JP3277722B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

カラー画像形成装置

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JP3277722B2
JP3277722B2 JP25581894A JP25581894A JP3277722B2 JP 3277722 B2 JP3277722 B2 JP 3277722B2 JP 25581894 A JP25581894 A JP 25581894A JP 25581894 A JP25581894 A JP 25581894A JP 3277722 B2 JP3277722 B2 JP 3277722B2
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー電子写真複写
機やカラープリンタ等のカラー画像形成装置に関し、特
に、トナー像担持体上に形成された各色成分のトナー像
を用紙等の転写材上に重ねて転写することによりカラー
画像を形成する方式のカラー画像形成装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真複写機等の画像形成装
置において、転写用紙等の転写材を感光体ドラム等のト
ナー像担持体と同期して回転駆動される転写ドラムで代
表される転写材保持部材上に支持し、この転写ドラム上
に支持された転写用紙にトナー像を転写させる転写方法
は、転写ドラム上に支持された転写用紙上に順次トナー
像を転写させることにより複数のトナー像を重ね合わせ
るため、トナー像を精度よく重ね転写することができる
という理由により、主としてカラー複写機等において使
用されている。
【0003】また、上述した転写ドラムの代わりに無端
ベルト状の転写材保持部材を用いるとともに、この転写
材保持部材の移動方向に沿って各色に対応した複数の画
像形成手段を配置し、この転写材保持部材上に保持され
た転写材に、各画像形成手段によって形成された各色の
トナー像を順次転写することによりカラー画像を形成す
る所謂タンデムタイプのカラー複写機は、複数の画像形
成手段が必要となるため一般に高価となるが、無端ベル
ト状の転写材保持部材によって転写材を搬送する間に、
複数色のトナー像を転写材上に転写形成することができ
るため、コピー生産性が向上するという利点を有してい
ることが知られている。
【0004】図4は、従来の転写ドラムを用いたカラー
複写機を示すものである。図4において、100は感光
体ドラムであり、この感光体ドラム100の表面には、
図示しない一次帯電器、画像露光手段や複数の現像器等
の電子写真プロセスを実行するための手段によって、複
数色のトナー像Tが順次形成されるようになっている。
この感光体ドラム100の表面に形成されたトナー像T
は、感光体ドラム100の回転動作に伴って転写位置へ
と送られる。101は転写ドラムであり、この転写ドラ
ム101は、PETやPVdF等の誘電体シートからな
る転写材保持部材を円筒状に形成し、その先後端および
両端側を図示しない枠体によって支持することにより、
ドラム状に形成したものであって、転写位置において感
光体ドラム100の表面と接触するように配置されてい
る。この転写ドラム101の表面には、給紙トレイ10
5上に積層状態に収容された転写用紙104がフィード
ローラー106によって給紙され、この転写用紙104
の先端は、転写ドラム101の先端部に設けられた用紙
グリッパー103によって把持され、転写部へと導かれ
る。また、この用紙グリッパー103によって先端が保
持された転写用紙104は、用紙吸着部において押し付
けロール109によって転写ドラム101の表面へ押し
付けられるとともに、内側から静電吸着用のコロナ放電
器108によってコロナ放電を受け、転写ドラム101
の表面に巻き付けられた状態で静電的に吸着される。こ
の転写ドラム101上に保持された転写用紙104に
は、感光体ドラム100上に形成されたトナー像Tが、
当該トナー像Tとは逆極性の電荷を転写用コロナ放電器
102により放電することによって順次転写される。そ
して、所定色数のトナー像が転写された転写用紙104
は、転写ドラム101の表面に所定のタイミングで接触
する剥離爪107によって転写ドラム101の表面から
剥離されるとともに、図示しない用紙搬送ベルトによっ
て定着装置に搬送され、この定着装置によって転写用紙
104上に所定色数のトナー像が定着され、カラー画像
の形成工程が終了する。なお、図中、110は転写部に
おいて誘電体シート101および転写用紙104を感光
体ドラム100へ押圧する押圧部材である。
【0005】次に、上記の如く構成される転写ドラムを
用いたカラー複写機の動作について説明する。まず、複
写動作開始信号により感光体ドラム100上へのトナー
像Tの作像工程が開始されるとともに、誘電体シートを
備えた転写ドラム101も感光体ドラム100の周速と
略同速で回転を開始する。また、転写用紙104は、フ
ィードローラー106により給紙トレイ105から送り
出され、この転写用紙104は、その先端がグリッパー
103によって把持されるとともに、押し付けロール1
09と用紙吸着用コロナ放電器108の作用により転写
ドラム101上に吸着保持されて転写部へと移動する。
上記感光体ドラム100と転写ドラム101が当接する
転写位置へ移動したトナー像Tは、同期して移動してき
た転写ドラム101上の転写用紙104上にコロナ放電
器102の作用により静電的に吸着され転写が実行され
る。このカラー複写機の場合には、各トナー色に応じて
