JP5459599B2 - 熱延板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延機を構成する圧延スタンド間に形状計を設置し、この形状計で測定した被圧延材の形状に基づき入側圧延スタンドの形状制御アクチュエータを制御することで、熱延鋼板等の熱延板を製造する方法に関する。特に、本発明は、形状制御アクチュエータの制御方法を工夫することで、先端部も含む被圧延材全体の形状不良を効果的に低減し、ひいては形状不良に起因した圧延トラブルを効果的に低減することができる熱延板の製造方法に関する。
熱延鋼板の製造ラインでは、加熱炉で加熱されたスラブが粗圧延機で粗圧延されて粗圧延材とされる。粗圧延材は、粗圧延機から仕上圧延機までを搬送テーブルにより所定の搬送パターンで搬送され、仕上圧延機で所定の寸法に圧延されて熱延鋼板とされる。この熱延鋼板は、冷却工程において所定の冷却指示を満足するように冷却された後、巻取り機によって巻き取られる。
仕上圧延機は、複数の圧延スタンドを備え、仕上圧延機出側において予め指定された寸法緒元(板幅、板厚、幅方向板厚分布(プロフィル)など)の熱延鋼板が得られるように、各圧延スタンドで被圧延材が圧延される。圧延スタンドには形状制御アクチュエータ(ワークロールベンダ、バックアップロールベンダ、中間ロールベンダ、ワークロールシフト、中間ロールシフト、ペアクロス、レベリングなど)が設置され、幅方向エッジ部の板厚と幅方向中央部の板厚との差(クラウン)と、クラウンと密接な関係を有する形状(圧延方向の伸び率の幅方向分布)とが所定の仕様を満足するように、形状制御アクチュエータが制御される。
上記のクラウンと形状とを制御する方法としては、従来より種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、最終圧延スタンド出側におけるクラウン及び形状を目標値とするために、圧延スタンド間の形状を予め指定した上下限範囲内とする設定計算方法が示されている。
また、特許文献2には、圧延スタンド間又は最終圧延スタンド出側に、被圧延材の形状(平坦度)を測定するため、前後に押えロールを有する接触式の形状計(平坦度計)を設置し、その測定値に基づき、形状制御アクチュエータ(平坦度アクチュエータ)をフィードバック制御する技術が開示されている。
なお、形状計(平坦度計)としては、例えば、特許文献3や特許文献4に記載のものが知られている。
特開昭59−76605号公報 特開平5−23723号公報 特開平3−249514号公報 特開2008−58036号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、被圧延材の温度予測値、圧延荷重予測値、板厚・板幅設定値など、いずれも圧延する前の予測値に基づく計算を行うため、予測値が大きく外れる場合、圧延スタンド間の形状が予め指定した上下限範囲を超えてしまうおそれがある。圧延スタンド間の形状が予め指定した上下限範囲を超えると、圧延スタンド間の形状不良に起因した圧延トラブルが生じるおそれがある。
一方、特許文献2に記載の方法によれば、形状測定値に基づき形状制御アクチュエータを制御しているため、被圧延材の予期せぬ形状変化にも対応できるようにみえる。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、被圧延材の先端が、形状計に対して被圧延材の圧延方向出側に位置する出側圧延スタンドに噛み込む前後において、前記形状制御アクチュエータの制御方法は同一である。このため、特に、被圧延材先端部の形状不良を効果的に低減することができない。以下、これについて具体的に説明する。
