JP2009260023A - 電気化学セル、その製造方法及びシール部材 - Google Patents

電気化学セル、その製造方法及びシール部材 Download PDF

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Abstract

【課題】容器を構成する部材同士の絶縁を確保しながら、内部の気密性を向上させることができる電気化学セル、その製造方法及びシール部材を提供する。
【解決手段】電気2重層キャパシタ10は、正極缶11及び負極缶12で構成された容器を備えている。これら正極缶11及び負極缶12の間には、円環状のガラスリング13及び金属リング14で構成されるシール部材15が配置されている。ガラスリング13は、正極缶11のフランジ部11aに焼結されて形成され、その負極缶12側にメタライズ部13aが形成される。このメタライズ部13aと金属リング14のロウ材14aとがロウ付けされてガラスリング13及び金属リング14が一体化される。金属リング14には、メッキ層14bが形成され、このメッキ層14bが負極缶12に溶接されて、正極缶11と負極缶12とで気密容器が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器を構成する部材を電気的に絶縁しながら内部を密閉する電気化学セル、その製造方法及びそれに用いられるシール部材に関する。
電気化学セル、例えば、電気2重層キャパシタは、携帯機器の時計機能のバックアップ電源や、半導体メモリのバックアップ電源として慣用されている。これに用いられるコイン型の容器として、円形の正極缶と負極缶が非導電性のガスケットを介して、かしめ封口されているものがある(例えば、特許文献1)。
特開2002−190427号公報(図1)
この文献における電気2重層キャパシタでは、リフローはんだ付け可能なように、ガスケットとして硬質のエンジニアリングプラスチックを用いる。更に、気密性を改善するために、液体シール材にアスファルトを混合して用いる。このような構造においても、長期間の保存において漏液が発生する場合があり、パッケージ(容器)の構造に改善が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容器を構成する部材同士の絶縁を確保しながら、内部の気密性を向上させることができる電気化学セル、その製造方法及びシール部材を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器を備えた電気化学セルであって、前記第1導電部材と前記第2導電部材との間には、前記第1結合面及び前記第2結合面に対応する環状のガラスリングが配置されており、このガラスリングは、前記第1結合面に密着接合され、かつ表面に密着された金属によって前記第2結合面に溶接されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記ガラスリングの材料は、硼珪酸ガラス又はソーダガラスであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電気化学セルにおいて、前記ガラスリングの表面に密着され第2結合面と溶接される金属には、前記ガラスリングの材料として硼珪酸ガラスを用いた場合にはコバール又は鉄・ニッケル合金が用いられ、前記ガラスリングの材料としてソーダガラスを用いた場合には鉄・ニッケル合金又はステンレスが用いられることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学セルにおいて、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の材料は、コバール、鉄・ニッケル合金又はステンレスであることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学セルにおいて、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の少なくとも一方は、フランジ部を有した部材であって、前記フランジ部の表面に、前記第1結合面又は前記第2結合面が形成されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学セルにおいて、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の少なくとも一方の内面の一部に、絶縁膜が形成され又は絶縁被膜が施されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学セルにおいて、前記容器内には、前記第1導電部材に接続される正極活物質と、前記第2導電部材に接続される負極活物質とが収容されており、前記正極活物質及び前記負極活物質の外側に、絶縁被膜を形成したことを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学セルにおいて、前記第1導電部材及び前記第2導電部材には、それぞれに接合される外部電極端子が設けられ、これら外部電極端子は、それぞれの端子の端面が同一平面上となる構成をしていることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器を備えた電気化学セルの製造方法であって、前記第1結合面に対応する環状のガラスリングを前記第1結合面に焼結して密着接合させ、前記第1結合面とは反対側の前記ガラスリングの表面に、前記第1結合面及び前記第2結合面に対応する環状の金属リングを密着接合させ、この金属リングの表面と前記第2結合面とを溶接させて容器を形成することを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