JP2006227575A - 光コネクタ用工具、工具付き光コネクタ - Google Patents

光コネクタ用工具、工具付き光コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバ先端への光コネクタの組み立てを、簡単かつ低コスト化で実現できるようにする。
【解決手段】 光コネクタ3には、半割りの一対の素子の間に光ファイバを保持するクランプ部がある。本発明の光コネクタ用工具2は、光コネクタ3のクランプ部の素子間に割り込ませて素子を開放しておく介挿部材21と、左右から側圧によって上下寸法が増大するように変形させることで、上下の一方である第1可動端部241が介挿部材21と係合して上下の他方に配置された光コネクタ3の素子間から介挿部材を引き抜く介挿部材駆動部23とを具備する。介挿部材駆動部は、複数の介挿部材の引き抜きを、光コネクタにおける光ファイバ同士の接続点から近い側から順次実現する。また、本発明では、光コネクタ用工具2を光コネクタ3に取り付けた工具付き光コネクタ1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対をクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持する機構を具備する光コネクタに適用される光コネクタ用工具、工具付き光コネクタに関する。
近年、光ファイバ先端への組立作業を、工場以外の接続現場にて行うことができる光コネクタの一例として、予め光ファイバを内装固定して先端面に研磨を施したフェルールと、このフェルールの後部(先端面と対向する位置)に配置したクランプ部とを具備したものがある。この光コネクタでは、クランプ部においてフェルール側の光ファイバと、この光ファイバに突き当てた別の接続用の光ファイバとを、該クランプ部の半割りの素子にクランプすることで突き合わせ接続状態を維持し、短時間で光コネクタの組立を行うことができる。ここで、クランプ部はサイズが小さいため、素子の開閉操作を行う専用の工具(光コネクタ組立工具)が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2002−23006号公報 特開2002−55259号公報
しかしながら、上述した構造の光コネクタ組立工具では、光コネクタのクランプ部の操作を実現するために、サイズの小さい素子の間に、高精度に加工された楔を正確に挿脱できるように、精密に構成される必要があり、低コスト化が困難であるといった問題があった。また、上述のクランプ部では、素子にクランプ力を付与するバネのクランプ力によって、素子に対する楔の挿入、離脱(引き抜き)のいずれにも、比較的強い力を必要とする。前述の光コネクタ組立工具は、素子に対する楔の挿脱のために、使用者の手指によるレバー操作力を増力する増力機構(例えば、梃子を利用した増力機構等)を有しているが、従来、この増力機構は大掛かりなものしかなかった。これが、工具の大型化、コスト上昇の原因になっていた。また、小型化、低コスト化を実現できる具体的な提案も存在しない。サイズに関しては、前述の光コネクタ組立工具は、例えば装置筐体内などの狭隘な作業空間に挿入できないといったケースも生じていた。また、装置筐体の外に設置した光コネクタ組立工具にて、光ファイバ先端へのコネクタ付けを行う場合には、装置筐体から光ファイバを引き出すための引き出し余長が確保される必要があるといった不満があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ先端への光コネクタの組立作業を低コストで簡単に実現できる光コネクタ用工具、工具付き光コネクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1記載の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタ用の工具であって、前記クランプ部の前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記別の光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材と、前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部と、この介挿部材駆動部の周方向の一部に設けられ、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部とを有し、前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において該介挿部材駆動部の内部空間を介して前記ストッパ部とは反対の側に位置する第1可動端部に取り付けられた基端部と、前記介挿部材駆動部において前記内部空間を介して前記第1可動端部とは反対の側に位置する第2可動端部に形成された介挿部材用窓から前記介挿部材駆動部の外側に突出する先端に設けられ、前記素子間に挿入される先端部とを有していて、前記介挿部材駆動部の軸方向に沿って複数配列されており、前記介挿部材駆動部は、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記第1可動端部に設けられている引き抜き用係合部が前記介挿部材の係合受け部に前記第2可動端部側から係合し、介挿部材の前記介挿部材用窓から該介挿部材駆動部の外側への突出寸法を減少せしめるようになっており、介挿部材駆動部と介挿部材とが、引き抜き用係合部と係合受け部との係合タイミングの違いによって、素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点からの距離が最も近い介挿部材から、順次、前記接続点から遠い介挿部材を、介挿部材駆動部の外側への突出寸法を減少するように第2可動端部に対して相対的に移動させる、時差抜去機構を構成していることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光コネクタ用工具において、前記第1可動端部には、前記介挿部材の基端部を、第2可動端部の前記介挿部材用窓と第1可動端部とを通って介挿部材駆動部を横切るように延在する介挿部材移動直線に沿った方向の移動を許容して収納する基端部収納穴が形成されている基端部収納部と、介挿部材の前記基端部に設けられている前記係合受け部と係合される前記引き抜き用係合部と、前記介挿部材に形成されたストッパ当接部が当接されることで前記介挿部材の前記第1可動端部への押し込み方向の移動を規制する押し込みストッパ部が設けられ、素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点からの距離が遠い介挿部材ほど、前記ストッパ当接部が前記押し込みストッパ部に当接された状態における係合受け部の位置が、引き抜き用係合部との係合位置から遠いことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光コネクタ用工具において、前記係合受け部が前記介挿部材の基端部の側部に突設された突起であり、前記引き抜き用係合部が前記基端部収納穴内に突設された突部であり、素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点からの距離が遠い介挿部材ほど、前記介挿部材の前記ストッパ当接部が前記押し込みストッパ部に当接された状態において、係合受け部と引き抜き用係合部との間に確保したクリアランスが大きいことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、両側からの側圧による介挿部材駆動部の変形で移動された前記介挿部材が予め設定した位置に達したことを検知して検知信号を発する移動検知機構を具備することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の光コネクタ用工具において、前記移動検知機構が、前記介挿部材の側部に突設されている接触突部と、前記ストッパ部あるいは前記第2可動端部に突設され前記接触突部に接触される接触片とで構成され、前記接触突部及び/又は前記接触片が、前記介挿部材の移動によって、互いに接触して弾性変形された後、前記接触が解除された際に、前記検知信号として音を発する弾性片であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の光コネクタ用工具において、前記検知信号が、前記介挿部材前記光コネクタのクランプ部の素子間に挿入されている前記介挿部材が前記素子間から引き抜かれる位置に到達した際に、発せられるようになっていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記光コネクタが、フェルールと、このフェルールの突き合わせ接続用の先端面とは反対側の後端側に組み立てられた前記クランプ部とを具備し、前記クランプ部が、前記フェルールに内装固定された光ファイバと該光ファイバに対して突き合わせ接続された別の光ファイバとを半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するものであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記クランプ部の半割りの素子は、半割りの一方であるベース側素子(31c)と、半割りの他方を構成し前記ベース側素子との間に光ファイバを挟み込む複数の蓋側素子とで構成されており、前記クランプ部の軸方向に沿って配列された複数の蓋側素子に対応させるように、各介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置がずられていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記介挿部材駆動部は、2つの連結プレートをヒンジ部で連結した構成の一対の連結壁部によって、前記ストッパ部と前記第1可動端部との間を連結した構成であり、介挿部材を介して両側の連結壁部が介挿部材を介して対称形をなしていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記ストッパ部が、前記光コネクタを収容する溝状の収容凹所と、この収容凹所内に突設され、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁とを具備するコネクタホルダ部であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記ストッパ部には、前記光コネクタを前記ストッパ部に保持するためのリテーナを介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部が設けられていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の光コネクタ用工具において、前記介挿部材と前記駆動部とは互いに異なる材質からなることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の光コネクタ用工具において、前記介挿部材と前記駆動部とは互いに異なる樹脂からなることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタの外側に請求項1〜13のいずれかに記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてあることを特徴とする工具付き光コネクタを提供する。
本発明では、従来の専用工具に比べて、構成が極めて単純でかつ小型化できる光コネクタ用工具を利用して組み立てた工具付き光コネクタを用いることで、従来のような専用工具を用いることなく、クランプ部における光ファイバ同士の接続を実現できる。これにより、光ファイバ先端への光コネクタの組み立てを容易に実現できる。また、光コネクタ用工具は、構造が非常に簡単で、しかも、安価で製造できることから、従来構成の専用工具を用いる場合に比べて、大幅な低コスト化を実現できる。さらに、工具付き光コネクタ(現場等で、光コネクタに光コネクタ用工具を組み付けたものを含む)は、クランプ部に光ファイバを挿入した後、介挿部材駆動部を操作してクランプ部から介挿部材を抜き出すだけで、光ファイバ先端への光コネクタの組み立てを実現できるので、従来の専用工具を用いた場合に必要となる、ホルダ部に光コネクタを嵌め込むようにして精密に位置決め支持させる作業が不要になり、組み立て作業も非常に簡単になる。
また、本発明では、介挿部材駆動部の、第1可動端部と、ストッパ部側の第2可動端部との間に位置する部分(以下、側部。リング状の介挿部材駆動部には、第1可動端部とストッパ部との間に位置する側部が、一対存在する)に、対向する両側から側圧を作用させて、介挿部材駆動部を該介挿部材駆動部の両側の側部同士を接近させるように弾性変形することで、第1可動端部と第2可動端部との間の距離が増大する。介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部に作用する側圧を、増圧(増力)しかつ前記側圧とは直交する方向の力(つまり、介挿部材を素子間から引き抜く力)に変換するトグル機構としての機能を果たすため、直接、素子間から介挿部材を引き抜く場合に比べて、軽い力で、素子間からの介挿部材の引き抜きを楽に行える。また、介挿部材駆動部は、非常に簡単な構成であるので、光コネクタ用工具、及び、工具付き光コネクタは、小型に形成することができる。
