JP2805401B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2805401B2
JP2805401B2 JP3145195A JP14519591A JP2805401B2 JP 2805401 B2 JP2805401 B2 JP 2805401B2 JP 3145195 A JP3145195 A JP 3145195A JP 14519591 A JP14519591 A JP 14519591A JP 2805401 B2 JP2805401 B2 JP 2805401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般には画像形成装置
に関するものであり、特に電子写真方式或いは静電記録
方式等を利用して像担持体上に形成されたトナー像を、
転写材担持体上に担持された記録材としての転写材上に
転写電界を付与して転写することにより、転写材上に画
像を得る画像形成装置に関するものである。このような
画像形成装置としては、白黒、モノカラー或いはフルカ
ラーの電子写真複写機、プリンター、その他種々の記録
機器などがある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば多色(フルカラー)の画像
形成装置は種々提案されている。図5に代表的な、所謂
回転式現像装置と称される現像装置を具備した多色電子
写真複写装置を図示する。
【0003】図5に示すように、多色電子写真複写装置
は、ほぼ中央に、回転自在に軸支された矢印方向に回転
する像担持体の感光ドラム3が配置され、その周囲に画
像形成手段が配置される。画像形成手段は任意の手段と
し得るが、本例では、感光ドラム3を均一に帯電する一
次帯電器4と、色分解された光像又はこれに相当する光
像を照射して感光ドラム3上に静電潜像を形成する、例
えばレーザビーム露光装置などからなる露光手段8と、
感光ドラム3上に形成された静電潜像を現像して可視化
する回転式現像装置1とを具備する。
【0004】回転式現像装置1は、回転自在に軸支され
た略円柱状の筺体1aと、筺体1aに保持された、イエ
ロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、ブ
ラック色現像剤の4色の現像剤を各別に収納した4個の
現像器1M、1C、1Y、1Bとからなっている。回転
式現像装置1は、筺体1aの回転によって所望の現像器
を感光ドラム3の外周面と対向する現像位置に搬送し、
感光ドラム3上の静電潜像をこれに対応する色の現像剤
で順次現像させることにより、4色のフルカラー現像が
可能に構成されている。
【0005】感光ドラム3上の潜像を現像することによ
って得られた画像、即ちトナー像は、転写装置9Aの転
写ドラム9に担持されて感光ドラム3と対向した画像転
写部へ搬送されて来る転写材P上に転写されるようにな
っている。
【0006】転写ドラム9は、図6に示すように、両端
に配置されたシリンダ9a、9bを連結部材9cで連結
した枠体の外周面の空域に転写材担持体として転写材担
持シート93を張設してなっている。転写材担持シート
93は、通常、例えばポリエチレンテレフタレートやポ
リフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のフィルム状の誘電
体シートが使用される。上記の連結部材9cには、給紙
装置から送給された転写材Pを把持する転写材グリッパ
ー7を有する。
【0007】更に転写ドラム9の内側及び外側には、図
5に示すように、転写帯電器10並びに除電手段を構成
する内側除電帯電器13及び外側除電帯電器11、14
が配置されている。
【0008】上記構成の多色電子写真複写装置によるフ
ルカラー画像の形成工程を簡単に説明すると、以下のよ
うである。
【0009】一次帯電器4により感光ドラム3に均一な
帯電を行ない、露光手段8で画像情報に応じた光像Eを
感光ドラム3上に照射し、感光ドラム3上に静電潜像が
形成される。この静電潜像は、回転式現像装置1により
現像され、樹脂を基材とした例えば平均粒径12μmの
トナーによるトナー像が感光ドラム3上に得られる。
【0010】一方、転写材Pは、レジストローラ6によ
