JP2005202282A - 標識装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 紫外線照射によって発光する標識面14を備えた標識本体11と、標識面14に紫外線を照射する照射装置12とを備えて標識装置10が構成されている。
照射装置12の紫外放射ランプ26から当該紫外放射ランプ26が照射対象とする標識面14上の対象標識面W1,W2に入射される紫外線の最大入射角度をθ1とし、最小入射角度をθ2としたときに、角度θ1が30°を越えて70°未満、角度θ2が5°を越えて30°未満に設定されている。
【選択図】 図1
Description
具体的には、車線の上方に位置する標識本体に、路肩に設置された照射装置から紫外線を照射した場合、照射装置と標識本体との間の距離や、紫外線の入射角度によって、標識面の鮮明度が不十分となり、遠方から標識面を眺めると暗くて見難くなるという不都合の存在である。
そこで、本発明者は、標識面の均斉度や輝度を良好に保って優れた視認性を発揮させるため、種々の条件において実験を行った。この結果、標識面と照明装置との相対位置関係並びに装置の性能等において、標識面の視認性に優れた効果を発揮する一定の法則性があることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づいて案出されたものであり、その目的は、紫外線照射によって発光する標識面の輝度、均斉度を改善し、夜間のドライバーによる視認性を向上させることができる標識装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、標識本体及び照射装置における設置作業や調整作業の容易化を図ることができる標識装置を提供することにある。
前記照射装置の照射源から当該照射源が照射対象とする標識面上の対象標識面に入射される紫外線の最大入射角度をθ1とし、最小入射角度をθ2としたときに、角度θ1が30°を越えて70°未満、角度θ2が5°を越えて30°未満に設定される、という構成を採っている。
前記照射源は、標識面に対し、X/Mが0.5を越えて2.0未満となるように配置される、という構成を採用することが好ましい。
前記複数の照射具の紫外線の照射角度が相互に異なる、という構成が好ましくは採用される。
また、距離Xが前述のように設定されるので、標識本体を車線の上方に配置し、照射装置を路肩側に配置したときに、標識本体と照射装置とが比較的接近した位置に配置されるようになる。これにより、標識本体と照射装置との間にある植木により紫外線が遮られたり、雨雪により紫外線が拡散されたりする影響を受け難くなる他、設置工事における照明装置の角度又は方向調整を簡単に行うことができ、清掃等のメンテナンス時間も短縮することが可能となる。
更に、複数の照射具の紫外線の照射角度が相互に異なるので、例えば、入射軸が短くなる照明具が、入射軸が長くなる照明具より照射角度が広く設定される、換言すれば、照射する紫外線がより拡散されるので、標識面における紫外線の強度の均一化を図ることができ、標識面全体を効率良く発光させ、良好な均斉度を得ることができる。
また、発光管を石英ガラスとしたので、当該発光管の紫外線透過率が高まり、ひいては、紫外線の強度を強くして標識面の輝度を向上させることができる。
更に、標識面の表面に防汚処理を施した場合には、標識面に埃等が付着することが防止され、これにより、標識面に到達する紫外線量の低下を抑制して標識面の輝度を安定して保つことができ、且つ、メンテナンスの容易化も図られる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「入射角度」とは、基準軸と入射軸との間の角度であり、「基準軸」は、図1中一点鎖線で表されるように、照射源からの紫外線が入射する点において標識面に対して垂直な軸線である。また、「入射軸」とは、図1中点線で表されるように、照射源から標識面上の入射点に到る紫外線の経路で規定される軸線である。
なお、図2に示されるように、フィルム材15の表面に文字や図柄を形成する表示材115を図示しない接着剤を用いて貼付することで、標識面14に図4に示されるような文字や図柄が形成される。表示材115は、フィルム材15と同様の構成のものが使用される。すなわち、表示材115は、反射層117と、この反射層117に積層された発光層118と及び発光層118に積層された防汚層119とからなる。本実施形態では、略緑色(図4では網点で示す)に着色され、発光するフィルム材15を標識本体11に貼付し、このフィルム材15の表面に略白色(図4では網点が施されていない領域で示す)に着色され、発光する表示材115を貼付して標識本体11が構成される。
第1の照射具23における紫外放射ランプ26は、標識面14上の図1中右側の対象標識面W1を照射対象として紫外線を照射する一方、第2の照射具24における紫外放射ランプ26は、標識面14上の同図中左側の対象標識面W2を照射対象として紫外線を照射するようになっている。ここで、前記各対象標識面W1,W2は、説明の便宜上、図1のように表したが、各対象標識面W1,W2間に明確な境界は存在せず、各対象標識面W1,W2が相互に重なり合う領域があってもよい。
すなわち、各照射具23,24から標識面14に照射される紫外線の入射角度において、第1の照射具23の紫外放射ランプ26と標識面14の図1中右上コーナー部との間の入射軸N1と、標識面14の右上コーナー部における基準軸との間の角度が最大入射角度θ1となる。一方、第2の照射具24の紫外放射ランプ26と、標識面14の同図中左下コーナー部との間の入射軸N2と、標識面14の左下コーナー部における基準軸との間の角度が最小入射角度θ2となり、角度θ1,θ2は以下の式の範囲内に設定される。