上述した動作が3乃至4回行われる。そして、所定の転
写が終了した転写用紙104は、剥離爪107により転
写ドラム101から剥離された後、図示しない定着装置
に送られて定着が行われる。
【0006】以上のような誘電体シートを用いた転写ド
ラムにおいては、感光体ドラム等のトナー像担持体から
転写材および、裏面側にトナー像転写用電荷を付与され
た誘電体シートを剥離するところにおいて、いわゆる剥
離放電が発生することが一般に知られている。すなわ
ち、感光体ドラム100からトナー像Tが転写される転
写用紙104を保持した転写ドラム101は、図5に示
すように、その誘電体シート101が内側から転写用コ
ロナ放電器102による放電を受けて高い電位に帯電さ
れるため、トナー像Tが転写された転写用紙104を保
持した誘電体シート101が感光体ドラム100の表面
から剥離される際に、感光体ドラム100と転写用紙1
04との間にいわゆる剥離放電が発生する。
【0007】このように、感光体ドラム100と転写用
紙104との間に剥離放電が発生すると、図5に示すよ
うに、転写用電界と同極性の電荷(図示例ではプラス)
が感光体ドラム側へ、逆極性の電荷(図示例ではマイナ
ス)が転写用紙104側へ移動し、それぞれを帯電させ
ることになる。そして、転写用紙104側においては、
その表面に転写されたトナー像が存在し、剥離放電によ
る転写用電荷と逆極性の電荷、すなわちトナーと同極性
の電荷が付与されることになり、転写用紙104上のト
ナー電荷量は増大するとともに、その帯電分布も広がる
ことになる。そのため、同一転写用紙104上に複数回
のトナー像の転写を行うカラー画像形成装置において
は、転写用紙104上に既に転写されたトナー像Tが2
回目以降の転写電界を低下させる働きをし、2回目以降
の転写不良の原因となる。すなわち、剥離放電量が大き
くなると、転写用紙104上に既に転写されたトナー像
Tの電荷量が大きくなるため、多重転写が困難となって
くる。また、転写済のトナー電荷とトナー像担持体10
0から転写されてくるトナー電荷が反発してトナーが飛
び散り、像が乱れたり、滲んだりすることもある。
【0008】さらに、転写ドラム101を構成する誘電
体シートの裏面には、先の転写のために付与された電荷
が残っているため、2回目以降のトナー像の転写におい
ては、像担持体100表面を0電位(接地)として見た
転写部での誘電体シートの電位が高くなり、この極性が
転写用電荷の極性と同極性であるので、2回目以降の転
写電荷付与のためには、先の転写時よりも更に高い電圧
を転写用コロナ放電器102に印加する必要がある。す
なわち、一般的な転写手段であるコロナ放電器102の
場合には、その放電ワイヤに印加する電圧を複数回の転
写において、順次増大させる必要がある。そして、この
ワイヤ印加電圧を十分に上げられない場合には、転写用
電荷が不足することになり、転写不良が発生する。ただ
し、コロナ放電器102では、その大きさ、構成により
決まるワイヤ印加電圧の上限があり、これを超えると、
ワイヤの切断や、絶縁ブロック部での沿面リーク、近接
した金属部などへの電流リークなどが発生し、作像不可
のトラブルとなるという問題点があった。よって、転写
不良を起こさずにコロナ放電器のワイヤ印加電圧も大き
くなり過ぎないように制御する必要があり、制御回路の
構成が複雑となるという問題点があった。
【0009】そこで、これらの問題点を解決するため、
特開昭62−187869号公報、特開昭62−187
870号公報、特開昭57−198478号公報、特開
昭58−186760号公報、及び実開昭62−572
71号公報等に開示されているような技術が提案されて
いる。上記特開昭62−187869号公報に開示され
たカラー電子写真方式における可視像転写方法は、絶縁
性のフィルムによる転写ドラムの外周面部に転写紙を保
持し、転写ドラム内部に設けた転写チャージャーによる
転写電流により可視像の転写を行なう方法であって、直
流バイアス付交流の除電チャージャーを用いて、上記直
流バイアスの制御により上記転写ドラムを、第1の転写
前に所定の電位値V1とし、ついで、所定の転写電流に
よって第1の転写を行ない、つづいて、上記除電チャー
ジャーにより略上記電位値V1まで除電し、以下、上記
と同一の転写条件、除電条件にて、転写と除電とを必要
回数繰返し、最後の可視像の転写後、上記直流バイアス
を制御して、除電チャージャーにより分離電位V2(|
V2|<|V1|)まで除電し、しかるのち、転写紙を
転写ドラムから分離するように構成したものである。
【0010】また、上記特開昭62−187870号公
報に開示されたカラー電子写真方式における可視像転写
方法は、絶縁性のフィルムによる転写ドラムの外周面部
に転写紙を保持し、転写ドラム内部に設けた転写チャー
ジャーによる転写電流により可視像の転写を行なう方法
であって、所定の転写電流I0 によって第1の転写を行
ない、次いで、直流バイアス付交流の除電チャージャー
を用い、上記直流バイアスの制御により、所定の電位V
1まで除電を行ない、次に、転写電流I1 により第2の
転写を行ない、以下、上記除電チャージャーによる、電
位略V1までの除電と、転写電流I1 により可視像転写
とを必要回数繰返し、最後の可視像の転写後、上記直流
バイアスを制御して、除電チャージャーにより分離電位
V2(|V2|<|V1|)まで除電し、しかるのち、
転写紙を転写ドラムから分離するように構成したもので
ある。
【0011】さらに、上記特開昭57−198478号
公報に開示された転写装置は、像担持体上の現像像を循