の電気化学セルの製造方法において、前記第1導電部材は、フランジ部を有した部材であって、前記フランジ部の表面に焼結させて前記ガラスリングを形成することを要旨とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の電気化学セルの製造方法において、前記第1導電部材又は前記第2導電部材の少なくとも1つには孔が形成されており、この孔を介して前記容器内部に液体を注入した後、前記孔を塞ぐ封止部材を設けたことを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器に用いられるシール部材であって、環状のガラスリングと、このガラスリングの環状の一表面に密着接合され、溶接可能な第1の金属リングとを備えることを要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のシール部材において、前記ガラスリングの前記第1の金属リング側とは反対側に、溶接可能な第2の金属リングを備えていることを要旨とする。
請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載のシール部材において、前記ガラスリングは、硼珪酸ガラスで形成され、前記金属リングは、コバール又は鉄・ニッケル合金で形成されることを要旨とする。
請求項15に記載の発明は、請求項12又は13に記載のシール部材において、前記ガラスリングは、ソーダガラスで形成され、前記金属リングは、鉄・ニッケル合金又はステンレスで形成されることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、環状の第1結合面を有した第1導電部材と、第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器を備える。更に、第1導電部材と第2導電部材との間には、第1結合面及び第2結合面に対応する環状のガラスリングが配置されており、このガラスリングは、第1結合面に密着接合され、かつ表面に密着された金属によって第2結合面に溶接されている。このため、容器を構成する第1導電部材と第2導電部材の間に絶縁部材であるガラスリングが挿入されるので、第1導電部材及び第2導電部材の絶縁を確保することができる。また、第2結合面とガラスリングとは溶接されているので、溶融した金属が優れた濡れ性をもって密着性よくこれらを接合する。従って、容器内部の気密性を向上させることができる。このため、容器内に収容される液体の漏洩の発生を大幅に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ガラスリングの材料は、硼珪酸ガラス又はソーダガラスである。このため、硼珪酸ガラス又はソーダガラスで、第1導電部材又は第2導電部材を絶縁することができる。なお、ここでソーダガラスとは、ソーダライムガラス又はソーダバリウムガラスである。
請求項3に記載の発明によれば、ガラスリングの表面に密着され第2結合面と溶接される金属には、ガラスリングの材料として硼珪酸ガラスを用いた場合にはコバール又は鉄・ニッケル合金が用いられ、ガラスリングの材料としてソーダガラスを用いた場合には鉄・ニッケル合金又はステンレスが用いられる。硼珪酸ガラスの熱膨張係数とコバールの熱膨張係数は広い温度範囲で近似している。従って、部材の寸法設計に比較的制約を受けることがない。また、硼珪酸ガラスを用いる場合には、鉄・ニッケル合金を用いることも可能である。一方、ソーダガラスの熱膨張係数と鉄・ニッケル合金の熱膨張係数は近似している。このように、熱膨張係数が近似する部材を用いると、過酷な条件においても、境界における熱膨張率差により発生する熱応力が少なくなり、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができる。従って、水分等が外部から浸入することを、より確実に遮断して、電気化学セルの品質の低下を抑制することができる。また、ソーダガラスを用いる場合には、ソーダガラスの熱膨張係数に近似したステンレスを用いることができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1導電部材及び第2導電部材の材料は、コバール、鉄・ニッケル合金又はステンレスである。このため、導電部材を、コバール、鉄・ニッケル合金やステンレスで実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、第1導電部材及び第2導電部材の少なくとも一方は、フランジ部を有した部材であって、フランジ部の表面に、第1結合面又は第2結合面が形成されている。このため、フランジ部にガラスリングを焼結させて容易に密着配置させることができ、効率よく製造することができる。
請求項6に記載の発明によれば、第1導電部材及び第2導電部材の少なくとも一方の内面の一部に、絶縁膜が形成され又は絶縁被膜が施されている。このため、容器の内部に収容される活物質による耐腐食性を向上させ、また容器内に収容される活物質が、異なる電位を有する導電部材に接触することを回避することができる。
請求項7に記載の発明によれば、容器内に収容される正極活物質及び負極活物質の外側に、絶縁被膜を形成する。このため、電極活物質は、第1導電部材及び第2導電部材と電気的に導通がない状態になるので、金属リングの溶接をより良好に行なうことができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1導電部材及び第2導電部材には、それぞれに接合される外部電極端子が設けられ、これら外部電極端子は、それぞれの端子の端面が同一平
