JP5460421B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される加熱定着装置(以下、定着装置)においては、スタンバイ時に定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた可撓性の回転体(以下、フィルム)加熱方式の定着装置が実用化されている。近年、複写機・プリンタ等の画像形成装置はプリントスピードや立上げの高速化、省エネやコンパクト化といった様々な課題が求められている。そうした背景の元、フィルム加熱方式の定着装置は盛んに用いられている。
フィルム加熱方式の定着装置におけるフィルムの駆動方式としては、フィルム内周面に駆動ローラを設けフィルムにテンションを加えながら駆動する方式や、フィルムを支持部材にルーズに嵌合させ加圧ローラを駆動することで従動回転させる方式が知られている。近年では部品点数が少なくて済むことから、後者の加圧ローラ駆動型が採用されることが多い。そして、フィルム加熱方式定着装置においては、特許文献1に開示されるように、定着フィルムと支持部材との間に耐熱性の潤滑剤(グリース)を介在させることにより定着フィルムと支持部材との間の摺動性を確保するのが通例である。
ここで、フィルム加熱方式の定着装置では以下に説明する定着スリップが既存問題として上げられている。
フィルム加熱方式の定着器において、記録材は、加圧ローラから摩擦力により駆動力を受け挟持搬送される。定着フィルムはグリースを介し、ヒータ及び支持部材から摺動摩擦抵抗を受けながら記録材から受ける摩擦力により回転する。
従って、記録材は加圧ローラから駆動力を受けながら定着フィルムからは抗力を受け搬送される。この搬送過程において記録材は定着フィルムを介しヒータからの熱を受け取ることにより記録材上のトナーを永久画像として定着させる。この過程において記録材の搬送能力が不足することにより記録材送り速度に遅れないし停滞が起こる場合があるが、その現象が定着スリップである。定着スリップの発生条件として下記の[条件1],[条件2]等が一般に知られている。
[条件1]高温高湿環境における含水率の高い薄肉記録材のプリント時
高温高湿環境に放置された記録材は含水量が高く、定着装置の定着ニップ部において加熱される際に多量の水蒸気を発生させやすい。このとき発生した水蒸気が加圧ローラと記録材の間に介在することにより摩擦力が低下し、記録材の得る搬送能力が不足することにより定着スリップが発生しやすくなる。
32.5℃、80%RH環境等の高温高湿環境で放置された含水率8%以上、坪量68g/m以下の平滑紙の場合において定着スリップは発生しやすい。
[条件2]間欠プリント時
印刷(画像形成)ジョブ待ちが発生し、1ジョブ終了から次のジョブの間に休止期間の無い間欠プリントでは各プリント工程(画像形成装置の動作工程)での前回転等により加圧ローラが長時間加熱・蓄熱される。従って、連続プリントに比べて加圧ローラ表面温度が高くなる傾向がある。加圧ローラ表面温度が高い場合、記録材に与えられる熱量が多くなるため挟持搬送加熱する記録材から発生する水蒸気が多くなり、とりわけ加圧ローラ・記録材の間で水蒸気層が形成され易いことから摩擦力が顕著に低下し、定着スリップが発生しやすい。
加熱定着装置を用いた画像形成装置においては、定着ニップ部にて記録材に所定の熱量を与える為に、事前に前回転温調が行われる。記録材が定着ニップ部に到達するまでに、定着器の温度を上げるわけである。間欠通紙においては、この前回転温調時間の占める割合が必然的に多くなることから、加圧ローラの表面温度が高くなる傾向がある。従って、間欠通紙が繰り返し行われると、加圧ローラ表面温度が高くなることにより2枚目以降で定着スリップが発生する場合があった。
定着スリップの対策手法先行例としては、周囲の環境に応じて定着温調を変更するという方法が広く用いられている。具体的には、高温環境を検知した場合には、定着温調を通常の温調よりも低い設定に変更し、それによって定着装置の過剰加熱を防ぐのである。ただし、定着温調の変更は定着性能への影響も大きく、記録材の含水率による影響が大きいことから、定着温調の変更だけでは定着スリップの発生を防ぐには対策として不十分である場合が多々ある。
そうした状況において考案された対策手法として、次のような手法が提案されている(特許文献2参照)。それは、プリント終了時に加圧ローラの温度が下がるまで温調をかけずに空回転する(後回転)時間を延長する、もしくは加圧ローラ温度が下がるまで次のプリントを受け付けない(後回転後に休止時間を設ける)というものである。
実用上は高温環境下の間欠通紙と判断した場合は、印刷終了後の後回転後において一定時間休止するなどのアルゴリズムを適用する事例が主である。図9に、後回転後において休止時間を5秒設ける従来手法の例を示す。前回転及び通紙に伴い加熱作用によって加圧ローラ表面温度が上昇するが、後回転後の休止期間によって放熱し、定着スリップの発生を抑えている。
特開平5−27619号公報 特開2004−145205号公報
上記した従来の対策手法では、定着スリップ対策としての効果は高いが、印刷終了後の後回転後に休止期間が設けられている為、印刷処理能力としては大幅なスペックダウンが懸念される。実用上は高温環境下の間欠通紙と判断した場合は、印刷ジョブの間を一定時間休止するなどのアルゴリズムを適用する事例が主であるが、スペックダウンは免れない。
