以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10の背面図、図3はパチンコ機10を後方から見た斜視図、図4及び図5はパチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図、図6はパチンコ機10の分解斜視図である。なお、図4及び図6では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。
外枠11は、板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する各枠部11a〜11dにおいては、上枠部11a及び下枠部11bが木製となっており、左枠部11c及び右枠部11dがアルミニウム製となっている。パチンコ機10は、上下の左右の枠部11c,11dを島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。上記のように左右の枠部11c,11dを金属製とするとともに上下の枠部11a,11bを木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての枠部11a〜11dを木製としてもよく、全ての枠部11a〜11dを金属製としてもよい。また、枠部11a〜11dの全部又は一部を合成樹脂によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図6に示すように、外枠11における上枠部11aと左枠部11cとの連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部11bと左枠部11cとの連結部分に下側支持用突起22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用突起22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。この支持機構によって規定される遊技機本体12の回動中心軸線CL1は上下方向に延びている。
図3に示すように、外枠11の左枠部11c側、すなわち遊技機本体12の回動基端側(開閉基端側)には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次流入する取込機構130が設けられている。特に取込機構130の一部(詳しくは外枠側取込ユニット140)は外枠11に対して装着されているが、この取込機構130(外枠側取込ユニット140)についての詳細は後述する。
また、遊技機本体12には、図5に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部11dの内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
ここで、図2〜図4に示すように、外枠11の右枠部11dにおける後縁には、外枠11の開口内側に突出した規制壁26が一体形成されており、当該規制壁26は右枠部11dの全体に沿って形成されている。この規制壁26により外枠11の鉤受け部と施錠装置23の鉤部材24との係止箇所がパチンコ機10の背面において露出していない。そして、この規制壁26により、パチンコ機10の背面側に針金等の不正用治具を挿入し、鉤受け部と鉤部材24との係止状態を解除しようとしても、当該係止箇所への侵入が阻止されるため、当該不正行為を阻止することができる。
なお、外枠11の鉤受け部を前方にのみ開放された箱状に形成し、鉤部材24が前方から鉤受け部の内部に入り込み、当該内部にて係止状態となる構成としてもよい。この場合であっても、パチンコ機10の背面側に針金等の不正用治具を挿入し、鉤受け部と鉤部材24との係止状態を解除しようとする不正行為を阻止することができる。つまり、鉤部材24と鉤受け部との係止箇所へのパチンコ機10背面側からの不正用治具の侵入を規制することができるのであれば、当該侵入規制手段の具体的な構成は任意である。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている(図6参照)。図4及び図5に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図7は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図8に基づいて説明する。図8は遊技盤33の正面図である。
遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は、図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は、第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図4や図7に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、前扉枠14における窓部55の左上及び右上には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部54(スピーカユニット54)が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図9は内枠13の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台62を有し、取付台62に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス64に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図10に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、上述した取込機構130を構成する本体側取込ユニット160,払出機構72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、本体側取込ユニット160などが取り付けられるベース部74と、音声ランプ制御装置66などを後方から覆うように、パチンコ機10後方に突出した略直方体形状の保護カバー部75とを有している。なお、本体側取込ユニット160には、島設備から供給される遊技球を払出機構72に導く本体側取込通路163が設けられているが、これら本体側取込ユニット160及び本体側取込通路163についての詳細は後述する。
制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、当該取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83(以下便宜上、電源装置83と称する)とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出機構72(詳しくは後述する払出装置92)を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
払出機構72は、保護カバー部75よりも遊技機本体12の回動基端側となる位置に配されており、本体側取込ユニット160(詳しくは本体側取込通路163)の下流側に連結され上下方向に延びるケースレール91と同ケースレール91の最下流部に設けられた払出装置92とを備えている。
ケースレール91には、当該ケースレール91内の通路を通じて払出装置92から本体側取込ユニット160まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ93が設けられている。球無検知センサ93は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無検知センサ93は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
球無検知センサ93は払出制御装置82に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置82では、球無検知センサ93の検知結果に基づいて本体側取込ユニット160が球無状態であるか否かを特定し、本体側取込ユニット160が球無状態であると特定した場合、払出装置92による遊技球の払出を停止する。これにより、本体側取込ユニット160が球無状態であるにも関わらず、払出装置92が動作し続けることが防止される。
また、ケースレール91には、球抜き操作スイッチ94が設けられている。例えば、本体側取込ユニット160に貯留されている遊技球のパチンコ機10外への排出に際して、ケースレール91にある遊技球も全て排出する場合に球抜き操作スイッチ94が押され、ケースレール91及びその下流側に貯留されている遊技球の排出が可能となる。
払出装置92では遊技球の払出が実行される。ここで、払出装置92の構成について図11を用いて説明する。図11は払出装置92内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。
払出装置92は合成樹脂製のハウジング97を備えており、当該ハウジング97にはケースレール91から供給される遊技球が通過する払出通路98が形成されている。払出通路98の中間部分には通路幅が左右に広がった収容部99が設けられており、当該収容部99に回転体100が収容されている。回転体100はその中心が払出モータ101の出力軸101aに固定されている。なお、払出通路98において少なくとも収容部99の上流側及び下流側は、通路壁によって周囲が区画されていることにより筒状(又は管状)をなしており、さらには中心軸線(又は通路方向)に対して直交する方向の断面は円形状となっている。
払出モータ101は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸101aは所定方向(図7で見て時計回り方向又は反時計回り方向)に回転駆動される。払出モータ101は、払出制御装置82内に設けられたモータドライバを通じて同じく払出制御装置82内に設けられたMPUによって駆動制御される。具体的には、MPUからモータドライバに1パルスの駆動信号(励磁信号又は励磁パルスとも言う。以下同様)が与えられることにより、払出モータ101の励磁状態が切り換えられ、出力軸101aが1step進む。払出モータ101は、MPUから60パルスの駆動信号が与えられることで出力軸101aが60step進み、当該出力軸101aが1回転するように設定されている。そして、出力軸101aが1回転することで、すなわち払出制御装置82のMPUから60パルスの駆動信号が出力されることにより、回転体100が1回転する。
回転体100の周縁100aには、180°間隔で2箇所に、凹部100bが形成されている。凹部100bは、曲面状となっておりその曲率は遊技球の曲率と同程度となっている。また、回転体100の周縁100aにおける凹部100b間の部位と収容部99の通路壁との間の距離が遊技球の直径寸法よりも短くなっているのに対して、凹部100bと収容部99の通路壁との間の距離は遊技球の直径寸法よりも長くなっている。これにより、払出通路98を流下してきた遊技球が回転体100の凹部100bに到達すると、当該遊技球は回転体100の回転に伴って下流側に導出される。
ここで、上記のとおり払出制御装置82のMPUから60パルスの駆動信号が出力されることにより回転体100が1回転するため、回転体100に180°間隔で2箇所に凹部100bが形成された構成においては、1個の遊技球が回転体100によって下流側に導出されてから払出モータ101に30パルスの駆動信号を与えることにより、次の遊技球が下流側に導出される。なお、回転体100が1回転するのに必要な駆動信号のパルス数や、1個の遊技球が下流側に導出されてから次の遊技球が下流側に導出されるまでに要する駆動信号のパルス数は、上記のものに限定されることはなく任意である。
払出通路98には、収容部99よりも下流側の位置に略平板状をした払出球検知センサ102が設置されている。払出球検知センサ102は、周知の電磁誘導型の近接センサにて構成されており、検知部103の貫通孔103aを遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。払出球検知センサ102は払出制御装置82と電気的に接続されており、払出制御装置82は当該払出球検知センサ102により、回転体100の下流側へと導出された遊技球の数が確認できるようになっている。
払出装置92より払い出された遊技球は、裏パック71に設けられた遊技球分配部104に供給される。遊技球分配部104は、複数の開口部が左右方向に並設されており、内側の開口部が前扉側上皿通路105を介して上皿57aに通じており、外側の開口部が前扉側下皿通路106を介して下皿58aに通じている(図4参照)。かかる遊技球分配部104によって、払出装置92より払い出された遊技球は、上皿57a、下皿58a又は排出通路の何れかに分配される。
払出機構72には、裏パック基板111が設置されている。裏パック基板111には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ112の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
なお、ベース部74の上部には外部端子板(図示略)が設けられている。この外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
(取込機構130)
ここで、本パチンコ機10においては、島設備から供給される遊技球の取り込みに関して、すなわち上述した取込機構130に関して特徴的な構成を備えている。そこで以下、その特徴的な構成及びそれに関連する構成について、図2,図3,図10に加え図12〜図15に基づき詳細に説明する。図12は取込機構130を分解して示す分解斜視図、図13は外枠側取込ユニット140の取り付け状態を示す斜視図、図14(a)は各取込ユニット140,160の内部に形成された通路構造を示す斜視図、図15(a)は取込機構130の正面図、図15(b)は取込機構130の縦断面図である。
図12等に示すように、取込機構130は、外枠11に設けられた前記外枠側取込ユニット140と、遊技機本体12に設けられた前記本体側取込ユニット160とによって構成されている。すなわち、取込機構130は、相対移動する2つの対象(固定物及び可動物)に対して個別に設けられた各取込ユニット140,160が組み合わせられることによって構成されている。そして、取込機構130は、それら各取込ユニット140,160が連通した状態となることにより遊技機本体12側への遊技球の取り込みを許容し、連通状態が解除されることによりそれら遊技球の取り込みを不可とする構成となっている。
図13に示すように、外枠側取込ユニット140は,外枠11の上枠部11a及び左枠部11cに支持金具141を介して取り付けられている。支持金具141は上枠部11aの内面及び左枠部11cの内面に対して接触した状態でそれら各枠部11a,11cに対してネジ等の締結具(図示略)によって固定されており、外枠側取込ユニット140の支持具としての機能と外枠11の補強材としての機能を併せ有する構成となっている。また、支持金具141の一部は外枠11よりも後方に延出しており、この延出した部分(延出部141a)に対して外枠側取込ユニット140がネジ等の締結具により固定され、当該外枠側取込ユニット140のほぼ全体が外枠11よりも後方に配置されている。つまり、支持金具141を用いることによって外枠側取込ユニット140の外枠11後方へのオフセット配置(ずらした配置)を可能とすることで、外枠側取込ユニット140と裏パック71との干渉を回避可能としつつ、島設備からの遊技球の供給ルートの確保を容易なものとしている。
また、外枠側取込ユニット140は、支持金具141を介して両枠部11a,11cに固定されているとともに、支持金具141に対して3点で支持固定されている。このため、仮に外枠側取込ユニット140に対して負荷が加わった場合であっても、そのような負荷によって外枠側取込ユニット140が位置ずれするといった不都合が生じにくくなっている。更には、各枠部11a,11cによって外枠側取込ユニット140に加わった負荷を効率よく分散することができ、外枠側取込ユニット140に負荷が集中することを回避しやすくなっている。
外枠側取込ユニット140は、遊技球の出入口を有する略箱状をなしており、合成樹脂製の第1ケース体142及び第2ケース体143が組み合わせられてなる(図12及び図14(a)参照)。そして、図15に示すようにその内部には遊技球の流下経路を規定する外枠側取込通路144が形成されている。なお、図15(a)においては、外枠側取込通路144を見やすくするために第2ケース体143を省略した状態で表示している。
外枠側取込通路144は、遊技機本体12の回動先端側から回動基端側に向けて緩やかに下り傾斜する上側傾斜通路部145と、同上側傾斜通路部145の下流側の端部に連なり、外枠11の右枠部11dに沿って下方に延びる上下通路部146と、上下通路部146の下流側の端部に連なり遊技機本体12の回動基端側から回動先端側に向けて緩やかに下り傾斜する下側傾斜通路部147とを備えている。言い換えれば、外枠側取込通路144は、上側傾斜通路部145に対して下側傾斜通路部147が折り返されて形成されており、遊技機本体12の背面視において略コ字状をなすように形成されている。
これら各通路部145,146,147は角形の筒状(管状)をなしており、通路幅寸法等が遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、それら各通路部145,146,147内にて一条の遊技球列が形成される構成となっている。換言すれば、それら各通路部145,146,147は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように、すなわち形成される遊技球の列が複数にならないように形成されている。なお、本実施の形態においては、各通路部145〜147を角形の筒状(管状)としたが、円形の筒状(管状)とすることも可能である。
上側傾斜通路部145は外枠11の上枠部11aに沿って延びており、その最上流部位(遊技機本体12の回動先端側の端部)が遊技機本体12の回動先端側に開放されている。この開放された部位によって外枠側取込ユニット140における遊技球の受入口が構成されている。以下、この開放された部位を上流側開口148と称する。
上流側開口148は上側傾斜通路部145の上流側に向けて徐々に広がるように緩やかに拡張されており、当該上流側開口148の縁部には遊技球の直径よりも若干大きい内径を有する略円管状の連結部材149が接続されている。これにより、外枠側取込ユニット140の外枠側取込通路144と連結部材149とが連なった状態となっている。この連結部材149は着脱可能に設けられており、複数の部材を組み合わせることで構成された固定具150によってケース体142,143に対して一体化されている(図12等参照)。なお、本実施の形態における各図に記載の連結部材149については、便宜上、上流側(すなわち島設備側)を省略し、外枠側取込ユニット140に繋がる下流側の一部分のみを示しているが、これに限定されるものではない。また、連結部材149の細かな形状については図12の部分拡大図にのみ示し、他図においては便宜上簡略化して示している。
なお、固定具150には、連結部材149の溝部分の引っ掛かる爪部が複数形成されている。これら爪部によって固定具150の位置ずれが回避されている。
連結部材149における外枠側取込ユニット140側と反対側の端部は、島設備(詳しくは遊技球を貯留している部分等)に接続されており、島設備から供給される遊技球は、この連結部材149を介して外枠側取込通路144(詳しくは上側傾斜通路部145)に導かれることとなる。上述したように外枠側取込ユニット140は外枠11に対して後方へオフセットした状態で配置されており且つ上流側開口148は遊技機本体12の回動先端側を向いている。これにより、パチンコ機10を島設備に設置等する場合に外枠側取込ユニット140に対する連結部材149の着脱作業が煩雑化することを回避可能となっている。
連結部材149は伸縮自在に形成されている。具体的には、図12の部分拡大図に示すように、蛇腹状をなしており、その通路長が伸び縮みするように形成されている。このため島設備から供給される遊技球を介して大きな負荷が加わった場合には、連結部材149自身が変形することで上述したような負荷の一部を分散させることができ、過度の負荷が外枠側取込ユニット140に伝わることを回避可能となっている。更に、連結部材149においては、内径の変化を抑えつつ通路の長さを変更することが可能となるように形成されている。このため、連結部材149の変形に起因して同連結部材149の内径が遊技球の通過を許容できない程度に小さくなったり、形成される遊技球列の数が増加する程度に大きくなったりすることを抑制でき、当該連結部材149内にて球詰まりが発生しにくくなっている。
なお、連結部材149を構成している材料自体が伸び縮みすることにより、当該連結部材149の通路長を可変させる構成とすることも可能である。
再び図15を用いて説明すれば、上側傾斜通路部145に連なる上下通路部146は、自身の入口部分及び出口部分の前後位置がほぼ同一となるように形成されている。換言すれば、上下通路部146は延長方向に延びており、上側傾斜通路部145側の端部と下側傾斜通路部147側の端部との前後位置がほぼ同一となるように形成されている。このため、上下通路部146内を通過する遊技球は、当該上下通路部146に沿って上方から下方に落下することとなる。なお、上下通路部146を若干傾けることにより、略鉛直方向に延びるように形成することも可能である。
下側傾斜通路部147の最下流部位は、上流側開口148と同様に、遊技機本体12の回動先端側に開放されており、この開放された部位によって外枠側取込ユニット140における遊技球の排出口が構成されている。以下、この開放部位を下流側開口151と称する。
下側傾斜通路部147は、遊技球が転動又は摺動する底板部152と、その底板部152の上方に位置し当該底板部152に対して遊技球の直径寸法より大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さな隙間を隔てて対向する天板部153と、それら底板部152及び天板部153の両者を繋ぐ前板部154及び後板部155とを有している。底板部152及び天板部153は、下側傾斜通路部147の通路方向と同一方向に延びる略長板状をなしており、天板部153の先端は底板部152の先端よりも遊技機本体12の回動先端側(すなわち下側傾斜通路部147の通路方向における下流側)に僅かに延出している。そして天板部153における下流側の先端部分には、底板部152側(外枠側取込通路144の内方)に起立する開口フランジ178が形成されている。これら開口フランジ178の先端部,底板部152の先端部,前板部154及び後板部155によって上述した下流側開口151が形成されている。
下流側開口151は、底板部152の先端部が開口フランジ178の先端部に対して後退していることにより、下側傾斜通路部147の通路方向に比べて若干下向き、すなわち斜め下側に向けて開放されている。なお、底板部152及び天板部153と共に下側傾斜通路部147を形成している前板部154及び後板部155は、底板部152の先端部及び天板部153の先端部よりも下流側に延びている。つまり、下流側開口151は、外枠側取込ユニット140の外周部から若干内側に入り込んだ位置に配置されている。
ここで、上下通路部146と下側傾斜通路部147との境界部分に設けられ、外枠側取込通路144における減圧手段(球圧軽減手段)の一部を構成する分散構造について図14(b)に基づき詳細に説明する。図14(b)は上下通路部146及び下側傾斜通路部147をパチンコ機10の上方から見た概略図である。
下側傾斜通路部147における最上流部位147aは、上下通路部146の最下流部位146aに対してパチンコ機10の前方に若干ずらして設けられている。すなわち、下側傾斜通路部147の最上流部位147aと上下通路部146の最下流部位146aとは、パチンコ機10の平面視において前後に僅かにずれた状態で重なっている。これにより、上下通路部146と下側傾斜通路部147とに連なる遊技球のうち、上下通路部146の最下流位置に待機する遊技球と下側傾斜通路部147の最上流位置に待機する遊技球とは、前後方向にずれた状態で接触する。そして、下側傾斜通路部147の最上流部位147aに位置する遊技球は、上下通路部146の最下流部位146aに位置する遊技球によって下側傾斜通路部147の側壁面(すなわち前板部154)に押し付けられることとなる。上下通路部146と下側傾斜通路部147とに連なる遊技球列は、上下通路部146から下側傾斜通路部147の曲がり部分にて前板部154に当接し、その球圧の一部が分散される。このように、下側傾斜通路部147の入口部分において減圧を行うことにより、上下通路部146,上側傾斜通路部145等に連なる遊技球の球圧が、下側傾斜通路部147に連なる遊技球列に伝わることを抑制している。
なお、上下通路部146の最下流部位146aと下側傾斜通路部147の最上流部位147aとが、上下通路部146の通路方向(パチンコ機10の平面視)において必ずしも重なる必要はなく、完全にずらすことも可能である。かかる構成とした場合、例えばそれら各通路部146,147を繋ぐ中継通路部を設けるとよい。また、下側傾斜通路部147における最上流部位147aを上下通路部146の最下流部位146aに対して後方にずらしてもよい。
外枠側取込通路144においては、上述した上下通路部146及び下側傾斜通路部147の境界以外における減圧に加え、以下の減圧が行われている。例えば、上側傾斜通路部145が下り傾斜していることにより、当該上側傾斜通路部145上に載っている遊技球の自重圧力が上側傾斜通路部145によって分散されることとなる。また、上側傾斜通路部145と上下通路部146との境界(すなわち曲がり部分)においては、遊技球が上下通路部146における遊技機本体12の回動基端側の壁面に当たることにより、遊技球列を介して伝わる自重圧力の一部が分散されることとなる。更には、上下通路部146と下側傾斜通路部147との境界(すなわち曲がり部分)において、遊技球が下側傾斜通路部147の上面に当たることにより、遊技球列を介して伝わる自重圧力の一部が分散されることとなる。そして、下側傾斜通路部147が下り傾斜していることにより、当該下側傾斜通路部147上に載っている遊技球の自重圧力が下側傾斜通路部147によって分散されることとなる。以上詳述したように、外枠側取込通路144のほぼ全体を用いて遊技球の自重圧力を分散させることにより、島設備から連なる遊技球列を介して大きな負荷が当該外枠側取込通路144の下流領域に伝わることを抑制している。
次に、本体側取込ユニット160について詳細に説明する。図2や図15等に示すように、本体側取込ユニット160は、外枠側取込ユニット140に隣接して設けられている。具体的には、外枠側取込ユニット140は本体側取込ユニット160に対して遊技機本体12が開放される際の回動先側となるように配置されており、外枠側取込ユニット140の下流側開口151から流出した遊技球を受け入れ可能となっている。
図12及び図14(a)に示すように、裏パック71のベース部74には後方に起立する円柱状の起立部74aが複数形成されており、本体側取込ユニット160にはこれら起立部74aに対応する複数の挿通孔160aが形成されている。起立部74aが挿通孔160aに挿通された状態で、ネジ等の締結具により本体側取込ユニット160と裏パック71とが固定されている。このように本体側取込ユニット160は裏パック71に一体化されているため、遊技機本体12が回動された場合には同遊技機本体12に追従して本体側取込ユニット160も移動することとなる。すなわち、本体側取込ユニット160は、遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心として回動することとなる。