面上となる構成をしている。このため、両端子を基板に装着することができ、実装を効率よく行なうことができる。
請求項9に記載の発明によれば、第1結合面に対応する環状のガラスリングを第1結合面に焼結して密着接合させ、第1結合面とは反対側のガラスリングの表面に、第1結合面及び第2結合面に対応する環状の金属リングを密着接合させ、この金属リングの表面と第2結合面とを溶接させて容器を形成する。このため、第1導電部材及び第2導電部材の間にガラスリングが配置されるので、このガラスリングによって絶縁を確保した電気化学セルを製造することができる。また、ガラスリングは焼結により第1結合面に密着される。更に、このガラスリングに密着した金属リングが溶接により第2結合面に接着される。溶融した金属が優れた濡れ性をもって接合する溶接が用いられるので、ガラスリングとは第2結合面との密着性を向上させることができる。従って、容器内部の気密性をより向上させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、第1導電部材は、フランジ部を有した部材であって、フランジ部の表面に焼結させてガラスリングを形成する。このため、ガラスリングを第1導電部材又は第2導電部材に効率的に形成することができる。
請求項11に記載の発明によれば、第1導電部材又は前記第2導電部材の少なくとも1つに形成された孔を介して液体を注入した後、この孔を塞ぐ封止部材を設ける。このため、容器が完成した後に、内部に液体を注入することができる。
請求項12に記載の発明によれば、環状の第1結合面を有した第1導電部材と、この第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器に用いられるシール部材であって、環状のガラスリングと、このガラスリングの環状の一表面に密着接合され、溶接可能な第1の金属リングとを備える。このため、ガラスリングによって、第1導電部材と第2導電部材との絶縁を確保することができる。また、シール部材の第1の金属リングを溶接することによって、溶融した金属が優れた濡れ性をもって接合するので、容器内部の気密性を向上させることができる。
請求項13に記載の発明によれば、前記ガラスリングの前記第1の金属リング側とは反対側に、溶接可能な第2の金属リングを備えている。このため、ガラスリングの両表面に接着された第1及び第2の金属リングが溶融して第1及び第2導電部材と接合する。溶融した金属は優れた濡れ性をもって接合するので、第1及び第2導電部材との密着性がよく、容器内部の気密性をより向上させることができる。
請求項14に記載の発明によれば、ガラスリングは、硼珪酸ガラスで形成され、金属リングは、コバール又は鉄・ニッケル合金で形成される。特に、硼珪酸ガラスとコバールは、熱膨張係数が近似しているため、これらが接合する面において熱膨張率差に起因する熱応力が少なくなる。従って、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができ、このシール部材を用いた容器内部の気密性をより高くすることができる。
請求項15に記載の発明によれば、ガラスリングは、ソーダガラスで形成され、金属リングは、鉄・ニッケル合金又はステンレスで形成される。特に、ソーダガラスと鉄・ニッケル合金は、熱膨張係数が近似しているため、これらの境界における熱膨張率差に起因する熱応力が少なくなる。従って、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができ、このシール部材を用いた容器内部の気密性をより高くすることができる。
本発明によれば、容器を構成する第1導電部材及び第2導電部材の絶縁を確保しながら
、容器内部の気密性を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した電気化学セルとしての電気2重層キャパシタの第1実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態の電気2重層キャパシタ10の正面断面図、図2は電気2重層キャパシタ10の要部の分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態の電気2重層キャパシタ10は、略円柱形状をしており、第1導電部材としての正極缶11、及び第2導電部材としての負極缶12で構成された容器を備えている。
図1及び図2に示す正極缶11は、円形の有底筒形状であり、開口部の外周にフランジ部11aが形成されている。本実施形態では、このフランジ部11aの環状の上面が第1結合面に該当する。この正極缶11は、コバール(鉄にコバルトとニッケルを配合した合金)で形成されている。このコバールの熱膨張係数は、例えば3.0〜4.0×10−6/℃程度である。また、正極缶11の内周面は、絶縁膜16によって被覆されている。
負極缶12は、円形の有底筒形状をしており、コバールで形成されている。この負極缶12の外周には、外側に傾斜して突出するフランジ部12aが形成されている。本実施形態では、このフランジ部12aの環状の下面が第2結合面に該当する。この第2結合面は、上記第1結合面と同心円でほぼ同じ幅の形状をしており、第1結合面に対応した位置にある。更に、このフランジ部12aの内側は、正極缶11のフランジ部11aに対向しており、ここにはニッケルメッキ等のメッキ処理が施されている。なお、このフランジ部12aには、メッキ処理を施す代わりに、金錫合金などのハンダ層を貼り合せ、又は銀クラッド材を貼り合せてもよい。