近年では、ネットワーク環境の普及に伴い、画像形成装置もネットワークに組み込まれることによって、1台の画像形成装置が複数人のユーザに利用される状況が多い。こういった状況では、複数の印刷ジョブが立て続けに送信されることから、間欠通紙が頻繁に発生する。間欠通紙の印刷ジョブ間の長さは実用上の印刷処理能力の大幅ダウンに相当することから、従来の対策手法では、間欠通紙が頻繁に発生した場合、印刷処理能力が大幅にダウンしてしまうことが懸念される。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、定着スリップの発生を防ぐと共に、画像形成処理能力向上を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
ヒータと、
潤滑剤を介して前記ヒータに摺動する可撓性スリーブと、
前記可撓性スリーブを介して前記ヒータとニップ部を形成する加圧ローラであって、回
転駆動されることで前記可撓性スリーブを従動させる加圧ローラと、
を有し、前記ニップ部における前記可撓性スリーブと前記加圧ローラとの間で、現像剤像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱手段を備え、
現像剤像を担持した少なくとも1枚の記録材を挟持搬送して加熱する加熱工程と、
前記加熱工程の直前に実行され、前記ニップ部を予熱する前工程と、
前記加熱工程の直後に実行され、前記ニップ部の温度を低下させる後工程と、
を含む一連の工程が画像形成命令に従い行われる画像形成装置において、
先の一連の工程のうちの後工程の終了時までに次の画像形成命令が存在し、前記先の一連の工程に続いて次の一連の工程が行われる際、前記先の一連の工程終了時までの予め設定された期間内における、前記ニップ部で挟持搬送された記録材の積算枚数が、予め設定された閾値枚数以上となった場合に、
前記先の一連の工程のうちの後工程と、前記次の一連の工程のうちの前工程との間に設けられた休止時間、及び、前記先の一連の工程のうちの後工程を実行する後工程時間のうち少なくともいずれかを、通常設定値よりも短い補正値とする制御を実行可能な制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、定着スリップの発生を防ぐと共に、画像形成処理能力向上を実現することが可能となる。
実施例1における画像形成装置の概略構成図 実施例1の加熱定着装置の概略構成を示す模式図 実施例1の定着フィルムを示す概略断面図 実施例1の間欠通紙制御の実行手順を示すフローチャート図 定着スリップ発生に至る加圧ローラ表面温度の閾値変化を示す図 実施例1と従来手法における、印刷処理能力を比較した結果を示す図 実施例2の間欠通紙制御の実行手順を示すフローチャート図 実施例3の間欠通紙制御の実行手順を示すフローチャート図 従来例を説明するための図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(1)画像形成装置
図1は、実施例1における画像形成装置の概略構成図である。
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、レーザスキャナ3より、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4によりトナー(現像剤)を用いて現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像(現像剤像)は、転写装置としての転写ローラ5により、所定の
タイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで、感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように、トップセンサ8にて記録材Pの先端を検知し、そのタイミングを合わせている。
所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は加熱定着装置6内に設けられた排出センサであり、記録材Pがトップセンサ8と排出センサ9の間で紙詰まりなどを起こした際に、それを検知する為のセンサである。
(2)加熱定着装置6
図2は、本実施例の加熱定着装置6の概略構成を示す模式図であり、(a)は加熱定着装置6の断面図、(b)は加熱定着装置6のヒータ部分の断面図、(c)は加熱定着装置6の分解斜視図である。
この加熱定着装置6は基本的には互いに圧接してニップ部Nを形成する定着アセンブリ10と加圧ローラ20よりなるフィルム加熱方式の加熱定着装置である。図2(a),(c)に示すように、定着アセンブリ10は主に定着フィルム13、ヒータ11、ヒータ11を保持する支持部材12、及び、加圧バネ15より加圧力を受けて支持部材12を加圧ローラ20に抗して押圧する金属ステー14から構成される。加圧ローラ20は、定着フィルム13を介してヒータ11とニップ部Nを形成するものであって、回転駆動されることで定着フィルム13を従動させる。加熱定着装置6は、ニップ部Nにおける定着フィルム13と加圧ローラ20との間で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱手段に相当する。
