JP2005056689A - 遮音壁用照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】道路付近の照明や道路利用者の視線誘導等において、光源からの光を効率よく用いて光量の不足や余分なエネルギーを要することのない遮音壁用照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10の光源1に相対向して設けられた反射鏡2により光源からの光が集光されることで、不要な方向への光の拡散が抑えられ、必要な方向に効率よく光L1が放射されて適切な光量でガイドライト及び道路照明を行うことができる。また反射鏡2により所望な形状に形成された投影光が道路を照明することで、道路において照明が必要な箇所及び面積のみを照明することができ、更に光の効率が高められると共に明るすぎて道路利用者が眩惑などを起こすのを防ぐことができる。
【参照図】 図2

Description

本発明は、遮音壁に設けられ、道路付近の照明、道路利用者の視線誘導等を行う遮音壁用照明装置に関するものである。
従来、道路周辺に設置された照明装置を道路付近の照明や視線誘導等の目的で道路設備に取り付ける発明は種々なされてきており、例えば特許文献1には、道路の路面よりも上方に、道路に沿って延在し、側周面から光を放射する光伝送チューブを設けると共に、該光伝送チューブ内に光を供給する光源を設けることで漏電のおそれがなく、耐水性、耐久性に優れるとした道路設備が開示されている。
また特許文献2には、複数枚の透明合成樹脂板の間に補強用網状部材を介在させて一体化し防音壁を構成すると共に、上記補強用網状部材の所定位置には予め蛍光塗料又は夜光塗料さらにはこれに光反射材料を配合したもので標識文字、図形、記号等を網目内が透かし模様状に抜けた形態で表示しすることで、周辺の視界を妨げず、出口への誘導表示等に利用できる複合板が開示されている。
特開2001−35205号公報 特開平7−317023号公報
しかしながら、特許文献1に記載の如き道路設備では、光がチューブ外面から拡大し過ぎて光源からの光が効率よく道路照明や視線誘導等に用いられておらず、光量が不足したり余分なエネルギーを要したりするものである。
また特許文献2に記載の如き複合板では、蛍光塗料又は夜光塗料さらにはこれに光反射材料を用いていることで、やはり夜間においては光量が不足して、視線誘導等が十分に行われない恐れがある。
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、道路付近の照明や道路利用者の視線誘導等において、光源からの光を効率よく用いて光量の不足や余分なエネルギーを要することのない遮音壁用照明装置を提供せんとするものである。
上記目的を解決するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる遮音壁用照明装置は、道路に沿って設けられた遮音壁に照明装置が備えられ、前記照明装置は光源と相対向させて反射鏡が設けられて該反射鏡により光源からの光が集光されて放射されて放射部付近からの漏洩光によりガイドライトとなされると共に、前記反射鏡を用いて所望の形状に形成された投影光が道路を照明することを特徴とするものである。
また前記照明装置は、反射鏡から道路への光の通り道の途中に、散乱光を発生させる光散乱手段が設けられたことを特徴とするものである。
また前記道路付帯設備は、低層防音壁であって、該低層防音壁の笠木に照明装置が取り付けられていることを特徴とするものである。
更にまた前記照明装置は、道路周辺に設置されたセンシング手段により車両や歩行者等が検知されたことに連動して、放出される光の色調が変化することを特徴とするものである。
更に本発明に係わる遮音壁用照明装置は、遮音壁を構成する透明な面板の端面から光源により光が導入され、該面板が発光されて道路照明となされると共に、該面板に標識文字、図形、記号等が描画されて道路利用者に情報の提供を行うことを特徴とするものである。
また前記面板は、描画された前記標識文字、図形、記号等の背後に、前記標識文字、図形、記号等の側に光を反射する光拡散手段が設けられていることを特徴とするものである。
また前記光源は、主として前記前記標識文字、図形、記号等の背後に設けられた光拡散手段へ光を放射するものであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明に係わる遮音壁用照明装置によれば、反射鏡により光源からの光が集光されることで、不要な方向への光の拡散が抑えられ、必要な方向に効率よく光が放射されて適切な光量でガイドライト及び道路照明を行うことができる。また反射鏡により所望な形状に形成された投影光が道路を照明することで、道路において照明が必要な箇所及び面積のみを照明することができ、更に光の効率が高められると共に明るすぎて道路利用者が眩惑などを起こすのを防ぐことができる。
