JP5469522B2 - 電気化学セル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、小型で薄型の電気化学セルの外装容器と電気化学セル及びその製造方法に関するものであり、特に、SUS316Lを用いてレーザー溶接により構成する外装容器に関するものである。
長期信頼性の高い小型の薄型の電気化学セルが必要とされている。そのためには、小型でありながら、電気化学セルの容器自体が過酷な環境下でも変形せず、かつ気密を損なわない必要がある。容器の形状としては、角型が周知である(例えば、特許文献1)。容器内に収納された素子の電圧は、容器の側面(上面)に設けられている貫通固定された正負一対の端子によって外部に取り出される構造になっている。また、角型容器は、通常、開口部を有する角型のケースと、前記開口部を気密に覆うような板形状からなるリッドの2体ものからなり、正負一対の端子の内少なくとも1つの端子は、前記リッドに配置されている構造が慣用されている。
前記ケースとリッドの材料は、例えば耐食性に優れたステンレス、具体的にはSUS316Lが慣用される。リッドに設けられた端子が、ガラス等からなるハーメチック封止を構成する場合は、端子の気密性は極めて優れており、外部から水分などの浸入を防ぎ、かつ、容器内部に用いられる電解液が端子から漏液をすることを防ぐことが可能である。また、リッドをケースの開口面に位置合わせをしたのち、パルスレーザーを開口面の輪郭形状に倣って一周走査させて両者を溶接し、気密封止する方法がある(例えば、特許文献2)。
特開2002−353078号公報 特開2000−243407号公報
携帯機器等の薄型の電子機器には、電気化学セルの容器自体にも薄型化が求められるので、ハーメチック構造を有するリッドにおいては、ハーメチック部と溶接領域が極めて接近することが起きる。このときは、レーザー溶接による急激な局所的温度上昇と応力の増加で、ハーメチック構造をなすガラスなどの脆性材料にクラックが入り、ハーメチック部の気密性を損なう可能性があった。特許文献2では、ハーメチック封止部のガラスにクラックが入ることなくメタルトップ(リッドに相当する)の封口不良を減らす手段として、メタルトップに塗布したサーモペイントの変色をモニタしながらレーザーの照射出力を調整する手段が提示されている。しかし、ハーメチックガラスのクラックに重要な影響を与える円形のガラスの外縁とレーザー照射のスポット位置までの距離については、議論がされていない。
本発明は、外装容器として慣用されるSUS316Lを用いる場合に、ハーメチック封止部のガラスにクラックが誘発され難い前記距離について明確にして、前記距離を満足するような小型化、薄型化を可能にする外装容器とそれを用いた電気化学セルとその製造方法を提案するものである。
請求項1に係る発明は、SUS316Lからなるリッドと、発電要素と、前記発電要素を収納する凹部とを有するSUS316Lからなるケースとからなる電気化学セルであって、前記リッドと前記ケースはレーザーの走査照射により溶接されて外装容器を構成し、前記外装容器は、長さ5〜30mm、幅5〜30mm、高さ3〜10mmであり、前記ケースは、SUS316Lの熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有するガラスを構成要素とする少なくとも一つのハーメチック封止部を前記ケースの底面に有し、前記レーザーの走査軌道と前記ハーメチックガラスまでの距離が、4.8mm以上で35mm以下であることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電気化学セルであって、前記ガラスは二酸化珪素、酸化亜鉛及び酸化チタンの混合パウダーの焼結体であることを特徴とする電気化学セルとした
請求項に係る発明は、請求項に記載の電気化学セルであって、前記ケースには2個の前記ハーメチック封止部が設けられ、前記ハーメチック封止部を構成する金属製の芯線と前記外装容器とが電気的にフローティングであることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項に係る発明は、請求項記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、前記ケース底面の長手方向の一端に前記短手方向に並置されていることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項に係る発明は、請求項記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、前記ケース底面の長手方向の両端に配置されていることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項に係る発明は、請求項記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、1個のハーメチックガラスの中に一対の芯線が設けられていることを特徴とする電気化学セルとした。
また、上述の電気化学セルを表面実装型に対応させるために以下の提案をする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた小孔から突出した前記ハーメチック封止部の芯線と外部端子とが接合され、の外部端子が前記外装容器に接続されていることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項に係る発明は、請求項または請求項記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた2個の小孔から突出した一対の前記ハーメチック封止部の芯線が、前記芯線に対応して並置された一対の外部端子と接合されて構成されることを特徴とする電気化学セルとした。
請求項に係る発明は、請求項記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には前記ケースの長手方向の両端に絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた小孔から突出した前記ハーメチック封止部の芯線と外部端子が接合されたことを特徴とする電気化学セルとした。
請求項10に係る発明は、請求項ないしに記載の表面実装型電気化学セルであって、前記絶縁手段は絶縁板であ絶縁手段には外部端子の厚みに近似した深さで、前記外部端子の外形形状に倣った溝が形成されていることを特徴とする電気化学セルとした。
更に、上述の電気化学セル及び表面実装型電気化学セルの製造方法を提案する。
請求項11に係る発明は、SUS316Lからなる板状のリッドと、底面になくとも一つのSUS316Lの熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有するガラスからなるハーメチック封止部を有するSUS316Lからなるケースとが、レーザー走査軌道から前記ハーメチックガラスの外縁までの距離が4.8mm以上で35mm以下に構成されるように長さ5〜30mm、幅5〜30mm、高さ3〜10mm外装容器を製造する外装容器製造工程と、発電要素を前記外装容器内に収納するリード/芯線接続工程と、前記リッドとケースをレーザーの走査照射によって溶接するレーザー溶接工程とからなる電気化学セルの製造方法とした。