さらに、本発明によれば、介挿部材駆動部を操作することで、素子間に割り込ませた介挿部材の内、前記接続点から最も近い介挿部材から、順次、時間差を以て、前記接続点からの距離が遠い側の介挿部材を、素子間から引き抜く(時間差抜き去り)ことが可能である。これにより、光ファイバに無駄な撓みや応力等を与えることなく、クランプ部での光ファイバのクランプ固定を実現できる。この結果、クランプ部にクランプした光ファイバ自体の光学特性や、クランプ部内にて突き合わせ接続した光ファイバ間の接続損失等の光学特性の安定維持を図れ、長期信頼性も向上できる。
両側からの側圧によって介挿部材駆動部を変形させるだけで、クランプ部の素子間からの複数の介挿部材の時間差抜き去りを実現できる。両側からの側圧によって介挿部材駆動部を変形させる際に、時間差抜き去りを実現するための特別な操作を行う必要が無く、非常に単純な作業で、時間差抜き去りを実現できる利点がある。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態による工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2を示す斜視図、図2は光コネクタ用工具2を示す斜視図、図3は光コネクタ用工具2を示す正面図、図4は工具付き光コネクタ1を一部断面視して示す正面図、図5は光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21(21A、21B)と介挿部材駆動部23の基端部収納部との関係を示す側断面図、図6は光コネクタ用工具2の介挿部材21の構造を示す斜視図、図7〜図10は工具付き光コネクタ1の介挿部材駆動部23の変形操作に伴う光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜きを説明する図である。
図1〜図4に示すように、前記工具付き光コネクタ1は、光コネクタプラグである光コネクタ3の外側に光コネクタ用工具2を装着した構成のものである。
図示例の光コネクタ3は、所謂SC2形光コネクタである。ここで、SC2形光コネクタとは、SC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector。JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ(光コネクタプラグ)など)から、該SC形光コネクタのプラグフレーム33(図13、図17参照)の外側に装着されるつまみを省略したものである。なお、光コネクタ3としては、前述のSC2形光コネクタに限定されず、単心あるいは多心の各種の光コネクタプラグを採用可能である。
まず、光コネクタ3について説明する。
図13、図14は光コネクタ3の構造を示す図であり、図13は分解斜視図、図14は断面図である。図13、図14において、この光コネクタ3は、フェルール31と、このフェルール31の接合端面(符号31a。先端面)に対向する後端側に配置されたクランプ部32と、フェルール31を収納するようにしてその外側にフェルール31の軸回りの回転を規制して装着されるスリーブ状のプラグフレーム33と、プラグフレーム33の後端(図14右側)に係合して取付けられ、前記クランプ部32を収容するストップリング34と、このストップリング34内に内装されたスプリング35とを備えている。
なお、図13中、符号34a、34bは、光コネクタ用工具2の介挿部材21(図1、図5等参照)を差し込む差込口を示す。符号36は、ストップリング34の後端に装着されるブーツを示す。但し、ブーツ36は、光コネクタ3の後端側(図14右側)からクランプ部32に光ファイバ4を挿入する際に、光ファイバ4に予め通しておき、クランプ部32への光ファイバ4の挿入完了後にストップリング34に装着される。
クランプ部32は、フェルール31のフランジ部31bから光コネクタ3の後端側へ向かって延びる延出部31cに複数の部材を組み付けた構成になっている。以下、クランプ部32が組み立てられているフェルール31を、「クランプ部付きフェルール37」と称して説明する場合がある。
クランプ部付きフェルール37のクランプ部32は、スリーブ状のストップリング34の軸方向に移動自在としてストップリング34に収納されている。スプリング35は、ストップリング34の後端部に反力を取ってクランプ部32を光コネクタ3の先端側(図14左側)に押圧することで、クランプ部付きフェルール37全体を光コネクタ3先端側に付勢するものである。このスプリング35は、例えば、光コネクタ3を光コネクタアダプタ等に挿入して別の光コネクタと接続する時に、フェルール31に、接続の相手側の光コネクタとの間の突き合わせ力を与える機能を果たす。
なお、クランプ部付きフェルール37は、フェルール31のフランジ部31bが、プラグフレーム33内に突設されているストッパ部33aに当接することで、ストップリング34に対する光コネクタ3先端側へのそれ以上の移動(ストップリング34に対する相対的な移動)が規制される。
図15は、クランプ部付きフェルール37を示す斜視図、図16は、クランプ部付きフェルール37のクランプ部32を構成する2つの蓋側素子321a、321b、及び、ベース側素子(延出部31c)の、合わせ面を示す図である。
図14〜図16に示すように、クランプ部32は、フェルール31のフランジ部31bから延びる延出部31cと、この延出部31cの合わせ面324a上に配置された蓋側素子321a、321bとを、断面C形のスリーブ状のバネ322(C形バネ)の内側に収容した構造になっている。延出部31cは、クランプ部32を構成する半割りの素子の一方(以下、素子31cと称する場合もある)、二つの蓋側素子321a、321bは、クランプ部32を構成する半割りの素子の他方(素子321)を構成している。クランプ部32は、一対の半割り素子31a、321の間で、光ファイバをクランプする構造になっている。二つの蓋側素子321a、321bは、一方(素子321a)が他方(素子321b)よりもフェルール31側となるようにして、光コネクタ3の前後方向(図14左右)に配列されている。バネ322は、該バネ322の軸方向中央部に形成されたスリット322aによって2分されている。前記スリット322aは、二つの蓋側素子321a、321bの間の境界付近に位置合わせされているため、バネ322のスリット322aを介して軸方向両側の各部分は、該バネ322の弾性を二つの蓋側素子321a、321bに別個に作用させる独立したバネとして機能するようになっている。然るに、一方の蓋側素子321aと延出部31cの組、他方の蓋側素子321bと延出部31cの組は、それぞれ、独立のクランプ部としても機能し得る。
なお、バネ322の形状は、断面コ字形のものなど、各種採用可能である。
フェルール31には、光ファイバ38(ここでは裸光ファイバ。以下、フェルール側光ファイバとも言う)が内挿固定されている。このフェルール側光ファイバ38は、フェルール31後端から突出されている。このフェルール側光ファイバ38のフェルール後端から突出された部分である突出部38aは、クランプ部32の一対の素子31c、321の間に挿入されており、クランプ部32の一対の素子31c、321の一方又は両方の合わせ面(ここでは、素子31cの合わせ面324aのみ)に形成されている調心溝323に収納されて精密に位置決め調心される。
また、クランプ部32には、該クランプ部32の後端部から一対の素子31c、321の間に挿入される光ファイバ4(ここでは、一例として単心の光ファイバ心線)の先端を調心溝323に導く溝325a、325bが形成されている。前記溝325a、325bは、調心溝323よりもクランプ部32の後端側にずれた位置にて、クランプ部32の一対の素子31c、321の一方又は両方の合わせ面に形成されている。この溝325a、325bは、クランプ部32の後端部に開口する開口部325cを有し、この開口部325cから、フェルール31に向かって延在するように形成されている。
この溝325a、325bのフェルール31側の端部は、調心溝323と連通されている。図示例の光コネクタ3では、溝325a、325bは、素子31cの合わせ面324aと、素子321bの合わせ面324bの両方(図14、図16等参照)に形成されている。この溝325a、325bは、一対の素子31c、321の間で丁度対面する位置(具体的には、素子31cと素子321bの丁度対面する位置)に形成されている。
バネ322の弾性に抗してクランプ部32の一対の素子31c、321間を押し広げておき(例えば、光コネクタ用工具2の介挿部材21を素子31c、321間に挿入した状態)、光ファイバ4の裸光ファイバ4aが露出されている先端を、ストップリング34の後端部の開口部34cに挿入していくと、光ファイバ4を開口部34cから、クランプ部32の後端部に開口する開口部325c(溝325a、325bの開口部)に挿入することができる。そして、光ファイバ4は、フェルール31側への押し込みによって、クランプ部32の後端部の開口部325cから溝325a、325bに押し込まれる。さらなる押し込みによって、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aを、溝325a、325bから調心溝323に押し込んで、フェルール側光ファイバ38と突き合わせ接続することができる。フェルール側光ファイバ38は、調心溝323のフェルール31側の端部から長手方向中央部までの範囲に収納されており、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aは、調心溝323に挿入されることで、調心溝323の調心精度によって精密に位置決め調心した状態で、フェルール側光ファイバ38(詳細には突出部38aの先端)に対して突き合わせ接続させることができる。
なお、光ファイバ4は、裸光ファイバ4aの口出し長の設定によって、裸光ファイバ4aが調心溝323内でフェルール側光ファイバ38に突き当てられた際に、溝325a、325bのほぼ全長にわたって被覆部分が収納されるようにしておく。
光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aとフェルール側光ファイバ38との突き合わせ状態を保ったまま、一対の素子31c、321間の押し広げを解除すると(例えば、素子31c、321間に介挿されている介挿部材21の素子31c、321間からの引き抜き)、バネ322の弾性によって素子31c、321間が閉じられ、一対の素子31c、321間に、フェルール側光ファイバ38と光ファイバ4とがクランプ固定される。これにより、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aとフェルール側光ファイバ38との突き合わせ状態が維持される。また、光ファイバ4の被覆部分が溝325a、325b内にクランプ固定され、クランプ部32からの光ファイバ4の引き抜きが規制される。
溝325a、325bは、光ファイバ4の被覆部分を収納し、かつ、バネ322の弾性(クランプ力)によってクランプ固定するための被覆収納溝を構成する。
なお、光ファイバ38(フェルール側光ファイバ)としては、例えば石英系光ファイバが採用される。
また、光コネクタ3の後端側からクランプ部32の素子間に挿入する光ファイバ(別の光ファイバ。一例として、単心の光ファイバ心線である上述の光ファイバ4)としては、光ファイバ心線に限定されず、例えば光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。この別の光ファイバ(詳細には裸光ファイバ4a)としては、例えば石英系光ファイバが採用される。
前記調心溝は、ここではV溝(図4参照)であるが、例えば、U溝、丸溝(断面半円形の溝)等、各種構成が採用可能である。
次に、光コネクタ用工具2を図1〜図6を参照して説明する。
図1〜図6に示すように、光コネクタ用工具2は、光コネクタ3の外側に組み付けられるコネクタホルダ部22が周方向の一部に設けられたリング状の介挿部材駆動部23と、この介挿部材駆動部23に組み込まれ、介挿部材駆動部23の内側から外側に突出された部分に、前記光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿される先端部21aを有する介挿部材21とを具備して構成されている。
前記介挿部材21の前記先端部21aとは反対の側の端部である基端部21bは、介挿部材駆動部23において該介挿部材駆動部23内側の内部空間Sを介して前記コネクタホルダ部22とは逆の側に位置する第1可動端部241に取り付けられている。介挿部材21の先端部21aは、介挿部材駆動部23において前記内部空間Sを介して前記第1可動端部241とは反対の側(前記コネクタホルダ部22の側)に位置する第2可動端部242に形成された介挿部材用窓28に貫通させて、介挿部材駆動部23の外側に突出された部分に設けられている。
前記介挿部材21は、介挿部材駆動部23に複数本(ここでは2本)設けられている。各介挿部材21(21A、21B)の介挿部材駆動部23における設置位置は、リング状の介挿部材駆動部23の軸線方向にずらされている。
ここで、介挿部材駆動部23は、コネクタホルダ部22を含んで、全体が合成樹脂で一体成形された1部品になっている。但し、本発明においては、これに限定されず、例えば、介挿部材駆動部23に、これとは別体のコネクタホルダ部を組み付けたもの等、複数部品によって形成されたものであっても構わない。また、介挿部材駆動部23自体、コネクタホルダ部自体も、それぞれ、1部品によって形成されたものに限定されず、複数部品で組み立てたものであっても良い。