また、本体側取込ユニット160は、外枠側取込ユニット140と同様に、遊技球の出入口を有する略箱状をなしており、合成樹脂製の第1ケース体161及び第2ケース体162が組み合わせられてなる(図12や図14(a)参照)。そして、図14及び図15(b)に示すように、本体側取込ユニット160の内部には遊技球の流下経路を規定する前記本体側取込通路163が形成されている。本体側取込通路163は、角形の筒状(管状)をなしており、外枠側取込通路144の下流側開口151に対応し同下流側開口151から流出した遊技球を受け入れる上流側開口164と、払出機構72(詳しくはケースレール91)の受入口91aに対応し本体側取込通路163を通過した遊技球を同受入口91aに排出する下流側開口165とを有している。すなわち、外枠側取込ユニット140の下流側開口151を通過した遊技球は、一度本体側取込ユニット160内に取り込まれた後、本体側取込通路163を介して払出機構72に案内される構成となっている。なお、本体側取込通路163が円形の筒状(管状)をなす構成とすることも可能である。
本体側取込通路163は、上流側開口164を有し本体側取込通路163の上流側を構成する上流側通路部166と、その上流側通路部166の下流側にて連続するとともに当該上流側通路部166に対して遊技機本体12の回動先端側にずれた位置にて下方に延びる上下通路部167と、前記下流側開口165を有し上下通路部167の下流側にて連続するとともに遊技機本体12の回動基端側に延びる下流側通路部168とによって構成されている。各通路部145,146,147の境界に曲がり部分を形成し、本体側取込通路163を屈曲(蛇行)させることにより、上流側開口164から連なる遊技球の重量負荷がそれら遊技球の列を介して払出機構72に伝わりにくくなっている。
上流側開口164は、上流側通路部166の通路方向と斜めに交差するように形成され、開口面積が拡大されている。つまり、上流側通路部166における通路幅等をむやみに広げることなく、開口面積の拡大が実現されている。上流側開口164の拡大を図ることで、遊技機本体12と外枠11と(詳しくは両取込ユニット140,160)に位置ずれが生じた場合であっても、上流側開口164にて遊技球が引っ掛かるといった不都合を生じにくくしている。また、上流側開口164は外枠側取込通路144の下流側開口151に向けて、すなわち斜め上方に開放されている。このように上流側開口164を上方に向けることで、両取込ユニット140,160が離間した場合に、本体側取込ユニット160(上流側開口164)を介して遊技球が零れ落ちるといった不都合が生じにくくなっている。
本体側取込通路163における上下通路部167及び下流側通路部168は、通路の大きさが遊技球よりも若干大きい程度に抑えられている。これにより、本体側取込通路163によって規定される遊技球の流下経路のばらつきが積極的に抑えられている。払出装置92の払出通路98及びケースレール91内に形成されている通路についても同様に、通路の大きさが遊技球よりも若干大きい程度に抑えられ、それら各通路によって規定される遊技球の流下経路ばらつきが積極的に抑えられている。
一方、上述した外枠側取込通路144(上側傾斜通路部145,上下通路部146,下側傾斜通路部147)における通路幅等の遊技球に対する余裕代は、本体側取込通路163における通路幅等の遊技球に対する余裕代よりも大きく設定されている。言い換えれば、外枠側取込通路144においては、遊技球列が複数になることが回避されているものの、遊技球の位置ばらつきを積極的に許容する構成となっている。
ここで、図16に基づき払出機構72,ケースレール91及び本体側取込ユニット160に形成された各通路について詳しく説明する。図16(a)は、払出装置92の待機状態を示し、図16(b)は、払出装置92の駆動初期状態を示す。
図16(a)に示すように、払出装置92が待機状態にある場合、回転体100の外周部(凹部100b以外の部位)に当接している遊技球を先頭に払出機構72,ケースレール91及び本体側取込ユニット160を経由して一列に連なる遊技球列が形成され、それら払出機構72等に所定数の遊技球が貯留されることとなる。それら払出機構72,ケースレール91及び本体側取込ユニット160によって構成される一連の通路は、遊技球列が通路内で蛇行等することにより流下経路ばらついた場合であっても、最上流側の遊技球の少なくとも一部(本実施の形態においては凡そ1/3〜1/2程度)が上流側開口164から突出するように形成されている。すなわち、払出機構72,ケースレール91及び本体側取込ユニット160に連なる通路の通路長及び上述した余裕代は、払出機構72が待機状態である場合に、本体側取込ユニット160の上流側開口164に係る遊技球の一部が当該上流側開口164から突出した状態となるように設定されている。
また、図16(a)に示す状態から払出装置92が駆動した場合、先ず回転体100が回動し、当該回転体100に当接している遊技球が回転体100の凹部100bに嵌まることとなる(図16(b)参照)。この状態から更に回動することにより、凹部100bに嵌まった遊技球が収容部99を通過し、図11に示したように遊技球の払出しが完了することとなる。
図16(b)に示した状態においては、外枠側取込ユニット140から新たに1の遊技球が本体側取込ユニット160に導かれ、この追加された遊技球が上流側開口164から突出する構成となっている。すなわち、遊技球の払い出しが行われた場合には、払出しに伴って新たに供給される遊技球が上流側開口164から突出することとなり、上流側開口164に係る遊技球の突出が担保される構成となっている。
以上詳述した外枠側取込ユニット140及び本体側取込ユニット160は、外枠11に対する遊技機本体12の開閉操作に基づいて相対移動する。ここで、図17を用いてそれら取込ユニット140,160の相対移動について説明する。図17(a)は遊技機本体12が閉鎖された状態を示し、図17(b)は遊技機本体12が開放された状態を示す。なお、図17の(1)群はパチンコ機10の背面図、図17の(2)群は各通路を示す概略図であり、図17(a)及び図17(b)においては、便宜上第2ケース体143を省略して示している。
図17(a)に示すように、遊技機本体12が外枠11に対して閉じられている状態においては、外枠側取込ユニット140及び本体側取込ユニット160は隣接しており、それら各取込ユニット140,160、詳しくは各取込通路144,163が連通した状態となっている。
上述の如く遊技機本体12は外枠11によって回動可能に支持されており、遊技機本体12が回動することによって、それら遊技機本体12と外枠11との相対位置が変化する。本体側取込ユニット160は、遊技機本体12に対して取り付けられているため、遊技機本体12の回動に伴って当該遊技機本体12と共に移動することとなる。一方、外枠側取込ユニット140は外枠11に対して取り付けられているため、遊技機本体12の回動に追従して移動することは無い。つまり、図17(b)に示すように遊技機本体12が開放されることによって、本体側取込ユニット160が外枠側取込ユニット140から遠ざかり外枠側取込ユニット140と本体側取込ユニット160とが離間した状態となる。
このように本体側取込ユニット160が移動し、両取込ユニット140,160が離間した状態においては、外枠側取込ユニット140に設けられたシャッタ機構200によって同外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出が阻止され、当該外枠側取込ユニット140から遊技球が零れ落ちるといった不都合が回避される。
(シャッタ機構200及び可変通路部250)
次に、図17及び図18を用いて上述したシャッタ機構200の概略について説明する。図18(a)はシャッタ機構200を拡大して示す図17(a2)の部分拡大図、図18(b)はシャッタ機構200をパチンコ機10の上方から見た概略図である。
シャッタ機構200は、遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖されている状態においては外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出を許容し、遊技機本体12が外枠11に対して開放されている状態においては外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出を阻止するように構成されている。換言すれば、シャッタ機構200は、遊技機本体12と外枠11との位置関係に基づいて、外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出を許容する許容状態と、外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出を阻止する阻止状態との2つの状態で切り替え可能に構成されている。
また、シャッタ機構200は、図12等に示すように、外枠側取込ユニット140に対して一体化されており、外枠側取込ユニット140の下流側開口151に対して突出可能に設けられた複数(本実施の形態においては2つ)のシャッタ部材210,230を備えている。これら各シャッタ部材210,230は下流側開口151(詳しくは遊技球の流下経路)を上下に挟んで対を成すように配置されている。
より詳しく説明すれば、シャッタ機構200は、各シャッタ部材210,230が下流側開口151に対して突出することにより、両者の間隔が当初の開口(すなわち下流側開口151)よりも狭くなるように構成されている。そして、このように突出した状態での両シャッタ部材210,230の間隔は、遊技球の直径未満となるように設定されている。これら突出したシャッタ部材210,230によって、遊技球の流出が妨げられる事となる。以下便宜上、底板部152側に設けられたシャッタ部材210を「第1シャッタ部材210」、天板部153側に設けられたシャッタ部材230を「第2シャッタ部材230」と称し、各シャッタ部材210,230について詳細に説明する。
図18(a)に示すように、第1シャッタ部材210は、下側傾斜通路部147よりも下側に底板部152の上面に沿った方向、すなわち当該下側傾斜通路部147の通路方向と同一の方向にスライド移動可能な状態で取り付けられている。
外枠側取込ユニット140の下側傾斜通路部147よりも下側には、下側傾斜通路部147の底板部152に対して所定の間隔を隔てて対向する対向板部169を有してなる収容部170が形成されており、それら底板部152及び対向板部169との間に形成された空間(すなわち収容部170内)に第1シャッタ部材210がスライド移動可能な状態で収容されている。
収容部170における底板部152の先端と同じ側には、第1シャッタ部材210の突出を許容するスリット171が形成されている。第1シャッタ部材210は、このスリット171を介してスライド移動することにより、下流側開口151(詳しくは底板部152の先端)に対する突出量が変化する構成となっている。
第1シャッタ部材210をスライド可能な状態で支持する構成についてより詳しく説明する。上述した対向板部169の下流側開口151側には、第1シャッタ部材210の底板部152に対して所定の間隔を隔てて対向するとともに、底板部152との間に第1シャッタ部材210を挟んで支持する支持板部172が設けられている。支持板部172は、第1ケース体161に対して一体形成されており、底板部152と共に前記スリット171を形成している。第1シャッタ部材210には、底板部152に沿って下側傾斜通路部147の通路方向と同一方向に延び、底板部152及び支持板部172によって挟まれた平板部211が形成されている。この平板部211は、底板部152に重ねて配置されており、その板厚寸法がスリット171の隙間寸法(すなわち底板部152と支持板部172との間隔寸法)と同等となるように形成されている。平板部211がスリット171内を摺動することにより、第1シャッタ部材210のスライド方向が下側傾斜通路部147の通路方向と同じ方向となるように規定される。詳しくは、両取込ユニット140,160が連通した状態における外枠側取込通路144の下流側開口151から本体側取込通路163の上流側開口164への遊技球の流れを遮断するように第1シャッタ部材210の移動方向が規定されている。
また、第1シャッタ部材210の平板部211は、その少なくとも一部がスリット171から常時突出した状態となるように形成されており、スリット171から突出した平板部211の一部と底板部152とによって、下流側開口151付近に段差部分が形成されている。この段差部分の高さ寸法、すなわち底板部152の板厚寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さく(具体的には半径寸法より小さく)設定されている。
第1シャッタ部材210には、当該第1シャッタ部材210を突出する側に向けて付勢する付勢部材(詳しくは圧縮コイルバネ220)が装着されており、同第1シャッタ部材210はその圧縮コイルバネ220によって突出する側に向けて常時付勢された状態となっている。なお、起立部212におけるストッパ部173と反対側には、前記圧縮コイルバネ220を取り付ける取付用突起215が形成されており、当該取付用突起215が圧縮コイルバネ220の片側の端部(詳しくは開放部分)に嵌まっている。圧縮コイルバネ220の他方の端部は収容部170において起立部212と対向している壁部174に当った状態となっている。
平板部211におけるスリット171から突出している側と反対の端部には、対向板部169側に起立する起立部212が形成されている。収容部170には、この起立部212に当接することにより第1シャッタ部材210の収容部170からの抜け落ちを防止するストッパ部173が形成されており、第1シャッタ部材210が突出量の増加する側にスライド移動しそのスライド量が所定値に達した際には、これら起立部212及びストッパ部173が当接する構成となっている。すなわち、起立部212及びストッパ部173によって第1シャッタ部材210の最大突出位置(底板部152の先端からの最大突出量)が規定されている。
第1シャッタ部材210の最大突出量は、当該第1シャッタ部材210が最大に突出した状態において平板部211上に複数の遊技球が載らないように、すなわち平板部211に載る遊技球の数が1つに限定されるように設定されている。これにより、第1シャッタ部材210に加わる遊技球の重量負荷の増加を抑制可能となっている。また、第1シャッタ部材210の最大突出位置では、平板部211の上面がその先端に向けて下り傾斜となるように構成されている。
第1シャッタ部材210は、遊技機本体12が閉じられている状態、すなわち両取込ユニット140,160が連通している状態においてはその突出が抑えられる構成となっている。具体的に説明すれば、平板部211におけるスリット171から突出した部分の先端には、下方に折れ曲がった折曲部213が形成されている。この折曲部213は、本体側取込ユニット160の外壁に設けられた操作壁部180に対応しており、遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖された状態、すなわち両取込ユニット140,160が連通した状態においては、折曲部213及び操作壁部180が当接している。このように、折曲部213及び操作壁部180が当接した状態においては、本体側取込ユニット160(詳しくは上流側開口164)と外枠側取込ユニット140(詳しくは底板部152)との隙間が平板部211によって埋められており、両ユニット140,160間での遊技球の移動が担保されている。
なお、操作壁部180の一部は本体側取込ユニット160の上流側開口164の開口縁を構成しており、折曲部213と操作壁部180とが当接している状態においては、平板部211が操作壁部180よりも上位に位置している。これにより第1シャッタ部材210と本体側取込ユニット160との境界を通過する遊技球が、操作壁部180に引っ掛かることが回避されている。
第1シャッタ部材210の動作について簡単に説明すれば、図17(a)に示すように遊技機本体12が閉じられている状態では、折曲部213が操作壁部180によって押され、第1シャッタ部材210が圧縮コイルバネ220の付勢力に抗して引っ込められている。かかる状態から遊技機本体12が開放されると、操作壁部180が折曲部213から離れる側に移動し、圧縮コイルバネ220の付勢力によって第1シャッタ部材210が突出する側に移動することとなる。そして、起立部212及びストッパ部173が当接する位置まで突出することにより、その突出量が最大となる(図17(b)参照)。一方、遊技機本体12が閉じられる際には、操作壁部180によって折曲部213が押され、圧縮コイルバネ220の付勢力に抗してスライドすることにより、その突出量が減少することとなる。
以上詳述した第1シャッタ部材210は、突出量の増加によって遊技球の通過領域を狭めることが可能となっているが、突出量が最大になった場合であっても第1シャッタ部材210単独によって遊技球の流下を遮断しないように構成されている。言い換えれば、第1シャッタ部材210の最大突出量は、遊技球の流下を遮断しない程度に抑えられている。なお、第1シャッタ部材210がスライド移動することに着目すれば、第1シャッタ部材210を「スライドシャッタ部材210」と称することも可能である。
また、上述したように、第1シャッタ部材210は遊技機本体12が開放されることによって突出量が増加する。このように第1シャッタ部材210が突出することにより、下側傾斜通路部147上に貯留されていた遊技球が、平板部211上を移動可能となる。つまり、平板部211の突出量の増加に依存して、外枠側取込ユニット140内での移動距離が増し、実質的に外枠側取込通路144が延長されることとなる。より具体的には、外枠側取込通路144が、下側傾斜通路部147の通路方向下流側に向け底板部152に沿って延長されることとなる。このようにシャッタ機構200(詳しくは第2シャッタ部材230)が外枠側取込通路144を延長する機能を有する点に着目すれば、第1シャッタ部材210を「通路延長手段」と称することも可能である。また、第1シャッタ部材210を介して外枠側取込通路144の下流側開口151と本体側取込通路163の上流側開口164とが繋がっている点に着目すれば第1シャッタ部材210によって「中継通路部250」が形成されているともいえる。更には、第1シャッタ部材210の突出量に依存してその通路部分の長さが変化する点に着目すれば、第1シャッタ部材210が突出することにより当該第1シャッタ部材210に依存して変更される延長通路部分を「可変通路部250」と称することも可能である。なお、外枠側取込通路144は、上述した上側傾斜通路部145,上下通路部146及び下側傾斜通路部147に可変通路部250(中継通路部250)を加えた4つの通路部によって構成されているものである。
第1シャッタ部材210が自身のスライド移動に基づき下流側開口151に対する突出量を増減する構成であるのに対して、第2シャッタ部材230は自身が回動することに基づいて下流側開口151に対する突出量が増減する構成となっている。以下、図12及び図18を用いて第2シャッタ部材230及びそれに関連する構成について説明する。
図12及び図18に示すように外枠側取込ユニット140には下側傾斜通路部147の通路方向と交差し水平方向に延びる円柱状の軸部175が設けらており、この軸部175に対応して第2シャッタ部材230には軸受け孔231が設けられている。軸受け孔231はその内径寸法が軸部175の外径寸法と同等となるように形成されており、軸部175が軸受け孔231に挿入されている。これにより、第2シャッタ部材230は、外枠側取込ユニット140に対して正逆両方向に回動可能な状態で装着されている。
第2シャッタ部材230は、前記軸部175の中心軸線(回動中心軸線CL2)と同一方向に延びる略柱状をなしている。そして、第2シャッタ部材230の外周面、詳しくはその外周面における当該第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2に対して放射方向外側に位置する部位には、下流側開口151から突出した状態にて遊技球と当接する当接部232が形成されている。
軸部175は、開口フランジ178を挟んだ天板部153の反対側(すなわち遊技機本体12における回動先端側)且つ天板部153の先端部よりも上側に配置されており、天板部153との間には第2シャッタ部材230の動作スペースが確保されている。そして、第2シャッタ部材230は、当接部232が軸部175の中心軸線よりも天板部153側となる範囲において回動可能となるように構成されている。第2シャッタ部材230は、許容状態から阻止状態へ移行される場合には当接部232が遊技球の流下方向に沿って突出してくる方向(具体的にはパチンコ機10の背面視において時計回り方向)に回動し、阻止状態から許容状態へ移行される場合には上述した方向と逆(具体的にはパチンコ機10の背面視において反時計回り方向)に回動する構成となっている。以下便宜上、許容状態から阻止状態へ移行される際の第2シャッタ部材230の回動方向を「所定の方向」と称する。
また、第2シャッタ部材230には、当該第2シャッタ部材230を突出する側に向けて、すなわち前記所定の方向へ付勢する付勢部材(詳しくは引張コイルバネ240)が装着されており、同第2シャッタ部材230はその引張コイルバネ240によって突出側(前記所定の方向に)に常時付勢された状態となっている。第2シャッタ部材230には、軸受け孔231よりも上方となる位置に引張コイルバネ240を引っ掛ける引掛け部235が形成されており、外枠側取込ユニット140の天板部153にも、引張コイルバネ240を引っ掛ける引掛け部177が形成されている。引張コイルバネ240の両側の端部にはフック部が形成されており、これら各フック部が引掛け部177,235にそれぞれ引っ掛かった状態となっている。
第2シャッタ部材230の一側部(前側の端部)には、軸受け孔231の中心軸線方向に突出する凸部233が形成されており、外枠側取込ユニット140の第1ケース体161には、第2シャッタ部材230の突出量が所定の大きさになった場合に上述した凸部233に対して当たるストッパ部176が形成されている(図18(b)参照)。これら凸部233及びストッパ部176が当接することにより、前記所定方向への回動が規制されることとなる。つまり、これら凸部233及びストッパ部176によって当接部232の最大突出位置(すなわち開口フランジ178からの当接部232の最大突出量)が規定されている。
本体側取込ユニット160には、遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖された状態、すなわち両取込ユニット140,160が連通した状態において、第2シャッタ部材230の突出を抑える操作片181が形成されている。操作片181は軸部175よりも下側に配置されており、第2シャッタ部材230には操作片181と当たる第1壁面部236が形成されている。遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖された状態、すなわち両取込ユニット140,160が連通した状態においては、操作片181によって第1壁面部236が押され、下流側開口151への突出が規制されている。
遊技機本体12が開放された際には、遊技機本体12の移動に伴って操作片181も第1壁面部236から離れる側に移動することなる。このように操作片181が移動することにより、引張コイルバネ240の付勢力によって第2シャッタ部材230が前記所定の方向に回動し、その突出量が増加する。そして、操作片181が第1壁面部236から離間することに同期して、上述した凸部233及びストッパ部176が当り、当接部232が最大突出位置に配置されることとなる。
ここで、当接部232についてより詳しく説明する。当接部232は、凸部233とストッパ部176とが当接し第2シャッタ部材230の突出量が最大となっている状態において、下側傾斜通路部147の上流側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなし、当該下側傾斜通路部147の下流側から上流側に向けて徐々に突出量が減少するように形成されている。より詳しくは、当接部232は、軸部175の回転中心軸線CL2からの距離が一定となる曲面状をなしている。言い換えれば、当接部232は、下流側開口151に向けて凸となる曲面状をなし、第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2に対して直交する断面が一定曲率の円弧状をなすように形成されている。
両シャッタ部材210,230によって遊技球の流出が阻止されている状態においては、当接部232に当っている遊技球が上流側に連なる遊技球の自重圧力によって下流側へ押されることとなる。このように遊技球が押された場合、遊技球と当接部232との間に発生する摩擦によって、当接部232は突出量が大きくなる側、すなわち前記所定の方向に更に回動しようとする。基本的にこのような回動は凸部233とストッパ部176とが当接することによって規制されるが、仮に過度の力が加わった場合であっても、当接部232の突出量が増す側に移動することとなるため、遊技球のかみ込みが強まりやすくなる。故に、遊技球が第2シャッタ部材230から抜け落ちるといった不都合の発生が好適に回避される。
第2シャッタ部材230に加わった遊技球の圧力は、上述の如く第2シャッタ部材230を所定の方向に回動させようとする圧力と、第2シャッタ部材230を通路外側に押そうとする圧力とに分割される。具体的には、後者の圧力は、遊技球及び当接部232の接触点CP1と当該遊技球の中心CTとを結んだ仮想直線L1方向に伝わることとなる。本実施の形態においては特に、当接部232が第2シャッタ部材230の回動中心軸線からの距離が一定の曲面状をなすため、この仮想直線L1は、第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2に対して交差(詳しくは直交)することとなる。このため、遊技球列を介して第2シャッタ部材230に加わる球圧は、仮想直線L1方向に、すなわち軸部175に伝わることとなる。故に、軸部175と当接部232とが離れて配置されている構成であっても、そのような離れに起因して軸部175に加わる応力が大きくなることを抑制でき、遊技球の球圧によって第2シャッタ部材230が変形等することによりその突出量が減少するといった不都合を生じにくくすることができる。
第2シャッタ部材230は、前記第1シャッタ部材210よりも、当該第1シャッタ部材210によって延長される通路における下流側となる位置に配置されている(図17(b)参照)。シャッタ機構200が阻止状態に切り替えられ第1シャッタ部材210が最大突出位置までスライド移動することによって、各シャッタ部材210,230が上下に並ぶ(すなわち平板部211が第2シャッタ部材230と対向する)。第2シャッタ部材230は、第1シャッタ部材210によって延長された領域に対して突出するように構成されている。これにより、第2シャッタ部材230は、第1シャッタ部材210による通路の延長により遊技球の流下経路が変わることに基づいて、遊技球と当接しその遊技球の移動を遮ることが可能な位置に突出することとなる。
また、第2シャッタ部材230(詳しくは当接部232)は、両取込ユニット140,160が離間した状態において、第1シャッタ部材210の平板部211に対して所定の間隔を維持するように設けられている。詳しくは、第1シャッタ部材210が最も突出した状態における平板部211との間に、当該平板部211の板面方向において所定の隙間が形成されるように設けられている。これにより、各シャッタ部材210,230が突出し、遊技球の流出が阻止された状態においても、遊技球の少なくもと一部(具体的には遊技球の流下方向下流側の先端を含む領域)が外枠側取込ユニット140から(具体的には本体側取込ユニット160の上流側開口164側に向けて)露出した状態で維持される。より詳しくは、上述の如く本体側取込ユニット160に貯留された遊技球のうち上流側開口164に位置する遊技球の少なくとも一部はその上流側開口164から露出しているが、このように上流側開口164から露出した遊技球と、両シャッタ部材210,230に当接している遊技球とが、上述した操作壁部180及び操作片181が折曲部213及び第1壁面部236に当っていない状態にて当接可能となるように各シャッタ部材210,230が設けられている。
