JP2001330982A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JP2001330982A
JP2001330982A JP2000146878A JP2000146878A JP2001330982A JP 2001330982 A JP2001330982 A JP 2001330982A JP 2000146878 A JP2000146878 A JP 2000146878A JP 2000146878 A JP2000146878 A JP 2000146878A JP 2001330982 A JP2001330982 A JP 2001330982A
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JP2000146878A
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English (en)
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Yasuo Yamamoto
保夫 山本
Taketoshi Azuma
武敏 東
Tetsuo Yamada
哲夫 山田
Ryosaku Igarashi
良作 五十嵐
Masanori Kobayashi
政憲 小林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘って安定して優れた画質の画像を記
録可能な画像記録方法を提供すること。 【解決手段】 トナー像担持体表面にトナー像を担持さ
せ、該トナー像担持体のトナー像が担持された表面と記
録媒体とを重ね合わせ、加熱及び加圧することによりト
ナー像担持体表面に担持されたトナー像を記録媒体表面
に転写・定着させ、該トナー像担持体及び記録媒体を重
ね合わせたまま該記録媒体表面に転写・定着されたトナ
ー像を冷却させた後、前記トナー像担持体と記録媒体と
を分離することにより記録媒体表面に画像を記録する画
像記録方法であって、前記トナー像を形成するトナーが
離型剤を含有し、該離型剤の融点が、50℃より高く、
前記トナーの軟化点よりも低いことを特徴とする画像記
録方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置に用い
られる転写同時定着方式の画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像記録装置を用
いてトナー像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写・
定着する方式の一つとして、トナー像担持体表面のトナ
ー像を間に挟むようにしてトナー像担持体に記録媒体を
重ね合わせて、これらトナー像担持体及び記録媒体に挟
まれたトナー像を加熱すると共に加圧することにより、
トナー像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写すると
共に定着する、いわゆる転写同時定着方式が知られてい
る。この転写同時定着方式は、一般に広く採用されてい
る、トナー像担持体表面のトナー像を記録媒体に静電的
に転写した後、記録媒体に転写されたトナー像を加熱定
着する方式に比べて、記録媒体の含水率の変動による抵
抗値変動に対して安定であるという利点がある。
【0003】前記転写同時定着方式を用いた技術として
は、例えば、特公昭46−41679号公報、特公平3
−63756号公報、特公平3−63757号公報、特
公平3−63758号公報等に記載されたもの等が挙げ
られる。
【0004】特公昭46−41679号公報には、記録
媒体をトナー溶融温度以上に加熱し、該記録媒体をトナ
ー像を担持する中間転写体に圧接させることにより、中
間転写体表面のトナー像を記録媒体に転写する方法が開
示されている。
【0005】特公平3−63756号公報には、中間転
写体表面のトナー像をトナー溶融温度より低い温度の加
熱ロールで背面から加熱すると共に、記録媒体をトナー
溶融温度以上に加熱しておき、上記加熱ロールとトナー
溶融温度以上に加熱した転写・定着ロールとのニップ部
で、中間転写体、トナー像、及び、記録媒体をこの順で
重ね合わせて加熱加圧することにより、トナー像を記録
媒体に転写・定着する方法及び装置が開示されている。
【0006】特公平3−63757号公報には、特公平
3−63756号公報に記載の転写定着装置における転
写・定着ロールの加熱温度を、トナー溶融温度より低い
温度とした転写定着方法及び装置が開示されている。特
公平3−63758号公報には、特公平3−63756
号公報に記載の転写定着装置における記録媒体の加熱温
度を、トナー溶融温度より低い温度とした転写定着方法
及び装置が開示されている。これらの方法においては、
加熱及び冷却のサイクルが繰り返される中間転写体にお
ける過度の加熱が抑制されるため、熱効率が向上する。
また、記録媒体やトナー像を予備加熱しているため、特
に高速記録時における加熱不足によるオフセット現象等
の定着不良が防止されるという利点がある。
【0007】しかしながら、これらの方法では、記録媒
体の裏面がトナー溶融温度以上に加熱されているか、あ
るいは、記録媒体の裏面にトナー溶融温度以上に加熱さ
れた押圧部材が接触するため、記録媒体の両面に画像記
録を行う場合に、第2面(画像記録工程において、2サ
イクル目に画像が記録される面)の画像記録時に第1面
(画像記録工程において、1サイクル目に画像が記録さ
れる面)の画像記録プロセスで転写定着済みの画像が再
溶融し、画質が劣化するという問題があった。
【0008】一方、特公昭57−20632号公報、特
公昭58−36341号公報、特公昭64−1024号
公報、特公昭64−1027号公報、特開平6−278
33号公報、特開平8−248828号公報には、中間
転写体表面のトナー像をトナーの溶融温度以上に加熱し
た中間転写体を記録媒体と圧接させるか、あるいは、中
間転写体の裏側に配置した熱源で中間転写体表面のトナ
ー像を加熱しながら記録媒体に圧接させることによりト
ナー像を記録媒体に転写定着する方法が開示されてい
る。これらの方法では、記録媒体裏面が過度に加熱され
ることがないため、両面に画像記録を行う場合の第1面
の転写定着画像が第2面の転写定着時に再溶融して画質
が劣化するのを防止することができる。特に、特開平6
−27833号公報、特開平8−248828号公報に
開示されている方法では、加熱冷却サイクルが繰り返さ
れる中間転写ベルトを主に加熱しているにもかかわら
ず、中間転写ベルトが転写定着部で加熱された後現像部
に戻る途中の高温の中間転写ベルトと、現像部から転写
定着部に移動する途中の低温の中間転写ベルトとの間で
熱交換を行っているので熱効率が向上し消費電力を低減
させる効果がある。
【0009】しかしながら、上記のいずれの方法におい
ても、記録媒体裏面の圧接体には加熱手段が備えられて
いないため、記録媒体が多量の熱を奪い記録媒体と接す
る面のトナー流動性が低下して、特に高速で連続画像記
録を続けているうちに定着不良を起こし易くなるという
問題があった。
【0010】また、転写同時定着方式に属する方法とし
ては、特開平5−19642号公報、特開平5−249
798号公報に記載の技術が挙げられる。特開平5−1
9642号公報および特開平5−249798号公報に
は、加熱加圧された中間転写体、トナー像および記録媒
体を重ね合わせて保持したまま冷却を行い、冷却後、ト
ナー像が形成された記録媒体を中間転写体から分離する
方法が開示されている。これらの方法では、トナーの凝
集力、トナーと記録媒体との接着力が十分大きい状態と
なってから記録媒体を中間転写体から分離しているた
め、転写同時定着方式以外のカラー電子写真方式におけ
る定着工程で通常用いられる離型オイルを用いる必要が
ない。従って、離型オイルの使用に起因する、画像記録
後の記録媒体への筆記具等による加筆が困難であるとい
う問題や、記録媒体表面でのオイル筋の発生等による不
具合を回避することができる。また、記録媒体表面に形
成されたトナー像の光沢は、中間転写体の表面形状にな
らうため、所望の表面形状を有する中間転写体を用いる
ことにより任意の光沢度を有する画像を得ることができ
るという利点もある。
【0011】しかし、上記の方法により、記録媒体とし
て表面が樹脂でコートされたコート紙、特に両面が樹脂
でコートされた両面コート紙を用いて画像記録を行おう
とすると、記録媒体内の水分が加熱により蒸発して水蒸
気となり、その水蒸気が、記録媒体と中間転写体と間の
接着力の弱い部分から局所的に放出され、その周辺にお
いてトナー像が十分冷却される前に中間転写体と記録媒
体との分離が始まってしまう。このため、中間転写体と
記録媒体とが早い時期に分離した部分と、充分冷却して
から分離した部分との間に画像表面の光沢度に差が生
じ、光沢むらとして認識されるという問題があった。
【0012】この光沢むらの問題を解決するためには、
例えば、特開平5−27603号公報に例示されている