(2.1)定着フィルム13
図3は、本実施例の定着フィルム13を示す概略断面図である。
定着フィルム13は、図3に示すような、クイックスタートを可能にするため総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムであって、潤滑剤を介してヒータ11に摺動する可撓性スリーブに相当するものである。ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂あるいは薄膜の金属を基層13aとして形成されている。熱伝導性を向上させるために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた定着フィルム13として、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって、定着フィルム13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。さらに、オフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE、PFA、FEP、ETFE、CTFE、PVDF等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆して離型性層13cを形成してある。ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレン、PFAはテトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEPはテトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。また、ETFEはエチレン テトラフルオロエチレン共重合体、CTFEはポリクロロトリフルオロエチレン、PVDFはポリビニリデンフルオライドである。被覆の方法としては、定着フィルム13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を定着フィルム13の表面に被せる方式であっても良い。または、定着フィルム13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層13bを塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。
(2.2)加圧ローラ20
加圧ローラ20はSUS、SUM、Al等の金属製の芯金21の外側に、弾性層22として、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで構成された弾性ソリッドゴム層が形成
された弾性ローラである。弾性層22としては、より断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成した弾性スポンジゴム層であってもよい。また、弾性層22としては、シリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めた弾性気泡ゴム層であってもよい。また、弾性層22の上にパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の離型性層が形成されていてもよい。
(2.3)ヒータ11
図2(b)に示すように、加熱部材としてのヒータ11は、定着フィルム13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。ヒータ11は、低熱容量のプレート状である。そして、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性セラミック基板11aの表面に、長手方向に沿って、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の通電発熱抵抗層11bが、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により形成されている。このヒータ11が定着フィルム13と接する面には、熱効率を損なわない範囲で通電発熱抵抗層を保護する保護層11cが設けられている。保護層の厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が望ましく、ガラスやフッ素樹脂コート等が施されているとよい。ここで本実施例の説明において、長手方向とは、加圧ローラ20の回転軸方向(記録材搬送方向に直交する記録材の幅方向)をいう。
ヒータ11を保持する支持部材12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成される。支持部材12の熱伝導率が低いほど加圧ローラ20への熱伝導が良くなるので、樹脂層中にガラスバルーンやシリカバルーン等のフィラーを内包してあっても良い。また、支持部材12は定着フィルム13の回転を案内する役目も持つ。14は金属ステーであり、支持部材12と接触し、定着アセンブリ全体の撓みや捩れを抑制する。また、加圧ローラ端部の芯金に導電ゴム輪16を配置することによりフィルム電位を安定化させている。
