決め部材4のファイバ位置決め孔4aに対する内挿光ファイバ3後端部の初期挿入長は、より詳しくは、ファイバ位置決め孔4aのうち内挿光ファイバ3と挿入光ファイバ7とを互いに突き合わせ接続可能に高精度に位置決め、調心する調心孔部として機能する部分に内挿光ファイバ3後端部を挿入した長さを指す。
このことは、本発明に係る他の実施形態についても同様である。
まず、図2、図3に示す光コネクタ10について説明する。
なお、図2、図3において、光コネクタ10について左側を前、右側を後として説明する。また、図4の光コネクタ10A、図5(a)、(b)の引留部付きコネクタ本体、図6、図7の光コネクタ、図9(a)、(b)に示す引留部付きコネクタ本体についても左側を前、右側を後として説明する。
図2、図3に示すように、この光コネクタ10は、引留部付きコネクタ本体20の前記フェルール21が設けられている前端部(コネクタ本体11の前端部)をスリーブ状のハウジング30に収納した構成になっている。
前記後側延出片22cは、具体的には、フェルール21に外挿固定された概略筒状のフランジ部品22の前記フェルール21から後側に延出されたスリーブ状部分である。この後側延出片22cを、以下、後側スリーブ部22cとも言う。
前記ストレータ25は前記位置決め部材24の後側(フェルール21とは反対の側)に配置されている。このストレータ25には、前記光ファイバケーブル50端末に口出しされた光ファイバ51を挿入可能なファイバ収納孔25aが貫設されている。
前記位置決め部材24は、前記フェルール21から後側へ延出された内挿光ファイバ23の後端が内挿されたファイバ位置決め孔24aを有する。前記ファイバ位置決め孔24aは前記位置決め部材24に貫設されている。
前記位置決め部材24のファイバ位置決め孔24aは、前記挿入光ファイバ51と前記内挿光ファイバ23とを突き合わせ接続可能に位置決めする機能を果たす。
前記引留部29は、コネクタ本体11(詳細にはフランジ部品22)の後側スリーブ部22cのハウジング30から後側に突出された後端部に組み付けられてコネクタ本体11から後側に突出された突片等によって構成されている。そして、この引留部29は、光ファイバケーブル50端末に固定した引留用取付部材54を係合、嵌合、固定等によって取り付けることで、光ファイバケーブル50のコネクタ本体11から後方への移動を規制してコネクタ本体11に引き留めるためのものである。
図示例の光ファイバケーブル50は、光ファイバ51として単心の光ファイバ心線又は光ファイバ素線を1本のみ内蔵する構成となっている。
また、内挿光ファイバ23は、フェルール21に内挿固定されている部分の先端(前端)が、フェルール21の前端面21bに揃えられている。フェルール21の前端面21bの研磨は、フェルール21に内挿固定済みの内挿光ファイバ23の先端面についても一括して行われるものである。内挿光ファイバ23の先端面はフェルール21の前端面21bと連続する研磨面を形成している。
前記フランジ部22bはフェルール21のフランジ部として機能する。
また、このフランジ部品22としては、例えば金属製の一体成形品等を好適に用いることができる。
図示例の光コネクタ10において、前記位置決め部材24は具体的にはキャピラリ状の部材である。そして、この位置決め部材24は、後側スリーブ部22cの内周面によって、前記ファイバ位置決め孔24aの軸線が後側スリーブ部22cの軸線と一致するように位置決めされている。
また、内挿光ファイバ23と挿入光ファイバ51の裸光ファイバ51aとは互いの外径が同じ(例えば125μm)のものを用いる。
なお、本明細書では、光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線である挿入光ファイバ51の裸光ファイバも挿入光ファイバとして扱う。
さらに図5(a)、(b)に示すように、本発明に係るコネクタ本体、引留部付きコネクタ本体としては、位置決め部材とストレータとを一体化した一部品からなるストレータ付き位置決め部材40A、40Bを後側スリーブ部22c内に固定した構成も採用可能である。図5(a)、(b)に例示したストレータ付き位置決め部材40A、40Bについては後で説明する。
