JP5467919B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関し、特に遊技盤が取り付けられる本体枠に対して開閉可能な前扉に遊技球を貯留する貯留皿が設けられ、該貯留皿に遊技球を払い出すように構成された遊技機に関する。
パチンコ遊技機などの遊技機において、遊技球が打ち出される遊技盤を備えた本体枠に対して開閉可能な前枠扉を備えたものが一般的である。この前枠扉には、遊技球を貯留する貯留皿が設けられ、本体枠から払い出される遊技球が貯留皿に貯留される。
この種の遊技機では、例えば球詰まりなどが発生したときに、前枠扉が開放され、球詰まりを解消するための作業が行われることがある。このような作業中、本体枠から遊技球が払い出されると、その遊技球が本体枠と前枠扉との間に零れ落ちることがある。これを防止するため、従来は、前枠扉の背面側に突出させた球受部を設けた遊技機が公知である(例えば特許文献1)。この従来の遊技機では、前枠扉が閉鎖された状態のとき、前枠扉の背面側に設けられた球受部が本体枠の球送出口から球流通路の内部へ進入する。この状態では、球流通路を流れてくる遊技球を球受部が受け止め、貯留皿へ案内する。一方、前枠扉が開放されるとき、球受部は球流通路から引き出され、球送出口は開閉扉により閉鎖される。したがって、この従来の遊技機では、前枠扉が本体枠から開放されることに伴い、本体枠に設けられた球送出口を開閉扉によって閉鎖することで遊技球の零れ落ちを防止している。また、この他にも、前枠扉が開放されると、本体枠に設けられた球送出口をプレート状の開閉扉によって閉鎖する例は種々存在する。
特開2008−452号公報
しかしながら、上記従来例のように、前枠扉を開放することにより、本体枠に設けられた球送出口をプレート状の開閉扉によって閉鎖する構成では、開閉扉が球送出口を閉鎖する際に開閉扉と球送出口の周縁部との間で遊技球を挟みこんでしまう可能性がある。この場合、本体枠の球送出口を完全に閉鎖することができず、その隙間を通った遊技球が本体枠と前枠扉との間に零れ落ちる可能性がある。このようにプレート状の開閉扉で本体枠の球送出口を開閉するだけでは遊技球の零れ落ちを完全に防止することは難しい。それ故、このような構成の場合は、開閉扉と球送出口の縁部との間に遊技球を挟み込まないようにするための機構を別途構築する必要がある。
ところが、そのような機構を別途構築すると、球送出口の構造が複雑化したり、部品コストが上昇するという問題がある。
そこで本発明は、比較的簡単な構成で、前扉の開放時に本体枠と前扉との間に遊技球が零れ落ちることを防止できるようにした遊技機を提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、遊技機であって、遊技球が打ち出される遊技盤が取り付けられる本体枠と、前記本体枠に対して前方側に開閉可能であり、前面側に前記本体枠から払い出される遊技球を貯留する貯留皿が設けられた前扉と、前記本体枠に設けられ、前記遊技盤の下方前面側において開口した払出路を有し、前記前扉の閉鎖時には前記払出路を開放して前記本体枠から払い出される遊技球を通過させて前記貯留皿へと案内する一方、前記前扉の開放時には前記本体枠から払い出される遊技球が前記払出路を通過することを規制する遊技球通過規制装置と、を備え、前記遊技球通過規制装置は、前記払出路を通過する遊技球を整列させた状態で通過させる通過路と、前記通過路を通過する遊技球の側部に向かって進退可能なアームとを有しており、前記前扉の開放時に前記アームが前記通過路に向かって進出した状態でロックされることにより前記通過路を通過する遊技球の側部を挟持することを特徴とする構成である。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記アームは、前記通過路の上部において前記通過路の横断方向に延設された回動軸に設けられ、前記回動軸が回動することによって前記通過路に向かって進退する構成であり、前記遊技球通過規制装置は、前記前扉の開閉に伴って前記回動軸に対して遊転することにより前記回動軸の回動可能範囲を規制する規制手段をさらに有し、前記規制手段は、前記前扉の閉鎖時に前記前扉の背面側と接触することにより前記回動軸に対して所定の回転位置となり、前記回動軸の回動可能範囲を拡大する一方、前記前扉の開放時に前記前扉の背面側との接触が解放されることにより前記回動軸に対して所定の回転方向に回転し、前記回動軸の回動可能範囲を規制して前記アームを前記通過路に向かって進出した状態でロックすることを特徴とする構成である。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記アームは、前記前扉の閉鎖時に前記通過路を通過する遊技球の押圧力によって前記回動軸を回動させて前記ガイドレールの近傍から上方に退避していくことにより、前記遊技球を通過させることを特徴とする構成である。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機において、前記アームは、可撓性部材によって構成されることを特徴とする構成である。