り感光ドラム3上の画像と同期して転写ドラム9へ搬送
され、グリッパー7等によりその先端部を把持され、図
中矢印方向の転写ドラム9の回転に伴い回転して、感光
ドラム3と対向した画像転写部へ搬送される。そしてそ
こで転写帯電器10により誘電体シート93の背面から
トナーと逆極性のコロナ放電を受けることにより、転写
材P上に感光ドラム3上のトナー像が転写される。
【0011】以上のようにして画像転写部で第1色目の
例えばイエロートナー像、第2色目のマゼンタトナー
像、第3色目のシアントナー像、第4色目のブラックト
ナー像の転写が行なわれ、転写工程が全て終了すると、
転写材Pは、除電帯電器11、13、14により除電を
受けつつ分離爪15の作用により転写ドラム9から分離
され、搬送ベルト16により定着器17に搬送される。
転写材Pはそこで4色のトナー像が熱による定着及び混
色を受けて、フルカラーの永久像とされた後、複写装置
の機外へ排出される。
【0012】他方、感光ドラム3は、表面の残留トナー
をクリーニング装置12で清掃された後、再度画像形成
プロセスに供せられる。又転写ドラム9の誘電体シート
93表面も同様にファーブラシ等からなるクリーニング
装置5及びクリーニング補助手段5aの作用により清掃
された後、再度画像形成プロセスに供せられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の画像
形成装置では、転写帯電器10を用いて帯電により感光
ドラム3上のトナー像を転写材P上に転写しているため
に、次のような欠点があった。
【0014】即ち、転写を行なわせるためには、転写帯
電器10の放電ワイヤに通常6〜8kVもの高電圧を印
加する必要があり、更に発生したコロナ電流の一部しか
感光ドラム3方向へ流れず、コロナ電流の残りはアース
されている転写帯電器10のシールドへ流れてしまうた
めに、実際に転写に寄与するコロナ電流以上のコロナ電
流が必要となる。
【0015】従って転写帯電器10に電圧、電流容量の
大きな電源が必要となり、又配線も絶縁の耐圧がより高
いものが必要となって、転写装置9Aの大型化、コスト
上昇をもたらす。
【0016】更に転写帯電器10を用いるために、コロ
ナ放電の生起に伴ってオゾンが発生し、感光ドラム3ば
かりか人体まで悪影響を与える。
【0017】そこで本出願人は、上記問題の解決方法を
特願平2−29896号及び2−29898号において
提案している。上記提案では、弾性合成樹脂シート先端
に設けた導電性金属シート乃至ブレード又は導電性ロー
ラからなる接触導電部材を誘電体シートの背面に接触さ
せて電圧を印加することにより、転写帯電手段としてコ
ロナ帯電器を使用せずに転写電界を発生させることを開
示している。これによれば、接触導電性部材から注入さ
れる接触注入電流が、ほぼトナーの転写電流及びその転
写時の転写材吸着電流となって、転写に効率よく寄与す
るために、コロナ帯電器の転写帯電器を用いたときと異
なり、オゾン無発生で低電圧、低電流、高効率の転写が
達成される。
【0018】しかし、上記提案で用いる接触導電部材は
弾性シート状、ブレード状、ローラ状であるため、誘電
体シートとの当接状態は直線的な線接触又は面接触とな
り、一見して接触導電部材の誘電体シートとの接触はマ
クロ的には均一であるが、ミクロ的に見た場合は感光ド
ラムの長手方向に局所的にかなり不均一な接触となって
いる。
【0019】このため接触導電部材への印加電圧が低い
と、当接状態の弱いところで転写注入電流が不足して転
写効率に差が生じ、転写材上に転写されたトナー像には
転写材移動方向と平行にトナー濃度が異なる濃淡のスジ
状ムラが発生する。又印加電圧が高い場合は特に低湿環
境下で、当接状態が弱く誘電体シートと接触導電部材と
の間にミクロ的に空隙が存在するところで空隙放電が発
生してしまい、転写材上に得られたトナー像には、同様
に濃淡のスジ状ムラが発生し、又放電模様、転写抜け等
の弊害も発生する。従って接触導電部材の適正な印加電
圧の範囲が狭い。
【0020】又適正な印加電圧範囲内であっても、上記
の当接状態の差は転写効率の差となり、モノカラーの画
像を得る画像形成装置では若干の濃淡ムラとして発生
し、許容レベルとし得るのでそう問題ないものの、転写
材上に複数色のトナー像を重ねて転写して多色画像を得
