JP5465965B2 - データ処理装置及びデータ処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、AD(Analog to Digital)変換機能を有するデータ処理装置に関し、特にAD変換レンジに対する小信号の変換ビット精度(分解能)を高くする技術に関する。
特許文献1、2にはAD変換回路のビット精度よりも高いビット精度でAD変換データを得るようにした技術が記載される。
特許文献1においては、入力電圧のAD変換データをDA変換して得た電圧と入力電圧との差電圧を増幅して得た電圧をAD変換し、2つのAD変換データを合成して、AD変換回路の分解能よりも高い分解能のA/D変換データを得るようにしたAD変換装置において、DA変換器にPWM型DA変換装置を用いることでDA変換特性の直線性を改善し、AD変換データの下位ビットの精度を向上させることを目的とするものであり、PWM回路部は、サンプルホールド電圧VAのAD変換データに対応したデューティのPWM信号を生成し出力し、PWM信号をローパスフィルタ回路で平滑してアナログ電圧VDを得る。差動増幅器でサンプルホールド電圧とアナログ電圧との差電圧を2のn乗倍した電圧を出力し、制御部が差電圧の増幅出力のAD変換データとサンプルホールド電圧のAD変換データとを合成し、これによってAD変換回路の分解能よりもnビット分だけ高い分解能のAD変換データを得るものである。
特許文献2においては、AD変換回路を利用し当該AD変換回路の出力ビット数より多ビットのディジタル信号を出力することが可能なA/D変換回路を提供しようとするものである。これによれば、A/D変換回路への入力信号が所定値以上の場合、入力信号は、アンプにより増幅され、AD変換回路により「C」ビットのディジタル信号に変換され、ラッチ回路により「C+a/6」ビットのディジタル信号に変換され、データセレクタを介してA/D変換回路から出力される。一方、入力信号が所定値未満の場合、入力信号は、アンプにより増幅され、AD変換回路により「C」ビットのディジタル信号に変換され、データ補間回路により「C+a/6」ビットのディジタル信号に変換され、ラッチ回路、及びデータセレクタを介してA/D変換回路から出力される。
特開2001−102927号公報 特開2000−174622号公報
被測定電圧が小レベルのとき、増幅回路を使って入力信号を増幅してAD変換することにより高い変換精度を得ようとすることが従来から行われているが、増幅回路で増幅したときと増幅回路を用いずにダイレクト変換したときとで、データに連続性が確保されない場合がある。その原因は増幅回路のゲインの誤差やオフセットである。特許文献1,2の場合には増幅回路のゲインの誤差やオフセットに対しては調整を行ってその影響を受けないようにしなければならない。
本発明の目的は、被測定電圧をAD変換する場合に増幅回路で増幅して変換したときと増幅回路を用いずにダイレクト変換したときとで、変換データの連続性を容易に確保できるようにすることにある。
本発明の別の目的は、被測定電圧をAD変換する場合に増幅回路で増幅して変換するとき高精度な増幅回路を用いなくても、増幅回路を用いたときと用いずにダイレクト変換したときとで、変換データの連続性を容易に確保できるようにすることにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、DA変換回路、増幅回路、AD変換回路を用いてAD変換動作を制御する制御回路は、前記DA変換回路から出力したアナログ信号を直接及び期待ゲインを2(nは正の整数)とする前記増幅回路で増幅して、AD変換回路で変換し、その変換結果から前記増幅回路のゲインとオフセットを演算し、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対しては前記増幅回路で増幅してAD変換回路で変換し、この変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記相殺されたデータのビット数をnビット増やしてビット拡張する処理を行なう。
これにより、増幅回路による誤差が相違されてビット精度が高くされた変換データは、増幅回路を用いずにダイレクト変換された変換データとの連続性が確保される。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、被測定電圧を増幅してAD変換することにより変換ビット精度を可変とする場合に増幅回路の誤差に対する校正を要することなく、増幅回路で増幅して変換したときと増幅回路を用いずにダイレクト変換したときとで、変換データの連続性を容易に確保することができる。
図1はAD変換システムの第1の例であるマイクロコンピュータのブロック図である。 図2はビット精度可変のAD変換処理の概念を例示する説明図である。 図3はADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット無しとして6ビット分解能を実現する場合のビット精度可変によるAD変換処理例を示す説明図である。 図4はADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット有りとして6ビット分解能を実現する場合のビット精度可変によるAD変換処理例を示す説明図である。 図5には計測の基点を変換レンジの中点とするときADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット無しとして6ビット分解能を実現する場合のビット精度可変によるAD変換処理例を示す説明図である。 図6はマイクロコンピュータによるAD変換動作の全体的な処理を例示するフローチャートである。 図7はAD変換システムの第2例を示すブロック図である。 図8は第2の例の場合のキャリブレーション処理によるゲインGとオフセットOの演算手法を示す説明図である。 図9は第2の例において複数個の増幅回路を用いた場合の具体例を示すブロック図である。 図10はサーボシステムに適用したAD変換システムの第3の例を示すブロック図である。 図11は図10のAD変換システムにおけるAD変換チャネルCH1とCH2の経路を抜き出して示したブロック図である。 図12は図10における交互サンプリングによるAD変換動作のタイミングチャートである。 図13は図12で説明した交互サンプリングによるAD変換操作の処理手順を示すフローチャートである。 図14にはサーボシステムに適用したAD変換システムの第4の例を示すブロック図である。 図15は図14のAD変換システムにおけるAD変換チャネルCH1とCH2の経路を抜き出して示したブロック図である。 図16は図15における同時サンプリングによるAD変換動作のタイミングチャートである。 図17は図16で説明した同時サンプリングによるAD変換操作の処理手順を示すフローチャートである。 図18には図10のサーボシステムに適用した第3の例を改良した第5の例を示すブロック図である。 図19はAD変換チャネルに減衰器を持ち電圧計のレンジ切り替えなどに適用することができる第6の例に係るAD変換システムを示すブロック図である。 図20はAD変換チャネルに減衰器を持ちデジタルリミッタに適用することができる第6の例に係るAD変換システムを示すブロック図である。 図21は図20のシステムにおいて音声入力信号がクリップしたときの記録波形の例を示す波形図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るデータ処理装置(1)は、DA変換回路(4)、増幅回路(5)、AD変換回路(3)及び制御回路(2)を有する。前記制御回路は期待ゲインを2(nは正の整数)とする前記増幅回路のキャリブレーション処理及びビット精度可変のAD変換処理を制御する。前記キャリブレーション処理は、前記DA変換回路から出力したアナログ信号を前記増幅回路で増幅して前記AD変換回路で変換して得られるデータと、前記アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータとに基づいて、前記増幅回路のゲインを演算する処理である。前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、誤差が相殺されたデータに基づいて、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するようにビット拡張された変換データを取得する処理である。
