JP5460844B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体であって、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層された積層体に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明積層体は、下記の特徴を有するものである。
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、低反射材料を積層し、次いで、高反射材料を部分的に塗付し下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
2.紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、高反射材料を積層し、次いで、低反射材料を部分的に塗付し下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
3.紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、低反射材料と高反射材料を同時に吹付する、または高反射材料と低反射材料をそれぞれカプセル化またはゲル化させた粒子を複数分散させた組成物を塗付し、下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
4.紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、蛍光材料を含む分散媒中に、高反射材料と低反射材料をそれぞれカプセル化またはゲル化させた粒子を複数分散させた組成物を塗付し、下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
5.上記高反射材料が、樹脂及び紫外線反射率の高い粉体としてアルミナを含むものであることを特徴とする1.〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
6.上記低反射材料が、樹脂及び紫外線反射率の低い粉体を含み、
上記紫外線反射率の低い粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の積層体の製造方法。
7.上記低反射材料が、樹脂及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の積層体の製造方法。
8.上記高反射材料と低反射材料が、紫外線反射率の異なる樹脂を含み、
上記低反射材料の樹脂が、樹脂中にフェニル基、ベンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基、トリアジン基から選ばれる紫外線吸収基を含むことを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載の積層体の製造方法。
本発明の下地層(A)は、紫外線反射率の異なる部分を有する層を基材上に積層したものであれば平滑な層であっても、凹凸を有する層であっても特に限定されない。具体的には、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものである。(q)は、少なくとも1種必要であるが、2種以上設けてもよい。
(p)の紫外線反射率は、10%以上(好ましくは15%)以上とすることが望ましい。また、(p)と(q)との紫外線反射率の差は、少なくとも1%以上(好ましくは5%以上)とすることが望ましい。なお、本発明の紫外線反射率は、波長領域365nmでの反射率(%)を分光光度計によって測定した値である。
(1)紫外線反射率の異なる粉粒体を用いる方法
(2)紫外線反射率の異なる樹脂を用いる方法
(3)紫外線吸収剤を用いる方法
(4)下地層の厚みを変える方法
等が挙げられる。本発明では、(1)〜(4)の方法を組み合わせることも可能である。
なお、上記(1)における粉粒体の紫外線反射率は、予め紫外線を反射しないように黒色に塗装されたアルミ板上に、アクリル樹脂に各粉粒体を混合した組成物(隠蔽率95%)を、塗付(乾燥膜厚:約100μm)、乾燥させたものを試料とし、波長領域365nmでの反射率(%)を分光光度計によって測定した値である。また、隠蔽率は、JIS K 5600−4−1:1999の方法B(隠蔽率試験紙)に従い、YB/YWを百分率で算出した値である。
なお、(2)における紫外線反射率は、予め紫外線を反射しないように黒色に塗装されたアルミ板上に、各樹脂にアルミナを混合した組成物(隠蔽率95%)を、塗付(乾燥膜厚:約100μm)、乾燥させたものを試料とし、波長領域365nmでの反射率(%)を分光光度計によって測定した値である。
透光性材料としては、透光性を有するものであれば、無機質材料、有機質材料のどちらでもよい。例えば、無機質材料としては、ガラス、水ガラス、低融点ガラス、シリコン樹脂、アルコキシシラン、シランカップリング材等があげられる。また、有機質材料としては、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、セルロールアセトブチレート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。なお、「透光性」とは、可視光透過性に優れ、透明性を有することである。
(II)基材全面に、高反射材料を積層し、次いで、低反射材料を部分的に積層し下地層(A)を形成後、さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層する方法、
(III)基材全面に、高反射材料と低反射材料を同時に積層し下地層(A)を形成後、さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層する方法、
(IV)基材全面に、高反射材料、低反射材料、及び蛍光発光材料を含む層を同時に形成する方法、
等により製造できる。
また、基材が凹凸を有する場合、(I)(II)の方法を用いて、基材の凹部、凸部を塗り分けることもできる。特に、基材凸部に高反射材料、凹部に低反射材料を塗ることによって高反射材料が低反射材料よりも隆起した下地層を形成することができる。
・蛍光発光層材料1
アクリル樹脂エマルション100重量部(固形分)、緑色無機蛍光顔料7重量部、添加剤(分散剤、消泡剤等)4重量部を常法にて混合し、蛍光発光層材料1を作製した。