図示例の光コネクタ用工具2では、前記コネクタホルダ部22は介挿部材駆動部23の一部である。図1〜図3に示すように、このコネクタホルダ部22は、介挿部材駆動部23において第2可動端部242の一部である底壁22eと、この底壁22eから介挿部材駆動部23の外側に向けて突設された突壁である一対の側壁22b、22cと、一対の側壁22b、22cの間に確保された収容凹所22aとを有し、断面コ字状に形成されている。コネクタホルダ部22の内側の前記収容凹所22aは、光コネクタ3を取り出し可能に収容する溝状になっている。また、コネクタホルダ部22は、溝状の収容凹所22aの延在方向中央部にて、底壁22eから収容凹所22a内に突出する突壁状のコネクタ受け台22fを有している。このコネクタ受け台22fには、光コネクタ3のストップリング34が嵌め込まれる凹形のコネクタ嵌合凹所22gが、該コネクタ受け台22fの底壁22eからの突出先端から窪んだ形状に形成されている。なお、収容凹所22aの延在方向は、リング状の介挿部材駆動部23の中心軸線に沿うように、向きを揃えてある。
プレート状の第2可動端部242は、介挿部材駆動部23の中心軸線に沿って延在するスリット状の介挿部材用窓28によって、2つの可動端部分割体242aに2分されている。コネクタホルダ部22の一対の側壁22b、22cは、各可動端部分割体242aから介挿部材駆動部23の外側に向けて突設された突壁である。また、各可動端部分割体242aの内、収容凹所22aに臨む部分が、コネクタホルダ部22の前記底壁22eとして機能している。
前記コネクタ受け台22fは、収容凹所22aを介して両側の側壁22b、22c間を橋絡する連結部としての機能も果たしている。
コネクタ受け台22fを介して2分される収容凹所22aの延在方向の両側の領域の内、片側の領域は、光コネクタ3のプラグフレーム33が嵌め込まれるハウジング嵌合溝22hとなっている。収容凹所22aの内、コネクタ受け台22fを介して反対側の領域は、光コネクタ3におけるプラグフレーム33よりも後端側の部分を収容するコネクタ後端側配置溝22jとして機能する。
工具付き光コネクタ1において、光コネクタ用工具2は、収容凹所22aに光コネクタ3を収容し、さらに、介挿部材21をクランプ部32の素子31c、321間に割り込ませた状態とすることで、光コネクタ3に組み付けられて、工具付き光コネクタ1の一部を構成する。ここで、光コネクタ用工具2は、コネクタ受け台22fのコネクタ嵌合凹所22gをストップリング34に嵌め込み、ハウジング嵌合溝22hをプラグフレーム33に嵌め込むことで、光コネクタ3に離脱可能に組み付けられる。また、コネクタ受け台22fを、光コネクタ3のプラグフレーム33の後端面33b(図14参照。ストップリング34の周囲に存在するプラグフレーム33の後端面)に突き当てることで、光コネクタ3の軸方向(クランプ部32の中心軸線方向。調心溝323の調心軸線)における光コネクタ用工具2の組み付け位置の位置決めを実現できる。
図示例の光コネクタ用工具2のハウジング嵌合溝22h内には、光コネクタ3のプラグフレーム33が当接されるハウジング受け台22iが、両側壁22b、22cから突設されている。このハウジング受け台22iには、プラグフレーム33の前記底壁22eと対面される側の側面が押し当てられる。収容凹所22a内に嵌め込まれる光コネクタ3は、コネクタ受け台22fとハウジング受け台22iとに当接されることで、介挿部材駆動部23の中心軸線に対して所望の姿勢で支持される。図示例の光コネクタ用工具2では、収容凹所22aに嵌め込んだ光コネクタ3のクランプ部32の中心軸線(調心溝323の調心軸線)と、介挿部材駆動部23の中心軸線との向きが揃うようにしてある。
前記ハウジング受け台22iは、必ずしも、必須では無い。また、光コネクタ3の構造によっては、光コネクタ3の内のハウジング嵌合溝22fに嵌め込む部分が、いわゆるプラグフレーム33に限定されない。光コネクタ3の内、ハウジング嵌合溝22fに嵌め込む部分は、いわゆるプラグフレームとは異なるハウジングであっても良い。この点、光コネクタ用工具2は、例えば、いわゆるプラグフレームを有していない構造の光コネクタや、プラグフレームの外側に装着されたハウジングを具備する光コネクタにも適用可能である。コネクタホルダ部22は、光コネクタ3を、介挿部材駆動部23の中心軸線に対して所望の姿勢で、ガタ付かせること無く安定に支持できる構造であれば良く、適宜設計変更可能である。
また、光コネクタ3の軸方向(クランプ部32の中心軸線方向。調心溝323の調心軸線)における光コネクタ用工具2の位置決めは、プラグフレーム33の後端面33bへのコネクタ受け台22fの当接に限定されない。要は、光コネクタ用工具2に、光コネクタの側部の突部又は凹所に当接することで、光コネクタ3の軸方向における位置決めを実現するための位置決め用当接部が設けられていることが好ましい。位置決め用当接部としては、前述のコネクタ受け台22f以外、様々な構成を採用できる。
前述したように、図示例の光コネクタ用工具2は、複数本の介挿部材21(ここでは2本。区別のため、符号21A、21Bを付す)を具備している。各介挿部材21は、コネクタホルダ部22の底壁22eに開口された介挿部材用窓28から、収容凹所22a内に突出された部分に、前記先端部21aを有している。
本発明に係る工具付き光コネクタ1では、光コネクタ用工具2の各介挿部材21(21A、21B)の先端部21a(図1、図4等参照)を、光コネクタ3の外側からストップリング34の差込口34a、34b(図13参照)を介して、一対の素子31c、321の間に割り込ませてある。このため、工具付き光コネクタ1では、一対の素子31c、321の間が、介挿部材21によって、バネ322の弾性に抗して若干押し開かれた状態になっている。また、ストップリング34の2つの差込口34a、34bは、2つの蓋側素子321に対応する2つのクランプ部に対応する位置に開口されている。光コネクタ用工具2の複数本(2本)の介挿部材21(21A、21B)は、ストップリング34の2つの差込口34a、34bを介して、素子31cと素子321aとの間、素子31cと素子321bとの間に、それぞれ挿入されている。
但し、光コネクタ用工具2は、光コネクタ3から分離した状態で現場等に供給して、必要に応じて光コネクタ3に組み付けて、光ファイバ先端への光コネクタ3の組み立てに利用することも可能である。また、光コネクタ用工具2は、すでに光ファイバ先端に組み立てられている光コネクタに組み付けて、光コネクタを光ファイバから離脱させる作業等にも利用できる。
なお、図示例の光コネクタ3では、クランプ部付きフェルール37は、図13において、ベース側素子31cが上側、蓋側素子321が下側となる向きで、光コネクタ3内に組み込まれ、図4において、フェルール31側から見て、ベース側素子31cが、ベース側素子31cと蓋側素子321との間に介挿された介挿部材21の先端部の右、蓋側素子321が前記介挿部材21の先端部の左に配置されるようになっている。但し、光コネクタ3としては、図4において、一対の素子31c、321の配置が左右逆になる構成であっても構わない。
図5、図6に示すように、介挿部材21は、ブロック状の本体部211と、この本体部211に突設された板状突起212と、本体部211から前記板状突起212とは反対の側に突設された一対の弾性爪213とを具備している。
板状突起212の本体部211からの突出先端(介挿部材21の先端)は、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321の間に割り込まされる先端部21a(挿入先端)となっている。図示例の介挿部材21では、前記先端部21a(挿入先端)は、板状突起212に比べて厚さを薄く形成された楔状になっている。図3、図6に例示した先端部21aは、断面三角形状であるが鋭く尖った形状ではなく、先端の頂点付近は、湾曲面を有する形状(素子を傷めにくくすることが目的)になっている。また、図示例の介挿部材21は、先端部21aも含めて全体が合成樹脂製の一体成形品であり、先端部21aが樹脂製であることも、クランプ部32の一対の素子31c、321を傷めにくくする点で有利である。
楔状の先端部21aとしては、例えば、図18(a)、(b)に例示するように、先端が鋭く尖った形状のもの(先端部21a1、21a2)であっても良いことは言うまでも無い。
また、先端部21aの形状は図示例のものに限定されない。例えば、一対の素子31c、321の間からの引き抜きのみを考慮する場合は、介挿部材21としては、一対の素子31c、321の間に割り込ませることにより、一対の素子31c、321をバネ322の弾性に抗して若干押し開かれた状態に保持できれば良い。この点、介挿部材21の先端部21aは、例えば、単純な板状、ピン状等、他の形状であってもよい。
図5に示すように、一対の弾性爪213は、介挿部材21の、第1可動端部24に取り付けられる基端部21bとして機能する。
具体的には、弾性爪213は、本体部211から延出する細長の弾性本体213aと、この弾性本体213aの本体部211からの突出方向先端部の側部に突設されている突起状の係合受け部213b(爪部)とで構成されている。各弾性爪213の係合受け部213bは、弾性本体213aにおいて、本体部211から延びる一対の弾性爪213の間に確保された隙間213cとは反対の側の側部に突設されている。
図5、図6に示すように、介挿部材21は、介挿部材駆動部23の前記第1可動端部241の第2可動端部242側(すなわち、介挿部材駆動部23の内部空間S側)に突設された基端部収納部243に穿設されている基端部収納穴244に、一対の弾性爪213からなる基端部21bが収納される。介挿部材21は、基端部収納穴244に収納された一対の弾性爪213と基端部収納部243との係合によって、基端部収納部243から第2可動端部242側への引き抜きを規制して、第1可動端部241に取り付けられている。
なお、基端部収納部243は、樹脂成形によって、第1可動端部241のプレート状のベース壁部241aから突出する形状に形成された突起であり、第1可動端部241の一部である。
介挿部材21は、基端部21bが第1可動端部241(詳細には基端部収納部243)に取り付けられた状態で、介挿部材駆動部23の内部空間Sを横切るようにして介挿部材駆動部23に設けられている。
図5等を参照して、基端部21bを構成する一対の弾性爪213と、基端部収納部243との係合構造について具体的に説明する。
基端部収納部243の基端部収納穴244に収納された各弾性爪213の側部の係合受け部213bは、前記基端部収納穴244の第2可動端部242とは反対側の端部を拡張した部分である拡張穴245に収納されている。弾性爪213と基端部収納部243との係合は、弾性爪213の係合受け部213bが、基端部収納穴244における前記拡張穴245と該拡張穴245以外の部分(弾性本体収納孔247)との間の段差246に係合することにより実現される。前記段差246を形成する基端部収納部243の内壁、すなわち、拡張穴245よりも狭い弾性本体収納孔247の内壁面を形成する壁部は、弾性爪213の係合受け部213bが係合される引き抜き用係合部248を形成している。引き抜き用係合部248には、弾性爪213の係合受け部213bが、第2可動端部242とは反対の側から係合される。これにより、基端部21bの基端部収納部243からの抜け出しが規制される。
基端部収納穴244は、基端部21bを、該基端部収納穴244の軸方向(中心軸線に沿った方向)への移動を許容して収納する。基端部収納部243は、介挿部材21の基端部収納穴244の軸方向に沿った姿勢を維持しつつ、介挿部材21の移動をガイドするガイド部材としての機能を果たす。第1可動端部241と、第2可動端部242の介挿部材用窓28とは、基端部収納穴244の中心軸線及びその延長(以下、介挿部材移動直線とも言う)上に位置している。介挿部材移動直線(図3の想像線P)は、リング状の介挿部材駆動部23の中心軸線を通る。
介挿部材21は、介挿部材移動直線に沿った移動によって、前記第2可動端部242側の介挿部材用窓28から前記介挿部材駆動部23外側への突出寸法が変動するように変位できる。但し、介挿部材21のコネクタホルダ部22側への移動は、弾性爪213の係合受け部213bが引き抜き用係合部248に係合したところ(係合位置)が、移動限界位置(突出限界位置)である。また、介挿部材21の、第1可動端部241側への押し込み方向の移動は、介挿部材21の本体部211(具体的には、本体部211の底面211a。一対の弾性爪213は、本体部211の底面211aの一部から延出している。)が基端部収納部243に突き当たったところが、移動限界位置(押し込み限界位置)である。
介挿部材21は、突出限界位置と押し込み限界位置との間で移動できる。
前記基端部収納部243は、介挿部材21の本体部211が第2可動端部242側から突き当てられることで、介挿部材21の前記第1可動端部241側への押し込み方向の移動を規制する押し込みストッパ部を兼ねる。また、介挿部材21の本体部211は、押し込みストッパ部として機能する基端部収納部243に当接されるストッパ当接部としての機能を果たす。