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の電気化学セルの製造方法であって、前記ケースの底面絶縁手段を設ける絶縁手段配置工程と、前記ケースの外側の底面に突出したハーメチック部の芯線と外部端子を接続する外部端子接続工程さらにむ電気化学セルの製造方法とした。
材質がSUS316Lからなるリッドと、ガラスを構成要素とする少なくとも一つのハーメチック封止部と発電要素を収納する凹部とを有するSUS316Lからなるケースとが、レーザーの走査照射により溶接されて外装容器が構成されている電気化学セルであって、レーザーの走査軌道と前記ハーメチックガラスまで距離が、4.8mm以上で35mm以下になるように構成されている電気化学セルとしたので、レーザーの走査軌道とハーメチックガラスまでの距離が実用上溶接が可能であって、かつ小型で薄型の外装容器を実現できる寸法内に収めることができる。従って、前記距離を長くとりすぎて容器の寸法が大きくなることを防ぐことが出来る。
また、前記ケースに設けられたハーメチック封止部がケースの底面に配置されている電気化学セルとしたので、前記距離をケースの底面側に長く取るようにすることで、薄型の外装容器とすることができる。
また、ケースを円筒状の容器とした場合は、ケースの底面にハーメチック封止部を設けているので、ケースの直径が3mmから13mmの範囲であっても、前記距離を満足する細い径を持つ円筒容器の電気化学セルを実現できる。
また、前記ケースに設けられたハーメチック封止部は2個であり、前記ハーメチック封止部を構成する金属製の芯線と外装容器とが電気的にフローティングである電気化学セルとしたので、外装容器には、充電電流、放電電流、漏洩電流が流れない。従って、容器を構成する金属材料の耐腐食性を大幅に向上できる。
また、前記ケースに設けられた2個のハーメチック封止部は、具体的には、ケース底面の長手方向の一端に並置されている電気化学セルとしたので、セルの電極から延出されるリードと接続しやすく、また、電気化学セルの組立が容易である。
また、前記ケースに設けられた2個ハーメチック封止部が、ケース底面の長手方向の両端に配置されている電気化学セルとしたので、幅の細い電気化学セルの外装容器にすることができる。
また、前記ケースに設けられたハーメチック封止部は、1個のハーメチックガラスの中に一対の芯線が設けられているので、幅の細い電気化学セルであっても、ケースの底面の長手方向の一端にハーメチック封止部を設けることができる。
また、上述の電気化学セルを表面実装型に対応させるため、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた小孔から僅かに突出したハーメチック封止部の芯線と外部端子とが接合され、もう一方の外部端子が外装容器の金属に接続されて構成される表面実装型電気化学セルとしたので、電気化学セルの正負の電極が実装するプリント基板に混触することなく、また確実に接続することができる。
また、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた2個の小孔から僅かに突出した一対のハーメチック封止部の芯線が、前記芯線に対応して並置された一対の外部端子と接合されて構成される表面実装型電気化学セルとしたので、
また、前記ケースの外側の底面にはケースの長手方向の両端に絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた小孔から僅かに突出したハーメチック封止部の芯線と外部端子が接合された電気化学セルとしたので、電気化学セルの幅が狭く、長手方向に長いセルであっても、実装の位置精度や固着強度を低下させずに実装可能である。
また、表面実装型電気化学セルであって、前記絶縁手段は絶縁板であって、該絶縁手段には外部端子の厚みに近似した深さで、外部端子の外形形状に倣った溝が形成されているので、外部端子を位置精度よく、かつ、強固に接続できる。従って、実装性に優れている。
また、電気化学セルの製造方法として、SUS316Lからなる板状のリッドと、発電要素を収納する凹部と底面にすくなくとも一つのガラスからなるハーメチック封止部を有するSUS316Lからなるケースとが、レーザー走査軌道から前記ハーメチックガラスの外縁までの距離が4.8mm以上で35mm以下に構成されるように外装容器を製造する外装容器製造工程と、前記リッドとケースをレーザーの走査照射によって溶接するリッド/ケースレーザー溶接工程とを含む製造方法としてので、外装容器のハーメチック封止部のガラスにクラックを誘発することなく電気化学セルを製造できる。
また、表面実装型電気化学セルの製造方法として、SUS316Lからなる板状のリッドと、発電要素を収納する凹部と底面にすくなくとも一つのガラスからなるハーメチック封止部を有するSUS316Lからなるケースとが、レーザー走査軌道から前記ハーメチックガラスまでの距離が4.8mm以上で35mm以下に構成されるように外装容器を製造する外装容器製造工程と、前記リッドとケースをレーザーの走査照射によって溶接するリッド/ケースレーザー溶接工程と、前記ケースの底面と外部端子の混触を防止するための絶縁手段を設ける絶縁手段配置工程と、前記ケースの外側の底面に突出したハーメチック部の芯線と外部端子を接続する外部端子接続工程を含む製造方法としたので、外装容器のハーメチック封止部のガラスにクラックを誘発することなく電気化学セルを製造でき、かつ、ケースと外部端子が混触することなく接続された表面実装型電気化学セルを製造できる。
本発明の第1実施形態に係る電気化学セルを説明する図である。 本発明の実施形態に係る距離の定義を説明する図である。 本発明の実施形態に係る計算機シミュレーションを説明する図である。 本発明の実施形態に係る計算機シミュレーションの結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る距離の例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る電気化学セルの製造フローである。 本発明の第2実施形態に係る電気化学セルを説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る電気化学セルの変形例である。 本発明の第3実施形態に係る表面実装型電気化学セルを説明する図である。 本発明の第4実施形態に係る表面実装型電気化学セルを説明する図である。 本発明の第5実施形態に係る電気化学セルを説明する図である。
(第1実施形態)
本発明の第一実施形態の電気化学セル1について図1を援用して説明する。図1(a)に、電気化学セル1の斜視図を示す。電気化学セルの外装容器は、直方体形状なし、ケース2とリッド3がケースの開口面で溶接されている。リッドには、封止栓4が溶接されている。外装容器の材料は耐腐食性に優れたステンレス材料であるSUS316Lが用いられている。ここで、容器の長さ(L)、幅(W)、高さ(H)は、それぞれ、5mm〜30mm、5mm〜30mm、3mm〜10mmの範囲の寸法をした、小型で薄型の容器となっている。
図1(b)は、(a)のAA断面を示す。容器内部には、発電要素であるセルの電極7と図示しない電解質が充填されている。ケース2の底面2cには、ケース小孔2aが設けられ、そのケース小孔2aには、ハーメチック封止部が形成されている。ハーメチック封止部は、ハーメチックガラス5とガラスを貫通するSUS316Lからなる芯線6によって構成されている。セルの電極7から引き出される一対の正負をなすリード8は、その一方の8aが、芯線6に接続されて、容器外部に引き出される。他方のリード8bはリッド3に接続されている。即ち、外装容器が正負どちらかの極となっている。