図2は、圧延スタンド間に形状計を設置した場合において、被圧延材の先端が圧延スタンド間を通過するときの操業の様子を模式的に示す図である。まず、被圧延材先端が入側圧延スタンドを通過し、出側圧延スタンドに噛み込むまで、被圧延材の圧延スタンド間張力は無張力である。その後、被圧延材が出側圧延スタンドに噛み込むと、圧延スタンド間張力が発生し、それと同時に、ルーパロールと被圧延材を安定接触させるために、ルーパロールを上昇させる制御を開始する。その際、出側圧延スタンドに被圧延材が噛み込むと同時に発生する張力によって、噛み込んだ直後には圧延スタンド間の被圧延材の形状が修正され(伸び差率が0に近くなり)、圧延スタンド間に設置された形状計で検出される被圧延材の形状は、概ねフラットな形状となる(ただし、出側圧延スタンドに噛み込む前の形状が悪いときは、噛み込んだ後の形状がフラットにならない場合がある)。このように、被圧延材の先端が、出側圧延スタンドに噛み込む前後では(厳密には、出側圧延スタンドに噛み込んだ直後とそれ以降とでは)、圧延スタンド間の被圧延材の形状が異なり、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込む前の圧延スタンド間の形状(つまり、被圧延材の先端部の形状)はフラットにならない場合が多い。それにも関わらず、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込む前後で形状制御アクチュエータの制御方法が同一である特許文献2に記載の方法を適用したのでは、被圧延材の先端部の形状不良を効果的に低減することができないという問題がある。
本発明は、以上に説明した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、先端部も含む被圧延材全体の形状不良を効果的に低減し、ひいては形状不良に起因した圧延トラブルを効果的に低減することができる熱延板の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込む前後で(厳密には、出側圧延スタンドに噛み込んだ直後とそれ以降とで)、形状制御アクチュエータの制御方法を異ならせることを着想した。
まず、被圧延材の先端が圧延スタンド間に設置した形状計を通過した後、出側圧延スタンドに噛みこむまでの時間が一般的には1秒前後の一瞬であり、通常の比例積分型のフィードバック制御(PI制御)を適用するには制御時間が足りないことに着眼した。そこで、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込んだ直後までは、出側圧延スタンドに噛み込むまでに形状計で測定した形状の代表値に基づき、入側圧延スタンドに設置された形状制御アクチュエータを開ループ制御することを考えた。
一方、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込んだ直後以降には、圧延スタンド間の形状が修正され、形状計で検出される被圧延材の形状は概ねフラットな形状となるが、出側圧延スタンドに噛み込む前の形状不良が大きい場合には、噛み込んだ後にも形状不良が残存する場合がある。また、圧延中のサーマルクラウン増大などの影響で形状不良が表面化する場合もある。このため、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込んだ直後以降(被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込んだ直後から当該被圧延材の後端が入側圧延スタンドを抜けるまでの間)は、入側圧延スタンドに設置された形状制御アクチュエータに、通常の比例積分型のフィードバック制御などの閉ループ制御を適用して、圧延スタンド間の形状を改善することを考えた。
本発明者は、上記のように、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込む前後で形状制御アクチュエータの制御方法を異ならせることにより、先端部も含む被圧延材全体の形状不良を効果的に低減できることを見出した。
本発明は、上記の本発明者の知見に基づき完成されたものである。すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、熱間圧延機を構成する複数の圧延スタンドのうち、少なくとも何れか一対の圧延スタンド間に被圧延材の形状を測定する形状計を設置し、前記一対の圧延スタンドのうち該形状計に対して被圧延材の圧延方向入側に位置する入側圧延スタンドに、被圧延材の形状の幅方向に対称な成分、及び/又は、非対称な成分を変更するための形状制御アクチュエータを設置して、予め設定した目標形状が得られるように、前記形状計で測定した被圧延材の形状に基づき前記形状制御アクチュエータを制御することで、熱延板を製造する方法であって、前記被圧延材の先端が前記形状計を通過してから、前記一対の圧延スタンドのうち前記形状計に対して前記被圧延材の圧延方向出側に位置する出側圧延スタンドに噛み込までの第1の時間帯においては、前記形状計で測定した被圧延材の形状測定値の代表値に基づき1回のみ前記形状制御アクチュエータの設定変更を行う開ループ制御を実行し、前記被圧延材の先端が前記出側圧延スタンドに噛み込んだから当該被圧延材の後端が前記入側圧延スタンドを抜けるまでの第2の時間帯においては、前記形状制御アクチュエータを閉ループ制御することを特徴とする熱延板の製造方法を提供する。
本発明によれば、被圧延材の先端が形状計を通過してから、出側圧延スタンドに噛み込までの第1の時間帯においては、形状制御アクチュエータを開ループ制御することにより、被圧延材先端部の形状不良を効果的に低減可能である。また、本発明によれば、被圧延材の先端が出側圧延スタンドに噛み込んだから当該被圧延材の後端が入側圧延スタンドを抜けるまでの第2の時間帯においては、形状制御アクチュエータを閉ループ制御することにより、被圧延材の残りの部分の形状不良を効果的に低減可能である。従って、本発明によれば、先端部も含む被圧延材全体の形状不良を効果的に低減し、ひいては形状不良に起因した圧延トラブルを効果的に低減することが可能である。
なお、本発明において、「形状」とは、被圧延材の圧延方向の伸び率の幅方向分布を意味する。
好ましくは、前記形状制御アクチュエータは、ワークロールベンダ、バックアップロールベンダ、中間ロールベンダ、ワークロールシフト、中間ロールシフト、ペアクロス及びレベリングのうちの少なくとも一つから構成される。ワークロールベンダ、バックアップロールベンダ、中間ロールベンダ、ワークロールシフト、中間ロールシフト及びペアクロスは、被圧延材の形状の幅方向に対称な成分を変更するためのアクチュエータであり、レベリングは、被圧延材の形状の幅方向に非対称な成分を変更するためのアクチュエータである。
なお、本発明で用いる形状制御アクチュエータとしては、上記に列挙したものに限らず、直接的には被圧延材の幅方向板厚分布(プロフィル)を変更し、その結果、被圧延材の形状の幅方向に対称な成分、及び/又は、非対称な成分を変更することができる構成であれば良い。
前述のように、特許文献2に記載の形状計(平坦度計)は接触式である。このため、被圧延材が出側圧延スタンドに噛み込むまでの非定常状態においては、安定した精度で形状を測定することが困難である。仮に、押えロールで強制的に被圧延材を安定化させようとしても、被圧延材のバタツキにより、被圧延材が押えロールに巻き付き、圧延トラブルを生じさせるおそれがある。従って、本発明において適用する形状計としては、非接触式の形状計を適用することが好ましい。
非接触式の形状計としては、例えば、前述した特許文献3に記載されたツインビーム型の距離計方式や、特許文献4に記載された線状パターン投影方式を挙げることができる。
被圧延材の先端が形状計を通過した後、出側圧延スタンドに噛み込むまでの被圧延材は、通常は蛇行を伴う非定常な状態であるため、被圧延材の幅方向の一定位置についての形状を測定するには、蛇行に追従しながら測定する必要がある。
しかしながら、特許文献3に記載のツインビーム型距離計方式の形状計では、設備に対して固定された位置での形状を測定することになるため、測定値の変化があったとしても、その変化が被圧延材の形状変化に起因したものであるか、被圧延材の蛇行により幅方向の測定位置が変化したことに起因したものであるかを判断できず、制御が困難となる。
従って、本発明において適用する非接触式の形状計としては、被圧延材の蛇行に追従して、被圧延材の幅方向の一定位置の形状を測定できる、特許文献4に記載のような線状パターン投影方式を採用することが好ましい。
すなわち、前記形状計は、線状パターンを被圧延材の表面に投影する投影機と、前記投影された線状パターンを撮像する撮像装置とを備え、前記撮像装置で撮像した線状パターンの歪みに基づいて前記被圧延材の形状を測定する構成であって、前記線状パターンの歪みを算出する領域が、検出した前記被圧延材の幅方向エッジに基づいて、前記被圧延材の幅方向の一定位置に設定されるものであることが好ましい。