〔2〕項1のデータ処理装置において、前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記誤差が相殺されたデータをビット拡張する処理である。
〔3〕項2のデータ処理装置において、前記ビット拡張する処理における拡張ビット数はnビットである。
〔4〕本発明の代表的な別の実施形態に係るデータ処理装置(1)は、DA変換回路(4)、増幅回路(5)、AD変換回路(3)及び制御回路(2)を有する。前記制御回路は期待ゲインを2(nは正の整数)とする前記増幅回路のキャリブレーション処理及びビット精度可変のAD変換処理を制御する。前記キャリブレーション処理は、前記DA変換回路から出力したアナログ信号を前記増幅回路で増幅して前記AD変換回路で変換して得られるデータと、前記アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータとに基づいて、前記増幅回路のゲインとオフセットを演算する処理である。前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、誤差が相殺されたデータに基づいて、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するようにビット拡張された変換データを取得する処理である。
〔5〕項4のデータ処理装置において、前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記誤差が相殺されたデータをビット拡張する処理である。
〔6〕項5のデータ処理装置において前記ビット拡張する処理における拡張ビット数はnビットである。
〔7〕項3又は6のデータ処理装置において、前記ビット拡張する処理は、ビット精度を高くすべき範囲が0を基点とする範囲のとき、例えば前記相殺したデータの最上位側をnビット増やすようにビット拡張例えば0拡張する処理である(図3、図4)。この演算手法は一例であり、適宜変更可能である。
〔8〕項3又は6のデータ処理装置において、前記ビット拡張する処理は、ビット精度を高くすべき範囲が変換レンジの途中を基点とする範囲のとき、例えば前記基点のデータをnビット左シフトして得られるデータに、前記基点のデータに対する前記相殺されたデータの差分を加算する処理である(図5)。この演算手法は一例であり、適宜変更可能である。
〔9〕項1又は4のデータ処理装置において、前記増幅回路は前記制御回路によってゲインが可変にされるプログラマブル・ゲイン・アンプ(5)である。
〔10〕項1又は4のデータ処理装置は1個の半導体基板に形成されている。
〔11〕項10のデータ処理装置において、前記制御回路はプログラムを実行することによって制御動作を行うCPU(2)である。
〔12〕項11のデータ処理装置は、前記キャリブレーション処理による測定結果を前記CPUの制御によって格納する書換え可能な不揮発性メモリ(9)を更に有する。
〔13〕項12のデータ処理装置は、前記計測対象とするアナログ信号を外部から入力するアナログ入力ポート(11)を更に有する。
〔14〕項1又は4のデータ処理装置において、前記制御回路は更に、前記増幅回路を用いないビット精度一定のAD変換処理と、前記増幅回路を用いるビット精度一定のAD変換処理とを更に制御する。
〔15〕本発明の別の実施の形態に係るデータ処理システムは、DA変換回路(3)、増幅回路(5、5A〜5D、40)、AD変換回路(4)及び制御回路(2、2及び20、2及ぶ20A2及び20B)を有する。
前記制御回路は前記増幅回路のキャリブレーション処理とAD変換処理を制御する。前記制御回路は、前記キャリブレーション処理において、前記DA変換回路から出力したアナログ信号を前記増幅回路に増幅させ前記AD変換回路で変換して得られるデータと、前記アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータとに基づいて、前記増幅回路のゲイン(G)を演算する。前記制御回路は、前記AD変換処理において、所定の被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅された信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一(1/G)の大きさにすることによって変換結果のビット精度を高くする。
〔16〕項15のデータ処理システムにおいて、前記増幅回路はゲインが1よりも大きな回路(5、5A〜5D)である。
〔17〕項15のデータ処理システムにおいて、前記増幅回路はゲインが1よりも小さな回路(40)である。
〔18〕項15のデータ処理システムにおいて、前記所定の被計測アナログ信号はAD変換回路の変換レンジに対して所定範囲内の小さな信号である。
〔19〕項15のデータ処理システムにおいて、前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅された信号をサンプリングしてAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさにすることによって変換結果のビット精度を高くする(図13)。
〔20〕項15のデータ処理システムにおいて、前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅された信号とされていない被計測アナログ信号の夫々を並列的にサンプリングし、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅されてサンプリングされている信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさにするによって変換結果のビット精度を高くする(図17)。
〔21〕本発明の更に別の実施の形態に係るデータ処理システムは、DA変換回路(3)、増幅回路(5、5A〜5D、40)、AD変換回路(4)及び制御回路(2、2及び20、2及び20A2及び20B)を有する。前記制御回路は前記増幅回路のキャリブレーション処理とAD変換処理を制御する。前記制御回路は、前記キャリブレーション処理において、前記DA変換回路から出力したアナログ信号を前記増幅回路に増幅させ前記AD変換回路で変換して得られるデータと、前記アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータとに基づいて、前記増幅回路のゲイン(G)とオフセット(O)を演算する。前記制御回路は、前記AD変換処理において、所定の被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅された信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一(1/G)の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする。
〔22〕項21のデータ処理システムにおいて、前記増幅回路はゲインが1よりも大きな回路である(5、5A〜5D)。