(2.4)加熱定着装置6の駆動及び制御方法
定着アセンブリ10は次のような構成により加圧ローラ20の弾性に抗して押圧され、所定のニップ部Nを形成する。すなわち、図2(c)に示すように、金属ステー14は、その長手方向の両端が支持部材12から突き出ていて、ステー両端部にあるバネ受け部14aがバネ受け部材を介して加圧バネ15によって加圧される。荷重はステー足部14bを介して支持部材12の長手方向に渡って均一に伝達される。
ニップ部Nでは、加圧力によって定着フィルム13がヒータ11と加圧ローラ20の間に挟まれることで撓み、ヒータ11の加熱面に密着した状態になる。
加圧ローラ20は芯金21の端部に設けられた不図示の駆動ギアにより、図2(a)の矢印の方向に回転する駆動力を得る。駆動力は制御手段を統制する画像形成装置のCPUからの指令に従い、不図示のモータより伝達される。
この加圧ローラの回転駆動に伴って、定着フィルム13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。定着フィルム13とヒータ11との間には、潤滑剤として、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリースが介在することにより、摩擦抵抗を低く抑えられ、滑らかに定着フィルム13が回転可能となる。
また、ヒータ11の温度制御は、セラミック基板の背面に設けられた不図示のサーミスタ等の温度検知素子の信号に応じて、CPUが通電発熱抵抗層に印加する電圧のデューティー比等を決定し適切に制御される。このことで、ニップ部N内の温度が所望の定着設定温度に保たれる。
未定着トナー画像を保持した記録材Pは所定のタイミングに、不図示の供給手段によって適宜供給され、ニップ部N内に搬送され加熱定着が行われる。ニップ部Nより排出された記録材Pは不図示の排出ガイドに案内されて機外へ排出される。
(3)本実施例における間欠通紙制御
従来例では間欠通紙時においては定着スリップ対策として加圧ローラ温度低減を行う為に、プリント終了時に行われる、加圧ローラの温度が下がるまで温調をオフとして空回転させる後回転後に常に休止期間(休止時間)を設けていた。休止期間中は動作を停止し、ユーザからのプリント要求内容に対してもバッファに溜めるかたちとなる。
本実施例では、後回転後の休止期間を通紙枚数によって変更することを特徴とする。
本実施例では一例として、通紙枚数10枚未満では5秒の休止期間を設け、通紙枚数10枚以上では休止期間を無くすものとした。ユーザから送られる印刷ジョブ(画像形成命令)を受信し、その時点で通紙枚数が、予め設定された閾値(閾値枚数)未満であれば、制御手段は、後回転後の休止期間を設ける従来同様の動作を行い、閾値以上であれば後回転後の休止期間を行わないものとする。
本実施例の画像形成装置では、前回転→画像形成プロセス(画像形成動作)の実行→後回転を含む一連の工程が画像形成命令(印刷ジョブ)に従い行われる。ここで、画像形成プロセス(画像形成動作)の実行は、トナー像を担持した少なくとも1枚の記録材を挟持搬送して加熱する加熱工程に相当する。前回転は、加熱工程の直前に実行され、ニップ部Nを予熱する前工程に相当する。後回転は、加熱工程の直後に実行され、ニップ部Nの温度を低下させる後工程に相当する。
また、本実施例における通紙枚数は、間欠プリント時において、それ以前の所定期間(時間)内における、既に通紙された積算枚数をいうものである。つまり、通紙枚数は先の一連の工程のうちの後回転の終了時までに次の印刷ジョブが存在し、先の一連の工程に続いて次の一連の工程が行われる際、先の一連の工程終了時までの予め設定された期間内における、ニップ部Nで挟持搬送された記録材の積算枚数である。
本実施例では、この通紙枚数が予め設定された閾値枚数以上となった場合に、先の一連の工程のうちの後工程と、次の一連の工程のうちの前工程との間に設けられた休止時間を、通常設定値よりも短い補正値とするものである。ここで、先の一連の工程のうちの後回転を実行する時間(後工程時間に相当)を、通常設定値よりも短い補正値としてもよい。先の一連の工程のうちの後回転と、次の一連の工程のうちの前回転との間に設けられた休止時間、及び、先の一連の工程のうちの後回転を実行する時間のうち少なくともいずれかを、通常設定値よりも短い補正値とするものであればよい。
本実施例では、グリースの粘度の均一性を判断するために、通紙枚数を用いるものである。ここで、画像形成装置が設置される環境(温度、湿度)や、搬送される記録材の種類(例えば、坪量の違い)によって、通紙枚数を導出するための「予め設定された期間」や、「予め設定された閾値枚数」は、適宜設定されるものであるとよい。
図4は、本実施例の制御手段により実行される間欠通紙制御の実行手順を示すフローチャート図である。このフローチャートでは、後回転終了までに次の印刷ジョブが存在していることを前提としている。