また請求項2に係わる本発明によれば、反射鏡から道路への光の通り道の途中に、散乱光を発生させる光散乱手段が設けられていれば、散乱光によりガイドライトとしての機能が高められ好ましい。
また請求項3に係わる本発明によれば、遮音壁である低層防音壁を有効活用でき、また低層防音壁の笠木は運転者の目線の位置と近似しており、ガイドライトとしての効果が高められ好ましい。
また請求項4に係わる本発明によれば、光の色調の変化を利用して道路利用者に車両や歩行者等の接近を予告でき、出会い頭衝突や交差点における巻き込み等を防止でき好ましい。
請求項5に記載の本発明に係わる遮音壁用照明装置によれば、遮音壁を構成する面板自体が導光板となって発光するので、光源から導入された光を効率よく用いて道路照明や視線誘導等を行うことができる。また面板に標識文字、図形、記号等が描画されて道路利用者に情報の提供を行うことで、遮音壁により視線誘導等に係わる情報の提供を行うことができ、遮音壁を有効活用することができる。
また請求項6に係わる本発明によれば、面板に描画された標識文字、図形、記号等をより明るく見せることができ、夜間における標識文字、図形、記号等の視認性を高めることができ好ましい。
また請求項7に係わる本発明によれば、光源からの光は主として面板に描画された標識文字、図形、記号等を発光させるのに用いられ、情報の提供を行うのに要する余分なエネルギーを少なくでき好ましい。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明に係わる実施の一形態を示すもので、図1は照明装置が取り付けられ、透明な面板が構成に用いられた低層防音壁を示す説明図、図2は照明装置の詳細を示す断面図、図3は透明な面板への光源からの光の導入の詳細を示す断面図である。まず図1において、道路Rの側縁に設置された道路付帯設備である低層防音壁100に照明装置(本図には図示せず)が取り付けられており、照明装置から放出された光L1により、道路R上に円形の投影光T1が形成され、道路利用者の視線を誘導したり、路側を明瞭に標示する等の効果を奏している。またアクリル樹脂からなる透明な面板30は、端部から光が導入されて面板30自体が発光するようになされており、更にその外面には標識記号4が描画されて面板30により視線誘導を行うことができるようになされている。また低層防音壁100を形成する支柱50は、笠木20、面板30、遮音板40を支持すると共に、ガードパイプとしてのビームBが金具Kを用いて取り付けられている。
図2は、図1の笠木20周辺のA−A断面を示す断面図である。笠木20の内部に照明装置10が備えられているが、照明装置10はLEDを用いた光源1A、光源1Aと相対向して設けられた反射鏡2、及び透光性の材料からなる窓3を備えるもので、光源1より放出された光L2が反射鏡2により集光されて反射され、窓3から集光された光L1が笠木20の外部に放出されるが、光源1Aからの光L2が反射鏡2により集光されていることで周辺にそれ程拡散されることなく光L1により道路R面に投影光T1が形成される。また面板30の端面に光L3を入射し面板30を発光させる光源1Bが設けられている。
光源1A及び1Bは、光源としての寿命が長く、消費電力の小さい発光ダイオードを用いているが、特に限定されるものではなくハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、冷陰極管、蛍光管等を用いることができる。また反射鏡2は形成する投影光Tの形状に応じて、適宜集光が可能な形状となされた鏡面を用いてよい。
また、光L1は、窓3付近からの漏洩光によりガイドライトとしての機能を有するが、反射鏡2と道路Rとの間に設けられた窓3を光散乱手段とすることで、窓3周辺から散乱光が発生し、ガイドライトとしての機能はより高められる。窓3を光散乱手段とするには、投影光T1の形成に支障を及ぼさない程度に磨りガラス状にしたり、微細な凹凸を設ける等して散乱光を発生させてよい。
また透明な面板30についてもアクリル樹脂に限定されるものではなく、耐衝撃性や耐候性等を考慮して透明な板状体、例えばガラス、強化ガラスや、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ABS等の透明な透光性を有する合成樹脂を用いてよく、それらを単独で用いるか、又は複数を用いて混合物、積層物を形成して適用してもよい。また外面に光触媒含有層を形成し、防汚性を具備させてもよい。
