JP5595061B2 - 積層体 - Google Patents
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また、蛍光発光層の発光輝度を高める方法として、蛍光顔料等の蛍光体の濃度を高くすることが知られているが、この場合、淡色化しやすい傾向にある。
上記積層体が、紫外線が照射される側から、蛍光発光を示す蛍光発光層(A)、波長領域300nm〜400nmの全領域での紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射層(B)、及び着色層(C)が積層され、
該着色層(C)は蛍光発光層(A)が呈する蛍光発光色と、同系色であり、
該積層体の蛍光発光層(A)側に紫外線光源(X)を備えることを特徴とする発光構造体
2.紫外線光源の照射により、発光する積層体と、紫外線光源を備える発光構造体であり、
上記積層体が、紫外線が照射される側から、蛍光発光を示す蛍光発光層(A)、波長領域300nm〜400nmの全領域での紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射着色層(D)が積層され、
該紫外線反射着色層(D)は蛍光発光層(A)が呈する蛍光発光色と、同系色であり、
該積層体の蛍光発光層(A)側に紫外線光源(X)を備えることを特徴とする発光構造体
本発明は、紫外線を照射することにより発光する積層体であり、紫外線光源の照射により、発光する積層体であって、紫外線が照射される側から蛍光発光を示す蛍光発光層(A)(以下、単に「(A)層」ともいう。)、波長領域300nm〜400nmの全領域での紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射層(B)(以下、単に「(B)層」ともいう。)及び着色層(C)(以下、単に「(C)層」ともいう。)が積層されていることを特徴とする積層体である (図1)。
隠蔽率を測定する方法としては、(B)層を隠蔽率試験紙上に置き、白地上と黒地上の視感反射率から隠蔽率を算出する方法が挙げられる。
なお、視感反射率は色彩色差計(「CR−300」:ミノルタ株式会社製)を用いて測定し算出することができる。
紫外線反射率が10%より小さい場合は、紫外線が漏出してしまうおそれがあり、(A)層の発光効率向上効果を阻害するおそれがある。
なお、紫外線反射率は、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)で測定した値である。
このような、(B)層としては、上記範囲を満たすものであればよく、樹脂板、樹脂フィルム、ガラス板、セラミック板、不織布、織布、紙、等が挙げられる。
また、紫外線反射性粉体は、波長領域300nm〜400nmの全領域において、紫外線反射率が50%以上、屈折率が1.5〜2.4(好ましくは1.5〜1.8)であることが好ましい。また、粒子径は特に限定されないが、通常0.2μm以下、または0.4μm以上10μm以下が好ましい。上記範囲とすることにより、紫外線を効率的に反射するとともに、蛍光発光(可視光)を拡散することができるため、優れた発光輝度を得ることができる。このような紫外線反射性粉体としては、例えば、アルミナ、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を使用することができる。
紫外線反射層用組成物は、使用する紫外線反射性粉体の種類、成形する紫外線反射層の厚みにもよるが、透光性材料(固形分)100重量部に対して、紫外線反射性粉体を10〜400重量部、さらには30〜300重量部混合することが好ましい。このような範囲であれば、本発明の効果が得られ易い。
なお、上記同系色とは、色の特性で表される3要素、すなわち色相、明度、彩度の内、色相が近いもののことを意味し、蛍光発光層(A)が呈する蛍光発光色に対して、L*C*h表色系における色相角度の差が△h=±45°以内(好ましくは△h=±30°以内)の範囲に入る色の内から選択される色のことをいう。ここでいうL*C*h表色系とは、1976年に国際照明委員会で規定され、JIS
Z 8729にも採用されているL*a*b*表色系を極座標表示したものであって、L*は明度を表し、C*は原点からの距離として彩度を表す、hはL*a*b*表色系におけるa*赤方向の軸を0°として、ここから反時計方向の色相に対して移動した色相角度を表す。
顔料及び/または染料としては、特に限定されず、一般的なものを使用することができる。顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック、モリブデンレッド、コバルトブルー、マンガンバイオレット、弁柄、紺青、群青等の無機質顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾレッド、ファーストエロー、パーマネントイエロー、ジスアゾイエロー等のアゾ系顔料、ペリレンレッド等のペリレン系顔料、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料等の有機質顔料;アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属粉顔料;パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等の特殊顔料、等が挙げられる。
また、染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、建染染料、分散染料、反応染料、などの各種染料等が使用可能である。
これらは所望の色相に応じて適宜選択すればよく、1種のみで使用してもよいし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
(B)層と(C)層は、上記のように別々の層として積層してもよいが、(B)層と(C)層の効果を併せ持つ、波長領域300nm〜400nmの全領域において紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射着色層(D)(以下、単に「(D)層」ともいう。)として積層することもできる。(D)層としては、例えば、透光性材料と紫外線反射性粉体、並びに顔料及び/または染料を含む組成物(紫外線反射着色層用組成物)をフィルム状または板状等に成形したものを使用することができる。(図2)