〔23〕項21のデータ処理システムにおいて、前記増幅回路はゲインが1よりも小さな回路(40)である。
〔24〕項21のデータ処理システムにおいて、前記所定の被計測アナログ信号はAD変換回路の変換レンジに対して所定範囲内の小さな信号である。
〔25〕項21のデータ処理システムにおいて、前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅された信号をサンプリングしてAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする(図13)。
〔26〕項21のデータ処理システムにおいて、前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅された信号とされていない被計測アナログ信号の夫々を並列的にサンプリングし、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅されてサンプリングされている信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする(図17)。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
《AD変換システムの第1の例》
図1には本発明の一例に係るマイクロコンピュータが示される。同図に示されるマイクロコンピュータ(MCU)1はAD変換システムを構成する。マイクロコンピュータ1は、特に制限されないが、相補型MOS集積回路製造技術などにより単結晶シリコンなどの1個の半導体基板に形成される。このマイクロコンピュータ1は、制御回路としてプログラムを実行する中央処理装置(CPU)2、電気的に書き換え可能にプログラムやデータを格納するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(FLASH)9、CPU2のワーク領域などに利用されるRAM8、アナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換回路(ADC)3、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換回路(DAC)4、ディジタル入出力ポート12、アナログ入力ポート11、及びタイマカウンタやシリアルインタフェースなどのその他の周辺回路モジュール(PRPH)10を備える。このマイクロコンピュータ1は更に、被測定電圧を増幅してAD変換することにより変換ビット精度を可変可能にするために、増幅回路としてゲイン設定が可変可能なプログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)5、セレクタ(SW1)6及びセレクタ(SWS2)7を備え、AD変換に際してそれらと共に前記ADC3及びDAC4を用いてCPU2が変換動作をプログラム制御するようになっている。以下、変換ビット精度を可変可能とするAD変換機能について詳述する。
セレクタ6はアナログ入力ポート11から入力される被計測アナログ信号ALG1又はDAC4から出力されるアナログ信号ALG2をCPU2の制御によって選択する。PGA5はセレクタ6の出力を増幅して出力し、そのゲインはCPU2によって制御される。セレクタ7はセレクタ6の出力又はPGA5の出力をCPU2の制御によって選択する。ADC3はセレクタ7の出力を入力してAD変換する。ADC2によるAD変換結果に対する演算とAD変換制御、及びDAC4によるDA変換用のデータ生成とDA変換制御はCPU2のプログラム制御によって行われる。
CPU2はAD変換のための制御として、PGA5のキャリブレーション処理の制御とビット精度可変のAD変換処理の制御を行う。
キャリブレーション処理では、CPU2がPGA5にゲインを設定する。本明細書では設定するゲインの目的値を期待ゲインと称し、2(nは正の整数)の値とする。この後、所定のディジタル値(DGT1)を前記DAC4でアナログ信号ALG2に変換し、これをPGA5で増幅して、その出力を前記ADCで変換してディジタル値(DGT2)に戻す処理と、前記アナログ信号ALG2をPGA5で増幅せずにADC3でAD変換回路してディジタル値(DGT3)を得る処理を行い、それらディジタル値DGT1,DGT2,DGT3に基づいて、PGA5の実際のゲインとオフセットを演算する。例えば、n=0(PGA5のゲインは1倍)としたときのディジタル値DGT1とDGT2との関係からPGA5のオフセットを演算することができ、また、n=2(PGAのゲインは4倍)のようにPGA5のゲインを設定したときのディジタル値DGT2とDGT3との関係からPGA5に設定された実際のゲイン(実測ゲイン)を演算することができる。これによって取得されたオフセット及び測定されたゲインの値は不揮発性メモリ9に格納される。キャリブレーション処理は、例えばマイクロコンピュータ1のパワーオンリセット処理に際して行えばよく、その後、定期的にキャリブレーション処理を行ってオフセット及び測定されたゲインの値を更新し、温度などの影響による変動に追従したデータを格納するようにしても良い。
ビット精度可変のAD変換処理の概念は図2に例示されるように、AD変換可能な電圧レンジに対して測定電圧が60mVのような小信号ALG1をPGA5で増幅し、増幅した信号をADC3でAD変換する処理であり、例えばADC3の入力対する出力の変換ビット精度が16ビット精度とすれば、入力アナログ信号ALG1をPGA5で32倍する場合、ADC3によるAD変換のビット精度は、入力アナログ信号ALG1に対して見かけ上21ビット精度になる。特に、PGA5で増幅してAD変換対象とする小信号の範囲に対するAD変換結果と、PGA5による増を行わずにダイレクトにAD変換対象とする小信号範囲以外のAD変換結果との連続性を保証するための演算をCPU2が行う。即ち、前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき小信号の被計測アナログ信号ALG1に対してPGA5で増幅した信号をADC3でAD変換し、AD変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記相殺されたデータのビット数をnビット増やしてビット拡張する処理である。例えばPGA5の期待ゲインを4倍とする場合にはn=2とする。この処理の具体例を更に詳述する。
図3にはADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット無しとして6ビット分解能を実現する場合の処理例が示される。図において“Amp無し”はPGA5による増幅無しであることを意味し、“×4Amp”はPGA5の実測ゲインが4倍であることを意味する。アナログ入力DAC0〜DAC3の範囲をPGA5による増幅対象とする場合、アナログ入力DAC0〜DAC3に対するADC3のAD変換出力は、“0000”〜“1100”となる。これを6ビット変換精度による変換結果とし、DAC3のアナログ入力よりも大きなアナログ入力に対するAD変換結果との連続性を保証するために、AD変換出力を右に2ビット・シフトして最上位側を2ビット0拡張する演算をCPUが行い、その演算結果を、小信号範囲のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果とする。図において6ビット精度と記載された値が小信号範囲のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示し、4ビット精度と記載された値が小信号範囲よりも大きな信号のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示す。その値からも明らかな如く、6ビット精度のAD変換結果と4ビット精度のAD変換結果との連続性が保証されている。