介挿部材21のストッパ当接部(本体部211)が当接される基端部収納部243は、例えば、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に光コネクタ用工具2の介挿部材21の先端部21aを押し込むようにして割り込ませる際には、押し込み力を支圧する受圧部材としての機能を果たすことになり、割り込ませる作業を容易に行える、といった利点がある。
図示例の光コネクタ用工具2では、突出限界位置と押し込み限界位置との間での介挿部材21の移動に伴い、弾性爪213の係合受け部213bが拡張穴245内で移動する。
拡張穴245は、介挿部材21が押し込み限界位置にあるときでも、引き抜き用係合部248から第2可動端部242とは反対の側へ離隔された係合受け部213bを収納できる大きさになっている。但し、これに限定されず、介挿部材駆動部23の外周面側に開口する拡張穴245から介挿部材駆動部23の外側への、介挿部材21(具体的には、基端部21b)の突出を許容しても良い。
また、図示例の光コネクタ用工具2では、基端部収納穴244は、基端部収納部243を貫通する貫通穴であり、拡張穴245は介挿部材駆動部23の外周面側に開口しているが、これに限定されず、介挿部材駆動部23の外周面側に開口していない拡張穴245を採用することも可能である。但し、この場合、拡張穴245は、介挿部材21が押し込み限界位置にあるときでも、引き抜き用係合部248から第2可動端部242とは反対の側へ離隔された係合受け部213bを収納できる大きさである必要がある。
なお、基端部収納部243に当接されるストッパ当接部は、必ずしも、介挿部材21の本体部211自体である必要はなく、例えば、介挿部材21の側部に突設された小突起等であっても良い。また、押し込みストッパ部としても、基端部収納部がこれを兼ねる構造に限定されず、例えば、第1可動端部241に基端部収納部とは別に突設された突片であっても良い。押し込みストッパ部としては、基端部収納部の基端部収納穴内に突設された突起等であっても良い。
また、基端部収納部としては、第1可動端部241から介挿部材駆動部23の内部空間S側に突出する突起状のものに限定されない。基端部収納穴としては、板状の第1可動端部241に開口された貫通穴であっても良く、第1可動端部自体が、基端部収納部として機能する構造も採用可能である。
また、図示例の光コネクタ用工具2では、一つの基端部収納穴243に基端部収納穴244が2つ形成されて、2本の介挿部材21A、21Bの取り付けに対応できるようになっているが、これに限定されず、基端部収納穴毎に独立した基端部収納部を第1可動端部に設けることも可能である。
基端部21bが複数本の弾性爪213によって構成される構造では、基端部21bを、基端部収納部243の基端部収納穴244に、第2可動端部242側から押し込むだけで、介挿部材21を簡単に基端部収納部243に装着できるといった利点がある。また、介挿部材21の構造も非常に単純で済み、低コスト化できるといった利点がある。
複数本の弾性爪213からなる基端部21bの、基端部収納穴244への押し込みは、基端部21bを、基端部収納部243の第2可動端部242側の端部(すなわち、基端部収納部243の第1可動端部241からの突出先端部)における基端部収納穴244の開口部から基端部収納穴244に押し込んでいく。ここで、複数本の弾性爪213は、弾性爪213同士が互いに接近するように弾性変形させた状態で、基端部収納穴244の弾性本体収納孔247に押し込んで行く。そして、先端の係合受け部213bが拡張穴245に到達したところで、弾性爪213が弾性爪213同士間の間隔を開けるように弾性復帰して、係合受け部213bが拡張穴245に入り込む。拡張穴245に入り込んだ係合受け部213bは、弾性爪213の弾性によって拡張穴245に押し込まれており、拡張穴245からの離脱が防止される。
つまり、この光コネクタ用工具2では、基端部収納穴244への基端部21bの押し込みだけで、介挿部材21を介挿部材駆動部23に組み付けて、簡単に組み立てることができる。また、光コネクタ3のクランプ部32の構造に対応して、適切なサイズや形状の介挿部材21を選択して、介挿部材駆動部23に組み付けるといったことも簡単に行うことができ、光コネクタ3の構造に対応する構成の光コネクタ用工具2を簡単に得ることができる。
なお、図示例の介挿部材21では、2本の弾性爪213からなる基端部21bを例示したが、基端部21bとしては、3本以上の弾性爪213からなる構造も採用可能である。
本発明に係る光コネクタ用工具2では、介挿部材21の本体部211が基端部収納部243に当接された状態において、介挿部材21の係合受け部213bと引き抜き用係合部248との間にクリアランス(離間距離。図5の寸法cを参照)が確保されるが、このクリアランスの大きさ(離間距離)は、介挿部材21毎に異なっている。図示例の光コネクタ用工具2では、各介挿部材21A、21Bの本体部211が基端部収納部243に当接された状態において、ハウジング嵌合溝22hに先端部21aが配置される介挿部材21Aの係合受け部213bと引き抜き用係合部248との間に確保されるクリアランスc1よりも、収容凹所22aにおいてコネクタ受け台22fを介して前記ハウジング嵌合溝22hとは反対の側のコネクタ後端側配置溝22jに先端部21aが配置される介挿部材21Bの係合受け部213bと引き抜き用係合部248との間のクリアランスc2の方が大きい。
なお、コネクタ受け台22f及びハウジング嵌合溝22hによってコネクタホルダ部22に位置決めして収容された光コネクタ3は、クランプ部32の蓋側の二つの素子321a、321bの境界付近がコネクタ受け台22fに位置決めされ、蓋側の二つの素子321a、321bの内のフェルール31側の素子321aが、ハウジング嵌合溝22hに配置される。このため、2本の介挿部材21A、21Bは、クランプ部32におけるフェルール側光ファイバ38と、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aとの突き合わせ接続の接続点5からの距離が異なるように配置されていると言える。ハウジング嵌合溝22h側に配置された介挿部材21Aは、接続点5に対応させて配置された介挿部材21であり、この介挿部材21Aに比べて、接続点5からの距離が遠い介挿部材21Bの方が、前記クリアランスcが大きい、という関係になっている。
前記介挿部材21は、第1可動端部241と連結された基端部21bから前記底壁22eに向かって介挿部材駆動部23を横切るように延在して、前記底壁22eに形成されているスリット状の介挿部材用窓28に貫通され、前記底壁22eよりも前記介挿部材駆動部23の外側に突出された部分、すなわち、コネクタホルダ部22の収容凹所22a内に突出された部分に、前記素子31c、321間に挿入される先端部21aを有している。
先端部21aは、介挿部材用窓28を介して、収容凹所22aに突出されている。但し、介挿部材21を介挿部材駆動部23から収容凹所22aに突出させるための構成(介挿部材用窓)としては、底壁22eを2分するスリット状の介挿部材用窓28に限定されず、例えば、コネクタホルダ部22の両側壁22b、22c間を連結する構成とした底壁22eに穿孔した小孔等であっても良い。介挿部材用窓28としては、後述のように介挿部材駆動部23の変形に伴う介挿部材21の移動を妨げない大きさを確保する。
コネクタホルダ部22のコネクタ受け台22f及びハウジング受け台22iは、光コネクタ3のクランプ部32から介挿部材21を引き抜く際に、前記光コネクタ3(詳細には、ハウジング。具体的にはプラグフレーム33)が押し当てられるストッパ部、ストッパ壁として機能する。コネクタ受け台22f及びハウジング受け台22iは「ストッパ部」と読み替えることができる。
本発明に係る「ストッパ部」は、介挿部材駆動部を操作(両側から側圧を作用させて、ストッパ部と前記第1可動端部との間の距離が増大するように変形させる)して光コネクタのクランプ部の素子間から介挿部材を引き抜く際に、光コネクタが介挿部材に追従して移動することを防いで、素子間からの介挿部材の円滑な引き抜きを実現する機能を果たすものである。ストッパ部としては、この機能を果たすものであれば良く、図示例のコネクタ受け台22fやハウジング受け台22iに限定されない。
本発明に係る「コネクタホルダ部」は、光コネクタのクランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるコネクタ受け台22f及びハウジング受け台22iを有する点で、全体として、上述のストッパ部と同様の機能を果たすものである。本明細書において「ストッパ部」との語は、コネクタホルダ部も含むものとする。
前記介挿部材駆動部23は、コネクタホルダ部22の長手方向(溝状の収容凹所22aの延在方向に沿った方向)に沿って延在するスリーブ状に形成されている。
介挿部材駆動部23は、具体的には、前記第1可動端部241と、前記第2可動端部242と、第1可動端部241(具体的には、ベース壁部241a)と第2可動端部242との間を連結する一対の側部25a、25b(以下、連結壁部)と、前記第2可動端部242とを有して構成されている。
図3等に示すように、各連結壁部25a、25bは、具体的には、3つの連結プレート部26a〜26cを一列に連結した構造になっている。隣り合う連結プレートの間は、ヒンジ部27を介して連結している。一対の連結壁部25a、25bは、第1可動端部241のプレート状のベース壁部241aの両側から延出されており、第1可動端部241からの延出先端に、それぞれ、第2可動端部242の一対の可動端部分割体242aが形成されている。各連結壁部25a、25bの一端部に位置する連結プレート部26aと第1可動端部241との間、及び、各連結壁部25a、25bの他端部に位置する連結プレート部26cと第2可動端部242との間も、ヒンジ部27で連結されている。
介挿部材駆動部23は、各連結壁部25a、25bを構成する合計6つの連結プレート部と、第1可動端部241と、スリット状の介挿部材用窓28によって2分された構造(但し、コネクタホルダ部22のコネクタ受け台22fによって連結されている)のプレート状の第2可動端部242とによって、8角形状に構成されている。
連結壁部25a、25bは、内部空間Sを介して両側に対向配置されている。各連結壁部25a、25bは、3つの連結プレート部26a〜26cの内、中央の連結プレート26bを頂部とする概略「く」字形に形成されている。そして、概略「く」字形の屈曲部の内角側が互いに対面する向き、すなわち、コネクタホルダ部22と第1可動端部241との間にて、前記屈曲部が両側(介挿部材駆動部23の外側)に張り出すように設けられている。
第1可動端部241のベース壁部241aは、一対の連結壁部25a、25bによって、介挿部材駆動部23の第2可動端部242を構成する一対の可動端部分割体242aと平行となるように支持されている。
すでに述べたように、図示例の光コネクタ用工具2の介挿部材駆動部23は、コネクタホルダ部22とともに合成樹脂で一体成形されている。連結壁部25a、25bを構成している隣り合う連結プレート部同士を連結するヒンジ部27は、具体的には、連結プレート26a〜26dや第1可動端部241、第2可動端部242に比べて薄く変形容易な薄肉部である。また、各連結壁部25a、25bの一端部に位置する連結プレート部26aと第1可動端部241との間を連結するヒンジ部27、及び、各連結壁部25a、25bの他端部に位置する連結プレート部26cと第2可動端部242との間を連結するヒンジ部27も、薄肉部である。
ヒンジ部27は、隣り合う連結プレート部同士の間、連結プレート部26aと第1可動端部241との間、連結プレート部26cと第2可動端部242との間を、それぞれ、介挿部材駆動部23の中心軸線に向きを揃えた軸線回りの回転を可能として連結するものである。ヒンジ部27である薄肉部は、該薄肉部の変形によって、隣り合う連結プレート部同士の間、連結プレート部26aと第1可動端部241との間、連結プレート部26cと第2可動端部242との間を、それぞれ、回転可能に連結する。
介挿部材駆動部23の形状(断面形状)を指す「リング状」とは、円形、楕円形、五角形や六角形等の多角形、菱形等を含む。また、C字形のように、一部に不連続部分が存在するものも含む。
コネクタホルダ部は、必ずしも、ストッパ部としての機能を有するものである必要は無い。ストッパ部は、コネクタホルダ部とは別に第2可動端部に設けられていても良い。コネクタホルダ部としては、少なくとも、光コネクタを取り出し可能に収容する機能を有していれば良い。
介挿部材駆動部23は、第1可動端部241と第2可動端部242の間にて、該介挿部材駆動部23の内部空間Sを介して両側に張り出すように設けられた連結壁部25a、25bに、対向する両側(図3左右)から押圧力(側圧)を作用させ、連結壁部25a、25b同士を互いに接近させることで、第1可動端部241と第2可動端部242との間の距離が増大するようになっている。これにより、介挿部材駆動部23の基端部収納部243の引き抜き用係合部248(図5参照)が、第2可動端部242側から、介挿部材21の係合受け部213bに係合して、介挿部材21が第1可動端部241に引き留められることで、介挿部材21が第2可動端部242に対して相対的に、収容凹所22aへの突出寸法を減少(あるいは突出を解消)する方向、つまり、介挿部材21を内側に引き込む方向に移動される。
両側の連結壁部25a、25bにおいて、介挿部材駆動部23の内部空間Sを介して左右(図3左右)への張り出しが最も大きい部位(図示例の介挿部材駆動部23では連結プレート部26b)は、介挿部材駆動部23を変形させる側圧を作用させるための側圧作用部25pとして機能する。介挿部材駆動部23は、左右対称に構成されており、両側の連結壁部25a、25bの側圧作用部25pは、介挿部材駆動部23の内部空間Sを介して対向する位置にある。