リッド3は、ケース2の端面2bで、ケースの開口面を環状に一周して気密にレーザー溶接されている。LAはレーザー照射を模式的に示したもので、ケース2とリッド3が突合せ溶接される。ワークそのものか、もしくはレーザー側が平面内で移動して走査溶接が行われる。
図1(c)は、セルの電極7に接続されるリード8aとハーメチック封止部の芯線6との接続を説明する模式図である。セルの電極7は、小型で薄型の電気化学セルの場合は、容器内にできるだけ隙間なく充填させて高容量なセルにすることが求められている。本電気化学セルでは、リード8aを幅広くかつ長めにとって、セルの電極7が芯線6を隠さないように離した状態にして、芯線の上方からリード8aと芯線6をレーザースポット溶接で接続している。その後、セルの電極7を容器内に収納して電気化学セルを組立てることができる。
本電気化学セルは、以下に説明するように、(b)に示すケースの開口端からハーメチックガラスの外縁までの距離を示す太い破線の長さが、ある閾値を超えるように設計されたものである。これにより、レーザーの走査照射によってハーメチックガラスにクラックが誘発されないようになっている。
次に、レーザー照射面からハーメチックガラスの外縁までの距離とレーザーの走査軌道について図2を援用して詳細に説明する。
まず、レーザー照射面からハーメチックガラスの外縁までの距離について説明する。図2(a)、(b)、(c)は、外装容器のハーメチック封止部近傍の断面図であり、リッド3との組合せの仕方で分類している。ここで、(a)は、ケース2の開口端でリッド3が挿入されてレーザー照射LAによって溶接されている。ここで、太い破線が示すように、ケースの開口端からケースの厚み中心に沿ってハーメチックガラスの外縁に到る長さを距離dとする。図は、ケース底面の曲率を誇張して描いた図であるが、曲率による4分の1円の弧の長さを加えるべきことを示している。また、(b)のリッドとケースの溶接形態は、ケース2の開口端に周辺部が薄肉に加工されたリッド3をレーザー照射LAで溶接する場合であるが、この場合においても、距離dはケースの開口端からケースの厚み中心に沿ってハーメチックガラスの外縁に至る長さとする。また、(c)のリッドとケースの溶接形態は、リッドの厚肉部をケース内にはめ込み、リッドの薄肉部とケースの開口端を溶接する方式である。レーザー照射は、図では水平方向に示されており、外周を一周して溶接される。この場合は、距離dは、ケースの厚みの半分の長さとケースの厚み中心に沿ってハーメチックガラスの外縁に到る長さの和となる。
次に、レーザーの走査軌道について説明する。走査軌道は、(a)及び(b)のようにリッドとケースが溶接される場合は、ケースの開口端面のケースの厚みの中心を一周するものとする。(a)の場合は、リッドの外周がなす形状に一致する。これを(d)で表す。走査軌道を太い破線で示した。(b)の場合は、リッドの外周と必ずしも一致しないが、(b)のような溶接形態では、リッドの外形は、ケースの開口端面のケースの厚みの中心を一周する形状よりもやや大きいが、レーザーのスポットはリッドの外周よりもやや内側に置かれるので、ケースの開口端面の中心をとることは妥当と考える。また、走査軌道は、(c)のような溶接形態の場合においては、(e)に太い破線で示した様にケースの外周となる。
ここで、ハーメチック封止部のケース底面での位置に注意する必要がある。(d)に示すように、長手方向の位置(走査軌道からの位置をh1とした)と幅方向の位置(走査軌道からの位置をh2とした)を比較し、どちらの位置が走査軌道から短いのかを比較して、短い位置の場合の距離を距離dとする。(d)では、長手方向のほうが短く描いてある。リッドとケースの溶接形態が(c)の場合も同様であり、(e)に示すように、長手方向の位置と幅方向からの位置を比較して距離dを定める。
本発明の電気化学セルは、上記で定義した距離dが、閾値を下回らないように設計されている。次に、この閾値について述べる。
閾値については、図3及び図4を援用して詳細に説明する。図3(a)に示したケース2とリッド3をレーザーの走査照射によって溶接した場合のハーメチックガラス5に生じる最大応力について説明する。このケース、リッド、芯線の材料は、電気化学セル1と同じSUS316Lからなる。まず始めに計算機シミュレーションの方法ついて説明する。
図3(a)は、ケースの開口断面がトラック状の外装容器である。図3(b)はケース2とリッド3をレーザー溶接するときの状態を示した模式図である。リッド3には、一対のハーメチック部が配置されているが、図の左側のハーメチックガラス5に着目する(右側のハーメチックガラスに着目した場合も同様の結果が得られる)。ケース2の外側は熱伝達により十分に冷却される場合を想定した。ここで、ケース2の板厚は0.3mm、リッド3の板厚は1.5mmであり、Hは3.6mm、Wは10.0mmである。リッド中に設けられたハーメチックガラスの直径は1.2mmであり、芯線の径は0.6mmとした。ケース2の長さLは15mmである。また、ハーメチックガラスはSUS316Lと同じ熱膨張係数を有するとした。このようなハーメチックガラスは、二酸化珪素、酸化亜鉛及び酸化チタンを適量混合したパウダーを用いて製作できる。
ケース2の開口面にリッド3を挿入して面合わせした後に、レーザー光がリッドのP0の位置から出発して、一周する場合をシミュレーションする。この場合の走査軌道は、ケースの内周面が作るトラック形状である。レーザーのスポット径の中心は、ケース2とリッド3の境界面にある。まず、矢印方向に走査されて、P1を通過してハーメチックガラス5に近接する(P2近傍)。レーザー光は、更にハーメチックガラス5から離れるようにリッドの左端のP3を通過して再びハーメチックガラス5の下側に接近する(P4近傍)。P4を経過後は、レーザー光はハーメチックガラス5から離れていく。P5及びP6を順次通過して、ハーメチックガラス5から大きく離れ、リッドの右端P7に到達した後、出発点P0に戻る。わずかにオーバーラップして、P8で停止し、レーザー照射が終了する。この時、図3(b)で示す寸法Rは、レーザーの走査軌道とハーメチックガラスの外縁とが最も近接する長さであり、本シミュレーションでは、0.9mmである。尚、走査速度は毎秒4.8mmであり、照射時間の合計は5秒である。
レーザー光は、YAGレーザーであり、その出力は0.32Jとし、スポット径は0.2mmとした。P2近傍の黒丸にあるときのAB断面を図3(c)に示す。記号LAによって示されるレーザー照射によって、照射面から適当な深さまで材料は溶融する(図では模式的に逆三角の印をつけた)。尚、ここで、レーザーの出力の設定値0.32Jは、溶接面の温度が約1700℃〜1750℃の範囲に入るように出力設定された値である。このような温度範囲に入る時に実用的な溶接が可能とした。詳細は省くが、実際に本シミュレーションの数値寸法に基づいたリッドとケースを構成して溶接した実験により、レーザーの出力設定は、0.30J以上の場合に実用的な溶接が可能であることを確認している。
このようにレーザーを照射したときにハーメチックガラスに発生する引張応力のシミュレーションを図3(d)に示す。図では、応力が最も高くなるP2の値で正規化した。P2での値は、約166MPa(主応力)であった。P2の位置は、レーザーの走査軌道とハーメチックガラスとの外縁とが最も近接する黒丸の位置ではなく、本図面が示すように、黒丸をわずかに通りすぎた位置である。図3(d)では、P1からP8までの各値を緩やかな曲線で繋げて示した。横軸は、P0からP8までの照射ポイントをP0からの距離に換算したものであるが、ポイントの記号は図中の規格応力値の側に示した。
