JP5459588B2 - 転写定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような転写定着装置を備えた画像形成装置は、転写工程と定着工程とを別々におこなう画像形成装置に比べて、表面性の粗い記録媒体を使用しても画像品質の低下が起こり難いという利点がある。
これに対して、転写定着装置を備えた画像形成装置では、トナー像に対して転写と同時に熱を加えるため、トナーが軟化・溶融して粘弾性を帯びたブロック状の塊になる。そのため、表面性の粗い記録媒体を使用して定着部材と記録媒体との間に微小ギャップが形成されても、その部分に画像が塊として転写されてしまう。したがって、画像は、ボソボソにならずに、良好で高画質なものになる。
さらに、従来の転写定着装置は、上述した転写定着部材の加熱工程に加えて、作像部の熱的損傷を低減するために転写・定着工程後の転写定着部材を冷却する冷却工程がおこなわれている場合が多かった。このような加熱・冷却のサイクルが繰り返されるために、転写定着装置における消費エネルギが大きくなっていた。
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された感光体ドラム(像担持体)、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像装置、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を転写定着ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング装置、を示す。
また、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング装置25が、一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、複数のローラ部材28A〜28C、85に張架・支持された転写定着ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、転写定着ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、転写定着ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像(トナー像)が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
転写定着ベルト27に担持されたトナー像は、転写定着ベルト27と加圧ローラ68とのニップ部にて、記録媒体Pの転写定着面(おもて面)に転写されるとともに定着される(転写・定着工程である。)。詳しくは、記録媒体Pの転写定着面がニップ部の直前で加熱装置67によって加熱されて、ニップ部にて転写定着面の熱によってトナー像が加熱・溶融されるとともに、ニップ部の圧力によってトナー像が転写定着面に定着される。なお、転写定着装置66の構成・動作については、後で図2及び図3を用いてさらに詳しく説明する。
その後、転写定着ベルト27表面は、ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、転写定着ベルト27上の残トナー等の付着物がベルトクリーニング装置29に回収されて、転写定着ベルト27上の一連の転写定着プロセスが完了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された転写紙Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、転写定着ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、転写定着ベルト27と加圧ローラ68とのニップ部に向けて搬送される。このとき、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pは伝加熱装置67の伝熱板67b(図2を参照できる。)に案内されるとともに、ブラシ状部材91によって伝熱板67bに向けて付勢されながら、記録媒体Pの転写定着面のみが加熱装置67(伝熱板67b)によって加熱される。
その後、フルカラー画像が転写・定着された記録媒体Pは、排紙搬送経路を通過して、排紙ローラ80によって装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。なお、本実施の形態1における画像形成装置は、記録媒体Pの搬送速度(又は、プロセス線速)が、300mm/秒程度に設定されている。
トナー結着樹脂としては、以下の組成のものを使用することができる。