このストレータ25は、前記ファイバ収納孔25aに挿入された挿入光ファイバ51の曲げを防止して、前記挿入光ファイバ51がファイバ収納孔25aの軸線に沿って真っ直ぐに延在する状態を保つ機能を果たす。
この光コネクタ10としては、引留部付きコネクタ本体20の前端部(フェルール21のフランジ部22bを含む)を、スリーブ状のハウジング30内にその軸線方向に移動可能に収納した構成を採用できる。このような光コネクタ10としては、引留部付きコネクタ本体20をハウジング30に対してコネクタ前側方向に弾性付勢するためのコイルスプリングを前記ハウジング30内に収納した構成を好適に採用できる。但し、本発明に係る光コネクタとしては、引留部付きコネクタ本体の前端部(フェルールのフランジ部を含む)をハウジングに対して固定状態として組み込んだ構成も採用可能である。
前記引留用取付部材54及び引留部29は、いずれも、引留部付きコネクタ本体20に対して光ファイバケーブル50を引き留める引留構造として機能するものである。
図10に例示した引留部29は、コネクタ本体11(図示例においては具体的には後側スリーブ部22c)後端から後側へ延出するケーブル端末載せ板291と、後側スリーブ部22c後端部に枢着された引き留める回転係止具292とによって構成されている。回転係止具292は、前記引留用取付部材54の後側に係合させることで引留用取付部材54をコネクタ本体11に対して引き留めることができる。この図10の引留部29に図中符号29Aを付記する。
この回転係止具292は、後側スリーブ部22cに対する回転によってケーブル端末載せ板291に対して開閉できる。この引留部29Aは、回転係止具292をケーブル端末載せ板291から離隔させる(開状態とする)ことで、挿入光ファイバ51をコネクタ後側からストレータ25のファイバ収納孔25aに挿入する作業の障害にならず、挿入可能を可能にする。また、回転係止具292を開状態とすれば、引留用取付部材54が固定された光ファイバケーブル50端末をケーブル端末載せ板291上に載せることができる。
前記係止片292bは、その係止具本体292aからの突出先端から係止具本体292a側に向かって切り込む切り欠き状に、光ファイバケーブル50を収納可能なケーブル収納用切欠部292cが形成された門形になっている。係止片292bは、ケーブル収納用切欠部292c内に光ファイバケーブル50を収納することで前記引留用取付部材54の後側に係合させることができる。
この光コネクタ10は、内挿光ファイバ23後端を該内挿光ファイバ23後端に突き当てた挿入光ファイバ51によってフェルール21側に移動(前進)させて前記内挿光ファイバ23に撓み部23wを形成することで、前記撓み部23wの弾性によって、内挿光ファイバ23に挿入光ファイバ51を突き合わせた突き合わせ接続部に突き合わせ力を与えることができる。
この光コネクタ10においては、光ファイバ23、51同士の突き合わせ接続部に与える突き合わせ力は、内挿光ファイバ23に形成する撓み部23wの大きさに依存する。このため、この光コネクタ10にあっては、光ファイバケーブル50端末に光コネクタ10を取り付ける作業において、内挿光ファイバ23に形成する撓み部23wの大きさに応じて、挿入光ファイバ51の口出し長を調整することで、所望の大きさ(強さ)の突き合わせ力を容易に得ることができる。
この位置決め部材28のファイバ位置決め孔28aは、位置決め部材28を貫通する貫通孔である。
位置決め部材28のファイバ位置決め孔28aは、挿入光ファイバ51先端の裸光ファイバ51aとを突き合わせ接続可能に高精度に位置決めする調心孔部28bを有している。また、このファイバ位置決め孔28aは、前記調心孔部28bの前側に該調心孔部28bよりも若干径大に形成され、内挿光ファイバ23Aの被覆部後端部を収納可能な被覆部収納孔部28cを有している。前記内挿光ファイバ23Aは、前記後側口出し部23a2を調心孔部28bに挿入し、前記被覆部後端部を被覆部収納孔部28cに挿入して、ファイバ位置決め孔28aにその軸線方向に移動可能に内挿されている。
なお、被覆部収納孔部28c、テーパ状開口部28dは調心孔部28bの同軸上に延在形成されている。被覆部収納孔部28cの後端部は先細りのテーパ状に形成されている。