本発明によれば、比較的簡単な構成でありながら、前扉が開放された時には、本体枠と前扉との間に遊技球が零れ落ちることを確実に防止することができるようになる。
遊技機の外観構成の一例を示す斜視図である。 前扉を開放した状態の遊技機を示す斜視図である。 遊技機の本体枠に設けられる遊技球通過規制装置の一構成例を示す外観斜視図である。 遊技球通過規制装置の分解斜視図である。 遊技球通過規制装置を構成する本体部の内部構造を示すために一部を切り欠いた斜視図である。 本体部に形成された払出路を遊技球が通過していく場合の遊技球の通過状態を示す図である。 規制部材が所定の回転位置となって回動軸の回動可能範囲が拡大された状態における遊技球通過規制装置の断面図である。 規制部材が回動軸に対して前方方向に回転して回動軸の回動可能範囲を規制した状態における遊技球通過規制装置の断面図である。 遊技球通過規制装置を前方側から見た正面図である。 遊技球通過規制装置の前方部分を拡大した断面図である。 前扉の開放時にアームが撓んで遊技球を挟持する場合の一例を示す図である。 前扉を閉鎖した状態における遊技機の下部構成を示す概略断面図である。 前扉を開放した状態における遊技機の下部構成を示す概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本発明における遊技機1の外観構成の一例を示す斜視図である。ここで、図1には、XYZ三次元座標系を示している。X軸は遊技機1に対して水平な左右横方向を示しており、Y軸は遊技機1に対して水平な前後方向を示している。またZ軸は遊技機1に対して垂直な上下縦方向(高さ方向)を示している。
遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。この遊技機1は、遊技ホール(店舗)の島設備に取り付けられる本体枠2と、その本体枠2の正面側に開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。本体枠2の左側には、前扉3を枢支するヒンジ4が設けられ、前扉3はこのヒンジ4によって規定されるZ軸と平行な回動軸回りに回動することにより本体枠2の前面側を開放したり、閉鎖したりすることができる。
また本体枠2の背面側には、遊技機1を制御するための各種制御基板から成る制御ユニット10が設けられている。その制御ユニット10の一部に、遊技球を払い出すための払出装置11が含まれる。この払出装置11は、例えば遊技者が投入した金額に応じて遊技球の払い出し行うと共に、遊技の進行中は遊技球が各種入賞口に入球することによってその入賞口に応じて所定球数の遊技球を賞球として払い出す。尚、図例では、払出装置11は本体枠2の背面側の上部に設けられる場合を例示しているが、これに限られない。例えば、払出装置11を取り付ける位置は本体枠2の背面側の中央部であっても構わない。このような本体枠2の前面側には、遊技球が打ち出される遊技領域を備えた遊技盤12が取り付けられる(図2参照)。
前扉3は、その中央に、本体枠2に設けられた遊技盤12の前方に位置する透明ガラス板5を備えている。また前扉3は、透明ガラス板5の下方に、前扉3の前方側に張り出した棚状の張出部6が設けられている。この張出部6の右下部には、遊技者が操作するハンドルレバー9が設けられている。遊技者がこのハンドルレバー9を右回り方向(時計回り方向)に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤12の遊技領域に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。
また張出部6の上面には、本体枠2に設けられた払出装置11から払い出される遊技球を貯留する貯留皿7が設けられる。この貯留皿7の底部は右側に下降傾斜しており、ハンドルレバー9の後方位置に設けられた図示しない遊技球発射機構に遊技球を案内する。また貯留皿7の左側には、本体枠2から払い出される遊技球を受け入れて貯留皿7に導くための案内路8が設けられている。この案内路8は前扉3の背面側に連通形成されている。
さらに張出部6の上面には、遊技者が操作するボタン6aが設けられている。このボタン6aは、例えば遊技機1において遊技の進行に伴って行われる各種演出を通常の演出から別の演出に変化させるためのボタンである。