例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体が挙げられる。
また、以下の樹脂を混合して使用することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。この中で特に、ポリエステル樹脂を含有しているものは充分な定着性を得るために、好ましい。特に結晶性ポリエステル樹脂は、紙接触時に充分に軟化溶融し、定着強度とともに色再現性の高い画像形成が可能となる。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1.3.5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、シリカ、酸化チタン、アルミナ等、さらに必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。
特に、転写定着装置66は、トナーを充分に加熱することが可能であるため、サブミクロンの大粒径シリカ等の添加剤を比較的多量に用いても定着性や定着温度に影響を与えないため、流動性・転写性を考慮した外添処方が可能である。
図2は、転写定着装置66の一部を示す拡大図である。図3は、加熱装置67を図2のX方向から幅方向にみた図である。
図2に示すように、転写定着装置66は、転写定着部材としての転写定着ベルト27、加熱装置67(加熱手段)、加圧部材としての加圧ローラ68、付勢部材としてのブラシ状部材91、等で構成される。
加圧ローラ68の表面層としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、等を用いることができる。
加熱体67aは、伝熱板67bと電極67cとに挟持されている。本実施の形態1では、加熱体67aとして、所定のキューリー点に達すると抵抗が急激に上昇する抵抗発熱体を用いている。具体的に、加熱体67aとして、チタン酸バリウム系半導体磁器素体からなる正特性サーミスタを用いている。また、本実施の形態1では、図3に示すように、加熱体67a(正特性サーミスタ)を幅方向に10個並設している。
伝熱板67b(伝熱部材)は、板厚が0.2mmのステンレス鋼板である。伝熱板67bは、レジストローラ64の近傍からニップ部の近傍にかけて延設されていて、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内する案内板(ガイド板)として機能する。また、伝熱板67bは、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pの転写定着面(おもて面)に接触して、加熱体67aで発生した熱を記録媒体P(転写定着面)に伝熱する機能を有する。さらに、伝熱板67bには交流電源71が接続されていて、一方の電極としても機能することになる。
なお、本実施の形態1では、伝熱板67bの材料として、熱伝導率が高く、同体積における熱容量が低く、比較的安価な銅を用いているために、加熱効率が高く比較的安価な加熱装置67を提供することができる。
具体的に、本実施の形態1では、加熱体67aのキューリー点を200℃に設定している。これにより、加熱体67aの温度が200℃を超えたときに、電極67cと伝熱板67bとの間の抵抗が急激に上昇して、加熱体67a内に流れる電流が低下する。詳しくは、加熱体67aの温度が210℃のとき加熱体67a内に流れる電流は1/2に低下して、加熱体67aの温度が220℃のとき加熱体67a内に流れる電流は1/4に低下する。
このように構成された加熱体67aは、1200ワットの電力で6秒後に190〜200℃にまで昇温して、その後は自己温度制御機能により210℃以上に昇温することはない。加熱体67aを210℃以下で制御する場合には、図示しない温度センサを用いてPID制御等によって所望の温度に制御する。制御回路が故障しても、上述のように210℃以上にはなり得ないので安全性が確保される。また、本実施の形態1では、幅方向に複数の加熱体67aを並設しているために、複数の加熱体67aによってそれぞれの自己温度制御がおこなわれて、幅方向の温度ムラを10℃以下にすることができる。
本実施の形態1では、伝熱板67bを板状に形成して、その先端をできる限りニップ部に近づけるとともに、その搬送方向の長さをできる限り長く設定しているために、転写定着工程前の記録媒体Pの加熱効率を向上させることができる。
なお、伝熱板67bの案内面(記録媒体Pに接触する面である。)を、耐摩耗性が高いダイヤモンドライクカーボン(DLC)やグラファイトライクカーボン(GLC)で覆設することもできる。