ここで、図3の場合では、実測ゲインに対する期待ゲインの比率は4/4=1であるから、PGA5で増幅した信号をADC3で変換して得られる変換結果に実測ゲインに対する期待ゲインの比率=1を乗算してゲインの誤差を相殺する処理が行なわれることになるが、その処理の前後で値に変化はないものとなっている。前記相殺されたデータのビット数をnビット増やしてビット拡張する処理は、ビット精度を高くすべき範囲が0を基点とする範囲であるから、上述の通り、前記相殺したデータの最上位側をn=2ビット増やすように0拡張する処理によって実現される。
図4にはADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット有りとして6ビット分解能を実現する場合の処理例が示される。図において“Amp無し”はPGA5による増幅無しであることを意味し、“×5Amp+1LSB”はPGA5の実測ゲインが5倍であり、1LSB分のオフセットがあることを意味する。したがってこの場合に前記実測ゲインに対する期待ゲインの比率は4/5となる。アナログ入力DAC0〜DAC3の範囲をPGA5による増幅対象とする場合、アナログ入力DAC0〜DAC3に対するADC3のAD変換出力は、期待ゲインに対する実測ゲインの誤差とオフセットにより“0001”〜“10000”となる。変換結果(D)に対して前記オフセットを減算し(D−1)、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率(4/5)を乗算してゲインの誤差を相殺する。誤差が相殺された値は“0000”〜“1100”になる。この誤差が相殺された結果に対して上記同様に右に2ビット・シフトして最上位側を2ビット0拡張する演算をCPUが行い、その演算結果が、小信号範囲のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果とされる。図において6ビット精度と記載された値が小信号範囲のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示し、4ビット精度と記載された値が小信号範囲よりも大きな信号のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示す。その値からも明らかな如く、6ビット精度のAD変換結果と4ビット精度のAD変換結果との連続性が保証されている。
図5には計測の基点を変換レンジの中点とする場合の例が示され、ここでは、ADCの変換精度を4ビットとしPGAの期待ゲインを4倍とし且つオフセット無しとして6ビット分解能を実現する場合の処理例が示される。図において“Amp無し”はPGA5による増幅無しであることを意味し、“×4Amp”はPGA5の実測ゲインが4倍であることを意味する。従って実測ゲインに対する期待ゲインの比率は4/4=1になっているものとする。Amp無しの変換結果である“1000”(DAC0)を中点とし、例えばアナログ入力DAC0〜DAC2、DAC0〜DACm2の範囲をPGA5による増幅対象とする場合、アナログ入力DACm2〜DAC2に対するADC3のAD変換出力は、“0000”〜“1111”となる。この増幅変換出力にはゲイン誤差及びオフセットは含まれていないもとの仮定している。ビット精度を高くすべき範囲が変換レンジの途中を基点とする範囲のときCPU2によるビット拡張処理は、前記基点のデータをnビット左シフトして得られるデータに、前記基点のデータに対する前記相殺されたデータの差分を加算する処理によって実現することができる。更に具体的には、基点のAD変換データは“1000”であるからこれをn=2ビット左シフト(4倍)して“100000”する。ADC3による今回の計測データが“1011”であるとすれば、基点のデータ“1000”に対する計測データ“1011”の差分“0011”を前記4倍データ“100000”に加算して“100011”を得る。図5において6ビット精度と記載された値が小信号範囲のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示し、4ビット精度と記載された値が小信号範囲よりも大きな信号のアナログ信号ALG1に対するAD変換結果を示す。その値からも明らかな如く、中点センタの場合にも6ビット精度のAD変換結果と4ビット精度のAD変換結果との連続性が保証されている。
図6には上述したAD変換動作の全体的な動作フローが示される。ステップS1でキャリブレーション処理を行なうか否かが判定される。例えば、パワーオンリセットとき、或いは特定のタイマのタイムアウトによってキャリブレーション処理を行なうと判定する。
キャリブレーション処理において、先ずセレクタ(SW1)6がa入力選択状態にされ(S2)、セレクタ(SW2)7がd入力選択状態にされ(S3)、DAC4から基準電圧Lを出力させ(S4)、それに対してADC3によるAD変換結果をCPU2が取り込む(S5)。続いて、セレクタ(SW2)7がc入力選択状態にされ(S6)、基準電圧LをPGA5で増幅した信号に対するADC3によるAD変換結果をCPU32が取り込む(S7)。次に、DAC4から基準電圧Mを出力させ(S8)、基準電圧MをPGA5で増幅した信号に対するADC3によるAD変換結果をCPU2が取り込む(S9)。更に、セレクタ(SW2)7がd入力選択状態にされ(S10)、基準電圧Mに対してダイレクトにADC3によるAD変換結果をCPU32が取り込む(S11)。CPUは取り込んだデータに基づいてPGA5のゲインGinとオフセットOstを算出し(S12)、これを不揮発性記憶装置9に格納する。
ステップS1においてキャリブレーション処理を行なわないことが判別されたときはセレクタ(SW1)6がb入力選択状態にされ(S20)、PGA5を用いるかが判別され(S21)、用いなければ、セレクタ(SW2)7がd入力選択状態にされ(S22)、ADC3を用いたAD変換が行われる(S25)。
ステップS21によりPGA5を用いる判別されたときは常時用いるかが判別され(S24)、常時用いない場合には前述のビット精度可変のAD変換処理が行なわれる。
ビット精度可変のAD変換処理においては、セレクタ(SW2)7がd入力選択状態にされ(S30)、測定レベルは一定以下かが判別される(S31)。この判別は、例えばフルレンジに対して今回の測定範囲をモード信号やレジスタ設定値などに従ってCPUが行う。一定以下、即ち前述に小信号入力に対する計測の場合には、セレクタ(SW2)7がc入力選択状態にされ(S32)、ADC3がPGA5による増幅出力をAD変換して測定する(S33)。この測定結果に対しては、前述の通り、誤差の相殺を行う(S34)。実測ゲインウィGin、期待ゲインGexpとすると、“(測定値−Ost)×Gexp/Gin”の演算を行う。演算結果に対して前述の通りnビットのビット拡張を行ってA/D変換データを生成する(S35)。
ステップS321にて測定レベルが一定以下でないと判別されたときは場合にはADC3によるAD変換動作が行われる(S25)。また、ステップS24においてPGA5を常時使用してAD変換を行う場合にはセレクタ(SW2)7がc入力選択状態にされ(S32)、ADC3によるAD変換動作が行われる(S25)。S36におけるAD変換動作におけるオフセットキャンセルについては特に説明しないが、例えば測定されたオフセットOstを差し引く演算を行ってAD変換結果を生成するようにしてもよい。
以上より、本発明の実施の形態によれば、ビット精度を可変としてAD変換を行う場合にアンプで増幅した信号をAD変換摺る場合としない場合とでAD変換データの連続性を保証することができる。
アンプのゲインとオフセットはCPU2による演算によって実質的な校正を行うので、アンプ5それ自体に高精度を要しない。