ハーメチックガラスに発生する応力は、本図に示すように、レーザーの照射位置に極めて敏感であり、かつ、近接しているときは大きな応力が発生する。レーザーの走査軌道を反映して、わずか5秒の間に、急激に大きな応力が発生してすぐに低下し、そして再び大きな応力が発生してその後徐々に低下していく。ガラスの理論強度は10GPa程度とされるが、多くのガラスの実用強度は100MPa以下であり、仮に安全率を2として見積もれば50MPa程度に過ぎない。レーザーの照射領域がハーメチックガラスに近接しているP2とP4では、50MPaの数倍の応力がかかり、照射領域がP6、P7、P8の位置に去って初めて50MPa以下になっている。
したがって、レーザーの照射領域とハーメチックガラスの外縁までの距離はハーメチックガラスの破損を招くクラックの発生に大きな影響を与えると考えられる。この視点から、図3(d)の横軸を、ハーメチックガラスの外縁とレーザー照射位置P0からP8の中心までの距離として規格化応力を示したのが、図4である。図4(a)には、P0からP8までの点が離散的にプロットされている。最大応力を示すP2は、ハーメチックガラスの外縁までの該距離が約1.0mmであり、この距離はP4も同じである。ここで、同じ距離でありながらP4のほうがP2に比較して低くなるのは、照射点がP2にある場合よりも、P4にある場合のほうがレーザーの積算照射時間が長いので、ハーメチックガラス5近傍の温度分布の差が少なく、これによって応力も僅かに低下することによる。P1、P5,P3のスポットで現される距離では、規格化応力の40%から50%の範囲であり、P6、P7、P8の離れた領域で20%以下になっている。
図4(a)の規格化応力で0.30付近に記した太い線は、先述した50MPaをP2の最大応力166MPaで規格化した値(30.1%)を示している。この値以下を与える距離を図に示すように、最大のP2の点と、一番距離の離れたP7の点での値を直線で結び、前記規格値を示す太線との交点となる値とした。図では、約4.8mm以上と読み取ることができる。即ち、レーザーの照射スポットの中心とハーメチックガラスの外縁までの距離が約4.8mm以上に設計されている場合には、ハーメチックガラスにはレーザー溶接でクラックが入りにくいと推測される。本発明では、この距離を閾値と呼ぶことにする。
この閾値は、レーザーの出力値が異なれば、変化することが予想される。レーザーの出力が高くなり、例えば0.50Jになった場合の結果を図4(b)に示す。P2での最大応力は233MPaとなるので、先述した50MPaは、約21.5%になる。この時の閾値は、図に示すように、約5.4mmとなり、0.32Jの場合よりも、約0.6mm長くなる。
0.50Jの設定出力値で実際にケースとリッドを溶接すると、両者は十分な強度を持って溶接される。溶け込み深さも200μm以上あり、かつ、溶接面も光沢が美しく実用上十分であり、これ以上の設定出力は不要と思われる。これから、小型で薄型の電気化学セルであっても、レーザーの照射領域とハーメチックガラスの外縁までの距離が約5.4mm以上に設計されている場合には、ケースとリッドの溶接が十分でありながら、ハーメチックガラスにクラックが入りにくいと推測される。
尚、レーザーの設定出力が0.30J未満の場合は、実用上十分な溶接をすることができないので、図4(a)で示した0.32J場合の閾値である約4.8mmを閾値の下限とするのが妥当と思われる。
以上の検討から、再び図1の電気化学セルの場合の外装容器に戻ると、本電気化学セルは、距離dの値が上記に説明した閾値である4.8mm以上を満たすように設計されており、更に好ましくは、5.4mm以上を満足するよう設計されている。
次に、図5を援用して、電気化学セルの高さHが4mmで幅Wが8mmの場合を例にして、距離dを具体的に説明する。ここでは、分かりやすくするために、ケース2の底面の曲率は十分に小さく無視できるとする。ハーメチックガラスの径を1.2mmとし、リッド3の幅を例えば7.2mmにする。
まず、始めにリッド3にハーメチック封止部を設けることができるか否かを検討してみる。レーザーの走査軌道をリッドの外周の形状とすれば、ハーメチックガラスの外縁までの距離dは、(7.2−1.2)/2=3.0であって、これは、閾値4.8mm未満の数値である。したがって、リッドにハーメチック封止部を構成する設計は採用できす、本発明のように、ケース側に設けることになる。
図5(a)は、ハーメチック封止部を含む断面の一部である。ケース2の厚みを0.8mmとする。太い破線で示す距離dの値を、ケース2の端面からケースの厚みの中心に沿ってハーメチックガラスの外縁に到る(3.6mm+1.2mm)=4.8mmとすると、0.32Jでの閾値4.8mmを満足する。ハーメチックガラスの端面は、ケース2の内壁から0.8mmの位置となっている。(b)は、ケースの開口面側から見た図である。太い破線で示す走査軌道kからハーメチックガラスの位置までの幅方向の水平距離は3.0mmであり、長手方向のそれは1.2mmであるから、距離dの決定に明らかに短い側を選択しており、適切である。
(c)に示すように、ハーメチック封止部を更に長手方向に移動させて、距離dとして(3.6mm+1.8mm)=5.4mmにすれば、望ましい閾値である5.4mmを満足している。幅方向は、(d)に示すように変更はない。
図には示さないが、(c)の高さを4.0mmから3.4mmに低背化すると、距離dは、(3.0mm+1.8mm)=4.8mmとなり望ましい閾値から外れるが、0.32Jでの閾値を満足するので、薄型の外装容器にすることができる。
このように、本手法は、小型化により、リッド側にハーメチック封止部を構成できない場合に、ハーメチック封止部をケース側に設けることで、閾値を満足するように外装容器を構成するものであり、リッド側に設けることができるか否かの判断基準と、ケース側に設けるときの位置の目安を与えるものである。
次に、電気化学セル1の製造方法について、図6の製造フローに基づいて説明する。図6(a)は、外装容器製造工程の製造フローを示したものであり、(b)は、該外装容器を用いた電気化学セルの組立の製造フローである。
ケース材料となるSUS316L板材を準備した(S1)後、ケースは絞り加工を行い凹型の容器を形成した(S2)。ケースの底面には、ハーメチックシール部を形成するための小孔を設けた。この小孔の位置は、前述したように、レーザーの走査起動とハーメチックガラスの外縁とが前記距離dよりも大きな距離を満足するように設定されている。また、ケースの底面でハーメチック封止部を設ける位置には、ケースの板厚を勘案して、ケースが0.2mmから0.5mm程度の板厚の場合は、ケース内面側に突起面が出るようにバーリング加工を施すのが望ましい。ケースの板厚が0.8mm程度あれば、バーリング加工をすることなくハーメチック封止部を設けることが可能である。また、ケースの開口面の端面には、リッドを挿入しリッドと面位置を合わせられるように溝加工を施す。ここで、図2(b)や(c)のようにリッドを組み合わせる場合は、本溝加工は不要である。
続いて、ステンレス表面を薬品あるいは加熱処理して酸化処理(S3)を行う。これによって、ステンレスの表面には、薄いクロム層が形成されて、ハーメチックガラスとの濡れ性が向上する。なお、加熱処理して酸化層を形成する場合には、ステンレスの耐力が低下することを勘案して、ステンレスの板厚を検討するのが望ましい。