本実施の形態1では、記録媒体Pの転写定着面を加熱していて、出力画像上にて充分な光沢を得るための温度を独立して設定できるので、転写定着ベルト27の温度(定着設定温度)を低くできる。また、記録媒体Pは転写・定着工程の直前に加熱されるので、過剰に加熱されずに、トナーTと記録媒体Pとの密着性も必要以上に高められることはない。
すなわち、本実施の形態1の構成によれば、低温定着が可能であって、装置のウォームアップ時間を短縮できて、省エネルギ化を向上させることができる。また、転写定着ベルト27への熱移動を抑制できるので、転写定着ベルト27の耐久性を向上させることができる。さらに、転写定着ベルト27の加熱温度が低減されるために、転写定着ベルト27の熱劣化を抑制できる。
これに対して、本実施の形態1では、図2に示すように、ニップ部を通過した後の転写定着ベルト27の表面の幅方向の温度分布を均一化する均しローラ85を設置している。
均しローラ85は、ニップ部に対して転写定着ベルト27の走行方向下流側に配設されたローラ部材であって、3つのローラ部材28A〜28Cとともに転写定着ベルト27を張架・支持する。均しローラ85は、ヒートパイプであって、その内部で熱を効率的に対流させることで、転写定着ベルト27表面の幅方向の温度分布を均一化する。これにより、転写定着ベルト27の加熱を最小限に抑えてニップ部に搬送される直前の記録媒体Pを加熱装置67によって加熱する場合であっても、定着ムラやオフセット等の定着不良が発生するのを抑止することができる。
このような構成により、ブラシ状部材91のブラシ毛91aが毛倒れして加圧ローラ68に巻き込まれる不具合が防止される。
このような構成により、図6に示すように、記録媒体Pの表面に凹凸がある場合であっても、その凹凸形状に対して伝熱部材67bが追従しやすくなり記録媒体Pとの密着性が高まるために、記録媒体Pに対する加熱効率が向上するとともに、記録媒体Pの温度ムラが軽減される。
具体的に、加熱装置は、ニッケル、鉄等の整磁合金からなる板厚0.3mm程度の伝熱板と、伝熱板に対向する誘導コイル(加熱体)と、等で構成される。このような構成により、誘導コイルに20kHzの高周波電圧が印加されると、伝熱板が電磁誘導加熱されて、記録媒体Pの転写定着面に熱を伝えることになる。なお、伝熱板は、整磁合金中のニッケル成分の比率が40%程度に設定されていて、その温度が200℃(キューリー点)に達すると透磁率が急激に低下して電磁誘導加熱されなくなる。具体的に、このように構成された伝熱板は、1200ワットの電力で3秒後に190〜200℃にまで昇温して、その後は自己温度制御機能により210℃以上に昇温することはない。
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における転写定着装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における転写定着装置は、加熱装置67の伝熱板67bが案内される記録媒体Pの側に凸状に形成されている点と、伝熱板67bに達する前後の位置における記録媒体の搬送速度に差異を設けている点と、が前記実施の形態1のものと相違する。
さらに、その案内面に達する前の位置における記録媒体Pの搬送速度が、案内面に達した後の位置における記録媒体Pの搬送速度よりも小さくなるように構成されている。具体的には、レジストローラ64の外周面における線速が、ニップ部の位置におけるローラ部材28Aの線速よりも、1%程度減速されるように設定されている。
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における転写定着装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3における転写定着装置は、加熱装置67の伝熱板67bが案内される記録媒体Pの側に凹状に形成されている点と、伝熱板67bに達する前後の位置における記録媒体の搬送速度に差異を設けている点と、が前記実施の形態1のものと相違する。
さらに、その案内面に達する前の位置における記録媒体Pの搬送速度が、案内面に達した後の位置における記録媒体Pの搬送速度よりも大きくなるように構成されている。具体的には、レジストローラ64の外周面における線速が、ニップ部の位置におけるローラ部材28Aの線速よりも、1%程度増速されるように設定されている。
図9にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は、実施の形態4における転写定着装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態2における図7に相当する図である。本実施の形態4における転写定着装置は、記録媒体Pに対してブラシ状部材91の接離動作がおこなわれる点が、前記実施の形態2のものと相違する。