ように、転写定着部の下流側にトナー像が充分冷却され
て水蒸気が再び凝集するにいたるまで充分な加圧状態が
保たれるような冷却装置を設けることが有効である。し
かしながら、この方法では、冷却装置と中間転写体との
摩擦が大きくなり、中間転写体を駆動するために大きな
動力を必要とするという問題があった。またこの方法に
より、特に高速で画像記録を行うためには、加圧状態を
保つべき距離あるいは面積を大きくしなければならず、
移動する中間転写体と記録媒体とを均一に加圧すること
が困難となり、中間転写体と記録媒体との相対的なずれ
による画像ずれや、不均一な加圧に起因する画像乱れが
生じ易いという問題があった。
【0013】前記問題の解決方法として、特開平11−
65330号公報では、熱利用効率の優れた転写定着装
置を提案している。しかし、特開平11−65330号
公報に記載のトナー特性では、多数枚の画像出力時にお
ける画質の安定性に問題があった。これは、転写定着部
材の表面には定着の為のオイル供給がなく、このため、
転写定着部剤における多数枚の画像出力に対しての記録
媒体との剥離強度の経時変化が大きく、トナー成分が部
分的に転写定着部材に固着・残存し、表面の平滑性が低
下するためであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題等を解決し、以下の目的を達成することを
課題とする。即ち、本発明は、長期に亘って安定して優
れた画質の画像を記録可能な画像記録方法を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情等に鑑み、多数枚の画像出力の安定性を確保べく鋭意
研究した結果、下記手段により、前記課題を解決するに
至った。即ち、前記課題を解決するための手段として
は、以下の通りである。
【0016】トナー像担持体表面にトナー像を担持さ
せ、該トナー像担持体のトナー像が担持された表面と記
録媒体とを重ね合わせ、加熱及び加圧することによりト
ナー像担持体表面に担持されたトナー像を記録媒体表面
に転写・定着させ、該トナー像担持体及び記録媒体を重
ね合わせたまま該記録媒体表面に転写・定着されたトナ
ー像を冷却させた後、前記トナー像担持体と記録媒体と
を分離することにより記録媒体表面に画像を記録する画
像記録方法であって、前記トナー像を形成するトナーが
離型剤を含有し、該離型剤の融点が、50℃より高く、
前記トナーの軟化点よりも低いことを特徴とする画像記
録方法である。
【0017】前記離型剤の融点としては、前記トナー像
担持体と記録媒体とを分離する際における前記トナー温
度よりも低いのが好ましい。前記画像記録方法において
は、外部からオイル供給がなく、前記トナーにおける前
記離型剤の含有量が、5重量%未満であるのが好まし
い。前記トナーにおける前記離型剤の平均(数平均)分
散単位としては、1μm以下が好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の画像記録方法において
は、トナー像担持体表面にトナー像を担持させ、該トナ
ー像担持体のトナー像が担持された表面と記録媒体とを
重ね合わせ、加熱及び加圧することによりトナー像担持
体表面に担持されたトナー像を記録媒体表面に転写・定
着させ、該トナー像担持体及び記録媒体を重ね合わせた
まま該記録媒体表面に転写・定着されたトナー像を冷却
させた後、前記トナー像担持体と記録媒体とを分離する
ことにより記録媒体表面に画像を記録する。
【0019】尚、以降の本発明の説明において、トナー
像担持体表面にトナー像を担持させる工程を「トナー像
担持工程」と、該トナー像が担持されたトナー像担持体
と記録媒体とを重ね合わせ、加熱及び加圧することによ
りトナー像担持体表面に担持されたトナー像を記録媒体
表面に転写・定着させる工程を「転写・定着工程」と、
該トナー像担持体及び記録媒体を重ね合わせたまま該記
録媒体表面に転写・定着されたトナー像を冷却させる工
程を「冷却工程」と、前記トナー像担持体と記録媒体と
を分離する工程を「分離工程」と称することがある。
【0020】以下に、本発明の好ましい実施形態を、本
発明に好適に適用可能な画像記録装置を表す概略構成図
を参照しながら説明する。但し本発明は、何ら以下の実
施形態に限定されるものではない。
【0021】図1の画像記録装置(カラー画像記録装
置)100において、トナー像担持体としての中間転写
体1は、駆動ロール2と、分離ロール8と、テンション
ロール6a,6bと、によって張架されている。中間転
写体1の周りには、図1に示す矢印A方向に順次、トナ
ー像担手段としての電子写真感光体5と、アルミニウム
ブロック31(予備加熱部30)と、加熱部材3と、記
録媒体加熱ロール20a,20bと、記録媒体Sを転写
位置P(後述する転写・定着ロール4a,4bによって
形成されるニップ部周辺)に供給する記録媒体供給器5
0と、転写・定着ロール4a,4bと、アルミニウムブ
ロック32(予備加熱部30)と、記録媒体搬出器51
と、が配されている。以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】[トナー像担持工程]前記トナー像担持工
程においては、中間転写体1表面にトナー像Tを担持さ
せる。
【0023】中間転写体1は、駆動ロール2の回転によ
り矢印A方向に周動する。中間転写体1は、ベース層と
表面層とから成る2層構造の構成を有した無端ベルト形
状を有する。前記ベース層としては、厚みが75μmで
あり、その材質としては、カーボンブラックを添加した
ポリイミド樹脂が用いられている。また、前記表面層と
しては、厚みが50μmであり、その材質としては、室
温硬化型シリコーンゴムが用いられている。
【0024】但し、本実施形態においては、中間転写体
の形状が無端ベルトの形状であるが、本発明において、
中間転写体の形状としては、周動し得る形状であれば特
に制限はなく、前記無端ベルト形状のほか、ロール形状
等も挙げられ、記録媒体との分離(後に詳述)が容易な
点で、無端ベルト形状が特に好適である。中間転写体
が、無端ベルト形状の場合、その材質としては、前述の
材質のほか、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等
の通常の無端ベルト形状のトナー像担持体に用いられる
公知の材質が好適に挙げられる。又、中間転写体が、ロ
ール形状の場合、その材質としては、例えば、アルミニ
ウム、ステンレス鋼等の通常用いられる材質が挙げら
れ、その構成も通常のトナー像担持体における構成が挙
げられる。更に又、本実施形態においては、トナー像担
持体が中間転写体の場合であるが、本発明におけるトナ
ー像担持体としては、これに限定されず、例えば、感光
体であって、表面に静電潜像が形成され、該静電潜像が
一次帯電・露光・現像の一連の工程により顕像化される
トナー像が担持されるものでもよい。又、前記トナー像
担持体としては、中間転写体であって、一次帯電・露光
・現像の一連の工程により感光体表面に形成されたトナ
ー像に、静電気力・圧力・粘着力等を作用させることに
より該トナー像が担持されるものでもよい。更に、前記
トナー像担持体としては、誘電体であって、その表面に
電子銃・イオン銃等により静電潜像が形成された後、現
像工程が施されてトナー像が担持されるものであっても
よい。トナー像担持体がこれらの場合であっても、その
形状・材質等としては、中間転写体1の説明において既
に述べた形状・材質等が好適である。但し、トナー像担
持体が感光体である場合には、公知の感光層が表面に形
成される。
【0025】中間転写体1が周動する速度としては、1
60mm/s程度であり、200mm/s以上が好まし
い。特に、本発明において、高速での画像記録を目的と
する場合には、260mm/s程度が好適である。
【0026】トナー像Tは、電子写真感光体5によって
中間転写体1表面に担持される。トナー像Tとしては、
単色トナー像でもよく、イエロー、マゼンタ、シアン、
黒のトナー像が重ね合わされて形成された多重トナー像
であってもよい。
【0027】トナー像Tを形成するトナーは、離型剤を
含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。前記離
型剤の融点としては、50℃より高いことが必要であ
り、60℃より高いのが好ましい。前記離型剤の融点が
50℃未満では、トナー保管時の粉体特性・凝集性が悪
化したり、離型剤における低分子量成分がトナー粒子表
面へブリード等することにより、粉体流動が悪化した
り、帯電特性が悪化し、実用に耐えられないことがあ
る。尚、前記離型剤の融点は、DSC法(示差熱分析)
による分析により、サンプル量が10mg、測定温度範
囲が室温(20℃)〜150℃の範囲、昇温が10℃/
minの条件で昇温し、得られたデータの吸熱ピークの
値を指し、吸熱ピークが複数本ある場合には、吸熱カー
ブの面積の最も大きい吸熱ピークを指す。
【0028】前記離型剤としては、その融点が、前記ト
ナーの軟化点よりも低いことが必要である。尚、前記ト
ナーの軟化点は、フローテスター法により測定すること