正極缶11のフランジ部11aと負極缶12のフランジ部12aとの間には、シール部材15が配置されている。このシール部材15によって、容器内部の空間が密閉される。シール部材15は、正極缶11及び負極缶12に比べて薄いが、図中では誇張して表示している。このシール部材15は、本実施形態では、円環状のガラスリング13及び円環状の金属リング14から構成されている。これらガラスリング13及び金属リング14も、第2結合面と同様に、第1結合面と同心円でほぼ同じ幅の形状をしており、第1結合面に対応した位置にある。
ガラスリング13は、硼珪酸ガラスで形成されている。この硼珪酸ガラスの熱膨張係数は、3.25×10−6/℃程度であり、コバールの熱膨張係数と近似する。ガラスリング13の負極缶12側の面には、メタライズ部13aが形成されている。このメタライズ部13aは、クロム層、ニッケル層、パラジウム層等からなる積層薄膜で構成されている。
金属リング14は、コバールで形成されている。金属リング14のガラスリング13側の面には、ロウ材14aが貼付されている。また、金属リング14の負極缶12側の面には、メッキ層14bが形成されている。このメッキ層14bは、ニッケルメッキと金メッキとを積層して構成されている。なお、このメッキ層14bは、他の金属で構成してもよい。また、このメッキ層14bの代わりに、金錫合金などのハンダ層を貼り合せたハンダ層やAgクラッド材を貼り合せたグラッド層を用いることも可能である。
電気2重層キャパシタ10の密閉された容器内の空間には、図1に示すように、正極活物質21と負極活物質22とがセパレータ23を介して配置されている。セパレータ23
は、正極活物質21及び負極活物質22に接続されており、かつ正極缶11の内周に嵌合している。正極活物質21は、正極缶11の底面に導電性接着剤25を介して接続されている。負極活物質22は、負極缶12の底面に導電性接着剤26を介して接続されている。更に、容器内の空間には電解液が充填されており、正極活物質21及び負極活物質22は電解液中に配置される。
(製造方法)
次に、上述した電気2重層キャパシタ10の製造方法について、図3〜図5を用いて説明する。ここでは、正極缶11に、ガラスリング13と金属リング14を順次配置することによりシール部材15を形成する。
まず、正極缶11及びシール部材15の製造方法について、図3を用いて説明する。
この製造方法においては、まず、正極缶11をプレス加工して形成する(ステップS10)。具体的には、コバールの薄板を所定の型を用いてプレス加工で打ち抜いて、フランジ部11aを備えた正極缶11を形成する。
また、硼珪酸ガラスの材料をフランジ部11aの寸法に合わせてリング状に形成する(ステップS20)。具体的には、硼珪酸ガラスの粉末を、フランジ部11aの寸法に対応する型に入れて焼結する。
そして、正極缶11とガラスリング13との位置を合わせて焼成する(ステップS30)。これにより、正極缶11のフランジ部11aにガラスリング13が接合する。
次に、ガラスリング13の表面にメタライズ処理を行なう(ステップS31)。具体的には、公知の成膜法やメッキ処理等を用いて、正極缶11に接合されたガラスリング13の表面に、クロム層、ニッケル層、パラジウム層等からなる積層膜を形成する。
また、金属リング14をガラスリング13の形状に合わせて形成する(ステップS40)。具体的には、コバール材料の薄板をガラスリング13の形状に合わせて切断することにより金属リング14を切り出す。更に、この金属リング14においてガラスリング13と接合する面に、シート状のロウ材14aを貼り合わせておく(ステップS41)。
そして、金属リング14とガラスリング13とのロウ付けを行なう(ステップS50)。具体的には、金属リング14のロウ材14aを溶融させて、金属リング14とガラスリング13とを接合する。
次に、金属リング14の表面にメッキ処理を施して、メッキ層14bを形成する(ステップS51)。本実施形態では、ニッケルメッキ処理と金メッキ処理を施す。具体的には、公知のメッキ処理により、例えば、ニッケルメッキを2〜8μm、金メッキを0.1μm〜1μmの厚みで形成する。
更に、正極缶11の内周面に、公知の技術を用いて、保護膜である絶縁膜16を形成する(ステップS52)。
次に、負極缶12の製造方法について、図4を用いて説明する。
まず、コバールの板材を所定の形状にプレス加工で打ち抜いて、負極缶12を形成する(ステップS60)。次に、この負極缶12に対してバレル研磨を実施して(ステップS61)、打抜き面のバリを除去する。この後、負極缶12の少なくとも金属リング14に対向する第2結合面に対して、ニッケルメッキ等のメッキ処理を行なう(ステップS62)。
次に、正極缶11及び負極缶12の組立方法について、図5を用いて説明する。
上述したように構成された正極缶11に、導電性接着剤25を介して正極活物質21及びセパレータ23を配置し(ステップS70)、その隙間に電解液を注入する(ステップS71)。一方、負極缶12の内面側には、導電性接着剤26で負極活物質22を貼り合せておく(ステップS80)。
次に、正極缶11と負極缶12を対向させて、負極缶12のフランジ部12aの第2結合面と金属リング14のメッキ層14bとを溶接して、リッド接合を行なう(ステップS90)。この溶接には、負極缶12の第2結合面にローラ電極を接触させてシーム溶接する方法を用いることができる。
また、レーザー溶接を用いることも可能である。この場合、例えば、レーザースポットを、負極缶12の第2結合面上を走査しながら照射して、メッキやハンダを溶融させることにより、負極缶12の第2結合面と金属リング14とを接合させる。