さらに、伝熱板67bは、前記実施の形態2のものと同様に、凸状に形成されている。また、レジストローラ64の外周面における線速が、ニップ部の位置におけるローラ部材28Aの線速よりも、1%程度減速されるように設定されている。
具体的に、図9(A)及ぶ図9(B)に示すように、ブラシ状部材91は、カム92の回転によって上下方向に移動可能に構成されている。そして、搬送中の記録媒体Pの先端部(搬送方向先端部)がブラシ状部材91の対向位置に達したときには、図9(A)に示すように、ブラシ状部材91を上方に移動して記録媒体Pの先端部を伝熱板67bに積極的に押し当てる。その後、記録媒体Pの中央部(搬送方向中央部)がブラシ状部材91の対向位置に達したときには、図9(B)に示すように、ブラシ状部材91を下方に移動して記録媒体Pの中央部を伝熱板67bに積極的に押し当てる動作を休止する。最後に、記録媒体Pの後端部(搬送方向後端部)がブラシ状部材91の対向位置に達したときには、図9(A)に示すように、再びブラシ状部材91を上方に移動して記録媒体Pの後端部を伝熱板67bに積極的に押し当てる。
図10にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図10は、実施の形態5における転写定着装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態5における転写定着装置は、付勢部材として吸引機構95、96が用いられている点が、付勢部材としてブラシ状部材91が用いられている前記実施の形態3のものと相違する。
さらに、伝熱板67bは、前記実施の形態3のものと同様に、凹状に形成されている。また、レジストローラ64の外周面における線速が、ニップ部の位置におけるローラ部材28Aの線速よりも、1%程度増速されるように設定されている。
詳しくは、吸引機構(付勢部材)は、加熱装置67の上方を覆うダクト96と、ダクト96の吸引口に設置された吸引ファン95と、で構成されている。また、伝熱板67bには、直径30μmの貫通穴が25mm×25mmの範囲ごとに形成されている。このような構成により、吸引ファン95が稼動すると、記録媒体Pが伝熱板67bに向けて吸引(付勢)されることになる。
図11にて、この発明の実施の形態6について詳細に説明する。
図11は、実施の形態6における画像形成装置の一部を示す構成図である。本実施の形態6における画像形成装置は、1つの感光体ドラム21が設置されている点が、4つの感光体ドラム21が設置されている前記実施の形態1のものと相違する。
その後、転写定着ベルト27上に担持されたトナー像Tは、加圧ローラ68とのニップ部の位置で、前記各実施の形態と同様に、加熱装置67によって加熱された記録媒体P上に転写・定着される。
図12及び図13にて、この発明の実施の形態7について詳細に説明する。
図12は、実施の形態7における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態7における転写定着装置は、ブラシ状部材(付勢部材)としてブラシ状ローラ191が用いられている点が、前記実施の形態1のものと相違する。
ここで、本実施の形態7におけるブラシ状部材は、前記実施の形態1における非回転で板状のブラシ状部材91とは異なり、記録媒体Pとの接触位置において記録媒体Pの搬送方向と同方向に回転するブラシ状ローラ191(図12の時計方向に回転する。)である。
なお、本実施の形態7におけるブラシ状ローラ191は、その外径が30mm、ブラシ毛の毛足長さが10mm、ブラシ毛の原糸太さが1330T/120F、ブラシ毛の密度が10万〜15万本/inch2に設定されている。また、ブラシ状ローラ191のブラシ毛は、上述のものに限定されることなく、フッ素樹脂や、耐熱性の樹脂や金属、又は、それらの表面に低摩耗材料をコーティングしたもの、等を用いることもできる。ブラシ状ローラ191に耐熱性をもたせることで、伝熱板67bの熱によってブラシ状ローラ191のブラシ毛が熱劣化する不具合を軽減することができる。
このような構成により、記録媒体Pがブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの接触位置に進入するときに、ブラシ状ローラ191に引っ掛かって搬送性が低下する不具合を防止することができる。なお、本実施の形態7では、ブラシ状ローラ191の記録媒体Pとの接触位置における線速度が、記録媒体Pの搬送速度に対して1〜3%速くなるように設定されている。
なお、本実施の形態7では、伝熱板67bに圧接するブラシ状ローラ191の加圧幅(ニップ幅)が3〜12mmになるように設定されている(3〜5kgf程度の加圧圧に相当する。)。