環転写する転写材担持手段により保持された転写材上に
多重転写する転写装置において、像担持体に対面する転
写コロナ放電手段と、表面に転写材を担持して転写コロ
ナ放電手段と像担持体との間を移動する、表面が誘電体
からなる転写材担持手段と、転写材が像担持体から分離
される直前に設けられた針状導電部材を有するように構
成したものである。
【0012】また更に、上記特開昭58−186760
号公報に開示された転写装置は、転写材を誘電製担持手
段で担持し、像担持体の現像像を転写材上にコロナ転写
する転写装置において、像担持体表面と転写材が分離す
る空隙の近傍に張架した自己放電型ワイヤーを有するよ
うに構成したものである。
【0013】さらに、上記実開昭62−57271号公
報に開示された転写装置は、感光体上に形成されたトナ
ー像を、ドラム枠に絶縁性フィルムを張付けて構成され
た転写ドラムに巻着けられた転写材に、転写チャージャ
により転写する静電記録装置の転写装置において、上記
転写ドラムに沿って転写チャージャの下流側に除電手段
を設けるように構成したものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記特開昭62−187869号公報及び特開
昭62−187870号公報に開示されたカラー電子写
真方式における可視像転写方法の場合には、転写ニップ
から離れた下流側で、転写材保持部材をコロナ放電器で
除電するように構成したものであるため、表面と裏面同
時に行わねば、除電効果が少ないため、その分除電手段
の構成が大型となるという問題点を有しているばかり
か、単に転写材保持部材が帯電している電荷と逆極性の
電荷を与えるだけの除電では、転写材上の転写済トナー
に逆極性の電荷が与えられることになり、一部逆極性に
帯電したトナーが発生する。すると、次回の転写のとき
に、転写電荷の作用をうけて、この転写材上の逆極性ト
ナーが、トナー像担持体に戻ってしまうリトランスファ
ーと呼ばれる現象が起き、最終画像の色が変化したり、
ムラになってしまうという問題点が発生する。また、こ
のようなリトランスファーを抑えるには、転写材保持部
材の電位等を検知し、除電用のコロナ放電を制御する必
要があり、装置が複雑化するという問題点が新たに生じ
ることになる。しかし、この場合でも、転写材保持部材
や、転写材上のトナーの電位や、電荷量を所望の値にす
るのは容易ではなく、リトランスファーを確実に防止す
ることができないという問題点を有している。
【0015】また、上記特開昭57−198474号公
報や特開昭58−186760号公報に開示された転写
装置の場合には、図6に示すように、トナー像担持体1
00と転写ドラム101を構成する転写材保持部材が分
離していく剥離部に、除電用の自己放電ワイヤ111を
設けたものであるが、この場合には、自己放電ワイヤ1
11を転写ニップにかなり近づけなれば、剥離放電によ
って、誘電体である転写材保持部材101が帯電するの
を抑えることができない。しかし、自己放電ワイヤ11
1を転写ニップに近づけると、転写用紙を静電的な吸着
だけで保持し、搬送している転写ドラムや転写ベルトで
は、先端が少し浮いた転写用紙が、自己放電ワイヤにひ
っかかって紙づまりになったり、ひっかかった転写用紙
で、自己放電ワイヤがきれてしまうという問題点が新た
に生じる。また、自己放電ワイヤ111への放電のとき
に、転写用紙上のトナーがワイヤへ向けて飛散し、トナ
ー像が乱れることがあるという問題点をも有している。
さらに、トナーによりワイヤ111が汚れると、自己放
電が起きにくくなったり、ムラになったりして、多重転
写が良好に行えなくなるという問題点をも有している。
【0016】さらに、上記実開昭62−57271号公
報に開示された転写装置の場合には、図7及び図8に示
すように、転写ドラム内側で転写ドラムに沿って、転写
用コロナ放電器の下流側に、転写材保持部材に接する、
接地された導電性部材よりなる除電手段を設けるように
構成したものである。図7において、113は導電性ブ
ラシであり、接地されている。この場合、ブラシ113
は、転写用コロナ放電器102の下流側に設けられてい
る。一般に、上記コロナ放電器102の開口幅は、15
mm〜20mm程度であり、トナー像担持体100と転
写材保持部材101の転写部のニップ幅は、2〜4mm
である。ところで、コロナ放電器102のワイヤは、該
ニップと転写ドラム中心を結んだ領域Sに設定されてい
るのが良く、この領域外にワイヤが設定されると、必要
転写電荷を転写材保持部材101に付与するためのワイ
ヤ印加電圧が高くなり、リークしたり、電圧が上げられ
ずに転写不良が発生する。また、上流側にワイヤ位置を
持っていくと、転写ニップ前のギャップ領域で転写が始
まり、トナーが所定の位置に転写されず、飛び散って、
著しく画質低下となる。よって、上記領域S内にコロナ
放電器102のワイヤを置いた場合、コロナ放電器10
2の下流側に設けた除電ブラシ113は、転写ニップ部
よりも下流側で、トナー像担持体100と転写材保持部
材101が剥離されたところに接することになり、この
構成では既に剥離放電は発生しており、剥離放電防止の
十分な効果は得られないという問題点がある。
【0017】一方、図8に示すように、接地された導電
体ロール114を転写用コロナ放電器102の下流側に
設けた場合には、コロナ放電器102のワイヤから発生
した転写用電荷は、図9に示すように、転写ニップ部の
転写材保持部材101の裏面側に付与され転写の作用に
働くよりも、導電体であるロール114に流れる量が多
く、転写不良となりやすいという問題点が生じる。ま
た、転写に寄与する電荷量を増すためには、ロール11