同一半導体チップ上のADC3とDAC4を用いてキャリブレーションを行うから、動作電圧や雰囲気温度に対する変動に対して安定に且つ高精度の計測動作が可能になる。
図3及び図4に基づいて説明したように測定レンジの0点だけでなく、図6に基づいて説明したようにレンジの途中を基点とする場合にもビット精度の異なる変換結果の連続性を保証することができるから、サーボ制御などにおける小信号のAD変換動作などに好適である。
《AD変換システムの第2の例》
上記第1の例では、プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)5を用い、キャリブレーション処理において前記オフセットを計測するときはPGA5のゲインを1とし、実測ゲインを得るときはPGA5を所望の目的ゲインに設定し、また、ビット精度を高くしたAD変換処理ではPGA5の増幅出力に対するAD変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、実測ゲイン(Gm)に対する期待ゲイン(Ge)の比率(r=Ge/Gm)を乗算してゲインの誤差を相殺し、誤差を相殺した結果に対してゲイン倍に相当するビットシフトを行ってビット精度を高くする、という手法を採用した。
第2の例ではゲイン一定のアンプを用いたAD変換システムについて説明する。
図7にはAD変換システムの第2例が示される。図1との相違点は、第1に、マイクロコンピュータ1Aがセレクタ7、AD変換回路3、CPU2、PRPH10、FLASH9、RAM8、及びDAC4から構成され、増幅回路5A及びセレクタ6がマイクロコンピュータ1の外付け回路として構成される点である。第2に、増幅回路5Aのゲインは規定値、特に限定するものではないが、例えば8倍などに固定化され、それに伴って、測定されたオフセットの相違やゲインの誤差の相違差のための演算手法が多少異なる点である。図1と同一機能を有する構成要素にはそれと同一符号を付してその詳細な説明を省略する。図7においてセレクタ7は例えばアナログ入力ポートにおけるAD変換チャネルのセレクタによって構成される。
第2の例の場合のキャリブレーション処理では、図8に例示するように、DA変換回路4の出力するx1、x2というアナログ電圧に対して増幅回路5Aのない系(セレクタの経路dを選択)でのAD変換回路3による変換データy1、y2を求め、次に、増幅回路5Aのある系(セレクタの経路cを選択)でのAD変換回路3による変換データy3、y4を求める。これにより、ゲインGを、
“G=(y4−y3)/(y2−y1)”
により、オフセットOを、
“O=y2−y4/G”、又は“y1−y3/G”
により求めることができる。ここで求めたゲインGとオフセットOを使って、増幅回路5Aを介して系で測定したAD変換データZに対して、
“z=Z/G−0”
の演算を行うことによって、増幅回路の誤差が相殺され且つビット精度が高くされたデータzは、増幅回路5Aのない系のAD変換データと連続性が確保されたデータになる。
図9には複数個の増幅回路5B,5Cを用いた例が示される。特に限定するものではないが、例えば増幅回路5Bのゲイン(期待値ゲイン)は4倍、増幅回路5Cのゲイン(期待値ゲイン)は8倍であり、セレクタ7Aは、増幅回路のない系、増幅回路5Bによる増幅を行う系、増幅回路5Cによる増幅を行う系を選択する回路である。マイクコンピュータ1Bは、微小信号に対しては増幅回路5Cによる増幅を行う系を選択し、小信号に対しては増幅回路5Bによる増幅を行う系を選択し、通常の信号に対しては増幅回路のない系を選択すればよい。セレクタ7Aは例えばアナログ入力ポートにおけるAD変換チャネルのセレクタによって構成される。
《AD変換システムの第3の例》
上記第1及び第2の例では、増幅回路がない系を用いたAD変換と増幅回路による増幅を行う系を用いるAD変換動作のいずれを用いるかを予め決定した上で変換動作を切換えることを想定した。例えば図6のステップS21において増幅回路による増幅を行う系を用いるか否かを判別して選択した。第3の例では増幅を行わない系を用いたAD変換動作の結果が所定範囲外になった否かを判別して増幅を行う系を用いたAD変換動作と増幅を行わない系を用いたAD変換動作とを切換えるようにした制御形態(マルチサンプリング制御形態)について説明する。
図10にはサーボシステムに適用したAD変換システムが例示される。例えばアクチェータ24はドライバ23からの制御信号による制御パラメータKa,Kdに従って操作されることによって動作される。例えばアクチェータ24がディジタル電源回路であれば制御パラメータKa,Kdにしたがって生成された電圧を出力する。マイクロコンピュータ1Cはその電圧をモニタし、モニタした電圧が目標値に一致するようにドライバ23を制御する。
セレクタ6と増幅回路5Dはマイクロコンピュータ1Cに外付けされる。増幅回路5DのゲインはN倍とされる。マイクロコンピュータ1Cはアナログ入力ポートによって実現されるセレクタ7、AD変換回路3、DA変換回路4及びCPU2を備えると共に、サーボ系から得られるAD変換データの演算回路20、セレクタ21及びPI制御回路(PIcont)22を有する。
セレクタ7の入力ポートdがAD変換チャネルCH1とされ、入力ポートcがAD変換チャネルCH2とされる。キャリブレーション動作は前述と同様にCPU2で行われ、例えば図8で説明したゲインGとオフセットOが予め取得される。AD変換動作においてCPU2はAD変換チャネルCH1を選択してAD変換回路3による変換結果を入力し、そのAD変換結果が所定範囲内か否かを判別する。所定範囲内であれば、演算回路20に、AD変換チャネルCH1からの入力データに対するAD変換データ(CH1Data)を一時的に保持させ、セレクタ21の端子fから当該AD変換結果データをPI制御回路22に出力させる。所定範囲外であることを判別したときCPU2はAD変換チャネルCH2からの入力データをAD変換回路3に与え、変換されたデータ(CH2Data)に対して前記ゲインGとオフセットOを用いて誤差を相殺する演算を演算回路20に実行させて、誤差が相殺されたAD変換データを取得させる。さらに誤差が相殺されたA/D変換データに1/Nの演算を行って、セレクタ21の端子eから当該除算されたAD変換結果データをPI制御回路22に出力させる。
PI制御回路22はPI(Proportion Integration)制御によって目標値に対する操作量の誤差を検出し、その誤差をDA変換回路4に与えると共にCPU2に与える。DA変換回路4はその誤差の応ずるアナログ量をドライバ23に与えて、制御パラメータを制御する。その制御に応じてアクチェータ24の出力電圧が制御される。
第3の例によれば、増幅を行わない系を用いたAD変換動作の結果が所定範囲外になったか否かを判別して増幅を行う系を用いたAD変換動作と増幅を行わない系を用いたAD変換動作とを切換えるように制御するから、増幅回路ない系を用いたAD変換と増幅回路による増幅を行う系を用いるAD変換動作のいずれを用いるかを予め決定した上で変換動作を切換える制御を採用する場合に比べて、応答性に優れたサーボ制御を容易に実現することができる。
図11には図10のAD変換システムにおけるAD変換チャネルCH1とCH2の経路を抜き出して示してある。
図12にはAD変換動作のタイミングチャートが示される。ここでは交互サンプリングを行う場合が例示される。この例は実質的に同時サンプリングとみなし得るような長い変換周期に対する動作を想定し、例えば低速の入力信号に対する動作とされる。周期が10msec、サンプリングと変換に2μsecを要するものとしている。例えば図8に基づいて説明したゲインGとオフセットOを用いて誤差を相殺する演算のための処理時間には余裕がある。図12のOPRにおいてその演算処理が行われる。