更には、当接部232は、平板部211及び遊技球の接触点CP2と当該接触点CP2に対して同遊技球の中心CTを挟んだ反対側の対称点CP3とを両極として二分された遊技球の両領域のうち、対称点CP3を含んだ側の領域において上述した可変通路部250の下流側となる半分の所定領域(球面の1/4の領域)の少なくとも一部に対して当接するように形成されている。すなわち、遊技球の外周面における平板部211と反対側且つ可変通路部250の通路方向下流側となる領域に対して当接する構成となっている。このように、各シャッタ部材210,230が遊技球の上側及び下側にて当接する構成としたことにより、遊技球の列を介して伝わる球圧を両シャッタ部材210,230に対して好適に分散させることが可能となっている。すなわち、第2シャッタ部材230に対して負荷が集中することを抑制することができる。
当接部232及び遊技球の接触点CP1は、上述した所定領域のうち、流下方向の先端部分と対称点CP3とを結んだ最短経路(仮想曲線)上に配置されている。これは、当接部232の突出量を低減し、第2シャッタ部材230の動作範囲を小さくする点で好ましいと考えられる。更には、当接部232及び遊技球の接触点CP1は、上述した所定領域の範囲内で可変通路部250の下流側よりも上流側に寄せて設定することが望ましい。これにより、当接部232の突出量を低減し、第2シャッタ部材230の動作範囲を小さくすることができる。総じて、当接部232及び遊技球の接触点CP1は対称点CP3に近い位置に設定することが好ましく、これにより、第2シャッタ部材230の状態を切り替える際の応答性向上に貢献できる。
また、図18(a)に示すように、当接部232における突出量が最大となる部位は第2シャッタ部材230の所定方向への回動に基づいて下側傾斜通路部147の上流側から下流側に徐々に移動することとなる。このように、当接部232の最大突出部位が、遊技球の流下方向に向けて移動しながらその突出量が増加する構成とすることにより、仮に第2シャッタ部材230が遊技球の列に割り込んだ場合であっても、第2シャッタ部材230と平板部211との間に遊技球が挟まるといった不都合を生じにくくし、第2シャッタ部材230の動作が阻害されにくくすることができる。
第2シャッタ部材230(詳しくは当接部232)は、両取込ユニット140,160が連通している状態においては、前記開口フランジ178からの突出が回避されている。このため、第2シャッタ部材230の突出が抑えられた状態においては、当接部232と遊技球とが接触することは無く、第2シャッタ部材230の始動時に第2シャッタ部材230が遊技球に対して接触しながら移動することが回避されている。すなわち、遊技球との摩擦等に起因して当該第2シャッタ部材230の回動が阻害されるといった不都合が生じにくくなっている。これにより、遊技機本体12の開放に伴って両取込ユニット140,160が相対移動する際に、第2シャッタ部材230の動作(突出)が遅れるといった不都合を生じにくくすることができる。
上述した開口フランジ178は、底板部152の先端部(すなわち前記段差部分)よりも下側傾斜通路部147の下流側に設けられ、第1シャッタ部材210が最も突出している状態において同第1シャッタ部材210の平板部211と対峙するように形成されている。第2シャッタ部材230よりも上流に位置する遊技球の球圧が過度に大きくなった場合には、開口フランジ178周辺に位置する遊技球のうち平板部211上に位置する遊技球の球面に沿ってその遊技球の上流側に位置する遊技球を上方に誘導することができる。上方に誘導された遊技球は開口フランジ178に当たることによりその球圧の一部を天板部153に逃がすことが可能となっている。これにより、シャッタ機構200に対して過度に大きな負荷が加わることを回避することができる。
図15(b)等に示すように、開口フランジ178(すなわち下流側開口151)と本体側取込ユニット160の上流側開口164との間には所定の隙間が設けられており、この隙間が第2シャッタ部材230によって塞がれている。具体的には、第2シャッタ部材230には当接部232と第1壁面部236とを繋ぎ上流側開口164側を向いた第2壁面部237が形成されており、この第2壁面部237によって上述した隙間が塞がれている。これにより、両取込ユニット140,160間を移動する遊技球が取込機構130から零れるといった不都合は生じにくくなっている。このように下流側開口151と上流側開口164との両者を繋ぐ点に着目すれば、第2シャッタ部材230(詳しくは第2壁面部237)は、前記前板部154,前記後板部155及び平板部211と共に前記可変通路部250を構成しているともいえる。
以上詳述した第2シャッタ部材230は、突出量が増すことにより遊技球の通過領域を狭めることが可能となっているが、その突出量が最大になった場合であっても、単独で遊技球の流下を遮らないように構成されている。なお、第2シャッタ部材230が回動することに着目すれば、第2シャッタ部材230を「回動シャッタ部材230」と称することも可能である。
シャッタ機構200における各シャッタ部材210,230の動作タイミングについて、図17(b2)及び図19に基づき説明する。図19はシャッタ機構200の動作を示す概略図であり、遊技機本体12の開放に伴って、図19(a)→図19(b)→図19(c)の順に動作する。
始めに、シャッタ機構200の動作タイミングを規定する操作壁部180及び折曲部213と操作片181及び第1壁面部236との相互の関係について説明する。
図17(b2)に示すように、各取込ユニット140,160が離間している状態での、操作壁部180及び折曲部213の距離寸法LN1(外枠側取込ユニット140の移動経路に沿った距離寸法)は、操作片181及び第1壁面部236の距離寸法LN2(外枠側取込ユニット140の移動経路に沿った距離寸法)よりも小さく設定されている。すなわち、第2シャッタ部材230を動作させるストローク量は、第1シャッタ部材210を動作させるストローク量に比べて小さく設定されている。換言すれば、操作片181,第1壁面部236,操作壁部180,折曲部213は、遊技機本体12の開放に伴って操作片181及び第1壁面部236が当接している状態から離間している状態に移行される際に、操作壁部180及び折曲部213は所定の隙間を隔てて対峙するように配置されている。
図19(a)に示すように、両シャッタ部材210,230の突出量が最小に抑えられた状態においては上述した可変通路部250の通路長が最小となっており、当該可変通路部250を通じて外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出が許容されている。すなわち、底板部152上を移動する遊技球は、下流側開口151を通過した後、第1シャッタ部材210の平板部211における先端部分をかすめて外枠側取込ユニット140から流出する。
遊技機本体12が外枠11に対して閉じた位置から開放位置へと移動された際には、遊技機本体12の回動操作に基づいて、各シャッタ部材210,230の突出を抑制している操作壁部180及び操作片181が移動することとなる。これにより、各シャッタ部材210,230の突出量が増加することとなる。これに伴って、可変通路部250の通路長が徐々に大きくなる。
遊技機本体12が所定の位置まで回動することにより、先ずストローク量が比較的小さく設定された第2シャッタ部材230の突出量が最大となる(図19(b)参照)。第1シャッタ部材210の突出量が増加することにより、第1シャッタ部材210の平板部211に沿って遊技球が移動することとなり、外枠側取込通路144が延長されることとなる。第2シャッタ部材230は、上述の如く延長された遊技球の流下経路に対しても所定の間隔を隔てた位置に存在しており、当接部232と遊技球とが干渉しにくくなっている。
図19(b)に示す状態から遊技機本体12を更に開放することで、第1シャッタ部材210の突出量が増加し、更なる通路の延長が実現されることとなる。第1シャッタ部材210の突出量が所定量(ほぼ最大となる量)に達した状態においては、可変通路部250の通路長が最大となり、変更された流下経路が上述の如く最大に突出した第2シャッタ部材230(詳しくは当接部232)に対して交差することとなる。これにより、平板部211上の遊技球は当接部232に当接する。両シャッタ部材210,230が突出することにより、それらシャッタ部材210,230の間隔が、当初の開口(すなわち下流側開口151)よりも狭くなる。詳しくはそれらシャッタ部材210,230の間隔が遊技球の直径未満となる。これにより、両シャッタ部材210,230に当接している遊技球の流出が規制されることとなる。
以上詳述したように、当初の遊技球の流下経路に対して離れた位置において、第2シャッタ部材230を突出させ、その突出した第2シャッタ部材230に対して遊技球が当接するように、遊技球の流下経路を変更(延長)させる構成とすることにより、流下する遊技球によって第2シャッタ部材230の動作が妨げられることを回避できる。また、第1シャッタ部材210は、自身単体で遊技球の流下を阻止するのでなく、平板部211に載った遊技球を第2シャッタ部材230側へ案内し同第2シャッタ部材230とともに遊技球の流下を阻止する構成としたことにより、それら流下する遊技球によって第1シャッタ部材210の動作が妨げられにくくなっている。より具体的には、第2シャッタ部材230は、自身が突出することにより遊技球の移動スペースを積極的に作り出し、その移動可能となった領域に遊技球を案内している。このため、遊技球列に無理に割り込む必要がなくなり、第1シャッタ部材210のスライド軌道上にて別部材との間に遊技球が挟まるといった不都合を生じにくくしている。
ここで、図20に基づき両取込ユニット140,160の位置関係及び相対移動方向に関して詳細に説明する。図20(a)は両取込ユニット140,160の位置関係を簡略化して示すパチンコ機10の平面図、図20(b)は両取込ユニット140,160の相対移動方向を示す図20(a)の概略図である。
図20に示すように、外枠側取込ユニット140は、遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心として下流側開口151を通過する仮想円C1における下流側開口151での接線TLの向きと下側傾斜通路部147の通路方向とがパチンコ機10の平面視において(遊技機本体12の回動中心軸線CL1方向から見て)同一となるように形成されている。そして、本体側取込ユニット160は、その上流側開口164が上述した仮想円C上に位置するように配置されている。言い換えれば、本体側取込ユニット160は、本体側取込ユニット160が遊技機本体12の回動に伴って通過する軌道Pが仮想円C上に重なるように配置されている。これにより両取込ユニット140,160が相対移動する際の下側傾斜通路部147の通路方向に対して直交する方向への相対移動量を、少なくとも回動初期には小さなものとすることができ両取込ユニット140の境界に位置する遊技球(例えば本体側取込ユニット160の上流側開口164から突出した遊技球)が引っ掛かることで本体側取込ユニット160の移動、すなわち遊技機本体12の回動操作が妨げられるといった不都合を生じにくくすることが可能となっている。
また、上述した各シャッタ部材210,230の動作に関しても、遊技機本体12の移動に伴って操作壁部180及び操作片181が移動することで、遊技機本体12の回動操作量に対して両シャッタ部材210,230の突出量が極端に大きくなることを回避できる。すなわち、遊技機本体12の回動に対して、各シャッタ部材210,230が過敏に動作することを回避することができる。これにより、遊技機本体12の位置ずれ等に伴うシャッタ部材210,230の誤動作を抑制することが可能となっている。更には、遊技機本体12の回動に合わせて各シャッタ部材210,230の突出量が徐々に増加する構成とし、第1シャッタ部材210による通路の延長に合わせて遊技球を移動させることにより、このような遊技球の移動に沿わせて(逆らわないように)第2シャッタ部材230の当接部232を移動させることが可能となっている。これにより、遊技球と第2シャッタ部材230とをつかえにくくすることが可能となっている。
次に、図21及び図22を参照し、遊技機本体12の外枠11に対する開閉動作とシャッタ機構200の動作との関係について説明する。図21及び図22の(a1)〜(e1)群はパチンコ機10の平面概略図、図21及び図22の(a2)〜(e2)群はシャッタ機構200の切替動作及び遊技球の流れを説明する説明図である。シャッタ機構200は、遊技機本体12が外枠11に対して閉じた状態から開放される際に、図21(a)→図21(b)→図21(c)→図22(d)→図22(e)の順に動作する。
図21(a)に示すように遊技機本体12を外枠11に対して閉じた状態においては、外枠側取込ユニット140と本体側取込ユニット160とが連通し、シャッタ機構200による遊技球の流下規制は解除された状態となっている。このため、島設備から供給された遊技球は、払出機構72の回転体100(詳しくは凹部100bを除く部位)に当接している遊技球を先頭にして、ケースレール91,本体側取込ユニット160,外枠側取込ユニット140,連結部材149を経由して一列に連なった状態となっている。このため、遊技球の払出しが行われた場合には、逐次遊技球の補給を行うことができ、遊技の円滑な進行が実現されている。
遊技球の払出しが行われていない場合には、上述した一連の遊技球のうち本体側取込ユニット160の上流側開口164に係る遊技球の一部(本実施の形態においては凡そ1/3〜1/2程度)が当該上流側開口164から突出した状態となっている。なお以下、説明の便宜上、本体側取込ユニット160の上流側開口164に係る遊技球、すなわち本体側取込ユニット160における最上流に位置し上流側開口164からその一部が突出している遊技球を第1特定遊技球B1と称する。
メンテナンス等の際に遊技機本体12が閉位置からパチンコ機10の前方に回動されると、本体側取込ユニット160が外枠側取込ユニット140から離れる方向に移動することとなる。具体的には、遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心とし外枠側取込ユニット140の下流側開口151を通る仮想円C1の同下流側開口151における接線TLとほぼ同じ方向に本体側取込ユニット160が移動し始める。なお実際には、本体側取込ユニット160は遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心とした円運動を行うため、遊技機本体12の開放角度が大きくなれば、本体側取込ユニット160の移動方向と上述した接線TLの方向とのずれが大きくなる。しかしながら、遊技機本体12の回動角度が十分に小さい所定の範囲(シャッタ機構200の動作が行われる範囲)においては、本体側取込ユニット160の移動方向は接線TLの方向とほぼ同一となるものである。
このような本体側取込ユニット160の移動に伴って本体側取込ユニット160の操作壁部180及び操作片181が各シャッタ部材210,230から離れる側に移動し、外枠側取込ユニット140の各コイルバネ220,234の付勢力によって、第1シャッタ部材210及び第2シャッタ部材230が突出する側に移動する。すなわち、第1シャッタ部材210が下側傾斜通路部147の通路方向下流側にスライド移動することにより平板部211の突出量が増加し、第2シャッタ部材230が所定の方向に回動することに基づき当接部232が下側傾斜通路部147の上流側から下流側に移動し、同当接部232の突出量が増加する。
遊技機本体12の閉位置からの回動量が所定量に達すると第2シャッタ部材230の凸部233と外枠側取込ユニット140のストッパ部176とが当接し、図21(b)に示すように、先ず第2シャッタ部材230の突出量が最大となる。かかる場合、第1シャッタ部材210の突出量は平板部211上に遊技球を載せることができる程度(本実施の形態においては最大突出量の凡そ半分)に増加し、実質的に下側傾斜通路部147が延長されることとなる。つまり、特定遊技球B1によって下側傾斜通路部147内に押し留められていた遊技球(下側傾斜通路部147の最下流位置に存在する遊技球)が、自身よりも上流に位置する遊技球列の球圧によって下流側に押されることにより、第1特定遊技球B1の移動に追従して下流側に移動し、上述した平板部211の上面に載った状態となる。そして、平板部211に載った後は、平板部211の突出に伴って下流側に更に移動することとなる。なお、以下便宜上、下側傾斜通路部147の最下流位置に存在し、上述した第1特定遊技球B1に続く遊技球を第2特定遊技球B2と称する。
このように少なくとも第1シャッタ部材210(詳しくは平板部211)の突出量が最大となる以前は、第2シャッタ部材230の当接部232と、第2特定遊技球B2との間には所定の隙間が確保された状態となっており、本体側取込ユニット160への遊技球の流入が第1特定遊技球B1によって抑えられている。
遊技機本体12が図21(b)に示す状態から更に開放されると、本体側取込ユニット160の操作片181が外枠側取込ユニット140の第1壁面部236から離間する一方、操作壁部180と折曲部213との接触は維持されることにより、遊技機本体12の回動量の増加に合わせて第1シャッタ部材210の突出量が増加を続けることとなる。そして、平板部211上に位置する第2特定遊技球B2も同第1シャッタ部材210のスライド移動に伴い第1特定遊技球B1の移動に追従して下流側に移動されることとなる。
遊技機本体12の閉位置からの回動量が所定量に達すると、図21(c)に示すように、第1シャッタ部材210の起立部212が本体側取込ユニット160のストッパ部173に当り第1シャッタ部材210の突出量も予め定められた最大量に達する。この時点では、平板部211上に載置されている第2特定遊技球B2が本体側取込ユニット160から突出している第1特定遊技球B1に対して当接した状態で保持されており、平板部211上に載置されている第2特定遊技球B2と第2シャッタ部材230の当接部232との間には隙間が確保された状態となっている。
図22(d)に示す状態から更に遊技機本体12が開放されると、平板部211上に載置された第2特定遊技球B2は平板部211に沿って下流側に移動(転動又は摺動)する。これにより、平板部211上の第2特定遊技球B2は第2シャッタ部材230の当接部232に当り、第2特定遊技球B2を含む外枠側取込通路144内に貯留された全ての遊技球の移動が阻止された状態となる。
このように両シャッタ部材210,230に第2特定遊技球B2が当接することにより、両取込ユニット140,160の連通状態が解除される。そして、遊技機本体12が更に開かれることで、両特定遊技球B1,B2が離間し、遊技球列が外枠11側と遊技機本体12側とで分断された状態となる(図22(e)参照)。
一方、外枠11に対して遊技機本体12が開放され両取込ユニット140,160が完全に離間した状態、すなわち両取込通路144,163が分断されている状態から遊技機本体12を閉じる際には、シャッタ機構200が図22(e)→図22(d)→図21(c)→図21(b)→図21(a)の順に動作することにより遊技球の取り込みが許容されることとなる。
図22(e)に示す状態から遊技機本体12を閉方向に回動させた場合、先ず本体側取込ユニット160の上流側開口164から当該本体側取込ユニット160の外部に突出している遊技球(すなわち前記第1特定遊技球B1)が、外枠側取込ユニット140に貯留され両シャッタ部材210,230に当接している遊技球(すなわち前記第2特定遊技球B2)に当たる(図22(d)参照)。このように特定遊技球B1,B2同士が当った時点では、本体側取込ユニット160の操作壁部180及び第1シャッタ部材210の折曲部213、本体側取込ユニット160の操作片181及び第2シャッタ部材230の第1壁面部236はそれぞれ所定の隙間を隔てて対峙した状態となっている。
遊技機本体12が閉位置に向けて更に回動されることに基づいて、外枠側取込ユニット140の第2特定遊技球B2は、本体側取込ユニット160の第1特定遊技球B1によって押され、平板部211上を上流側に移動(転動又は摺動)する。これにより第2特定遊技球B2は、第2シャッタ部材230の当接部232から離間した状態となる。
下側傾斜通路部147の底板部152と第1シャッタ部材210の平板部211とが段差を形成している。このため、第1特定遊技球B1によって第2特定遊技球B2が押された場合には、第2特定遊技球B2の上流側に隣接し平板部211に載っている遊技球が天板部153側に持ち上げられやすくなっている。このように上流側の遊技球を移動させることによって第2特定遊技球B2の上流側への移動スペースが捻出される。これにより、特定遊技球B1,B2の支えを生じにくくしている。
また、このように第1特定遊技球B1によって第2特定遊技球B2を押す構成とした場合、第1特定遊技球B1に加わっている球圧の大きさが極端に大きいと、それら特定遊技球B1,B2が支えることで遊技機本体12を閉じきることが困難となることが懸念される。かかる場合、遊技機本体12の閉じ動作に伴って発生する衝撃(例えば遊技機本体12の重量)が取込機構130に集中すると想定され、このような集中負荷の発生は取込機構の機能保全の観点から好ましくないと考えられる。この点、本実施の形態においては特に、本体側取込ユニット160の上流側開口164に、第2特定遊技球B2と反対側への第1特定遊技球B1の移動を許容する余裕代を付与している。これにより、第2特定遊技球B2の移動が困難である場合には第1特定遊技球B1が積極的に移動することとなり、上述したような特定遊技球B1,B2の支えを生じにくい構成を実現している。
以上詳述したスペースの確保によってもまだ特定遊技球B1,B2の支えが解消されない場合であっても、上述した連結部材149が変形することによって更なるスペースの確保が可能である。これにより、特定遊技球B1,B2の支えは好適に回避されることとなる。
更に遊技機本体12を回動させることによって、図21(c)に示すように、本体側取込ユニット160の操作壁部180と第1シャッタ部材210の折曲部213とが当り、第1シャッタ部材210が収容部170に向けて押されることとなる。このように第1シャッタ部材210がスライド移動することによって遊技球の流下規制が解除され両取込ユニット140,160が連通した状態となる。
その後、遊技機本体12が閉位置に到達することによって本体側取込ユニット160の操作片181及び第2シャッタ部材230の第1壁面部236が当接し(図21(b)参照)、第2シャッタ部材230が引張コイルバネ240の付勢力に抗して回動することとなる。かかる場合、第2シャッタ部材230と遊技球とが離間していることにより、第2シャッタ部材230の回動が遊技列の球圧によって妨げられることが回避され、円滑な動作が実現されている。
遊技機本体12が閉位置に押し込まれることにより、両シャッタ部材210,230の突出量が減少し、平板部211上に載置されていた第2特定遊技球B2は下側傾斜通路部147の底板部152上に押し戻されることとなる(図21(a)参照)。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU304が搭載されている。CPU304には、当該CPU304により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM305と、そのROM305内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM306と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPU304には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU304の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置82に設けられた払出制御基板311及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板315が接続されており、CPU304には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU304の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板311及び中継端子板319が接続されている。払出制御基板311には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板319を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板321に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板315とを中継し、また電源及び発射制御基板315から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板311は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU312は、そのCPU312により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM313と、ワークメモリ等として使用されるRAM314とを備えている。
払出制御基板311のCPU312には、入出力ポートが設けられている。CPU312の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板315、及び裏パック基板111が接続されている。また、CPU312の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板111が接続されている。
電源及び発射制御基板315は、電源部316と発射制御部317とを備えている。電源部316は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板311等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板311等に対して供給する。発射制御部317は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板321は、スピーカユニット54及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU322は、そのCPU322により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM323と、ワークメモリ等として使用されるRAM324とを備えている。
音声ランプ制御基板321のCPU322には入出力ポートが設けられている。CPU322の入力側には中継端子板319に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカユニット54及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板321から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
島設備から供給される遊技媒体は、取込機構130を介してパチンコ機10側に取り込まれる。取込機構130は、外枠11に設けられた外枠側取込ユニット140と遊技機本体12に設けられた本体側取込ユニット160とからなり、遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖している状態ではそれら各取込ユニット140,160が連通することにより遊技球の取り込みが許容され、遊技機本体12が外枠11に対して開放されている状態ではそれら各取込ユニット140,160の連通状態が解除されることにより遊技球の取り込みが不可となる。これにより、パチンコ機10に貯留される遊技球を、外枠11側と遊技機本体12側とに分けて保持することができ、遊技機本体12の重量低減に貢献することが可能となる。そして、遊技機本体12と外枠11との連結部分、すなわち上側支持用金具21や下側支持用突起22に生じる負担を減らすことができる。
また、回動可能に支持された遊技機本体12と外枠11との相対位置(特に回動先端側での相対位置)は遊技機本体12の重量や大きさ等に基づいてずれやすくなり、このような位置ずれによって、遊技機本体12を外枠11に対して閉じた際にそれら遊技機本体12と外枠11とが引っ掛かるといった不都合が生じやすくなる。実際、遊技機本体は図柄表示装置や各種制御装置ユニット等を備えているとともに、当該遊技機本体には多数の遊技球が貯留される。これらの要因により、遊技機本体の総重量が比較的大きなものとなるのが一般的であり、ホール等における遊技機本体の閉作業時には、遊技機本体における回動先端側の下端部が外枠の縁部等に当たって(引っ掛かって)、同遊技機本体の回動が妨げられることが多い。