尚、本実施形態では、前扉3に透明ガラス板5が設けられる場合を例示しており、この前扉3が本体枠2の前面側を一体的に覆うようになっているが、これに限られるものではなく、例えば貯留皿7を備える前扉3と、透明ガラス板5を備える前枠扉とを別構成にしても良い。
図2は、前扉3を開放した状態の遊技機1を示す斜視図である。本体枠2の前面側には、略矩形状の遊技盤12が取り付けられており、この遊技盤12の前面側にはレール部材によって囲まれた略円形の遊技領域が形成されている。このような遊技領域には、図示しない各種入賞口やその他の部材が配置されている。通常、遊技が行われるときには、前扉3が本体枠2に対して閉じられた状態となっており、遊技者は透明ガラス板5を介して遊技領域を転動していく遊技球を視認しながら遊技を楽しむ。このような遊技中に、例えば遊技領域に打ち出された遊技球が球詰まりしたり、或いは、払出装置11によって払い出された遊技球が球詰まりしたりすると、図2に示すように前扉3が開放され、球詰まりを解消するための作業が行われる。
本体枠2には、遊技盤12の下方位置に、払出装置11から払い出される遊技球を通過させたり、遊技球の通過を規制したりするための遊技球通過規制装置20が設けられている。この遊技球通過規制装置20は、図1に示すように前扉3が閉鎖された状態のとき、本体枠2から払い出される遊技球を通過させて前扉3の貯留皿7へと案内する。また図2に示すように前扉3が開放された状態のとき、遊技球通過規制装置20は、本体枠2から払い出される遊技球の通過を規制し、遊技球が流出しないようにすることで本体枠2と前扉3との間に遊技球が零れ落ちることを防止する。
図2に示すように、前扉3の背面側に設けられる案内路8は、その底部および側壁部が上部壁8aよりも前扉3の背面側に張り出している。そのため、前扉3を閉鎖すると、前扉3の背面側において案内路8の底部が遊技球通過規制装置20の下部に進入すると共に、案内路8の側壁部が遊技球通過規制装置20の側方に進入する。そして案内路8の上部壁8aが遊技球通過規制装置20の一部と接触した状態となり、その一部を押圧する。この押圧力により、遊技球通過規制装置20は、本体枠2から払い出される遊技球を通過させる状態となり、本体枠2から払い出される遊技球は案内路8を通って貯留皿7に流出する。
これに対し、前扉3を開放していくと、案内路8の上部壁8aが遊技球通過規制装置20の一部と接触しなくなる。これにより、遊技球通過規制装置20は、本体枠2から払い出される遊技球の通過を規制する状態となり、遊技球は遊技球通過規制装置20から流出しなくなる。
図3は、本体枠2に設けられる遊技球通過規制装置20の一構成例を示す斜視図である。また図4は、遊技球通過規制装置20の分解斜視図である。この遊技球通過規制装置20は、側面視略L字状の本体部21と、この本体部21の前方側上部に設けられた動作機構25とを備えている。
本体部21は、その内部に払出装置11によって払い出される遊技球Bを案内する払出路23が形成されている。この本体部21の上端部は、例えば遊技盤12の背面側を通って払出装置11に接続される。ただし、遊技盤12の背面側には本体部21とは異なる部材によって払出路が形成されていても良い。この場合、本体部21の上端部はその異なる部材の下端部に接続され、それぞれの払出路が連通した状態となる。したがって、払出装置11が遊技球Bを払い出すと、その遊技球Bは、本体部21に形成された払出路23に流入する。払出路23に流入した遊技球Bは、略L字状に折れ曲がった部分でその進行方向が変わり、本体枠2の前方側に向かって転動していくようになる。
本体部21の前方側(−Y側)の端部には、遊技盤12の下方前面側に開口する払出口22が設けられている。つまり、本体部21によって形成される払出路23は、遊技盤12の下方前面側に開口している。この払出口22は、払出装置11が払い出した遊技球Bを前扉3に向けて流出させるための開口部である。また本体部21は、この払出口22の近傍において払出路23を構成する左右側壁の上部が外側に広がった拡幅部24を有している。
図5は、本体部21の内部構造を示すために一部を切り欠いた斜視図である。図5に示すように、払出路23の底部は拡幅部24の上流側(後方側)において払出口22に向かって下降傾斜した傾斜面44となっている。その傾斜面44よりも下流側の底部には、払出口22に向かって延びるガイドレール28が左右横方向に所定間隔で形成されている。このガイドレール28は、拡幅部24の内側を払出口22に向かって通過していく遊技球Bを整列させた状態で通過させていくための通過路28aを規定するものである。本実施形態では、拡幅部24の下に位置する拡幅していない左右側壁の間に3本のガイドレール28が等間隔で形成されており、遊技球Bの通過路として4つの通過路28aが形成されている。また本実施形態では、払出路23の底部からガイドレール28を突出させることにより4つの通過路28aを形成しているが、払出路23の底部に凹溝を形成することにより通過路28aを形成しても良い。