図13には図12で説明した交互サンプリングによるAD変換操作の処理手順を示す。キャリブレーション処理は基本的に図6と同じであるが、ステップS12Aにおける増幅回路のゲインGとオフセットOを算出する演算手法が図8で説明した手法による点が相違される。AD変換処理ではセレクタ6の端子bを選び(S20)、測定を行うために先ずセレクタ7の端子d(AD変換チャネルCH1)を選択し(S40)、AD変換回路3を用いて測定を行う(S41)。変換結果が所定範囲であれば、例えば一定レベル以下であるか否かを判別し(S42)、そうでなければそのときの測定データ(CH1Data)をAD変換結果として採用する(S46)。一定レベル以下の場合にはセレクタ7の端子c(AD変換チャネルCH2)を選択し、AD変換回路3を用いて測定を行い(S44)、測定値に対して例えば図8で説明した“測定値/G−O”の演算を行って(S45)、測定値に対するゲインの誤差とオフセットを相殺する。誤差が相殺されたデータ(CH2Data)に対して1/Nの演算が行われて、A/D変換データが作成される(S46)。
上記マルチサンプリング制御形態による上記AD変換によれば以下の作用効果を得ることができる。
(1)広範囲(アンプなしの系であるAD変換チャネルCH1)のAD変換を常時おこなうことにより、CPU2が予めアンプ有りの系(CH2)のデータを用いるのかアンプ無しの系(CH1)のデータを使うかの判断が容易である。即ち、AD変換値が一定範囲内か範囲外かの判断を行うだけでよい。第1の例で説明したように、増幅回路ない系を用いたAD変換と増幅回路による増幅を行う系を用いるAD変換動作のいずれを用いるかを予め決定した上で変換動作を切換える場合には、アンプ有りの系ではある範囲を超えたらアンプなしの系へ切り替え、アンプなしの系では別の範囲内になったらアンプ有りの系へ切り替えなければならない。判断して切り替えて測定に入るので、マルチサンプリング制御形態に比べて測定に余分な時間がかかると考えられる。
(2)図8で説明したようにゲインGとオフセットOを用いて誤差を相殺するから、アンプ有りの系の演算をした結果の上位ビットのデータは、アンプなしの系で得られた値と同じとなり、今までの例と同様にデータの連続性を保証することができる。
(3)サーボ制御システムに適用することによってサーボ制御の良好な応答性に資することができる。
(4)さらに、アンプなしの系で採ったデータを使うことによって、アンプ有りの系のAD変換データに対する誤差を相殺するための演算時間をさらに短縮することも可能になる。即ち、図8の説明から明らかなように、
“y2=y4/G−O”
という関係があるので、新たに採ったデータDにたいして、アンプのある系(CH2)で採ったデータDA12を演算して求めた12bitの最終変換値D12と、アンプのない系(CH1)でとったデータD10、D12−D10=d(dは12bitの下位側2bitの値)との間には、
“D10+d=DA12/G−O”、
即ち、“d=DA12/G−O−D10”
という関係がある。一般的に、桁数の多い割り算には処理時間がかかるので、
“Gd=DA12−OG−GD10”
を求めることにより、12bitの下位2bitのゲイン倍の小さな値Gdを得ることができる。これをGで割ることによりdが求められるので、これにD10に足せば、確実に連続性のあるデータを高速に演算することができる。乗算は割り算に比べて演算処理時間が短いことによる。
《AD変換システムの第4の例》
マルチサンプリング制御形態の別の例を説明する。第3の例では交互サンプリングとしたが、ここでは同時サンプリングを行う場合について説明する。
図14にはサーボシステムに適用したAD変換システムが例示される。図10との相違点はマイクロコンピュータ1Dにおけるアナログ入力ポートとしてのセレクタを7Aの構成であり、図示されたAD変換チャネルCH1とCH2で同時サンプリングを可能にするためのサンプルホールド回路を追加した点である。即ち、AD変換チャネルCH1にはサンプリングスイッチSMP1、サンプリング容量SC1、及びバッファ(ボルテージフォロアアンプ)BUF1が追加され、AD変換チャネルCH2にはサンプリングスイッチSMP2、サンプリング容量SC2、及びバッファ(ボルテージフォロアアンプ)BUF2が追加されている。CPU2はサンプリング動作期間に双方のサンプリングスイッチSMP1,SMP2をオン動作させて必要な電荷を容量SC1,SC2にホールドさせる。その他の構成は図10と同一であるからその詳細な構成の説明は省略する。
図15には図14のAD変換システムにおけるAD変換チャネルCH1とCH2の経路を抜き出して示してある。
図16にはAD変換動作のタイミングチャートが示される。ここでは同時サンプリングを行う場合が例示される。この例は、低速の入力信号に対する動作とされる。周期が10msec、サンプリングと変換に2μsecを要するものとしている。図8に基づいて説明したゲインGとオフセットOを用いて誤差を相殺する演算のための処理時間には余裕がある。図16のOPRにおいてその演算処理が行われる。
図17には図16で説明した同時サンプリングによるAD変換操作の処理手順を示す。キャリブレーション処理は基本的に図6と同じであるが、ステップS12Aにおける増幅回路のゲインGとオフセットOを算出する演算手法が図8で説明した手法による点が相違される。AD変換処理ではセレクタ6の端子bを選び(S20)、先ず、サンプリングスイッチSMP1,SMP2を用いてAD変換チャネルCH1,CH2の双方で同時サンプリングを行う(S51)。この後、先ずセレクタ7の端子d(AD変換チャネルCH1)を選択してAD変換を行い(S52)、AD変換による変換結果が所定範囲であれば、例えば一定レベル以下であるか否かを判別し(S53)、そうでなければそのときの測定データ(CH1Data)をAD変換結果として採用する(S57)。一定レベル以下の場合にはセレクタ7の端子c(AD変換チャネルCH2)を選択し、AD変換回路3を用いてAD変換を行い(S55)、この変換値(CH2Data)に対して例えば図8で説明した“測定値/G−O”の演算を行って(S56)、測定値に対するゲインの誤差とオフセットを相殺する。誤差が相殺されたデータに対して1/Nの演算が行われて、A/D変換データが作成される(S57)。
同時サンプリングを採用する第4の例においても第3の例と同様の作用効果を得ることができる。特に、周期の短い高速の入力信号に対してマルチサンプリングを行う場合には第4の例を採用した方が対応が容易である。
《AD変換システムの第5の例》
図18には図10のサーボシステムに適用した第3の例を改良した第5の例が示される。例えば図10のPI制御回路22は比例若しくは比率演算において乗算を行うことが想定される。また、図示はしないが、電子計量システムなどのように計測値を重量などに変換して表示するシステムでは、後から計測値に乗算を行う。そこで、図10のシステムでは演算回路20で1/Nの演算を行っているが、PI制御回路22のようにその後段で乗算を行うシステムの場合には、後段回路の乗算係数をアンプ5DのゲインNぶんだけ小さくしておけば、演算回路20にける1/Nの除算を省略でき、その分だけ、演算処理時間を短縮することができる。図18では、AD変換チャネルCH2を介して測定されたAD変換データに対して“測定値/G−O”の演算を行ってゲインの誤差とオフセットが相殺されたデータ(CH2Data)に対して1/Nの演算を行わない。その後段のPI制御回路に代表されるような比例制御回路30に、比例係数Kを乗算する回路30Aと比例係数K/Nを乗算する回路30Bとを設け、その出力をセレクタ30Cで選択してDA変換回路4に出力可能にされる。CPU2は、AD変換チャネルCH2を用いたAD変換結果を用いる場合にはセレクタ30Cで回路30Bの出力を選択させる。
《AD変換システムの第6の例》