(I)板状に成形した蛍光発光層(A)、紫外線反射層(B)、着色層(C)、または、紫外線反射着色層(D)を、図1または図2に示すように接着剤等を介して積層する方法、
(II) 板状に成形した蛍光発光層(A)に紫外線反射層用組成物、着色層用組成物、または紫外線反射着色層用組成物を図1または図2に示すように、塗付し、硬化させる方法、
等が挙げられる。
また、上記(I)と上記(II)を組み合わせて製造することもできる。
上記(II)において、蛍光発光層用組成物、紫外線反射層用組成物、着色層用組成物、及び紫外線反射着色層組成物を塗付する際には、スプレー、ローラー、こて、レシプロ、コーター、流し込み等の手段を用いることができる。
本発明の発光構造体(R)は、紫外線光源(X)(光源(X))及び、上記蛍光発光層(A)、と上記紫外線反射層(B)と上記着色層(C)が積層されている積層体を備えるものである。紫外線光源(X)は、積層体の蛍光発光層(A)側に配置される。
本発明に使用する光源は、紫外光を発するものであればよいが、波長300nm〜400nmの範囲に輝線を有するものが好ましい。
上記発光構造体の発光を見る方向は、特に限定されないが、上記(B)層、(C)層、(基材(E))が半透明の場合、照射する光源(X)と反対側とすることもできる。この場合、(B)層を介して、(A)層の背後に設置された光源の形状が視認され難くなる。
一方、光源付近の照射強度を調整するために、光源(X)と蛍光発光層(A)の間に遮蔽板(Z)を設けることもできる。該遮蔽板(Z)は、光源(X)の一部の光を遮蔽するものである。これにより、蛍光発光層(A)により均一な光を照射することができる。
アクリル樹脂エマルション100重量部(固形分)、緑色無機蛍光顔料10重量部、添加剤(分散剤、消泡剤等)4重量部を常法にて混合し、蛍光発光層用組成物1を作製した。
上記蛍光発光層用組成物1をアクリル板(300mm×200mm×3mm)に、塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥させた。蛍光発光層から3cmの距離に紫外線光源(6W紫外線ランプ:365nm)を設置し、暗室中で紫外線を照射し、発光色を、色彩輝度計「BM−5A」(株式会社トプコン製)を用いて測定した。この結果よりL*C*h表色系における色相角度を算出したところ、h=159.0°であった。
アクリル樹脂エマルション100重量部(固形分)、フタロシアニングリーン顔料0.2重量部を常法にて混合し、着色層用組成物1を作製した。
上記着色層用組成物1を標準白紙に、塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥させた。着色層の色相を色彩色差計(「CR−300」:ミノルタ株式会社製)を用いて測定し、L*C*h表色系における色相角度を算出したところ、h=182.1°であった。
・紫外線反射着色層用組成物1
アクリル樹脂エマルション100重量部(固形分)、アルミナ30重量部、添加剤(分散剤、消泡剤等)5重量部、フタロシアニングリーン顔料0.2重量部を常法にて混合し、紫外線反射着色層用組成物1を作製した。
着色層用組成物1と同様に、色相角度を算出したところ、h=182.1°であった。
アクリル樹脂エマルション100重量部(固形分)、アルミナ30重量部、添加剤(分散剤、消泡剤等)5重量部を常法にて混合し、紫外線反射層用組成物1を作製した。
・紫外線反射層用組成物2〜6
表1の配合に基づき、紫外線反射層用組成物1と同様に紫外線反射層用組成物2〜6を作製した。
なお、使用した原料を以下に示す。
・アルミナ:粒子径1μm、屈折率1.76
・硫酸バリウム:粒子径2μm、屈折率1.64
・重質炭酸カルシウム:粒子径1.5μm、屈折率1.56
・酸化チタン:粒子径0.25μm、屈折率2.71
・酸化亜鉛:粒子径1μm、屈折率1.95
・評価1
隠蔽率試験紙の上に、作製した紫外線反射層用組成物1〜6、紫外線反射着色層組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、硬化させた試験体を用い、試験体における黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を色彩色差計(「CR−300」:ミノルタ株式会社製)を用いて測定し隠蔽率(%)を算出した。
アルミニウム板(40mm×40mm×0.6mm)上にウレタン樹脂100重量部(固形分)に対してカーボンブラック20重量部混合した塗料組成物を塗付厚が150μmとなるように塗付、硬化させたものを基材とした。基材に、作製した紫外線反射組成物1〜6、紫外線反射着色層組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥させた試験体を用い、波長領域300nm〜400nmの全領域おいて反射率(%)を分光光度計(「UV−3100」:株式会社島津製作所製)で測定した。
その結果、紫外線反射層用組成物1〜4、紫外線反射着色層用組成物1では、波長領域300nm〜400nmの全領域おいて紫外線反射率は、10%以上であった。その代表値として、波長365nmでの紫外線反射率を表1に示す。(なお、基材の波長365nmでの反射率は1.5%であった。)
(実施例1)
離型紙上に蛍光発光層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)で塗付し、乾燥させ蛍光発光層(A−1)を成形した。次いで、蛍光発光層(A−1)上に紫外線反射層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥し紫外線反射層(B−1)を積層した。さらに、着色層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約70μm)で塗付、乾燥させ、着色層(C−1)を積層し、積層体1を得た。
積層体1において、蛍光発光層(A−1)から3cmの距離に紫外線光源(6W紫外線ランプ:365nm)を設置し、暗室中で紫外線を照射し、積層体1の発光輝度(cd/m2)を、色彩輝度計「BM−5A」(株式会社トプコン製)を用いて測定した。結果を表2に示した。