4の位置を下流側にずらすことが効果的だが、この場合
には、剥離放電を抑えることができなくなり、前述の不
具合が発生する。さらに、上記転写用コロナ放電器10
2のワイヤの印加電圧を上げることも考えられるが、こ
の場合は、やはりリークの問題が起きてくる。この除電
用ロール114の不具合は、除電用ブラシ113の場合
も同様であり、転写作用を十分にすることと、転写電荷
による剥離放電の不具合を回避することを両立させるの
は困難であった。
【0018】そこで、本出願人は、上記従来技術の問題
点を解決し、紙詰まりや転写後の像乱れを起こすことな
く、転写ニップ後の剥離放電を抑える手段を提供するこ
とにより、多重転写時の転写用コロナ放電器のワイヤ印
加電圧が高くなりすぎるのを抑え、トナー飛散による画
質低下がなく、良好な転写を行うことができ、また、誘
電体よりなる転写材保持部材の電位または電荷量を調整
する除電用コロナ放電器も不要なカラー画像形成装置を
提供すべく、特願平6−17606号に記載のカラー画
像形成装置を既に提案している。
【0019】上記特願平6−17606号に開示された
カラー画像形成装置の場合には、像担持体上に順次形成
された各色に対応する静電潜像を、各色のトナーで順次
現像し、該現像像を誘電体シートよりなる転写材保持部
材上に保持された転写材上に、静電的に順次重ねて転写
することによりカラー画像の形成を行なうカラー画像形
成装置において、前記転写材保持部材の像担持体と対向
したトナー像転写部の裏面側で、該像担持体と転写材保
持部材のニップ部の少なくとも直後から転写材保持部材
の移動方向下流側の領域にかけて、当該転写材保持部材
裏面の除電を行なう除電部材を設け、この除電部材を、
転写材保持部材の裏面に接触する接地された薄層形状の
導電部材と、この導電部材の静電転写手段側の領域を覆
う同じく薄層形状の誘電部材とから構成したものであ
る。
【0020】そして、この構成に係るカラー画像形成装
置では、転写ニップ部直後の剥離放電が起こる以前の少
なくとも転写ニップ部直後から、転写材保持部材の移動
方向下流側の領域にかけて、転写材保持部材裏面に付与
された過度の転写用電荷を除電部材によって除電するよ
うに構成されているので、剥離放電をほとんど起こさず
にトナー像担持体から誘電体シートよりなる転写材保持
部材及び転写材を剥離することができる。このとき、転
写材保持部材裏面には、転写されたトナー電荷量とほぼ
同等で逆極性の電荷は残留しており、転写されたトナー
像が乱れることはないという作用を有する。
【0021】しかしながら、上記特願平6−17606
号に記載のカラー画像形成装置の場合には、次のような
問題を有している。すなわち、このカラー画像形成装置
の場合には、転写材保持部材の像担持体と対向したトナ
ー像転写部の裏面側で、該像担持体と転写材保持部材の
ニップ部の少なくとも直後から転写材保持部材の移動方
向下流側の領域にかけて、当該転写材保持部材裏面の除
電を行なう除電部材を設け、この除電部材を、転写材保
持部材の裏面に接触する接地された薄層形状の導電部材
と、この導電部材の静電転写手段側の領域を覆う同じく
薄層形状の誘電部材とから構成したものである。
【0022】このような構成においては、除電部材と転
写材保持部材の接触は薄層誘電部材の所謂こしによって
実現されることになる。そのため、上記除電部材の経時
変化や取付け状態によっては、誘電部材のこしが弱くな
ったり、不安定な接触状態が起こりやすく、特に、転写
材保持部材の移動方向と直交する方向においては、除電
部材と転写材保持部材の接触の均一性が保たれにくく、
一部分非接触状態となり、上記除電の効果が得られなく
なる部分が発生する。その結果、転写画像においては、
縦すじ状のムラという画像欠陥となって不具合を生じ、
また逆に、除電部材の転写材保持部材への接触圧力が強
くなりすぎて、線、文字画像の転写の際に、線、文字画
像の中抜けという画像欠陥が生じるという問題点があっ
た。
【0023】さらに、除電部材と転写材保持部材の接触
は、薄層誘電部材の所謂こしによって実現されるため、
薄層誘電部材の撓み具合が除電部材と転写材保持部材と
の接触摩擦抵抗で変化したり、不安定になりやすく、上
記除電の効果に重要な要因となる除電部材と転写材保持
部材との接触開始点の位置が一定でなくなり、上記除電
の効果が安定して得られにくいという問題点があった。
【0024】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、除電部材の転写材保持部材への接触を安定化さ
せることで、縦すじ状のムラや、線、文字画像の中抜け
等の画像欠陥がなく、特願平6−17606号に記載の
除電部材の効果、すなわち紙詰まりや転写後の像乱れを
起こすことなく、転写ニップ後の剥離放電を抑える手段
を提供することにより、多重転写時の転写用コロナ放電
器のワイヤ印加電圧が高くなりすぎるのを抑え、トナー
飛散による画質低下がなく、良好な転写を行うことがで
き、また、誘電体よりなる転写材保持部材の電位または
電荷量を調整する除電用コロナ放電器も不要にできると
いう効果が、安定して得られるカラー画像形成装置を提
供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
この発明の請求項第1項記載のカラー画像形成装置で
は、像担持体上に順次形成された各色に対応する静電潜
像を、各色のトナーで順次現像し、該現像像を誘電体シ
ートよりなる転写材保持部材上に保持された転写材上
に、静電的に順次重ねて転写することによりカラー画像
の形成を行なうカラー画像形成装置において、前記転写