蛍光発光層材料1に関して、隠蔽率試験紙の上に塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥させた試験体を用い、試験体における黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を色彩色差計(「CR−300」:ミノルタ株式会社製)を用いて測定し隠蔽率(%)を算出したところ、蛍光発光層材料1の隠蔽率は6.1%であった。
・下地層材料1
樹脂エマルション1を100重量部(固形分)、アルミナ500重量部、添加剤(分散剤、消泡剤等)5重量部を常法にて混合し、下地層材料1を作製した。
・下地層材料2〜8
表1に示す配合に基づき、下地層材料1と同様の方法で、下地層材料2〜8を作製した。
・樹脂エマルション1:アクリル/スチレン=100/0、紫外線反射率83.6%
・樹脂エマルション2:アクリル/スチレン=55/45、紫外線反射率77.7%
・樹脂エマルション3:アクリル/スチレン=70/30、紫外線反射率81.5%
・アルミナ:平均粒子径1.0μm、紫外線反射率83.6%
・酸化チタン:平均粒子径0.2μm、紫外線反射率6.5%
・重質炭酸カルシウム:平均粒子径2.0μm、紫外線反射率45.1%
・着色顔料:カーボンブラック(平均粒子径0.02μm)
・紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
なお、樹脂エマルション1〜3の紫外線反射率は、各エマルションにアルミナを混合した組成物(隠蔽率95%)を、また、アルミナ、酸化チタン、重質炭酸カルシウムの紫外線反射率は、樹脂エマルション1に各粉粒体を混合した組成物(隠蔽率95%)を、予め紫外線を反射しないように黒色に塗装されたアルミ板上に塗付(乾燥膜厚:約100μm)、乾燥させたものを試料とし、波長領域365nmでの反射率(%)を分光光度計によって測定した値である。
溶剤可溶形アクリル樹脂11重量部(固形分)、酸化チタン8重量部、粘性調整剤1重量部、及びミネラルスピリット10重量部を常法により均一に混合してエナメル組成物1を製造した。
次いで、ポリビニルアルコール4重量部、アクリル樹脂エマルション3重量部、及び水50重量部を均一に混合して得た水系分散媒に、上記エナメル組成物1を徐々に滴下しながら混合し、さらに架橋剤1重量部を混合した。
以上の方法により、酸化チタンを含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子が、水系分散媒に分散した状態の下地層材料(9−a)を得た。
酸化チタンに替えてアルミナを48重量部使用した以外は、上記方法に従い、アルミナを含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子(エナメル組成物2)が、水系分散媒に分散した状態の下地層材料(9−b)を得た。
以上の方法で得られた下地層材料(9−a)と下地層材料(9−b)を1:1の重量比率で混合することにより、酸化チタンを含む白色エナメル粒子と、アルミナを含む白色エナメル粒子が混在した下地層材料9を得た。
ポリビニルアルコール4重量部、アクリル樹脂エマルション3重量部、及び水50重量部を均一に混合して得た水系分散媒に、下地層材料9のエナメル組成物2を徐々に滴下しながら混合し、さらに架橋剤3重量部を混合した。
以上の方法により、アルミナを含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子が水分散媒に分散した状態の下地層材料(10−a)を得た。
以上の方法で得られた下地層材料(10−a)と、下地層材料(9−a)を、1:1の重量比率で混合することにより、酸化チタンを含む白色エナメル粒子と、アルミナを含む白色エナメル粒子が混在した下地層材料10を得た。
・評価1
アルミニウム板(40mm×40mm×0.6mm)上にウレタン樹脂100重量部(固形分)に対してカーボンブラック20重量部混合した組成物を塗付乾燥膜厚が約80μmとなるように塗付、硬化させたものを基材とした。基材上に、下地層材料1〜8、下地層材料9のエナメル組成物1、2を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付、乾燥させた試験体を用い、波長領域365nmでの反射率(%)を分光光度計(「UV−3100」:株式会社島津製作所製)で測定した。結果を表2に示した。
評価1で作製した下地層材料1〜8、(9−a)、(9−b)を用いた試験体上に、蛍光発光層材料1を乾燥膜厚が約80μmとなるように塗付、乾燥させて積層し、積層体を得た。各積層体に関して、3cmの距離に6W紫外線ランプを設置し、色彩輝度計(株式会社トプコン製、BM−5A)を用いて暗室で紫外線を照射したときの輝度を測定した。結果は表2に示した。
(実施例1)
基材(アルミニウム板(40mm×40mm×0.6mm))上に、下地層材料1(「高反射材料」)を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付、乾燥させ、次いで、下地層材料2(「低反射材料」)を、刷毛を用いて斑点状に塗付、乾燥させ、下地層を形成した。さらに、下地層の上に、蛍光発光層材料1を乾燥膜厚が約80μmとなるように塗付、乾燥させて蛍光発光層を積層し、積層体1を得た。
得られた積層体1に関して、40W室内蛍光灯照明下において目視評価したところ、発光積層体1はほぼ均一な白色に視認された。また、積層体1と3cmの距離に6W紫外線ランプを設置し、紫外線を照射したところ、下地層材料1上と下地層材料2上で輝度の強弱が生じ、多彩的な発光模様が認められ、下地層材料2の塗装部分で周囲より輝度が低く、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1と同様の基材上に、下地層材料2(「低反射材料」)を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付、乾燥させ、次いで、下地層材料1(「高反射材料」)を、刷毛を用いて部分的に塗付、乾燥させ、下地層を形成した以外は、試験例1と同様の方法で、積層体2を得た。
得られた積層体2について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体2はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、下地層材料1上と下地層材料2上で輝度の強弱が生じ、多彩的な発光模様が認められ、下地層材料1の塗装部分で周囲より発光輝度が高くなり、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1の下地層材料2の代わりに下地層材料3(「低反射材料」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体3を得た。