そして、成形した電気2重層キャパシタ10の特性を検査して(ステップS91)、問題がないかどうかを確認する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、正極活物質21に接続される正極缶11と、負極活物質22に接続される負極缶12との間に、環状のガラスリング13を配置する。このガラスリング13が、正極缶11と負極缶12との間に挿入されるので、正極缶11及び負極缶12の絶縁を確保することができる。更に、ガラスリング13は、焼成により正極缶11の第1結合面と密着され、かつ金属リング14によって負極缶12の第2結合面と溶接される。溶接により溶融した金属が優れた濡れ性をもって、ガラスリング13と負極缶12との間が接合するので、容器内部の気密性を向上させることができる。従って、長期間の保存においても、容器内に収容される電解液の漏洩を大幅に抑制することができる。
(2)本実施形態では、ガラスリング13を硼珪酸ガラスで形成し、金属リング14をコバールで形成する。硼珪酸ガラス及びコバールは、熱膨張係数が近似する。このため、過酷な条件(例えば長期間の高温多湿の環境や、温度サイクル試験のような条件)下においても、ガラスリング13と金属リング14との接合する面における熱膨張率差により発生する熱応力が少なくなり、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができる。従って、水分等が外部から浸入することを、より確実に遮断して、電気化学セルの品質の低下を抑制することができる。
(3)本実施形態では、正極缶11にガラスリング13を焼結して、ガラスリング13と正極缶11とを接着させる。このため、ガラスリング13と正極缶11とが接合する面を密着させることができる。
(4)本実施形態では、正極缶11及び負極缶12を、ガラスリング13の硼珪酸ガラスと熱膨張係数が近似するコバールで形成する。このため、ガラスリング13と正極缶11とが接合する面、又はガラスリング13と負極缶12とが接合する面において、熱膨張率差により発生する熱応力が少なくなり、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができる。
(5)本実施形態では、正極缶11のフランジ部11aに、ガラスリング13を焼結する。このため、シール部材15は、正極缶11のフランジ部11aに焼結させて容易に密着配置させることができ、電気2重層キャパシタ10を効率よく製造することができる。
(6)本実施形態では、正極缶11の内周面は絶縁膜16によって被覆させる。このため、容器の内部に収容される活物質による耐腐食性を向上させ、また容器内に収容される活物質が、極性が反対の正極缶11又は負極缶12に接触することを回避することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した電気2重層キャパシタの第2の実施形態を図3〜図6を用いて説明する。本実施形態は、上記実施形態と容器の形状とは、これに収容される部材の構成が相違する。そこで、説明の便宜上、上記実施形態と同一部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6(a)は、本実施形態の電気2重層キャパシタ30の外観斜視図であり、図6(b)は図6(a)におけるA−A方向の断面図である。また、図6(c)及び図6(d)は、電気2重層キャパシタ30の要部の分解斜視図である。
本実施形態の電気2重層キャパシタ30は、略直方体形状をしている。この電気2重層キャパシタ30は、上記実施形態と同様に、正極缶31及び負極缶32で構成された容器を備える。
正極缶31は、四角形状の有底袋形状であり、開口部の外周にフランジ部31aが形成されている。本実施形態では、このフランジ部31aの四角環状の上面が第1結合面に該当する。また、正極缶31の内周面及び底面の一部は、絶縁膜36によって被覆されている。
負極缶32は、正極缶31の形状に対応させた四角形状の薄板で構成されている。負極缶32の外縁部には、四角環状にメッキ処理が施されている。本実施形態では、このメッキ処理が施された部分が、第2結合面に該当する。この第2結合面は、第1結合面と同心の四角環状でほぼ同じ幅の形状をしており、第1結合面に対応した位置にある。更に、この負極缶32には、図6(d)に示すように、注入口38が形成されている。この注入口38には、封止部材39が嵌合される。封止部材39は、頭付きの軸部を有したリベット形状をしている。
図6(b)に示すように、正極缶31のフランジ部31aと負極缶32との間には、シール部材35が配置されている。このシール部材35によって正極缶31と負極缶32とで区画される空間が密閉される。シール部材35は、四角環状のガラスリング33及び四角環状の金属リング34から構成されている。これらガラスリング33及び金属リング34も、第2結合面と同様に、第1結合面と同心の四角環状でほぼ同じ幅の形状をしており、第1結合面に対応した位置にある。
ガラスリング33は、硼珪酸ガラスで形成されている。本実施形態のガラスリング33の負極缶32側の面には、上記第1実施形態のメタライズ部13aと同様なメタライズ部33aが形成されている。本実施形態では、ガラスリング33が四角環状であるため、メタライズ部33aも四角環状に形成されている。
金属リング34は、コバールで形成されている。本実施形態の金属リング34のガラスリング33側の面には、上記第1実施形態のロウ材14aと同様なロウ材34aが形成されている。また、金属リング34の負極缶32側には、メッキ層14bと同様なメッキ層34bが形成されている。
電気2重層キャパシタ30の密閉された空間には、正極活物質41、セパレータ43及
び負極活物質42から構成されるキャパシタセルが、折り曲げられた状態で収容されている。正極活物質41、セパレータ43及び負極活物質42のそれぞれはシート状で形成されている。正極活物質41と負極活物質42とは、セパレータ43を介して積層されている。このキャパシタセルは、一面において正極活物質41が露出し、他面において負極活物質42側がそれぞれ露出するように折り曲げられ、容器内に収容される。