この光コネクタ10Aは、内挿光ファイバ23Aに撓み部23waを形成したときにも、内挿光ファイバ23Aのフェルール27と位置決め部材28との間に延在する部分の全長が被覆部である状態が維持される。このため、この光コネクタ10Aは、内挿光ファイバ23Aに撓み部23waが形成されても、フェルール27の後端付近や位置決め部材28の前端付近にて、内挿光ファイバ23Aに局所的な曲げ応力の集中が生じにくい。その結果、この光コネクタ10Aは、長期にわたって内挿光ファイバ23Aの光特性を安定に維持でき、長期信頼性を高めることができる。
内挿光ファイバ23A、フェルール27、位置決め部材28は、本発明に係る他の実施形態にも適用可能である。
図5(a)、(b)に示すように、本発明に係る光コネクタに用いる引留部付きコネクタ本体としては、前記位置決め部材に前記ストレータとして機能するストレータ部が一体化されたストレータ付き位置決め部材40A、40Bを具備する構成も採用可能である。
ファイバ位置決め部41の前記ファイバ位置決め孔41aは、裸光ファイバである内挿光ファイバ23と挿入光ファイバ51(詳細にはその先端に口出しされた裸光ファイバ51a)とを突き合わせ接続可能に位置決めするための調心孔(調心孔部)である。
前記ストレータ部42は、前記挿入光ファイバ51の被覆部を収納するために、前記ファイバ位置決め部41の前記ファイバ位置決め孔41aよりも径大に形成されたファイバ収納孔42aが貫設された構成となっている。
そして、このストレータ付き位置決め部材40Aは、前記後側スリーブ部22c内にて前記フェルール21から後側に離隔した位置に固定されている。
前記内挿光ファイバ23は、前記後側スリーブ部22c内にて前記フェルール21とストレータ付き位置決め部材40Aとの間に確保された空間であるファイバ撓み部収納部26aに引き通されている。
前記ファイバ収納孔42aは、該ファイバ収納孔42aからファイバ位置決め部41の前記ファイバ位置決め孔41aへの前記挿入光ファイバ51の挿入を円滑にするために、その前端部が先細りのテーパ状に形成されたテーパ孔部42bとされている。一方、ファイバ収納孔42aの後端部は、末広がりのテーパ状に形成されたテーパ状開口部42cとされ、前記ストレータ付き位置決め部材40A後側から該ファイバ収納孔42aへの挿入光ファイバ51の挿入を円滑に行える。このファイバ収納孔42aの前記テーパ孔部42bと前記テーパ状開口部42cの間の主孔部42dは、挿入光ファイバ51の被覆部を収納してその曲げを防ぐために、挿入光ファイバ51の外径と略一致する内径(挿入光ファイバ51外径と同じ又は僅かに大きい内径)で真っ直ぐに延在する細孔となっている。
図5(b)に示すように、前記ファイバ位置決め部43には、前記ストレータ部42のファイバ収納孔42aから前側に延在するファイバ位置決め孔43aが貫設されている。このファイバ位置決め孔43aは、前記ストレータ部42のファイバ収納孔42aから前側に延在する調心孔部43bと、この調心孔部43bから前側に延在しストレータ付き位置決め部材40B前端に開口する被覆部収納孔部43cとからなる構成となっている。また、図示例のストレータ付き位置決め部材40Bのファイバ位置決め部43のファイバ位置決め孔43aの調心孔部43b及び被覆部収納孔部43cは、ストレータ部42のファイバ収納孔42aと同軸上に形成されている、
そして、このストレータ付き位置決め部材40Bは、前記後側スリーブ部22c内にて前記フェルール21から後側に離隔した位置に固定されている。
内挿光ファイバ23Aの後端部は、前記裸光ファイバ23aの後側口出し部23a2を、ストレータ付き位置決め部材40Bのファイバ位置決め部43の調心孔部43bに挿入し、被覆部の後端部を前記ファイバ位置決め部43の被覆部収納孔部43cに挿入して、ファイバ位置決め孔43aにその軸線方向に移動可能に内挿されている。
前記内挿光ファイバ23Aは、前記後側スリーブ部22c内にて前記フェルール27とストレータ付き位置決め部材40Bとの間に確保された空間であるファイバ撓み部収納部26bに引き通されている。
ストレータ付き位置決め部材は、本発明に係る他の実施形態にも適用可能である。
図6に示す光コネクタ10Bは、ハウジングとして、図2の光コネクタ10のハウジング30の前側に、前記フェルール21と突き合わせ接続される光コネクタ60が内挿、嵌合されるコネクタ嵌合筒部36を具備する構成の嵌合筒部付きハウジング30A(ハウジング)を用いた光コネクタレセプタクルである。