るような画像形成装置の場合には、僅かな濃度ムラさえ
色味のスジ状ムラとして顕著に現れてしまうために大き
な問題となる。
【0021】上記の当接状態の差をなくすことを目的と
して、接触導電部材の誘電体シートへの当接圧を高める
ことができるが、当接圧が高いと誘電体シートとの動摩
擦力が増大して誘電体シートの負荷が増すために、誘電
体シートのずれやゆがみを起こし、その上に保持した転
写材がずれたりゆがんだりする。上記と同様に、モノカ
ラーの画像を得る画像形成装置では大して問題ないもの
の、これでは、多色画像を得る画像形成装置の場合に
は、画像の色ズレや色味のムラ等が発生するので問題と
なる。又転写時にトナー像が感光ドラムに強く圧接され
ることにもなるために、転写材上へのトナー像の転写効
率が低下したり、誘電体シート及び接触導電部材の寿命
が共に短くなってこれらを頻繁に交換しなければならな
くなり、転写装置ひいては画像形成装置のコスト上昇に
なるといった問題も生じる。
【0022】更に図6に示した転写ドラム9両端のシリ
ンダ9a、9b間を連結する連結部材9cや転写材先端
部を把持するグリッパー7等、誘電体シートよりも厚い
部材が接触導電部材の当接部を通過する際に、当接圧が
高いと連結部材9cやグリッパー7等の先端部及び後端
部での衝撃が大きくなって、転写材上のトナー像からト
ナーが飛び散ったり、トナー像の色ズレ等が発生してし
まうといった問題も生じる。接触導電部材が弾性シート
状、ブレード状、ローラ状であるために、上記の連結部
材9cやグリッパー7等の後端部が通過直後の誘電体シ
ートへの再当接の応答性も悪く、特に連結部材9c等の
後端部との誘電体シートの境界部へ良好に当接すること
が困難であるために、転写材先端部、従って転写材上に
形成される画像先端部での転写効率が著しく悪化し、所
謂画像先端転写抜けが発生するといった問題もあった。
【0023】又、例えば、特開平2−148075号公
報には、転写帯電器10の代わりに、転写材担持体の裏
面に接触する導電性ブラシを設け、この導電性ブラシに
トナー像と逆極性の電荷を付与する構成も提案されてい
るが、この特開平2−148075号公報に記載される
ように、単に、導電性のベースプレートに導電性の糸を
ブラシ状に植設して構成される導電性ブラシを転写材担
持体に接触させる構成では、導電性ブラシの転写材担持
体への当接ムラが発生し、上記したと同様に、画像乱れ
のない良好な品質の画像を得るのが困難である。従っ
て、本発明の目的は、導電性ブラシの転写材担持体裏面
への当接ムラ、更にはプリ転写等による画像の濃淡のス
ジ状ムラ、放電模様抜け、色味のスジ状ムラ、色ズレ、
飛び散り、画像先端転写抜け等の画像乱れのない良好な
品質の画像が得られ、又転写時のオゾンの発生もなく、
転写電圧印加用電源の少容量化、小型化が可能な画像形
成装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば本発明は、像
を担持する像担持体と、転写材を担持搬送する移動可能
な転写材担持体と、前記転写材担持体を介して前記像担
持体の反対側に設けられ、前記転写材担持体に担持され
た転写材に転写位置で前記像担持体の像を転写する転写
帯電手段と、を有する画像形成装置において、前記転写
帯電手段は、前記転写位置における前記転写材担持体の
接線と直交する方向に対して傾いて前記転写材担持体に
接触する導電性ブラシと、前記導電性ブラシの前記転写
材担持体と対向する側とは逆側に設けられ、前記導電性
ブラシを前記転写材担持体に対して押圧する押圧部材
と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。本
発明の好ましい態様によれば、前記転写帯電手段は、前
記導電性ブラシが前記転写材担持体に接触する位置より
も前記転写材担持体の移動方向上流側に、前記像担持体
と前記導電性ブラシとの間に形成される電界を規制する
規制部材を備えている。更に、本発明の一実施態様によ
れば、前記転写材担持体に担持された転写材には複数の
像が順次重ねて転写される。
【0025】
【実施例】図1に、本発明の画像形成装置の一実施例に
おける画像転写部の断面図を示す。本実施例は、先の図
5の回転式現像装置1を有した多色電子写真複写装置に