なお、形状計を設置する圧延スタンド間に冷却装置が設置されている場合には、例えば、特開2008−229684号公報に記載された技術を適用し、形状制御している間は、形状計が設置されている圧延スタンド間の冷却装置を使用不可とするか、或いは、形状計が設置されていない別の圧延スタンド間に設置された冷却装置で冷却するなどの工夫が可能である。このため、形状計と冷却装置とを同一の圧延スタンド間に設置することも可能である。しかしながら、冷却装置の使用頻度が高い場合には、敢えて冷却装置が設置された圧延スタンド間には形状計を設置せずに、当該圧延スタンド間よりも入側の圧延スタンド間に形状計を設置することも可能である。
また、圧延スタンド間における形状計の設置位置は、形状測定結果を速やかに形状制御アクチュエータの制御に反映させるため、できる限り入側圧延スタンド近傍に設置することが好ましい。
被圧延材に形状不良が発生すると、被圧延材とルーパロールとの接触が不完全となり、被圧延材が幅方向に移動して他設備と接触してしまうおそれがある。この際、重量の少ない、すなわち、被圧延材の板厚が小さくなる熱間圧延機の出側に近い方が移動しやすい。また、形状不良部に張力が集中することで、応力集中により被圧延材が破断してしまうおそれがある。このとき、設定張力が高いために、熱間圧延機の出側に近い方が破断しやすい傾向にある。従って、圧延スタンド間の形状が問題になるのは、熱間圧延機の入側よりも出側に近い領域である。このため、熱間圧延機の出側に近い領域に優先して形状計を設置することが好ましい。
また、本発明では形状を重視し、被圧延材の形状の幅方向に対称な成分を制御する場合、幅方向に対称な成分を変更するための形状制御アクチュエータを制御するが、これにより、幅方向板厚分布(プロフィル)のうち左右対称成分(クラウン)が変化してしまう。ただし、板厚が薄いほど、形状制御アクチュエータを制御することによるクラウンへの影響が少ないため、クラウンへの悪影響を軽減するという点でも、熱間圧延機の出側に近い領域に優先して形状計を設置することが好ましい。
従って、本発明において、複数対の圧延スタンド間に前記形状計を設置する場合、前記熱間圧延機の出側に最も近い対の圧延スタンド間から、前記熱間圧延機の入側に向けて順に設置することが好ましい。
本発明によれば、先端部も含む被圧延材全体の形状不良を効果的に低減し、ひいては形状不良に起因した圧延トラブルを効果的に低減することが可能である。
図1は、本発明に係る方法が適用される仕上圧延機の概略構成を示す模式図である。 図2は、圧延スタンド間に形状計を設置した場合において、被圧延材の先端が圧延スタンド間を通過するときの操業の様子を模式的に示す図である。 図3は、本発明に係る方法による被圧延材の形状(被圧延材の圧延方向の伸び率の幅方向分布)測定例を模式的に示す図である。 図4は、本発明に係る方法で実行される閉ループ制御の一例を示すブロック図である。 図5は、本発明に係る方法によって、熱延鋼板を製造した場合における、形状測定結果と制御の実績例を示す図である。 図6は、本発明に係る方法で実行される開ループ制御の一例を示すブロック図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態について、熱延板が熱延鋼板であり、熱延鋼板製造ラインの熱間仕上圧延機(以下、仕上圧延機という)に適用する場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明に係る方法が適用される仕上圧延機の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の仕上圧延機100は、7つの圧延スタンドF1〜F7を備えている。各圧延スタンドF1〜F7には、被圧延材Mの形状の幅方向に対称な成分を変更するための形状制御アクチュエータとしてワークロールベンダ(図示せず)が設置され、被圧延材Mの形状の幅方向に非対称な成分を変更するための形状制御アクチュエータとしてレベリング(図示せず)が設置されている。
また、本実施形態の仕上圧延機100には、圧延スタンドF6と圧延スタンドF7との間に形状計1が設置され、仕上圧延機100の出側に形状計2が設置されている。