ができる。本発明においては、荷重1kgf/cm2
昇温速度10℃/min.で、0.5mmφ×1mm厚
のダイを通過させたとき、1×103Pa・sとなった
ときの温度をトナーの軟化点とした。
【0029】前記融点が、前記トナーの軟化点よりも低
いと、加熱時に離型剤が先行して溶融し、トナー像担持
体とトナー像との間に薄く皮膜を形成するため、記録媒
体への転写時にトナー像が簡単に転写されるため、優れ
た転写率でトナー画像が転写される。更に、離型剤が薄
くトナー像担持体表面に残り、これが保護層として作用
するため、画像記録装置のライフが長くなり好ましい。
又、高速で画像記録が可能となり、画像乱れを防ぐこと
が可能となる。
【0030】又、後述の「転写・定着工程」において、
定着時の離型効果を上げるためには、トナーが溶融した
際に離型剤が十分に溶融していなければならないが、前
記離型剤の融点が前記トナーの軟化点以上の場合には、
それ以上の温度になるよう加熱することが必要となる。
このため、転写・定着工程におけるトナーの溶融粘度が
かなり低下し、その結果、転写・定着時において、記録
媒体への染込みが大きくなり、定着画像のミクロなグロ
スの不均一性が生じてしまう。
【0031】更に、前記離型剤の融点が、トナーの軟化
点以上であると、溶融混練法によってトナーを製造する
際に、トナー樹脂が先に溶融しても、離型剤が溶融され
ずに残ってしまうか、あるいは、溶融されたとしても樹
脂の粘度が低下してしまうため、混練トルクがかかり難
く、トナー中の離型剤の分散単位が大きくなり、透明性
が悪化してしまう。
【0032】更に又、後述の「分離工程」において、ト
ナー像担持体と記録媒体とを分離する際においては、離
型剤が充分に冷却・固化されているのが好ましく、かか
る観点より、前記離型剤の融点としては、トナー像担持
体と記録媒体とを分離する際のトナー温度よりも低いの
が好ましい。
【0033】前記画像記録方法においては、外部からオ
イル供給がなく、前記トナーにおける前記離型剤の含有
量が、5重量%未満であるのが好ましく、3重量%未満
であるのがより好ましい。
【0034】従来、2ロール式の定着方式で定着するオ
イルレストナーとしては、離型剤添加トナーの離型剤添
加量が5重量%以上のものが公知である。この定着方式
においては、定着ロールに挟み込まれ、該定着ロールに
接触して通過する短時間内にワックスを溶融させる必要
があるため、充分なオイルレス適性を得るためには、離
型剤の添加量を多くする必要がある。しかし、前記離型
剤を5重量%以上添加すると、定着時に過剰な離型剤成
分が残存したり、中間転写ベルト表面の汚染レベルが悪
化したり、更には、記録媒体(用紙、OHP等)との定
着画像強度、色の発色性の関連から離型剤の添加量の上
限が決定される問題がある。又、前記離型剤とトナーの
結着樹脂との相溶性が悪いため、従来の離型剤の分散制
御技術を用いても、離型剤の分散単位を後述の数値範囲
内に調節するのは困難であり、光学的散乱が起こり易く
なり、カラートナーの定着画像の発色性が低下する問題
がある。
【0035】一方、本発明における転写・定着工程で
は、後述の如く、予めトナー像を予備加熱することが可
能である。かかる予備加熱をすれば、トナーに含有され
る離型剤が他の成分に先行して溶融・液状化し、記録媒
体に接触する前に離型剤を充分溶融させることができ
る。従って、前述のように少ない離型剤の添加量で、充
分な離型効果を発現させることができ、前述の問題も生
じない。
【0036】前記トナーにおける前記離型剤の平均(数
平均)分散単位としては、1μm以下が好ましく、0.
5μm以下がより好ましい。
【0037】前記離型剤の添加量が5重量%未満であ
り、かつ、前記平均(数平均)分散単位が、1μm以下
であれば、カラートナーの定着画像の発色性を低下させ
ずに、トナーの粒子のそれぞれに、できる限り前記離型
剤を分散させ、トナーの光学的散乱を低減させることが
可能となる。
【0038】前記離型剤としては、植物系天然ワック
ス、エステルワックス、オレフィン系ワックス、アルコ
ール系ワックス等が好適に挙げられる。前記植物系天然
ワックスとしては、具体的には、カルナバワックス、ラ
イスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ等が挙げ
られる。前記エステルワックスとしては、具体的には、
脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、オキシ酸エステ
ル、フタル酸エステル、カルボン酸エステル、脂肪族ア
ルコールエステル、高級アルコールエステル等が挙げら
れる。前記オレフィン系ワックスとしては、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。前
記アルコール系ワックスとしては、例えば、脂肪族アル
コール、多価アルコール系等が挙げられる。そのほか、
シリコーン系ワックス、硬化ひまし油、植物系硬化油、
等の油脂系ワックスが挙げられる。
【0039】前記離型剤としては、極性基のあるものが
好ましく、その酸価としては、特に、前記トナーの結着
樹脂として後述のポリエステル樹脂を用いる場合、1
(KOHmg/g:JISK5902準拠)以上が好ま
しい。
【0040】前記トナーに含有されるその他の成分とし
ては、結着樹脂、着色剤等が挙げられる。前記結着樹脂
としては、公知の結着樹脂が好適に使用可能である。例
えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルトルエ
ン、クロルスチレン、アミノスチレン等のスチレン及び
その誘導体、あるいは置換体の単独重合体、共重合体、
メタクリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類の単独又は共重合
体、アクリル酸及びメチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル
酸エステル類の単独又は、共重合体、ブタジエン、イソ
プレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテ
ル類、無水マレイン酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビ
ニル系単量体等のビニル系単量体の単独又は、他の単量
体との共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレ
タン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、軟化
点及び定着後の画像強度の点から、ポリエステル樹脂が
特に好ましく、多価アルコールと多塩基性カルボン酸と
の反応によって製造することができる。
【0041】前記ポリエステル樹脂を構成する多価アル
コールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール
等のジオール類、水素添加ビスフェノールA、ポリオキ
シプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールA
アルキレンオキサイド付加物、その他の2価のアルコー
ル等が挙げられる。
【0042】前記ポリエステル樹脂を構成する多塩基性
カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、
メタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルンボン酸、コ
ハク酸、これらの酸無水物、アルキルエステル、その他
の2塩基性カルボン酸等が挙げられる。
【0043】前記ポリエステル樹脂の中でも、エトキシ
化ビスフェノール型ジオール及びプロポキシ化ビスフェ
ノール型ジオールと、芳香族ジカルボン酸又はその酸無
水物若しくはそのエステルと、を主モノマー成分とし、
更に、アルキルコハク酸又はその酸無水物若しくはその
エステル及びアルケニルコハク酸又はその酸無水物若し
くはそのエステルから選択された少なくとも1種を全モ
ノマー量の5〜25モル%含有し、モノマーとして、エ
トキシ化ビスフェノール型ジオール及びプロポキシ化ビ
スフェノール型ジオールと、芳香族ジカルボン酸又はそ
の酸無水物もしくはそのエステルと、を主モノマー成分
とし、更に、アルキルコハク酸又はその酸無水物若しく
はそのエステル及びアルケニルコハク酸又はその酸無水
物若しくはそのエステルから選択された少なくともいず
れかを少量成分として用いて製造された樹脂が特に好適
である。
【0044】前記エトキシ化ビスフェノール型ジオール
及びプロポキシ化ビスフェノール型ジオールは、ビスフ
ェノールをエトキシ化、並びに、プロポキシ化したもの
であって、ビスフェノール1モル当たり2〜3モルのオ
キシエチレン又はオキシプロピレンを有するもの等が挙
げられ、例えば下記一般式(1)で示される。
【0045】一般式(1)
【化1】
【0046】一般式(1)中、Rはエチレン基又はプロ