ハーメチックガラス用のパウダーは、前述の様に二酸化珪素、酸化亜鉛及び酸化チタンを適量混合して、SUS316Lの熱膨張係数と合わせた(S10)。このガラスパウダーを型にいれてプレスをした(S11)後に、熱処理にて焼結させて(S12)、内部に貫通孔を有するガラスリングを作製した。
一方、芯線は、SUS316Lの0.1mmから2mm程度の直径を持つ線材を準備し(S20)適当な長さに切断した(S21)後、端面を平坦に処理した。薬品あるいは加熱処理により表面を酸化させて(S22)、表面にクロム層を形成した。
上記の工程後、カーボン等からなる治具を用いて、ケースにハーメチック封止部を形成する。前記ガラスリングをケースの小孔に挿入した後、前記芯線をガラスの貫通孔に挿入する。前記のガラスリングと芯線が所定の位置関係になるように前記治具をセットして、焼成炉で加熱処理を行う。これによって、ガラスリングの内周と芯線間及びガラスリングの外周とケース間でガラス−金属間結合が形成されて気密封止される。これによりハーメチック封止部が形成される(S4)。
一方、リッド3は、約0.15mm〜1mmの厚みのSUS316Lの板を、プレス処理などの機械的な方法や、エッチング処理によって形成する。また、これと同時にまたは外形形成後に、小孔3aを打ち抜き加工やエッチング処理により設ける。この小孔3aは電解質の注入に用いる。
また、封止栓4を準備する。封止栓は、リッドと同じ材質の円板状の薄板であり、その厚みは0.10mmから0.15mmとし、直径は、小孔の径よりも約0.4mm程大きな寸法のものとした。この程度の余裕があれば、栓封止工程での栓の位置決めが簡単である。
以上により、ケースとリッドと封止栓が完成し、外装容器の準備が出来上がる。
続いて電気化学セルの組立工程を図6(b)を援用して説明する。セルの電極7は、厚み5μm〜30μmのアルミニウム箔や銅箔を集電体とし、その表面に活物質を担持した一対の電極シートを、PTFEからなるセパレータを挟んで巻回状にして形成した(S30)。本実施形態では、活物質は活性炭ないし炭素である。なお、巻回によらず、積層や折り畳むことで電極を形成することもできる。正極及び負極の電極シートの箔に、それぞれアルミニウムからなる薄い細板を超音波で溶接し、リード8とした。リードの先端部には、ベースの芯線にスポット溶接する目的でアルミニウムを部分的に配置したアルミニウムとステンレスのクラッド材を超音波溶接で取り付けた(図示せず)。
セパレータは、正極及び負極の直接的な接触を規制するものであり、大きなイオン透過度を有し、所定の機械的強度を有する絶縁膜が用いられる。例えば、耐熱性が求められる環境においては、ガラス繊維の他、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂を用いることができる。また、セパレータの孔径、厚みに関しては、特に限定されるものではないが、使用機器の電流値や、電気化学セルの内部抵抗に基づいて決定される設計的事項である。また、セラミックスの多孔質体をセパレータとして用いることも可能である。
リード8aと芯線6の接続工程とリード8bとリッドの接続工程はその順序はどちらでも良く、ここでは先にリード8aと芯線を接続した。前述したように、リード8aの長さは少し余裕をみた寸法とし、リード8aの先端の前記クラッドのステンレスの部分を芯線と水平に重ね合わせ、前記重ね合わせ部の上方からレーザーをスポット照射してステンレスと芯線を溶接させた。スポット部は複数個設けて強固に接続した。ここで、リード8aはケース2の内面に混触しないように注意する必要がある。そのために、リード8aの表面を絶縁処理したり、ケースの内表面の一部に絶縁被膜を設ける等の処理を行っても良い。この後、リード8bとリッド3の裏面とを同様に溶接した(S31)。尚、リード8bはケースに接続することも可能である。続いて、セルの電極7をケース内の所定の位置に収納した(S32)。
次に、リッド/ケースレーザー溶接工程を実施する(S33)。まず、仮溶接を行った。即ち、リッド3をケース2に位置合わせし、リッド3をケース2に十分押し付けて複数点のスポット溶接を実施した。この後に、ケース2の側面と底面の両方に十分に密着する熱容量の大きいアルミ製の治具を準備してレーザー溶接を行う。レーザーの出力設定値と走査速度は、0.32Jで4.8mm/秒とした。この後、レーザーを走査照射して溶接を実施する。これによって、ケース底面に形成したハーメチックガラスにクラックを誘発させることなく、リッドとケースを溶接することができる。
続いて、セルの電極7が収納された容器を真空中で加熱して吸着した水分を脱離させた。この時、容器内表面やセルの電極内に吸着された水分は、リッドに設けられた小孔3aから真空に排気される。その後、ドライルームの中で非水電解液を所定量注入した(S34)。電解液の注入にあたっては、小孔3aから真空注入し、その後加圧を行った。注入前後での重量を測定して、不足分を大気圧で注入後に加圧を行い、規定量の範囲内であることを確認した。容器内に充填された電解液はセルの電極を浸漬させる。尚、非水電解液は、予め水分含有量を十分に低減させたものである。
電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ―ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはメチルエチルカーボネートのいずれか1種もしくは2種以上の混合物として用いられる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ―ブチロラクトン、スルホランのような沸点の高い溶媒から選ばれる単独又は複合物を用いることにより、高温環境下において容器の内部圧力を抑えることができる。電解質カチオンとしては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ホスホニウム塩、またはチオシアン塩、リチウム塩、等の一種以上の塩が使用され、一方、電解質アニオンとしてはBF4 -、PF6 -、ClO4 -、CF3SO3 -、またはN(CF3SO22 -が用いられる。
また、ポリエチレンオキサイド誘導体、又は、ポリエチレンオキサイド誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体やポリプロピレンオキサイド誘導体を含むポリマー、リン酸エステルポリマー、PVDF等と非水溶媒、支持塩と併用しゲル状又は固体状で用いることもできる。
また、LiS/SiS2/Li4SiO4の無機固体電解質を用いることもできる。更に、ピリジン系や脂環式アミン系、脂肪族アミン系やイミダゾリウム系のイオン性液体やアミジン系等の常温溶融塩を用いても構わない。
続いて栓封止工程を実施する。封止栓4を小孔3aの開口に押し当てて複数点で仮止めした後、パルスレーザーでレーザー溶接を行って気密封止した(S35)。
この後、電気化学セルの特性値である内部抵抗と容量が所定の値内であるか否かを特性検査装置で測定する(S36)。内部抵抗は、1KHzの小信号(10mA)を用いた交流抵抗法と電圧降下から抵抗値を算出する直流抵抗法を併用した。また容量は、定電流放電法によって、所定の電流で放電させ、所定の電圧低下に要する時間を計測して容量を算出した。
以上の組立工程により、電気化学セル1を製造することができる。