さらに、本実施形態の仕上圧延機100には、形状計1によって測定した被圧延材Mの形状に基づき、圧延スタンドF6に設置された形状制御アクチュエータ(ワークロールベンダ、レベリング)を制御するための形状制御装置3が設置されている。また、形状計2によって測定した被圧延材Mの形状に基づき、圧延スタンドF7に設置された形状制御アクチュエータ(ワークロールベンダ、レベリング)を制御するための形状制御装置4も設置されている。
なお、形状計1、2としては、被圧延材Mの蛇行に追従して、被圧延材Mの幅方向の一定位置の形状を測定できる線状パターン投影方式の形状計が用いられている。具体的には、形状計1、2は、線状パターンを被圧延材Mの表面に投影する投影機と、前記投影された線状パターンを撮像する撮像装置とを備え、前記撮像装置で撮像した線状パターンの歪みに基づいて被圧延材Mの形状を測定する構成である。形状計1、2では、前記線状パターンの歪みを算出する領域が、検出した被圧延材Mの幅方向エッジに基づいて、被圧延材Mの幅方向の一定位置に設定されている。形状計1、2のより具体的な構成は、前述した特許文献4に記載の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
被圧延材Mは、圧延スタンドF1からF7に向かって順次圧延される。被圧延材Mの先端が各形状計1、2に到達した後、各形状計1、2により、図3に示すような被圧延材Mの形状(被圧延材Mの圧延方向の伸び率の幅方向分布)が測定される。具体的には、各形状計1、2は、被圧延材Mの幅方向の両エッジを検出し、予め指定した幅方向の評価点(図3に示す例では、幅方向中央の評価点と、両エッジからそれぞれΔWだけ内側の位置に設定されたDS(駆動)側評価点及びWS(作業)側評価点との少なくとも3つの評価点。なお、ΔWはエッジ検出精度、形状計の幅方向分解能の影響などを考慮して、50〜100mm程度)における伸び率を算出する。図3に示す例では、幅方向中央の評価点での伸び率ε、DS側評価点での伸び率εDS、WS側評価点での伸び率εWSがそれぞれ算出される。
形状制御装置4は、形状計2で測定した形状測定値(ε、εDS、εWS)に基づき、圧延スタンドF7に設置されたワークロールベンダ及びレベリングを閉ループ制御(PI制御)する。形状制御装置4では、例えば、図4に示すような制御方法が実行される。すなわち、形状制御装置4は、まず最初に、形状計2で測定した各評価点での形状測定値を、被圧延材Mの幅方向に対称な成分((εDS+εWS)/2−ε)と、非対称な成分(εDS−εWS)とに分離する。次に、形状制御装置4は、各成分の目標値に対する偏差を求め、必要に応じて当該偏差にノイズ除去処理及びデッドバンド処理(入力した偏差の絶対値が所定値未満である場合には出力を零とし、所定値以上の場合には入力した偏差をそのまま出力する処理)を施した後、各偏差(又は上記処理後の偏差)に通常のPI制御を適用して、ワークロールベンダ変更指令値及びレベリング変更指令値を算出する。そして、形状制御装置4は、この各変更指令値に基づき、ワークロールベンダ及びレベリングの設定を変更する。なお、形状測定値を対称成分と非対称成分に分離する方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、形状計2で測定した各評価点での形状測定値を多項式近似して、2次式の成分を対称成分とし、1次式の成分を非対称成分とする方法が考えられる。また、各変更指令値の算出方法も、上記の方法に限定されるものではなく、LQ制御やH∞制御を適用することも可能である。
形状制御装置3は、形状計1で測定した形状測定値(ε、εDS、εWS)に基づき、圧延スタンドF6に設置されたワークロールベンダ及びレベリングを制御する。以下、形状制御装置3において実行される制御方法について、図5に示すように、被圧延材Mの先端が形状計1を通過してから、被圧延材Mの後端が圧延スタンドF6を抜けるまで、順を追って具体的に説明する。
<制御方法A>