後回転終了後(Step1)、印刷ジョブを受信(Step2)し、このとき通紙枚数が閾値以上であるか否かで適用処理を分ける(Step3)。Step3で閾値以上と判断された場合、休止期間を設けることなく即座に印刷が開始され(Step4)、Step3で閾値未満と判断された場合、後回転後に休止期間が設けられ、その後に印刷開始となる(Step5)。
(3.1)本実施例における定着スリップ抑止メカニズム
背景技術の項にて述べた通り、高温高湿環境下における定着スリップは加熱定着装置の過熱状態に起因して発生する。とりわけ間欠通紙においては加圧ローラの表面温度上昇が問題となることから、従来例では、後回転後に休止期間を設けることにより放熱を促し定
着スリップの抑制を行っていた。これは加圧ローラと記録材における摩擦力の確保に帰着する。
定着スリップの発生は記録材搬送力の不足に依ることから、要因としては「駆動力」、「抗力」に大別できる。駆動力から抗力を差し引いた値が記録材搬送力に相当するといえる。駆動力は摩擦力に依存し、これに注目したのが従来例である。これに対して、抗力に注目したのが本実施例となる。
定着スリップの発生状況を詳細に観察すると、下記の傾向が見られる。
[傾向1]定着スリップは通紙初期段階で発生しやすい。
[傾向2]定着スリップを引き起こす加圧ローラ表面温度は通紙状況により変化する。
[傾向1]については、具体的には1枚ずつ間欠通紙を行ったような場合、定着スリップは通紙枚数10枚未満において顕著に発生することが実験的に確認できた。尚、ここでは実験の為、印刷終了後における後回転後の休止期間を無しにして通紙評価を行っている。
この要因としては、通紙初期段階のグリース粘度の高さ及び不均一性が上げられる。フィルム加熱方式の定着装置においては、支持部材にグリースを塗付することにより定着フィルムの回転を潤滑に行うようにしているが、加熱駆動開始後しばらくは、グリースが十分に溶解して均一化しておらず摺動摩擦が大きく不安定である。従って、定着フィルムが受ける抗力が大きくなり、結果として搬送力が不足し定着スリップを発生させることとなる。
[傾向2]については、従来は加圧ローラ表面温度が一定の閾値以上になると定着スリップが発生すると考えられていたが、その閾値は一定値ではなく、通紙状況に応じて変化するというものである。定着温調温度、間欠通紙ジョブ間の休止時間を変えながら実験を行ったところ、次のようなことが確認できた。すなわち、通紙枚数10枚未満の状況においては加圧ローラ表面温度が130℃程度を閾値に定着スリップが発生するのに対し、通紙枚数10枚以上においては加圧ローラ表面温度が130℃以上であっても定着スリップは発生しないことが確認できた。
この要因としては、前述の通紙初期における定着スリップの発生しやすさと同様、グリースの溶解と均一化に伴う摺動摩擦の変化に依ると考えられる。通紙に伴い摺動摩擦が低減・安定化し記録材の受ける抗力が軽減されることから搬送力において余裕ができ、加圧ローラ表面温度の上昇を相殺していると考えられる。
従来は加圧ローラ表面温度がある閾値に達すると定着スリップが起こり、その閾値は一定値であると考えられていた。しかし、本発明者らが詳細に検討を行ったところ通紙に伴うグリースの状態変化により抗力成分の変化が起こることから、定着スリップを起こす加圧ローラ温度の閾値も一定値ではなく通紙枚数によって変化することがわかった。
上記2点の傾向から、記録材の受ける抗力の変化を考慮することにより、定着スリップの発生を抑制すると共に間欠通紙における印刷処理性能の向上を果たすのが本実施例である。本実施例では、抗力の高い通紙枚数10枚未満では後回転後において5秒の休止期間を設け、抗力の低くなる通紙枚数10枚以上では後回転後における休止期間を無くすものとしている。
(3.2)本実施例の効果確認
本実施例の手法(以下、本手法)の効果を確認する為に、実験による検証を行った。
本手法では、次のようなLBP(レーザビームプリンタ)を用いた。それは、室温32.5℃、湿度80%の環境下において印字処理能力26枚/分、プロセススピード166mm/secであり、φ18mm厚み70μmの高熱伝導樹脂フィルム、φ18mmの加圧ローラを備えたLBPである。高熱伝導樹脂フィルムを加圧する加圧ローラの加圧力は
13.5kgf(132.3N)である。記録材としては、上記環境に48時間放置し吸湿させたA4サイズ坪量68gの薄紙を用い、印字パターンは全面黒色塗りつぶし、1枚間欠通紙を30枚行い評価した。その結果を表1及び図5に示す。
Figure 0005460421
後回転終了後において一様に5秒の休止期間を設ける従来手法と本手法とで比較を行ったところ、両手法において定着スリップの発生はなかった。図5は、間欠通紙制御時において、定着スリップ発生に至る加圧ローラ表面温度の閾値変化を示す図である。通紙に伴うグリースの溶解と粘度の均一化により抗力が低減し、前記閾値が変化している。本実施例では、時間aまでの通紙初期の段階では、後回転後の休止期間を設けており、時間a以降は、後回転後の休止期間を無くしている。
実験の結果、印刷所要時間は従来手法において6分25秒、本手法においては4分45秒であった。従来手法と本実施例における、間欠通紙を行った際の印刷処理能力を比較した結果を図6に示す。高温高湿条件下における間欠通紙においても、定着スリップ抑止性を損なうことなく印刷処理性能を向上できており、本手法の効果が確認できた。