本実施の形態7における転写定着装置66には、ブラシ状ローラ191によって伝熱板67bに向けて付勢される記録媒体Pに対する付勢力を可変する加圧機構192〜194が設置されている。また、装置本体1には、通紙される記録媒体Pの紙厚を検知する検知手段が設置されている。そして、検知手段によって取得した記録媒体Pの紙厚についての情報に基いて、加圧機構192〜194が可変制御されることになる。
なお、通紙される記録媒体Pの紙厚は、記録媒体Pの搬送経路中に紙厚センサを設置してこれにより検知することもできるし、ユーザーによって装置本体1の操作部に入力された記録媒体Pに関する情報に基いて判断してもよい。
厚さの厚い記録媒体(厚紙)は、厚さの薄い記録媒体(薄紙)に比べて、伝熱板67bによって加熱された転写定着面(おもて面)の熱が時間の経過とともに裏面側に伝達されてしまうために、ニップ部に到達するまでの転写定着面の温度低下の程度が大きい。これに対して、薄紙の場合には、厚紙に比べて、伝熱板67bによる加熱効率が高いために、厚紙を基準とした伝熱板67bの温度制御をおこなってしまうと、薄紙が過昇温してしまったり、温度上昇によってカールが発生してしまったりする。
したがって、上述した制御をおこなうことにより、厚さ(紙厚)が異なる記録媒体Pが通紙された場合であっても、伝熱板67bによって加熱される転写定着工程直前の記録媒体Pの温度にバラツキが生じることなく、安定した転写定着画像を形成することができる。これは、伝熱板67bに対するブラシ状ローラ191の加圧幅(付勢力)の大小が、伝熱板67bから記録媒体Pに与えられる熱量の大小に影響することに基くものである。
具体的に、ブラシ状ローラ191の回転数を可変できるように、ブラシ状ローラ191の駆動モータを回転数可変型駆動モータとする。そして、伝熱板67bに案内される記録媒体Pの厚さ(紙厚)が厚いときに、記録媒体Pの厚さ(紙厚)が薄いときよりも、ブラシ状ローラ191の回転数が速くなるように制御する。これにより、厚紙を通紙するときには回転数が大きいブラシ状ローラ191によって厚紙が積極的に伝熱板67bに付勢されることになるため、上述した効果とほぼ同等の効果を得ることができる。
本実施の形態7において、非通紙時(伝熱板67bとブラシ状ローラ191との間を記録媒体Pが通過しないときである。)には、伝熱板67bや加圧ローラ68やガイド部材65に対してブラシ状ローラ191を相対的に離間させる制御をおこなっている(図13(B)の状態である。)。
これにより、必要最小限のタイミングでのみ、ブラシ状ローラ191が伝熱板67bに当接することになるため、伝熱板67bからブラシ状ローラ191に熱が伝わってブラシ状ローラ191が熱劣化する不具合が低減される。また、必要最小限のタイミングでのみ、ブラシ状ローラ191が伝熱板67bや加圧ローラ68やガイド部材65に当接して変形することになるため、ブラシ状ローラ191のブラシ毛が長時間の変形によって毛倒れが復元しなくなる不具合を軽減することができる。
このような構成により、ブラシ状ローラ191のブラシ毛は、ガイド部材65との接触が開放された後に、伝熱板67bに接触することになる。すなわち、ブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの当接位置の搬送方向上流側は、ガイド部材65によって、ブラシ状ローラ191のブラシ毛が密集していない状態が形成されている。したがって、ブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの当接位置に送入される記録媒体Pが、ブラシ状ローラ191のブラシ毛による大きな抵抗を受けることなく、スムーズに搬送されることになる。
図14にて、この発明の実施の形態8について詳細に説明する。
図14は、実施の形態8における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態7における図12に相当する図である。本実施の形態8における転写定着装置は、付勢部材としてのブラシ状ローラ191が加圧ローラ68に当接している点と、ブラシ状ローラ191に摺接するクリーニング部材200が設置されている点と、が前記実施の形態7のものと相違する。
このような構成によって、加圧ローラ68の表面が、ブラシ状ローラ191によってクリーニングされることになる。詳しくは、転写定着ベルト27上には地肌汚れトナーが付着しているために、転写定着ベルト27と加圧ローラ68とのニップ部を通過する記録媒体Pの幅方向サイズが小さいときに、そのサイズの領域外に付着した転写定着ベルト27上の地肌汚れトナーが加圧ローラ68に付着してしまう可能性がある。このように、加圧ローラ68の表面がトナーで汚れてしまっても、加圧ローラ68の表面に摺接するブラシ状ローラ191によって、加圧ローラ68がクリーニングされるために、ニップ部の位置で記録媒体Pの裏面が汚れる不具合が抑止される。また、このように加圧ローラ68のクリーニング手段をブラシ状ローラ191が兼ねることで、加圧ローラ68のクリーニング手段をブラシ状ローラ191とは別に設ける場合に比べて、転写定着装置66が低コスト化・小型化されることになる。