(第2実施形態)
続いて、図7を援用して第2実施形態を説明する。第2実施形態は、ケースの底面に一対のハーメチック封止部を持つ外装容器からなる電気化学セルである。これにより、ケース2は、ハーメチック封止部の芯線6とは絶縁される。図7(a)は、電気化学セル10の外観斜視図であり、ここで、容器の長さ(L)、幅(W)、高さ(H)は、それぞれ、5mm〜30mm、5mm〜30mm、3mm〜10mmの範囲の寸法をした、小型で薄型の容器となっている。外装容器は、ケース2とケース2の開口面にレーザー溶接されたリッド3からなり、リッド3には電解質を注入した後に気密に塞ぐために封止栓4が溶接されている。ケース2、リッド3、封止栓4の材質はSUS316Lからなっている。
図7(b)は、ケース開口面側から見たケース2内を示す図である。ケース2の底面には、ハーメチックガラス5と芯線6からなる一対のハーメチック封止部がケースの片側に並置されている。セルの電極7に接続された正負の一対のリード8(分かり易くするために外形のみ示している)は、それぞれハーメチック封止部の芯線6まで延長されて、芯線6の端面に接続されている。
図7(c)は、(b)のBB断面を示す図である。リード8は、セルの電極7からほぼ垂直に延出された後、芯線6の端面に平行になるように曲げられて接続されている。接続は、ケースの開口面側からレーザーのスポット溶接等で実施できる。このように、ハーメチック封止部をケースの底面の一端にコンパクトにまとめたので、セルの電極7に接続されるリード8はセルの電極7の片側から取り出せて芯線に接続しやすく、組立が容易になる。
また、本実施形態においても、レーザーの照射軌道とハーメチックガラスの間の距離dは、4.8mm以上に設計されている。
本実施形態では、外装容器はハーメチック封止部の芯線6と絶縁されているので、電気的にローティングの状態となる。これによって、外装容器には充電電流や放電電流のほか、漏洩電流も流れない。もともとステンレスは耐腐食性に優れているが、フローティングにすることで、更に耐食性が向上する。
図8は、本実施形態の変形例を示す図である。図8(a)は、電気化学セル20の断面図である。本電気化学セルでは、一対のハーメチック封止部が、ケース2の底面の長手方向の両端に分かれて配置されている。このような配置は、電気化学セルの幅(W)が小さい場合に有利な構造である。Wの数値が10mm以下でも、ハーメチック封止部を離れて配置できるので、太い芯線6を選択できる。従って、小型にしても、電気化学セルの内部抵抗値の増加を抑制できる。本変形例においても、距離dの値は、閾値を満足するように容器が設計されている。
図8(b)は、別の変形例の電気化学セルを示す。図面は、本電気化学セル25のケース2の開口面から見た図であり、1つのハーメチックガラス5の中に一対の芯線6を設けたものである。芯線6は、セルの電極7から延出するリード8(外形のみ示す)に溶接されている。図(b)の左側に、そのようなハーメチックガラスと芯線の例を示した。このような構造にすることで、ハーメチックガラス2個を並置するより、ガラスの外径を縮小できる。本変形例も電気化学セルの幅が細い場合に有利である。
(第3実施形態)
第3実施形態について図9を参照して説明する。図9(a)は、電気化学セル30を示す斜視図である。電気化学セル30は、その底面に外部端子を有する表面実装型の電気化学セルであって、プリント基板にリフロー実装などにより他の電子部品とともに自動実装することができるセルである。図では、第1実施形態で説明した電気化学セル1のケース2の底面に絶縁手段12が固定され、その絶縁手段12を挟んでケース底面と反対側に外部端子13が長手方向に接続されている。
図9(b)は、(a)のBB断面を示す図である。ケースの底面に着目すると、ケースの底面2cのハーメチック封止部近傍には、エポキシ接着剤等の固定手段11で絶縁手段12が、固定されている。ここでは、絶縁手段は薄い絶縁板で表示した。芯線6のケース底面から突出した部分は、絶縁手段12の貫通孔12aから僅かに端面が出ており、前記端面は外部端子13と接続されている。外部端子は薄い金属板であり、プリント基板15に実装される側は、僅かに屈曲されている。プリント基板15上のパターン16に接続される外部端子の水平部には、図示しないニッケルまたは金や錫の単体あるいはそれらの合金等がメッキされて、パターン16上のクリームハンダ(図示せず)との濡れ性を高めている。外部端子13は、ステンレス、ニッケルあるいはニッケルと銅のクラッド材等の高導電率を有する材料から選択されている。
絶縁手段12は、例えば、エポキシ樹脂やガラスエポキシ等のリフロー温度にも変形しない耐熱樹脂からなり、外部端子13とケースの底面2cとの電気的な絶縁を担っている。同時に、絶縁手段12は、図9(c)に示すように外部端子13(破線で示す)の固定を補助するために外部端子13の外形に倣った外部端子の板厚程度の溝12bが設けられており、この溝の中に外部端子13が収められる。そして、芯線6の前記突出部は、絶縁手段12に設けられた貫通孔12aに挿入され、芯線の突出部が溝12bの表面から数十μm出るようになっている。これによって、芯線6と外部端子13の確実な接合が可能になる。
図9(b)に戻って、外部端子14について説明する。セルの電極7の一方の極は前述のように芯線6と接続されているが、もう一方の極は、リード8bを介してリッド3に接続されている。従って、外装容器自体が電気的にもう一方の極となっている。外部端子14はケース2の長手方向で、ハーメチック封止部と対向する側に設けられている。L字状の金属板の起立部はケースに密着固定されており、水平部はもう一方のパターン16に接続されるように設計されている。外部端子14は、外部端子13と同様に、ステンレス、ニッケルあるいはニッケルと銅のクラッド材などの材料からなり、水平部は同様に濡れ性を高めるメッキが施されている。外部端子14は、図9(d)に示すように複数個の点でケース2の側面に強固に溶接されている。
製造方法を簡潔に説明する。図6(c)に外部端子の実装工程を示した。図6(b)の電気化学セルの組立工程の製造フローに従ってリッド/ケースレーザー溶接工程(S33)が終了したワークを出発点とする。まず、ケースの裏面に絶縁手段12を固定する(S40)。具体的には、絶縁手段としてガラスエポキシの板を所定の形状に加工し、ケースの底面2cと固着する側に熱硬化性エポキシをディスペンサーで所定量塗布した。この後、芯線6の端面が絶縁手段の貫通孔12aから所定量出ることを確認して、絶縁手段12とケースとを密着させて、乾燥炉で硬化させて固定した。
次に、プリント基板のパターン16との接触部が既に金メッキされているSUS304からなる外部端子13を準備し、絶縁手段の溝12bにはめ込み、芯線6との接触を確認してレーザースポット溶接した(S41)。
続いて外部端子13と絶縁手段12の溝との隙間に再び熱硬化性エポキシを注入し、硬化させて外部端子13を固定した(S42)。これによって、外部端子13が外力によって剥がれることを防止できる。
次に、同様にメッキ処理が済んだSUS304からなる外部端子14を準備し、ケース2の側面と位置あわせし、3点でレーザースポット溶接した(S43)。
以上で外部端子の実装工程が終了する。表面実装型の電気化学セル30はこの後、電解液注入工程(S44)、栓封止工程(S45)、特性検査工程(S46)を得て完成する。これらS44、S45、S46の工程は、既に説明したS34、S35、S36と同一であるので説明を省略する。