図3は、面板30の標識記号4が記載された箇所の詳細を示す断面図である。面板30には端面から光源1Bにより導入された光L3により面板30自体が発光して道路照明となされるが、面板30の一方の外面に有色透明のフィルムを貼着して標識記号4を描画し、他方の外面にカッティング加工により光拡散手段5を設けることで、標識記号4の背後から光拡散手段5により拡散された光L4が標識記号4に入射されると共に透過し、標識記号4が明るく発光することで夜間における視線誘導効果を高めることができる。尚、光拡散手段5はカッティング加工に限定されず、光拡散シート等を貼着して形成してもよい。また面板30に描画されるのは視線誘導を目的とした標識記号4に限定されず、地点、行き先、広告等に係わる文字や、デザイン性の高い意匠等を施してもよい。
図4は、図1のB−B断面を示すもので、面板30に描画された標識記号4に対する光源1Bの配置を示す説明図である。標識記号4は面板30上に適宜間隔をおいて設けられているが、光源1Bを主として標識記号4が設けられている範囲内に配置し、標識記号4の背後に配置された光拡散手段5へ光を放射するようにしたものである。かかる配置をすることで、標識記号4を明瞭に光らせることができることは基より、光源1Bが放射する光線を道路照明や視線誘導等に効率よく活用することに繋がる。
図5は、本発明に係わる実施例を示す説明図である。図1及び図2に示した如き遮音板40により構成される低層防音壁100の笠木20に取り付けられた照明装置(本図においては図示せず)から断面長方形状の光L5を順次放出することにより、道路R上にはライン状の投影光T2が形成されている。かかるライン状の投影光T2により、道路Rの側縁がより強調され、夜間においても道路の側縁が明瞭且つ連続的に標示され、車両の運転者に安心感を与えることができる。また投影光T2は、道路R上に施工されたライン材と、その一部若しくは全体が重なるようにして、ライン材の存在を強調させるものとしてもよい。
図6は、本発明に係わる更に他の実施例を示す側面図である。道路R側縁に設置された低層防音壁100の笠木20の内部に照明装置10が備えられ、道路(車道)R面及び歩道D面の両方に対し照明装置10から光L1及びL3が放出されることで投影光T2及びT3が形成されたものである。車道R及び歩道Dの両側に投影光T2及びT3を形成することで、電源装置や配線を共用して効率よくガイドライト及び道路照明を行うことができる。投影光T2及びT3は、本実施形態に示す如く、歩道D側はガイドライトとしての機能の必要性が小さく、また広い面積が照明されることで防犯等に繋がることから、歩道D側の投影光T3は車道R側の投影光T2より広い面積を照明するようにするのが好ましい。
図7は、図6に示したものを更に改良した実施例を示す平面図である。道路Rにおける交差点K付近に照明装置(図示せず)を備えた低層防音壁100が設置されており、照明装置から放出された光L1及びL6により投影光T1及びT3が形成されて道路照明がなされている。ここで車道R側に向けてセンシング手段60Aを設けて検知波S1が放射され、交差点Kを右折する可能性のある車両Cを検知した場合に、歩道D側を進む歩行者Hや自転車Bに対し、照明装置から放出される光L6の色調を変化させて巻き込まれる恐れがあることに対する注意を喚起する。色調の変化は、白や緑等の特に危険を感じさせないものから、黄色や赤の、視認したときに警戒感を感じさせることができる色調に変化させるものでよい。
また、更に歩道D側に向けてセンシング手段60Bを設け、センシング手段60Bから検知波S2を放射して歩道D上を進む歩行者Hや自転車Bを検知し、検知した場合に照明装置から車道R上に放出される光L1や面板30の標識記号4(本図においては図示せず)が発光する光の色調を変化させて、車両Cが左折して歩行者Hや自転車Bを巻き込む恐れがあることを喚起するものとしてもよい。かかるセンシング手段60A及び60Bによる車両Cや歩行者H、自転車Bの検知と、光L1、標識記号4及び光L6の色調の変化との連動は、見通しが悪かったり障害物のある交差点などにおいてとりわけ有効に機能するものである。
またセンシング手段30A及び30Bによる検知結果と、光L1、標識記号4及び光L6の色調の変化の有無は、表1に示す如きものとしてもよい。
Figure 2005056689
表1において、センシング手段60A又は60Bのいずれか一方が車両や歩行者を検知した場合、他方が車両や歩行者を検知を検知していなければ光L1、標識記号4及び光L6の色調の変化により巻き込みを喚起する必要がなく、従ってこれらの光の色調の変化は行われない。またセンシング手段60A又は60Bの両方が車両や歩行者を検知した場合、歩行者等が交差点に向かって進行している場合にのみ巻き込みの恐れがあることから、歩行者等が交差点と反対方向に進行しているか、または停止している場合には光の色調の変化は行われない。