ピレン基、x及びyは、1以上の整数であり、且つx+
yの平均値は2〜7である。
【0047】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチ
レン(1,5)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオ
キシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジクロロフ
ェニル)プロパン等が挙げられる。これらのエーテル化
ビスフェノール型ジオールは、ジフェノールにエチレン
オキシド又はプロピレンオキシドを直接付加するか、あ
るいはオレフィンハロヒドリンとジフェノールとを反応
させて製造することができる。前記エトキシ化ビスフェ
ノール型ジオールとプロポキシ化ビスフェノール型ジオ
ールとの割合(エトキシ化ビスフェノール型ジオール/
プロポキシ化ビスフェノール型ジオール)としては、1
/10〜10/1が好ましく、1/4〜4/1がより好
ましい。
【0048】前記ポリエステル樹脂の製造には、その他
のアルコール成分として、本発明のを妨げない範囲にお
いて、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族系アルコール類を用いることができる。
【0049】一方、前記芳香族ジカルボン酸としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族カル
ボン酸が挙げられる。またそれらのエステルとしては、
上記ジカルボン酸の低分子アルコールエステル、例え
ば、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イ
ソフタル酸ジメチル等を挙げることができる。また、前
記アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、それらの
無水物、及びエステルとしては、例えば、n−ブチルコ
ハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、
イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オ
クテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセ
ニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニル
コハク酸、それらの無水物、低級アルキルエステル等が
挙げられる。これらの成分を用いれば、トナー粉体の凝
集性を抑制でき、定着時の記録媒体への定着画像の染み
込みを防止することができる。
【0050】3価以上の多価カルボン酸、その酸無水
物、その低級アルキルエステルとしては、1,2,4−
ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,
5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレン
トリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレ
ンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ
ル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、及びこれらの酸無
水物又はその低級アルキルエステル化合物等が挙げら
れ、特にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、それらの酸無水物、メチルエステル化合物、エチル
エステル化合物等が好ましい。
【0051】3価以上のアルコール成分としては、ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリストール、ジペンタエリスト
ール、トリペンタエリストール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロ
ール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0052】これらの3価以上の多価カルボン酸、その
酸無水物、その低級アルキルエステル、及び/又は、3
価以上のアルコール成分から選択された少なくとも1種
の、トナー樹脂における全モノマー量の割合としては、
10モル%未満が好ましく、その添加量は、下記分子量
の数値範囲内となるように調整される。前記ポリエステ
ル樹脂の分子量としては、THF(テトラヒドロフラ
ン)溶媒可溶成分として、重量平均分子量(Mw)で、
1〜15万が好ましく、3〜12万がより好ましい。前
記重量平均分子量(Mw)が、1万未満では、定着像強
度が弱くなり、特にカラー画像の定着像の保存性におい
て問題となることがある。一方、前記重量平均分子量
(Mw)が、15万を超えると、トナー画像の定着時に
おいて、多大な熱エネルギーが必要となり、定着装置へ
の負荷が大きく、安定した定着画像を出力することが困
難なことがある。
【0053】トナーに含有される前記着色剤としては、
公知の染料、顔料等が好適に挙げられる。例えば、シア
ン色材としてC.I.ピグメントブルー15:3、マゼ
ンタ色材としてC.I.ピグメントレッド57:1、1
22、238、イエロー色材としてC.I.ピグメント
イエロー180、185、17、74が、ブラック色材
としてカーボンブラック等が好適に挙げられる。
【0054】前記カーボンブラックとしては、電子顕微
鏡観察による平均一次粒子径(D50)が、35〜50n
mのものが好適である。前記平均一次粒子径(D50
が、35nm未満では、演色性が生じる(即ち、光源を
代えた場合に色調が変化し、特に中間色(灰色)の再現
色が光源により変化してしまう)ため、安定した質感が
得られないことがあり、一方、50nmを超えると、着
色力が劣るため、トナー中に含有させる必要添加量が多
くなり、適度な帯電量を得ることが困難となる。又、カ
ーボンブラックは、通常ファーネス法により製造される
が、この方法で50nm以上の平均粒径のものを製造す
るためには、加熱温度を低く抑える必要があり、加熱温
度を低く抑えると、発癌性物質が残存し易くなり安全性
に問題が生ずる場合がある。前記カーボンブラックのト
ナーにおける含有量としては、特に制限はないが、通
常、2.0〜10重量%が好ましく、3.0〜6.0重
量%がより好ましい。また、前記カーボンブラック以外
の色材を用いる場合には、前記含有量としては、2.0
〜10重量%が好ましい。その際の色材の粒子の平均一
次粒子径(D 50)としては、100nm以下が好まし
い。
【0055】前記トナーには、更に、その他の成分とし
て、例えば、サリチル酸金属塩、含ホウ素化合物、四級
アンモニウム塩等の電荷制御剤や、チクソトロピー性を
得るために、シリカ、チタニア等の無機酸化物微粒子等
を含有させることができる。更に、前記トナーには、シ
リカ、チタニア、アルミナ等の流動化剤、ポリスチレン
微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリ弗化ビ
ニリデン微粒子等の転写助剤、クリーニング助剤等の外
添剤を添加することもできる。また、帯電制御の目的等
で、従来公知のトナー用外添剤を使用することができ
る。
【0056】前記トナーの製造方法としては、従来公知
の加熱溶融混練・粉砕・分級により製造される方法、及
び、溶液中で作製される湿式製法等が好適に挙げられ
る。
【0057】[転写・定着工程]前記転写・定着工程に
おいては、中間転写体1のトナー像Tが担持された表面
と記録媒体Sとを重ね合わせ、加熱及び加圧することに
より中間転写体1表面に担持されたトナー像Tを記録媒
体S表面に転写・定着させる。
【0058】本工程においては、先ず、前記トナー像担
持工程によりトナー像Tが担持された中間転写体1が図
1の矢印A方向に周動し、トナー像Tを転写定着位置P
に搬送する。ここで、トナー像Tは、中間転写体1の周
動に伴い、予備加熱部30(アルミニウムブロック3
1)により、中間転写体1の裏面1b側から予備加熱さ
れる。
【0059】予備加熱部30は、転写位置Pより上流側
における、中間転写体1の裏面1b側に配されたアルミ
ニウムブロック31と、転写位置Pより下流側におけ
る、中間転写体1の裏面1b側に配されたアルミニウム
ブロック32と、アルミニウムブロック31及び32を
連結しこれらのアルミニウムブロック間で熱輸送可能な
ヒートパイプ33と、を有する。予備加熱部30におい
て、アルミニウムブロック31と、アルミニウムブロッ
ク32と、ヒートパイプ33と、は、それぞれが分割可
能な構成となっている。
【0060】アルミニウムブロック31及び32は、中
間転写体1の周動方向(矢印A方向)に沿った曲率半径
800mmの曲面形状を有し、それぞれ4つのブロック
からなる。アルミニウムブロック31及び32の各ブロ
ック間には、スペーサーとして、10mm角、厚さ0.