この点、本実施の形態に示すように遊技機本体12に貯留される遊技球を減らすことが可能であれば、遊技機本体12の総重量を大きく減らすことができ、上述したような遊技機本体12の傾きを好適に抑制できる。これにより、例えば遊技機本体12を外枠11に対して開閉する際に、それら遊技機本体12と外枠11とが引っ掛かるといった不都合を生じにくくすることが可能となる。
更に、従来の遊技機(パチンコ機やパロット)においては、遊技機本体12が貯留タンクを備える構成が一般的であったが、この貯留タンクを排除することにより、遊技機本体12の重量低減を促進できる。また近年、遊技演出の多様化等を目的として絵柄表示装置や役物の大型化が進んでおり、上述の如く貯留タンクを廃止することができれば、絵柄表示装置等の配置スペースの確保が容易となる。これにより、絵柄表示装置等の大型化を促進でき、実用上好ましい構成を実現できる。
取込機構130を外枠側取込ユニット140と本体側取込ユニット160とによって構成した。このように、取込機構130を遊技機本体12側と外枠11側とに分けて構成することで、遊技機本体12を回動させる際に、遊技球の流れを許容したり不可としたりする必要が生じる。本実施の形態においては、外枠側取込ユニット140に設けられたシャッタ機構200によって、遊技機本体12の回動操作に伴って外枠側取込ユニット140からの遊技球の流出を阻止する阻止状態と流出を許容する許容状態とを切り替えられる構成とした。これにより、作業者は、遊技機本体12の開閉を行う度に、遊技球の流下を遮断する等の別途作業を行う必要がなくなり、作業の煩雑化を抑制することが可能となっている。
外枠側取込ユニット140に、当該外枠側取込ユニット140内に形成される遊技球列の球圧を減ずる減圧構造を設けた。これにより、両取込ユニット140,160が離間し上述したシャッタ機構200によって遊技球の流出が抑えられている場合に、当該シャッタ機構200に対して過度の球圧が加わることを抑制している。これにより、シャッタ機構200の保護と、同シャッタ機構200の動作性の担保とを実現している。
各取込ユニット140,160を遊技機本体12側と外枠11側とに分けて配置した構成においては、遊技機本体12と外枠11との相対位置のずれが各ユニット140,160の相対位置のずれの要因となり得る。このような位置ずれは、各取込ユニット140,160間での遊技球の円滑な取り込み(移動)を妨げることとなり好ましくない。この点、本実施の形態においては、各取込ユニット140,160を遊技機本体12の回動基端側に配置した(図2等参照)。遊技機本体12と外枠11とは回動先端側において相対位置がずれやすくなる一方、回動基端側では相対位置のずれが生じにくくなる。つまり、取込機構130を遊技機本体12の回動基端側に配置することにより、各取込ユニット140,160の相対位置のずれを抑え、遊技球の取り込みの円滑化に貢献している。
また、本体側取込ユニット160が遊技機本体12の回動先端側、外枠側取込ユニット140が遊技機本体12の回動基端側となるように配置した。これにより、遊技機本体12の回動に伴って、本体側取込ユニット160は外枠側取込ユニット140から離れる方向に移動することとなるため、本体側取込ユニット160と外枠側取込ユニット140との干渉を回避しやすくでき、外枠側取込通路144の出口部分(下流側開口151)と本体側取込通路163の入口部分(上流側開口164)との合わせを好適なものとすることができる。仮に、上述した構成と逆の構成、すなわち外枠側取込ユニットを回動先端側に配置する構成を採用した場合、遊技機本体12の回動に伴って本体側取込ユニットが移動する際の軌道が、外枠側取込ユニットに対して重なりやすくなる。つまり、遊技機本体12の回動に伴って、本体側取込ユニットは外枠側取込ユニットに近づく方向に移動し、その後外枠側取込ユニットから離れていくこととなる。このような構成においては本体側取込ユニットと外枠側取込ユニットとの干渉を回避しつつ、外枠側取込ユニットの出口部分と本体側取込ユニットの入口部分の合わせを担保するための構造が必要となり、取込機構に関する構造の煩雑化を生じ得ると想定される。故に、本実施の形態にしめすように本体側取込ユニット160が遊技機本体12の回動先端側、外枠側取込ユニット140が遊技機本体12の回動基端側となるように両取込ユニット140,160を配置することが好ましい。
図20(b)に示したように、各取込ユニット140,160を遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心とする同一の仮想円C1上に並設した。より具体的には、接線TL上に外枠側取込ユニット140の下流側開口151と本体側取込ユニット160の上流側開口164とを配置し、それら各開口151,164の向きがパチンコ機10の平面視において上記接線TLと重なる構成とした。これにより、遊技機本体12の全回動範囲のうち開放量が比較的小さな所定の範囲では外枠側取込ユニット140から流出する遊技球の移動方向と、本体側取込ユニット160の移動方向とをパチンコ機10の平面視において(遊技機本体12の回動中心軸線CL1方向から見て)ほぼ同等とすることが可能となっている。これにより、遊技機本体12が閉位置から回動方向に位置ずれした場合であっても、両取込ユニット140,160が遊技球の流下経路と交差する方向にずれにくくすることができる。これにより、両取込ユニット140,160の境界にて遊技球が引っ掛かるといった不都合を生じにくくすることができる。また、両取込ユニット140,160が離間する際に、それら各取込ユニット140,160の境界に位置する遊技球が引っ掛かるといった不都合の発生を好適に回避できる。
外枠側取込ユニット140の上側傾斜通路部145は左右方向に延びており、連結部材149を着脱する際の作業スペースが確保されている。これにより、作業性の担保に貢献している。一方、下側傾斜通路部147は前方に傾いて形成されている。これにより、上述したような両取込ユニット140,160の位置ずれを許容しやすい構成の実現に貢献している。また、上側傾斜通路部145,上下通路部146,下側傾斜通路部147のそれぞれの繋ぎ部分に曲がり部分が形成されている。このため、外枠側取込通路144内に形成された遊技球列は、通路壁面に複数箇所で当たることとなり、球圧の分散が好適に実現されている。特に、上下通路部146の最下流部位146aと下側傾斜通路部147の最上流部位147aとが前後にずれていることにより、下側傾斜通路部147よりも上流に位置する遊技球の球圧が、同下側傾斜通路部147内に形成された遊技球列に伝わりにくくなっている。これにより、遊技球を介して伝わる圧力が外枠側取込通路144内で好適に分散されることとなり、島設備から連なる遊技球列の影響が下流側開口151付近にまで及ぶことが好適に抑制されている。
本実施の形態においては特に、上側傾斜通路部145に対して下側傾斜通路部147を折り曲げることで外枠側取込ユニット140の小型化が図られている。このように外枠側取込ユニット140を小型化することによって取込機構130全体をコンパクトにまとめることで、遊技機本体12の回動中心軸線CL1と取込機構130との配置を近づけることが可能となっている。これにより、上側支持用金具21等に加わる負担の低減に貢献している。
シャッタ機構200は、複数のシャッタ部材210,230によって構成されている。1のシャッタ部材によって遊技球の流下を阻止する構成と比べて、各シャッタ部材210,230の動作量(移動量)を小さくすることができる。これにより、遊技機本体12の回動操作に対する応答性を高め、阻止状態への移行をスムーズに行うことが可能となる。また、複数のシャッタ部材210,230を用いることにより、遊技球を介して加わる重量負荷を好適に分散することができる。
外枠側取込通路144は、遊技球の流れの円滑化等を考慮して同遊技球よりも若干大きく形成されている。しかしながら、このような余裕代の設定により、遊技球の流れの円滑化等に貢献できる反面、遊技球の流れ(流下経路)にばらつきが生じやすくなる。特に、本実施の形態では遊技球が傾斜に沿って転動する構成であるため、上下方向及び流下方向の前後方向へのばらつきの発生頻度は高くなる。仮に、両シャッタ部材を下側傾斜通路部147の前後両側に配置する構成とした場合、阻止状態への移行に際し、先ず遊技球がどちらのシャッタ部材に対して当たるかを特定するのは困難になると想定される。遊技球が最初に当たる側のシャッタ部材の強度を下げることは好ましくないため、結果として両シャッタ部材の強度を担保する必要が生じる。この点、本実施の形態に示すように各シャッタ部材210,230を上下に配置すれば、上下方向における遊技媒体のばらつきは小さいため、所望とするシャッタ部材に遊技球を当てることができ、強度を無駄に強くする必要がなくなる。また、上下に配置することで、各シャッタ部材210,230の役割を異なるものとすることが可能となっている。
シャッタ機構200によって遊技球の流出が規制されている状態においては、両シャッタ部材210,230に当接している第1特定遊技球B1が、平板部211上に位置している。平板部211は底板部152から段差状に下っているため、第1特定遊技球B1に続く遊技球は第1特定遊技球B1の中心よりも上側に接触することとなる。このため、仮に上流側からの球圧が大きくなっても、第1特定遊技球B1に続く遊技球が上方に持ち上げられて天板部153に当たることとなる。これにより、シャッタ機構200に対して負荷が集中することを回避できる。
シャッタ機構200の各シャッタ部材210,230に所定の動作順序を設定した。すなわち、先ず遊技球の流下経路から離れた位置に第2シャッタ部材230が突出し、その後第1シャッタ部材210の突出量が最大となる構成とした。第1シャッタ部材210によって流下経路が延長され、この延長された先に第2シャッタ230が突出した状態で待ち構えることとなる。第2シャッタ部材230は遊技の列が形成される領域に割り込みにくくできる。このため、第2シャッタ部材230に遊技球が挟まることにより当該第2シャッタ部材230の動作が阻害されたり、可変通路部250に位置する遊技球が外枠側取込通路144及び本体側取込通路163のどちらの通路に配分されるかが区々になったりするといった不都合を生じにくくできる。
また、第1シャッタ部材210を下側傾斜通路部147の底板部152に沿って突出させ、この突出に合わせて遊技球を移動させる構成とした。これにより、第1シャッタ部材210に遊技球が挟まるといった不都合が生じにくくなっている。
遊技機本体12の回動に合わせてシャッタ機構を動作させる構成とした場合、両取込ユニット140,160が離間すると同時又はそれよりも前にシャッタ機構の動作が終了していることが望ましい。しかしながら、遊技機本体12の回動開始と同時にシャッタ機構
による阻止がなされる構成とすれば、遊技球列における分断が困難な部分にシャッタ機構が割り込むことにより同シャッタ機構に遊技球が挟まって動作が確実に行われなくなったり、両取込ユニット140,160の境界に位置する遊技球がそれら両取込ユニット140,160のどちら側に位置するかが不安定になり遊技球の零れが発生しやすくなったりするといった不都合が生じると想定される。この点、本実施の形態においては、遊技機本体12が解放される際には、本体側取込ユニット160の上流側開口164から突出した第1特定遊技球B1によって、当該第1特定遊技球B1に後続する遊技球(例えば第2特定遊技球B2)が遊技機本体12の移動速度に合わせて徐々に移動するように規制されており、この遊技球の移動に合わせて第1シャッタ部材210による通路の延長が行われることとなる。これにより、通路が延長されている状態においては遊技球の流出を完全に阻止する必要がなくなり、シャッタ機構200の動作に対して若干の猶予が与えられることとなる。故に、上述したように遊技球列における分断が困難な部分への割り込みを回避することができ、遊技球列を無理に分断する必要がなくなる。これにより、シャッタ機構200(詳しくは第2シャッタ部材230)の動作に伴う遊技球の零れを好適に抑制できる。
第2シャッタ部材230の当接部232は、当該第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2からの距離が一定となる曲面状(回動中心軸線CL2と直交する断面が円弧状)をなしている。これにより、当接部232に対して遊技球が当っている状態では、遊技球の球圧は第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2すなわち軸部175に伝わることとなる。このため、球圧によって第2シャッタ部材230が回動するといった不都合を生じにくくすることができ、第2シャッタ部材230と遊技球とのかみ込みを抑制できる。これにより、流下規制を解除する際の第2シャッタ部材230の動作が妨げられることを回避できる。
また、第2シャッタ部材230が阻止状態に切り替えられる際には、当接部232の最大突出部位は、上流側から下流側に移動しながらその突出量が徐々に増加する構成となっている。このように、遊技球の流れに沿わせながら突出量を増加させることにより、仮に遊技球の列へ、第2シャッタ部材230(詳しくは当接部232)が割り込んだ場合であっても、当接部232と遊技球とが支えるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、当接部232が上流側に凸となる曲面状をなし、その突出量が上流側から下流側に向けて徐々に増加する構成であることで、仮に当接部232が遊技球の列に割り込んだ場合、当接部232に沿って遊技球の一部が上流側に押し戻されることとなる。これにより、第2シャッタ部材230の動作スペースが確保される。特に、第2シャッタ部材230は回転動作により突出量が変化する構成であるため、当接部232に加わる球圧が大きくなった場合であっても、規制解除位置に押し戻されるといった不都合が生じることはない。
当接部232を第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2からの距離が一定となる曲面状に形成し、第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2が下側傾斜通路部147の通路方向と直交する方向に延びる構成とした。当接部232に遊技球が当接している場合、球圧は当接部232から軸部175に真っ直ぐ伝達される。これにより、当接部232と回動中心軸線CL2とが離れていることに起因する軸部への負担の増加(すなわち応力の発生)を抑えることができる。
シャッタ機構200に当接している第2特定遊技球B2は、第2シャッタ部材230によって下方へ押さえられている。このため、後続する遊技球を介して球圧が加わっても、第2特定遊技球B2が浮き上がることはない。これにより、阻止状態が解除された際には、第2特定遊技球B2が下流側に向けて円滑に流下することとなり、両取込ユニット140,160の境界付近での遊技球の暴れを抑制することが可能となっている。
第2特定遊技球B2はシャッタ機構200に当接している状態において、下流側に突出する構成とした。遊技機本体12を閉位置に向けて回動すると、本体側取込ユニット160の上流側開口164から突出した第1特定遊技球B1が第2特定遊技球B2に接触し、シャッタ機構200の動作に先んじて外枠側取込ユニット140内(主として下側傾斜通路部147内)に貯留された遊技球を上流側へ押し上げられることとなる。これにより、第2特定遊技球B2が第2シャッタ部材230の当接部232から離間することとなり、第2シャッタ部材230の回動が円滑に行われることとなる。これにより、シャッタ機構200の切り替えを好適に実施できる。
また、第1シャッタ部材210の平板部211は底板部152に対して段差状に下っている。このため、第2特定遊技球B2に後続する遊技球は、第2特定遊技球B2が上流側に押し込まれることで、上方に移動する。これにより、第2特定遊技球B2の移動スペースが確保される。つまり、底板部152と平板部211との段差部分によって、第2特定遊技球B2の移動スペースの確保を容易化し、大きな力を必要とすることなく、第2シャッタ部材230と第2特定遊技球B2とを引き離すことが可能となっている。
更には、本体側取込ユニット160の上流側開口164は上流側通路部166に対して拡張されており、第1特定遊技球B1が突出状態を維持したまま第2特定遊技球B2から離れる方向に移動可能となっている。本実施の形態においては、遊技機本体12を閉じた際に、第1特定遊技球B1によって第2特定遊技球B2を上流側に押す構成とし、上述した段差部分により第2特定遊技球B2の移動スペースを確保する構成とした。しかしながら、島設備から連なる遊技球の球圧が想定される以上に大きい場合には、第2特定遊技球B2に後続する遊技球が予め上方に浮き上がっている可能性がある。かかる場合、第2特定遊技球B2の移動スペースの確保が困難となり、両特定遊技球B1,B2が支えることで、両取込ユニット140,160の連通が阻害され得る。この点、上述の如く第1特定遊技球B1の移動スペースを確保しておくことで、両特定遊技球B1,B2の支えは好適に回避される。
取込通路を遊技機本体12側と外枠11側とに分けて設ける構成においては、遊技機本体12と外枠11との相対位置のずれに起因して外枠側取込通路144の下流側開口151と本体側取込通路163の上流側開口164とがずれるおそれがある。このような位置ずれは、遊技球の流下を妨げる要因となるため好ましくない。本実施の形態においては特に、第2シャッタ部材230の突出量を遊技機本体12が閉じた状態においては小さくすることができ、外枠側取込通路144の下流側開口151から本体側取込通路163の上流側開口164への遊技球の移動を妨げにくくなっている。これにより、第2シャッタ部材230を固定式とする構成に比べて、外枠側取込通路144の下流側開口151と本体側取込通路163の上流側開口164との境界の広がりを担保し、上述した遊技機本体12と外枠11との位置ずれを許容しやすくすることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、外枠側取込ユニットに設けられた遊技球の流下経路の変更に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで以下、図24に基づき流下経路の変更に関する構成、詳しくは流下経路を変更する変更手段について説明する。図24(a)は変更手段を示す斜視図、図24(b)は外枠側取込ユニットと本体側取込ユニットとが連通した状態での流下経路を示す概略図であり、図24(c)は、外枠側取込ユニットと本体側取込ユニットとが離間した状態での流下経路を示す概略図である。なお、変更手段以外の各種構成については上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
外枠側取込ユニット370(外枠側取込通路371)は、上述した第1の実施の形態と同様に、下側傾斜通路部372を備えており、その下側傾斜通路部372には本体側取込ユニット390(本体側取込通路391)の上流側開口392に連なる下流側開口373が形成されている。
図24(a)に示すように、外枠側取込ユニット370には、下流側開口373の上流にて当該下流側開口373に向かう遊技球の流下経路を変化させる変更手段400が設けられている。
変更手段400は、下側傾斜通路部372を形成している前板部376側及び後板部377側に個別に取り付けられた複数の可動部材410,420を有している。前板部376及び後板部377には、各可動部材410,420に対応して内外に貫通する開口378,379が形成されている。可動部材410,420は、これら開口378,379を介して移動することにより、下側傾斜通路部372に対して出没可能な構成となっている。
それら各開口378,379における下流側開口373と反対側の縁部には、下側傾斜通路部331の通路方向と直交し上下に延びる円柱状の軸ピン380,381が設けられており、それら各軸ピン380,381が可動部材410,420に形成されている軸受け孔411,421に嵌まることにより、両可動部材410,420が個別に軸支された状態となっている。つまり、両可動部材410,420は、各軸ピン380,381の中心軸線CL3,CL4を中心として回動可能となっている。以下便宜上、前板部376側の可動部材410を「第1可動部材410」と称し、後板部377側の可動部材420を「第2可動部材420」と称する。
第1可動部材410と第2可動部材420とは、一部を除き同様の構成を有するため、先ず第1可動部材410について説明し、その後、それら各可動部材410,420の相違点を中心に第2可動部材420について説明する。
図24に示すように、第1可動部材410は、軸ピン380の回動中心軸線CL3に沿って延びる柱状をなしており、回動中心軸線CL3と直交する断面が略扇状をなすように形成されている。そして、第1可動部材410は、扇状の弧の部分を構成し回動中心軸線CL3からの距離が一定となるように形成された曲面部412が下流側開口373側を向くように配置されている。第1可動部材410の外周面には、回動中心軸線CL3に平行で且つ下側傾斜通路部331の内方(後板部377側)を向いた内側壁部413と、同じく回動中心軸線CL3に平行で且つ下側傾斜通路部331の外側を向いた外側壁部414とが曲面部412を介して連続するように形成されており、第1可動部材410が回動することによって下側傾斜通路部331(前板部376)に対する内側壁部413の突出量が増減する構成となっている。
第1可動部材410の軸受け孔411(詳しくは回動中心軸線CL3)は、当該第1可動部材410の上流側の端部に偏倚して配置されている。これにより、第1可動部材410の回動に基づく、当該第1可動部材410の回動基端側(上流側)における内側壁部413の突出量の変化を抑えつつ、当該第1可動部材410の回動先端側(下流側)における内側壁部413の突出量の変化を大きくすることが可能となっている。つまり、内側壁部413の突出量を上流側から下流側へ徐々に大きくすることで、当該内側壁部413に沿って遊技球の流れを円滑に変化させることが可能となっている。
外枠側取込ユニット330には、内側壁部413の突出を抑える側へ第1可動部材410を付勢する付勢部材としての捻りコイルバネ(図示略)が設けられている。第1可動部材410は、この捻りコイルバネにより突出しない側に向けて常時付勢された状態となっている。なお、付勢部材は、捻りコイルバネに限定されるものではなく、圧縮コイルバネや引張コイルバネ等の他のコイルバネを用いてもよいし、板バネ等を用いてもよい。
外枠側取込ユニット370の前板部376には、第1可動部材410が前記捻りコイルバネの付勢力によって回動し、当該第1可動部材410が所定の位置に到達した場合に、第1可動部材410の外側壁部414に対して当接することにより第1可動部材410の回動を規制する規制部386が形成されている。言い換えれば、規制部386によって内側壁部413の突出量が最小(具体的には0)となるように第1可動部材410の位置が規定されている。なお、内側壁部413は、このように突出量が最小となるように抑えられた状態にて前板部376の内面と同一平面上に位置するように形成され、すなわち前板部376の内面に対して面一となるように形成され、遊技球の流れを阻害しにくい構成となっている。因みに、内側壁部413が曲面状をなす構成とすることも可能である。
また、第1可動部材410には、本体側取込ユニット390に形成され外枠側取込ユニット370に向けて延びる操作片393に当接することにより、内側壁部413が突出する側に第1可動部材410を回動させる案内部415が形成されている。
案内部415は、天板部375に形成されたスリット388を介して当該天板部375から突出しており、その突出した部分には前記捻りコイルバネによって付勢されている側を向き操作片393の移動経路(詳しくは第1の実施の形態に示した接線TL)に対して斜めに交差するように形成された傾斜面416が形成されている。この傾斜面416を操作片393が押すことにより、第1可動部材410が捻りコイルバネの付勢力に抗して回動することとなる。
外枠側取込ユニット370と本体側取込ユニット390とが連通している状態では、操作片393と案内部415とによって第1可動部材410の最大突出位置(すなわち内側壁部413の最大突出量)が規定される。より詳しくは、第1可動部材410の最大突出位置は、下側傾斜通路部372の通路幅を、すなわち両可動部材410,420の間隔を遊技球の通過が許容される程度(遊技球の直径よりも若干大きい程度)に狭めるように設定されている。
ここで、図24(b),(c)に基づき第1可動部材410の動作について簡単に説明する。図24(b)に示すように、外枠側取込ユニット370と本体側取込ユニット390とが連通している状態においては、第1可動部材410の案内部415(詳しくは傾斜面416)が操作片393によって押され、内側壁部413が最大突出位置に配置されている。外枠側取込ユニット370と本体側取込ユニット390とが離間することに伴って、操作片393と案内部415(傾斜面416)と相対位置が変化し、前記捻りコイルバネの付勢力によって第1可動部材410が回動することとなる。第1可動部材410の回動量が所定の値に達すると、操作片393と案内部415との離間に同期して、外側壁部414が規制部386に当たる。これにより、第1可動部材410の回動が規制され、第1可動部材410が突出しない位置に配置される(図24(c)参照)。
上述した第2可動部材420についても第1可動部材410と同様に、曲面部422,内側壁部423及び外側壁部424を有しており、内側壁部423は第1可動部材410の内側壁部413と所定の間隔を隔てて対峙している。つまり、対峙する各可動部材410,420の内側壁部413,423によって下側傾斜通路部372の一部(特定通路領域PE)が形成されている。また、第1可動部材410と同様に、付勢部材としての捻りコイルバネ(図示略)が取り付けられているが、第2可動部材420においては、捻りコイルバネによる付勢が第1可動部材410と逆となるように構成されている。すなわち、第2可動部材420は内側壁部423が下側傾斜通路部372に対して突出するように付勢されている。
また、第2可動部材420には、当該第2可動部材420が前記捻りコイルバネの付勢力によって所定の位置に移動した場合に後板部377に当接することにより付勢されている側への更なる回動を規制する規制部427が形成されている。すなわち、第2可動部材420の最大突出位置(すなわち内側壁部423の突出量)が規制部427によって規定されている。
更には、第2可動部材420には、第1可動部材410の案内部415と同様に、本体側取込ユニット390に形成された操作片394に対応する案内部425が、天板部375に形成されたスリット389から突出するように形成されている。
ここで、図24(b),(c)に基づき第2可動部材420の動作について簡単に説明する。図24(b)に示すように、外枠側取込ユニット370と本体側取込ユニット390とが連通している状態においては、第2可動部材420の案内部425(詳しくは傾斜面426)が操作片394によって押され、内側壁部423が後板部377の内面と同一面上となる位置に配置されている。外枠側取込ユニット370と本体側取込ユニット390とが離間することによって、操作片394と案内部425(傾斜面426)と相対位置が変化し、前記捻りコイルバネの付勢力に基づき第2可動部材420が回動することとなる。第2可動部材420の回動量が所定の値に達すると、操作片394と案内部425との離間に同期して、規制部427が後板部377に当たり、当該第2可動部材420の回動が規制される(図24(c)参照)。これにより、第2可動部材420が最大突出位置に配置された状態となる。
以上詳述したように、可動部材410,420が回動することによって、遊技球の流下経路が変更されることとなる。