材保持部材の像担持体と対向したトナー像転写部の裏面
側で、該像担持体と転写材保持部材のニップ部の少なく
とも直後から転写材保持部材の移動方向下流側の領域に
かけて、当該転写材保持部材裏面の除電を行なう除電部
材を設け、この除電部材を、転写材保持部材の裏面に接
触する接地された薄層形状の導電部材と、この導電部材
の静電転写手段側の領域を覆う同じく薄層形状の誘電部
材とから構成したものである。
【0026】また、この発明の請求項第2項記載のカラ
ー画像形成装置では、像担持体上に順次形成された各色
に対応する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、該
現像像を誘電体シートよりなる中間転写体上に、静電的
に順次重ねて1次転写するとともに、この中間転写体上
に多重転写された現像像を転写材上に2次転写すること
によりカラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置に
おいて、前記中間転写体の像担持体と対向したトナー像
転写部の裏面側で、該像担持体と中間転写体のニップ部
の少なくとも直後から中間転写体の移動方向下流側の領
域にかけて、当該中間転写体裏面の除電を行なう除電部
材を設け、この除電部材を、中間転写体の裏面に接触す
る接地された薄層形状の導電部材と、この導電部材の静
電転写手段側の領域を覆う同じく薄層形状の誘電部材と
から構成したものである。
【0027】上記除電部材は、中間転写体の像担持体と
対向したトナー像転写部の裏面側で、該像担持体と中間
転写体のニップ部の少なくとも直後から中間転写体の移
動方向下流側の領域にかけて配置されるが、この除電部
材は、像担持体と中間転写体のニップ部の一部から中間
転写体の移動方向下流側の領域にかけて配置するように
しても良い。
【0028】さらに、この発明の請求項第3項記載のカ
ラー画像形成装置では、像担持体上に順次形成された各
色に対応する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、
該現像像を誘電体シートよりなる転写材保持部材上に保
持された転写材上に、静電的に順次重ねて転写すること
によりカラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置に
おいて、前記転写材保持部材の像担持体と対向したトナ
ー像転写部の裏面側で、該像担持体と転写材保持部材の
ニップ部の少なくとも直後から転写材保持部材の移動方
向下流側の領域にかけて、当該転写材保持部材裏面の除
電を行なう除電部材を設け、この除電部材を、転写材保
持部材の裏面に接触する接地された薄層形状の導電部材
と、この導電部材の静電転写手段側の領域を覆う同じく
薄層形状の誘電部材とから構成し、当該除電部材の少な
くとも導電部材を弾性部材によって転写材保持部材の裏
面に押圧させるように構成したものである。
【0029】また更に、この発明の請求項第4項記載の
カラー画像形成装置では、前記薄層形状の導電部材を絶
縁性の弾性体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側
の領域を誘電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を
弾性部材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるよ
うに構成したものである。
【0030】さらに又、この発明の請求項第5項記載の
カラー画像形成装置では、像担持体上に順次形成された
各色に対応する静電潜像を、各色のトナーで順次現像
し、該現像像を誘電体シートよりなる中間転写体上に、
静電的に順次重ねて1次転写するとともに、この中間転
写体上に多重転写された現像像を転写材上に2次転写す
ることによりカラー画像の形成を行なうカラー画像形成
装置において、前記中間転写体の像担持体と対向したト
ナー像転写部の裏面側で、該像担持体と中間転写体のニ
ップ部の少なくとも直後から中間転写体の移動方向下流
側の領域にかけて、当該中間転写体裏面の除電を行なう
除電部材を設け、この除電部材を、中間転写体の裏面に
接触する接地された薄層形状の導電部材と、この導電部
材の静電転写手段側の領域を覆う同じく薄層形状の誘電
部材とから構成し、当該除電部材の少なくとも導電部材
を弾性部材によって中間転写体の裏面に押圧させるよう
に構成されている。
【0031】また、この発明の請求項第6項記載のカラ
ー画像形成装置では、前記薄層形状の導電部材を絶縁性
の弾性体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側の領
域を誘電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を弾性
部材によって中間転写体の裏面に押圧させるように構成
したものである。
【0032】さらに、この発明の請求項第7項記載のカ
ラー画像形成装置では、前記除電部材の導電部材の押圧
力が、10g/cm以下の線圧であるように構成されて
いる。
【0033】
【作用】この発明の請求項第1項に係るカラー画像形成
装置では、転写ニップ部直後の剥離放電が起こる以前の
少なくとも転写ニップ部直後から、転写材保持部材の移
動方向下流側の領域にかけて、転写材保持部材裏面に付
与された過度の転写用電荷を除電部材によって除電する
ように構成されているので、剥離放電をほとんど起こさ
ずにトナー像担持体から誘電体シートよりなる転写材保
持部材及び転写材を剥離することができる。このとき、