以上の例は、AD変換システムにおいて増幅率が1よりも大きな増幅回路のゲインとオフセットを校正してビット精度の異なるAD変換データの連続性を保証するものである。本発明に係るAD変換システムではその用途に応じて増幅率が1よりも大きな増幅回路に代えて増幅率が1よりも小さな増幅回路即ち減衰器(アッテネータ)を用いることも可能である。第6の例ではAD変換チャネルに減衰器を持つAD変換システムについて説明する。
例えば、図19に例示されるように、電圧計のレンジ切り替えなどに適用することができ、従来は精密抵抗で分圧を行っていたシステムを、大まかに抵抗R1,R2で分圧し、DAコバータから出力した電圧を分圧した系としない系とをAD変換回路でAD変換し、その変換結果を用いて上記同様に校正した減衰比を取得しておき、減衰した系からの計測値に対してその校正された減衰比を用いることによって、レンジ切換えにおいてデータの連続性を容易に確保することができる。増幅と異なりオフセット電圧が発生しないので減衰比の校正は簡単である。
他の例として図20に例示されるボイスレコーダなどのデジタルリミッタへの応用を挙げることができる。ボイスレコーダでは音声入力信号をクリップさせないようにすることが重要である。アナログのAGC(Automatic Gain Control)回路では応答遅れが回避できない。図20のように減衰器(減衰率=1/M)40で、特に限定するものではないが、例えば約−12dB (1/4)の信号も常時取得しておき、クリップした時に、約−12dBの信号を4倍(M倍)したデータを入れ替えて接続すれば、連続性のあるデータでクリップしない音声を記録することができる。データとしては2bit分拡張されているが、後の処理でどのようにでも扱うことができる。DA変換回路4がそのビット数に対応していればそのままでよい。
図20において演算回路20Bは、減衰器40で1/Mに減衰されたAD変換チャネルCH2のAD変換結果データに対する減衰率の補正を上記同様に行い、その結果データ(CH2Data)をM倍して出力する。また、AD変換チャネルCH1のAD変換結果データ(CH1Data)をそのまま出力する。CPU2は演算回路20Bから出力される双方のデータを順次メモリ41に格納する。CPU2は図21に例示されるように、AD変換チャネルCH1経由のデータがクリップするまでは当該データを選択し、クリップしたときはAD変換チャネルCH2経由のデータをM倍して選択するように、音声データなどの記録を制御する。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、ADCのオフセットは増幅回路それ自体が備える回路構成を用いてキャンセルしてもよい。この場合にはステップS35に示される“(測定値−Ost)×Gexp/Gin”の演算を、“(測定値)×Gexp/Gin”とすればよい。また、増幅回路はPGAに限定されず、ゲイン固定のアンプであってもよい。
図3、4及び図5に基づいて説明したビット拡張処理の演算方法は一例であり、変換レンジの別の場所のビット精度を高くしたい場合や異なるディジタルコードを用いる場合などに応じて最適な演算方法を採用すればよい。
また、ビット精度可変のAD変換動作においてアンプ5で増幅した信号に対するAD変換結果に対して行う上記誤差相殺演算、nビット分のビット拡張演算はその都度行わなくてもよい。予め夫々の演算結果に対するルックアップテーブルを用意しておき、アンプ5で増幅した信号に対するAD変換をインデックスとしてルックアップテーブルをアクセスして対応するAD変換結果を取得するようにしてもよい。また、本発明のデータ処理装置はシングルチップのマイクロコンピュータに代表されるようなLSIに限定されず、マルチチップでモジュール化された回路、配線基板上に構成される回路などであってもよい。
減衰器を用いる場合にも当然マルチサンプリングを行うことは可能である。マルチサンプリングはデュアルサンプリングに限定されず、2個以上の増幅回路や減衰器を用いる場合にも適用可能である。
前記演算回路20の機能はCPU2とその動作プログラムによいって実現してもよい。
1、1A〜1F マイクロコンピュータ(MCU)
2 中央処理装置(CPU)
3 AD変換回路(ADC)
CH1、CH2 AD変換チャネル
4 DA変換回路(DAC)
5 プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)
5A〜5D 増幅回路
6 セレクタ(SW1)
7、7A セレクタ(SWS2)
SC1,SC2 サンプリング容量
BUF1,BUF2 バッファ
8 RAM
9 不揮発性メモリ(FLASH)
11 アナログ入力ポート
12 ディジタル入出力ポート
20 演算回路
30 比例制御回路
R1,R2 分圧抵抗
40 減衰器

Claims (26)

  1. DA変換回路、増幅回路、AD変換回路及び制御回路を有し、
    前記制御回路は期待ゲインを2n(nは正の整数)とする前記増幅回路のキャリブレーション処理及びビット精度可変のAD変換処理を制御し、
    前記キャリブレーション処理は、前記DA変換回路から出力した第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路でそれぞれ増幅して前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第1及び第2データと、前記第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第3及び第4データとに基づいて、前記第2データと前記第1データの差と前記第4データと前記第3データの差との比を、前記増幅回路のゲインとして演算する処理であり、
    前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、誤差が相殺されたデータに基づいて、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するようにビット拡張された変換データを取得する処理である、データ処理装置。
  2. 前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記誤差が相殺されたデータをビット拡張する処理である、請求項1記載のデータ処理装置。
  3. 前記ビット拡張する処理における拡張ビット数はnビットである、請求項2記載のデータ処理装置。
  4. DA変換回路、増幅回路、AD変換回路及び制御回路を有し、
    前記制御回路は期待ゲインを2n(nは正の整数)とする前記増幅回路のキャリブレーション処理及びビット精度可変のAD変換処理を制御し、
    前記キャリブレーション処理は、前記DA変換回路から出力した第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路でそれぞれ増幅して前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第1及び第2データと、前記第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第3及び第4データとに基づいて、前記第2データと前記第1データの差と前記第4データと前記第3データの差との比を前記増幅回路のゲインとし、前記第3データから前記第1データを前記演算で得られたゲインで除した値を引いた値、又は、前記第4データから前記第2データを前記演算で得られたゲインで除した値を引いた値を前記増幅回路のオフセットとして、それぞれ演算する処理であり、
    前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、誤差が相殺されたデータに基づいて、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するようにビット拡張された変換データを取得する処理である、データ処理装置。