上述の説明では、外部端子とケース底面は板状の絶縁手段を用いて混触を防止している。絶縁方法には、この他に、耐熱性の絶縁被膜、例えば、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を塗布する方法や、フィルム状の絶縁膜を貼りつける方法でもよい。あるいは、ケース底面に絶縁手段を配置するのではなく、外部端子側に設けてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態について図10を援用して説明する。第4実施形態は、第2実施形態及びその変形例の電気化学セルを表面実装化したものである。図10(a)に示す表面実装型電気化学セル40は、電気化学セル10を表面実装化したもので、ケース2の底面に絶縁手段12と一対の外部端子13が設けられ、セルの長手方向の対向側には、プリント基板にセルを固定するための固定板17(破線で示す)が設けられたものである。
絶縁手段12には、図(b)に示すように、一対の芯線に対応するための2つの貫通孔12aが明けられ、また、一対の外部端子13(破線で示す)に対応するように2つの溝12bが設けられている。絶縁手段12とケース2との固定や外部端子13との接続方法は、第3実施形態で説明した方法と同様であるので省略する。
一方、固定板17は、形状は外部端子14と類似するが、その役割は全く異なる。ケース2は、芯線と絶縁されているので、固定板17は絶縁性材料でも良い。プリント基板15に機械的に固定させることだけの役割となる。ケース2との溶接性を勘案してSUS304などの導電性材料を選択する場合は、固定板17と接続するプリント基板のパターン16は、他の回路と絶縁されている必要がある。本実施形態は、電気化学セル25を表面実装型にする場合にも適用可能である。尚、本実施形態の電気化学セルでは、図6(c)に示す外部端子の実装工程において、外部端子接続(S43)の工程は、固定板接続と読み替えるものとする。
図10(c)に示す表面実装型電気化学セル50は、第2実施形態の変形例で示した電気化学セル20を表面実装化したものである。ここでも、ケースの底面に絶縁手段と外部端子が設けられる。(d)は、(c)のCC断面を示しており、ケース底面の両端に外部端子13が設けられている。このようにすることで、電気化学セルの幅(W)が狭く、長手方向に長いセルであっても、実装の位置精度や固着強度を低下させずに実装可能である。本実施形態の電気化学セルでは、絶縁手段12とケース2との固定や芯線6と外部端子13との接続方法は第3実施形態で説明した方法と同様である。尚、図6(c)に示す外部端子接続(S43)の工程は、外部端子接続(S41)で既に実施されているので、削除されるものとする。
(第5実施形態)
上述した第1実施形態から第4実施形態までの電気化学セルの外形は、薄型で略直方体の形状をしており、プリント基板に実装した場合の面積効率に優れていた。しかしながら、本発明は、円筒型の電気化学セルにも適用できる。
図11(a)は、円筒型の電気化学セル60の断面を示すものである。外装容器は、直径Dの有底円筒型のケース2と円板状のリッド3からなる。ケース2の底面には、ハーメチック封止部が形成されており、ハーメチックガラス5には1つの金属からなる芯線6が貫通して絶縁固定されている。ケース2内には、セルの電極7と図示しない電解質が充填されている。セルの電極7に接続する一対のリードは、芯線6の端面及びリッドとそれぞれ接続している。
リッド3はケース2の開口面に挿入されて位置決めされており、レーザーの走査照射によってリッドの外周を一周し、若干のオーバーラップを持って溶接されている。電解質がリッド3の小孔から注入された後に、リッドと同一の材質からなる封止栓4で溶接され気密に封止されている。
本実施形態においてもレーザーの走査軌道とハーメチックガラスの外縁までの距離dは、4.8mm以上に設計されている。
芯線6とリード8との接続は、リードの長さを予め長く準備して、セルの電極7が芯線との接続で邪魔にならないような位置にして行う。この後、セルの電極7をケース内に収納して組立てる。
ここで、ケースの底面にハーメチック封止部を形成する方法を説明する。(a)に示すように、ケースの底面に明けた小孔をバーリング加工を施して形成することができる。また、(b)のように、ケースの底面に孔を設けて、別途準備した金属のリングを前記小孔に気密に溶接し、その後に、前記金属リングにハーメチック封止部を形成することができる。また、(c)のようにケースの板厚を勘案して、ケース底面の板厚を芯線の太さ以上にして、ケース底面に設けた孔に直接ハーメチック封止部を設ける方法もある。一方、(d)は、これらの方法とは異なり、ケース2は円筒のパイプからなっていて、底面を別途に設ける方法である。底面になる円板の板厚を適切に選択して、まずハーメチックガラスのリングを挿入するための小孔を設けておき、該円板をケースと気密溶接する。この後、前記小孔にガラスと芯線を位置合わせして焼成し、ハーメチック封止部を形成することができる。(d)による方法では、ケースに円筒のパイプの規格品を用いることでケースの製作が容易となる。
次に(a)で示された直径Dについて記述する。本実施形態で有効な直径Dは、概略3mmから13mmの範囲のものである。まず、Dの寸法の上限は、次のように考えられる。13mmを超えるような場合は、従来のようにリッド側にハーメチック封止部を設けても、ハーメチックガラスの外縁とレーザー溶接の走査軌道(その直径をD1とする)との距離は、限界の閾値である4.8mmを超え、望ましい閾値である5.4mmを満足することが可能である。具体的に、Dの寸法が15mmであって、D1=14mmとし、ハーメチックガラスの外径が2mmである場合は、走査軌道とハーメチックガラスとの距離は、(14−2)/2=6mmであり、望ましい閾値よりも大きいので、ハーメチックガラスにクラックを誘発せずに溶接が可能と判断される。従って、このような口径の電気化学セルは、従来の技術のようにリッドの中心に直径2mmのハーメチックガラスを有するリッドを準備することで足りる。
しかしながら、より細い電気化学セル、例えば、直径Dが13mmで、D1が12mmの場合は、同じく外径が2mmのハーメチックガラスを用いると、(12−2)/=5mmとなり、閾値である4.8mmは満足するが、好ましい閾値である5.4mmは満足していない。この場合、芯線の太さを細くし、ハーメチックガラスの外径を1.2mmとすれば、(12−1.2)/2=5.4mmとなって好ましい閾値の値となる。更に直径を細くし、D=10mmでD1=9mmとすれば、(9−1.2)/=3.9mmとなって、もはやハーメチックガラスを小さくしても閾値をこえることができない。
従って、直径D=13mmは、従来例と本手法との境界値になる大きさであると考えられる。従って、この場合は、本実施形態が示すように、ハーメチックガラスは、ケースの底面側に設置する必要がある。このようにすることで、ハーメチックガラスの外縁とレーザー走査軌道との距離を伸ばすことができる。
一方、Dの下限値は、3mmと見積もった。リッドに設ける小孔3aの径としては約1mm以上が実用的であることからリッドの径として3mm以上が望ましい。また、内径が3mm以下のケースに精度良くハーメチック封止部を形成する場合には、高い加工精度が必要なことから、これ以上に細い径は量産製品としては歩留低下につながり好ましくない。以上を勘案して、下限値を3mmとした。