可動部材410,420の下流側には、上述した下流側開口373が設けられている。下流側開口373は、下側傾斜通路部327に対して狭くなるように形成されている。具体的には、前板部376の下流側の端部には底板部374及び天板部375に連なり出口部分の一部を遮蔽する板状の遮蔽部430が形成されており、この遮蔽部430によって、下流側開口373を複数の遊技球が同時に通過できないように、すなわち形成される遊技球の列が複数にならないように規制されている。より詳細には、遮蔽部430は、その内面(下側傾斜通路部372の上流側を向いた板面)が下側傾斜通路部372の通路方向と直交するように形成されている。なお、遮蔽部430の内面は下側傾斜通路部372の通路方向に対して必ずしも直交させる必要は無く、例えば通路上流側に凸となる曲面状をなすように形成することも可能である。
遮蔽部430は、上述した第1可動部材410が突出しない位置に配置され且つ第2可動部材420が最大突出位置に配置されることによって規定される遊技球の流下経路の最下流領域に配置され、各可動部材410,420に当接している遊技球が当たることによりそれら可動部材410,420によって規定された流下経路を辿る遊技球が下流側開口373から流出しないように形成されている。また、遮蔽部430は、第1可動部材410が最大突出位置に配置され且つ第2可動部材420が突出しない位置に配置されることによって規定される遊技球の流下経路の最下流領域に対して干渉しない領域に配置され、それら可動部材410,420によって規定された流下経路を辿る遊技球の移動(流出)を妨げないように形成されている。言い換えれば、遮蔽部430は、第1可動部材410が最大突出位置に配置されている状態での内側壁部413に対して下側傾斜通路部372の通路方向視で当該遮蔽部430のほぼ全域が重なるように形成されている。つまり、遮蔽部430の前板部376からの突出量は、内側壁部413の最大突出量よりも小さくさるように設定されている。これにより、遊技球の流出を許容する状態においては、内側壁部413の下流側に遮蔽部430が隠れることとなり、同遮蔽部430の上流側に位置する遊技球が当該遮蔽部430に対して引っ掛かりにくくなっている。
また、遮蔽部430は、最大突出位置に配置された第2可動部材420の内側壁部423との間に隙間が生じるように形成されている。そして、この隙間を介して遊技球の一部を露出させるように構成されている。上述した隙間から露出した遊技球の一部は、第1の実施の形態と同様に、本体側取込通路391の上流側開口392から突出した遊技球と当接可能となっている。なお、本体側取込ユニット390(本体側取込通路391)の上流側開口392は、上述した下流側開口373とほぼ同等の大きさを有するように形成されており、両取込ユニット370,390が連通している状態においては、上述した遮蔽部430と上流側開口392の縁部とが当接するように構成されている。
ここで、上述した操作片393,394及び案内部415,425と、前記隙間から露出した遊技球及び上流側開口392から突出した遊技球との相互関係について説明する。遮蔽部430及び第2可動部材420によって遊技球の流出が阻止され、且つそれら遮蔽部430及び内側壁部423に当接している遊技球と上流側開口392から突出している遊技球とが当接している状態において、操作片393及び案内部415は所定の間隔を隔てて対峙するように構成されている。操作片394及び案内部425についても同様に、所定の間隔を隔てて対峙するように構成されている。
以下、上述した操作片393や案内部415等の位置関係を踏まえて、遊技機本体12の外枠11に対する開閉操作に基づく変更手段400の動作について説明する。
遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖されている状態においては、図24(b)に示すように、外枠側取込ユニット370(詳しくは外枠側取込通路371)の下流側開口373と本体側取込ユニット390(詳しくは本体側取込通路391)の上流側開口392とが連通している。かかる状態では、本体側取込ユニット390の操作片393,394によって各可動部材410,420の案内部415,425が押えられ、第1可動部材410は突出する位置に、そして第2可動部材420は突出しない位置にそれぞれ配置され、それら各可動部材410,420の内側壁部413,423によって規定される遊技球の流下経路が外枠側取込通路371の下流側開口373に連なっている。このため、外枠側取込通路371を流下する遊技球が、両可動部材410,420の内側壁部413,423に沿って下流側開口373に導かれている。このように、第1可動部材410が最大突出位置に配置されている状態においては、遮蔽部430と遊技球の流下経路との干渉が回避されており、外枠側取込ユニット370から本体側取込ユニット390への遊技球の受け渡しが担保されている。
遊技機本体12が外枠11に対して開放された場合、本体側取込ユニット390の操作片393,394が外枠側取込ユニット370から離れる側に移動する。これに基づいて、前記捻りコイルバネの付勢力により第1可動部材410は突出量が減少する側に、そして第2可動部材420は突出量が増加する側に回動することとなる。このような両可動部材410,420の回動に伴って、特定通路領域PEに位置している遊技球(例えば後述する第2特定遊技球B2)が第2可動部材420の内側壁部423に押されて第1可動部材410の内側壁部413側(前板部376側)に寄る。両可動部材410,420は各内側壁部413,423の間隔をほぼ一定に保ちながら同期して移動し、内側壁部413側に押された遊技球は、内側壁部413が移動することによって生じたスペースを辿り内側壁部423に追従して移動することとなる。また、このように各可動部材410,420が回動する際には、本体側取込ユニット390の上流側開口392から突出している第1特定遊技球B1と、その第1特定遊技球B1に後続する第2特定遊技球B2との当接状態が維持されることとなる。
そして、第1可動部材410の外側壁部414が規制部386に当たることによって第1可動部材410の回動が規制され、これと同期して第2可動部材420の規制部427が後板部377に当たることによって第2可動部材420の回動も規制される。遊技機本体12が更に開放されることによって、操作片393が案内部415から離間するとともに、操作片394が案内部425から離間し、その後、第1特定遊技球B1に追従して流下していた第1特定遊技球B2が遮蔽部430に当ることで、当該第2特定遊技球B2及びその上流側に連なる遊技球の流出が阻止されることとなる。このように第2特定遊技球B2の移動が阻止されることで、当該第2特定遊技球B2の第1特定遊技球B1に追従した移動は規制され、遊技機本体12の開放に伴って第1特定遊技球B1と第2特定遊技球B2とが離間することとなる。すなわち、図24(c)に示すように、両取込ユニット370,390が分離した状態となる。
図24(c)に示すように遊技機本体12が外枠11に対して開放されている状態から、遊技機本体12が閉じられる場合には、本体側取込ユニット390の上流側開口392から突出している第1特定遊技球B1が外枠側取込ユニット370の下流側開口373から露出している第2特定遊技球B2に当接する。遊技機本体12が閉位置に向かって移動することにより、第1特定遊技球B1に押されて第2特定遊技球B2が上流側に移動し、第2特定遊技球B2と遮蔽部430とが離間することとなる。すなわち、第2特定遊技球は、両回動中心軸線CL3,CL4に近づくように移動する。第2特定遊技球B2が遮蔽部430から離間した後、本体側取込ユニット390の操作片393,394が各可動部材410,420の案内部415,425に当接し、それら操作片393,394によって各案内部415,425が押されることにより、各可動部材410,420が捻りコイルバネの付勢力に抗して回動することとなる。
具体的には、第1可動部材410が最大突出位置に向けて移動するとともに、第2可動部材420が突出しない位置に向けて移動することとなる。これにより、両可動部材410,420の内側壁部413,423の間(すなわち特定通路領域PE)に位置する遊技球(例えば第2特定遊技球B2)は、第1可動部材410の内側壁部413に押されて第2可動部材420の内側壁部423側(後板部377側)に寄る。両可動部材410,420は各内側壁部413,423の間隔をほぼ一定に保ちながら同期して移動し、内側壁部413側に押された遊技球は、内側壁部413が移動することによって生じたスペースを辿り内側壁部423に追従して移動することとなる。
遊技機本体12が閉位置に到達することに同期して、第1可動部材410の内側壁部413の突出量が最大となり、第2可動部材420の内側壁部423の突出量が最少となる。これにより、遊技球の流下経路と遮蔽部430との干渉が回避され、遊技球が下流側開口373を通過可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
両可動部材410,420が回動することにより、外枠側取込通路371を流下する遊技媒体の流下経路が変更される。第1可動部材410が突出しない位置に配置され、且つ第2可動部材420が最大突出位置に配置されることに基づき遊技球が案内されることとなる領域にて遮蔽部430と遊技球とが当接する構成とした。すなわち、流下経路が変更されることで遊技球が到達する領域に遮蔽部430を予め待機させる構成とした。予め待機している遮蔽部430に向けて遊技球が移動するため、当該遮蔽部430を遊技球の列に対して無理に割り込ませる必要がなくなる。これにより、遮蔽部430と遊技球とのつかえを回避しやすくでき、遊技球の流下が阻止されている状態(阻止状態)と、遊技球の流下が阻止されていない状態(阻止解除状態)とを好適に切り替えることができる。
第1可動部材410が最大突出位置に配置されている場合には、遮蔽部430よりも上流側に位置する遊技球の当該遮蔽部430に対する接触を内側壁部413によって抑える構成とした。これにより、遮蔽部430を、当該遮蔽部430に対して当接した遊技球の流出を積極的に抑える構成とすることが可能となっている。仮に、阻止解除状態において遮蔽部430と当該遮蔽部430よりも上流側に位置する遊技球とを積極的に接触させる構成とした場合、遮蔽部430と遊技球との引っ掛かりを回避し遊技球の円滑な流出を実現するための機能、詳しくは遊技球を下流側開口373へと導くための傾斜等を遮蔽部430に付与する必要が生じ得る。このような変更は、遊技球の流出を阻止するという遮蔽部430本来の機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態に示すように、遊技球の阻止解除状態において第1可動部材410(詳しくは内側壁部413)によって遮蔽部430を隠す構成とすれば、阻止解除状態での遊技球との引っ掛かりを抑えるための機能を遮蔽部430に対して付与する必要が無くなる。これにより、遮蔽部430による遊技球の流出阻止機能を強化することが可能となっている。つまり、遮蔽部430(詳しくはその内面)を下側傾斜通路部372の通路方向と直交させる構成とすることで、当該遮蔽部430の内面に沿って遊技球が下流側に移動することを抑制しつつ、すなわち阻止状態での遊技球の通り抜けを好適に回避しつつ、内側壁部413によって阻止解除状態での球詰まりの発生を好適に抑制している。
また、内側壁部413,423は下流側に向けて徐々に突出量が増加する構成としたことにより、前板部376や後板部377に沿って流下する遊技球の流下経路を円滑に変更することが可能となっている。更には、各可動部材410,420の回動基端側における各内側壁部413,423と板部376,377と境界部位にて段差が生じにくくなっており、内側壁部413,423の上流側の端部に遊技球が引っ掛かるといった不都合が好適に抑制されている。
また、第1可動部材410が突出しない位置に配置されている状態においては、第1可動部材410の内側壁部413及び前板部376が面一となる構成とした。これにより、遊技球の流下を妨げにくくなっている。同様に、第2可動部材420が突出しない位置に配置されている状態においては、第2可動部材420の内側壁部423及び後板部377が面一となることで、遊技球の流下を妨げにくくなっている。
第2可動部材420及び遮蔽部430を、第2可動部材420の内側壁部423に対して遮蔽部430が下流側となるように配置した。これにより、第2可動部材420が最大突出位置に移動する際に、遮蔽部430との間に遊技球がつかえることで、当該第2可動部材420の動作が妨げられるといった不都合を好適に抑制している。
遊技機本体12が開放される場合には、本体側取込ユニット390の上流側開口392から突出している第1特定遊技球B1と外枠側取込ユニット370の下流側開口373から露出している第2特定遊技球B2とが当接したまま、移動する構成とした。より詳しくは、第2特定遊技球B2が遮蔽部430に当たるまで、当該第2特定遊技球B2の流下が第1特定遊技球B1によって抑えられる構成とした。これにより、両可動部材410,420による流下経路の変更に先んじて、第2特定遊技球B2が下流側開口373を通過してしまうといった不都合を生じにくくしている。
また、上述の如く各特定遊技球B1,B2の当接を維持する構成としたことで、遊技機本体12を閉鎖する際には、本体側取込ユニット390の上流側開口392から突出している第1特定遊技球B1と外枠側取込ユニット370の下流側開口373から露出している第2特定遊技球B2とが当接し、第2特定遊技球B2が上流側に押されることとなる。かかる場合、第2特定遊技球B2の移動スペースが確保されないと、両取込ユニット370,390の連通が確実に行われなくなることが懸念される。この点、本実施の形態においては、外枠側取込通路371の下側傾斜通路部372の通路幅に対して、各可動部材410,420による流下経路の変更を許容するように、余裕をもたせる構成としたことで、上述したような第2特定遊技球B2の移動スペースを確保しやすくしている。これにより、流下経路の変更を可能としつつ、特定遊技球B1,B2同士のつかえを好適に抑制することができ、実用上好ましい構成を実現している。
更には、遊技機本体12を閉じる場合に、第1特定遊技球B1によって第2特定遊技球B2が上流側すなわち回動中心軸線CL3,CL4側に押される構成とした。これにより、第2特定遊技球B2と各内側壁部413,423との当接部位を回動中心軸線CL3,CL4に近づけることができ、各可動部材410,420の回動時に生じる負荷を低減することが可能となっている。これにより、阻止状態と阻止解除状態の切り替えの円滑化に貢献している。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、外枠11の外枠側取込通路144と遊技機本体12の本体側取込通路163との連結部分(境界部位)にシャッタ機構200(詳しくは第2シャッタ部材230)を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、内枠13と前扉枠14とに一連の遊技球案内通路が設けられている場合には、その遊技球案内通路における内枠13側の通路部分と前扉14側の通路部分との連結部分(境界部分)にシャッタ機構200を配置していもよい。同様に、内枠13と裏パックユニット15とに一連の遊技球案内通路が設けられている場合には、その遊技球案内通路における内枠13側の通路部分と裏パックユニット15側の通路部分との連結部分(境界部分)にシャッタ機構200を配置していもよい。
(2)上記各実施の形態では、外枠側取込通路144と本体側取込通路163との離間に伴って遊技球の流出を阻止するシャッタ機構200を設けたが、これに限定されるものではない。すなわち、相対移動可能に設けられた一連の遊技球案内通路に対してシャッタ機構200を適用したが、これに限定されるものではない。相対移動しない(分離不能な)1の遊技球案内通路にシャッタ機構200を適用することも可能である。
また、シャッタ機構200を遊技球案内通路の出口部分に設けるのではなく、取込通路の中間位置等に設けることも可能である。換言すれば、「特定位置」は遊技球案内通路の出口部分に限定されず、当該遊技球案内通路における任意の位置に設定することが可能である。
(3)上記第1の実施の形態では、第1シャッタ部材210及び第2シャッタ部材230を併用することで遊技球の流出を阻止する構成としたが、これを変更し、第2シャッタ部材230のみを用いることで遊技球の流出を阻止する構成としてもよい。かかる場合、底板部152の上面と当接部232とに遊技球が当接することにより遊技球の流出が阻止される構成とすればよい。
(4)上記第1の実施の形態では、外枠側取込通路144の下流側開口151の上側、すなわち天板部153側から第2シャッタ部材230が突出する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、前板部154側から突出する構成としてもよいし、後板部155側から突出する構成としてもよい。
(5)上記第1の実施の形態では、当接部232を第2シャッタ部材230の回動中心軸線からの距離が一定となる曲面状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。第2特定遊技球B2の中心CTと当接部及び第2特定遊技球B2を結んだ直線上にて第2シャッタ部材230の変位を抑えるストッパ又は軸部が存在するのであれば、当接部を平面又は曲率の一定でない曲面等とすることも可能である。更には、当接部232が一見すると面状でない構成、例えば突起の先端等に代表される点状とすることも可能である。
(6)上記第1の実施の形態では、当接部232に当接している第2特定遊技球B2からの球圧の一部を、当接部232を基準として第2特定遊技球B2の反対側に設けられた軸部175によって受ける構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、軸部175に代えて、第2シャッタ部材230の変位を規制するストッパを別途設けてもよい。例えば、仮想直線L1上において第2特定遊技球B2と共に第2シャッタ部材230を挟む位置に、ストッパを配置するとよい。
(7)上記第1の実施の形態に示した第2シャッタ部材230を払出装置92の回転体100に代えて用いることも可能である。すなわち、回転体100が回転することにより、遊技球の払出しを行う構成に代えて、第2シャッタ部材230が揺動(すなわち往復運動)することによって払出しを行う構成としてもよい。
(8)島設備から供給される遊技球を一時的に貯留する貯留タンクを外枠11に設けてもよい。詳しくは、島設備と外枠側取込ユニット140との間に貯留タンクを介在させ、当該貯留タンクから外枠側取込ユニット140に対して遊技球の供給が行われる構成としてもよい。また、外枠側取込ユニット140に代えて貯留タンクを用いることも可能である。遊技機本体12に対して貯留タンクを搭載するのではなく、外枠11に対して貯留タンクを搭載することにより、貯留タンク搭載に伴って生じる重量増加の影響が遊技機本体12の回動に及ぼす影響を抑えることができる。つまり、外枠11は島設備に対して固定されているため、貯留タンクを設けることで重量が増加しても、遊技機本体12の建付けに対する影響は小さいと考えられる。故に、遊技機本体12の開閉動作の際に同遊技機本体12と外枠11とが引っ掛かる(支える)といった不都合の発生は抑えられることとなる。但し貯留タンクを有する構成とした場合、貯留タンクの重量がパチンコ機10全体の重量に加算されるため、上述した実施の形態における軽量化が十分に生かされない可能性がある。また、貯留タンクを用いることで、パチンコ機10の背面側に貯留タンクを配置するためのスペースが必要となる。これにより、上記実施の形態に対して他部品(図柄表示装置41等)の配置自由度の低下が生じるおそれがある。故に、望ましくは貯留タンクを排除し、上記取込機構130を用いる構成とするとよい。
(9)上記各実施の形態では、本体側取込ユニット160を裏パックユニット15に装着する構成としたが、これに限定されるものではない。遊技機本体12を構成する内枠13や前扉枠14に装着することも可能である。
(10)上記各実施の形態では、取込機構130を遊技機本体12の回動基端側に設けたが、回動先端側に設けることも可能である。しかしながら、回動先端側においては遊技機本体12と外枠11との相対位置がずれやすくなり、それら遊技機本体12と外枠11とに設けられる各取込ユニット140,160の相対位置もずれやすくなると懸念される。さらには、遊技機本体12を外枠11に対して閉じる際には、回動基端側に比べて回動先端側の勢いは強くなりやすい。このため、両取込ユニット140,160の相対移動速度も大きくなりやすくなり、これに起因して両取込ユニット140,160が連結した際の衝撃も大きくなりやすくなる。これは、取込機構130及びシャッタ機構200の機能保全の観点から好ましくない。故に、望ましくは、取込機構130を遊技機本体12の回動基端側に配置するとよい。
(11)外枠側取込ユニット140を遊技機本体12の回動基端側、本体側取込ユニット160を遊技機本体12の回動先端側となるようにそれら各取込ユニット140,160を配置したが、これを逆転することも可能である。すなわち、外枠側取込ユニット140を遊技機本体12の回動先端側、本体側取込ユニット160を遊技機本体12の回動基端側となるようにそれら各取込ユニット140,160を配置することも可能である。但し、このような変更を行った場合、遊技機本体12の回動に合わせて本体側取込ユニット160が移動する際の軌道と外枠側取込ユニット140との干渉を回避するように、両取込ユニット140,160の配置を行う必要がある。仮に上記干渉を回避したとしても、両取込ユニット140,160の境界を移動する遊技球の流下方向と両取込ユニット140,160の相対移動方向とを揃えることは困難となる。故に、望ましくは、外枠側取込ユニット140を遊技機本体12の回動基端側として両取込ユニット140,160を並設するとよい。
(12)上記各実施の形態では、外枠側取込通路144や本体側取込通路163の通路の大きさ(例えば通路幅等)を、それら通路144,163内に連なる遊技球列が一列のみとなるように設定したが、これを変更し、それら通路144,163内に連なる遊技球列が複数列となるように設定することも可能である。但し、かかる場合であっても、下流側開口151〜可変通路部250〜上流側開口164の間においては、遊技球列が1列となるように形成することが好ましい。これにより、シャッタ機構200を用いた遊技球列の分断が難しくなることを抑制できる。
(13)上記各実施の形態では、外枠側取込通路144を略コ字状とすることにより「減圧手段」としての機能を同外枠側取込通路144に付与する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、外枠側取込通路を段差状としたり、螺旋状(スパイラル状)としたりすることも可能である。また、島設備から連なる遊技球列に押されて上昇可能な程度(遊技球の移動が担保される程度)の上り傾斜部分を設けてもよい。
(14)上記各実施の形態では、上側傾斜通路部145が左右に延びる構成としたが、その上流側の端部が下流側の端部よりも後方に位置するように上側傾斜通路部145全体を後方へ傾ける構成としてもよい。これにより、連結部材149の装着性の更なる向上に貢献することができる。
(15)上記各実施の形態では、パチンコ機10の平面視において(遊技機本体12の回動中心軸線CL1方向から見て)下側傾斜通路部147を上側傾斜通路部145に対して前側に傾けて形成したが、これを変更し、パチンコ機10の平面視において下側傾斜通路部147を上側傾斜通路部145に対して平行となるように形成することも可能である。
(16)上記各実施の形態では、パチンコ機10の平面視において(遊技機本体12の回動中心軸線CL1方向から見て)外枠側取込ユニット140(詳しくは下流側開口151)と本体側取込ユニット160(詳しくは上流側開口164)とを遊技機本体12の回動中心軸線CL1を中心とする仮想円上にそれぞれ配置したが、これに限定されるものではない。例えば、遊技機本体12の回動中心軸線を中心とし外枠側取込ユニット140(詳しくは下流側開口151)を通過する仮想円の内側又は外側に本体側取込ユニット160(詳しくは上流側開口164)を配置してもよい。
(17)上記第1の実施の形態では、「阻止手段」としてのシャッタ機構200が、複数のシャッタ部材(詳しくは第1シャッタ部材210及び第2シャッタ部材230)を有する構成としたが、シャッタ部材の個数を1つとすることも可能である。なお、シャッタ部材を3以上設けることも可能である。
(18)上記第1の実施の形態では、第1シャッタ部材210がスライド移動可能に設けられ、第2シャッタ部材230が回動可能に設けられる構成とした。すなわち両シャッタ部材210,230の動作態様が異なる構成とした。これを変更し、両シャッタ部材210,230の動作態様を揃える構成とすることも可能である。例えば、両シャッタ部材がともに回動可能に設けられていてもよいし、スライド移動可能に設けられていてもよい。
また、第1シャッタ部材210が回動可能に設け、第2シャッタ部材をスライド移動可能に設けることも可能である。
(19)上記第1の実施の形態では、両シャッタ部材210,230を通路の上下に配置したが、これを変更し両シャッタ部材を通路の前後に配置することも可能である。
(20)上記第1の実施の形態では、「通路延長手段」としての機能及び遊技球の流下を規制する機能を併せ有する第1シャッタ部材210を外枠側取込ユニット140に設けたが、これを変更し、遊技球の流下を規制する機能を排除された第1シャッタ部材(すなわち通路延長手段)を本体側取込ユニットに設けることも可能である。
(21)上記各実施の形態では、払出装置92(詳しくは回転体100)が待機状態である場合に、本体側取込ユニット160の上流側開口164から遊技球の一部が突出するように、払出装置92,ケースレール91及び本体側取込ユニット160の各通路を形成したが、開口164からの遊技球の突出を回避するように、払出装置92,ケースレール91及び本体側取込ユニット160の各通路を形成してもよい。すなわち、遊技機本体12を回動する際に、上流側開口164から突出している遊技球(第1特定遊技球B1)によって、両シャッタ部材210,230に当接している遊技球(第2特定遊技球B2)を押す構成としたが、このように遊技球同士が当接することを回避する構成としてもよい。
(22)上記第1の実施の形態では、可変通路部250を介して下流側開口151と上流側開口164とが連なる構成としたが、これを変更し可変通路部250を介することなく両開口151,164が連なる構成とすることも可能である。
(23)上記第1の実施の形態では、第1シャッタ部材210がスライド移動することにより外枠側取込通路144が延長される構成としたが、これを変更し、底板部152自身がスライド移動することにより外枠側取込通路144を延長する構成としてもよい。
(24)上記第1の実施の形態では、第1シャッタ部材210によって、下側傾斜通路部147の通路方向と同方に通路が延長される構成としたが、これを変更し、下側傾斜通路部147の通路方向と異なる方向に通路が延長される構成としてもよい。例えば、第1シャッタ部材210を、下側傾斜通路部147の通路方向よりも若干か下方に傾いた方向にスライド移動させる構成としてもよい。
(25)上記第1の実施の形態では、遊技機本体12の開放に伴って第1シャッタ部材210の突出量が最大となるタイミングが、第2シャッタ部材230の突出量が最大となるタイミングよりも遅れる構成としたが、第1シャッタ部材210の突出量が最大となるタイミングと第2シャッタ部材230の突出量が最大となるタイミングとを同期させてもよい。
また上記第2の実施の形態では、各可動部材410,420の動作開始タイミング及び動作終了タイミングを揃える構成としたが、これに限定されるものではない。両可動部材410,420の動作開始タイミング及び動作終了タイミングの少なくともいずれかをずらすことも可能である。
(26)上記第1の実施の形態では、天板部153の先端に開口フランジ178を設けたが、この開口フランジ178を省略することも可能である。
(27)上記第1の実施の形態では、第2シャッタ部材230は所定の方向(パチンコ機10の背面視において時計回り)に回動することにより突出量が増加し、所定の方向と反対(パチンコ機10の背面視において反時計回り)に回動することにより突出量が減少する構成とした。これを逆転することも可能である。
