JP5461951B2 - セラミックス膜の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら(001)方向に優先配向させることが技術的に難しいと共に、(001)配向膜は不安定であるという問題がある。
そこで、高温焼成を避けるために、幾つかの方法が提案されている。例えば、UVフォトアニーリング(例えば、非特許文献2参照)、加圧酸素下でのアニーリング(例えば、非特許文献3参照)、マイクロウェーブによるアニーリング(例えば、非特許文献4参照)などを行うことが提案されている。
また、本発明は、強誘電性、圧電性、電気光学効果及び焦電性などの特性に優れ、且つ信頼性の高い強誘電体素子及び電子部品を提供することを目的とする。
また、本発明は、PbZr x Ti 1−x O 3 (式中、xは0〜0.6である)の前駆体溶液を基板に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて、炭素成分が残存する前駆体膜を形成する工程と、前記前駆体膜中に残存する炭素成分の働きによって前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb 2+ )を0価の鉛(Pb 0 )に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程であって、前記還元が、前記前駆体膜を形成した基板を、酸化性雰囲気中、5℃/秒以上の昇温速度で300℃〜450℃に加熱することにより行われる工程とを含むことを特徴とするセラミックス膜の製造方法である。
また、本発明によれば、強誘電性、圧電性、電気光学効果及び焦電性などの特性に優れ、且つ信頼性の高い強誘電体素子及び電子部品を提供することができる。
本発明のセラミックス膜の製造方法は、溶液法を用いて行われる。この方法としては、特に限定されることはなく、一般的に、原料となる有機金属化合物を有機溶媒中に溶解したもの(前駆体溶液)を、種々の塗布方法を用いて基板を被覆することによって行う。
本発明のセラミックス膜の製造方法では、まず、所定の前駆体溶液を基板に塗布し、所定の温度で乾燥させて前駆体膜を形成する。
前駆体溶液の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、酢酸鉛と、ジルコニウムアルコキシドと、チタンアルコキシドと、アルコールとを所定の割合で混合して反応させればよい。これらの配合割合は、使用する原料の種類や、形成するセラミックス膜の組成などに応じて適宜設定すればよい。また、市販の前駆体溶液を使用することもできる。
基板に塗布した前駆体溶液の乾燥は、低温焼成を困難にするパイロクロア相が生成しない温度で行なう必要がある。具体的には、300℃以下、好ましくは250℃以下の温度で乾燥させる必要がある。乾燥温度が300℃を超えると、前駆体膜中の残留炭素成分の量が少なくなり、下記で説明する鉛イオンの還元反応が不十分となる。その結果、パイロクロア相が多く生成し、低温焼成が困難になる。
また、乾燥雰囲気は、特に限定されることはなく、非酸化性雰囲気や酸化性雰囲気(例えば、大気中)で行なうことが可能である。また、乾燥に使用する装置も特に限定されることはなく、ホットプレート等の公知の装置を用いることができる。
なお、所望の厚さを有する前駆体膜を形成するには、上記の前駆体溶液の塗布及び乾燥工程を繰り返し行えばよい。また、前駆体溶液が塗布される基板としては、特に限定されることはなく、各種基板を用いることができる。
前駆体膜中の鉛イオンの還元は、低温焼成を困難にするパイロクロア相の生成を抑制するために行なわれ、前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb2+)を0価の鉛(Pb0)に還元する。
前駆体膜における鉛イオンの還元反応は、前駆体膜中に残存する炭素成分の働きに主に起因しており、この残存炭素成分が、前駆体膜を加熱した際に鉛イオンの還元反応を引き起こす。
ここで、非酸化性雰囲気とは、O2を含まない雰囲気、例えば、N2やAr雰囲気を意味する。特に、前駆体膜中の鉛イオンの還元は、前駆体膜中に残存する炭素成分の働きに主に起因するため、雰囲気自体が還元性である必要はない。また、昇温速度は、5℃/分以上、好ましくは10℃/分以上〜20℃/秒である。つまり、非酸化雰囲気中で加熱を行えば、昇温速度が速いプロセス(RTA(rapid thermal annealing)プロセス)を使用しなくてもよい。
すなわち、本発明のセラミックス膜の製造方法では、前駆体膜中の鉛イオンを還元した後、酸化性雰囲気中で前駆体膜を低温焼成して結晶化させることができる。ここで、酸化性雰囲気とは、O2を含む雰囲気、例えば、大気雰囲気、O2雰囲気等を意味する。
低温焼成は、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃〜500℃、最も好ましくは400℃〜450℃の温度で行なわれる。ただし、焼成温度が低すぎると、前駆体膜の結晶化が十分でないことがある。一方、焼成温度が500℃を超えると、回路を構成する金属配線や各種デバイスに損傷を与えたり、セラミックス膜と基板との間に内部拡散が生じることがある。