形状制御装置3は、被圧延材Mの先端が形状計1を通過してから、圧延スタンドF7に噛み込んだ直後(被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込んでからT2[秒]経過後)までの第1の時間帯においては、圧延スタンドF6に設置された各形状制御アクチュエータを開ループ制御する。
具体的には、まず、形状制御装置3は、形状測定値の立ち上がり等を考慮して、測定開始(被圧延材Mの先端が形状計1に到達した時点)からT1[秒]経過後に形状計1で測定した各評価点での形状測定値(ε、εDS、εWS)を、図6に示すように、被圧延材Mの幅方向に対称な成分と、非対称な成分とに分離する。このT1は、例えば、0.05〜0.20秒程度に設定される。そして、形状制御装置3は、各成分の目標値に対する偏差を求め、必要に応じて当該偏差にノイズ除去処理及びデッドバンド処理を施した後、各偏差(又は上記処理後の偏差)に開ループ制御を適用して、ワークロールベンダ変更指令値及びレベリング変更指令値を算出する。具体的には、圧延前に、圧延スタンドF6に設置されたワークロールベンダの設定変更による形状の対称成分への影響係数G1と、圧延スタンドF6に設置されたレベリングの設定変更による形状の非対称成分への影響係数G2をそれぞれ計算しておき、形状制御装置3に記憶しておく。形状制御装置3は、記憶された影響計数G1、G2を用いて、下記の式(1)及び(2)に基づき、ワークロールベンダ変更指令値及びレベリング変更指令値を算出する。
ワークロールベンダ変更指令値=対称成分の偏差/G1 ・・・(1)
レベリング変更指令値=非対称成分の偏差/G2 ・・・(2)
そして、形状制御装置3は、この各変更指令値に基づき、ワークロールベンダ及びレベリングの設定を変更する。
なお、図5に示す例では、各変更指令値を、形状測定開始からT1[秒]経過後にステップ状に変更しているが、操業への悪影響を回避するため、ランプ状に変更することも可能である。ただし、ランプ状に変更する場合の変更レートが遅すぎると、被圧延材Mの先端部の形状を改善するという目的を達成できなくなる点に留意する必要がある。なお、以上に説明した制御方法Aを適用する時間は短く、更に制御方法Aは開ループ制御であるため、制御方法Aでは、1回だけしか各形状制御アクチュエータの設定変更を行わない(形状計1で測定した形状測定値の代表値に基づいて、1回のみ各形状制御アクチュエータの設定変更を行う)ものとしている。
上記の制御方法Aを実行した後、形状制御装置3は、被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込んだ直後から当該被圧延材Mの後端が圧延スタンドF6を抜けるまでの第2の時間帯においては、圧延スタンドF6に設置された各形状制御アクチュエータを閉ループ制御する。具体的には、形状制御装置3は、後述する制御方法B、Cを実行する。以下、順に説明する。
<制御方法B>
形状制御装置3は、被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込んだ直後(噛み込んでからT2[秒]経過後)から当該被圧延材Mの後端が圧延スタンドF4を抜けるまでの時間帯は、制御時間が制御方法Aのように極端に短くないため、当該時間帯では、前述した図4に示すものと同様の閉ループ制御(PI制御)を実行する。このT2の値は、被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込む前の各形状制御アクチュエータの設定変更の影響が形状計1の測定値に現れるまでの時間と、被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込んだ直後の形状の変化が落ち着き、それが形状計1の測定値に現れるまでの時間とを比べた場合の遅い方の時間に合わせて設定される。具体的には、T2は、例えば、1〜6秒程度に設定される。
<制御方法C>
被圧延材Mの後端部では、ルーパロールが下降したり、各圧延スタンドから被圧延材Mが抜ける際の影響により、張力変動や荷重変動が大きくなり、形状が悪化しやすい。従って、形状制御装置3は、被圧延材Mの後端が圧延スタンドF4を抜けてから圧延スタンドF6を抜けるまでの時間帯においては、被圧延材Mの後端が圧延スタンドF4を抜けた際に算出した各成分の偏差をロックオンする。そして、形状制御装置3は、このロックオンした各偏差に図4に示すものと同様の閉ループ制御(PI制御)を適用する。なお、以上に説明した制御方法Cを開始してから被圧延材の後端が圧延スタンドF6を抜けるまでの時間は短いため、PI制御のゲインを制御方法Bで設定するPI制御のゲインよりも大きな値に調整する必要がある。