前記光コネクタ60は、光ファイバ(図示略)先端に固定されたフェルール61をスリーブ状のハウジング62に収納した構成の光コネクタプラグである。この光コネクタ60は、前記嵌合筒部付きハウジング30Aのコネクタ嵌合筒部36に挿脱可能に嵌合することで、フェルール61の前記光コネクタ10Bのフェルール21に対する突き合わせ状態が維持され、光コネクタ10B側の光ファイバケーブル50と光コネクタ60側の光ファイバとの光接続状態が保たれる。
また、光コネクタ60は、コネクタ嵌合筒部36に対して挿脱可能である。
この光コネクタ60としては、例えばハウジング62外側に、ハウジング30Aに対するスライドロック機構を構成するつまみ(図示略)が、前記ハウジング62の軸線方向に移動可能に設けられた構成のものを採用可能である。この場合、コネクタ嵌合筒部36に挿入、嵌合された光コネクタ60のつまみのコネクタ後側(フェルール61から後側。図6において左側)への引っ張り操作により、コネクタ嵌合筒部36内の弾性係合爪と光コネクタ60(詳細にはハウジング62)との係合を解除でき、コネクタ嵌合筒部36からの光コネクタ60の抜き去りが可能となる。
また、光コネクタ60としては前記つまみを有していない構成のものも採用可能である。このタイプの光コネクタ60としては、例えばコネクタ嵌合筒部36内周面と該コネクタ嵌合筒部36に内挿嵌合された光コネクタ60のハウジング62外周面との間の隙間に挿入可能な係合解除用工具によって、コネクタ嵌合筒部36内の弾性係合爪のハウジング62に対する係合を解除可能とされた構成のものを挙げることができる。
本発明は、例えば図3に例示した光コネクタ10Aのハウジング30を図6に例示した前記嵌合筒部付きハウジング30Aに変更した構成の光コネクタレセプタクルも含む。また、前記嵌合筒部付きハウジング30Aに収納する引留部付きコネクタ本体としては、本発明の実施形態の光コネクタに適用し得るものであれば特に限定は無く、例えば図5(a)、(b)に例示した構成のもの等も採用可能であることは言うまでも無い。
なお、図9(a)の板状片81は、フェルール21の軸線方向を長手方向とする細長片となっている。
図9(a)のフランジ部品に符号22A、図9(b)のフランジ部品に符号22Bを付記する。図9(a)、(b)は、フランジ部品22A、22Bを用いた構成した引留部付きコネクタ本体の例を示すものである。引留部付きコネクタ本体の構成のうち、フランジ部品22A、22B以外のフェルール、位置決め部材、ストレータ、内挿光ファイバ、挿入光ファイバについては、本発明に係る実施形態のものを採用でき、図示例のものに限定されるものでは無い。
但し、この場合、引留部付きコネクタ本体としては、前記被覆付き光ファイバ70を把持固定等によって引き留め可能な構成の引留部29Bを具備するものを採用する。この引留部29Bとしては、例えば、ねじの締め付け力やばねの弾性等によって一対のファイバ把持部材の間に被覆付き光ファイバ70を挟み込むメカニカルスプライス等のクランプ機構を採用できる。
なお、図7に例示した光コネクタの引留部付きコネクタ本体のコネクタ本体としては、本発明の実施形態の光コネクタに適用し得るものであれば特に限定は無く、例えば図5(a)、(b)に例示した引留部付きコネクタ本体のコネクタ本体と同様にストレータ付き位置決め部材が設けられた構成のものも採用可能であることは言うまでも無い。
また、本発明に係る引留部付きコネクタ本体は、その後側延出片とは別体の位置決め部材、ストレータを後側延出片に固定した構成に限定されず、位置決め部材及び/又はストレータが後側延出片を構成する部材の一部となっている構成も含む。このことは既述のストレータ付き位置決め部材についても同様である。
10、10A、10B…光コネクタ、11…コネクタ本体、20、20A、20B、20C…引留部付きコネクタ本体、21…フェルール、22…フランジ部品、22c…後側延出片(後側スリーブ部)、23、23A…内挿光ファイバ、23w、23wa…撓み部、24…位置決め部材、24a…貫通孔(ファイバ位置決め孔)、25…ストレータ、25a…ファイバ収納孔、26、26a、26b…空間(ファイバ撓み部収納部)、27…フェルール、27a…ファイバ孔、28…位置決め部材、28a…貫通孔(ファイバ位置決め孔)、29、29A、29B…ファイバ移動規制手段、引留手段(引留部)、