得られた積層体3について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体3はほぼ均一な白色に視認され、紫外線ランプ照明下では、下地層材料3の塗装部分で周囲より輝度が低く、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1の下地層材料2の代わりに下地層材料4(「低反射材料」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体4を得た。
得られた積層体4について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体4はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、下地層材料4の塗装部分で周囲より輝度が低く、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1の下地層材料1の代わりに下地層材料5(「高反射材料」)を、下地層材料2の代わりに下地層材料6(「低反射材料」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体5を得た。
得られた積層体5について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体5はほぼ均一な灰色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、下地層材料6の塗装部分で周囲より輝度が低く、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1の下地層材料2の代わりに下地層材料7(「低反射材料」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体6を得た。
得られた積層体6について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体6はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、下地層材料7塗装部分の輝度がやや低く、部分的に輝度の異なる発光模様が認められた。
実施例1の下地層材料2の代わりに下地層材料8(「低反射材料」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体7を得た。
得られた積層体7について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体7はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では部分的に輝度の異なる発光模様が認められたが、下地層材料1上と下地層材料8上の輝度の差が小さく、やや模様を識別しにくかった。
実施例1と同様の基材上に、下地層材料1を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付、乾燥させた後、下地層材料2を、刷毛を用いて任意に部分的に塗付し、乾燥させ、さらに下地層材料3を任意に部分的に塗付し、乾燥させた。次いで、蛍光発光層材料1を乾燥膜厚が約80μmとなるように塗付、乾燥させて積層し、積層体8を得た。
得られた積層体8について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体8は、ほぼ均一な白色に視認され、紫外線ランプ照明下では、下地層材料1、下地層材料2、下地層材料3の部分がそれぞれ異なる輝度に発光し、複雑な発光模様が認められた。
303×303mmの表面凹凸仕上げの陶器質タイル基材に下地層材料2(「低反射材料」)を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付して乾燥させた後、下地層材料1(「高反射材料」)を塗工し、塗料が乾燥する前にゴムベラを用いて基材表面をすり切って基材凹部にのみ下地層材料1が残るように塗付し、乾燥させた。次に、蛍光発光層材料1を、乾燥膜厚が約80μmとなるように均一に塗付して乾燥させ、積層体9を得た。
得られた積層体9について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体9はほぼ均一な白色に視認され、紫外線ランプ照明下では、凹部で彫りが深い部分ほど輝度が高く、多彩感ある発光模様が認められた。
下地層材料9を、実施例1と同様の基材に対し、塗付け量300g/m3でスプレー塗装した後、蛍光発光層材料1を、乾燥膜厚が約80μmとなるように均一に塗付して乾燥させ、積層体10を得た。
得られた積層体10について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体10はほぼ均一な白色に視認され、紫外線ランプ照明下では、ランダムに塗装された下地層材料(9−a)(「低反射材料」)と下地層材料(9−b)(「高反射材料」)の塗装部分間で輝度が異なり、複雑な発光模様が認められた。
実施例9と同様の基材に、下地層材料2(「低反射材料」)を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付して乾燥させた後、ウレタン製短毛ローラーを用いて下地層材料1(「高反射材料」)を凸部にのみ塗装し、乾燥させた。次に、蛍光発光層材料1を、乾燥膜厚が約80μmとなるように均一に塗付して乾燥させ、積層体11を得た。
得られた積層体11について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体11はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、凸部で輝度が高く、実際の凹凸よりも大きく隆起して視認され、凹凸感が強調された多彩的な発光模様が認められた。
実施例9と同様の基材に、下地層材料1(「高反射材料」)を乾燥膜厚が約100μmとなるように塗付して乾燥させた後、下地層材料2(「低反射材料」)を塗工し、塗料が乾燥する前にゴムベラを用いて基材表面をすり切って基材凹部にのみ下地層材料2が残るように塗付し、乾燥させた。次に、蛍光発光層材料1を、乾燥膜厚が約80μmとなるように均一に塗付して乾燥させ、積層体12を得た。