そして、キャパシタセルにおける正極活物質41の露出面は、導電性接着剤25を介して正極缶31に接合される。一方、負極活物質42の露出面は、導電性接着剤26を介して負極缶32に接合される。
更に、正極活物質41と負極活物質42とを備えたキャパシタセルの周囲の空間には、電解液が充填されている。
次に、本実施形態の製造方法について説明する。
本実施形態の電気2重層キャパシタ30の容器は、上記第1実施形態の電気2重層キャパシタ10の容器と同様な方法により製造される。
具体的には、正極缶31をプレス加工する(図3のステップS10)。次に、硼珪酸ガラスの材料をフランジ部31aの寸法に合わせて四角環状に形成する(ステップS20)。そして、正極缶31と、焼結させたガラスリング33との位置を合わせて焼成する(ステップS30)。これにより、図6(c)に示すように、正極缶31のフランジ部31aにガラスリング33を接合する。次に、ガラスリング33の表面にメタライズ処理をする(ステップS31)。
一方、金属リング34をガラスリング33の形状に合わせて四角環状に形成する(ステップS40)。更に、この金属リング34のガラスリング33と接合する面に、シート状のロウ材34aを貼り合わせておく(ステップS41)。そして、金属リング34のロウ材34aを溶融させて、金属リング34とガラスリング33とを接合して、ロウ付けを行なう(ステップS50)。次に、金属リング34の表面にメッキを施して(ステップS51)、メッキ層34bを形成する。更に、正極缶31の内周面に絶縁膜36を形成する(ステップS52)。
一方、コバールの板材を所定の寸法に切断して、負極缶32を形成する(図4のステップS60)。次に、この負極缶32に対してバレル研磨を実施して(ステップS61)、負極缶32の外周の金属リング34に対向する面に対して、ニッケルメッキ等のメッキ処理を行なう(ステップS62)。
一方、シート状の正極活物質41、セパレータ43及び負極活物質42を積層してキャパシタセルを製造する。このキャパシタセルを、一側面に正極活物質41が、他側面に負極活物質42が現れるように、巻き込むように折り畳む。露出した正極活物質41、負極活物質42のそれぞれに、導電性接着剤25,26を貼り合わせる。そして、折り畳んだキャパシタセルを、正極活物質41が露出している側から正極缶31内に収容する。この場合、正極活物質41は、導電性接着剤25を介して正極缶31と電気的に接続される。
そして、正極缶31と負極缶32を対向させて、上記第1実施形態の図5のステップ90と同様に、接合する面を溶接して、リッド接合を行なう。この場合、負極活物質42は、導電性接着剤26を介して負極缶32と電気的に接続される。
この状態から容器内に電解液を注入口38から注入する。電解液の注入が完了すると、注入口38に封止部材39の軸部を挿入して、注入口38を封止部材39で完全に塞ぐ。
この後、上記第1実施形態と同様に、成形が完了した電気2重層キャパシタ30の特性
を検査し(ステップS91)、電気2重層キャパシタ30が完成する。
本実施形態によれば、上述した(1)〜(6)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(7)本実施形態では、正極活物質41、セパレータ43及び負極活物質42が一体となったシート状のキャパシタセルを折り畳んで正極缶31に収容した上、負極缶32を溶接する。そして、負極缶32の注入口38から電解液を注入し、注入口38を封止部材39で完全に塞ぐ。このため、容器内の正極活物質及び負極活物質の周囲に、一括して電解液を注入することができるので、製造工程を簡略することができる。
また、本実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記各実施形態では、電気2重層キャパシタ10,30は、正極缶11,31、負極缶12,32から構成される。ここで、図7に示すように、外部電極端子を設けることも可能である。具体的には、正極缶31に接続する正極端子47を設け、負極缶32に接続する負極端子48を設けて、電気2重層キャパシタ50を構成する。負極端子48は、負極缶32に接続される接続部48aと、基板に実装される実装部48cと、これらの間の起立部48bとから構成されている。実装部48cの下面は、正極端子47の下面と面一になるため、両端子を基板に効率よく装着することができる。
○ 上記各実施形態では、正極缶11,31にガラスリング13,33を焼結させ、このガラスリング13,33に金属リング14,34を形成することにより、シール部材15,35を、正極缶11,31及び負極缶12,32の間に形成した。これに代えて、予め形成されたシール部材を用いてもよい。例えば、図8に示すように、ガラスリング13の両側に金属リング14,54を接着させたシール部材55を用いてもよい。このシール部材55のガラスリング13には、金属リング14,54側にメタライズ部を設ける。更に、シール部材55の金属リング14,54には、ガラスリング側にロウ材を設ける。そして、これらをロウ付けして、ガラスリング13と金属リング14,54を一体化させる。更に、金属リング14,54には、ガラスリング13と反対側の表面に、メッキ層14b、54bを設ける。そして、これらメッキ層14b,54bを正極缶11及び負極缶12の間に配置して溶接して、容器を形成する。