(28)上記第1の実施の形態では、第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2が下側傾斜通路部147の通路方向と交差する方向に延びる構成としたが、通路方向と同一の方向に延びる構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合、軸部に加わる負荷が当接部と回動中心軸線との距離に比例して大きくなると想定される。このような軸部への負担の増加は、当該軸部の変形等を招来し第2シャッタ部材230の回動を妨げる要因となると考えられるため好ましくない。故に、好ましくは、第2シャッタ部材230の回動中心軸線は下側傾斜通路部147の通路方向と交差する方向に延びる構成とするほうがよい。
(29)上記第1の実施の形態では、第2シャッタ部材230の当接部232が、当該第2シャッタ部材230の回動中心軸線CL2からの距離が一定となる曲面状、すなわち曲率が一定の曲面状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。当接部232は、通路上流側から通路下流側に突出量が小さくなる曲面状であればよく、曲率が一定である必要はない。更には、当接部232を平面状とすることも可能である。
(30)上記各実施の形態では、本体側取込ユニット160の上流側開口164を外枠側取込ユニット140における下側傾斜通路部147の通路方向と同一方向に拡張し、上流側開口164内における上記方向への遊技球の移動を許容する構成とした。すなわち、第1特定遊技球B1によって第2特定遊技球B2が上流側に押し込まれる際に第2特定遊技球B2の押し込み負荷が想定以上に大きくなると、第1特定遊技球B1が遊技球の流下経路から離れる側に逃げる逃げ領域を本体側取込ユニット160側(詳しくは上流側開口164)に設けた。これを変更し、外枠側取込ユニット側(詳しくは下流側開口151付近)に、第2特定遊技球B2の押し込み負荷が想定以上に大きくなると第2特定遊技球B2が遊技球の流下経路から離れる側に逃げる逃げ領域を設けてもよい。
(31)上記第1の実施の形態では、本体側取込ユニット160に各シャッタ部材210,230を操作する操作壁部180及び操作片181を設けたが、これら操作壁部180及び操作片181の配設対象は本体側取込ユニット160に限定されるものではない。遊技機本体12を回動する際に、外枠11に対して相対移動する構成であれば操作壁部及び操作片の配設対象は任意である。
上記第2の実施の形態についても同様に、本体側取込ユニット390に各可動部材410,420を操作する操作片393,394を設けたが、これら操作片393,394の配設対象は本体側取込ユニット390に限定されるものではない。遊技機本体12を回動する際に、外枠11に対して相対移動する構成であれば操作片の配設対象は任意である。
また、各シャッタ部材210,230を突出する側に付勢する「付勢部材」として、コイルバネ(圧縮コイルバネ220や引張コイルバネ240)を用いたがこれに限定されるものではない。例えばねじりバネや板バネ等のコイルバネ以外のバネを用いることも可能であるし、ゴムを用いることも可能である。更には、「付勢部材」に代えて、各シャッタ部材210,230の自重を利用することで移動させる構成としてもよい。
(32)上記各実施の形態では、払出装置の待機状態において、回転体100よりも上流側の遊技球が周縁100aに当たる構成としたが、払出装置の待機状態において、回転体100よりも上流側の遊技球が凹部100bに嵌まる構成とすることも可能である。かかる場合、凹部100bに嵌まった遊技球に連なる遊技球のうち上流側開口164にかかる遊技球の少なくとも一部が当該上流側開口164から突出するように、ケースレール91等の通路長を規定するとよい。
(33)取込機構130の側方となる位置(従来のパチンコ機10においては貯留タンクが配置されている領域)に、各種制御装置66,63や図柄表示装置41等を冷却する送風装置等を配置してもよい。これにより実用上好ましい構成を実現できる。
(34)上記各実施の形態では、本体側取込ユニット160と払出装置92との間にケースレール91が介在する構成としたが、ケースレール91を省略し、本体側取込ユニット160と払出装置92とを直通させる構成としてもよい。
(35)上記第1の実施の形態では、「阻止手段」として移動可能に設けられた第2シャッタ部材230を用いたが、これに限定されるものではない。移動式のシャッタ部材に代えて、固定式のストッパを用いてもよい。例えば、図25に示すように、天板部153の先端部分に、上記実施の形態における開口フランジ178に代えて、遊技球の流出を阻止するストッパ340を設けてもよい。ストッパ340を、第1シャッタ部材210によって延長される領域に対して突出するように形成することにより、通路の延長に基づいて遊技球の流出を阻止することが可能となる。つまり、図25(a)に示すように、第1シャッタ部材210による通路の延長が行われていない状態では、ストッパ340は遊技球の流下経路から離れた位置に存在する。このため遊技球の流出を妨げにくくなっている。一方、図25(b)に示すように、第1シャッタ部材210によって通路の延長がなされた場合には、ストッパ340が遊技球の流下経路と干渉することとなり、ストッパ340に導かれた遊技球と当たることで、遊技球の流出が阻止されることとなる。これにより、阻止手段に関する構成を簡略化することができる。
但し、阻止手段を固定式とした場合には、下流側開口151から上流側開口164に流れる遊技球の流下経路が狭まりやすくなり、遊技機本体12と外枠11との位置ずれの影響を受けて遊技球の流下が阻害されるやすくなると想定される。故に、好ましくは「ストッパ」は固定式ではなく可動式とすることで、不用時の突出を控える構成を採用するとよい。
(36)上記第1の実施の形態では、第2シャッタ部材230が回動する構成としたが、第2シャッタ部材がスライド移動する構成としてもよい。具体的には、遊技球の流下を阻害しないように配置され、第2シャッタ部材を遊技球の流下方向に沿ってスライド移動可能に支持する支持部を設ける。そして、第2シャッタ部材の当接部と遊技球とが当接した状態にて当接部と遊技球との接触部分を通過し当該当接部に直交する仮想直線上に支持部又は他の部材等を配置し、その仮想直線方向への第2シャッタ部材の変位を規制する構成とするとよい。これにより、第2シャッタ部材に加わる球圧によって第2シャッタ部材が変形するといった不都合を生じにくくすることができる。但し、かかる構成を採用した場合、上記実施の形態と比べて第2シャッタ部材に関する構成が大型化しやすくなると考えられる。故に、望ましくは、第2シャッタ部材を回動可能に設け、その当接部が当該第2シャッタ部材の回動中心軸線に対して距離が一定となる曲面状をなす構成とするとよい。
(37)上記第1の実施の形態では、遊技機本体12の開方向への移動に基づいてシャッタ機構200が動作し、外枠側取込ユニット140からの遊技球の流下が阻止される構成としたが、これに限定されるものではない。作業者が遊技機を開放する際に行う動作、例えば施錠装置の解除操作等に基づいてシャッタ機構200が動作する構成としてもよい。更には、作業者が行う既存の操作に連動してシャッタ機構200が動作するのではなく、シャッタ機構200を動作させるための別途操作を必要とする構成を採用してもよい。例えば、シャッタ機構200を動作させるための操作部を前扉枠14等に設け、その操作部が操作されることにより遊技球の流出が阻止される構成としてもよい。
上記第2の実施の形態についても同様に、遊技機本体12の開方向への移動に基づいて各可動部材410,420が動作し、外枠側取込ユニット370からの遊技球の流下が阻止される構成としたが、これに限定されるものではなく、上述した変更と同様の変更を行うことも可能である。
(38)上記各実施の形態では、外枠側取込通路144を異なる方向に延びる複数の通路部145,146,147,250によって構成したが、これに限定されるものではない。外枠側取込通路144を同一方向に延びる複数の通路部によって構成してもよいし、湾曲する1の通路部によって構成してもよい。
(39)上記各実施の形態では、外枠側取込通路144の下流側開口151を含んだ通路領域、すなわち下側傾斜通路部147が下り傾斜する構成としたが、これを変更し、下側傾斜通路部147が鉛直に延びる構成とすることも可能である。但し、このように鉛直に延びる通路において遊技球の流出を阻止する場合、シャッタ部材に加わる負荷(例えば遊技球の自重圧力)を分散させることが困難となり得る。故に、好ましくは、本実施の形態に示すように、外枠側取込通路144を下流側開口151を含んだ通路領域では下り傾斜するように形成するとよい。
(40)上記第1の実施の形態では、外枠11の外枠側取込通路144と遊技機本体12の本体側取込通路163との連結部分(境界部位)にシャッタ機構200(詳しくはシャッタ部材210,230)を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、内枠13と前扉枠14とに一連の遊技球案内通路が設けられている場合には、その遊技球案内通路における内枠13側の通路部分と前扉枠14側の通路部分との連結部分(境界部分)にシャッタ機構200を配置していもよい。同様に、内枠13と裏パックユニット15とに一連の遊技球案内通路が設けられている場合には、その遊技球案内通路における内枠13側の通路部分と裏パックユニット15側の通路部分との連結部分(境界部分)にシャッタ機構200を配置していもよい。
(41)上記第1の実施の形態では、外枠側取込通路144と本体側取込通路163との離間に伴って遊技球の流出を阻止するシャッタ機構200を設けたが、これに限定されるものではない。すなわち、相対移動可能に設けられた一連の遊技球案内通路に対してシャッタ機構200(詳しくはシャッタ部材210,230)を適用したが、これに限定されるものではない。相対移動しない(分離不能な)1の遊技球案内通路にシャッタ機構200を適用することも可能である。
また、シャッタ機構200を遊技球案内通路の出口部分に設けるのではなく、取込通路の中間位置等に設けることも可能である。換言すれば、「特定位置」は遊技球案内通路の出口部分に限定されず、当該遊技球案内通路における任意の位置に設定することが可能である。
(42)上記第1の実施の形態では、外枠側取込通路144の下流側開口151の上側、すなわち天板部153側から第2シャッタ部材230が突出する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、前板部154側から突出する構成としてもよいし、後板部155側から突出する構成としてもよい。
(43)上記第1の実施の形態では、当接部232を第2シャッタ部材230の回動中心軸線からの距離が一定となる曲面状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。第2特定遊技球B2の中心CTと当接部及び第2特定遊技球B2を結んだ直線上にて第2シャッタ部材230の変位を抑えるストッパ又は軸部が存在するのであれば、当接部を平面又は曲率の一定でない曲面等とすることも可能である。更には、当接部232が一見すると面状でない構成、例えば突起の先端等に代表される点状とすることも可能である。
(44)上記第1の実施の形態では、当接部232に当接している第2特定遊技球B2からの球圧の一部を、当接部232を基準として第2特定遊技球B2の反対側に設けられた軸部175によって受ける構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、軸部175に代えて、第2シャッタ部材230の変位を規制するストッパを別途設けてもよい。例えば、仮想直線L1上において第2特定遊技球B2と共に第2シャッタ部材230を挟む位置に、ストッパを配置することで遊技球の球圧による第2シャッタ部材の変位を好適に抑えることができる。以下、図26に基づき第2シャッタ部材の変位を規制する構成の変形例について説明する。
上記実施の形態に示した回動式の第2シャッタ部材230及び軸部175に代えて、下流側開口349に対して出没するスライド式の第2シャッタ部材350と、第2シャッタ部材350を遊技球の流下方向に沿って移動可能な状態で保持するレール部材351とを設ける。第2シャッタ部材350は第1シャッタ部材210と対峙する板状をなしており、レール部材351にはこの第2シャッタ部材350の前後両側の端部が嵌まる溝部352が形成されている。
レール部材351は、下流側開口349側の先端部が遊技球の流下経路との干渉を回避するように配置されている。このため、両取込ユニット140,160が連通している状態においてはレール部材に351によって遊技球の流下が妨げられるといった不都合が生じにくくなっている。
レール部材351には、第2シャッタ部材350が阻止位置に配置され、第1シャッタ部材210との間に第2特定遊技球B2を挟んだ状態において、第2シャッタ部材350を基準として第2特定遊技球B2と反対側に位置するストッパ353が一体成形されている。ストッパ353は、第2シャッタ部材350の当接部354と反対側の板面に当接している。より詳細に説明すれば、第2シャッタ部材350の当接部354と第2特定遊技球B2との接点CP5と第2特定遊技球B2の中心CTとを結んだ仮想直線L5上にストッパ353が位置している。このため、第2特定遊技球B2を介して第2シャッタ部材350に球圧が加わることにより第2シャッタ部材350が仮想直線L5に沿って移動しようとしても、ストッパ353によってその移動が妨げられることとなる。これにより、第2シャッタ部材350の変位を抑え、上記実施の形態と同様に、第2シャッタ部材350の保護を図りつつ、遊技球の抜け落ち抑制することが可能となる。
なお、第2シャッタ部材350の動作させるための付勢部材(引張コイルバネ240に相当する構成)や操作部(第1壁面部236に相当する構成)等の設定は任意である。
(45)上記第1の実施の形態に示した第2シャッタ部材230を払出装置92の回転体100に代えて用いることも可能である。すなわち、回転体100が回転することにより、遊技球の払出しを行う構成に代えて、第2シャッタ部材230が揺動(すなわち往復運動)することによって払出しを行う構成としてもよい。
(46)上記第1の実施の形態では、両シャッタ部材210,230に当接している第2特定遊技球B2の一部が下流側に露出する構成としたが、第2特定遊技球B2が下流側に露出しない構成としてもよい。具体的には、両シャッタ部材210,230が最大突出位置に配置された状態において、それら両シャッタ部材210,230の間に所定の隙間が形成される構成としたが、それらシャッタ部材210,230同士が接触する構成としてもよい。また、両シャッタ部材210,230が最大突出位置に配置された状態において、それら両シャッタ部材210,230によって遮られる領域が遊技球の流下方向にて重ならない構成としたが、これを変更し、両シャッタ部材210,230によって遮られる領域が遊技球の流下方向にて重なる構成としてもよい。なお、上記第2の実施の形態においても同様に、第2可動部材420と遮蔽部430とに当接している第2特定遊技球B2の一部が下流側に露出する構成としたが、第2特定遊技球B2が下流側に露出しない構成としてもよい。
(47)上記第1の実施の形態では、第2シャッタ部材230が遊技球の流下を阻止する位置に配置されることにより、それ以上の突出が抑えられる構成としたが、これに限定されるものではない。第1シャッタ部材210によって案内された遊技球が当接し、その流下を阻止している状態にて、更に突出量が増す構成とすることも可能である。
(48)上記第2の実施の形態では、各可動部材410,420を回動可能に設けたが、これを変更し、スライド移動可能に設けてもよい。また、いずれか一方の可動部材を回動式とし、他方の可動部材をスライド式とすることも可能である。
(49)上記第2の実施の形態では、可動部材410,420の軸受け孔411,421(回動中心軸線CL3,CL4)を各可動部材410,420の上流側の端部に配置したが、これに限定されるものではない。例えば、各可動部材の軸受け孔(回動中心軸線)の位置を、それら可動部材の下流側の端部に配置することも可能である。
(50)上記第2の実施の形態では、各可動部材410,420を前板部376側と後板部377側とに配置したが、これを変更し、底板部374側と天板部375側とに配置することも可能である。
(51)上記第2の実施の形態では、各可動部材410,420が断面略扇状の柱状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、各可動部材を板状とすることも可能である。
(52)上記第2の実施の形態では、複数の可動部材410,420によって、遊技球の流下経路を変更する構成としたが、これを変更し、1の可動部材によって遊技球の流下経路を変更する構成としてもよい。例えば、上記実施の形態における第1可動部材410を省略することも可能である。但し、このような変更を行った場合、遊技球の流下を阻止している状態から、阻止しない状態へ移行する際に、遮蔽部430に当接している第2特定遊技球B2が、下流側開口373側に導かれにくくなると想定される。つまり、阻止しない状態に移行されたにもかかわらず、第2特定遊技球B2が遮蔽部430に引っ掛かったまま取り残されることが懸念される。故に、第1可動部材410を省略する場合には、阻止しない状態に移行される際に第2特定遊技球B2が上流に連なる遊技球の球圧によって下流側開口373に導く傾斜部(案内部)等を遮蔽部430に形成することが好ましい。
(53)上記第2の実施の形態では、遮蔽部430を固定式としたが、これを変更し遮蔽部を可動式とすることも可能である。具体的には、遮蔽部材を別体で設け、その遮蔽部材を流下経路の変更に合わせて下流側開口に対して出没させる構成とすることも可能である。例えば、遮蔽部を下流側開口に対して突出し遊技球の流下を阻止する位置と、遊技球の流下を阻止しない位置とに移動可能に設けるとよい。これにより、遊技球の流出を阻止しない状態では、両取込ユニットの合わせ部分(下流側開口や上流側開口)を大きくしやすくなり、遊技機本体12と外枠11との位置ずれによる影響を受けにくい構成を実現できる。例えば、遮蔽部430に代えて、上記第1の実施の形態に示す第2シャッタ部材230を用いることも可能である。
(54)上記第2の実施の形態では、外枠側取込通路と371と本体側取込通路391とを左右に配置する構成としたが、これら外枠側取込通路と371と本体側取込通路391とを上下に配置することも可能である。但し、このように上下に配置する構成とした場合には、第1特定遊技球B1を本体側取込通路391から突出させることにより、両取込通路371,391の分離が妨げられやすくなることが懸念される。故に、好ましくは、
左右(上述した仮想円上に)に並設するとよい。
(55)上記実施の形態では、遊技機本体12が外枠11に対して回動可能に支持される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技機本体12が外枠11に対してスライド移動可能に支持される構成としてもよい。
(56)上記実施の形態では、「規制部」として回転体100を有する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、払出通路98に対して出没するゲート部材を設け、同ゲート部材が突出することに基づいて遊技球の流下を阻止するとともに、同ゲート部材が没入することに基づいて遊技球の流下を許容する構成としてもよい。
(57)上記実施の形態では、上下通路部146が鉛直に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。上下通路部は少なくとも、同上下通路部と下側傾斜通路部との境界にて、遊技球の流下方向が変化するように形成されていればよい。例えば、上下通路部が下り傾斜する構成とし、上下通路部と下側傾斜通路部との通路方向を交差させることも可能である。
(58)下側傾斜通路部147を上側傾斜通路部145に対して折り返すように構成した。具体的には、下側傾斜通路部147の通路方向が上側傾斜通路部145の通路方向よりも若干後側に傾くように外枠側取込通路144を形成した。これを変更し、下側傾斜通路部147の通路方向が上側傾斜通路部145の通路方向と平行(スロットマシン10の平面視において平行)となるように外枠側取込通路144を形成することも可能である。
(59)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の特徴群に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技場への設置に際して島設備に固定される外枠と、当該外枠に対して開閉可能に軸支された遊技機本体とを備えている。遊技機本体は、遊技領域を形成する遊技盤や前記遊技領域に対して遊技球の打ち出しを行う発射装置を搭載してなる内枠と、遊技球を一時的に貯留する球受け皿を有した前面枠とを備えており、球受け皿に貯留された遊技球が順次発射装置に送り込まれ、前記遊技領域に打ち出されたそれら遊技球の流下態様等を視認することにより遊技が行われる。また遊技機には、上述した球受け皿と遊技機の背面側に設けられた遊技球の払出装置とを繋ぐ遊技球通路が設けられており、この遊技球通路を介して球受け皿への遊技球の払い出しが行われる。遊技球通路は前面枠の開放に伴って球受け皿側と払出装置側とに離間する構成となっており、このように通路が分断された場合に遊技球通路の上流側からの遊技球の流出を阻止するシャッタ機構が設けられていることが多い。シャッタ機構によって遊技球の流出を阻止することにより、遊技球が零れるといった不都合を生じにくくしている(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したシャッタ機構においては、出没可能に設けられたシャッタ部材が遊技球通路に対して突出し、当該シャッタ部材に当たることによって遊技球の流出を妨げる構成となっているものが一般的である。シャッタ部材を出没させる構成とすることで、遊技球の流出を阻止する状態と、許容する状態との切り替えが容易に実現されている。シャッタ部材と遊技球の流下経路との重なりを大きくすれば、仮に遊技球を介して伝わる圧力が大きくなっても遊技球の流出を好適に阻止することが可能となる。その反面シャッタ部材の動作量が大きくなることで、流出を阻止する状態と許容する状態との切り替えを素早く行うことが困難となる。一方、シャッタ部材と遊技球の流下経路との重なりを小さくすれば、上述した各状態の切り替えを素早く行うことが可能となる。しかしながらその反面、シャッタ部材と遊技球との掛かり代が小さくなり、仮に遊技球を介して伝わる圧力が大きくなることに起因してシャッタ部材が変位(移動又は変形)した場合には、遊技球の流出を阻止することが困難となり得る。なお、上述したような不都合は、分断されることのない1の遊技球通路の出口部分や中間位置にシャッタ機構(シャッタ部材)を配置した場合であっても同様に発生し得ると想定される。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技媒体を案内する案内通路(例えば外枠側取込通路144)と、
前記案内通路の特定位置よりも下流側への遊技媒体の流下を阻止する阻止位置、及び当該流下を阻止しない阻止解除位置の両位置に移動可能に設けられた可動部材(第2シャッタ部材230)と、
前記可動部材に形成され、当該可動部材が前記阻止位置に配置された場合に前記特定位置に対して突出することにより前記特定位置において前記案内通路を狭めるとともに、当該特定位置にある遊技媒体に下流側から当接する当接部(当接部232)と、
前記可動部材を移動可能に支持する支持部(軸部175)と
を備え、
前記案内通路を流下する遊技媒体との干渉を回避するように前記案内通路の外側に配置され又は前記案内通路の外側に偏倚させて配置されているとともに、前記特定位置にある遊技媒体と前記当接部との当接部分を基準として当該遊技媒体の反対側に配置されている前記支持部又は他の部材によって、前記当接部分を基準として前記特定位置にある遊技媒体の反対側に向けた前記可動部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機。
案内通路において遊技媒体の流下を阻止するには、例えば可動部材によって案内通路を塞ぐ(又は遮る)とよい。案内通路を塞いでしまうことで、仮に可動部材が変形等しても遊技媒体が流下するといった不都合は好適に回避される。しかしながらその反面、可動部材の移動量が増し、遊技媒体の流下を阻止する位置への移動が素早く行われなくなる可能性が生じる。例えば可動部材の移動経路上に遊技媒体が存在している場合、その遊技媒体を上流側や下流側等に押し退ける必要が生じ得る。このように可動部材の移動を阻害する要因が存在することで阻止位置への移動が遅れることが懸念される。一方、可動部材によって塞がれる(遮られる)範囲を小さくし、可動部材の突出量を遊技媒体が引っ掛かる程度に抑えれば、可動部材の移動量を小さくし、遊技媒体の流下を阻止する位置への移動を素早く行うことが可能となる。しかしながらその反面、遊技媒体との掛かり代が小さくなることにより、仮に可動部材の変形等した場合には遊技媒体との当たりを維持することが困難となり、遊技媒体のこぼれが生じやすくなると考えられる。
この点、本特徴によれば、可動部材の移動量を小さくし、阻止する位置と阻止しない位置との両位置間での移動を簡易化しつつ、遊技媒体のこぼれを好適に抑制することができる。
詳しくは、可動部材が支持部によって移動可能に支持されている。可動部材が突出することで案内通路が狭まり、当接部に対して遊技媒体が当たることにより遊技媒体の流下が阻止されることとなる。当接部に伝わる遊技媒体の自重負荷によって可動部材が当接部分を基準として特定位置にある遊技媒体の反対側に向けて変位(変形又は移動)しようとすると想定される。流下が阻止されている遊技媒体と当接部との当接部分を基準として当該遊技媒体の反対側に支持部又は他の部材が配置されており、当該支持部等によって可動部材の当接部分を基準として遊技媒体の反対側に向けた変位が規制される。つまり、当接部に加わる負荷を支持部等によって受けることで、可動部材の変位を抑制している。これにより、可動部材の変形等を抑制し、流下阻止機能を担保することができる。故に、可動部材と遊技媒体との掛かり代を小さくすることにより可動部材の応答性を向上しつつ、遊技媒体の保持強度を向上することができる。
なお、本特徴に示す「可動部材」が遊技媒体の流下を阻止する可動部材である点に着目すれば、当該「可動部材」を「シャッタ部材」と置き換えることも可能である。
特徴A2.前記可動部材は、前記支持部によって回動可能に支持されているとともに、前記阻止位置に配置され、前記当接部が前記特定位置に対して突出している状態において、当該当接部が当該可動部材の回動中心軸線(回動中心軸線CL2)に対して前記特定位置側に位置するように形成されており、
前記可動部材の回動中心軸線は、前記案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域の通路方向と交差する方向に延びており、
前記当接部は、前記特定位置に対して凸となる曲面状をなし、前記可動部材の回動中心軸線からの距離が一定となるように形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、当接部に加わった外力は、可動部材の回動中心軸線に向けて伝わることとなる。このため、当接部と支持部との距離が離れていても、このような離れに起因して発生する応力を小さくすることができる。また、遊技媒体の自重圧力によって可動部材が回動することを抑制でき、遊技媒体の流下を阻止している状態を好適に維持することが可能となる。
また、本特徴においては可動部材を回動可能に支持し、当接部を回動中心軸線からの距離が一定となる曲面状をなすように形成した。これにより、例えば可動部材をスライド移動可能に支持する構成と比較して、遊技媒体の流下阻止に関する構成(構造)の小型化を促進することができ、実用上好ましい構成を実現可能となる。
なお、可動部材の回動中心軸線は、案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域の通路方向(すなわち遊技媒体の流下方向)に対して直交させるとよい。