このように、クリーニング部材200を設けることによって、ブラシ状ローラ191に付着した紙粉(伝熱板67bとの当接位置で記録媒体Pから離脱した紙粉である。)や、加圧ローラ68から除去してブラシ状ローラ191に付着したトナー(上述した地肌汚れトナーである。)等が、ブラシ状ローラ191から除去されることになる。そして、ブラシ状ローラ191から除去された紙粉やトナーは、重力方向に落下して、受け皿201上に回収される。
なお、本実施の形態8では、クリーニング部材200をフリッカーバーとしたが、クリーニング部材として板状のブレードやスクレーパを用いることもできる。
図15にて、この発明の実施の形態9について詳細に説明する。
図15は、実施の形態9における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態7における図12に相当する図である。本実施の形態9における転写定着装置は、2つのブラシ状部材が設置されている点が、前記実施の形態7のものと相違する。
詳しくは、図15(A)に示すように、搬送方向上流側(伝熱板67bに案内される記録媒体Pの搬送方向上流側である。)には外径の大きな第1ブラシ状ローラ191Aを設置して、搬送方向下流側(伝熱板67bに案内される記録媒体Pの搬送方向下流側である。)であってニップ部(加圧ローラ68と転写定着ベルト27とのニップ部である。)に近い位置には外径の小さな第2ブラシ状ローラ191Bを設置している。2つのブラシ状ローラ191A、191Bはいずれも伝熱板67bに当接するとともに図15(A)の時計方向に回転して、伝熱板67bに案内される記録媒体Pを伝熱板67bに向けて付勢する。
このような構成により、加圧ローラ68と転写定着ベルト27とのニップ部の近傍にて、外径の小さな第2ブラシ状ローラ191Bによって記録媒体Pを伝熱板67bに向けて付勢することができるために、ニップ部の近傍まで記録媒体Pの表面が充分に加熱されることになる。
図16及び図17にて、この発明の実施の形態10について詳細に説明する。
図16は、実施の形態10における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態7における図12に相当する図である。また、図17は、ブラシ状ローラ191を幅方向にみた断面図である。
本実施の形態10における転写定着装置は、ブラシ状ローラ191の外周面に可撓性を有する円筒部材191cが覆設されている点が、前記実施の形態7のものと相違する。
また、伝熱板67bとブラシ状部材191(円筒状部材191c)との当接位置において、記録媒体Pに対する加熱時間を充分に確保するために、円筒状部材191c及びブラシ毛191bが僅かな当接力(3〜5kgf程度である。)で充分に変形するように構成されている。
また、図17に示すように、ブラシ状ローラ191の両端部には、ブラシ状ローラ191からの円筒状部材191cの脱落や軸方向のズレを防止するためのフランジ191dが圧入されている。
詳しくは、前記実施の形態7のように、伝熱板67bとブラシ状ローラ191との当接位置に送入される記録媒体Pに、ブラシ状ローラ191のブラシ毛が摺接すると、コート紙等のように厚さの薄い記録媒体Pを通紙するときに、記録媒体Pの表面に凹凸を形成してしまい記録媒体Pの平滑性を損なってしまう可能性があった。これに対して、本実施の形態10では、ブラシ状ローラ191の外周面に可撓性を有する円筒部材191cを覆設しているために、ブラシ状ローラ191のブラシ毛191bが記録媒体Pに直接的に点接触又は線接触することがなく、ブラシ状ローラ191の円筒状部材191cが記録媒体Pにほぼ均一に面接触することになる。したがって、記録媒体Pの表面の平滑性を損なうことなく記録媒体Pを良好に加熱することができる。
これに対して、本実施の形態10では、ブラシ状ローラ191の外周面に円筒部材191cを覆設しているために、ブラシ状ローラ191のブラシ毛191bが抜け落ちたり切れたりする不具合が軽減される。
また、本実施の形態10では、ブラシ状ローラ191の表面の柔軟性が確保されているために、ブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの当接位置の下流側にブラシ状ローラ191による曲率の小さな分離部が形成されて、ブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの当接位置から記録媒体Pが送出される際の分離性を高めることができる。