アクリル板(300mm×200mm×3mm)の一方の面に、着色層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約70μm)で塗付、乾燥させ、着色層(C−1)を積層した。次いで、紫外線反射層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)で塗付、乾燥させ、紫外線反射層(B−1)を積層した。さらに、紫外線反射層(B−1)の上に蛍光発光層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥し蛍光発光層(A−1)を積層し、積層体2を得た。得られた積層体2に関して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1に代えて紫外線反射層用組成物2を使用し、紫外線反射層(B−2)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体3を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1に代えて紫外線反射層用組成物3を使用し、紫外線反射層(B−3)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体4を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1に代えて紫外線反射層用組成物4を使用し、紫外線反射層(B−4)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体5を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1の塗付厚を250μmに代えて紫外線反射層(B−5)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体6を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
アクリル板(300mm×200mm×3mm)の一方の面に、紫外線反射着色層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約70μm)で塗付、乾燥させ、紫外線反射着色層(D−1)を積層した。さらに、紫外線反射着色層(D−1)の上に蛍光発光層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥し蛍光発光層(A−1)を積層し、積層体7を得た。積層体7に関して、実施例1と同様の評価を実施し、結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1に代えて紫外線反射層用組成物5を使用し、紫外線反射層(B−6)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体8を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例2の紫外線反射層用組成物1に代えて紫外線反射層用組成物6を使用し、紫外線反射層(B−7)を積層した以外は、実施例2と同様に積層体9を作製し、同様の評価を実施した。結果を表2に示した。
アクリル板(300mm×200mm×3mm)の一方の面に、紫外線反射層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)で塗付、乾燥させ、紫外線反射層(B−1)を積層した。さらに、紫外線反射層(B−1)の上に蛍光発光層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥し蛍光発光層(A−1)を積層し、積層体10を得た。積層体10に関して、実施例1と同様の評価を実施し、結果を表2に示した。
アクリル板(300mm×200mm×3mm)の一方の面に、蛍光発光層用組成物1を塗付厚が150μm(乾燥膜厚が約80μm)となるように塗付、乾燥し蛍光発光層(A−1)を積層し、積層体11を得た。積層体11に関して、実施例1と同様の評価を実施し、結果を表2に示した。
積層体1〜12に関して、蛍光発光層から30cmの距離に紫外線光源(20Wブラックライト蛍光灯)を設置し、紫外線を照射して発光色を評価した。その結果、積層体1〜7は発光輝度が高く、深みのある緑色の発光色であった。一方、積層体8〜9は、深みのある緑色の発光色ではあったが、発光性に劣るものであった。また、積層体10、11は、発光色が淡色化したものであった。
実施例2の積層体2を用い、図3−2に示す内照式の発光構造体を作製した。蛍光発光層(A−1)から3cmの距離に紫外線光源(6W紫外線ランプ:365nm)を設置し、紫外線を照射したところ、蛍光発光層(A−1)で均一な発光を示し、深みのある緑色の発光色であった。
(P)、(Q)積層体
(R)発光構造体
(A)蛍光発光層
(B)紫外線反射層
(C)着色層
(D)紫外線反射着色層
(X)光源
(Y)反射板
(Z)遮蔽板
Claims (2)
- 紫外線光源の照射により、発光する積層体と、紫外線光源を備える発光構造体であり、
上記積層体が、紫外線が照射される側から、蛍光発光を示す蛍光発光層(A)、波長領域300nm〜400nmの全領域での紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射層(B)、及び着色層(C)が積層され、
該着色層(C)は蛍光発光層(A)が呈する蛍光発光色と、同系色であり、
該積層体の蛍光発光層(A)側に紫外線光源(X)を備えることを特徴とする発光構造体 - 紫外線光源の照射により、発光する積層体と、紫外線光源を備える発光構造体であり、
上記積層体が、紫外線が照射される側から、蛍光発光を示す蛍光発光層(A)、波長領域300nm〜400nmの全領域での紫外線反射率が10%以上で透明または半透明の紫外線反射着色層(D)が積層され、
該紫外線反射着色層(D)は蛍光発光層(A)が呈する蛍光発光色と、同系色であり、
該積層体の蛍光発光層(A)側に紫外線光源(X)を備えることを特徴とする発光構造体
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