センシング手段60A及び60Bは、赤外線センサー、焦電センサー、ミリ波やマイクロ波等のレーダーなどを用いてよいが、表1の実施形態の場合においては、歩道側のセンシング手段60Bについては、歩行者等の存在及び移動方向を検知できるものを用いる必要があり、例えばマイクロ波等を用いた2波ドップラーレーダーなどを好適に用いることができる。
図8及び図9は、本発明に係わる更に他の実施例を示す説明図である。道路R側縁に低層防音壁100は、支柱50間に枠体Wにより吸音板K及び透明な面板30A及び30Bが支持されて構成されたものであるが、横断歩道U付近の低層遮音壁100を構成する面板30Aに透明なものを用いていることで、歩道Dを歩行する歩行者が視認し易くなり、横断歩道Uを渡ろうとする歩行者を事前に認知できることで出会い頭での衝突や巻き込みを防止できる。また面板30Bは遮音壁の高さの上半分が透明となされ、更にデザイン性を主眼とした意匠4Aが描画されている。かかる意匠4Aに対し、図2及び図3に示した端面から光を入射する光源1Bや、光拡散手段5を設けておくことで、夜間において意匠4Aをライトアップすることができる。
図9は、図8におけるC断面を示す断面図である。透明な面板30Aは、その両端が枠体Wにより支持され、更に枠体W内にLEDを用いた光源1Cが配置されて面板30A内に光L7が導入されるようになされている。導入された光L7は、面板30A内で乱反射を起こし、道路R側及び歩道D側の両方に光が放出されて道路照明となされる。光源1Cは、上下いずれか一方の枠体W内に設けてもよいが、上下両方にそれぞれ設けておくことで、光量を増やし、また高さ方向の照明むらを低減でき好ましい。
本発明に係わる実施の一形態を示す説明図である。 照明装置の詳細を示す図1のA−A断面図である。 図1の、標識記号付近の詳細を示す断面図である。 光源の配置の詳細を示す図1のB−B断面図である。 本発明に係わる実施例を示す説明図である。 本発明に係わる他の実施例を示す説明図である。 図6に示した実施例の改良例を示す側面図である。 本発明に係わる更に他の実施例を示す説明図である。 図8のC断面を示す断面図である。
符号の説明
1 光源
2 反射鏡
3 窓(光散乱手段)
4 標識記号
4A 意匠
5 光拡散手段
10 照明装置
20 防音壁笠木
30 透明な面板
40 遮音板
50 支柱
60A、60B センシング手段
100 低層防音壁
R 道路(車道)
D 歩道
C 車両
H 歩行者

Claims (7)

  1. 道路に沿って設けられた遮音壁に照明装置が備えられ、前記照明装置は光源と相対向させて反射鏡が設けられて該反射鏡により光源からの光が集光されて放射され、放射部付近からの漏洩光によりガイドライトとなされると共に、前記反射鏡を用いて所望の形状に形成された投影光が道路を照明することを特徴とする遮音壁用照明装置。
  2. 照明装置は、反射鏡から道路への光の通り道の途中に、散乱光を発生させる光散乱手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の遮音壁用照明装置。
  3. 道路付帯設備は、低層防音壁であって、該低層防音壁の笠木に照明装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮音壁用照明装置。
  4. 照明装置は、道路周辺に設置されたセンシング手段により車両や歩行者等が検知されたことに連動して、放出される光の色調が変化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮音壁用照明装置。
  5. 遮音壁を構成する透明な面板の端面から光源により光が導入され、該面板が発光されて道路照明となされると共に、該面板に標識文字、図形、記号等が描画されて道路利用者に情報の提供を行うことを特徴とする遮音壁用照明装置。
  6. 面板は、描画された前記標識文字、図形、記号等の背後に、前記標識文字、図形、記号等の側に光を反射する光拡散手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の遮音壁用照明装置。
  7. 前記光源は、主として前記前記標識文字、図形、記号等の背後に設けられた光拡散手段へ光を放射するものであることを特徴とする請求項6に記載の遮音壁用照明装置。
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