転写材保持部材裏面には、転写されたトナー電荷量とほ
ぼ同等で逆極性の電荷は残留しており、転写されたトナ
ー像が乱れることはない。
【0034】また、転写材上のトナー電荷量は、トナー
像担持体上に現像された状態とほとんど変わらず、トナ
ー帯電量が増大したり、帯電分布幅が広がることもない
ので、2回目以降のトナー転写時に、多重転写が良好と
なり、トナー電荷同士の反発によるトナー飛び散りもな
い。さらに、転写材保持部材表面側には、紙送りの妨害
となるもの、トナー像を乱すような電界発生部材もない
ので、良好な紙送りと転写が行える。
【0035】さらに、転写材保持部材は、その裏面に配
置された除電部材によって除電することができるため、
転写材保持部材の裏面が過剰に帯電することがないの
で、多重転写を行なう2回目以降の転写においても、転
写用コロナ放電器のワイヤ印加電圧は、1回目の転写時
より大幅に大きくする必要がなく、高電圧によるリーク
や電圧不足による転写不良も防止できる。また、剥離部
よりさらに下流側において、転写材保持部材及び、転写
材、転写材上のトナー等の電位、電荷量を調整するコロ
ナ放電器等の部材が不要であることは勿論である。
【0036】なお、この発明の請求項第2項に係るカラ
ー画像形成装置の作用は、上記請求項第1項に係る装置
の作用と同様である。
【0037】また、この発明の請求項第3項記載のカラ
ー画像形成装置では、除電部材の少なくとも導電部材を
弾性部材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるよ
うに構成したので、該弾性部材の作用により導電部材を
転写材保持部材の裏面に均一に接触させることができ、
前記除電部材の剥離放電防止効果が安定して得られる。
すなわち、上記導電部材と転写材保持部材の接触状態が
不均一になることにより、前記剥離放電防止効果が得ら
れなくなる部分が発生することによって、転写画像上に
縦すじ状の画像欠陥が発生するのを防止することができ
る。
【0038】さらに、この発明の請求項第4項記載のカ
ラー画像形成装置では、薄層形状の導電部材を絶縁性の
弾性体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側の領域
を誘電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を弾性部
材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるように構
成したので、導電部材を転写材保持部材の裏面に均一に
接触させることができ、部分的、局所的な剥離放電をほ
とんど起こさずに、トナー像担持体から誘電体シートよ
りなる転写材保持部材及び転写材を剥離することがで
き、これにより、転写材上のトナー電荷量が増大した
り、分布幅が広がったりすることもなく2回目以降の多
重転写が良好となり、転写不良やトナー同士の反発によ
るトナー飛び散り等による画質劣化や、縦すじ状の画像
ムラなどのきわめて少ないフルカラー像を得ることがで
きる。
【0039】また更に、この発明の請求項第5項記載の
カラー画像形成装置では、請求項第3項に記載の装置と
同様の作用を有する。
【0040】さらに又、この発明の請求項第6項記載の
カラー画像形成装置では、請求項第4項に記載の装置と
同様の作用を有する。
【0041】また、この発明の請求項第7項記載のカラ
ー画像形成装置では、除電部材の導電部材の押圧力が、
10g/cm以下の線圧であるように構成したので、一
般に知られているような線、文字画像の中央付近に強い
応力がかかることで発生する線、文字画像の中抜けとい
う画像欠陥を防止することができる。
【0042】
【実施例】以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説
明する。
【0043】図2はこの発明に係るカラー画像形成装置
の一実施例を示すものである。
【0044】図2において、1は感光体ドラムを示すも
のであり、この感光体ドラム1の表面には、図示しない
一次帯電器、画像露光手段や複数の現像器等の電子写真
プロセスを実行するための手段によって、複数色のトナ
ー像Tが順次形成されるようになっている。この感光体
ドラム1の表面に形成されたトナー像Tは、感光体ドラ
ム1の回転動作に伴って転写位置へと送られる。2は感
光体ドラム1の転写位置に配置された転写ドラムであ
り、この転写ドラム2は、感光体ドラム1と同一の周速
で矢印方向に沿って回転駆動されるようになっている。
この転写ドラム2は、厚さ100〜150μmのPET
または、PVdF等の誘電体シートよりなる転写材保持
部材3を備えている。この実施例では、転写材保持部材
3として厚さ150μmのPVdFシートを用いてい
る。この転写材保持部材3は、その先後端および両側端
が金属等の枠体によって支持され、ドラム形状になって
いる。そして、上記転写ドラム2は、上記の如く構成さ
れる転写材保持部材3によってドラム状に形成されてい
る。この転写ドラム2の表面には、給紙トレイ4上に積
層状態に収容された転写用紙5がフィードローラー6に
よって給紙され、この転写用紙5の先端は、転写ドラム
2の先端部に設けられた用紙グリッパー7によって把持
され、転写部へと導かれる。また、この用紙グリッパー
7によって先端が保持された転写用紙5は、用紙吸着部
において押し付けロール8によって転写ドラム2の表面
へ押し付けられるとともに、内側から静電吸着用のコロ
ナ放電器9によってコロナ放電を受け、転写ドラム2の
表面に巻き付けられた状態で静電的に吸着される。この