適用したもので、本実施例の画像形成装置の基本構成
は、図5の画像形成装置と同様である。従って画像形成
装置の構成及び作用についての説明は、転写帯電手段
関するものを除き省略する。図1は、本発明の特徴部分
を最も良く表す図面であって、本発明に従って構成され
転写帯電手段が特に詳しく示されている。
【0026】画像形成装置は、先の図6に示した転写ド
ラム9を有する転写装置9Aを備え、転写ドラム9は、
先に説明したように、両端に配置されたシリンダ9a、
9bを連結部材9cで連結した枠体の外周面の空域に
写材担持体として誘電体シート93を張設してなってい
る。誘電体シート93は、各種の誘電体を用いたシート
が使用でき、複合シートも使用できるが、本実施例にお
いては、体積抵抗率が約1015Ωcm、比誘電率が約
8、厚さが約150μmのポリフッ化ビニリデン樹脂
(PVdF)のシートを用いた。誘電体シート93の先
後端部は連結部材9c上に固定されている。連結部材9
c上にはグリッパー7が設けられている。
【0027】本実施例では、転写ドラム9の直径を16
0mmとし、移動速度を160mm/秒に設定した。同
時に感光ドラム3等の移動速度であるプロセススピード
も160mm/秒とした。
【0028】さて、本発明によれば、図1に示すよう
に、転写ドラム9と感光ドラム3とが対向する画像転写
部の転写ドラム9の内側に、導電性ブラシ20、押圧部
材としての誘電体弾性シート21及び電界規制手段22
からなる転写帯電手段23を、金属等の剛体、本実施例
ではSUSからなる支持部材19上に設けて配設してい
る。
【0029】誘電体弾性シート21は支持部材19上で
あって、導電性ブラシ20の誘電体シート93と対向す
る側とは逆側に設けられ、導電性ブラシ20は弾性シー
ト21上に、誘電体シート93に接触するように設けら
れ、電界規制手段22はスペーサ24を介して支持部材
19上に設けれらている。導電性ブラシ20はその先端
部を、弾性シート21と電界規制手段22との間から誘
電体シート93の方向に延出されている。転写帯電手段
23は、転写ドラム9の回転方向上流側から誘電体シー
ト93と感光ドラム3との当接部に向けて傾斜して配置
され、支持部材19を回動することにより導電性ブラシ
20の先端部が誘電体シート93の裏面に接触するよう
に構成されている。
【0030】導電性ブラシ20は、弾性及び導電性を有
する細繊維からなり、少なくとも転写時に誘電体シート
93の裏面と接触して、図示しない電源からの印加電圧
により画像転写部に転写電界を発生するようになってい
る。誘電体弾性シート21は、導電性ブラシ20の誘電
体シート93との当接する箇所の上流側に位置され、導
電性ブラシ20から発生された転写電界を画像転写部の
上流域で遮断をするようになっている。
【0031】本実施例では、導電性ブラシ20には、ア
クリル細繊維を硫化銅で染色して導電化処理した導電性
繊維を用いた。導電性繊維としては他に、直径8〜15
μm程度のステンレススチール繊維、或いはアクリル、
ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の樹脂繊維に金属
めっきをした繊維、樹脂中にカーボン、金属粉等の導電
性微粒子を混練したり、複合化して繊維にしたもの、更
には樹脂繊維等を炭化して導電性を付与した炭素繊維等
が使用できる。導電性繊維の体積抵抗率としては1010
Ωcm以下のものが使用可能であるが、好ましくは10
8 Ωcm以下が好ましい。
【0032】又誘電体弾性シート21及び電界規制手段
22には、それぞれ厚みが125μm、50μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)シートを用いたが、
材質及び厚みはこれに限定されるものではない。
【0033】上記構成にて転写帯電手段23は、転写時
に誘電体シート21が導電性ブラシ20を誘電体シート
93方向に押圧し、これにより導電性ブラシ20と誘電
体シート93、誘電体シート93とその上に担持されて
転写部に位置した記録材としての転写材P、転写材Pと
感光ドラム3を、それぞれの間に隙間が生じないように
密着させている。
【0034】電界規制部材22は、電圧を印加すること
により導電性ブラシ20で発生された転写電界のうち転