介挿部材駆動部23の左右両側の側圧作用部25pに側圧を作用させて、側圧作用部25p同士を接近させると、第1可動端部241と第2可動端部242とが介挿部材駆動部23の断面中央部(一対の側圧作用部25pの中間位置)から離隔するように、介挿部材移動直線Pに沿って移動して、第1可動端部241と第2可動端部242との間の距離が増大する。第1可動端部241は、該第1可動端部241に設けられている基端部収納部243(詳細には引き抜き用係合部248)と介挿部材21との係合によって、介挿部材21を牽引するようにして、収容凹所22aへの突出寸法を減少(あるいは突出を解消)する方向、つまり、介挿部材21を内側に引き込む方向に移動させる。一方、第2可動端部242は、介挿部材駆動部23の断面中央部から離隔する方向への変位によって、介挿部材21に対する相対的に位置変動することで、収容凹所22aへの介挿部材21の突出寸法を減少(あるいは突出を解消)せしめる。両側からの側圧による介挿部材駆動部23の変形によって「介挿部材を前記介挿部材用窓から該介挿部材駆動部の外側への突出寸法が減少する方向に移動させる」ことは、第1可動端部241の変位に伴う介挿部材21の移動と、第2可動端部242の介挿部材21に対する相対的な移動、の両方によって実現される。
介挿部材駆動部23は、必ずしも、左右対称に形成されていることに限定されない。但し、図3等に示すように、介挿部材駆動部23が左右対称(特に両側部。連結壁部25a、25bが左右対称)に形成されている構成であれば、介挿部材駆動部23の変形に伴う介挿部材21の直線的な移動を安定に保つ点で有利である。
介挿部材駆動部23としては、左右両側からの側圧によって上下方向の寸法が増大するように変形する構造であれば良く、例えば、介挿部材21に沿って延びる細長い構造等であっても良い。必ずしも、図示例のように、コネクタホルダ部22(詳細にはストッパ部として機能する底壁22e)と第1可動端部241との間を連結する両側部が介挿部材21の両側に大きく張り出す構造である必要は無い。
また、介挿部材21と介挿部材駆動部23とは、互いに異なる材質からなることが好ましい。
介挿部材21をクランプ部32の一対の素子31c、321の間に挿入した状態、すなわち、その先端部21aに常に圧力が加えられた状態で、介挿部材21が繰り返しの温度変化に曝されると、クリープ現象により、先端部21aの形状が変形し、その厚みが現象することがある。このように先端部21aの厚みが減少すると、介挿部材21によって押し開かれた素子31cと素子321と間が狭くなり、クランプ部32へ光ファイバ4、38を挿入し難くなり、結果として、クランプ部32内で光ファイバ4、38を接続する機能が損なわれるおそれがある。そこで、光コネクタ用工具2全体をクリープ現象が生じ難い硬質な材質とすると、介挿部材駆動部23が弾性変形し難くなり、介挿部材21をクランプ部32に対して抜去する機能が損なわれるおそれがある。
このようなことから、介挿部材21の材質を、介挿部材駆動部23の材質よりもクリープ現象が生じ難い硬質なものとする一方、介挿部材駆動部23の材質を弾性変形し易い軟質の材質とすることが好ましい。
介挿部材21の材質、介挿部材駆動部23の材質としては、特に限定されるものではなく、上記の両者の関係を満たしていれば、如何なる金属、樹脂なども用いられる。また、介挿部材21の材質、介挿部材駆動部23の材質としては、成形が容易であることなどから樹脂が好適に用いられるが、この場合、介挿部材21と介挿部材駆動部23とは互いに異なる樹脂で形成される。さらに、介挿部材21と介挿部材駆動部23とが互いに異なる樹脂で形成される場合、例えば、介挿部材21の材質としては、ポリカーボネートが挙げられ、介挿部材駆動部23の材質としては、ポリアセタールが挙げられる。
工具付き光コネクタ1では、図4等に示すように、光コネクタ用工具2の複数の介挿部材21A、21Bを、コネクタホルダ部22に収容された光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間に割り込ませてある。2本の介挿部材21A、21Bの内、光コネクタ用工具2のハウジング嵌合溝22h側の介挿部材21Aは、クランプ部32の延出部31cとフェルール31側の蓋側素子321aとの間に介挿される。コネクタ後端部配置溝22j側の介挿部材21Bは、クランプ部32の延出部31cとフェルール31から遠い側の蓋側素子321bとの間に介挿される。延出部31cと蓋側素子321との間は、介挿部材21A、21Bによって、バネ322の弾性に抗して僅かに押し開かれた状態になっている。
介挿部材21は、クランプ部32の側部に開口する介挿部材挿入凹所325d(図4以外では図示略)に挿入される。介挿部材挿入凹所325dは、一対の素子31c、321の接合境界に形成されている。この介挿部材挿入凹所325dは、具体的には、蓋側の二つの蓋側素子321a、321b(図14等参照)に対応する位置にそれぞれ形成されている。各介挿部材挿入凹所325dの形成位置は、光コネクタ3のストップリング34の差込口34a、34bの位置に対応している。各介挿部材挿入凹所325dには、光コネクタ3のストップリング34の差込口34a、34bに通された介挿部材21の先端部21aが挿入される。
図4に示すように、素子31c、321間に介挿部材21が割り入れられた状態では、光コネクタ3後端側から、クランプ部32の一対の素子31c、321の間に対する光ファイバ4(図14、図15参照)の挿脱が可能である。
クランプ部32内で光ファイバ4、38同士を接続して光ファイバ4(ここでは単心の光ファイバ心線)の先端に光コネクタ3を取り付けるには、まず、光コネクタ3の後端側からクランプ部32の素子31c、321間の溝325a、325bに光ファイバ4の先端を挿入して、調心溝323に押し込んでいく。この押し込みより、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aをクランプ部32内の調心溝323にてフェルール側光ファイバ38と突き合わせ接続する。光ファイバ4の被覆部は、溝325a、325b内に収納される。
次いで、光ファイバ4とフェルール側光ファイバ38との突き合わせ接続状態を保ったまま、光コネクタ用工具2の介挿部材駆動部23に左右両側から側圧を掛け、介挿部材駆動部23を変形させる。これにより、介挿部材駆動部23の外側への介挿部材21の突出寸法(コネクタホルダ部22の収容凹所22aへの突出寸法)が減少していき、光コネクタ3のクランプ部32から介挿部材21が引き抜かれる。このとき、第2可動端部242に設けられているコネクタ受け台22fとハウジング受け台22iとが、光コネクタ3が介挿部材21に追従移動することを規制するストッパ部として機能することで、素子31c、321間からの介挿部材21の引き抜きが円滑に実現される。
クランプ部32から介挿部材21が引き抜かれれば、クランプ部32のバネ322の弾性によって、一対の素子31c、321間に、光ファイバ4とフェルール側光ファイバ38とがクランプされ、光ファイバ4とフェルール側光ファイバ38との突き合わせ接続状態が維持される。光ファイバ4の被覆部が、溝325a、325b内に収納されたまま、一対の素子31c、321間にしっかりとクランプ固定されることで、クランプ部32からの光ファイバ4の引き抜きが規制される。これにより、光ファイバ4先端への光コネクタ3の取り付けが完了する。
(時差抜去機構)
前述したように、図示例の光コネクタ用工具2では、2本の介挿部材21A、21Bの内、ハウジング嵌合溝22hに先端部21aが配置される介挿部材21Aに比べて、コネクタ後端側配置溝22jに先端部21aが配置される介挿部材21Bの方が、介挿部材21の係合受け部213bと基端部収納部243の引き抜き用係合部248との間のクリアランスcが大きい(図5参照)。このため、光コネクタ3のクランプ部32から介挿部材21を引き抜くために、介挿部材駆動部23を対向する両側からの側圧で変形させると、光コネクタ3のクランプ部32における光ファイバ4、38同士の接続点5(図14参照)に対応する位置にある介挿部材21Aが、介挿部材21Bよりも先行してクランプ部32から引き抜かれる。介挿部材21Aがクランプ部32から引き抜かれた後に、介挿部材21Bがクランプ部32から引き抜かれる(時差抜き去り)。つまり、クリアランスcの大きさの違いによって、介挿部材21A、21Bの係合受け部213bと基端部収納部243の引き抜き用係合部248との係合タイミングが異なっており、係合受け部213bと引き抜き用係合部248との係合が、光ファイバ4、38同士の接続点5から近い介挿部材から、順次、接続点5から遠い介挿部材について実現されることで、複数の介挿部材21のクランプ部32からの抜き去りが、光ファイバ4、38同士の接続点5から近い側から順に実現される。
介挿部材駆動部23と介挿部材21とは、クランプ部32に挿入されている複数の介挿部材21のクランプ部32からの抜き去りを、光ファイバ4、38同士の接続点5から近い側から順に実現する、時差抜去機構を構成する。
以下、介挿部材駆動部23を対向する両側からの側圧で変形させた場合の、2本の介挿部材21の時差抜き去りについて、図7〜図10を参照して説明する。
図7は介挿部材駆動部23の変形操作前の状態を示す。図8、図9、図10は、図7の状態から、介挿部材駆動部23の変形の進行に伴い、光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21A、21Bが、光コネクタ3のクランプ32から順次引き抜かれていく様子を示す。光コネクタ3のクランプ32からの介挿部材21A、21Bの引き抜きは、図7の状態から、介挿部材駆動部23の変形の進行に伴い、図8、図9、図10の順で進行していく。
なお、図7〜図10では、工具付き光コネクタ1を、光コネクタ3が下(図の下側)、介挿部材駆動部23が上(図の上側)となる向きで扱う例を示している。
光ファイバ4先端への光コネクタ3の取り付け作業を行う場合、介挿部材駆動部23の両側からの側圧によって変形させる操作を行う前に、光コネクタ3の一対の素子31c、321間に光ファイバ4を挿入して、光ファイバ4の裸光ファイバ4aをフェルール側光ファイバ38に突き合わせ状態としておくことは言うまでもない。
図7において、(a)は、光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21A、21Bの内、フェルール側光ファイバ38と別の光ファイバ4との接続点5(図14参照)から遠い側の介挿部材21Bと光コネクタ3のクランプ部32との関係を模式的に示す図、(b)は、光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21A、21Bと介挿部材駆動部23の基端部収納部243との関係を示す図、(c)は、光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21A、21Bの内、フェルール側光ファイバ38と別の光ファイバ4との接続点5から近い側の介挿部材21Aと光コネクタ3のクランプ部32との関係を模式的に示す図である。また、図8〜図10における(a)〜(c)は、図7における(a)〜(c)に対応させてある。図8〜図10における(a)〜(c)は、図7における(a)〜(c)と同じ位置を示す。
図7の工具付き光コネクタ1の介挿部材駆動部23を、対向する両側からの側圧で変形させると、介挿部材21A、21Bの係合受け部213bと基端部収納部243の引き抜き用係合部248との間のクリアランスcが縮小し、図8(特に、図8(b))に示すように、2本の介挿部材21の内、まず、介挿部材21Aの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が当接(係合)する。そして、介挿部材駆動部23の変形の進行に伴い、介挿部材駆動部23の第2可動端部242に対して相対的に介挿部材駆動部23の内部空間Sに引き込まれていく方向の介挿部材21Aの移動、すなわち、介挿部材駆動部23の外側への突出寸法が減少(または突出が解消)する方向の移動が開始され(図8は、介挿部材21Aの引き抜き開始状態を示す)、介挿部材21Aがクランプ部32の素子31c、321間から引き抜かれていく(図9参照)。
なお、図8、図9に示すように、両側の側圧によって介挿部材駆動部23の変形が開始され、進行していくと、光コネクタ用工具2の第2可動端部242側のストッパ部(コネクタ受け台22f及びハウジング受け台22i)が第1可動端部241から離隔していくに伴い、光コネクタ3が第1可動端部241から離隔していく。これに伴い、クランプ部32の素子31c、321間に割り込ませてある介挿部材21A、21Bが、素子31c、321間にクランプされたまま光コネクタ3と一緒に移動する。このため、各介挿部材21A、21Bの本体部211が、基端部収納部243から離隔する。
介挿部材21Aの光コネクタ3と一体の追従移動は、介挿部材21Aの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合したところ(図8の段階)で規制される。介挿部材21Aの光コネクタ3と一体の追従移動は、介挿部材21Aの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合するまで継続される。介挿部材21Aの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合したら、介挿部材駆動部23の変形が進行していくに伴い、介挿部材21Aはクランプ部32から次第に引き抜かれていく。