転写ドラム2上に保持された転写用紙5には、感光体ド
ラム1上に形成されたトナー像Tが、当該トナー像Tと
は逆極性の電荷を転写用コロナ放電器10により放電す
ることによって順次転写される。そして、所定色数のト
ナー像Tが転写された転写用紙5は、転写ドラム2の表
面に所定のタイミングで接触する剥離爪11によって転
写ドラム2の表面から剥離されるとともに、図示しない
用紙搬送ベルトによって定着装置に搬送され、この定着
装置によって転写用紙5上に所定色数のトナー像Tが定
着され、カラー画像の形成工程が終了する。上記転写用
紙5が転写材保持部材2から剥離されるときには、前記
グリッパー7は解放状態となり、転写用紙5先端の把持
を解除するようになっている。なお、図中、12は、転
写部において、転写材保持部材3及び転写用紙5を感光
体ドラム1へ押圧する押圧部材であり、誘電体シートに
よって構成されている。この実施例では、押圧部材12
としてPETシートを使用している。
【0045】ところで、この実施例では、像担持体と転
写材保持部材のニップ部の少なくとも直後から転写材保
持部材の移動方向下流側の領域にかけて、当該転写材保
持部材裏面の除電を行なう除電部材を設け、この除電部
材を、転写材保持部材の裏面に接触する接地された導電
部材と、この導電部材の静電転写手段側の領域を覆う誘
電部材とから構成するようになっている。
【0046】すなわち、上記転写ドラム2を構成する転
写材保持部材3の裏面には、感光体ドラム1と転写材保
持部材3が接触しているニップ部の一部から、転写材保
持部材3の移動方向の下流側に沿って、当該転写材保持
部材3の裏面の除電を行なう除電部材20が配置されて
いる。この除電部材20は、転写材保持部材3の裏面に
接触する接地された導電体層21と、この導電体層21
の転写用コロナ放電器10側の領域を覆う誘電体層22
とから構成されている。上記導電体層21としては、ア
ルミニウム箔や銅箔等が使用されるが、導電部材であれ
ば必ずしも金属箔でなくとも、導電性が付与された合成
樹脂層や多数本の導電性繊維からなるブラシ等を用いて
も良い。また、上記導電体層21には、その転写用コロ
ナ放電器10側の表面全体及び端部を覆うように誘電体
層22が接着されており、転写用コロナ放電器10から
の放電電荷が導電体層21に直接流れ込むのを防止して
いる。この実施例では、導電体層21として厚さ0.1
mm程度の銅箔を用い、誘電体層22にPETを使用し
ている。なお、上記導電体層21と誘電体層22とは、
誘電体シートに金属を蒸着することによって一体成型し
たものでも良い。
【0047】以上の構成において、この実施例に係るカ
ラー画像形成装置の場合には、次のようにして転写ドラ
ムを構成する転写材保持部材の除電が行われる。すなわ
ち、上記カラー画像形成装置においては、まず、複写動
作開始信号により感光体ドラム1上へのトナー像Tの作
像工程が開始されるとともに、誘電体シート3を備えた
転写ドラム2も感光体ドラム1の周速と略同速で回転を
開始する。また、転写用紙5は、フィードローラー6に
より給紙トレイ4から送り出され、この転写用紙5は、
その先端がグリッパー7によって把持されるとともに、
押し付けロール8と用紙吸着用コロナ放電器9の作用に
より転写ドラム2上に吸着保持されて転写部へと移動す
る。上記感光体ドラム1と転写ドラム2が当接する転写
位置へ移動したトナー像Tは、同期して移動してきた転
写ドラム2上の転写用紙5上にコロナ放電器10の作用
により静電的に吸着され転写が実行される。上記トナー
像Tが転写された転写用紙5と転写材保持部材3は、図
1に示すように、感光体ドラム1から分離されていく
が、このとき、転写材保持部材3の裏面に設けられた除
電部材20の作用により、転写用電荷は除電されるた
め、剥離部での剥離放電は発生しない。
【0048】これにより、転写用紙5上の転写されたト
ナー像Tの電荷量は変化することがなく帯電分布も変化
しない。さらに、誘電体である転写材保持部材3にも、
余分な電荷が残ることができないのでチャージアップす
ることなく、2回目以降の転写用コロナ放電器10の印
加電圧を大幅に大きくする必要がない。また、転写部と
剥離部を過ぎた転写材保持部材3の裏面及び、転写用紙
5上のトナーの電荷はほぼ同量で極性が逆となってい
る。このため、トナー像Tは、安定的に転写用紙5上に
形成されている。上述のように、転写用紙5上のトナー
電荷は増大することなく、また、帯電分布も広がること
がないので、2回目以降にトナー像を多重転写しても、
転写不良や、トナーの飛び散りによる画像低下がない。
【0049】本発明を適用する以前は、転写用紙5上の
トナー電荷量は、中心値が26μC/g、分布幅は20
μC/gであった。これに対し、本実施例では、転写用
紙5上のトナー電荷量は、中心値が18μC/g、分布
幅は、8μC/gであった。これは、感光体ドラム1上
に現像された状態でのトナー電荷量及び分布幅と、ほぼ
同じであった。
【0050】以上のように、本実施例では、除電部材2
0の作用により、剥離放電を抑えられ、多重転写を良好
に、安定的に行える。カラー複写装置において、各トナ
ー色に応じ、上記転写動作が3乃至4回行われ、所定の
転写作用が終了した転写用紙5は、剥離爪により、転写
ドラム2から剥離され、図示しない定着装置に送られ、
定着が行われる。
【0051】なお、上記実施例は、転写ドラムを用いた
カラー複写装置についてのものであるが、転写ドラムに
代わり無端ベルト状の転写材保持部材上に転写用紙を保
持し各色トナーに対応した、複数の感光体から同一転写
用紙上にトナー像を重ね転写するタンデムタイプのカラ