特徴A3.前記可動部材は、当該可動部材の前記阻止位置への移動に伴って、前記当接部が前記案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域を流下する遊技媒体の流下方向先側に移動するように構成されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、特定位置を通過する遊技媒体の流れに沿うようにして当接部を移動させることができ、可動部材(詳しくは当接部)が突出する際の遊技媒体と当接部との咬み込みを抑制することが可能となる。
特徴A4.前記可動部材は、前記当接部に当接している遊技媒体において当該遊技媒体の流下方向における最下流側の端部を少なくとも含む領域が、前記流下方向の先側に露出するように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、可動部材によって流下が阻止された遊技媒体は、その最下流側の端部を含んだ領域が下流側に露出することとなる。このように、遊技媒体の一部を露出させる程度に、可動部材の移動量(すなわち突出量)を抑えたとしても、遊技媒体が抜け落ちるといった不都合は生じにくい。これにより、遊技媒体の流下を阻止されている状態と阻止が解除されている状態との切り替えを素早く行うことが可能となる。
特徴A5.前記遊技媒体は球状をなし、
前記案内通路は、当該案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域が下り傾斜となるように形成されており、
前記可動部材は、前記特定位置にある遊技媒体の前記下り傾斜方向における下流側且つ前記上流側通路の下流側の底面と反対側となる領域の少なくとも一部に対して前記当接部が当接するように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、特徴A4と同様の効果を奏する。すなわち、遊技媒体の流下を阻止されている状態と阻止が解除されている状態との切り替えを素早く行うことが可能となる。また、案内通路における特定位置を含んだ所定の通路領域が下り傾斜しているため、遊技媒体の自重圧力の一部を案内通路(詳しくは所定の通路領域)の底面によって分散することができる。これにより、可動部材に負荷が集中することを抑制することが可能となっている。このため、上述の如く遊技媒体との掛かりが小さくなる構成を採用したとしても、遊技媒体の自重圧力に起因して可動部材が押し退けられ遊技媒体が抜け落ちるといった不都合を生じにくくすることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A6.前記案内通路は、当該案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域が下り傾斜となるように形成されており、
前記可動部材は、前記特定位置の上側から突出するように設けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、案内通路における前記特定位置を含んだ所定の通路領域が下り傾斜しているため、遊技媒体の自重圧力の一部を案内通路(詳しくは所定の通路領域)の底面によって分散することができる。これにより、可動部材に負荷が集中することを抑制することが可能となっている。
また、遊技媒体が案内通路(詳しくは所定の通路領域)の底面を移動する構成において、可動部材が特定位置の上側から突出するように設けられていることにより、支持部の配置の容易化に貢献できる。これにより、可動部材の変形を抑える構成を採用することに伴う構成の煩雑化を抑制することが可能となる。
特徴A7.前記遊技媒体は球状をなしており、
前記支持部又は前記他の部材は、前記特定位置にある遊技媒体における前記当接部との当接部分を通過する接線に対して直交する仮想直線(仮想直線L1)上に配置されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、当接部に伝わる遊技媒体の自重負荷によって可動部材が仮想直線方向に変位(変形又は移動)しようとした場合、仮想直線上に配置されている支持部又は他の部材によって可動部材の仮想直線方向への移動を規制することができる。つまり、当接部に加わる負荷を支持部等によって受けることで、可動部材の変位を抑制することができる。これにより、可動部材の変形等を抑制し、流下阻止機能を担保することができる。
特徴A8.支持体(例えば外枠11)と、
支持体によって開閉可能に支持された開閉体(例えば遊技機本体12)と、
前記支持体及び前記開閉体のいずれか一方に設けられ、前記案内通路の上流側を構成する上流側通路(外枠側取込通路144)と、
前記支持体及び前記開閉体の他方に設けられ、前記案内通路の下流側を構成し、前記開閉体が前記支持体に対して閉鎖されている状態においては前記上流側通路と連通するとともに、前記開閉体が前記支持対に対して開放される場合に前記上流側通路と離間する下流側通路(本体側取込通路163)と
を備え、
前記上流側通路の出口部分は前記特定位置であり、
前記可動部材は、前記開閉体の開動作に基づき前記阻止位置に移動され、前記開閉体の閉動作に基づき前記阻止解除位置に移動されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、開閉体と支持体とに案内通路を構成する上流側通路及び下流側通路が分けて配置されている。開閉体が支持体に対して閉じた状態においては、上流側通路と下流側通路とが連通し遊技媒体の流下が許容される。開閉体が開放された場合には、上流側通路と下流側通路とが離間するが、上流側通路の出口部分からの遊技媒体の流出(流下)は可動部材によって阻止されることとなる。開閉体の動作に基づいて可動部材阻止位置と阻止解除位置とに移動させることにより、可動部材を動作(移動)させるための別途操作を必要が無くなり、作業性の向上に貢献することができる。
特徴A1等に示したように可動部材の動作量を小さくすることができるため、開閉体が開放される前の予備動作として可動部材を(事前に)動作させることなく阻止状態への移行を好適に実現できる。詳しくは、開閉体の動作に合わせて阻止状態への切り替えを行ったとしても、その切り替え動作(すなわち可動部材の移動)が遅れて遊技媒体がこぼれるといった不都合を好適に回避できる。これにより、実用上好ましい構成の実現に貢献できる。
特徴A9.前記下流側通路の途中位置にて遊技媒体を下流側から受け止めることでそれよりも下流側への遊技媒体の流入を規制する規制部(回転体100の周縁100a)が設けられ、
前記規制部により前記遊技媒体の流下が規制されている状態にて、前記規制部から前記下流側通路の入口部分に向けて列をなす前記遊技媒体のうち前記下流側通路における最上流に位置する遊技媒体(第1特定遊技球B1)の少なくとも一部が、前記下流側通路の入口部分(上流側開口164)から突出するように前記下流側通路が形成されており、
前記可動部材は、前記下流側通路と前記上流側通路とが離間する際に、前記下流側通路の入口部分から突出した遊技媒体と、その遊技媒体に後続する遊技媒体(第2特定遊技球B2)との当接が維持されている状態において前記阻止位置に移動するように構成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、上流側通路と下流側通路とが離間する際に、下流側通路から突出している遊技媒体とそれに後続する遊技媒体との当接が維持された状態にて可動部材が動作する。このように遊技媒体の列が維持されることにより、下流側通路の最上流に位置する遊技媒体に後続する遊技媒体が可動部材によって止められることなく上流側通路の出口部分(すなわち特定位置)からこぼれるといった不都合を生じにくくすることができる。
更には、遊技媒体の移動と可動部材の動作とに関連性を付与し、可動部材が遊技媒体に対して当接しやすい状態を実現することが可能となる。すなわち、可動部材が動作を完了するまで、阻止対象となる遊技媒体が可動部材と当接する特定位置を通り過ぎることを抑制できる。これにより、可動部材の動作が遊技媒体の移動に対して遅れることにより阻止位置への移動(阻止状態への移行)が間に合わず、遊技媒体の零れが発生するといった不都合を生じにくくすることができる。
このように、下流側通路の入口部分から突出した遊技媒体と、その遊技媒体に後続する遊技媒体との当接が維持されている状態において阻止状態への切り替え(可動部材の阻止位置への移動)がなされる構成とした場合、可動部材(詳しくは当接部)と遊技媒体との掛かり代を大きくすることは困難である。この点、特徴A1等に示したように、掛かり代を小さくしつつ、その保持強度を向上することができれば、本特徴に示した構成を好適に具現化することができる。
特徴A10.少なくとも前記開閉体が開放されている場合に、前記下流側通路の途中位置にて遊技媒体を下流側から受け止めることでそれよりも下流側への遊技媒体の流入を規制する規制部(回転体100の周縁100a)が設けられ、
前記規制部により前記遊技媒体の流下が規制されている状態にて、前記規制部から前記下流側通路の入口部分に向けて列をなす前記遊技媒体のうち前記下流側通路における最上流に位置する遊技媒体の少なくとも一部が、前記下流側通路の入口部分から突出するように前記下流側通路が形成されており、
前記可動部材は、前記当接部に当接し流下が阻止されている遊技媒体の少なくとも一部が前記上流側通路の出口部分から露出するように、前記上流側通路の出口部分を狭めるものであり、
前記開閉体の閉方向への移動に基づき、当該可動部材によって流出が阻止されている状態にて、前記下流側通路の入口部分から突出している前記遊技媒体(第1特定遊技球B1)と、前記上流側通路の出口部分から露出している前記遊技媒体(第2特定遊技球B2)とが当接することを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、下流側通路の遊技媒体は規制部から連なっていることにより、上流側通路の遊技媒体と当った際に、下流側に移動しにくくなっている。一方、上流側通路内で列をなしている遊技媒体は上流側への移動を規制されているわけではない。このため、開閉体を閉鎖位置に向けて回動させた場合には、下流側通路の入口部分から突出している遊技媒体によって上流側通路の出口部分から露出している遊技媒体が上流側通路の上流側に向けて押されやすくなる。このように可動部材の当接部に当っている遊技媒体が上流側に押されることによって、当接部と遊技媒体との引っ掛かりを弱め(又は無くし)可動部材の動作をスムーズに行うことが可能となる。
下流側通路の入口部分から突出した遊技媒体とその遊技媒体に後続する遊技媒体との当接が維持されている状態において阻止状態への切り替え(可動部材の阻止位置への移動)がなされる構成とした場合、可動部材(詳しくは当接部)と遊技媒体との掛かり代を大きくすることは困難である。この点、特徴A1等に示したように、掛かり代を小さくしつつ、その保持強度を向上することができれば、本特徴に示した構成を好適に具現化することができる。
特徴A11.前記開閉体は、前記支持体によって回動可能に支持されており、
前記下流側通路の入口部分には、前記開閉体が閉じられる場合の回動方向側と反対側への、当該本体側通路の入口部分から突出している遊技媒体の移動を許容する移動スペースが設けられていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
特徴A9又は特徴A10に示した構成によれば、可動部材の動作を好適なものとすることができる反面、開閉体を支持体に対して閉じる際に上流側通路の出口部分から露出している遊技媒体と下流側通路の入口部分から突出している遊技媒体とがつかえることにより開閉体の閉鎖が阻害されるといった不都合が生じ得る。特に、上流側通路内に形成された遊技媒体列を介して伝わるそれら遊技媒体の自重圧力が大きい場合、下流側通路の入口部分から突出している遊技媒体によって上流側通路の出口部分から露出している遊技媒体を押すことが困難となると想定される。かかる場合、開閉体の閉操作に伴って発生する外力が案内通路に集中しやすくなり、当該案内通路の変形等を招来する可能性がある。
この点、本特徴に示すように下流側通路の入口部分に開閉体閉時の回動方向側と反対側への遊技媒体の移動を許容する移動スペースを確保することにより、仮に両遊技媒体が当った際の負荷が大きくなった場合であっても下流側通路の入口部分から突出している遊技媒体を逃がし、遊技媒体同士のつかえを回避することができる。これにより上述したような不都合の発生を好適に回避することができる。
また仮に、下流側通路の幅寸法等を大きくすることにより、下流側通路部の入口部分から突出する遊技媒体の移動スペース(逃げスペース)を確保する構成とした場合、遊技媒体列の経路ばらつきが生じやすくなり上述した遊技媒体の突出を担保することが困難となり得る。この点、下流側通路の入口部分を拡張する構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に回避できる。
なお、下流側通路の通路幅等を大きくすることなく、当該下流側通路の入口部分を大きくするには、入口部分周辺における通路方向と斜めに交差するようにして入口部分を形成するとよい。
特徴A12.前記下流側通路の入口部分は遊技機における斜め上方に向けて開放されていることを特徴とする特徴A9乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9等に示したように、下流側通路の入口部分から遊技媒体を積極的に突出させる構成においては、可動部材の阻止解除位置への移動を容易化できる反面、遊技媒体が零れやすくなることが懸念される。この点、本特徴に示すように、下流側通路の入口部分を斜め上方に開放すれば、遊技媒体の零れにくくすることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A13.前記開閉体は、前記支持体によって回動可能に支持されており、
前記案内通路は、前記開閉体の回動基端側に配置されていることを特徴とする特徴A8乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
開閉体は回動可能に支持されているため、すなわち片持ち支持されているため、当該開閉体の自重によって支持体に対する位置ずれ(落ち込み)が生じ得ると考えられる。特に、開閉体において支持体による支持部分から遠い位置に重量のかさむ構成が配置されている場合には、支持部分における負荷の増大を招来することとなり、上述した位置ずれをより顕著なものとする要因となり得る。このような位置ずれは、各通路の連結部分のずれを招来し、同連結部分を通過する遊技媒体の流れを妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、開閉体の回動先端側に案内通路を配置すれば、回動中心軸線(支持部分)と案内通路との位置を近づけることができ、支持部分に加わる負荷を抑えることができる。これにより、上述した落ち込みの影響を少なくでき、両通路の連結を好適なものとすることができる。故に、各通路の連結部分を通過する遊技媒体の流れを好ましいものとすることができる。
特徴A14.前記可動部材は、前記上流側通路に装着されており、
前記阻止位置に向けて前記可動部材を付勢する付勢部材(圧縮コイルバネ220)と、
前記下流側通路に設けられ、前記可動部材を前記上流側通路の出口部分に向けて押すことにより同可動部材を前記付勢部材による付勢力に抗して前記阻止解除位置に移動させる操作部(操作壁部180)と
を備えていることを特徴とする特徴A8乃至特徴A13のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
特徴A14によれば、可動部材は付勢部材によって突出する側に(すなわち阻止位置に向けて)付勢されており、下流側通路には可動部材を突出量の減少する側に押す操作部が設けられている。開閉体の開閉操作に基づいて操作部が移動することにより、可動部材の突出量を変化させることができる。このように付勢部材及び操作部を設けることで、開閉体と支持体との相対移動を利用して可動部材を動作させる構成を容易に実現できる。
なお、上記特徴A1乃至A14のいずれか1つの構成を、以下の特徴B1乃至B24のいずれか1の構成に対して適用してもよい。
特徴B1.遊技場の島設備に固定される外枠(外枠11)と、
当該外枠によって回動可能に支持されている遊技機本体(遊技機本体12)と
を備え、
遊技を行う上で使用される遊技媒体が前記島設備から供給される遊技機において、
前記島設備から供給される前記遊技媒体を取り込む取込通路の下流側を構成するとともに、前記遊技機本体の回動に伴って当該遊技機本体と共に移動するように設けられた本体側通路(本体側取込ユニット160の本体側取込通路163)と、
前記取込通路の上流側を構成し、前記遊技機本体が前記外枠に対して閉鎖されている状態においては前記本体側通路と連通するとともに、前記遊技機本体が開放される場合に前記外枠側に残るように設けられた外枠側通路(外枠側取込ユニット140の外枠側取込通路144)と、
前記本体側通路及び前記外枠側通路が離間している状態にて前記外枠側通路の出口部分(例えば下流側開口151)からの前記遊技媒体の流出を阻止する阻止手段(シャッタ機構200)と、
前記外枠側通路に設けられ、前記阻止手段によって流出が阻止され前記外枠側通路内に複数の遊技媒体が待機している状態にて、それら待機している遊技媒体を介して前記阻止手段に伝わる同遊技媒体の自重圧力を分散させる分散構造(例えば上下通路部146及び下側傾斜通路部147)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、島設備から供給される遊技媒体は、取込通路を介して遊技機本体に取り込まれる。取込通路は、遊技機本体に設けられた本体側通路と外枠に設けられた外枠側通路とを有してなり、遊技機本体が外枠に対して閉鎖している状態ではそれら各通路が連通することにより遊技媒体の流下(取り込み)が許容され、遊技機本体が外枠に対して開放されている状態ではそれら各通路が離間されるとともに阻止手段によって外枠側通路の出口部分からの遊技媒体の流出(零れ落ちること)が阻止される。このように遊技媒体の流出が阻止された状態においては、外枠側通路に設けられた分散構造によって遊技媒体の自重圧力が分散され、阻止手段に対して負荷が集中することが回避されている。これにより、阻止手段の保護が図られている。
また、遊技媒体の取込通路を遊技機本体側と外枠側とに分けて設けることにより、遊技機本体の重量低減に貢献することが可能となる。これにより、遊技機本体を開閉する際の作業負荷を抑えることができるとともに、遊技機本体と外枠との連結部分、すなわち外枠における支持部分に生じる負担を減らすことができる。
更には、上述した取込通路を備える構成とすれば、従来の遊技機(パチンコ機やパロット)が備えている貯留タンクを設ける必要が無くなる。これにより、遊技機本体の重量低減に一層貢献することができる。更に、近年では遊技演出の多様化等を目的として絵柄表示装置や役物の大型化が進んでおり、上述の如く貯留タンクを廃止することができれば、絵柄表示装置等の配置スペースの確保が容易となる。これにより、絵柄表示装置等の大型化を促進でき、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、本特徴に示す「外枠」は特徴A8等に示す「支持体」に相当し、「遊技機本体」は「開閉体」に相当する。また、「外枠側通路の出口部分」は特徴A1等に示す「取込通路の特定位置」に相当し、「阻止手段」は「可動部材」を含む意である。
また、「遊技媒体を取り込む取込通路」は、取込通路が少なくとも遊技媒体が流れ込むものであることを示している。つまり、取込通路は、必ずしも遊技媒体を取り込むための動力部や駆動部を有している必要はなく、遊技媒体が自重作用によって流れ込むものであってもよい。
因みに、本特徴を「遊技場の島設備に固定される外枠と、当該外枠によって回動可能に支持されている遊技機本体とを備え、遊技を行う上で使用される遊技媒体が前記島設備から供給される遊技機において、前記島設備から供給される前記遊技媒体を取り込む取込通路の下流側を構成するとともに、前記遊技機本体の回動に伴って当該遊技機本体と共に移動するように設けられた本体側通路と、前記取込通路の上流側を構成し、前記遊技機本体が前記外枠に対して閉鎖されている状態においては前記本体側通路と連通するとともに、前記遊技機本体が開放される場合に前記外枠側に残るように設けられた外枠側通路と、前記本体側通路及び前記外枠側通路が離間している状態にて前記外枠側通路の出口部分からの前記遊技媒体の流出を阻止する阻止手段とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。但し、かかる構成の変更によって、阻止手段に加わる負荷が大きくなりやすくなると想定される。つまり、阻止手段によって流出が阻止され外枠側通路内に複数の遊技媒体が待機している状態にて、それら待機している遊技媒体を介して阻止手段に伝わる同遊技媒体の自重圧力を分散させることが困難となり得る。故に、好ましくは、本特徴に示した「分散構造」を有する構成とすることが好ましい。
特徴B2.前記外枠側通路は、島設備の遊技媒体供給部分に連結部材(連結部材149)を介して接続される入口部分(上流側開口148)を有し、
前記外枠側通路は、当該外枠側通路の入口部分が前記外枠よりも後方に位置し且つその入口部分が前記遊技機本体の回動先端側を向くように配置されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
取込通路の上流側を構成する外枠側通路を、その入口部分が外枠よりも後方且つ遊技機本体の回動先端側を向くように配置することによって、入口部分に接続する連結部材の取り回しを容易なものとすることができる。更には、連結部材等の着脱作業が外枠によって阻害されることを回避し、作業性の担保を図ることができる。
なお、「回動先端側を向くように」は、遊技本体の回動先端を向く成分を有することを示している。すなわち、外枠側通路の入口部分の向きが遊技機本体の厚み方向よりも当該遊技本体の回動先端に傾いていることを示している。
特徴B3.前記外枠側通路は、当該外枠側通路の出口部分を含む下流側がその出口部分に向けて下り傾斜となるように形成されており、
前記本体側通路は、前記外枠側通路の出口部分に連なる入口部分(上流側開口164)を含んだ上流側が下流側に向けて下り傾斜となるように形成されており、
前記本体側通路の入口部分は、前記外枠側通路の出口部分に対して、前記遊技機本体が開放される場合の回動先側となるように配置されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、本体側通路と外枠側通路とがそれら両通路の境界周辺にて下り傾斜している。このため、両通路の境界部位周辺で遊技媒体が滞留することを抑制し遊技媒体の流下を好適なものとすることができる。また上述した阻止手段によって遊技媒体の流出が阻止されている状態においては、外枠側通路の底面によって遊技媒体の自重圧力が分散されるため、同阻止手段に加わる負荷を低減することが可能となっている。
また仮に、外枠側通路の出口部分を、本体側通路の入口部分に対して遊技機本体が開放される場合の回動先側となるように配置した場合、遊技機本体の回動に伴って本体側通路の入口部分が移動する際の軌道が、外枠側通路に対して重なりやすくなる。つまり、遊技機本体の回動に伴って、本体側通路の入口部分は外枠側通路の出口部分に近づく方向に移動し、その後外枠側通路の出口部分から離れていくこととなる。このような構成においては本体側通路と外枠側通路との干渉を回避しつつ、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分の合わせを担保するための構造が必要となり、取込通路に関する構成の煩雑化が顕著になると想定される。
この点、本特徴によれば、本体側通路及び外枠側通路は、本体側通路の入口部分が遊技機本体開放時の回動方向における先側、外枠側通路の出口部分が遊技機本体開放時の回動方向における元側となるように並設されている(隣接して設けられている)。遊技機本体の回動に伴って、本体側通路の入口部分は外枠側通路の出口部分から離れる方向に移動することとなるため、本体側通路と外枠側通路との干渉を回避しやすくでき、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分との合わせを好適なものとすることができる。故に、取込通路を遊技機本体側と外枠側とに分けて配置することに起因する構成の煩雑化を抑えることができる。
特徴B4.前記取込通路は、前記遊技機本体の回動基端側に配置されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
上述の如く遊技機本体は回動可能に支持されているため、すなわち片持ち支持されているため、当該遊技機本体の自重によって外枠に対する位置ずれ(落ち込み)が生じ得ると考えられる。特に、外枠による支持部分から遠い位置に重量のかさむ構成が配置されている場合には、支持部分における負荷の増大を招来することとなり、上述した位置ずれをより顕著なものとする要因となり得る。このような、位置ずれが生じることは、各通路の連通にとって好ましくない。この点、本特徴に示すように、遊技機本体部の回動先端側に取込通路を配置すれば、回動中心軸線(支持部分)と取込通路との位置を近づけることができ、支持部分に加わる負荷を抑えることができる。これにより、上述した落ち込みの影響を少なくでき、両通路の連通を好適なものとすることができる。
特徴B5.前記外枠側通路には、前記分散構造として、遊技媒体が当接することによって同遊技媒体の流下方向を変化させる通路壁(例えば前板部154)を有してなる曲がり部分(例えば上下通路部146及び下側傾斜通路部147の境界)が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、外枠側通路内に貯留された遊技媒体は曲がり部分において通路壁と当り流下方向が変化する。このように遊技媒体を通路壁に対して当てることにより、遊技媒体の自重圧力を通路壁を介して分散させることができる。
なお、「曲がり部分」は、遊技媒体の流下方向を変えることができる構成であればよく、例えば折曲状をなす構成としてもよいし、湾曲状や段差状をなす構成としてもよい。
特徴B6.前記外枠側通路は、上下に延びる上下通路部(上下通路部146)と、その上下通路部の下流側において当該上下通路部に連続し、下流側に向けて下り傾斜した下流側傾斜通路部(下側傾斜通路部147)とを備え、
前記分散構造として、前記下流側傾斜通路部は、当該下流側傾斜通路部の底面上にて最上流(下側傾斜通路部147の最上流部位147a)に待機する遊技媒体が前記上下通路部の最下流(上下通路部146の最下流部位146a)に待機する遊技媒体に対して真下の位置よりも前記下流側傾斜通路部の側壁面(例えば前板部154の内面)の側にずれた位置となることにより、前記最上流に待機する遊技媒体が前記上下通路部にて連なる遊技媒体から受ける重量負荷として前記下流側傾斜通路部の側壁面に向けた成分を有するように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、下流側傾斜通路部から上下通路部に連なる遊技媒体列の一部は、上下通路部から下流側傾斜通路部への曲がり部分にて下流側傾斜通路部の側壁面に当たることとなる。具体的には、下流側傾斜通路部の最上流に待機している遊技媒体が上下通路部の最下流に待機している遊技媒体によって下流側傾斜通路部の側壁面に押し当てられる。これにより、下流側傾斜通路部の最上流に待機している遊技媒体が同下流側傾斜通路部の底面のみならず側壁面に対しても当接することとなり、遊技媒体の重量負荷を一層好適に分散することが可能となる。故に例えば、外枠側通路内に貯留された遊技媒体の自重圧力が上述した阻止手段に対して集中することを抑制できる。
特徴B7.前記外枠側通路は、前記上下通路部の上流側において同上下通路部に連続する上流側傾斜通路部(上側傾斜通路部145)を有し、
前記下流側傾斜通路部は、前記上流側傾斜通路部に対して折り返すように形成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、上流側傾斜通路部と上下通路部との境界において外枠側通路の通路方向が変化している。外枠側通路に形成された遊技媒体の列は、上流側傾斜通路部から上下通路部に移る部分にて上下通路部の壁面に当たることとなり遊技媒体の自重圧力が分散される。特徴B6との組み合せによって、外枠側通路が複数の曲がり部を有することとなり、遊技媒体の自重圧力の分散を好適に実現できる。特に、下流側傾斜通路部が上流側傾斜通路部に対して折り返すように形成されていることで、複数の曲がり部を有する構成としても、外枠側通路全体が大型化されることを好適に回避できる。すなわち、外枠側通路をコンパクトなものとしつつ、減圧を良好に行うことができる。