これにより、必要最小限のタイミングでのみ、ブラシ状ローラ191が伝熱板67bに当接することになるため、伝熱板67bからブラシ状ローラ191に熱が伝わってブラシ状ローラ191が熱劣化する不具合が低減される。また、必要最小限のタイミングでのみ、ブラシ状ローラ191が伝熱板67bに当接して変形することになるため、ブラシ状ローラ191の円筒状部材191cやブラシ毛191bが長時間の変形によって復元しなくなる不具合を軽減することができる。
これにより、ユーザーのジャム処理作業が容易になるとともに、ジャムによって搬送停止した記録媒体Pを加熱装置67で加熱し続ける不具合もなくなる。
図18にて、この発明の実施の形態11について詳細に説明する。
図18は、実施の形態11における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態10における図16に相当する図である。本実施の形態11における転写定着装置は、ブラシ状ローラ191に覆設された円筒部材191cを直接的に加熱する点が、前記実施の形態10のものと相違する。
なお、本実施の形態11では、円筒状部材191cの加熱効率を高めるために、円筒状部材191cとして熱伝導が良くて耐熱性を有する金属ベルトが用いられている。具体的に、円筒状部材191cは、厚さが0.1mm程度のステンレスからなる金属ベルトである。
また、加熱手段121、122は、ブラシ状ローラ191と伝熱板67bとの当接位置に対して、ブラシ状ローラ191の回転方向上流側に配設されている。
図19にて、この発明の実施の形態12について詳細に説明する。
図19は、実施の形態12における転写定着装置の一部を示す構成図であって、前記実施の形態10における図16に相当する図である。本実施の形態12における転写定着装置は、伝熱板として弾性ローラ217の外周面に覆設された金属層217aが用いられている点が、前記実施の形態10のものと相違する。
ここで、本実施の形態12における伝熱板は、記録媒体Pとの接触位置において記録媒体の搬送方向と同方向(図19の反時計方向である。)に回転する弾性ローラ217の外周面に覆設された金属層217aである。また、伝熱板217b(弾性ローラ217)に対向する位置には、付勢部材(ブラシ状部材)としてのブラシ状ローラ191が設置されている。さらに、ブラシ状ローラ191は、前記実施の形態10のものと同様に、その外周面に可撓性を有する円筒状部材191cがブラシ毛191bを覆うように設けられている。
また、本実施の形態12では、弾性ローラ217(伝熱板としての金属層217a)を加熱する加熱体として、励磁コイル218が用いられている。そして、不図示の電源部から励磁コイル218に高周波交流電圧が印加されることで、伝熱板としての金属層217aが電磁誘導加熱されることになる。このように、伝熱板217a(金属層)の加熱に電磁誘導加熱を用いることで、伝熱板217a(金属層)の加熱効率が向上する。
また、弾性ローラ217とブラシ状ローラ191とは、どちらも、表面の柔軟性が確保されており、その表面硬度は同程度であるために、弾性ローラ217とブラシ状ローラ191とのニップがフラットな形状になる。したがって、厚さの薄い記録媒体Pを通紙する場合であっても、弾性ローラ217とブラシ状ローラ191とのニップを通過した記録媒体Pが熱によってカールする不具合が抑止される。
27 転写定着ベルト(転写定着部材)、
28A〜28C ローラ部材、
66 転写定着装置、
67 加熱装置、
67a 加熱体、
67b、67b1、67b2 伝熱板、
67c 電極、
67d 絶縁材、
68 加圧ローラ(加圧部材)、
91 ブラシ状部材(付勢部材)、
91a ブラシ毛、
91b 板状部材、
92 カム、
95 吸引ファン(付勢部材、吸引機構)、
96 ダクト(吸引機構)、 P 記録媒体。
Claims (14)
- 記録媒体の転写定着面にトナー像を転写するとともに定着する転写定着装置であって、
トナー像を担持する転写定着部材と、
前記転写定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
加熱体によって加熱されるとともに、前記ニップ部に向けて搬送される記録媒体を案内しながら当該記録媒体の前記転写定着面を加熱する伝熱板と、