一方、介挿部材21Bの光コネクタ3と一体の追従移動は、介挿部材21Bの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合(図9の段階)するまで継続される。介挿部材21Bは、係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合するまで、クランプ部32からの引き抜きが開始されない。介挿部材21Bは、前記クリアランスcが介挿部材21Aよりも大きいため、係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合するタイミングが、介挿部材21Aよりも遅い。
図9に示すように、介挿部材21Bの係合受け部213bに基端部収納部243の引き抜き用係合部248が係合すると、クランプ部32からの介挿部材21Bの引き抜きが開始される(図9は、介挿部材21Bの引き抜き開始状態を示す)。そして、介挿部材駆動部23の変形の進行によって、図10に示すように、クランプ部32から介挿部材21Bが引き抜かれていく。
なお、介挿部材21Bの引き抜き開始は、クランプ部32からの介挿部材21Aの引き抜き完了と同時である必要は無い。
光コネクタ3は、コネクタホルダ部22のコネクタ受け台22fとハウジング受け台22iと両側壁22b、22cとによって、位置ずれを生じないようにしっかりと保持されるため、クランプ部32の素子31c、321間からの介挿部材21の引き抜き作業中においても、光コネクタ3の姿勢(向き)が変わることなく安定に維持される。クランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業中に、光コネクタ3が傾動してしまうといった不都合を確実に防止できる。
図示例の工具付き光コネクタ1では、光コネクタ3のクランプ部32の中心軸線(調心溝323の調心軸線。ここでは、フェルール31に貫通されている微細孔31d(光ファイバ38が内挿固定されている)と一致されている)が、リング状の介挿部材駆動部23の中心軸線に沿った状態に安定に維持される。
なお、図示例の光コネクタ用工具2の介挿部材駆動部23は、使用者が片手の手指で保持できる大きさに形成してある。また、使用者が片手の手指を使って介挿部材駆動部23を握るようにすることで、介挿部材駆動部23に左右両側からの側圧を作用させて介挿部材駆動部23を変形させ、光コネクタ3からの介挿部材21の引き抜きを実現できるようになっている。このため、光コネクタ用工具2は、操作性に優れており、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間からの介挿部材21の引き抜きに比較的強い力を要する場合でも、楽に、介挿部材21の引き抜き作業を行える。
また、図示例の光コネクタ用工具2の介挿部材駆動部23は、両側からの側圧による左右両側の側圧作用部25p間の離間距離の変動量に対して、第1可動端部241と第2可動端部242との間の離間距離の増加量が小さい構造になっている。この構造は、介挿部材駆動部23を構成する、第1、第2可動端部241、242、両側の連結壁部25a、25bの各連結プレート部26a〜26cの寸法調整によって実現されている。これにより、介挿部材駆動部23が、両側からの側圧を増力して、素子間から介挿部材21を引き抜く引き抜き力に変換する増力機構(トグル機構)として機能することとなり、軽い力で、介挿部材21の引き抜き作業を行える。介挿部材21の引き抜き作業に要する側圧が弱い力で済み、手指で介挿部材駆動部23に側圧を与えて、介挿部材21の引き抜き作業を行う場合、軽い力で楽に作業を行える。
介挿部材駆動部23としては、各種構造が採用可能であるが、両側からの側圧を増力して素子間からの介挿部材21の引き抜き力に変換する増力機構(トグル機構)を構成するものを採用することが好ましく、例えば、そのためのリンク機構(図示例の介挿部材駆動部も、リンク機構に該当する)等を採用できる。
図示例の介挿部材駆動部23の場合、対向する両側から側圧が加えられると、両側の連結壁部25a、25bは、複数のヒンジ部27によって、図4の「く」字状に屈曲した状態から、図4想像線のように次第に直線状に近づく。
各介挿部材駆動部23の両側の連結壁部25a、25bは介挿部材21を介して左右対称形であるため、両側からの側圧に対して、両側の連結壁部25a、25bが同じように変形していく。これにより、コネクタホルダ部22に保持されている光コネクタ3のクランプ部32に対して介挿部材21が直線的に移動して、素子31c、321間から引き抜かれるようになっている。左右両側の側圧作用部25p間の接近が、各連結壁部25a、25bの両端の連結プレート部26a、26cの傾斜角度の変化(介挿部材駆動部23の上下方向に対する傾斜角度が次第に小さくなる)に変換され、第1可動端部241と第2可動端部242との間の離間距離の増大となる。
なお、介挿部材駆動部23は、両側から側圧が与えられたときに、ヒンジ部27である薄肉部が変形するが、連結プレート部26a〜26c及び第1、第2可動端部241、242は変形しない。また、コネクタホルダ部22も変形しない。
クランプ部32に対する介挿部材21の移動は、一対の素子31c、321の境界の延長上での直線的な移動であるため、介挿部材21の引き抜き途中で、介挿部材21が一対の素子31c、321に変形力等を与えるといった不都合を生じにくい。さらに、一対の素子31c、321からの介挿部材21の引き抜き抵抗を無用に増大するといった不都合も生じにくい。
上述のように、本発明に係る工具付き光コネクタ1によれば、介挿部材21Aがクランプ部32から引き抜かれた後に、介挿部材21Bがクランプ部32から引き抜かれる。このため、クランプ部32の内、光ファイバ4、38同士の接続点5(図14参照)をクランプする素子31c、321a間が閉じた後に、素子321aよりも接続点5からの位置が遠い素子31c、321b間が閉じられる。つまり、クランプ部32の素子31c、321間が、介挿部材21の引き抜きによって、光ファイバ4、38同士の接続点5に近い側から閉じられることになる。この場合、突き合わせ接続時の突き当て力によって一対の光ファイバ4、38の一方又は両方に生じた撓みが、介挿部材21の引き抜きによるクランプ部32での光ファイバ4、38のクランプに伴って、クランプ部32の外に逃がされて、クランプ部32内に残留することを防止できるといった利点がある。このため、クランプ部32内に残留した光ファイバの曲げや撓みが光ファイバ4、38の光伝送特性や、光ファイバ4、38間の接続損失等の光学特性に影響を与えるといった不都合を防止できる。また、クランプ部にクランプした光ファイバの光学特性の安定維持、接続損失等の特性安定を図れ、光コネクタ3の長期信頼性を向上できる。
本発明に係る、工具付き光コネクタ1は、従来のような専用工具を用いることなく、光ファイバ4先端に光コネクタ3を組み立てることができる。また、光コネクタ用工具2は、構造が非常に簡単で、しかも、安価で製造できることから、専用工具を用いる場合に比べて、大幅な低コスト化を実現できる。小型化も容易であるため、例えば、機器内等の狭隘な作業スペースでの使用にも有利である。
さらに、光コネクタ用工具2を光コネクタ3に組み付けておき、クランプ部32に光ファイバ4を挿入した後、光コネクタ用工具2を操作してクランプ部32から介挿部材21を引き抜くだけで、光ファイバ4先端への光コネクタ3の組み立てを非常に簡単に実現できる。また、従来の専用工具を用いた場合に必要となる、ホルダ部に光コネクタを嵌め込むようにして精密に位置決め支持させる作業は不要である。
ヒンジ部27として採用した薄肉部は、介挿部材駆動部23に作用された側圧によって弾性変形するようになっているため、側圧を解除すると、薄肉部の弾性によって、介挿部材駆動部23が側圧を作用させる前の形状、すなわち、図4実線に例示した形状に復帰する。したがい、再度、光コネクタをコネクタホルダ部に組み付けて、工具付き光コネクタを組み立てることに利用することも、容易である。
(リテーナ)
また、図4に示すように、コネクタホルダ部22に着脱可能に取り付けたリテーナ50によって、光コネクタ3をコネクタホルダ部22の底壁22eに向けて押さえ込むことで、光コネクタ3の向きの安定を確保できる。この場合、光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業中に、光コネクタ3の向きの変化で素子31c、321を傷めるといった不都合を確実に防止できる。
図11、図12はリテーナ50の一例を示す。
図11、図12に例示したリテーナ50は、樹脂一体成形品である。このリテーナ50は、略矩形板状のリテーナ本体51と、リテーナ本体51の両側に突設された一対のアーム52とを備えている。各アーム52は、リテーナ本体51の一端部51a(図11左手前側、図12左側)の両側部から、前記一端部51aとは反対側の他端部51bの方向に向けて、リテーナ本体51の側部に沿って延在するように突出された弾性片である。リテーナ本体51の両側において、アーム52とリテーナ本体51との間には、クリアランス55が確保されている。また、各アーム52の、リテーナ本体51からの突出基端部には、多数の小突起を集合形成した把持部53が設けられている。
リテーナ51の下面には、光コネクタ3に当接される複数(図示の形態では3個)の突起54(図4参照)が形成されている。
前記リテーナ50は、光コネクタ用工具2の一対の側壁22b、22cの介挿部材駆動部23から外側への突出先端部である一対のリテーナ係合部222に対して、光コネクタ用工具2の前端側(図12左側)から押し込む(図11、図12中、矢印Aの方向へ押し込む)ようにして組み付けることができる。
リテーナ50のコネクタホルダ部22に対する組み付けは、リテーナ本体51の他端部51b側を押し込み方向前側として、一対のリテーナ係合部222に対して押し込んでいく。この押し込みによって、リテーナ本体51を、一対のリテーナ係合部222の間に挿入する。また、リテーナ本体51の両側のアーム52を、各リテーナ係合部222の外面側(一対の側壁22b、22cの間の収容凹所22aに臨む内面とは反対側の面)に形成されている係合溝223に差し入れ、リテーナ本体51とその両側のアーム52との間のクリアランス55にそれぞれリテーナ係合部222を収納する。リテーナ50は、クリアランス55の寸法調整によって、アーム52の弾性変形を利用して、アーム52とリテーナ本体51との間にリテーナ係合部222を挟み込んで、リテーナ係合部222の係合溝223からアーム52が振動等によって容易には離脱しないようになっている。
光コネクタ用工具2に組み付けたリテーナ50は、把持部53等を利用して光コネクタ用工具2から強制的に引き抜かない限り、光コネクタ用工具2から容易には離脱しない。
光コネクタ用工具2からのリテーナ50の引き抜きは、リテーナ50を、リテーナ本体51に形成されている離脱方向表示56(矢印)が示す方向、つまり、光コネクタ用工具2に対して図11、図12中、矢印Bの方向へ相対的に移動させる。
リテーナ50を光コネクタ用工具2に組み付けると、リテーナ本体51が、収容凹所22a内に収容されている光コネクタ3を底壁22eに向けて押さえ込むようになり、収容凹所22a内での光コネクタ3の収容状態が安定に維持され、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業を行っても、光コネクタ3の傾動等の変位が生じない。
なお、リテーナ50の材質は、合成樹脂が好ましいがこれに限定はされない。また、リテーナは、必ずしも樹脂一体成形品である必要は無く、複数の部品によって組み立てられたものであっても良い。
また、リテーナ50は、工具付き光コネクタ1に組み付けておくことで、工具付き光コネクタ1の搬送中での光コネクタ用工具2からの光コネクタ3の脱落防止等の機能も果たす。
リテーナ50を介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部としては、コネクタホルダ部22の両側の側壁22b、22cのリテーナ係合部222に限定されず、例えば、コネクタホルダ部において、側壁22b、22cとは別に介挿部材駆動部の外側に突出状態に形成された突起等であっても良い。また、本発明の光コネクタ用工具及び工具付き光コネクタは、コネクタホルダ部を有していない構成も含むが、コネクタホルダ部を有していない場合、リテーナ係合部として、第2可動端部242から介挿部材駆動部の外側に突出状態に形成された突起等を採用できる。リテーナ係合部の構造、リテーナ係合部に対する着脱可能なリテーナの構造は、適宜変更可能である。
(移動検知機構)
図5に示すように、コネクタ受け台22fの側部には弾性片22kが突設されている。
この弾性片22kは、両側からの側圧による介挿部材駆動部23の変形で移動された介挿部材21が光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間から引き抜かれる位置(引き抜きが完了する位置。以下、引き抜き位置とも言う)に到達した際に、引き抜き位置に介挿部材21が到達したことを示す検知信号を発するためのものである。