写部の上流域での電界を遮断して、転写電界の及ぶ領域
を図2に示す転写部の上流域を除いたdE の範囲に限定
するものである。
【0035】本発明で用いた導電性ブラシ20によれ
ば、その誘電体シート93への接触状態は、従来の弾性
シート状、ブレード状、ローラ状の接触導電部材による
直線的な接触とは異なり、導電性を有した細繊維各々の
独立した接触であるために、接触領域の長手方向(誘電
体シート93の周方向と直角の方向)に亙る当接圧力の
傾きや、誘電体シート93の表面粗さの違い、転写ドラ
ム9の連結部材9cの段差等に関係なく追随し、個々の
繊維の誘電体シート93への接触状態を均一且つソフト
に維持できるようになる。
【0036】更に繊維径、繊維材質、繊維密度を調整
ることにより、当接圧を高めることなく一層均一且つソ
フトな接触状態を達成することも容易に可能である。
【0037】導電性ブラシ20の配置は、誘電体シート
93の導入側からその移動方向下流側に向けて伸びて、
誘電体シート93上に担持された転写材Pが感光ドラム
3と接触開始をし終えた位置、若しくは接触を開始する
位置又は極力近接した位置に対応した誘電体シート93
の位置に接触するように配置する。より厳密には転写材
Pが感光ドラム3と接触している領域である所謂転写ニ
ップ領域d内に、転写電界領域が入るようにする。特
に感光ドラム3と転写材Pが接触する前に転写電界が作
用すると、所謂プリ転写(前転写)によるトナー飛び散
りなどの画像乱れが発生してしまうが、本構成の転写帯
電手段23では、電界規制部材22を設けて転写電界領
域を規制し、感光ドラム3と転写材Pが接触する前に転
写電界が作用することがないようにしたので、画像乱れ
が生じるのを防止することができる。
【0038】又図2に示すように、導電性ブラシ20が
誘電体シート93に対して斜めに当接しているために、
ブラシ20の細繊維の毛倒れの心配がなく、誘電体シー
ト93への接触の状態も良好である。
【0039】本発明者等は、上記構成の転写装置9Aを
図5の画像形成装置に組み込み、トナー像の転写に使用
し画像形成を行なった。マイナス極性に帯電された感光
ドラム3上に潜像を形成し、平均粒径が8〜10μmの
トナーを用い、回転式現像装置1で反転現像法により現
像してトナー像を得た。トナーは、樹脂、色材及び帯電
制御性や潤滑性を向上させるための微量の添加剤から構
成されたものを使用し、現像器中でキャリア粒子と摩擦
されてマイナス極性に帯電するものであった。
【0040】得られたトナー像は、その後、上記の転写
装置9Aにより転写材P上に転写された。次いでモノカ
ラーの画像の場合は、転写材Pを誘電体シート93から
分離して、定着器17によりトナー像を定着した。又多
色画像の場合は、上記と同様な工程を繰り返して、転写
材P上に複数色のトナー像を順次重ね合わせて転写し、
転写材Pを誘電体シート93から分離し、トナー像の定
着を行なった。
【0041】その結果、転写材上に得られた画像は、い
ずれの場合にも、従来のような転写帯電手段の誘電体シ
ート93裏面への当接ムラ及びプリ転写等をなくして、
これによる画像の濃淡のスジ状ムラ、放電模様抜け、色
味のスジ状ムラ、色ズレ、飛び散り、画像先端転写抜け
等の画像乱れのない良好な品質の画像が得られた。
【0042】又放電現象を防ぐには厳しい条件である低
湿環境下で同様の画像形成実験を行なったところ、同じ
ように良好な画像が得られた。又導電性ブラシ20への
印加電圧(転写バイアス電圧)は、+0.7〜+3.0
kV、電流値は数μ〜30μA程度でよく、コロナ帯電
器を用いた転写と比べてオゾンの発生もなく、電源容量
の大幅な縮小、コストダウン化に繋げることができた。
【0043】図3は、本発明の画像形成装置の他の実施
例を示す概略構成図である。
【0044】本実施例において、転写材担持体は無端状
の転写ベルト29とされ、転写ベルト29は複数個のロ
ーラ25、26及び27に掛け回されて、感光ドラム3
と同期走行するようになっている。転写ベルト29は、
感光ドラム3と当接乃至近接してこれと画像転写部を形
成しており、この画像転写部の転写ベルト29の内側
(裏面側)に、本発明に係る転写帯電手段23が設けら
れている。転写帯電手段23は、先の実施例のときと同