前記伝熱板に案内される記録媒体を当該伝熱板に向けて付勢する付勢部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記伝熱板に案内される記録媒体に接触するブラシ状部材であって、中空構造のブラシ毛を有するとともに、前記伝熱板に案内される記録媒体に当該ブラシ毛を介して空気を吹き付けるように構成されたことを特徴とする転写定着装置。 - 前記ブラシ状部材は、ブラシ毛が前記ニップ部に巻き込まれるのを防止する板状部材を前記加圧部材の側に具備したことを特徴とする請求項1に記載の転写定着装置。
- 記録媒体の転写定着面にトナー像を転写するとともに定着する転写定着装置であって、
トナー像を担持する転写定着部材と、
前記転写定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
加熱体によって加熱されるとともに、前記ニップ部に向けて搬送される記録媒体を案内しながら当該記録媒体の前記転写定着面を加熱する伝熱板と、
前記伝熱板に案内される記録媒体を当該伝熱板に向けて付勢する付勢部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記伝熱板に案内される記録媒体に接触して、その接触位置において記録媒体の搬送方向と同方向に回転する単数又は複数のブラシ状ローラであって、その外周面に可撓性を有する円筒状部材が覆設され、
前記円筒状部材を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする転写定着装置。 - 前記ブラシ状ローラは、記録媒体との接触位置における線速度が記録媒体の搬送速度に対して同等以上になるように回転駆動されることを特徴とする請求項3に記載の転写定着装置。
- 記録媒体の搬送方向に対して前記ブラシ状ローラの上流側に、前記ブラシ状ローラのブラシ毛に当接するとともに記録媒体を案内するガイド部材を設けたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の転写定着装置。
- 前記ブラシ状ローラのブラシ毛に摺接して当該ブラシ状ローラをクリーニングするクリーニング部材を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の転写定着装置。
- 前記ブラシ状ローラは、前記加圧部材に摺接するように配設されたことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の転写定着装置。
- 前記円筒状部材は、低摩擦材料で形成されたことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載の転写定着装置。
- 前記付勢部材は、前記伝熱板に案内される記録媒体の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のみを当該伝熱板に向けて付勢するように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の転写定着装置。
- 前記付勢部材は、前記伝熱板に案内される記録媒体の厚さ又は種類に応じて当該記録媒体を当該伝熱板に向けて付勢する条件が可変制御されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の転写定着装置。
- 前記伝熱板に対して搬送方向上流側の位置に、前記ニップ部に向けて記録媒体を搬送するレジストローラを備え、
前記伝熱板は、案内される記録媒体の側に凸状に形成された曲面からなる案内面を具備し、
前記レジストローラの外周面の線速が、前記ニップ部の位置におけるローラ部材の線速よりも小さくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の転写定着装置。 - 前記伝熱板に対して搬送方向上流側の位置に、前記ニップ部に向けて記録媒体を搬送するレジストローラを備え、
前記伝熱板は、案内される記録媒体の側に凹状に形成された曲面からなる案内面を具備し、
前記レジストローラの外周面の線速が、前記ニップ部の位置におけるローラ部材の線速よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の転写定着装置。 - 前記伝熱板は、記録媒体との接触位置において記録媒体の搬送方向と同方向に回転する弾性ローラの外周面に覆設された金属層であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の転写定着装置。
- 請求項1〜請求項13のいずれかに記載の転写定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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