5mmのテフロン(商品名)シートが挿入され、相互に
結合されている。アルミニウムブロック31及び32に
は、それぞれのブロックに、中間転写体1の周動方向
(矢印A方向)に直交しかつ中間転写体1と平行に、ヒ
ートパイプ33が挿通され貫通孔が形成されている。ヒ
ートパイプ33は、アルミニウムブロック31及び32
のそれぞれの貫通孔に挿通されて密閉された管路を形成
しており、高温側のアルミニウムブロックと低温側のア
ルミニウムブロックとの間で、作動液が循環自在に流通
するように構成されている。
【0061】画像記録装置100の作動に伴い、転写位
置Pより下流側における中間転写体1は、後述の加熱手
段等の作用によって、転写位置Pより上流側における中
間転写体1より高温となる。したがって、ヒートパイプ
33は、高温側のアルミニウムブロック32の熱を、低
温側のアルミニウムブロック31(転写位置Pより上流
側の中間転写体1)に輸送し得る。
【0062】このように、アルミニウムブロック31と
アルミニウムブロック32との間でヒートパイプ33に
よる熱輸送が行われ、アルミニウムブロック31に接す
る中間転写体1及びトナー像Tが予備加熱されると共
に、アルミニウムブロック32に接する中間転写体1、
トナー像T及び記録媒体Sが冷却される。
【0063】但し、本発明において予備加熱をする場合
には、予備加熱部の構成としては、上記構成に限定され
るものではない。
【0064】中間転写体1表面に担持されたトナー像T
は、予備加熱部30におけるアルミニウムブロック31
により、裏面1b側から予備加熱された後、転写位置P
よりも上流側において、中間転写体1の裏面1b側に接
して配置された、第1の加熱手段である加熱部材3によ
ってトナー溶融温度以上の温度に加熱される。
【0065】尚、本発明において、トナー溶融温度と
は、加圧成形機にて成形した1.3gのトナーを、市販
のフローテスタ(島津製作所製:CFT−500)を用
いて、昇温速度5℃/分で、温度70〜150℃の範囲
で3℃きざみで昇温させながら、荷重98N(10kg
f)、ノズル直径0.5mm、ノズル長さ1mmのノズ
ルから押し出した場合のトナー流出量を測定し見掛け粘
度η’(Pa・s)を求め、この見掛け粘度η’が10
3Pa・sとなる温度を指す。
【0066】加熱部材3は、曲率半径が800mm、曲
面の長さが120mm、厚みが2mmの曲面形状をした
アルミニウム板3aに、シリコーンラバーヒータ3bが
貼付された構成であり、175℃に制御されている(ト
ナー像Tを形成するトナーの溶融温度:130℃)。前
記第1の加熱手段は、このように、トナーの溶融温度以
上に制御されていることが好ましく、本発明において
は、トナーによっても異なるが、通常100〜200℃
程度が好ましい。
【0067】加熱部材3は、図1に示すように、中間転
写体1の裏面1bに接し、トナー像Tを裏面1b側から
加熱し得るように配されていてもよく、中間転写体1の
表面1a側に、トナー像Tを乱さないよう表面1aから
離れて配されていてもよい。更に、中間転写体1が、自
己発熱体により構成され、中間転写体1自身から発熱す
る構成のものでもよい。
【0068】加熱部材3が中間転写体1の表面1a側に
配されている場合、加熱部材3によってトナー像Tが乱
れるのを防止するため、加熱部材3としては、非接触式
の加熱手段、例えば、輻射熱を利用する加熱手段である
のが好ましい。また、トナー像Tが複数の色からなる多
重トナー像である場合は、トナーの吸光特性の差による
加熱むらが生じないよう、加熱部材3としては、遠赤外
線加熱方式の加熱部材が好ましい。但し、中間転写体1
と中間転写体1表面に担持されたトナー像Tとを、予め
トナー溶融温度以上に加熱可能な構成であれば、前記の
構成に限らずいかなる構成の加熱部材を用いてもよい。
また、加熱部材は、1種単独の部材でもよく、2種以上
の部材を組み合わせたものであってもよい。
【0069】加熱部材3による中間転写体1及び中間転
写体1表面に担持されたトナー像Tの加熱時間として
は、双方がトナー溶融温度以上に加熱されるだけの時間
以上であれば特に制限はないが、特に、トナー像Tが、
場所によって厚さが異なる多重のカラー画像の場合、ト
ナーの溶融むらを防止するため、中間転写体1とトナー
像Tとの厚さ方向における温度分布ができるだけ一様に
なるよう、充分な加熱時間をとるのが好ましい。中間転
写体1及びトナーの材質、厚み、加熱手段等によっても
異なるが、前記加熱時間としては、具体的には、0.3
秒以上であるのが好ましい。
【0070】本工程においては、前述のように、転写・
定着の前に、トナー像担持体としての中間転写体1及び
トナー像Tを広い領域に亘って予備加熱等することが可
能である。したがって、トナー像Tの転写性に優れ、画
像乱れがなく、優れた画質の画像を記録可能である。特
に、予備加熱することにより、高速で、優れた画質の画
像を記録することが可能となる。
【0071】本実施形態において、記録媒体Sは、坪量
が129g/m2のアート紙(王子製紙(株)製:OK
スーパーアート紙)であるが、本発明において、記録媒
体としては特に制限はなく、普通紙、コート紙、厚紙、
はがき等の記録用紙のほか、金属板、木製の板、織物、
樹脂シート等、トナー像の加熱・加圧により画像を記録
することができるものであれば特に制限はない。
【0072】尚、コート紙とは、用紙基材に樹脂を結着
剤とした顔料塗工層を設けた用紙を指し、顔料塗工層片
面あたりの塗工量が20g/m2前後であるものをい
う。前記コート紙の基材としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、広く知られている酸性又は中性の
上質紙や中質紙、更紙、再生紙、合成紙等が挙げられ
る。これらに使用される填料は、特に限定されるもので
はなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チ
ョーク等の炭酸カルシウム類;カオリン、焼成クレー、
パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸
類;二酸化チタン等の無機填料;尿素樹脂、スチレン等
の有機顔料;等が挙げられる。又、これらに使用される
サイズ剤も、特に限定されるものではなく、例えば、ロ
ジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、
中性サイズ剤等のサイズ剤が挙げられ、硫酸バンド、カ
チオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組
み合せて用いられる。このほか、紙力増強剤、染料、p
H調整剤等が添加されていてもよい。
【0073】前記顔料塗工層としては、例えば、白色顔
料塗工層の場合、その顔料としては、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミ
ニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカ
ーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリ
ン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメ
クサイト等の鉱物質顔料;ポリスチレン樹脂微粒子、尿
素ホリマリン樹脂微粒子、微小中空粒子やその他の有機
系顔料;等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で
使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】前記顔料を結着するための樹脂としては、
水溶性接着剤、エマルジョン、あるいは、ラテックス等
が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2
種以上を併用してもよい。例えば、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、澱粉類、ゼラチン、カ
ゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸アミドーアクリル酸−メタクリル酸3元共重
合体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マ
レイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース等の水溶性
接着剤;アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマル
ジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステル系
エマルジョン等のエマルジョン;スチレン−ブタジエン
ラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテックス
等のラテックス;等が挙げられる。
【0075】記録媒体Sは、記録媒体供給器50におけ
る記録媒体トレイ50aに収容されており、記録媒体供