また、焼成時間は、形成した前駆体膜の厚さや大きさ等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されることはないが、一般的に1時間〜10時間である。
ここで、一般的な強誘電体素子の断面図を図1に示す。強誘電体素子は、基板1と、基板1上に形成された下部電極2と、下部電極2上に形成されたセラミックス膜3と、セラミックス膜3上に形成された上部電極4とから構成されている。
この強誘電体素子の構成及び製造方法は公知であり、セラミックス膜3の製造方法以外は、公知の方法に従って製造することができる。
また、セラミックス膜3が形成される下部電極2は、セラミックス膜3の(111)方向への優先配向の容易性を考慮すると、(111)方向に配向していることが好ましい。かかる配向を有する下部電極2としては、Pt電極等が挙げられる。
基板1としては、特に限定されることはなく、強誘電体素子の用途に応じて適宜選択することができる。特に、本発明のセラミックス膜の製造方法によれば、セラミックス膜3を、高温焼成することなく、低温焼成によって得ることができるので、高温焼成で一般的に使用されているシリコン基板、セラミックス基板及び金属基板の他に、高温焼成では使用することができない低融点の材料(例えば、ガラス基板や高分子基板など)を使用することができる。そのため、本発明のセラミックス膜3の製造方法によれば、基板選択の自由が広がり、様々な電子部品における応用が期待される。
(実施例1)
熱酸化膜(SiO2膜)が形成されたシリコン基板上に、スパッタ法を用いてTi膜、Pt(111)配向膜を順次形成した。次に、Pt(111)配向膜上に、PZT(Pb/Zr/Ti=115/37/63)の前駆体溶液(前駆体の濃度:5質量%)をスピンコーティングした後、ホットプレートで乾燥させることにより前駆体膜を形成した。ここで、スピンコーティングは3000rpmで20秒間行い、乾燥は250℃で5分間行なった。また、スピンコーティング及び乾燥の工程は7回繰り返し行なった。
次に、前駆体膜等を形成したシリコン基板を、窒素雰囲気下、20℃/秒の昇温速度で450℃に加熱した。その後、このシリコン基板を、大気雰囲気下、450℃で1時間加熱保持した。得られたPZT膜は、210nmの厚さを有していた。
図2に示すように、PZT膜は、(100)方向や(110)方向への配向も僅かに確認されたものの、ほとんどが(111)方向に配向していた。また、パイロクロア相の生成も確認されなかった。
図3に示すように、角型のヒステリシス形状が確認され、良好な誘電特性を有するキャパシタであることがわかった。
図4に示すように、このキャパシタはリーク電流が少なく、また、図5に示すように、繰り返し疲労耐性も良好であった。
前駆体膜等を形成したシリコン基板を、大気雰囲気下、20℃/秒の昇温速度で650℃に加熱して30分間加熱保持したこと以外は、実施例1と同様にしてPZT膜を形成した。得られたPZT膜は、210nmの厚さを有していた。
このPZT膜のXRDパターンを測定した結果を図6に示す。図6中の各印は図2と同じである。図6に示すように、比較例1のPZT膜は、実施例1のPZT膜に比べて(100)方向への配向が多く確認された。
次に、上記のPZT膜上にAu膜を実施例1と同様にして形成し、キャパシタを作製した。得られたキャパシタのヒステリシス特性、リーク電流及び繰り返し疲労耐性を調べた結果を図7〜9に示す。
図7に示すように、比較例1では、実施例1に比べてヒステリシスの飽和が高電界側にシフトしており、実施例1のキャパシタに比べて強誘電体特性が劣っていた。
図8に示すように、比較例1のキャパシタのリーク電流は、実施例1のキャパシタのリーク電流に比べて若干多く、また、図9に示すように、比較例1のキャパシタの繰り返し疲労耐性は、実施例1のキャパシタの繰り返し疲労耐性に比べて著しく低下していた。
前駆体溶液をスピンコーティングした後の乾燥を350℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にしてPZT膜を形成した。
このPZT膜のXRDパターンを測定した結果を図10に示す。図10中の各印は図2と同じであり、◎印はパイロクロア相のピークを示す。図10に示すように、比較例2のPZT膜では、(111)方向に配向しているものの、パイロクロア相の生成が確認された。
スピンコーティング及び乾燥の工程を3回繰り返し行なったこと、及び前駆体膜等を形成したシリコン基板を、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で450℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様にしてPZT膜を形成した。得られたPZT膜は、90nmの厚さを有していた。
このPZT膜のXRDパターンを測定した結果を図11に示す。図11中の各印は図2と同じである。図11に示すように、実施例2のPZT膜は、実施例1のPZT膜に比べて(111)方向への配向が少ないものの、(100)及び(110)方向への配向に比べて(111)方向に優先的に配向していた。