この場合にも、ガラスリング13により正極缶11と負極缶12との絶縁が確保できるとともに、溶接により溶融された金属が優れた濡れ性をもって接合するので、容器内部の気密性を向上させることができる。また、この場合にも、ガラスリング13を硼珪酸ガラスで形成した場合には金属リングをコバール又は鉄・ニッケル合金で形成し、ガラスリングをソーダガラスで形成した場合には金属リングを鉄・ニッケル合金又はステンレスで形成するのが好ましい。硼珪酸ガラスとコバールとは熱膨張係数が近似し、またソーダガラスと鉄・ニッケル合金とは、熱膨張係数が近似する。このため、これらの接合する面において熱膨張率差に起因する熱応力が少なくなり、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができ、このシール部材を用いた容器内部の気密性をより高くすることができる。
○ 上記各実施形態では、正極缶11,31の上面と、負極缶12,32の下面との間にガラスリング13,33を配置した。これに限らず、正極缶と負極缶との間であれば、どのようにガラスリングを設けてもよい。例えば、第1導電部材を負極缶32とし、第2導電部材を正極缶31として、ガラスリング33を負極缶32に焼結して密着させ、このガラスリング33に金属リング34を密着させ、金属リング34と正極缶31とを溶接してもよい。
また、例えば、図9(a)に示すように、正極缶71の内側にシール部材75を配置し
、このシール部材75の更に内側に負極缶72を配置させた電気2重層キャパシタ70としてもよい。この場合、シール部材75は、図9(b)に示すように、ガラスリング73と、ガラスリング73の負極缶72側に配置される第1の金属リング74と、ガラスリング73の正極缶71側に配置される第2の金属リング76とから構成する。更に、第1の金属リング74には、その負極缶72側にメッキ層74bを設け、第2の金属リング76には、その正極缶71側にメッキ層76bを設ける。そして、これらメッキ層74b,76bを溶接して、正極缶71及び負極缶72を結合して、電気2重層キャパシタ70を形成する。
○ 上記各実施形態では、ガラスリング13,33は、硼珪酸ガラスで形成した。これに限らず、これ以外のガラス、例えばソーダガラスなどを用いて形成してもよい。
○ 上記各実施形態では、金属リング14,34は、ガラスリング13,33の硼珪酸ガラスの熱膨張係数と近似するコバールで形成した。ガラスリング13,33がソーダガラスの場合には、金属リング14,34を、鉄・ニッケル合金で形成してもよい。ガラスリング13,33のソーダガラスの熱膨張係数(例えば8.5〜9.0×10−6/℃)は、鉄・ニッケル合金の熱膨張係数(例えばニッケル50%混合の場合には9.4〜10.0×10−6/℃)と近似する。このため、接合する面における熱膨張率差により発生する熱応力が少なくなり、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができる。あるいは、ガラスリングがソーダガラスの場合には、金属リングはステンレスでもよい。
○ 上記各実施形態では、正極缶11,31及び負極缶12,32は、コバールで形成したが、これ以外に、鉄・ニッケル合金やステンレスを用いて形成してもよい。また、ステンレスには、ソーダガラスの熱膨張係数と近似するものが存在する。このため、ガラスリングがソーダガラスの場合には、ソーダガラスの熱膨張係数と近似するステンレスを用いて形成してもよい。また、この他のステンレスを用いる場合には、正極缶又は負極缶と、ガラスリングとの間に、ステンレスとガラスとの熱膨張係数の間の熱膨張係数を有する金属材料を介在させてもよい。このような中間の金属材料を間に用いる場合でも、境界における熱膨張率差により発生する熱応力を小さくすることができ、クラック、微小な隙間、亀裂等の損傷の発生を抑制することができる。
○ 上記各実施形態では、正極缶11,31及び負極缶12,32によって構成される容器内に正極活物質21,41と負極活物質22,42を収容した。これら正極活物質21,41と負極活物質22,42の外周に、絶縁被膜を形成してもよい。この場合、電極活物質(正極活物質21,41及び負極活物質22,42)は、正極缶11,31及び負極缶12,32と電気的に導通がない状態となるので、金属リング14,34の溶接をより良好に行なうことができる。従って、容器内部の気密性を更に向上させることができる。
○ 上記各実施形態では、電気化学セルとしての電気2重層キャパシタについて説明した。これに限らず、絶縁された2つの部材を結合するとともに内部の気密性を要する容器を備えたセルであれば、他の用途に用いられる電気化学セルにも適用することができる。
ここで、電気化学セルの発電素子として非水電解質電池を構成する場合には、正極に含まれる活物質として、以下の物質を用いることができる。
・TiS2、MoS2、NbSe3等の金属カルコゲン化物
・MnO2、MoO3、V2O5、LixCoO2、LixNiO2、LixMn2O4等の金属酸化物
・ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセン等の導電性高分子
・グラファイト層間化合物等のリチウムイオン及びアニオンを吸蔵放出可能な各種の物質
更に、負極に含まれる活物質としては特に限定されないが、SiO、WO、WO、SnO、LiAl、Li又は炭素材料等各種物質を用いることができる。
また、電気化学セルが電気二重層キャパシタを構成する場合には、活物質として、活性炭あるいは活性炭繊維を用いることができる。
第1実施形態における電気2重層キャパシタの正面断面図。 第1実施形態における電気2重層キャパシタの要部の分解斜視図。 第1実施形態における正極缶とシール部材の製造工程の流れ図。 第1実施形態における負極缶の製造工程の流れ図。 第1実施形態における組立工程の流れ図。 第2実施形態における電気2重層キャパシタの図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)におけるA−A方向の断面図、(c)及び(d)は要部分解斜視図である。 変更例における電気2重層キャパシタの外観斜視図。 変更例におけるシール部材の外観斜視図。 変更例における外観斜視図であり、(a)は変更例のシール部材を用いた電気2重層キャパシタの外観斜視図、(b)は(a)のシール部材の外観斜視図。