様、導電性ブラシ20と、これを支持した誘電体弾性シ
ート21と、導電性ブラシ20の転写ベルト29側に設
けられた電界規制部材22とからなり、支持部材19上
に設けて配設されている。
【0045】本画像形成装置の画像形成動作は、誘電体
シート93を張設した転写ドラム9の代わりに転写ベル
ト29を用いた点を除けば基本的に同じで、一次帯電器
4により感光ドラム3の表面が一様に帯電され、露光手
段による画像情報に応じた光像Eの照射で感光ドラム3
上に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置1により
現像されて感光ドラム3上にトナー像が形成される。そ
して感光ドラム3の回転に伴ってトナー像が転写ベルト
29との画像転写部に至ると、転写帯電手段23により
画像転写部に転写電界が付与されて、感光ドラム3上の
トナー像が転写ベルト29上に担持された転写材P上に
静電的に転写される。
【0046】さて、転写材Pはトナー像の転写後、転写
ベルト29の搬送によって画像転写部を離れて転写ベル
ト29の搬送方向後端に至り、そこで転写ベルト29か
ら分離して定着装置17に送られ、定着装置17でトナ
ー像を定着した後、画像形成装置の機外に排出される。
【0047】上記の転写材Pが転写ベルト29から分離
される際に、剥離放電によってトナーが飛散して水玉状
の飛び散りが画像に形成されることがあるので、これを
防止するために、転写ベルト29の転写材分離部近傍に
除電帯電器14を配設して、転写材P及び転写ベルト2
9を除電することが行なわれる。感光ドラム3上の転写
残りのトナーはクリーナ12によって除去され、感光ド
ラム3は次の画像形成工程に入ることになる。
【0048】本実施例においても、先の実施例のときと
同様、転写帯電手段23を用い、転写時にその誘電体弾
性シート21で画像転写部の誘電体シート93の裏面に
押圧された導電性ブラシ20に電源から電圧を印加し
て、転写部に転写電界を発生、付与すると共に、転写部
上流域での転写電界を電界規制部材22で遮断しなが
ら、感光ドラム3上のトナー像を転写ベルト29上の転
写材P上に転写するようにしたので、同様に、転写ベル
ト29裏面への当接ムラ及びプリ転写等による画像の濃
淡のスジ状ムラ、放電模様抜け、色味のスジ状ムラ、色
ズレ、飛び散り、画像先端転写抜け等の画像乱れのない
良好な品質の画像が得られ、又オゾンの発生もない。
【0049】図4は、本発明の画像形成装置の更に他の
実施例の要部を示す構成図である。本実施例は、4つの
画像形成ユニットI 、II、 III及び IV を有した多色画
像形成装置に適用したもので、本発明は、このような画
像形成装置にも使用可能である。
【0050】画像形成ユニットI〜IVはそれぞれ感光
ドラム3a〜3dを有し、その回りに一次帯電器、露光
手段、現像器、転写帯電手段23a〜23d、及びクリ
ーナが配置され、更に各画像形成ユニットI〜IVを貫
通する態様にて感光ドラム3a〜3dの下方に転写材担
持体である無端状の転写ベルト29が、ローラ25、2
6、27及び28に掛け回されて配置されている。各画
像形成ユニットの構成は、図3の画像形成ユニットと同
じであるので、図4には感光ドラム3a〜3d及び転写
帯電手段23a〜23dのみを図示し、一次帯電器等は
省略した。
【0051】転写帯電手段23a〜23dは、同様に、
それぞれ導電性ブラシ20a〜20dと、これを支持し
た誘電体弾性シート21a〜21dと、導電性ブラシ2
0a〜20dの転写ベルト29側に設けられた電界規制
部材22a〜22dとからなり、それぞれ支持部材19
a〜19d上に設けて配設されている。
【0052】転写材Pは給紙ローラにより給紙され、転
写ベルト29に担持して搬送され、転写ベルト29と感
光ドラム3a〜3dとの間に形成された画像転写部を通
過して、そこで転写帯電手段23a〜23dによる転写
電界の付与で転写材P上に感光ドラム3a〜3d上のト
ナー像が順次転写される。次いで転写材Pは転写ベルト
29からその搬送方向末端で分離され、定着器17に送
られトナー像の定着がなされて、画像形成装置の機外に
排出される。
【0053】本実施例でも、転写帯電手段23a〜23
dを用いて転写を行なうので、転写ベルト29裏面への
当接ムラ及びプリ転写等による画像の濃淡のスジ状ム