前駆体膜を形成した基板を、酸素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で500℃に加熱して1時間加熱保持したこと以外は、実施例2と同様にしてPZT膜を形成した。得られたPZT膜は、90nmの厚さを有していた。
このPZT膜のXRDパターンを測定した結果を図12に示す。図12中の各印は図10と同じである。図12に示すように、比較例3のPZT膜では、(111)方向への配向はなく、パイロクロア相の生成が確認された。
実施例3では、PbZrxTi1−xO3の前駆体溶液(x=0〜0.8(〔Zr/Ti=0/10〜8/2〕、前駆体の濃度:5質量%)を用い、スピンコーティング及び乾燥の工程を3回繰り返し行なったこと以外は、実施例1と同様にしてPbZrxTi1−xO3膜を形成した。得られたPbZrxTi1−xO3膜は、90nmの厚さを有していた。
このPbZrxTi1−xO3膜のXRDパターンを測定した結果を図13a及び図13bに示す。図13bは、図13aのグラフにおいてペロブスカイト相の(111)ピーク部分を拡大したグラフであり、図13a及び図13bの各印は図10と同じである。図13a及び図13bに示すように、PbZrxTi1−xO3膜のXRDパターンは、Zr/Ti比によって結晶構造が変化し、Zrの割合の低下に伴って高角度側にシフトした。そのため、ペロブスカイト相の(111)ピークは、Pt(111)配向膜のピークと重なってしまい、判別が困難であったが、xが0〜0.6(Zr/Ti=0/10〜6/4)の場合に(111)方向に優先配向したペロブスカイト相の生成が確認された。一方、xが0.8(Zr/Ti=8/2)の場合は、パイロクロア相が主に生成しており、(111)方向に優先配向したペロブスカイト相の生成は確認されなかった。
実施例4では、実施例1の前駆体溶液を用い、スピンコーティング及び乾燥の工程を3回繰り返すことによって基板上に前駆体膜を形成した後、この基板をa)酸素雰囲気下又はb)窒素雰囲気下にて、20℃/秒の昇温速度で450℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様にしてPZT膜を形成した。得られたPZT膜は、90nmの厚さを有していた。
このPZT膜のXRDパターンを測定した結果を図14に示す。図14の各印は図10と同じである。図14に示すように、a)酸素雰囲気下ではパイロクロア相の生成が僅かに確認されたものの、a)酸素雰囲気及びb)窒素雰囲気のどちらにおいても(111)方向に優先配向したペロブスカイト相の生成が確認された。また、b)窒素雰囲気の方が、a)酸素雰囲気に比べて、(111)方向に優先配向したペロブスカイト相が生成し易いことがわかった。
(実施例5)
スピンコーティングした後の乾燥温度を250℃及び350℃の2条件で行った前駆体膜中の残留炭素成分の量をSIMS(二次イオン質量分析)にて測定した。ここで、前駆体溶液の組成は、実施例1と同じである。その結果を図15に示す。
図15では、前駆体膜表面の深さを0nmとし、前駆体膜の深さ方向の残留炭素成分(12C+イオン)の量を表している。図15に示すように、残留炭素成分(12C+イオン)は、前駆体膜中で均一に存在していることがわかった。また、スピンコーティングした後の乾燥を250℃で行った方が、350℃で行った場合に比べて残留炭素成分(12C+イオン)の量が多かった。
250℃乾燥温度で乾燥させて前駆体膜を形成した後、この前駆体膜を窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で400℃に加熱した際の膜中の鉛イオンの状態をXPS(X線光電子分光分析)にて測定した。ここで、膜の深さ方向における鉛イオンの状態の変化を測定するために、スパッタリングにより表面を削りながら測定した。また、前駆体溶液の組成は、実施例1と同じである。その結果を図16に示す。
図16に示すように、膜の表面では、2価の鉛イオン(Pb2+)が存在しているものの、膜の内部では0価の鉛(Pb0)が多く存在していた。
350℃の乾燥温度で乾燥させて前駆体膜を形成した後、この前駆体膜を窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で400℃に加熱した際の鉛イオンの状態をXPS(X線光電子分光分析)にて測定した。得られた測定結果は、スパッタリング時間と膜中の鉛イオンの状態との関係のグラフに加工し、実施例6の結果と対比させた。その結果を図17に示す。
図17に示すように、スピンコーティングした後の乾燥を350℃で行った膜は、スピンコーティングした後の乾燥を250℃で行った膜よりも、0価の鉛(Pb0)の量が少なかった。
熱酸化膜(SiO2膜)が形成されたシリコン基板上に、スパッタ法を用いてTi膜、Pt(111)配向膜を順次形成した。次に、Pt(111)配向膜上に、PZT(Pb/Zr/Ti=115/37/63)の前駆体溶液(前駆体の濃度:2質量%)をスピンコーティングした後、ホットプレートで乾燥させることにより前駆体膜を形成した。ここで、スピンコーティングは3000rpmで20秒間行い、乾燥は250℃で5分間行なった。また、スピンコーティング及び乾燥の工程は1回のみ行なった。