このように本実施例によれば、後回転後の休止期間を設ける通紙制御を、摺動摩擦抵抗による抗力が大きい印刷プロセスの初期段階に限定することにより、定着スリップの発生を抑えたまま、印刷性能の向上を実現することが可能となる。
以下、実施例2の間欠通紙制御について説明する。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
上述した実施例1では、通紙枚数が多いと、後回転後の休止期間を設けないものとした。しかし、印刷終了後に時間が経過すると、グリースが冷え再び粘度が高く不均一な状態に遷移し抗力が増加することが懸念される。すなわち、印刷終了後、経過時間が長くなるとスリップが発生してしまうことが懸念される。
この問題に対応するため、本実施例では、次のような計測手段を有することを特徴とする。それは、先の一連の工程のうちの後工程の終了時までに次の印刷ジョブが存在し、先の一連の工程に続いて次の一連の工程が行われる際、先の一連の工程の直前に行われた一連の工程のうちの後工程が終了してからの経過時間を計測している計測手段である。
そして、このような計測手段を設けることで、通紙枚数が閾値以上となった場合であっても、計測手段により計測された時間が予め設定された閾値以上の場合には、休止期間を設ける(通常設定値とする)制御を行うことを特徴としている。ここで、計測手段は、画像形成装置のCPUにより統制されている。
本実施例では、この経過時間が閾値以上であった場合は、通紙枚数のカウントを初期化する制御を、実施例1の制御に加えることとする。本実施例では経過時間の閾値を3分に設定した。
図7は、本実施例の制御手段により実行される間欠通紙制御の実行手順を示すフローチ
ャート図である。このフローチャートでも図4同様、後回転終了までに次の印刷ジョブが存在していることを前提としている。
後回転終了後(Step1)、印刷ジョブを受信(Step2)し、このとき経過時間が閾値未満であるか否かで適用処理を分ける(Step21)。Step21で閾値以上と判断された場合、通紙枚数を計測している手段としての通紙枚数カウンタを初期化する(Step22)。Step3では、実施例1同様、通紙枚数が閾値以上であるか否かで適用処理を分ける。Step3で閾値以上であると判断された場合、休止期間を設けることなく即座に印刷が開始され(Step4)、Step3で閾値未満と判断された場合、後回転後に休止期間が設けられ、その後に印刷開始となる(Step5)。
実施例1でも説明したように、グリースが溶解し粘度が均一化した場合には記録材にかかる抗力が低減することから後回転後における休止期間を省くことが可能となる。十分な通紙を行った後は、グリースの粘度(粘性)が均一化し、定着器全体が熱を蓄えた状態にあることから、停止後も一定期間は摺動摩擦抵抗の低い安定した駆動状況となる。しかしながら、時間の経過と共に冷えることによって、グリースの粘性が再び増加し不均一化することが懸念される。本実施例では経過時間に制限を設けることにより、時間経過に伴うグリースの状態遷移に対応するものである。
A4サイズ紙200枚連続印刷後における経過時間を振り、その後、間欠通紙が行われる際に後回転後の休止期間を有無とした場合について比較した。その結果を表2にまとめる。○はスリップ発生なし、×はスリップ発生を表す。
Figure 0005460421
本実施例によれば、通紙枚数のカウンタ値に、印刷終了後の定着器ホット状態からの時間経過を加味することで、通紙枚数が閾値以上となるような場合であっても、計測手段による計測された経過時間が閾値以上であった場合には、休止期間を設けることができる。これにより、高温高湿条件下における間欠通紙において時間経過を伴う場合においても、定着スリップ抑止性を損なうことなく印刷処理性能を向上させることが可能となる。
ここで、本実施例では、計測手段により計測された経過時間が閾値以上であった場合は、通紙枚数のカウントを初期化する制御を実施例1の制御に加えたが、これに限るものではない。すなわち、計測手段により計測された経過時間が閾値以上であった場合に、休止期間が設けられるものであればよい。つまり、Step3で通紙枚数が閾値未満と判断されるように、Step22において通紙枚数カウンタの値が変更されるものであればよい。
本実施例では、計測手段により計測された経過時間が閾値以上の場合には、休止期間が設けられる(休止期間を通常設定値とする)ことについて説明したが、このような場合には、後回転の実行時間においても、その制御状態に関わらず通常設定値とされる。すなわち、前記経過時間が閾値以上の場合には、先の一連の工程のうちの後回転と、次の一連の工程のうちの前回転との間に設けられた休止期間、及び、先の一連の工程のうちの後回転を実行する時間が通常設定値とされるものである。
以下、実施例3の間欠通紙制御について説明する。なお、本実施例においては、実施例1,2に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1,2と同様の構成部分については、その説明を省略する。