特徴B8.前記取込通路は、前記遊技機本体の回動基端側に配置されており、
前記外枠側通路は、
島設備の遊技媒体供給部に連結部材を介して接続されるとともに前記遊技機本体の回動先端側に開放された入口部分(上流側開口148)を有する上流側傾斜通路部(上側傾斜通路部145)と、
前記上流側傾斜通路部の下流側にて連続し、前記外枠を構成する側枠部(例えば左枠部11c)に沿うようにして上下方向に延びる上下通路部(上下通路部146)と、
前記上下通路部の下流側にて連続し、前記上流側傾斜通路部側に対して折り返すように形成された下流側傾斜通路部(下側傾斜通路部147)と
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、取込通路を遊技機本体の回動基端側に配置することによって、遊技機本体を支持している部分に加わる負担を小さくすることができる。また、特徴7と同様に外枠側通路をコンパクトなものとすることができ、取込通路の配置自由度の向上に貢献できる。これにより、取込通路を遊技機本体の回動中心軸線に対して近づけやすくすることができる。更には、上流側傾斜通路部の入口部分を回動先端側に向けることにより、島設備から上流側傾斜通路部への遊技媒体の導入を良好に行うことが可能となる。
特徴B9.前記外枠側通路は、当該外枠側通路の出口部分を含む下流側がその出口部分(例えば下流側開口151)に向けて下り傾斜となるように形成され、
前記本体側通路は、前記外枠側通路の出口部分に連なる入口部分(上流側開口164)を含んだ上流側が下流側に向けて下り傾斜となるように形成され、
前記本体側通路の入口部分は、前記外枠側通路の出口部分に対して、前記遊技機本体が開放される場合の回動先側となるように配置されており、
前記外枠側通路の出口部分を含んだ端部と前記本体側通路の入口部分を含んだ端部とは、前記遊技機本体の回動中心軸線を中心として前記外枠側通路の出口部分の端部を含む仮想円(仮想円C1)の接線方向に並べて配置されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9によれば、特徴B3と同様の効果を奏する。すなわち、本体側通路と外枠側通路とがそれら両通路の境界周辺にて下り傾斜している。このため、両通路の境界部位周辺で遊技媒体が滞留することを抑制し遊技媒体の流下を好適なものとすることができる。また上述した阻止手段によって遊技媒体の流出が阻止されている状態においては、本体側通路の底面によって遊技媒体の自重圧力が分散されるため、同阻止手段に加わる負荷を低減することが可能となっている。また、本体側通路及び外枠側通路は、本体側通路の入口部分が遊技機本体開放時の回動方向における先側、外枠側通路の出口部分が遊技機本体開放時の回動方向における元側となるように並設されている(隣接して設けられている)。遊技機本体の回動に伴って、本体側通路の入口部分は外枠側通路の出口部分から離れる方向に移動することとなるため、本体側通路と外枠側通路との干渉を回避しやすくでき、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分との合わせを好適なものとすることができる。故に、取込通路を遊技機本体側と外枠側とに分けて配置することに起因する構成の煩雑化を抑えることができる。
更には、外枠側通路の出口部分を含んだ端部と本体側通路の入口部分を含んだ端部とは、遊技機本体の回動中心軸線を中心として外枠側通路の出口部分の端部を通過する仮想円の当該出口部分における接線方向を向くように形成されている。本体側通路が遊技機本体の回動に伴って移動する際に、遊技機本体の回動中心軸線を中心とする円弧状の軌道を描くこととなるが、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分とが近接している状態では、それら出口部分と入口部分との相対移動方向は上記接線方向とほぼ同一となる。これにより、遊技機本体の回動方向への位置ばらつきに起因して、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分とがそれら出口部分及び入口部分の合わせ方向に対して交差する方向にずれることを抑制できる。これにより、遊技機本体の位置ばらつきに起因して、出口部分及び入口部分の境界部位における通過許容範囲が狭まるといった不都合を生じにくくすることができる。すなわち、回動方向への位置ばらつきを許容しやしすい構成の実現に貢献できる。例えば、両通路の相対移動の際に、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分との境界部位に遊技媒体が位置している場合であっても、その遊技媒体によって、相対移動が妨げられるといった不都合を生じにくくすることが可能となる。
なお、「前記外枠側通路の出口部分を含んだ端部と前記本体側通路の入口部分を含んだ端部とは、前記遊技機本体の回動中心軸線を中心として前記外枠側通路の出口部分を含む仮想円の接線方向に並べて配置されている」とは、仮想円の接線上に各端部が並設されていることを示す他、遊技機本体の回動中心軸線方向視において、仮想円の接線方向に各端部が並設されている場合を示す。
特徴B10.前記取込通路は、前記遊技機本体の回動中心軸線よりも当該遊技機本体の回動先端側に配置されており、
前記外枠側通路は、島設備の遊技媒体供給部分に連結部材(連結部材149)を介して接続される入口部分を有する上流側傾斜通路部と、同外枠側通路の出口部分を有する下流側傾斜通路部とを備え、
さらに、前記外枠側通路は、当該外枠側通路の入口部分が前記外枠よりも後方に位置し且つその入口部分が当該外枠側通路の出口部分よりも前記遊技機本体の回動先端側を向くように、前記上流側傾斜通路部及び前記下流側傾斜通路部が前記遊技機本体の回動基端側を連結側として折り返すように形成されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、取込通路が遊技機本体の回動中心軸線よりも遊技機本体の回動先端側に配置されている。これにより、遊技機側方への取込通路の出っ張りを抑えることができ、例えば遊技機を島設備に設置する際に取込通路が引っ掛かるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、外枠側通路の入口部分は、外枠よりも後方に位置し且つ外枠側通路の出口部分よりも遊技機本体の回動先端側を向いている。これにより連結部材の着脱作業の煩雑化を抑制することができるとともに、連結部材の取り回しを容易なものとすることができる。
更には、外枠側通路を、上流側傾斜通路部及び下流側傾斜通路部が遊技機本体の回動基端側を連結側として折り返すようにして形成することにより、特徴B9に示したように、外枠側通路の出口部分と本体側通路の入口部分との合わせを好適に担保しながら、上述した連結部材に関する作業性の担保等を図ることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。また、上述の如く外枠側通路を形成することにより、当該外枠側通路に曲がり部分を設けることが可能となり、特徴B5と同様に、その曲がり部分において外枠側通路における遊技媒体を介して伝わる自重圧力を分散させることができる。これにより、各傾斜通路部によって阻止手段への負荷を低減を図ることができるとともに、上述した曲がり部分においても負荷の低減を行うことができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B11.前記阻止手段は、前記外枠側通路の出口部分からの遊技媒体の流出を阻止するための阻止位置、及び当該流出を阻止しないための阻止解除位置の両位置へ個別に移動可能な第1シャッタ部材(第1シャッタ部材210)並びに第2シャッタ部材(第2シャッタ部材230)を備え、
前記第1シャッタ部材及び前記第2シャッタ部材の両方が前記阻止位置に配置された状態においては、それら第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材の両方に対して前記外枠側通路の出口部分にある遊技媒体が上流側から当接することによって前記流出が阻止されることを特徴とする特徴B1乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11に示すように第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材によって遊技媒体の流出を阻止する構成とすれば、各シャッタ部材の移動量を小さくすることが可能となる。これにより、遊技機本体の回動操作に対する応答性を高め、阻止状態への移行をスムーズに行うことが可能となる。つまり、遊技機本体が開放され外枠側通路と本体側通路とが離間しているにも関わらず、遊技媒体の流出が阻止された阻止状態へと移行されないままとなる(例えば遊技機本体の動作に対して阻止手段の動作が遅れる)といった不都合の発生を抑えることができる。故に、遊技媒体の零れ等を抑制しやすくできる。
なお、本手段に示す「シャッタ部材」を「可動部材」と置き換えることも可能である。
特徴B12.前記第1シャッタ部材及び前記第2シャッタ部材は前記外枠側通路の出口部分を挟んで配置されていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、両シャッタ部材を外枠側通路の出口部分を挟んで配置することにより、各シャッタ部材の突出量を小さくしつつ、出口部分からの遊技媒体の流出を好適に阻止することができ、実用上好ましい構成を実現できる。例えば、外枠側通路の出口部分を完全に塞ぐのではなく、出口部分を狭めることにより遊技媒体の流出を阻止する構成とする場合には、本特徴に示す構成を採用することにより各シャッタ部材の動作量を好適に低減できる。
特徴B13.前記第1シャッタ部材及び前記第2シャッタ部材は、前記外枠側通路に設けられており、
前記外枠側通路の出口部分に対して突出する側に向けて前記第1シャッタ部材を付勢する第1シャッタ付勢部材(圧縮コイルバネ220)と、
前記本体側通路に設けられ、前記第1シャッタ部材を前記外枠側通路の出口部分に向けて押すことにより同第1シャッタ部材を前記第1シャッタ付勢部材による付勢力に抗して移動させる第1シャッタ操作部(操作壁部180)と、
前記外枠側通路の出口部分に対して突出する側に前記第2シャッタ部材を付勢する第2シャッタ付勢部材(引張コイルバネ240)と、
前記本体側通路に設けられ、前記第2シャッタ部材を前記外枠側通路の出口部分に向けて押すことにより同第2シャッタ部材を前記第2シャッタ付勢部材による付勢力に抗して移動させる第2シャッタ操作部(操作片181)と
を備えていることを特徴とする特徴B11又は特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、第1シャッタ部材は第1シャッタ付勢部材によって突出する側に付勢されており、本体側通路には第1シャッタ部材を突出量の減少する側に押す第1シャッタ操作部が設けられている。遊技機本体の回動に伴って第1シャッタ操作部が移動することにより、第1シャッタ部材の突出量を変化させることができる。また第2シャッタ部材についても同様に、第2シャッタ付勢部材によって突出する側に付勢されており、遊技機本体の回動に伴って第2シャッタ操作部が移動することにより、第2シャッタ部材の突出量を変化させることができる。このように、遊技機本体と外枠との相対移動を利用して、各シャッタ部材を動作させる構成とすることにより、作業者が阻止手段を手動で動かす必要が無くなる。
特徴B14.前記外枠側通路は、当該外枠側通路の出口部分を含んだ下流側が当該出口部分に向けて下り傾斜となるように形成されており、
前記第1シャッタ部材は前記外枠側通路の出口部分の下側に配置され、前記第2シャッタ部材は前記外枠側通路の出口部分の上側に配置されていることを特徴とする特徴B11乃至特徴B13のいずれか1つに記載の遊技機。
一般的に遊技媒体の通路は、遊技媒体の流れの円滑化等を考慮して同遊技媒体よりも若干大きく形成される。しかしながら、このような余裕代の設定により、遊技媒体の流れの円滑化に貢献できる反面、遊技媒体の流れ(流下経路)にばらつきが生じやすくなる。特に、遊技媒体が傾斜に沿って転動する構成である場合、通路底面と直交する方向へのばらつきに比べて通路の幅方向へのばらつきの発生頻度は高くなると考えられる。仮に、両シャッタ部材を外枠側通路の出口部分を挟んで外枠側通路の下流側部分における幅方向両側に配置する構成とした場合、阻止状態への移行に際し、先ず遊技媒体がどちらのシャッタ部材に対して当たるかを特定するのは困難になると想定される。遊技媒体が最初に当たる側のシャッタ部材の強度を下ることは好ましくないため、結果として両シャッタ部材の強度を担保する必要が生じる。
この点、上下方向(詳しくは通路底面と直交する方向)における遊技媒体のばらつきは遊技媒体の自重によって抑えられることとなるため、シャッタ部材を上下に配置することにより、所望とするシャッタ部材に遊技媒体を当てることができ、強度を無駄に強くする必要がなくなる。また、上下に配置することで、各シャッタ部材の役割を異なるものとすることが容易となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B15.前記外枠側通路は、当該外枠側通路の出口部分を含んだ下流側が当該出口部分に向けて下り傾斜となるように形成されており、
前記第1シャッタ部材が前記外枠側通路の出口部分に対して突出している状態においては、前記第1シャッタ部材の上面(平板部211の上面)が前記外枠側通路における出口部分を含む下流側の底面(底板部152の上面)に対して低位となるように両者の間に段差部が形成され、
前記第1シャッタ部材における外枠側通路の出口部分からの最大突出量は、少なくとも阻止対象となる前記遊技媒体を前記第1シャッタ部材の上面に載置できる程度に設定されているとともに、
前記段差部の段差寸法は、前記第1シャッタ部材の上面に載置された遊技媒体の上側の一部が、前記外枠側通路の前記底面よりも高位となるように設定されており、
さらに、前記外枠側通路には、第1シャッタ部材の上面に載置されている遊技媒体に上流側から乗り上げた遊技媒体が下方から当接するように天井面(例えば天板部153の下面)が設けられていることを特徴とする特徴B11乃至特徴B14のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技媒体の流下を阻止している状態においては、阻止手段(詳しくは第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材)に対して、列状をなす複数の遊技媒体の重みが加わることにより、同阻止手段の負荷が大きくなることが懸念される。特徴B6等に示す構成においては、外枠側通路に設けられた分散構造によって、下流側傾斜通路部よりも上流側に位置する遊技媒体の重みが阻止手段に対して加わりにくくなっているものの、同下流側傾斜通路部内に貯留された遊技媒体の自重圧力は、依然として阻止手段に集中しやすくなっている。この点、本特徴によれば、阻止手段によって遊技媒体の流下が阻止された状態においては、少なくとも阻止対象(当接対象)となる遊技媒体が第1シャッタ部材の上面に載る。このように、上面に遊技媒体が載っている状態においては、後続する遊技媒体が上流側からの自重圧力が大きくなることで第1シャッタ部材の上面に載置された遊技媒体に乗り上げることとなる。このように上方に持ち上げられた遊技媒体が外枠側通路の天井面に当たることにより、遊技媒体を介して伝わる圧力の一部が天井面側に分散される。これにより、阻止手段に対する負荷の集中を好適に抑制することができる。
例えば、遊技媒体が球状をなす場合、段差寸法をその直径よりも小さくするとよい。第1シャッタ部材の上面に載っている遊技媒体は、自身の球面に沿って後続の遊技媒体を上方に誘導し(浮かせ)遊技媒体の列を介して伝わる自重圧力を逸らすことが可能となる。特に、遊技媒体が外枠側通路の天井面に当たれば、この天井面にて遊技媒体を介して伝わる圧力の一部を分散させることができる。
特徴B16.前記第1シャッタ部材は、前記外枠側通路の出口部分を含む下流側を前記本体側通路に流れる方向とは異なる方向に延長する延長手段であり、
前記第2シャッタ部材は、前記第1シャッタ部材によって延長されることにより前記遊技媒体が案内されることとなる領域に対して突出するように設けられていることを特徴とする特徴B11乃至特徴B15のいずれか1つに記載に遊技機。
特徴B16によれば、遊技媒体の流下経路(通常の流下経路)から離れた位置に第2シャッタ部材が突出した状態にて、第1シャッタ部材により延長された流下経路に沿って移動する遊技媒体が当たることとなる。すなわち、第1シャッタ部材によって外枠側通路が延長され、この通路延長によって遊技媒体が案内されることとなる領域にて第2シャッタ部材が待ち構えることとなる。第2可動部材を遊技媒体の列が形成される領域に対して無理に割り込ませる必要がなくなり、第2可動部材の移動時に当該第2可動部材に対して遊技媒体が挟まることにより第2可動部材の動作が阻害されたり、境界に位置する遊技媒体が上流側通路及び下流側通路のどちらの通路に配分されるかが区々になったりするといった不都合を生じにくくできる。
なお、本特徴に示す技術的特徴を実現するには、以下の構成を適用するとよい。すなわち、「前記第2シャッタ部材の突出量が所定値に達することにより、前記第1シャッタ部材によって延長された場合にその延長された領域を流下する遊技媒体に対して当接する突出位置に前記第2シャッタ部材が配置された後、前記第1シャッタ部材の延出量が所定値に達することにより、前記第2シャッタ部材に対して遊技媒体が当接する延出位置に前記第1シャッタ部材が配置されるように構成されていることを特徴とする遊技機」を適用するとよい。
特徴B17.前記第1シャッタ部材及び前記第2シャッタ部材は、前記本体側通路と前記外枠側通路との離間に基づいて、前記第2シャッタ部材の突出量が最大となった後、前記第1シャッタ部材による延長量が最大となるように構成されていることを特徴とする特徴B16に記載に遊技機。
特徴B17によれば、遊技機本体が開放され本体側通路と外枠側通路とが離間することに基づいて、各シャッタ部材の突出量が増加する構成となっている。これにより、作業者がシャッタ部材を動作させる必要がなくなり、それら各シャッタ部材の動作タイミングがばらつくといった不都合を生じにくくすることができる。
また、第2シャッタ部材の突出量が最大となった後、第1シャッタ部材による延長量が最大となることで、第1シャッタ部材による通路の延長が完了する前に、第2シャッタ部材の動作を完了することができ、特徴B16に示した構成を好適に実現することができる。
特徴B18.前記外枠側通路の出口部分に対して突出する側に向けて前記第1シャッタ部材を付勢する第1シャッタ付勢部材(圧縮コイルバネ220)と、
前記本体側通路に設けられ、前記第1シャッタ部材を前記外枠側通路の出口部分に向けて押すことにより同第1シャッタ部材を前記第1シャッタ付勢部材による付勢力に抗して移動させる第1シャッタ操作部(操作壁部180)と、
前記外枠側通路の出口部分に対して突出する側に前記第2シャッタ部材を付勢する第2シャッタ付勢部材(引張コイルバネ240)と、
前記本体側通路に設けられ、前記第2シャッタ部材を前記外枠側通路の出口部分に向けて押すことにより同第2シャッタ部材を前記第2シャッタ付勢部材による付勢力に抗して移動させる第2シャッタ操作部(操作片181)と
を備え、
前記本体側通路と前記外枠側通路とが離間する際には、前記第2シャッタ操作部が前記第2シャッタ部材から離間した後、前記第1シャッタ操作部が前記第1シャッタ部材から離間するように構成されていることを特徴とする特徴B16又は特徴B17に記載の遊技機。
特徴B18によれば、遊技機本体を開放する際には、先ず第2シャッタ操作部が第2シャッタ操作部材から離間し突出量が最大の状態に移行される。この後、第1シャッタ操作部が第1シャッタ操作部材から離間し通路の延長が完了する。この通路の延長にあわせて遊技媒体が移動することにより、同遊技媒体と第2シャッタ部材とが当接し、遊技媒体の流下が阻止された状態となる。これにより、特徴16に示した構成を好適に実現できる。
特徴B19.前記外枠側通路は、前記外枠側通路の出口部分を含む下流側がその出口部分に向かって下り傾斜となるように形成されており、
前記外枠側通路の下流側における下り傾斜と同じ方向に前記第1シャッタ部材が突出するように当該第1シャッタ部材の移動方向を規定する規定部(スリット171)を備えていることを特徴とする特徴B16乃至特徴B18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B19によれば、遊技媒体の流出を阻止する際には、第1シャッタ部材が外枠側通路の下流側における下り傾斜と同じ方向に突出する。すなわち、第1シャッタ部材は、上流からの遊技媒体の流れを引き継ぎその流下方向へ通路の延長を行うこととなる。このため、通路の延長が遊技媒体によって妨げられるといった不都合の発生を抑え、第1シャッタ部材の動作を円滑に行うことが可能となる。
特徴B20.前記取込通路は、前記外枠側通路の出口部分から前記本体側通路の入口部分に向けた遊技媒体の流れ方向が上下方向となるように又は前記外枠側通路における前記出口部分を含んだ下流側の下り傾斜よりも鉛直に近くなるように形成されており、
前記外枠側通路の出口部分から前記本体側通路の入口部分への遊技媒体の流下方向と交差する方向に前記第1シャッタ部材が移動するように当該第1シャッタ部材の移動方向が規定されていることを特徴とする特徴B16乃至特徴B19のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B16等に示したように、本体側に流れる方向とは異なる方向に通路の延長を行うには、本特徴に示す構成を適用するとよい。延長された通路部分に導かれた遊技媒体は、両通路の連通に伴って、延長された通路部分から元の取込通路(流下経路)へ戻す必要がある。特徴B16等に示す構成においては、遊技媒体の流出を阻止する状態への移行は円滑に行うことができる。しかしながら、阻止手段においては、遊技媒体の流出を阻止する状態への移行の円滑化はさることながら、流出を阻止した状態から許容する状態への移行についても円滑に行う構成が採用されることが好ましいと考えられる。この点、本特徴によれば、第1シャッタ部材を引っ込めることにより、元の流下経路に対して遊技媒体を容易に戻すことができ、延長された通路部分に導かれた遊技媒体を元の流下経路に合流させるための構成が煩雑化することを抑制できる。これにより、遊技媒体の流出を許容する状態への移行を円滑に行うことが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B21.前記阻止手段は、
前記遊技機本体の開放に基づいて、前記外枠側通路の出口部分を含む下流側を前記本体側通路に流れる方向とは異なる方向に延長する延長手段(第1シャッタ部材210)と、
前記延長手段よりも前記外枠側通路の延長方向下流側に遠ざけて配置されており、前記延長手段によって前記外枠側通路が延長されることにより前記遊技媒体が案内されることとなる領域に設けられ、前記延長手段によって案内された遊技媒体が当たるストッパ(第2シャッタ部材230)と
を備え、
突出した状態の前記延長手段と前記ストッパとは、前記遊技媒体の流出を阻止可能な程度に前記外枠側通路の出口部分を狭めるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B21によれば、特徴B16と同様の効果を奏する。すなわち、延長手段によって外枠側通路が延長される。このように延長された領域にストッパが待機していることで、遊技媒体がストッパに対して近づいてくることとなる。このため、ストッパを遊技媒体の列に対して無理に割り込ませる必要がなくなり、遊技媒体の流下を阻止する状態へスムーズに移行することが可能となる。
特徴B22.前記ストッパは、前記遊技機本体の開放に基づいて前記外枠側通路の出口部分に対して突出し遊技媒体の流出を阻止する位置に移動し、前記遊技機本体の閉鎖に基づいて遊技媒体の流出を阻止しない位置に移動するように設けられていることを特徴とする特徴B21に記載の遊技機。
特徴B22によれば、ストッパを移動可能に設けた。遊技機本体が開放された状態においては出口部分に対して積極的に突出させることにより遊技媒体の流出を阻止し、遊技機本体が開放された状態においては突出を抑えることにより、遊技媒体の流下を阻害しにくくできる。
特徴B23.前記外枠側通路は、前記外枠側通路の出口部分を含む下流側がその出口部分に向かって下り傾斜となるように形成されており、
前記延長手段は、前記遊技機本体の開放に基づいて、前記外枠側通路の出口部分に対して突出可能に設けられており、
前記外枠側通路の下流側における下り傾斜と同じ方向に前記延長手段が突出するように当該延長手段の突出方向を規定する規定部(スリット171)を備えていることを特徴とする特徴B21又は特徴B22に記載の遊技機。
特徴B23によれば、遊技媒体の流出を阻止する際には、延長手段が外枠側通路の下流側における下り傾斜と同じ方向に突出する。すなわち、延長手段は、上流からの遊技媒体の流れを受け継ぎその流下方向へ通路の延長を行うこととなる。このため、通路の延長が遊技媒体によって妨げられるといった不都合の発生を抑え、延長手段の動作を円滑に行うことが可能となる。
特徴B24.前記延長手段は、前記遊技機本体の開放に基づいて前記外枠側通路の出口部分に対して突出した第1位置に移動し、前記遊技機本体の閉鎖に基づいて前記第1位置よりも引っ込んだ第2位置に移動するように構成され、
前記取込通路は、前記外枠側通路の出口部分から前記本体側通路の入口部分に向けた遊技媒体の流れ方向が上下方向となるように又は前記外枠側通路における前記出口部分を含んだ下流側の下り傾斜よりも鉛直に近くなるように形成され、
前記外枠側通路の出口部分から前記本体側通路の入口部分への遊技媒体の流下方向と交差する方向に前記延長手段が移動するように当該延長手段の移動方向が規定されていることを特徴とする特徴B21乃至特徴B23のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B21等に示したように、本体側に流れる方向とは異なる方向に通路の延長を行うには、本特徴に示す構成を適用するとよい。延長された通路部分に導かれた遊技媒体は、両通路の連通に伴って、再び所定の取込ルートに復帰させる必要がある。特徴B21等に示す構成においては、遊技媒体の流出を阻止する状態への移行は円滑に行うことができる。しかしながら、阻止手段においては、遊技媒体の流出を阻止する状態への移行の円滑化はさることながら、流出を阻止した状態から許容する状態への移行についても円滑に行うことが好ましいと考えられる。この点、本特徴によれば、延長手段を引っ込めることにより、元の流下経路に対して遊技媒体を容易に戻すことができ、延長された通路部分に導かれた遊技媒体を元の流下経路に合流させるための構成が煩雑化することを抑制できる。これにより、遊技媒体の流出を許容する状態への移行を円滑に行うことが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回動式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、11…外枠、12…遊技機本体、13…内枠、14…前扉枠、15…裏パックユニット、21…上側支持用金具、22…下側支持用突起、71…裏パック、72…払出機構、74…ベース部、91…ケースレール、92…払出装置、98…払出通路、100…回転体、130…取込機構、140…外枠側取込ユニット、144…外枠側取込通路、145…上側傾斜通路部、146…上下通路部、147…下側傾斜通路部、151…下流側開口、152…底板部、153…天板部、160…本体側取込ユニット、163…本体側取込通路、164…上流側開口、171…スリット、173…ストッパ部、175…軸部、176…ストッパ部、180…操作壁部、181…操作片、200…シャッタ機構、210…第1シャッタ部材、211…平板部、220…圧縮コイルバネ、230…第2シャッタ部材、232…当接部、240…引張コイルバネ、250…可変通路部。