得られた積層体12について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体12はほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、凸部で輝度が高く、実際の凹凸よりも大きく隆起して視認され、凹凸感が強調された多彩的な発光模様が認められた。
下地層材料10を、実施例1と同様の基材に対し、塗付け量300g/m2でスプレー塗装した後、蛍光発光層材料1を乾燥膜厚が約80μmとなるように均一に塗付して乾燥させ、積層体13を得た。
得られた積層体13について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体13では、アルミナを含有した白色エナメル粒子(エナメル組成物2)で塗装された部分が、酸化チタンを含有した白色エナメル粒子(エナメル組成物1)で塗装された部分よりも約70μm厚く、ごくわずかな凹凸が認められたが、全体としてほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、エナメル組成物2塗装部で輝度が高く、実際の凹凸よりも大きく隆起して視認され、凹凸感が強調された発光模様が認められた。
ポリビニルアルコール4重量部、アクリル樹脂エマルション3重量部、緑色無機蛍光顔料14重量部、分散剤8重量部、及び水50重量部を均一に混合して得た水系分散媒に、下地層材料9作製時に用いたエナメル組成物1を徐々に滴下しながら混合し、さらに架橋剤1重量部を混合した。
以上の方法により、酸化チタンを含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子が緑色無機蛍光顔料を含む水分系散媒に分散した状態の塗料(塗料組成物11−a)を得た。
次いで、ポリビニルアルコール4重量部、アクリル樹脂エマルション3重量部、緑色無機蛍光顔料14重量部、分散剤8重量部、及び水50重量部を均一に混合して得た水系分散媒に、下地層材料9作製時に用いたエナメル組成物2を徐々に滴下しながら混合し、さらに架橋剤3重量部を混合した。
以上の方法により、アルミナを含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子が緑色無機蛍光顔料を含む水分系散媒に分散した状態の塗料(塗料組成物11−b)を得た。
以上の方法で得られた塗料組成物11−a塗料組成物11−bを、1:1の重量比率で混合することにより、酸化チタンを含む白色エナメル粒子と、アルミナを含む白色エナメル粒子が混在した材料11を得た。
材料11を、実施例1と同様の基材に対し、塗付け量300g/m2でスプレー塗装して乾燥させ、積層体14を得た。
得られた積層体14について、実施例1と同様に室内蛍光灯照明下で目視評価を行ったところ、積層体14では、アルミナを含有した白色エナメル粒子(エナメル組成物2)で塗装された部分が、酸化チタンを含有した白色エナメル粒子(エナメル組成物1)で塗装された部分よりも約70μm厚く、ごくわずかな凹凸が認められたが、全体としてほぼ均一な白色に視認された。また、紫外線ランプ照明下では、エナメル組成物2塗装部で輝度が高く、実際の凹凸よりも大きく隆起して視認され、凹凸感が強調された発光模様が認められた。
Claims (8)
- 紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、低反射材料を積層し、次いで、高反射材料を部分的に塗付し下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。 - 紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、高反射材料を積層し、次いで、低反射材料を部分的に塗付し下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。 - 紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、低反射材料と高反射材料を同時に吹付する、または高反射材料と低反射材料をそれぞれカプセル化またはゲル化させた粒子を複数分散させた組成物を塗付し、下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。 - 紫外線照射によって多様な蛍光発光を呈する積層体の製造方法であって、
上記積層体が、基材上に、少なくとも2つ以上の紫外線反射率の異なる部分を有する下地層(A)が設けられ、該下地層(A)の上に蛍光材料を含む蛍光発光層(B)が積層され、
該下地層(A)が、紫外線反射率が高い部分(p)と、当該(p)よりも紫外線反射率が低い部分(q)が混在するものであり、
該(p)が、高反射材料により形成されるものであり、
該(q)が、低反射材料により形成されるものであり、
該(p)の紫外線反射率は10%以上であり、該(p)と該(q)との紫外線反射率の差が、少なくとも1%以上であり、
該基材全面に、蛍光材料を含む分散媒中に、高反射材料と低反射材料をそれぞれカプセル化またはゲル化させた粒子を複数分散させた組成物を塗付し、下地層(A)を形成後、
さらに下地層(A)の上に、蛍光発光層(B)を積層することを特徴とする積層体の製造方法。 - 上記高反射材料が、樹脂及び紫外線反射率の高い粉体としてアルミナを含むものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 上記低反射材料が、樹脂及び紫外線反射率の低い粉体を含み、
上記紫外線反射率の低い粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の積層体の製造方法。 - 上記低反射材料が、樹脂及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 上記高反射材料と低反射材料が、紫外線反射率の異なる樹脂を含み、
上記低反射材料の樹脂が、樹脂中にフェニル基、ベンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基、トリアジン基から選ばれる紫外線吸収基を含むことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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