以上、5つの実施形態を説明したが、本電気化学セルは、距離dの値が上記に説明した閾値である4.8mm以上を満たすように設計されており、更に好ましくは、5.4mm以上を満足するよう設計されていた。ここで、距離の上限について述べる。本発明の技術範囲は、小型で薄型の電気化学セルに関するものであり、プリント基板に実装される外装容器の大きさは、長さ(L)、幅(W)、高さ(H)は、それぞれ、5mm〜30mm、5mm〜30mm、3mm〜10mmの範囲の寸法を想定している。従って、この場合の距離の上限は、高さが10mmで、長さ又は幅が30mmのケースの底面の中心に直径の2mm程度のハーメチックガラスが設置される場合を想定して、概略で計算すれば、10+15−1=24mmとするのが妥当と考えられる。
一方、第5実施形態のような円筒形の外装容器では、体積が最も小さい標準的な乾電池である単5形(R1)の高さ30.2mmと直径12.0mmの場合を想定して検討した。直径が12.0mmであるから、先に記述したようにD=13mm以下であり、本手法が好適である。直径2mmのハーメチックガラスが底面に設けられた時の距離を概略で計算すると、30+6−1=35mmである。この数値は、先の24mmも大きい。従って、どちらの場合にも通用する上限値としては、約35mmとなる。
本発明の技術範囲は上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、芯線はストレートである必要はなく、ケース内で折り曲げたりする加工は自由である。また、芯線の太さは一定である必要はなく、芯線の一方の端がヘッダー加工されてリードや外部端子との接続が容易になるように工夫されていても良い。リード8との接続を容易にするために芯線がケース内で折り曲げられていたり、芯線にヘッダー加工があると、ハーメチック封止部の組立作業でも、カーボン治具等で位置決めして拘束する箇所や面積が増えるので芯線をガラス内に垂直に固定しやすくなる。
また、芯線とリード及び芯線と外部端子とはレーザースポット溶接する例を説明したが、抵抗溶接や電子ビーム溶接であっても良い。
また、ケースは絞り加工により製造する例を示したが、切削加工であっても良い。
さらにまた、本発明は、外装容器の材料としてSUS316Lを慣用する電気化学セルに関するものであるが、SUS316Lを外装容器とする他のセンサー、半導体、圧電体、それらのモジュールからなる電子部品にも適用できる。
1、10、20、25、30、40、50、60 本発明に係る電気化学セル
2 ケース
2a ケース小孔(ハーメチック封止用)
2b ケース端面
2c ケース底面
2d ケース底面に形成したバーリング
2e ハーメチック封止用リング
3 リッド
3a 小孔
4 封止栓
5 ハーメチックガラス
6 芯線
7 セルの電極
8、8a、8b リード
11 固定手段
12 絶縁手段
12a 貫通孔
12b 溝
13、14 外部端子
15 プリント基板
16 パターン
17 固定板
d 距離
k 走査軌道
LA レーザー照射

Claims (12)

  1. SUS316Lからなるリッドと、発電要素と、前記発電要素を収納する凹部とを有するSUS316Lからなるケースとからなる電気化学セルであって、
    前記リッドと前記ケースはレーザーの走査照射により溶接されて外装容器を構成し、
    前記外装容器は、長さ5〜30mm、幅5〜30mm、高さ3〜10mmであり、
    前記ケースは、SUS316Lの熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有するガラスを構成要素とする少なくとも一つのハーメチック封止部を前記ケースの底面に有し、
    前記レーザーの走査軌道と前記ハーメチックガラスまでの距離が、4.8mm以上で35mm以下であることを特徴とする電気化学セル。
  2. 請求項1に記載の電気化学セルであって、前記ガラスは二酸化珪素、酸化亜鉛及び酸化チタンの混合パウダーの焼結体であることを特徴とする電気化学セル。
  3. 請求項に記載の電気化学セルであって、前記ケースには2個の前記ハーメチック封止が設けられ、前記ハーメチック封止部を構成する金属製の芯線と前記外装容器とが電気的にフローティングであることを特徴とする電気化学セル。
  4. 請求項に記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、前記ケース底面の長手方向の一端に前記短手方向に並置されていることを特徴とする電気化学セル。
  5. 請求項に記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、前記ケース底面の長手方向の両端に配置されていることを特徴とする電気化学セル。
  6. 請求項に記載の電気化学セルであって、前記ハーメチック封止部は、1個のハーメチックガラスの中に一対の芯線が設けられていることを特徴とする電気化学セル。
  7. 請求項に記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、
    前記絶縁手段に設けられた小孔から突出した前記ハーメチック封止部の芯線と外部端子とが接合され、
    別の外部端子が前記外装容器に接続されていることを特徴とする電気化学セル。
  8. 請求項または請求項記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた2個の小孔から突出した一対の前記ハーメチック封止部の芯線が、前記芯線に対応して並置された一対の外部端子と接合されて構成されることを特徴とする電気化学セル。
  9. 請求項記載の電気化学セルであって、前記ケースの外側の底面には前記ケースの長手方向の両端に絶縁手段が設けられ、前記絶縁手段に設けられた小孔から突出した前記ハーメチック封止部の芯線と外部端子が接合されたことを特徴とする電気化学セル。
  10. 請求項ないしのいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記絶縁手段は絶縁板であり、該絶縁手段には前記外部端子の厚みに近似した深さで、前記外部端子の外形形状に倣った溝が形成されていることを特徴とする電気化学セル。
  11. SUS316Lからなる板状のリッドと、底面になくとも一つのSUS316Lの熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有するガラスからなるハーメチック封止部を有するSUS316Lからなるケースとが、レーザー走査軌道から前記ハーメチックガラスまでの距離が4.8mm以上で35mm以下に構成されるように長さ5〜30mm、幅5〜30mm、高さ3〜10mmの外装容器を製造する外装容器製造工程と、
    発電要素を前記外装容器内に収納するリード/芯線接続工程と
    前記リッドと前記ケースをレーザーの走査照射によって溶接するレーザー溶接工程とからなることを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  12. 請求項11に記載の電気化学セルの製造方法であって、
    前記ケースの底面に絶縁手段を設ける絶縁手段配置工程と、
    前記ケースの外側の底面に突出したハーメチック部の芯線と外部端子を接続する外部端子接続工程さらに含むことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
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