給ローラ50b,50c,50d,50eの作動によ
り、転写位置Pに供給される。尚、記録媒体Sが、転写
位置Pに供給される手前の位置には、記録媒体Sをトナ
ーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段であ
る記録媒体加熱ロール20a、20bが配置されてお
り、これらは記録媒体がコート紙である場合にのみ、作
動するように制御されるのが好ましい。このように制御
することにより、記録媒体として普通紙が用いられる場
合には、コート紙におけるような樹脂コート層による記
録用紙内の水分による画像光沢むらの問題がなく、転写
定着工程前に記録用紙を乾燥しておく必要がないため、
記録媒体加熱ロール20a,20bの作動を停止させる
ことが可能である。
【0076】記録媒体加熱ロール20a,20bとして
は、いずれもアルミニウム製のロール基体表面に厚み2
mmのシリコーンゴム層を被覆して形成されたロールが
用いられている。記録媒体加熱ロール20a,20bの
内部には、加熱温度が90℃に制御されたハロゲンラン
プ7a及び7bが配置されており、トナー像Tはその溶
融温度(130℃程度)未満の温度に加熱される。記録
媒体加熱ロール20a,20bによる圧接時のニップ幅
としては、ロール長手方向の中央部で6mmである。
【0077】尚、本実施形態においては、第2の加熱手
段として、一対の記録媒体加熱ロールが用いられている
が、本発明においては、記録媒体Sが転写位置Pに供給
される手前の位置で、記録媒体Sをトナーの溶融温度未
満の温度に加熱し得る構成であれば制限はなく、例え
ば、加熱ヘッドと押圧パッドとを組み合わせた構成等で
もよい。また、加熱手段の熱源についても、その加熱方
式や配置位置等は特に限定されない。特に、第2の加熱
手段としては、図2に示すように、前記予備加熱部を応
用した構成のものも好適である。
【0078】図2は、図1に示した画像記録装置100
における転写・定着ロール4a、4bに相当する転写・
定着ロール4c,4dと、その周辺の部材と、を有する
転写・定着部200を表した概略構成図である。従っ
て、図2に示す転写・定着部200は、図1の対応箇所
に置き換えて適用可能なものである。図2の転写・定着
部200においては、記録媒体S’が転写位置P’に供
給される手前の位置には、記録媒体S’の供給方向に沿
って、記録媒体S’の表裏の各面にそれぞれ接する回転
ベルト45及び46が配されている。回転ベルト45
は、内部にハロゲンランプ7を有する加熱ローラ41と
断熱ローラ42とによって張架され、回転ベルト46
は、2本の断熱ローラ43と断熱ローラ44とによって
張架されている。回転ベルト46において、記録媒体
S’と接するベルト面の裏面側には、アルミニウムブロ
ック31’が接触して配されている。アルミニウムブロ
ック31’は、3つのブロックから構成され、各ブロッ
クが、3本のヒートパイプ33’にそれぞれ接続されて
いる。更に、ヒートパイプ33’はそれぞれ、中間転写
体1’の周動方向Bに対し、転写位置P’よりも下流側
に配された3つのアルミニウムブロック32’に各々接
続されている。これらの接続は、図1におけるアルミニ
ウムブロック31とアルミニウムブロック32との関係
と同様である。従って、アルミニウムブロック32’の
熱がヒートパイプ33’により、アルミニウムブロック
31’に輸送されるため、転写位置P’の手前の位置を
通過する記録媒体S’をトナーT’の溶融温度未満の温
度に好適に加熱することが可能となる。
【0079】尚、転写・定着部200においては、アル
ミニウムブロック31’は、アルミニウムブロック3
2’よりも鉛直方向に対し上方に位置するように各部材
が配されている。このように配することにより、転写・
定着後の中間転写体1’と、転写位置P’に供給される
前の記録媒体S’との間のヒートパイプ33’による熱
交換が効率よく行われる。かかる構成により、アルミニ
ウムブロック31’に接する中間転写体1’及びトナー
像T’が予備加熱されると共に、アルミニウムブロック
32’に接する中間転写体1’、トナー像T’及び記録
媒体S’が冷却される。
【0080】本工程においては、このように、転写・定
着の前に、上記第2の加熱手段を設けることができる。
これより、記録媒体として、コート紙を用いても、樹脂
コート層による記録用紙内の水分から生ずる画像光沢む
ら等を抑えることが可能となる。
【0081】図1において、中間転写体1は、記録媒体
加熱ロール20a,20bにより加熱された後、転写位
置Pに配置された転写・定着ロール4a,4bのニップ
部に到達する。画像記録装置100においては、不図示
の制御回路により、第1の加熱手段である加熱部材3で
加熱された中間転写体1表面に担持されたトナー像Tが
転写位置Pに到達するタイミングに合わせて、第2の加
熱手段である記録媒体加熱ロール20a,20bで加熱
された記録媒体Sが、転写位置Pに到達するように制御
されている。従って、記録媒体Sは、転写位置Pに供給
される前に、第2の加熱手段により充分に乾燥可能であ
るため、記録媒体Sとして両面コート紙を用いた場合で
も、転写位置Pから分離ロール8に至るまでの間に、記
録媒体S中の水分の蒸発によって、中間転写体1と記録
媒体Sとが部分的に分離することがなく、光沢むらのな
い画像が記録可能である。
【0082】転写位置Pには、第3の加熱手段である一
対の転写・定着ロール4a,4bが備えられている。転
写・定着ロール4a,4bは、アルミニウム製のロール
基体表面に、厚み3mmのシリコーンゴム層を被覆して
形成されたロールであり、転写・定着ロール4a及び4
bの内部にはそれぞれハロゲンランプ7a,7bが配さ
れている。一対の転写・定着ロール4a,4bのうち、
中間転写体1の裏面1bに接する転写・定着ロール4a
の温度は、トナー像Tを形成するトナーの溶融温度(1
30℃)より高い140℃に制御され、記録媒体Sに接
する転写・定着ロール4bの温度は、トナーの溶融温度
未満の温度(90℃)に制御されている。このように、
中間転写体1のうちトナー像Tを担持しない面側に接す
る転写・定着ロール4bの温度を、トナーの溶融温度よ
り低い温度に制御することにより、例えば、第1面への
画像記録が終わって、第2面への画像記録が行われる際
に、第1面への加熱が、トナーの溶融温度未満の温度に
抑えられているため、第1面の画像の再溶融による画質
劣化を防止することができる。
【0083】一対の転写・定着ロール4a,4bによる
圧接時のニップ幅は、ロール長手方向の中央部で6mm
である。また、転写・定着ロール4a,4bにより中間
転写体1と記録媒体Sとが加熱・加圧される時間は、転
写定着後に十分な定着強度が得られるだけの時間であれ
ば特に制限はない。特に、カラー画像の場合は、発色が
充分で、かつ、中間転写体1に接する側の転写・定着ロ
ール4aからの熱伝導により、両面に画像記録する場合
の第2面への画像記録時に、第1面に記録された画像の
画質が劣化しない範囲内の時間に設定する。具体的に
は、トナーの材質や中間転写体1の材質、厚さ、第3の
加熱手段の加熱温度によっても異なるが、およそ0.0
2〜0.1秒が好ましい。
【0084】尚、本実施形態においては、第3の加熱手
段として、一対の転写・定着ロールが用いられている
が、本発明においては、記録媒体Sを中間転写体1表面
に重ね合わせて中間転写体1及び記録媒体Sに挟まれた
トナー像Tを加熱すると共に加圧して中間転写体1表面
に担持されたトナー像Tを記録媒体Sに転写すると共に
定着し得る構成のものであれば特に制限はなく、例え
ば、加熱ヘッドと押圧パッドとを組み合わせた構成等で
よい。また、加熱手段の熱源についても、その加熱方式
や配置位置等は特に限定されない。
【0085】[冷却工程]前記冷却工程においては、前
記転写・定着工程の後、中間転写体1及び記録媒体Sを
重ね合わせたまま記録媒体S表面に転写・定着されたト
ナー像Tを冷却させる。本工程においては、トナー像T
を間に挟んで、中間転写体1及び記録媒体Sが互いに密
着したまま周動して、アルミニウムブロック32(予備
加熱部30)の位置に至り、アルミニウムブロック32
に熱を奪われて冷却される。但し、アルミニウムブロッ
ク32の配置位置は、記録媒体Sが中間転写体1から分
離される前の位置に限定されるものではなく、中間転写
体1表面に次のトナー像Tが形成される前に冷却される
構成となれば特に制限はなく、例えば、記録媒体Sが中
間転写体1から分離された後であってもよい。
【0086】[分離工程]分離工程においては、前記冷
却工程の後、中間転写体1と記録媒体Sとを分離する。
本工程においては、先ず、中間転写体1に密着した記録
媒体Sが、中間転写体1の周動によってアルミニウムブ
ロック32が配された位置を通過した後、中間転写体1
と記録用紙Sとがトナー像Tを間に挟んだまま更に自然
冷却され、そのまま周動して分離ロール8が配された位
置に至る。ここで、記録媒体Sの「こし」の強さにより
記録媒体Sが中間転写体1から分離され、記録媒体搬出
器51によって、記録媒体搬送経路切替器52aに向け
て搬出される。記録媒体Sが分離された後の中間転写体
1は、必要に応じて、冷却ファン10により、次の画像
記録サイクルにおけるトナー像形成に支障のない温度ま