図6は、本体部21から遊技球Bが流出していく場合の遊技球の通過状態を示す図である。図6に示すように本体部21の払出路23を移動してくる遊技球Bは、傾斜面44を下るときにガイドレール28によって区成されたいずれか一つの通過路28aに振り分けられる。その後、遊技球Bは振り分けられた通過路28aに沿って払出口22に向かって移動していき、最終的に払出口22から流出する。このように本体部21は、払出装置11によって払い出された遊技球Bが払出路23に沿って移動していくとき、払出口22の近傍ではガイドレール28によって規定される複数の通過路28aのうちのいずれかを通るように構成される。
また図4に示すように、本体部21における拡幅部24の上面には、ガイドレール28の上方において前後方向へ延びるスリット27が形成されている。また同様のスリット27は、拡幅部24の下に位置する拡幅していない左右側壁の上方にも設けられている。したがって、本実施形態では合計5つのスリット27が本体部21の拡幅部24の上面に設けられている。さらに本体部21には、拡幅部24の上面において、複数のスリット27の左右両側に、動作機構25を構成する回動軸29を回動自在に支持するための軸受部26が設けられている。以下、動作機構25について詳しく説明する。
図4に示すように動作機構25は、回動軸29を備えている。この回動軸29は、その両端が上述した軸受部26に支持されることにより、通過路28aの上部において通過路28aの横断方向に架設された状態となる。この回動軸29には、その周方向の同一位置から下方に延びる複数のアーム30が所定間隔毎に設けられている。本実施形態では回動軸29に設けられるアーム30の数は合計5つである。これらアーム30を設ける間隔は、本体部21の上面に形成されたスリット27の間隔と同じである。したがって、回動軸29の両端が軸受部26に取り付けられることにより、これら複数のアーム30は、それぞれ本体部21の上面に設けられたスリット27から払出路23(すなわち、通過路28a)に進入した状態となる。
各アーム30は、回動軸29から所定長さの位置に屈曲部を有しており、回動軸29が軸受部26に取り付けられた状態でその先端が払出口22に向くように取り付けられる。このような屈曲部はアーム30に対して少なくとも1つであれば良いが、本実施形態ではアーム30の2カ所に屈曲部が設けられており、側面視略L字状となっている。
また各アーム30は可撓性を有しており、回動軸29が回動しない場合であっても遊技球の進行方向に一定の範囲で撓むようになっている。例えば、アーム30は可撓性を有する合成樹脂によって形成される。この場合、アーム30は、回動軸29と一体的に形成されたものであっても良いし、また金属製の回動軸29に装着されたものであっても良い。
また回動軸29には、その周方向において複数のアーム30が設けられた位置とほぼ対称な位置に、外側に向けて突出する2つの突起部31(31a,31b)が設けられている。これら2つの突起部31(31a,31b)は、例えば回動軸29の両端部から所定距離の中央寄りの位置に設けられている。このような突起部31は例えば合成樹脂で構成されており、2つの突起部31の総重量が5つのアーム30の総重量よりも軽くなっている。そのため、軸受部26によって回動軸29が支持されると、アーム30が下方を向き、スリット27から払出路23の一部として形成された通過路28aに向かって進入した状態で安定する。これに対し、回動軸29が軸受部26によって支持されると、突起部31(31a,31b)は上方を向いた状態となる。
さらに回動軸29には、その両端部近傍に形成された環状溝33と、その環状溝33から更に所定距離だけ離れた中央寄りの位置であって突起部31よりも外側に形成された環状溝32とを有している。
このような回動軸29にはその両端部から回動軸29の回動可能範囲を規制するための規制部材34a,34bが遊挿される。規制部材34a,34bは、略円柱状の重量部35と、平板状のストッパ36とを有し、回動軸29を遊挿する孔37が形成された連結部38によってそれら重量部35とストッパ36とが互いに連結された構成である。重量部35には、図示しない重量部材が内蔵されている。また連結部38に形成される孔37は、回動軸29を挿通させるときにアーム30との干渉を避けるために一部を切り欠いた略C字状の孔となっている。このような規制部材34a,34bは、回動軸29の両端部から挿入されると、ストッパ36が突起部31の背面側に位置するようになる。つまり、左側の規制部材34aのストッパ36が突起部31aの背面側に位置し、右側の規制部材34bのストッパ36が突起部31bの背面側に位置する。そして規制部材34a,34bが挿入された状態で回動軸29の環状溝32に留め具41を係着することで、ストッパ36が突起部31の背面側から離脱してしまうことを防止する。これにより、規制部材34a,34bは、回動軸29の回りを所定角度範囲内で遊転する。