実施例2で説明したように、通紙枚数及び通紙後の経過時間によってグリースの状態変化つまり抗力の大きさを推し量った場合、通紙枚数状況に応じて通紙後の経過時間に伴うグリース状況の変化も異なる。従って、最適な判定を下すのは困難な場合もあり、安全を見越した閾値を設定することによって必要以上に後回転後の休止を行うことになる場合がある。一方、グリースの状態は温度状態と相関があることから、ヒータ背面等に設けられたヒータの温度を検知する温度検知手段としての温度検知素子の出力を利用すれば、より効率的にグリースの粘度状況、つまり抗力の状況を推し量ることができる。ここで、温度検知手段は、画像形成装置のCPUにより統制されている。
そこで、本実施例ではヒータの背面に設けられた不図示のサーミスタ等の温度検知素子を有し、この温度検知素子による検知結果が閾値未満であった場合は通紙枚数のカウントを初期化させる制御を、実施例1の制御に加えることとする。本実施例では閾値を145℃とした。
図8は、本実施例の制御手段により実行される間欠通紙制御の実行手順を示すフローチャート図である。このフローチャートでも図4同様、後回転終了までに次の印刷ジョブが存在していることを前提としている。
後回転終了後(Step1)、印刷ジョブを受信(Step2)し、このとき検知温度が閾値以上であるか否かで適用処理を分ける(Step31)。Step31で閾値未満と判断された場合、通紙枚数を計測している手段としての通紙枚数カウンタを初期化する(Step32)。Step3では、実施例1同様、通紙枚数が閾値以上であるか否かで適用処理を分ける。Step3で閾値以上であると判断された場合、休止期間を設けることなく即座に印刷が開始され(Step4)、Step3で閾値未満と判断された場合、後回転後に休止期間が設けられ、その後に印刷開始となる(Step5)。
実施例1,2にて説明したように、グリースが溶解し均一化した場合には記録材にかかる抗力が低減することから後回転後の休止期間を省くことが可能となる。グリースの溶解及び均一化は通紙状況によって傾向を把握することが可能であるが、通紙枚数のカウントのみに依存すると、その後、冷えることにより再びグリースの粘度が不均一状態に遷移する場合がある。しかし、グリースの溶解状態はサーミスタ等の温度検知素子の検知結果と相関が見られることから、温度検知素子の検知結果が閾値以上であれば、グリースは溶解し粘度が均一化していると推し量ることが可能である。
本実施例では、A4サイズ紙200枚連続印刷後に画像形成装置を放置し、その後、間欠通紙を行う際に、温度検知素子の出力結果とその場合における後回転後の休止期間を有無とした場合について比較した。その結果を表3にまとめる。○はスリップ発生なし、×はスリップ発生を表す。
Figure 0005460421
本実施例によれば、通紙枚数のカウンタ値に、温度検知素子による検知結果を加味する
ことによって、通紙枚数が閾値以上となるような場合であっても、温度検知素子による検知結果が閾値未満であった場合には、休止期間を設けることができる。これにより、高温高湿条件下における間欠通紙において時間経過を伴う場合においても、定着スリップ抑止性を損なうことなく印刷処理性能を向上させることが可能となる。
ここで、本実施例では、温度検知素子による検知結果が閾値未満であった場合は、通紙枚数のカウントを初期化する制御を実施例1の制御に加えたが、これに限るものではない。すなわち、温度検知素子による検知結果が閾値未満であった場合に、休止期間が設けられるものであればよい。つまり、Step3で通紙枚数が閾値未満と判断されるように、Step32において通紙枚数カウンタの値が変更されるものであればよい。
本実施例では、温度検知素子による検知結果が閾値未満の場合には、休止期間が設けられる(休止期間を通常設定値とする)ことについて説明したが、このような場合には、後回転の実行時間においても、その制御状態に関わらず、通常設定値とされる。すなわち、前記検知結果が閾値未満の場合には、先の一連の工程のうちの後回転と、次の一連の工程のうちの前回転との間に設けられた休止期間、及び、先の一連の工程のうちの後回転を実行する時間が、通常設定値とされるものである。また、本実施例の温度検知素子による検知結果に基づく制御と、実施例2の計測手段により計測された経過時間に基づく制御とを組み合わせた制御を行ってもよい。
以下、実施例4の間欠通紙制御について説明する。なお、本実施例においては、実施例1〜3に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1〜3と同様の構成部分については、その説明を省略する。
本実施例では、実施例1〜3に対し、加熱定着装置6の使用量を積算して記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された使用量が増すと、通紙枚数の閾値の値が大きくなるように補正する制御を実行可能な補正手段とをさらに有することを特徴とする。記憶手段及び補正手段は、画像形成装置のCPUにより統制されている。
本実施例では、使用量として、加熱定着装置6で加熱定着処理された(ニップ部で挟持搬送された)記録材の積算枚数(通紙枚数)を用いている。使用量は、積算枚数に限らず、例えば、加圧ローラ20の総回転数であってもよい。また、加熱定着装置6の使用履歴を検知する使用履歴検知手段を有し、使用履歴検知手段により加熱定着装置6の使用量を検知してもよい。