弾性片22kは、介挿部材21が、両側からの側圧による介挿部材駆動部23の変形によって移動(第2可動端部242に対する相対的な移動。介挿部材駆動部23の外側への突出寸法が減少(あるいは突出を解消)する方向の移動)された際に、介挿部材21の本体部211の側部に突設されている接触突部214によって介挿部材駆動部23の外側に向けて押圧されて弾性変形され、さらなる介挿部材21の移動によって接触突部214との接触が解除されて弾性復帰した際に、音を発生する。前記弾性片22kと接触突部214との接触解除は、コネクタ受け台22fにおける弾性片22kの突設位置、介挿部材21における接触突部214の突設位置、介挿部材21の先端部21aの寸法等によって、介挿部材21が、前記光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間から引き抜かれる位置に到達した際に生じるようになっている。このため、前記弾性片22kと接触突部214との接触解除によって発生される音は、介挿部材21が引き抜き位置に達したことを示す検知信号として機能する。
弾性片22kは、介挿部材21側の接触突部214と接触される接触片として機能する。弾性片22kと接触突部214とは、介挿部材21が引き抜き位置に達した際に検知信号を発する移動検知機構を構成する。
前述の音によって、光コネクタ用工具2の使用者が、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜きが完了したことを知ることができる。このため、光コネクタ用工具2の使用者は、前述の音によって、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜き完了を知るまで、両側からの側圧によって介挿部材駆動部23を変形させていく引き抜き作業を継続することで、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業を確実に完了できる。
図5実線に示すように、工具付き光コネクタ1において、光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業前は、介挿部材21を、接触突部214が弾性片22kよりも第1可動端部241に近い側となるように配置する。図5に示した例では、介挿部材21の本体部211の底面211aを基端部収納部243に当接させることで、介挿部材21の接触突部214が弾性片22kよりも第1可動端部241に近い側に配置されるようになっている。ここで、両側からの側圧によって介挿部材駆動部23を変形させ、光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業を開始し、介挿部材21の係合受け部213bと基端部収納部243の引き抜き用係合部248との係合によって、介挿部材21が、図5中想像線(2点鎖線)に示すように、介挿部材駆動部23の第2可動端部242に対する相対的な移動(介挿部材駆動部23の外側への突出寸法が減少(あるいは突出を解消)する方向の移動)を開始すると、介挿部材21の本体部211の側部に突設されている接触突部214が弾性片22kを押圧し、弾性片22kが弾性変形される。介挿部材21がさらに移動して、前述の引き抜き位置に到達すると、弾性片22kと接触突部214との接触が解除される。この接触解除によって、弾性片22kが弾性復帰した際に、検知信号として音を発生する。
すでに述べたように、ハウジング嵌合溝22h側の介挿部材21Aとコネクタ後端部側配置溝22j側の介挿部材21Bとでは、クランプ部32からの引き抜きが開始されるタイミングが異なる。図7に示したように、介挿部材21Aの方が、介挿部材21Bよりも先に、クランプ部32からの引き抜きが開始され、クランプ部32からの引き抜きが完了するタイミング(すなわち、引き抜き位置に達するタイミング)も、介挿部材21Bよりも先である。このため、図示例の工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2では、介挿部材21Aが引き抜き位置に達したときに発せられる音と、次いで、介挿部材21Bが引き抜き位置に達したときに発せられる音とを確認すること、すなわち、2回の音の発生を確認することで、光コネクタ3のクランプ部32からの2本の介挿部材21の引き抜き完了を把握できる。2回の音の確認によって、光コネクタ3のクランプ部32からの2本の介挿部材21の引き抜きを確実に完了できる。
図示例の光コネクタ用工具2では、図6に示すように、介挿部材21の基端部21bを、基端部収納部243の基端部収納穴244に第2可動端部242側から押し込んで、介挿部材21を介挿部材駆動部23に組み付ける(詳細には、第1可動端部241側の基端部収納部243に介挿部材21の基端部21bを組み込む)際に、介挿部材21の本体部211の側部から基端部21bの側部に延出する突起状のキー215を、基端部収納部243の基端部収納穴244の一部を拡張した形状のキー溝249に挿入するようになっている。介挿部材21A、21Bの基端部21bは、キー215がキー溝が、接触突部214が弾性片22kと接触する向きでのみ、基端部収納部243の基端部収納穴244に押し込み可能である。これにより、介挿部材21A、21Bを、接触突部214が弾性片22kと接触する向きで介挿部材駆動部23に組み付けることができる。
なお、光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き完了を確認するための検知信号として音を発生させる移動検知機構としては、図5等に例示した構造に限定されず、介挿部材21側の接触突部214を弾性片とし、介挿部材駆動部23側の接触片(接触突部214に接触される突片)を、接触突部214と接触しても弾性変形しない突起にした構成や、介挿部材21側の接触突部214と介挿部材駆動部23の第2可動端部242の接触片(「第2可動端部242の接触片」とは、第2可動端部242に突設されている接触片に限定されず、第2可動端部242に突設されているコネクタ受け台22f等の突起部に突設されている接触片も含む)の両方を弾性片とした構成等も採用できる。
また、介挿部材駆動部23側の接触片の設置位置は、コネクタ受け台22fに限定されず、例えば、介挿部材駆動部23の第2可動端部242から直接突設されていても良い。
光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き完了を確認できるようにする移動検知機構としては、接触突部と接触片との接触後の接触解除により音を検知信号として発するものに限定されず、例えば、視認可能な表示を検知信号として発するもの等であっても良い。この点、移動検知機構としては、必ずしも、接触突部と接触片とを具備する構成に限定されない。例えば、介挿部材駆動部23の第2可動端部242に突設されている検知片(第2可動端部242に突設されているコネクタ受け台22f等の突起部に突設されている弾性片も含む)が、介挿部材21の側部の突起との当接、あるいは、介挿部材21の側部の凹所への進入によって変位したときに、検知片の変位に連動して変位する表示片を具備した構成(表示片の変位が、目視可能な検知信号として機能する)等も採用可能である。また、移動検知機構としては、例えば、通電によって起動されて、音、光などといった検知信号を出力する検知信号出力手段と、上述の接触片をスイッチとして該接触片の変位によってオンされて、前記検知信号出力手段を起動する電気回路とを具備する構造のものも採用可能である。
検知片は、必ずしも、介挿部材駆動部側に設けられたものに限定されず、介挿部材に設けられて、介挿部材駆動部側の突起との接触あるいは凹所への進入等によって、変位するようにしたものであっても良い。
なお、本発明に係る光コネクタ用工具並びに工具付き光コネクタの具体的構成は、前述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
本発明に係る光コネクタ用工具並びに工具付き光コネクタは、リテーナ及び移動検知機構を有していないものも含む。また、リテーナ及び移動検知機構の一方のみを有する構成も含む。
ヒンジ部27としては、前述の薄肉部に限定されず、例えば、ピン等を利用した構成のものであっても良い。介挿部材駆動部としては、前述の実施形態に例示した工具付き光コネクタの一部としてコネクタホルダ部とともに樹脂で一体成形された構成以外、例えば、連結プレート部として機能する複数の板状部材と、この板状部材同士を枢着するピンとを含む複数の部材によってリング状に組み立てた構成等も採用できる。
一つの介挿部材駆動部に設けられる介挿部材の本数は2本に限定されず、3本以上であっても良い。但し、この場合も、各介挿部材の係合受け部213bと基端部収納部243の引き抜き用係合部248との係合が、フェルール側光ファイバ38と、別途クランプ部32に後端側から挿入される光ファイバ4との接続点5から近い介挿部材から、順次、接続点5から遠い介挿部材で実現されることで、クランプ部32からの介挿部材の引き抜きが、接続点5から近い介挿部材から順に実現されていくようにする。
クランプ部32からの介挿部材の引き抜きを、接続点5から近い介挿部材から順に実現していく時差抜去機構としては、図5等に例示したものに限定されない。
例えば、介挿部材駆動部23の第1可動端部241に設けられて、介挿部材に設けられたロッド状の基端部側面に付勢される押圧片が、介挿部材の基端部側面に開口する凹所に入り込むことで、第1可動端部241と介挿部材21との係合が実現される構成や、介挿部材に設けられて、基端部収納部の基端部収納穴内面に付勢される押圧片が、基端部収納穴内面の凹所に入り込むことで、第1可動端部241と介挿部材21との係合が実現される構成についても、応用できる。つまり、押圧片及び凹所の位置調整によって、押圧片が凹所に入り込むことによる第1可動端部241と介挿部材21との係合が、接続点5から近い介挿部材から順に実現されるように係合タイミングを調整して、時差引き抜きが実現されるようにしておけば良い。
また、光コネクタ用工具の複数の介挿部材は、光コネクタのクランプ部に挿入される部分(先端)の厚みが一定に揃えられている構成に限定されず、素子に挿入したときの素子の開度等に対応して異ならせている構成も採用可能である。素子に介挿部材を挿入したときの開度は、素子間に挿入される光ファイバの太さに対応させて、光ファイバの挿入が可能なように決める。例えば、前述の実施形態で例示した光ファイバ4の先端の被覆を除去して口出しした裸光ファイバ4aと、裸光ファイバ4aを口出ししていない部分(被覆部)とでは、光ファイバの太さが異なるため、複数の介挿部材について、光コネクタのクランプ部に挿入される部分(先端)の厚みを光ファイバの太さに対応して異ならせることで、光ファイバの部分的な太さの違いにも対応して素子の開度を決めることができる。
また、本発明に適用される光コネクタ3(光コネクタプラグ)としては、単心用のものに限定されず、多心用のものも採用可能である。多心用の場合、クランプ部の素子に形成される調心溝が複数本である構成が採用される。
本発明において、「光コネクタ」は、光ファイバ同士の突き合わせ接続(必ずしも、光ファイバ同士の端面同士を接触させる接続に限定されず、光ファイバ同士が微小な隙間を介して対面状態で光接続されることも含む)に用いられる光部品全般のことを指し、必ずしも、フェルールを用いたものに限定されない。本発明に係る光コネクタは、突き合わせ接続した光ファイバをクランプして、接続状態を維持するクランプ部を有するものであり、このようなクランプ部を有するものであれば、本発明に係る「光コネクタ」と称することができる。
例えば、断面C形あるいはコ字形のスリーブ状のバネの内側に、前記バネの弾性によって光ファイバをクランプする半割りの素子を収容した構成の、いわゆるメカニカルスプライス等も、本発明に係る光コネクタに含まれる。このメカニカルスプライスタイプの光コネクタとしては、半割りの素子の合わせ面に形成された位置決め溝を有し、対向する両側から素子間に挿入された光ファイバ同士を、前記位置決め溝によって高精度に位置決めした状態で突き合わせ接続できる。また、突き合わせ接続した光ファイバの対は、バネの弾性によって素子間にクランプして接続状態を維持する。このタイプの光コネクタとしては、例えば、図13、図14に例示した光コネクタからフェルールを省略したもの、すなわち、クランプ部32と同様の機構のものでも良い。
ここで、メカニカルスプライスタイプの光コネクタは、断面C形あるいはコ字形のスリーブ状のバネと、このバネの内側に収容した半割りの素子とによって構成されるクランプ部自体が光コネクタとして機能するものと言える。半割りの素子は、図13、図14に例示した光コネクタのクランプ部のように、半割りの素子の片方が複数に分割されている構成のものに限定されず、単純に、2部品からなる半割り構造のものであっても良い。但し、2部品からなる半割り構造の素子を有するクランプ部は、素子として素子自体の弾性変形(微小な撓み)が可能なもの(例えば樹脂製のもの)を採用して、クランプ部の軸方向において互いに異なる複数位置に割り込ませた介挿部材が順番に引き抜かれた際に(例えば、光ファイバ同士の接続点に近いものから、順次、遠いものが引き抜かれるようにする)、介挿部材が引き抜かれた箇所から順次素子間が閉じていく構成とする。
なお、本発明では、介挿部材21と介挿部材駆動部23とが、互いに異なる材質からなるという概念は、介挿部材21と、介挿部材駆動部23とが別体からなる場合だけでなく、介挿部材21と、介挿部材駆動部23とが一体の場合にも適用できる。