符号の説明
10,30,50,70…電気2重層キャパシタ、11,31…正極缶、11a,12a,31a…フランジ部、12,32…負極缶、13,33,73…ガラスリング、13a,33a…ガラスリングのメタライズ部、14,34,74…金属リング、14a,34a…シート状のロウ材、14b,34b,54b,74b,76b…メッキ層、15,35,55,75…シール部材、16,36…絶縁膜、21,41…正極活物質、22,42…負極活物質、23,43…セパレータ、25,26…導電性接着剤、38…注入口、39…封止部材、47…正極端子、48…負極端子、48a…接続部、48b…起立部、48c…実装部、54,76…第2の金属リング。

Claims (15)

  1. 環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器を備えた電気化学セルであって、
    前記第1導電部材と前記第2導電部材との間には、前記第1結合面及び前記第2結合面に対応する環状のガラスリングが配置されており、
    このガラスリングは、前記第1結合面に密着接合され、かつ表面に密着された金属によって前記第2結合面に溶接されていることを特徴とする電気化学セル。
  2. 前記ガラスリングの材料は、硼珪酸ガラス又はソーダガラスであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記ガラスリングの表面に密着され第2結合面と溶接される金属には、
    前記ガラスリングの材料として硼珪酸ガラスを用いた場合にはコバール又は鉄・ニッケル合金が用いられ、
    前記ガラスリングの材料としてソーダガラスを用いた場合には鉄・ニッケル合金又はステンレスが用いられることを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 前記第1導電部材及び前記第2導電部材の材料は、コバール、鉄・ニッケル合金又はステンレスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  5. 前記第1導電部材及び前記第2導電部材の少なくとも一方は、フランジ部を有した部材であって、
    前記フランジ部の表面に、前記第1結合面又は前記第2結合面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  6. 前記第1導電部材及び前記第2導電部材の少なくとも一方の内面の一部に、絶縁膜が形成され又は絶縁被膜が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  7. 前記容器内には、前記第1導電部材に接続される正極活物質と、前記第2導電部材に接続される負極活物質とが収容されており、
    前記正極活物質及び前記負極活物質の外側に、絶縁被膜を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  8. 前記第1導電部材及び前記第2導電部材には、それぞれに接合される外部電極端子が設けられ、
    これら外部電極端子は、それぞれの端子の端面が同一平面上となる構成をしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  9. 環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器を備えた電気化学セルの製造方法であって、
    前記第1結合面に対応する環状のガラスリングを前記第1結合面に焼結して密着接合させ、
    前記第1結合面とは反対側の前記ガラスリングの表面に、前記第1結合面及び前記第2結合面に対応する環状の金属リングを密着接合させ、
    この金属リングの表面と前記第2結合面とを溶接させて容器を形成することを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  10. 前記第1導電部材は、フランジ部を有した部材であって、
    前記フランジ部の表面に焼結させて前記ガラスリングを形成することを特徴とする請求項9に記載の電気化学セルの製造方法。
  11. 前記第1導電部材又は前記第2導電部材の少なくとも1つには孔が形成されており、この孔を介して前記容器内部に液体を注入した後、前記孔を塞ぐ封止部材を設けたことを特徴とする請求項9又は10に記載の電気化学セルの製造方法。
  12. 環状の第1結合面を有した第1導電部材と、前記第1結合面に対応する環状の第2結合面を有した第2導電部材とを結合することにより密閉する容器に用いられるシール部材であって、
    環状のガラスリングと、
    このガラスリングの環状の一表面に密着接合され、溶接可能な第1の金属リングとを備えることを特徴とするシール部材。
  13. 前記ガラスリングの前記第1の金属リング側とは反対側に、溶接可能な第2の金属リングを備えていることを特徴とする請求項12に記載のシール部材。
  14. 前記ガラスリングは、硼珪酸ガラスで形成され、
    前記金属リングは、コバール又は鉄・ニッケル合金で形成されることを特徴とする請求項12又は13に記載のシール部材。
  15. 前記ガラスリングは、ソーダガラスで形成され、
    前記金属リングは、鉄・ニッケル合金又はステンレスで形成されることを特徴とする請求項12又は13に記載のシール部材。
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