上記のようにして規制部材34a,34bの装着された回動軸29は、その両端部が軸受部26に挿入される。そして軸受部26の外側で回動軸29の環状溝33に留め具42を係着することで、回動軸29が軸受部26から離脱することを防止する。これにより、回動軸29は、本体部21に形成された拡幅部24の上部で回動自在となる。ただし、回動軸29の回動可能範囲は規制部材34a,34bにより規制される。
このように動作機構25が本体部21の拡幅部24の上部に取り付けられると、図3に示すように、規制部材34a,34bの重量部35がその重みによって拡幅部24の上面と接触した状態となる。この状態は、前扉3が開放された状態に相当する。このとき、重量部35の前方端部は、払出口22の周縁部(すなわち、本体部21の前方端部)よりも更に前方側に突出した状態となる。また、このとき、ストッパ36は、突起部31の背面側で起立した状態となり、突起部31が背面側に向かって回動していくことを規制する。尚、この状態のとき、重量部35の前方端部は、回動軸29の高さ位置よりも上側に位置している。
そして前扉3が閉鎖されると、前扉3の背面側に設けられた案内路8の上部壁8aが重量部35と接触し、前扉3が重量部35を背面側に押圧する。このとき、重量部35は、回動軸29周りに回動し、拡幅部24の上面に接触した状態から持ち上げられる。これに伴い、規制部材34a,34bは、回動軸29周りに遊転する。
前扉3が本体枠2の前面側を完全に閉鎖すると、重量部35は回動軸29に対して所定の回転位置となり、拡幅部24の上面から浮き上がった状態で安定する。またストッパ36は、回動軸29周りに所定角度回転した位置で安定し、突起部31の背面側で傾斜した状態となる。これにより、回動軸29の回動可能範囲が拡大される。その結果、回動軸29によってガイドレール28の上方に支持されたアーム30は、払出路23において揺動可能な状態となり、ガイドレール28に向かって進退自在となる。尚、アーム30がガイドレール28に向かって進退するとは、通過路28aを通過する遊技球の側部に向かって進退することであり、このことは即ち、アーム30の先端部とガイドレール28の上端部との距離が変動することを意味している。
図7は、規制部材34a,34bが所定の回転位置となって回動軸29の回動可能範囲が拡大された状態における遊技球通過規制装置20の断面図である。回動軸29の回動可能範囲が拡大された状態で払出路23に遊技球Bが流入しないとき、回動軸29は拡大された回動可能範囲で回動自在となっているが、突起部31とアーム30との重量バランスにより、図7(a)に示すように所定の角度位置にて静止する。このとき、アーム30の先端部は、ガイドレール28によって区成された通過路を遊技球Bが通過する際、その遊技球Bの左右側部に接触する位置まで下降している。
この状態で遊技球Bが払出路23に流入すると、その遊技球Bはガイドレール28によって区成された通過路を通るとき、図7(b)に示すようにアーム30の先端部を前方側に押し上げる。すなわち、回動軸29は回動自在であり、遊技球Bが通過路を通過するときにアーム30の先端部に作用する押圧力によって回動し、アーム30の先端部を押し上げる。アーム30が遊技球Bの通過に伴って前方側に押し上げられると、その先端部はガイドレール28の近傍から前方上方に退避していき、遊技球Bの左右側部と干渉しないようになる。そのため、遊技球Bは、ガイドレール28によって区成された通過路を通過して払出口22から流出する。
したがって、前扉3が閉鎖された状態のとき、払出路23に流入する遊技球Bは、遊技球通過規制装置20を通過して前扉3の貯留皿7に向かって転動していく。
この状態で前扉3が開放されると、遊技球通過規制装置20は、図8に示すような状態となる。図8は、規制部材34a,34bが前扉3の背面側との接触が解放されることにより回動軸29に対して前方方向に回転し、回動軸29の回動可能範囲を規制した状態における遊技球通過規制装置20の断面図である。回動軸29の回動可能範囲が規制された状態で払出路23に遊技球Bが流入しないとき、回動軸29は図8(a)において右回り方向(時計回り方向)への回動が規制される。この状態ではアーム30の先端部がガイドレール28に向かって最も進出した状態となり、アーム30の先端部とガイドレール28との距離が最小となる。