で冷却される。但し、図1においては、転写・定着ロー
ルにより加熱・加圧された記録媒体Sが、アルミニウム
ブロック32で冷却された後に中間転写体1から分離さ
れるように構成されているが、本発明において、記録媒
体Sが中間転写体1から分離されるタイミングはかかる
構成に限定されるものでなく、記録媒体Sと中間転写体
1とに挟まれたトナーの温度が、トナー溶融温度未満の
温度にまで低下した後であればよく、転写・定着の直後
等であってもよい。また記録媒体Sの「こし」の強さを
利用する構成のほか、剥離爪を用いて分離するような構
成であってもよい。
【0087】[その他の工程]前記その他の工程として
は、両面画像記録工程等が挙げられる。画像記録装置1
00は、記録媒体Sの表裏の両面に画像記録が可能な両
面モードと、記録媒体Sの片面のみに画像記録が可能な
片面モードと、の2つの画像記録モードを有している。
この画像記録モードは、画像記録に先立ち、外部からの
画像データに基づき、あるいは操作者からの指示に基づ
き設定される。画像記録装置100には、設定された画
像記録モードに応じて記録媒体の搬送経路を切り替え、
記録媒体の表裏を反転するための用紙搬送経路切替器5
2a,52b、記録媒体搬送ローラ53a,53b,5
3c,53d,53e,53f,53gよりなる記録媒
体反転部53が備えられている。
【0088】ここで、画像記録モードが片面モードに設
定されている場合は、記録媒体搬送経路切替器52aに
より記録媒体Sは機外に排出され、片面記録画像が完成
する。又画像記録モードが両面モードに設定されていて
第2面の画像記録が終了した状態である場合は、記録媒
体搬送経路切替器52aにより記録媒体Sは機外に排出
され、両面記録画像が完成する。
【0089】一方、画像記録モードが両面モードに設定
されていて、第1面の画像記録が終了した状態である場
合は、記録媒体Sは、記録媒体搬送経路切替器52a及
び記録媒体搬送ローラ53a,53b,53c,53d
により表裏が反転された後、記録媒体Sは、記録媒体搬
送経路切替器52b及び記録媒体搬送ローラ53c,5
3d,53e,53f,53g,50c,50dにより
記録媒体加熱ロール20a,20bに搬送されて加熱さ
れ、続いて転写位置Pに向けて搬送される。又、中間転
写体1表面に、第1面と同様にして、第2面の画像とな
るトナー像Tが記録された後、トナー像Tが中間転写体
1により搬送されて転写位置Pに到達するタイミングに
合わせて記録用紙Sも転写位置Pに供給される。転写・
定着工程以降の各工程は、第1面の画像記録におけると
同様である。
【0090】以上説明した本発明の画像記録方法によれ
ば、長期に亘って安定して優れた画質の画像を記録可能
な画像記録方法を提供することができる。以上、好まし
い実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は、本
実施形態に限定されず、その各部材の形状、大きさ、構
造、組み合わせ、材質等は、本発明の要旨に反しない限
り、如何なるものへも変更することが可能である。
【0091】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例により、本発
明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例に何
ら限定されるものではない。尚、本実施例において、
「部」とは特に断りのない限り「重量部」を意味する。
又、軟化点は、フローテスター法により測定した。
【0092】[結着樹脂−1の作製] ・ポリオキシエチレン(2,2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:0.7モ
ル ・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:1.6モ
ル ・テレフタル酸:1.4モル ・n−ドデセニルコハク酸:0.7モル ・トリメリット酸:0.2モル
【0093】前記組成の原料化合物を、ガラス製2リッ
トルの四つ口フラスコにいれ、攪拌棒、コンデンサー、
窒素ガス導入管、温度計をセットし、マントルヒーター
にセットした。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、ジ
ブチル錫オキシド1gを加え、マントルヒーターにて加
熱し、窒素気流下、約180℃にて反応させた後、22
0℃減圧条件にて反応させた。重合度は、環球式軟化点
測定法(JIS−K2531)に順じ軟化点より追跡を
行い、所望の樹脂溶融粘度になるように反応を終了させ
た後、室温まで徐冷し結着樹脂−1(ガラス転移点T
g:67℃、軟化点:130℃)を得た。
【0094】[結着樹脂−2の作製]前記「結着樹脂−
1の作製」と同様の組成の原料化合物を用い、所望の樹
脂溶融粘度となるように反応させて、結着樹脂−2(ガ
ラス転移点Tg:65℃、軟化点:120℃)を得た。
【0095】[フラッシングシアン顔料−1の作製]前
記「結着樹脂−1」の100部に対し、水分量30重量
%のシアン顔料(C.I.ピグメントブルー−15:
3)の60部を加え、約125℃に加熱された加圧ニー
ダーで1kgf/cm2の圧力で加圧しながらローター
を20cm/secで回転させて溶融混練・水除去を繰
り返し、顔料含有量30%のフラッシングシアン顔料1
を得た。
【0096】[フラッシングシアン顔料−2の作製]前
記「結着樹脂−2」の100部に対し、水分量30重量
%のシアン顔料(C.I.ピグメントブルー−15:
3)の60部を加え、約120℃に加熱された加圧ニー
ダーで1kgf/cm2の圧力で加圧しながらローター
を20cm/secで回転させて溶融混練・水除去を繰
り返し、顔料含有量30%のフラッシングシアン顔料2
を得た。
【0097】[疎水化酸化チタン微粒子の作製]酸化チ
タン(数平均粒子径:15nm、MT150A:テイカ
社製)の10gを、デシルトリメトキシシランの1.5
gを添加したメタノ−ル溶液中に添加し、スターラーで
攪拌し、超音波をかけながら、30分間分散し、次い
で、エバポレーターで分散媒を除去、乾燥させた後、1
20℃でキュアリングさせ、乳鉢で解砕し疎水性酸化チ
タン微粒子を作製した。
【0098】[疎水化酸化珪素微粒子の作製]酸化珪素
(数平均粒子径:40nm、OX50:日本アエロジル
社製)の10gを、デシルトリメトキシシランの1.5
gを添加したメタノ−ル溶液中に添加し、スターラーで
攪拌し、超音波をかけながら、30分間分散し、次い
で、エバポレーターで分散媒を除去、乾燥させた後、1
20℃でキュアリングさせ、乳鉢で解砕し疎水化酸化珪
素微粒子を作製した。
【0099】[コートキャリアの作製] ・トルエン:14.5部 ・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合
比:20:80(モル比)、重量平均分子量:7500
0):2部 ・カ−ボンブラック(商品名:VXC72:キャボット
社製):0.8部
【0100】前記組成の原料化合物を、ガラスビーズ媒
体を使用し、サンドミルにて1時間攪拌混合・分散し、
ガラスビーズを除去して、コート液を得た。
【0101】得られたコート液の15部と、フェライト
コア(F300:パウダ−テック社製、体積平均粒子径
(D50):50μm)の100部とを、真空脱気型ニー
ダーに入れ、70℃にて減圧し、混合・攪拌しながら、
20minコ−テイングを実施した。次いで、75μm
の篩にかけ、体積平均粒子径(D50)が50μmのコー
トキャリアを作製した。
【0102】(実施例1) −シアントナーの作製− ・フラッシングシアン顔料−1:16.7重量部 ・結着樹脂−1:80.8重量部 ・離型剤(精製カルナバ:東亜化成(株)製:融点85
℃):2.5重量部
【0103】前記組成の化合物をヘンシェルミキサーで
予備混合し、エクストルーダーで溶融混練(混練排出時
温度130℃)し、次いで、冷却・粗粉砕した後、ジェ
ットミルにて粉砕し、分級操作を実施してシアン顔料の
含有量が4重量%のシアントナー(体積平均粒子径(D
50)=6.8μm、体積粒度分布(D16(vol)/D
84(vol))=1.6のシアントナーを得た。
【0104】<トナーの保管性の評価>得られたトナー
を10g秤量し、50ccのビーカーに入れ、これを4
7℃/90%RHの定温/定湿の恒温チャンバーに20
時間放置した。その後、室温で5時間放置した後、徐冷
し、スパチュラーを用いてトナーの凝集状態を観察し、
下記評価基準に従って評価を行った。結果を表1に示
す。 −−評価基準−− ○:ブロッキングが見られず、未処理の状態に近い粉状
である場合。 △:ブロッキングが僅かに発生し、僅かに粉体間に凝集
が観察される場合。 ×:ブロッキングが発生し、粉体間に凝集が観察される
場合。
【0105】<離型剤の分散単位の測定>得られたトナ
ーにおける離型剤の平均(数平均)分散単位は、分級し
たトナーを切断し、透過型電子顕微鏡で観察・測定し
た。結果を表1に示す。
【0106】−外添シアントナーの作製− 前記シアントナーの100部と、前記疎水化酸化チタン
微粒子の1.0部と、前記疎水化酸化珪素微粒子の1.