図5は、本実施形態に係る方法によって、炭素含有量0.1質量%、仕上圧延機出側での板厚4mm、板幅1200mm、狙い温度850℃の熱延鋼板を製造した場合における、形状測定結果と制御の実績例を示す図である。図5に示す形状偏差から分かるように、前述した制御方法Aにより、被圧延材Mの先端が圧延スタンドF7に噛み込まれる前に形状がフラット寄りに修正され始めている。被圧延材Mの先端部が圧延スタンドF7に噛み込む寸前の先端部の高さは、圧延スタンドF6から被圧延材Mの先端までの被圧延材Mの形状の影響を受ける。制御方法Aにより、被圧延材Mの先端部の形状(圧延スタンドF6から被圧延材Mの先端までの被圧延材Mの形状)が改善されるため、形状不良に起因して被圧延材Mの先端部が圧延スタンドF7に噛み込み損なうという圧延トラブルが軽減されることが期待できる。
なお、本実施形態では、熱延板が熱延鋼板である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、本実施形態と同様の熱間圧延機で製造される他の熱延板(例えばチタン製の熱延板)の製造方法に適用することもでき、本実施形態で得られたのと同様の効果が得られることが期待できる。
1,2・・・形状計
3,4・・・形状制御装置
100・・・熱間圧延機(熱間仕上圧延機)
F1〜F7・・・圧延スタンド
M・・・被圧延材

Claims (4)

  1. 熱間圧延機を構成する複数の圧延スタンドのうち、少なくとも何れか一対の圧延スタンド間に被圧延材の形状を測定する形状計を設置し、前記一対の圧延スタンドのうち該形状計に対して被圧延材の圧延方向入側に位置する入側圧延スタンドに、被圧延材の形状の幅方向に対称な成分、及び/又は、非対称な成分を変更するための形状制御アクチュエータを設置して、予め設定した目標形状が得られるように、前記形状計で測定した被圧延材の形状に基づき前記形状制御アクチュエータを制御することで、熱延板を製造する方法であって、
    前記被圧延材の先端が前記形状計を通過してから、前記一対の圧延スタンドのうち前記形状計に対して前記被圧延材の圧延方向出側に位置する出側圧延スタンドに噛み込までの第1の時間帯においては、前記形状計で測定した被圧延材の形状測定値の代表値に基づき1回のみ前記形状制御アクチュエータの設定変更を行う開ループ制御を実行し、
    前記被圧延材の先端が前記出側圧延スタンドに噛み込んだから当該被圧延材の後端が前記入側圧延スタンドを抜けるまでの第2の時間帯においては、前記形状制御アクチュエータを閉ループ制御することを特徴とする熱延板の製造方法。
  2. 前記形状制御アクチュエータが、ワークロールベンダ、バックアップロールベンダ、中間ロールベンダ、ワークロールシフト、中間ロールシフト、ペアクロス及びレベリングのうちの少なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱延板の製造方法。
  3. 前記形状計が、線状パターンを被圧延材の表面に投影する投影機と、前記投影された線状パターンを撮像する撮像装置とを備え、前記撮像装置で撮像した線状パターンの歪みに基づいて前記被圧延材の形状を測定する構成であって、前記線状パターンの歪みを算出する領域が、検出した前記被圧延材の幅方向エッジに基づいて、前記被圧延材の幅方向の一定位置に設定されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱延板の製造方法。
  4. 複数対の圧延スタンド間に前記形状計を設置する場合、前記熱間圧延機の出側に最も近い対の圧延スタンド間から、前記熱間圧延機の入側に向けて順に設置することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の熱延板の製造方法。
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