この状態で遊技球Bが払出路23に流入すると、その遊技球Bがガイドレール28によって区成された通過路を通るとき、図8(b)に示すようにアーム30の先端部に接触する。このとき、回動軸29は図8(b)において右回り方向(時計回り方向)への回動が規制されているので、アーム30は上述したように前方側に押し上げられることはない。つまり、図8(b)に示す状態では、アーム30がガイドレール28に向かって最も進出した状態でロックされているため、アーム30は押し上げられることなく、通過路を通過する遊技球Bの左右両側部を挟持する。
したがって、前扉3が開放された状態のとき、払出路23に流入する遊技球Bは、遊技球通過規制装置20を通過することなく、アーム30によって挟持された状態で停止する。
図9は、遊技球通過規制装置20を前方側から見た正面図であり、(a)は前扉3が閉鎖された状態(すなわち、遊技球Bが通過路を通過していく状態)を、(b)は前扉3が開放された状態(すなわち、遊技球Bが通過路を通過せずに挟持される状態)を示している。図9(a)に示すように、前扉3が閉鎖されている状態では、遊技球Bが通過路を通過するときにアーム30の先端部を前方方向に押し上げる。そして遊技球Bは、通過路を通過して前方側に流出する。これに対し、図9(b)に示すように前扉3が開放された状態では、ストッパ36が突起部31を押さえ、回動軸29の回動を規制しているので、アーム30は前方方向に押し上げられないようにロックされている。この状態では、遊技球Bが通過路を通るとき、その左右両側部がアーム30の先端部によって挟持されるので遊技球通過規制装置20から流出しないようになる。
ここで、アーム30のロックについてさらに説明する。図8(b)に示したように前扉3が開放され、重量部35が前方側に倒れ込むと、ストッパ36は突起部31の背面側で起立した状態になる。この状態で遊技球Bが通過路28aに流入してくると、その遊技球Bはアーム30によって挟持される。このときアーム30には前方側に押し出される力が作用する。この力は、回動軸29および突起部31を時計回り方向へ回動させる方向に作用する。ところが、突起部31の時計回り方向にはストッパ36がその直近に位置している。それ故、回動軸29および突起部31が回動するためには、重量部35を持ち上げてストッパ36を回動させる必要がある。しかし、重量部35の重心位置は回動軸29から比較的離れた位置にあるのに対し、回動軸29および突起部31の重心位置は回動軸29の近傍位置にあるので、回動軸29および突起部31がストッパ36を押圧して重量部35を持ち上げるためには極めて大きな力が必要となる。遊技球Bがアーム30を前方側に押し出す力では、重量部35を持ち上げて回動軸29および突起部31を時計回り方向へ回動させるだけの力は生じない。したがって、本実施形態では、重量部35の重量だけでなく、重量部35の重心位置を回動軸29から比較的離れた位置に設けると共に、突起部31の重心位置を回動軸29に比較的近い位置に設けることにより、遊技球Bがアーム30を押圧する力ではアーム30が時計回り方向(すなわち前方側へ押し上げる方向)に回動することがないようにアーム30をロックすることが可能である。
このように遊技球通過規制装置20は、前扉3の開放時にアーム30がガイドレール28に向かって進出した状態でロックされることにより通過路を通過する遊技球Bの左右両側部を挟持する構成である。この構成は、従来のようなプレート状の開閉扉を開閉する場合と比較すると、遊技球を挟みこんでしまう可能性がない。それ故、本実施形態の遊技球通過規制装置20は、比較的簡単な構成でありながら、前扉3の開放時には、本体枠2と前扉3との間に遊技球が零れ落ちてしまうことを良好に防止することが可能である。また前扉3の閉鎖時には、払出装置11によって払い出される遊技球を良好に通過させて前扉3に設けられた貯留皿7へと導くことができる。
図10は、遊技球通過規制装置20の前方部分(規制部材34a,34bが設けられた部分)を拡大した断面図である。例えば、前扉3が閉鎖された状態から開放されるとき、規制部材34a,34bは、図中破線で示す状態から実線で示す状態へと動作する。このとき、アーム30は、図中矢印Fで示すように、通過路28aの前方側から後方側に向かって降下していく。このときアーム30は、通過路28aの左右両側部を移動する。そのため、アーム30は、挟持する遊技球Bの前に通過路28aを通過する遊技球と干渉することなく、通過路28aの前方側から後方側に向かってスムーズに降下していく。すなわち、アーム30が移動する経路は、他の遊技球と干渉を生じ難い位置に設けられている。これに対し、仮にアームが遊技球の正面側最前部を押さえることによって遊技球の流出を防止するものである場合は、アームが挟持する遊技球Bの前に通過路28aを通過している遊技球と干渉してしまう可能性があり、正常な降下位置まで降下しない可能性がある。その故、本実施形態では、アーム30が遊技球Bの左右両側部を挟持する構成とすることにより、アーム30を前方側から後方側に向かってスムーズに降下させてロックすることが可能である。