次に、前駆体膜等を形成したシリコン基板を、窒素雰囲気下、20℃/秒の昇温速度で450℃に加熱して30秒間保持した。その後、このシリコン基板を、大気雰囲気下、450℃で10分間保持した。
図18において、(a)は、通常のAFMによる形状像である。この形状像では、一面にグレインが観察され、Pt配向膜とPZT膜とを区別することができなかった。
次に、(b)は、カンチレバーとPt配向膜との間に電圧(−2V)を印加することにより分極を揃えた状態のPRM振幅像である。このPRM振幅像において、白い部分は分極反転が起こったPZT膜であり、黒い部分は分極反転が起こらなかったPt配向膜である。つまり、約100nm程度の大きさの島状形状を有するPZT膜が形成されていると考えられる。
次に、(c)は−2Vで分極反転した後のPRM位相像あり、(d)は+2Vで分極反転した後のPRM位相像である。これらのPRM位相像では、グレインの色が黒〜灰に反転している。これは、PZT膜の分極が電界方向の変化に対して反転していることを示しており、PZT膜が強誘電性を有していることがわかる。
これらの結果から、本発明のセラミック膜の製造方法により、強誘電性を示す島状形状のPZT膜を容易に形成することができると言える。
実施例8では、前駆体膜等を形成したシリコン基板を、窒素雰囲気下、20℃/秒の昇温速度で470℃に加熱して5分間保持した後、このシリコン基板を、大気雰囲気下、470℃で5分間保持したこと以外は、実施例7と同様にしてPZT膜を形成した。
得られたPZT膜について、実施例7と同様にして、PRM(圧電応答顕微鏡)を用いて解析を行った。その結果を図19に示す。
図19において、(a)は、通常のAFMによる形状像である。この形状像では、一面にグレインが観察され、Pt配向膜とPZT膜とを区別することができなかった。
次に、(b)は、カンチレバーとPt配向膜との間に電圧(−3V)を印加することにより分極を揃えた状態のPRM振幅像である。このPRM振幅像において、白い部分は分極反転が起こったPZT膜であり、黒い部分は分極反転が起こらなかったPt配向膜である。つまり、約100〜約200nm程度の大きさの島状形状を有するPZT膜が形成されていると考えられる。
次に、(c)は−3Vで分極反転した後のPRM位相像あり、(d)は+3Vで分極反転した後のPRM位相像である。これらのPRM位相像では、グレインの色が黒〜灰に反転している。これは、PZT膜の分極が電界方向の変化に対して反転していることを示しており、PZT膜が強誘電性を有していることがわかる。
これらの結果から、本発明のセラミック膜の製造方法により、強誘電性を示す島状形状のPZT膜を容易に形成することができると言える。
Claims (4)
- PbZrxTi1−xO3(式中、xは0〜0.6である)の前駆体溶液を基板に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて、炭素成分が残存する前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜中に残存する炭素成分の働きによって前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb2+)を0価の鉛(Pb0)に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程であって、前記還元が、前記前駆体膜を形成した基板を、非酸化性雰囲気中、5℃/分以上の昇温速度で300℃〜450℃に加熱することにより行われる工程と
を含むことを特徴とするセラミックス膜の製造方法。 - PbZr x Ti 1−x O 3 (式中、xは0〜0.6である)の前駆体溶液を基板に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて、炭素成分が残存する前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜中に残存する炭素成分の働きによって前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb 2+ )を0価の鉛(Pb 0 )に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程であって、前記還元が、前記前駆体膜を形成した基板を、酸化性雰囲気中、5℃/秒以上の昇温速度で300℃〜450℃に加熱することにより行われる工程と
を含むことを特徴とするセラミックス膜の製造方法。 - 前記低温焼成は、400℃〜500℃の温度範囲で行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス膜の製造方法。
- 前記ペロブスカイト相は、(111)方向に優先配向していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックス膜の製造方法。
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