以下、試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例によって限定されるものではない。
(試験例)
表1に示すように、介挿部材21と介挿部材駆動部23の材質を変えて、光コネクタ用工具を4種類作製した。また、試験例1〜4で用いた樹脂の荷重撓み温度(℃)、破断点伸度(%)、曲げ強度(MPa)、曲げ弾性率(MPa)を表2に示す。なお、それぞれの数値が好ましい範囲内にある場合に好適な材質とみなされ、荷重撓み温度(℃)は、クリープ現象の指標となる性質であり、破断点伸度(%)、曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)は介挿部材駆動部23によるクランプ部32に対する介挿部材21の挿入、抜去し易さの指標となる性質である。
Figure 2006227575
Figure 2006227575
表1、表2に示すように、介挿部材21にクリープ現象が生じ難く、介挿部材駆動部23が介挿部材21をクランプ部32に対して挿入、抜去し易い構成は、介挿部材21の材質がポリカーボネート、かつ、介挿部材駆動部23の材質がポリアセタールの場合の試験例4であることが確認できた。
光ファイバ先端への光コネクタのコネクタ付けを簡便かつ迅速に行うこと等を目的として、各種光コネクタに適用可能である。また、装置、機器に組み込まれた既設の光コネクタ等に対しても、適用可能である。
本発明の一実施形態による工具付き光コネクタを示す分解斜視図である。 図1の工具付き光コネクタの光コネクタ用工具を示す斜視図である。 図2の光コネクタ用工具を示す正面図である。 工具付き光コネクタ及び光コネクタ用工具を示す部分破断正面図である。 図1の光コネクタ用工具の2本の介挿部材と介挿部材駆動部の基端部収納部との関係を示す側断面図である。 図1の光コネクタ用工具の介挿部材を示す斜視図である。 工具付き光コネクタを示す図であり、(a)は、光コネクタ用工具の2本の介挿部材の内、フェルール側光ファイバと別の光ファイバとの接続点から遠い側の介挿部材と光コネクタのクランプ部との関係を模式的に示す図、(b)は、光コネクタ用工具の2本の介挿部材と介挿部材駆動部の基端部収納部との関係を示す図、(c)は、光コネクタ用工具の2本の介挿部材の内、フェルール側光ファイバと別の光ファイバとの接続点から近い側の介挿部材と光コネクタのクランプ部との関係を模式的に示す図である。 (a)〜(c)は、工具付き光コネクタの光ファイバ用工具の介挿部材駆動部の変形操作によって、光コネクタ用工具の2本の介挿部材の内、フェルール側光ファイバと別の光ファイバとの接続点から近い側の介挿部材の係合受け部に、介挿部材駆動部の基端部収納部の引き抜き用係合部が係合した状態を示す図である。 (a)〜(c)は、工具付き光コネクタの光ファイバ用工具の介挿部材駆動部の変形操作によって、光コネクタ用工具の2本の介挿部材の内、フェルール側光ファイバと別の光ファイバとの接続点から近い側の介挿部材の、光コネクタのクランプ部からの引き抜きが完了し、前記接続点から遠い側の介挿部材の係合受け部に、介挿部材駆動部の基端部収納部の引き抜き用係合部が係合した状態を示す図である。 (a)〜(c)は、工具付き光コネクタの光ファイバ用工具の介挿部材駆動部の変形操作によって、光コネクタ用工具の2本の介挿部材の内、フェルール側光ファイバと別の光ファイバとの接続点から遠い側の介挿部材を、光コネクタのクランプ部から引き抜いた状態を示す図である。 図1の工具付き光コネクタに適用されるリテーナの一例を示す斜視図である。 図7のリテーナを取り付けた工具付き光コネクタを示す平面図である。 図1の工具付き光コネクタを構成する光コネクタ(光コネクタプラグ)の分解斜視図である。 図13の光コネクタ(光コネクタプラグ)の断面図である。 図13の光コネクタに内蔵されているクランプ部付きフェルールを示す斜視図である。 図15のクランプ部付きフェルールのクランプ部を構成する各素子の合わせ面を示す図である。 図13の光コネクタを示す平面図である。 (a)、(b)は、介挿部材の先端形状の別態様を示す側面図である。
符号の説明
1…工具付き光コネクタ、2…光コネクタ用工具、3…光コネクタ、31…フェルール、31a…先端面(接合端面)、31c,321…素子、32…クランプ部、322…バネ、38…フェルール側光ファイバ、4…光ファイバ、5…接続点、21、21A、21B…介挿部材、21a…(介挿部材の)先端部、21b…(介挿部材の)基端部、22…ストッパ部(コネクタホルダ部)、211…本体部、213…弾性爪、213b…係合受け部(爪部)、214…接触突部、217…係合受け部(突壁部)、22…コネクタホルダ部、22a…収容凹所、22e…ストッパ部、ストッパ壁(底壁)、22f…ストッパ部、ストッパ壁(コネクタ受け台)、22i…ストッパ部、ストッパ壁(ハウジング受け台)、22k…接触片(弾性片)、23…介挿部材駆動部、23…介挿部材駆動部、241…第1可動端部、242…第2可動端部、243…基端部収納部、244…基端部収納穴、248…引き抜き用係合部、284A…引き抜き用係合部(弾性片)、25a、25b…側部(連結壁部)、27…ヒンジ部(薄肉部)、28…介挿部材用窓(スリット)、50…リテーナ、222…リテーナ係合部(コネクタホルダ部の側壁の外側延出部)、c…クリアランス、P…介挿部材移動直線。

Claims (14)

  1. 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタ(3)用の工具であって、
    前記クランプ部の前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記別の光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材(21、21A、21B)と、
    前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部(23)と、
    この介挿部材駆動部の周方向の一部に設けられ、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部(22、22f、22i)とを有し、
    前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において該介挿部材駆動部の内部空間(S)を介して前記ストッパ部とは反対の側に位置する第1可動端部(241)に取り付けられた基端部(21b)と、前記介挿部材駆動部において前記内部空間を介して前記第1可動端部とは反対の側に位置する第2可動端部(242)に形成された介挿部材用窓(28)から前記介挿部材駆動部の外側に突出する先端に設けられ、前記素子間に挿入される先端部(21a)とを有していて、前記介挿部材駆動部の軸方向に沿って複数配列されており、
    前記介挿部材駆動部は、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記第1可動端部に設けられている引き抜き用係合部(248、248A)が前記介挿部材の係合受け部(213b、217)に前記第2可動端部側から係合し、介挿部材の前記介挿部材用窓から該介挿部材駆動部の外側への突出寸法を減少せしめるようになっており、
    介挿部材駆動部と介挿部材とが、引き抜き用係合部と係合受け部との係合タイミングの違いによって、素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点(5)からの距離が最も近い介挿部材から、順次、前記接続点から遠い介挿部材を、介挿部材駆動部の外側への突出寸法を減少するように第2可動端部に対して相対的に移動させる、時差抜去機構を構成していることを特徴とする光コネクタ用工具(2)。
  2. 前記第1可動端部には、前記介挿部材の基端部を、第2可動端部の前記介挿部材用窓と第1可動端部とを通って介挿部材駆動部を横切るように延在する介挿部材移動直線に沿った方向の移動を許容して収納する基端部収納穴(244)が形成されている基端部収納部(243)と、介挿部材の前記基端部に設けられている前記係合受け部と係合される前記引き抜き用係合部と、前記介挿部材に形成されたストッパ当接部(211)が当接されることで前記介挿部材の前記第1可動端部への押し込み方向の移動を規制する押し込みストッパ部(243)が設けられ、
    素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点(5)からの距離が遠い介挿部材ほど、前記ストッパ当接部が前記押し込みストッパ部に当接された状態における係合受け部の位置が、引き抜き用係合部との係合位置から遠いことを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用工具。
  3. 前記係合受け部が前記介挿部材の基端部の側部に突設された突起であり、前記引き抜き用係合部が前記基端部収納穴内に突設された突部であり、
    素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点(5)からの距離が遠い介挿部材ほど、前記介挿部材の前記ストッパ当接部が前記押し込みストッパ部に当接された状態において、係合受け部と引き抜き用係合部との間に確保したクリアランス(c)が大きいことを特徴とする請求項2記載の光コネクタ用工具。
  4. 両側からの側圧による介挿部材駆動部の変形で移動された前記介挿部材が予め設定した位置に達したことを検知して検知信号を発する移動検知機構を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  5. 前記移動検知機構が、前記介挿部材の側部に突設されている接触突部(214)と、前記ストッパ部あるいは前記第2可動端部に突設され前記接触突部に接触される接触片(22k)とで構成され、
    前記接触突部及び/又は前記接触片が、前記介挿部材の移動によって、互いに接触して弾性変形された後、前記接触が解除された際に、前記検知信号として音を発する弾性片であることを特徴とする請求項4記載の光コネクタ用工具。
  6. 前記検知信号が、前記介挿部材前記光コネクタのクランプ部の素子間に挿入されている前記介挿部材が前記素子間から引き抜かれる位置に到達した際に、発せられるようになっていることを特徴とする請求項4又は5記載の光コネクタ用工具。
  7. 前記光コネクタが、フェルール(31)と、このフェルールの突き合わせ接続用の先端面(31a)とは反対側の後端側に組み立てられた前記クランプ部とを具備し、前記クランプ部が、前記フェルールに内装固定された光ファイバ(38)と該光ファイバに対して突き合わせ接続された別の光ファイバ(4)とを半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  8. 前記クランプ部の半割りの素子は、半割りの一方であるベース側素子(31c)と、半割りの他方を構成し前記ベース側素子との間に光ファイバを挟み込む複数の蓋側素子(321a、321b)とで構成されており、
    前記クランプ部の軸方向に沿って配列された複数の蓋側素子に対応させるように、各介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置がずられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  9. 前記介挿部材駆動部は、2つの連結プレートをヒンジ部(27)で連結した構成の一対の連結壁部(25a、25b)によって、前記ストッパ部と前記第1可動端部との間を連結した構成であり、介挿部材を介して両側の連結壁部が介挿部材を介して対称形をなしていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  10. 前記ストッパ部が、前記光コネクタを収容する溝状の収容凹所(22a)と、この収容凹所内に突設され、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁(22f、22i)とを具備するコネクタホルダ部(22)であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  11. 前記ストッパ部には、前記光コネクタを前記ストッパ部に保持するためのリテーナ(50)を介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部(222)が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  12. 前記介挿部材と前記駆動部とは互いに異なる材質からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  13. 前記介挿部材と前記駆動部とは互いに異なる樹脂からなることを特徴とする請求項12記載の光コネクタ用工具。
  14. 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタの外側に請求項1〜13のいずれかに記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてあることを特徴とする工具付き光コネクタ(1)。

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