また、図中矢印Fで示すように、アーム30が通過路28aの前方側から後方側に向かって降下していくことにより、前扉3が開放されるタイミングで遊技球Bが通過路を通過している状態でも、その遊技球Bの左右両側部を挟持して払出口22からの流出を防止することができる。これに対し、仮に前扉3の開放時にアーム30が通過路の後方側から前方側に向かって降下してくるような構成とした場合には、前扉3が開放されるタイミングで遊技球Bが通過路を通過していると、アーム30がその遊技球Bを払出口22に向けて押し出してしまうこととなり、好ましくない。したがって、本実施形態の遊技球通過規制装置20は、前扉3の開放時には、アーム30を遊技球の通過路に対して前方側から後方側に向かって降下させていくので、より一層良好に遊技球の零れ落ちを防止することが可能である。
また本実施形態のアーム30は、上述したように可撓性部材によって構成されている。そのため、通過路において遊技球Bを挟持する位置はアーム30の先端部がガイドレール28に最も接近した位置に限られず、アーム30が撓むことによって図10に示した矢印Fに示すようにアーム30の先端部が移動する範囲内の任意の位置で遊技球Bを挟持することが可能である。
図11は、前扉3の開放時にアーム30が撓んで遊技球Bを挟持する場合の一例を示す図である。前扉3が開放されると、規制部材34a,34bの重量部35は、それ自身の重量によって拡幅部24の上面と接触した状態となり、それに伴ってストッパ36が突起部31の背面側で起立する。これに伴って、アーム30の先端部は、上述したように通過路の前方側から後方側に向かって降下していく。このアーム30は、通常、図11において破線で示すように、その先端部がガイドレール28に最も接近する位置まで降下し、遊技球Bを挟持位置P1で挟持する。
一方、アーム30の先端部が降下していくとき、既に遊技球Bが挟持位置P1を通過していることがある。このような場合、本実施形態のアーム30はその先端部が降下途中で遊技球Bの左右両側部を挟持すると、その後は規制部材34a,34bの回動に伴って次第に撓んでいき、遊技球Bを挟持した状態のまま保持するようになっている。つまり、アーム30はその可撓性により、遊技球Bが図11に示す位置P2にあるときでも、その遊技球Bを良好に挟持することが可能である。
したがって、本実施形態の遊技球通過規制装置20は、遊技球Bの左右両側部を挟持するアーム30が可撓性を有するので、より一層良好に遊技球の零れ落ちを防止することが可能である。
図12は、前扉3を閉鎖した状態における遊技機1の下部構成を示す概略断面図である。また図13は、前扉3を開放した状態における遊技機1の下部構成を示す概略断面図である。前扉3が本体枠2の前面側を閉鎖した状態のとき、図12に示すように、遊技球通過規制装置20は、重量部35が前扉3の背面側にある上部壁8aによって押し上げられるため、アーム30は遊技球Bの通過を規制することなく、払出装置11によって払い出された遊技球Bを通過させ、前扉3の貯留皿7へと導く。これに対し、前扉3が本体枠2の前面側を開放した状態のとき、図13に示すように、遊技球通過規制装置20は、重量部35が前扉3の背面側にある上部壁8aと接触しなくなるので、それによって重量部35が自重によって下降し、アーム30をロックする。これにより、払出装置11で払い出された遊技球Bは、遊技球通過規制装置20の払出路23を通過する際、その左右両側部がアーム30によって挟持された状態となって停止するので、遊技球通過規制装置20の払出口22から流出することはない。したがって、前扉3が開放されたとき、遊技球Bが前扉3と本体枠2との間に零れ落ちることがなくなる。
以上のように本実施形態の遊技球通過規制装置20は、払出路23の底部に形成された遊技球の通過路を規定するガイドレール28と、そのガイドレール28の上方に支持され、ガイドレール28に向かって進退自在なアーム30とを有しており、前扉3の開放時にアーム30がガイドレール28に向かって進出した状態でロックされることにより通過路を通過する遊技球Bの左右両側部を挟持する。このような遊技球通過規制装置20は、プレート状の開閉扉とは根本的に異なる構成となっており、遊技球を挟みこんでしまう可能性がない。そのため、開閉扉のように正常に閉鎖することができずに隙間を通る遊技球が本体枠と前扉との間に零れ落ちてしまうという現象は生じず、遊技球の挟み込みを防止するための機構を別途構築する必要もない。それ故、本実施形態の遊技球通過規制装置20は、比較的簡単な構成としつつも、前扉3の開放時には本体枠2と前扉3との間に遊技球が零れ落ちてしまうことを良好に防止することが可能である。