ラ、放電模様抜け、色味のスジ状ムラ、色ズレ、飛び散
り、画像先端転写抜け等の画像乱れのない良好な品質の
画像が得られ、又オゾンの発生もなかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置では、転写帯電手段が、転写位置における転写材担
持体の接線と直交する方向に対して傾いて転写材担持体
に接触する導電性ブラシと、導電性ブラシの転写材担持
体と対向する側とは逆側に設けられ、導電性ブラシを転
写材担持体に対して押圧する押圧部材と、を備える構成
とされ、導電性ブラシの転写材担持体と対向する側とは
逆側に設けられた押圧部材により導電性ブラシを転写材
担持体に対して押圧するので、導電性ブラシの転写材担
持体への当接ムラがなくなり、又、好ましくは、更に、
導電性ブラシが転写材担持体に接触する位置よりも転写
材担持体の移動方向上流側に、像担持体と導電性ブラシ
との間に形成される電界を規制する規制部材を備える構
成とすることにより、プリ転写等がなくなり、画像の濃
淡のスジ状ムラ、放電模様抜け、色味のスジ状ムラ、色
ズレ、飛び散り、画像先端転写抜け等の画像乱れのない
良好な品質の画像が得られる。又、本発明は、転写帯電
手段はコロナ帯電器からなる転写帯電器を用いたのと違
ってオゾンの発生もなく、その電源も電圧、電流容量を
多くしなくて済み、電源の少容量化、小型化が可能で、
ひいては転写装置の小型化にもつながる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例における画像
転写部を示す断面図である。
【図2】図1の画像転写部の拡大図である。
【図3】本発明の画像形成装置の他の実施例を示す概略
構成図である。
【図4】本発明の画像形成装置の更に他の実施例の要部
を示す構成図である。
【図5】従来の画像形成装置を示す構成図である。
【図6】図5の画像形成装置に設けられた転写装置の転
写ドラムを示す斜視図である。
【符号の説明】
3 感光ドラム 9 転写ドラム 19 支持部材 20 導電性ブラシ 21 誘電体弾性シート 22 規制部材 23 転写帯電手段 29 転写ベルト 93 誘電体シート
フロントページの続き (72)発明者 三浦 康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−148075(JP,A) 特開 平3−2779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像を担持する像担持体と、転写材を担持
    搬送する移動可能な転写材担持体と、前記転写材担持体
    を介して前記像担持体の反対側に設けられ、前記転写材
    担持体に担持された転写材に転写位置で前記像担持体の
    像を転写する転写帯電手段と、を有する画像形成装置に
    おいて、 前記転写帯電手段は、前記転写位置における前記転写材
    担持体の接線と直交する方向に対して傾いて前記転写材
    担持体に接触する導電性ブラシと、前記導電性ブラシの
    前記転写材担持体と対向する側とは逆側に設けられ、前
    記導電性ブラシを前記転写材担持体に対して押圧する押
    圧部材と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記転写帯電手段は、前記導電性ブラシ
    が前記転写材担持体に接触する位置よりも前記転写材担
    持体の移動方向上流側に、前記像担持体と前記導電性ブ
    ラシとの間に形成される電界を規制する規制部材を備え
    ることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記規制部材は誘電体であることを特徴
    とする請求項2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記転写材担持体に担持された転写材に
    は複数の像が順次重ねて転写されることを特徴とする請
    求項1から3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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