  5. 前記ビット精度可変のAD変換処理は、ビット精度を高くすべき被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅した信号をAD変換回路で変換し、変換結果から前記オフセットを減算し、減算結果に、前記演算で得られたゲインに対する前記期待ゲインの比率を乗算してゲインの誤差を相殺し、異なるビット精度のデータ間の連続性を保証するように、前記誤差が相殺されたデータをビット拡張する処理である、請求項4記載のデータ処理装置。
  6. 前記ビット拡張する処理における拡張ビット数はnビットである、請求項5記載のデータ処理装置。
  7. 前記ビット拡張する処理は、ビット精度を高くすべき範囲が0を基点とする範囲のとき、前記相殺したデータの最上位側をnビット増やすようにビット拡張する処理である、請求項3又は6記載のデータ処理装置。
  8. 前記ビット拡張する処理は、ビット精度を高くすべき範囲が変換レンジの途中を基点とする範囲のとき、前記基点のデータをnビット左シフトして得られるデータに、前記基点のデータに対する前記相殺されたデータの差分を加算する処理である、請求項3又は6記載のデータ処理装置。
  9. 前記増幅回路は前記制御回路によってゲインが可変にされるプログラマブル・ゲイン・アンプである、請求項1又は4記載のデータ処理装置。
  10. 1個の半導体基板に形成されている、請求項1又は4記載のデータ処理装置。
  11. 前記制御回路はプログラムを実行することによって制御動作を行うCPUである、請求項10記載のデータ処理装置。
  12. 前記キャリブレーション処理による測定結果を前記CPUの制御によって格納する書換え可能な不揮発性メモリを更に有する、請求項11記載のデータ処理装置。
  13. 前記計測対象とするアナログ信号を外部から入力するアナログ入力ポートを更に有する、請求項12記載のデータ処理装置。
  14. 前記制御回路は更に、前記増幅回路を用いないビット精度一定のAD変換処理と、前記増幅回路を用いるビット精度一定のAD変換処理とを更に制御する、請求項1又は4記載のデータ処理装置。
  15. DA変換回路、増幅回路、AD変換回路及び制御回路を有するデータ処理システムであって、
    前記制御回路は前記増幅回路のキャリブレーション処理とAD変換処理を制御し、
    前記制御回路は、前記キャリブレーション処理において、前記DA変換回路から出力した第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路にそれぞれ増幅させ前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第1及び第2データと、前記第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第3及び第4データとに基づいて、前記第2データと前記第1データの差と前記第4データと前記第3データの差との比を、前記増幅回路のゲインとして演算し、
    前記制御回路は、前記AD変換処理において、所定の被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅された信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさにすることによって変換結果のビット精度を高くする、データ処理システム。
  16. 前記増幅回路はゲインが1よりも大きな回路である、請求項15記載のデータ処理システム。
  17. 前記増幅回路はゲインが1よりも小さな回路である、請求項15記載のデータ処理システム。
  18. 前記所定の被計測アナログ信号はAD変換回路の変換レンジに対して所定範囲内の小さな信号である、請求項15記載のデータ処理システム。
  19. 前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅された信号をサンプリングしてAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさにすることによって変換結果のビット精度を高くする、請求項15記載のデータ処理システム。
  20. 前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅された信号とされていない被計測アナログ信号の夫々を並列的にサンプリングし、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅されてサンプリングされている信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさにするによって変換結果のビット精度を高くする、請求項15記載のデータ処理システム。
  21. DA変換回路、増幅回路、AD変換回路及び制御回路を有するデータ処理システムであって、
    前記制御回路は前記増幅回路のキャリブレーション処理とAD変換処理を制御し、
    前記制御回路は、前記キャリブレーション処理において、前記DA変換回路から出力した第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路にそれぞれ増幅させ前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第1及び第2データと、前記第1及び第2アナログ信号を前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路でそれぞれ変換して得られる第3及び第4データとに基づいて、前記第2データと前記第1データの差と前記第4データと前記第3データの差との比を前記増幅回路のゲインとし、前記第3データから前記第1データを前記演算で得られたゲインで除した値を引いた値、又は、前記第4データから前記第2データを前記演算で得られたゲインで除した値を引いた値を前記増幅回路のオフセットとして、それぞれ演算し、
    前記制御回路は、前記AD変換処理において、所定の被計測アナログ信号に対して前記増幅回路で増幅された信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする、データ処理システム。
  22. 前記増幅回路はゲインが1よりも大きな回路である、請求項21記載のデータ処理システム。
  23. 前記増幅回路はゲインが1よりも小さな回路である、請求項21記載のデータ処理システム。
  24. 前記所定の被計測アナログ信号はAD変換回路の変換レンジに対して所定範囲内の小さな信号である、請求項21記載のデータ処理システム。
  25. 前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅された信号をサンプリングしてAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする請求項21記載のデータ処理システム。
  26. 前記制御回路は、AD変換処理において、前記増幅回路で増幅された信号とされていない被計測アナログ信号の夫々を並列的にサンプリングし、前記増幅回路で増幅せずに前記AD変換回路で変換して得られるデータが所定の被計測アナログ信号であることを判別したとき、前記増幅回路で増幅されてサンプリングされている信号をAD変換回路で変換し、変換結果を、前記演算されたゲイン分の一の大きさとし且つそこから前記演算されたオフセットを減算して、変換結果のビット精度を高くする請求項21記載のデータ処理システム。
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