プリント耐久を重ねるに従い、グリースのオイル成分が枯渇し摺動摩擦抵抗は増大する傾向がみられる。つまり、加熱定着装置は使用に伴い記録材に与える抗力が相対的に増大する傾向にある。従って、使い始めの新品状態とプリント耐久後の状態とでは搬送力にも差がみられることから、定着スリップを発生させることなく安定した動作を保証するためには間欠通紙制御もプリント耐久に対応させる必要が出てくる。本実施例では、下記表4に示すとおりに設定した。
Figure 0005460421
プリント耐久25K(25000)枚未満においてはグリースのオイル成分が十分であることから実施例1にて説明した理由により、後回転後における休止期間は初期10枚未満に限定して行い、10枚目以降においては休止期間を設けないこととした。プリント耐
久25K枚以上50K(50000)枚未満においては、グリースのオイル成分枯渇進行に伴い摺動摩擦抵抗が増加傾向にあることから、後回転後における休止期間は初期20枚まで拡張して行うこととする。また、グリースのオイル成分枯渇が顕著となるプリント耐久50K枚以上においては、定着フィルムの摺動摩擦抵抗が増大している可能性が高いことから、後回転後における休止期間は常に実施することとする。
これにより、加熱定着器の耐久寿命を通じて、全体としての印刷処理能力を向上させると共に定着スリップの発生を抑えることができる。
ここで、本実施例では、休止期間を設けるかどうかの通紙枚数の閾値を補正するものであるが、これに限るものではない。先の一連の工程のうちの後回転と、次の一連の工程のうちの前回転との間に設けられた休止期間、及び、先の一連の工程のうちの後回転を実行する時間のうち少なくともいずれかを、通常設定値よりも短い補正値とする場合の閾値を補正するものであればよい。
また、本発明に係る像加熱手段は、上述した実施例1〜4の加熱定着装置として機能する場合の例に限るものではなく、シート上に定着されたトナー像に光沢を出すための装置として適用することも可能である。
6 加熱定着装置 ; 11 ヒータ ; 13 定着フィルム ; 20 加圧ローラ ; N ニップ部

Claims (4)

  1. ヒータと、
    潤滑剤を介して前記ヒータに摺動する可撓性スリーブと、
    前記可撓性スリーブを介して前記ヒータとニップ部を形成する加圧ローラであって、回転駆動されることで前記可撓性スリーブを従動させる加圧ローラと、
    を有し、前記ニップ部における前記可撓性スリーブと前記加圧ローラとの間で、現像剤像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱手段を備え、
    現像剤像を担持した少なくとも1枚の記録材を挟持搬送して加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の直前に実行され、前記ニップ部を予熱する前工程と、
    前記加熱工程の直後に実行され、前記ニップ部の温度を低下させる後工程と、
    を含む一連の工程が画像形成命令に従い行われる画像形成装置において、
    先の一連の工程のうちの後工程の終了時までに次の画像形成命令が存在し、前記先の一連の工程に続いて次の一連の工程が行われる際、前記先の一連の工程終了時までの予め設定された期間内における、前記ニップ部で挟持搬送された記録材の積算枚数が、予め設定された閾値枚数以上となった場合に、
    前記先の一連の工程のうちの後工程と、前記次の一連の工程のうちの前工程との間に設けられた休止時間、及び、前記先の一連の工程のうちの後工程を実行する後工程時間のうち少なくともいずれかを、通常設定値よりも短い補正値とする制御を実行可能な制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記先の一連の工程の直前に行われた一連の工程のうちの後工程が終了してからの経過時間を計測している計測手段を有し、
    前記制御手段は、前記積算枚数が前記閾値枚数以上となった場合であっても、前記計測手段により計測された時間が予め設定された閾値以上の場合には、前記休止時間及び前記後工程時間を前記通常設定値とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ヒータの温度を検知する温度検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記積算枚数が前記閾値枚数以上となった場合であっても、前記温度検知手段により検知された温度が予め設定された閾値未満の場合には、前記休止時間及び前記後工程時間を前記通常設定値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像加熱手段の使用量を積算して記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された使用量が増すと、前記閾値枚数の値が大きくなるように補正する制御を実行可能な補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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