30°<θ1<70°
5°<θ2<30°
前記角度θ1が30°以下又は前記角度θ2が5°以下であると、標識面14が暗くなり、十分な視認性が得られなくなる一方、角度θ1が70°以上又は前記角度θ2が30°以上であると、標識面14の均斉度が低下して標識面14の十分な視認性が得られなくなる。
また、紫外放射ランプ26と標識面14の照射装置12寄りの側端部(図1中左端部)との間の標識面の面方向に沿う距離Y1,Y2と、標識面14の横幅Wとの和(Y1+W、Y2+W)をMとしたときに、各照射具23,24の紫外放射ランプ26と標識面14の前記基準軸方向に沿う距離Xは、以下の式の範囲内に設定される。
0.5<(X/M)<2.0
前記X/Mが0.5以下であると、標識面14の均斉度が低下し易くなり、標識面14に良好な視認性が得られなくなる一方、前記X/Mが2.0以上であると、標識面14が暗くなり易くなり、良好なる視認性を得ることが困難となる。
各実施例及び各比較例において、標識本体11及び照明装置12の設置条件を表1及び表2に示すように設定した。なお、ここでは、車線Sの路面と路肩Rの路面とが略同一面上に位置するものとし、表2中の距離X、入射軸の長さL1〜L4、入射角度θ1〜θ4、距離の和M1,M2は、図1中において、以下に述べる数値となる。
距離X、入射角度θ1,θ2:前述の実施形態と同様
長さL1:前記入射軸N1の長さ
長さL2:前記入射軸N2の長さ
長さL3:第2の照射具24の紫外放射ランプ26と、標識面14の図1中左上コーナー部との間の入射軸N3の長さ
長さL4:第1の照射具23の紫外放射ランプ26と、標識面14の図1中右下コーナー部との間の入射軸N4の長さ
入射角度θ3:前記入射軸N3と標識面14の左上コーナー部における基準軸との間の角度
入射角度θ4:前記入射軸N4と標識面14の右下コーナー部における基準軸との間の角度
距離の和M1:表1中の距離Y1と横幅Wとの和
距離の和M2:表1中の距離Y2と横幅Wとの和
標識面14において、図4に示されるように、フィルム材15が表出する網点領域を緑色領域、表示材115が表出する網点を施さない領域を白色領域とした。発光層18,118に対する前記無機系蛍光顔料の練り込み量は、白色領域において70g/m2、緑色領域において30g/m2とした。前記白色領域を構成する3色の蛍光顔料(RGB)は、紫外線のピーク波長(365nm)で最も輝度が高い組み合わせとし、前記緑色領域は、日本道路公団の仕様における緑のx,y座標範囲内において、なるべく明度の高い色に設定した。白色領域及び緑色領域の紫外線強度に対する輝度を表3に示す条件に設定した。
第1及び第2の照射具23,24の紫外放射ランプ26は、400Wのものをそれぞれ用いた。各照射具23,24の反射面27Aを、表4に示されるように、粗面若しくは鏡面に形成した。
なお、比較例1では、標識面14が暗くなり、比較例2では、均斉度が悪化するため、実用レベルで利用するには視認性等が不十分となる。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、材質、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。
また、前記発光層18に用いる色は、標識面14に紫外線を照射したときに、十分な視認性を得ることができる限りにおいて、種々の色の組み合わせを選択できる。
更に、前記実施形態では、標識本体11の表面にフィルム材15及び表示材115を貼着して標識面14を形成したが、標識本体11にスクリーン印刷他公知の印刷方法で標識面14を形成してもよいし、この他、予めフィルム材15の表面に表示材115に相当する部分を印刷で形成し、これを標識本体11に貼着して標識面14を形成してもよい。要するに、標識面14の形成方法は、種々の公知の方法で形成することができ、特に限定されるものでない。
11 標識本体
12 照射装置
14 標識面
23 第1の照射具
24 第2の照射具
26 紫外放射ランプ(照射源)
26A 発光管
27 照射面部
27A 反射面
Claims (5)
- 紫外線照射によって発光する標識面を備えた標識本体と、前記標識面に紫外線を照射する照射装置とを備えた標識装置であって、
前記照射装置の照射源から当該照射源が照射対象とする標識面上の対象標識面に入射される紫外線の最大入射角度をθ1とし、最小入射角度をθ2としたときに、角度θ1が30°を越えて70°未満、角度θ2が5°を越えて30°未満に設定されていることを特徴とする標識装置。 - 前記照射源と標識面との間の当該標識面の基準軸方向に沿う距離をXとし、照射源と標識面の照射装置寄りの側端部との間の標識面の面方向に沿う距離と、標識面の横幅との和をMとしたときに、
前記照射源は、標識面に対し、X/Mが0.5を越えて2.0未満となるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の標識装置。 - 前記照射装置は、複数の照射具を備え、各照射具は、前記照射源と、この照射源から照射される紫外線を反射する反射面を備えた照射面部とを含み、
前記複数の照射具の紫外線の照射角度が相互に異なることを特徴とする請求項1又は2記載の標識装置。 - 前記照射源は、石英ガラスからなる発光管を備えていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の標識装置。
- 前記標識面の表面には、防汚処理が施されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の標識装置。
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