0部と、をヘンシェルミキサーで混合し外添シアントナ
ーを作製した。
【0107】前記コートキャリアの100部と前記外添
シアントナーの7部とをV型混合機で約10分混合し、
現像剤を作製した。得られた現像剤を、図2に示す転写
・定着部200を、図1に示す画像記録装置の対応箇所
に置き換えて組み込んだ画像記録装置に投入し、ソリッ
ド画像の記録(プリント出力)を実施した。
【0108】<画質の安定性の評価>初期画像、5千
枚、5万枚記録後の画像の画質を下記評価基準に従って
評価した。尚、評価にあたり、観察者と評価サンプルと
の距離は50cmとした。結果を表1に示す。
【0109】−−評価基準−− ○:ソリッド画像において、ドットの抜けが少なく、画
像が均一な場合。 △:ソリッド画像において、ドットの抜けが僅かに観察
される場合。 ×:ソリッド画像において、ドットの抜けが疎らに散見
され、画質の光沢が少なく、画質にギザギザ感があり、
ノイジーな画質である場合。
【0110】<分離工程におけるトナー温度の測定>前
記画質の安定性の評価において、5万枚記録した時点で
の、中間転写体1(トナー像担持体)と記録媒体Sとを
分離する際のトナー温度を非接触温度計により測定し
た。結果を表1に示す。
【0111】(実施例2)「実施例1」の「シアントナ
ーの作製」において、結着樹脂−1を結着樹脂−2に、
フラッシングシアン顔料−1をフラッシンングシアン顔
料−2に代えた外は、実施例1と同様にして、シアント
ナーを作製し、実施例1と同様にして、トナーの保管性
の評価、離型剤の分散単位の測定、外添シアントナーの
作製、画質の安定性の評価、及び、分離工程におけるト
ナー温度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0112】(実施例3)「実施例1」の「シアントナ
ーの作製」において、離型剤を酸価型ポリエチレンワッ
クス(三井ハイワックス:4052E(酸価20)、融
点110℃:三井化学(株)製)に代えた外は、実施例
1と同様にして、シアントナーを作製し、実施例1と同
様にして、トナーの保管性の評価、離型剤の分散単位の
測定、外添シアントナーの作製、画質の安定性の評価、
及び、分離工程におけるトナー温度の測定を行った。結
果を表1に示す。
【0113】(比較例1)「実施例1」の「シアントナ
ーの作製」において、結着樹脂−1の量を83.3部に
代え、離型剤を用いなかった外は、実施例1と同様にし
て、シアントナーを作製し、実施例1と同様にして、ト
ナーの保管性の評価、離型剤の分散単位の測定、外添シ
アントナーの作製、画質の安定性の評価、及び、分離工
程におけるトナー温度の測定を行った。結果を表1に示
す。
【0114】(比較例2)「実施例1」の「シアントナ
ーの作製」において、離型剤を、ステアリン酸アセトグ
リセリド(パナセ−トS218、融点45℃、日本油脂
社製)に代えた外は、実施例1と同様にしてシアントナ
ーを作製し、実施例1と同様にして、トナーの保管性の
評価、離型剤の分散単位の測定、外添シアントナーの作
製、画質の安定性の評価、及び、分離工程におけるトナ
ー温度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0115】(比較例3)「実施例1」の「シアントナ
ーの作製」において、離型剤を、ポリプロピレンワック
ス(ビスコ−ル660P、融点:145℃、三洋化成工
業社製)に代えた外は、実施例1と同様にしてシアント
ナーを作製し、実施例1と同様にして、トナーの保管性
の評価、離型剤の分散単位の測定、外添シアントナーの
作製、画質の安定性の評価、及び、分離工程におけるト
ナー温度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、長期に亘って安定して
優れた画質の画像を記録可能な画像記録方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に好適に適用可能な画像記録装置を表
す概略構成図である。
【図2】 本発明に好適に適用可能な転写・定着部を表
す概略構成図である。
【符号の説明】 1,1’:中間転写体 1a:中間転写体1の表面 1b:中間転写体1の裏面 2:駆動ロール 3:加熱部材 3a:アルミニウム板(加熱部材) 3b:シリコンラバーヒータ(加熱部材) 4a,4b,4c,4d:転写・定着ロール 5:電子写真感光体 6a,6b:テンションロール 7、7a,7b:ハロゲンランプ 8:分離ロール 10:冷却ファン 20a,20b:記録媒体加熱ロール 30:予備加熱部 31,31’,32,32’:アルミニウムブロック 33,33’:ヒートパイプ 41:加熱ローラ 42,43,44:断熱ローラ 45,46:回転ベルト 50:記録媒体供給器 50a:記録媒体トレイ 50b,50c,50d,50e:記録媒体供給ローラ 51:記録媒体搬出器 52a,52b:記録媒体搬送経路切替器 53:記録媒体反転部 53a,53b,53c,53d,53e,53f,5
3g:記録媒体搬送ローラ 100:画像記録装置 200:転写・定着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 哲夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 良作 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 小林 政憲 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 EA03 FB01 FC00 2H032 AA14 BA21 BA23 2H033 AA09 AA16 AA45 BA58 BB01 BB28 BE09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像担持体表面にトナー像を担持さ
    せ、該トナー像担持体のトナー像が担持された表面と記
    録媒体とを重ね合わせ、加熱及び加圧することによりト
    ナー像担持体表面に担持されたトナー像を記録媒体表面
    に転写・定着させ、該トナー像担持体及び記録媒体を重
    ね合わせたまま該記録媒体表面に転写・定着されたトナ
    ー像を冷却させた後、前記トナー像担持体と記録媒体と
    を分離することにより記録媒体表面に画像を記録する画
    像記録方法であって、 前記トナー像を形成するトナーが離型剤を含有し、該離
    型剤の融点が、50℃より高く、前記トナーの軟化点よ
    りも低いことを特徴とする画像記録方法。
JP2000146878A 2000-05-18 2000-05-18 画像記録方法 Pending JP2001330982A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010032935A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Canon Inc 画像形成装置及び画像形成方法
JP2010256839A (ja) * 2008-08-21 2010-11-11 Ricoh Co Ltd 転写定着装置及び画像形成装置

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