また本実施形態の遊技球通過規制装置20では、アーム30が、払出路23の上部において払出路23の横断方向に延設された回動軸29に設けられており、その回動軸29が回動することによってガイドレール28に向かって進退する構成である。また遊技球通過規制装置20は、前扉3の開閉に伴って回動軸29に対して遊転することにより回動軸29の回動可能範囲を規制する規制部材34a,34bを備えている。この規制部材34a,34bは、前扉3の閉鎖時に、前扉3の背面側と接触することにより回動軸29に対して所定の回転位置となり、回動軸29の回動可能範囲を拡大する一方、前扉3の開放時に、前扉3の背面側との接触が解放されることにより回動軸に対して所定の回転方向に回転し、回動軸29の回動可能範囲を規制してアーム30をガイドレール28に向かって進出した状態でロックする。
またアーム30は、前扉3の閉鎖時に、払出路23を通過する遊技球Bの押圧力によって回動軸29を回動させてガイドレール28の近傍から上方に退避していくことにより、遊技球Bを通過させる構成である。
上記のような構成によれば、遊技球通過規制装置20を簡単に、かつ、小規模に構成することができるので、部品コストや設置スペースなど点で優れている。
尚、重量部35の重さは適宜調整可能であるが、この重さは、例えば払出装置11によって多数の遊技球が払い出された状態のとき、アーム30に作用する押圧力によって重量部35が持ち上がらないような重さとすることが好ましい。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではない。すなわち、本発明には上述したもの以外にも種々の変形例が適用可能である。
1 遊技機
2 本体枠
3 前扉
7 貯留皿
11 払出装置
12 遊技盤
20 遊技球通過規制装置
21 本体部
22 払出口
23 払出路
28a 通過路
29 回動軸
30 アーム
34a,34b 規制部材(規制手段)
B 遊技球

Claims (4)

  1. 遊技球が打ち出される遊技盤が取り付けられる本体枠と、
    前記本体枠に対して前方側に開閉可能であり、前面側に前記本体枠から払い出される遊技球を貯留する貯留皿が設けられた前扉と、
    前記本体枠に設けられ、前記遊技盤の下方前面側において開口した払出路を有し、前記前扉の閉鎖時には前記払出路を開放して前記本体枠から払い出される遊技球を通過させて前記貯留皿へと案内する一方、前記前扉の開放時には前記本体枠から払い出される遊技球が前記払出路を通過することを規制する遊技球通過規制装置と、
    を備え、
    前記遊技球通過規制装置は、前記払出路を通過する遊技球を整列させた状態で通過させる通過路と、前記通過路を通過する遊技球の側部に向かって進退可能なアームとを有しており、前記前扉の開放時に前記アームが前記通過路に向かって進出した状態でロックされることにより前記通過路を通過する遊技球の側部を挟持することを特徴とする遊技機。
  2. 前記アームは、前記通過路の上部において前記通過路の横断方向に延設された回動軸に設けられ、前記回動軸が回動することによって前記通過路に向かって進退する構成であり、
    前記遊技球通過規制装置は、前記前扉の開閉に伴って前記回動軸に対して遊転することにより前記回動軸の回動可能範囲を規制する規制手段をさらに有し、
    前記規制手段は、前記前扉の閉鎖時に前記前扉の背面側と接触することにより前記回動軸に対して所定の回転位置となり、前記回動軸の回動可能範囲を拡大する一方、前記前扉の開放時に前記前扉の背面側との接触が解放されることにより前記回動軸に対して所定の回転方向に回転し、前記回動軸の回動可能範囲を規制して前記アームを前記通過路に向かって進出した状態でロックすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記アームは、前記前扉の閉鎖時に前記通過路を通過する遊技球の押圧力によって前記回動軸を回動させて前記ガイドレールの近傍から上方に退避していくことにより、前記遊技球を通過させることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記アームは、可撓性部材によって構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
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