30、30A、30B…ハウジング、36…コネクタ嵌合筒部、
40A、40B…ストレータ付き位置決め部材、41…位置決め部材(ファイバ位置決め部)、41a…貫通孔(ファイバ位置決め孔)、42…ストレータ(ストレータ部)、42a…ファイバ収納孔、43…位置決め部材(ファイバ位置決め部)、43a…貫通孔(ファイバ位置決め孔)、
50…光ファイバケーブル、51…光ファイバ、51a…裸光ファイバ、52…抗張力体、53…被覆材、54…引留用取付部材、
60…光コネクタ、70…挿入光ファイバ(被覆付き光ファイバ)、
81…後側延出片(板状片)、82…後側延出片(細長片)。
Claims (8)
- 内挿光ファイバを内挿固定したフェルールと、前記内挿光ファイバを前側から挿入し且つ挿入光ファイバを後側から挿入して内部で突き合わせ接続可能な貫通孔を有する位置決め部材とを具備し、
前記フェルールと前記位置決め部材との間に、前記内挿光ファイバの撓みを許容する空間を確保し、
前記挿入光ファイバを後側から前記貫通孔に挿入して前記内挿光ファイバに位置決めして突き合わせ、さらに前記内挿光ファイバを押圧して前進させることで、前記内挿光ファイバを前記空間で前記挿入光ファイバよりも大きく撓ませることが可能であり、
前記挿入光ファイバおよび前記位置決め部材のうちの少なくとも一方に、前記挿入光ファイバを前記位置決め部材に対して引き留め可能な引留構造を設け、
前記フェルールの後端に、前記内挿光ファイバを挿通するとともに前記空間を確保して前記位置決め部材を固定した部材を設けた
光コネクタ。 - 前記位置決め部材の後側に、前記挿入光ファイバを収納するファイバ収納孔を有するストレータをさらに設け、
前記挿入光ファイバを、前記ストレータのファイバ収納孔を介して前記位置決め部材の貫通孔に挿入する
請求項1に記載の光コネクタ。 - 前記挿入光ファイバは、光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線の先端に口出しされた裸光ファイバであり、
前記ストレータの前記ファイバ収納孔に、前記光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線の被覆部を収納する
請求項2記載の光コネクタ。 - 前記位置決め部材と前記ストレータを一体化した
請求項2又は3記載の光コネクタ。 - 前記挿入光ファイバは、光伝送体から口出しした裸光ファイバであり、
前記引留構造として、前記挿入光ファイバを含む前記光伝送体に、引留用取付部材を設ける
請求項1記載の光コネクタ。 - 少なくとも前記フェルールを収容するハウジングをさらに具備し、
前記ハウジングは、前記フェルールと突き合わせ接続される光コネクタが内挿、嵌合されるコネクタ嵌合筒部を具備する
請求項1〜5のいずれか一項に記載の光コネクタ。 - 内挿光ファイバを内挿固定したフェルールと、前記内挿光ファイバを前側から挿入し且つ挿入光ファイバを後側から挿入して内部で突き合わせ可能な貫通孔を有する位置決め部材と、前記フェルールの後端に設けられ、前記内挿光ファイバを挿通するとともに空間を確保して前記位置決め部材を固定した部材とを具備する光コネクタの組立方法であって、
前記挿入光ファイバを後側から前記貫通孔に挿入して前記内挿光ファイバに位置決めして突き合わせ、さらに前記内挿光ファイバを押圧して前進させることで、前記内挿光ファイバを前記フェルールと前記位置決め部材の間に確保された前記空間で前記挿入光ファイバよりも大きく撓ませるステップと、
前記挿入光ファイバおよび前記位置決め部材のうちの少なくとも一方に設けた引留構造を用いて、前記挿入光ファイバを前記位置決め部材に対して引き留めるステップとを含む光コネクタの組立方法。 - 前記位置決め部材の後側に、ファイバ収納孔を有するストレータをさらに設け、
前記挿入光ファイバを、前記ストレータのファイバ収納孔を介して前記位置決め部材の貫通孔に挿入するステップを含む
請求項7記載の光コネクタの組立方法。
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