ー複写装置においても各色の転写部に、図1に示す除電
部材20を適用することで、転写ドラムを用いた場合と
同様の効果が得られる。
【0052】また、上記除電部材としては、薄く形成さ
れた誘電体製の容器に収容された水銀等の表面張力が大
きく且つ導電性を有する液体を導電部材として用いても
良い。この場合には、導電部材が液体であるため、転写
材保持部材裏面等との接触を均一に維持することができ
るという効果を奏する。
【0053】第2実施例 図3はこの発明の請求項第2項に記載されたカラー画像
形成装置の一実施例を示すものであり、前記請求項第1
項に記載の実施例と同一部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施例では、転写材保持部材上に保持さ
れた転写材上に像担持体上からトナー像を転写するので
はなく、中間転写体上に像担持体上に順次形成される各
色のトナー像を1次的に多重転写し、この中間転写体上
に多重転写されたトナー像を転写材上に2次転写するこ
とにより、カラー画像の形成を行なうように構成されて
いる。
【0054】すなわち、感光体ドラム1上のトナー像を
中間転写体30上に、1次転写したのち、これを中間転
写体30上から転写用紙5へ2次転写することにより画
像を形成するカラー画像形成装置の場合も、トナー像T
の多重転写を行い中間体上にフルカラー像を得る1次転
写部において図1に示す除電部材20を適用すること
で、転写ドラムを用いた場合と同様の効果が得られ、中
間転写体30上に良好に多重転写が行える。さらに、中
間転写体30を用いた複写装置では、中間体上のトナー
電荷量、および分布幅が大きくならないことにより、転
写用紙上への2次転写が良好に行えるという利点があ
る。
【0055】その他の構成及び作用は、前記実施例と同
一であるので、その説明を省略する。
【0056】第3実施例 図10はこの発明の請求項第3項に記載されたカラー画
像形成装置の一実施例を示すものであり、前記請求項第
1項に記載の実施例と同一部分には同一の符号を付して
説明すると、この実施例では、除電部材を、転写材保持
部材の裏面に接触する接地された薄層形状の導電部材
と、この導電部材の静電転写手段側の領域を覆う同じく
薄層形状の誘電部材とから構成し、当該除電部材の少な
くとも導電部材を弾性部材によって転写材保持部材の裏
面に押圧させるように構成されている。
【0057】すなわち、この実施例では、除電部材20
が転写材保持部材3の裏面に接触する接地された導電体
層21と、この導電体層21の転写用コロナ放電器10
側の領域を覆う弾性部材をも兼用する誘電体層22とか
ら構成されている。また、上記弾性部材をも兼用する誘
電体層22の基端部22aは、図10に示すように、導
電体層21の長さよりも長く延長されており、この誘電
体層22の基端部22aは、略L字形状に折曲された状
態で転写ドラム2の内側に配設された固定部材40に取
付けられている。そして、上記除電部材20の導電体層
21は、誘電体層22そのものが有する弾性力によって
転写ドラム2の裏面に均一な圧接力で接触するように構
成されている。なお、上記導電部材21の転写用コロナ
放電器10側の領域は、誘電部材22によって覆われて
おり、転写用コロナ放電器10からの放電が除電部材2
0を構成する導電部材21に漏れるのを防止するように
なっている。
【0058】また、図11はこの実施例の変形例を示す
ものであり、この変形例では、除電部材20を構成する
導電体層21と誘電体層22以外に、この除電部材20
を転写ドラム2の裏面に均一な圧接力で接触させる弾性
部材41が別に設けられている。この弾性部材41は、
所定の弾性率を有する誘電体等からなり、その先端部4
1aが除電部材20の先端部に固定されているととも
に、その基端部41bが転写用コロナ放電器10のシー
ルド10aに固定されている。そして、上記除電部材2
0の導電体層21は、弾性部材41が有する弾性力によ
って転写ドラム2の裏面に均一な圧接力で接触するよう
に構成されている。
【0059】上記実施例の場合には、除電部材20を弾
性部材を兼ねる誘電体層22又は弾性部材41によって
転写ドラム2の裏面に押圧させるように構成したので、
該誘電体層22又は弾性部材41の作用により導電部材
21を転写ドラム1の裏面に均一に接触させることがで
き、前記除電部材20の剥離放電防止効果が安定して得
られる。すなわち、上記導電部材20と転写ドラム2の
接触状態が不均一になることにより、前記剥離放電防止
効果が得られなくなる部分が発生することによって、転
写画像上に縦すじ状の画像欠陥が発生するのを防止する
ことができる。
【0060】第4実施例 図12はこの発明の請求項第4項に記載されたカラー画
像形成装置の一実施例を示すものであり、前記請求項第
1項に記載の実施例と同一部分には同一の符号を付して
説明すると、この実施例では、薄層形状の導電部材を絶
縁性の弾性体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側
の領域を誘電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を
弾性部材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるよ
うに構成されている。
【0061】すなわち、上記転写ドラム2を構成する転
写材保持部材3の裏面には、図12に示すように、感光
体ドラム1と転写材保持部材3が接触しているニップ部
の一部から、転写材保持部材3の移動方向の下流側に沿
って、当該転写材保持部材3の裏面の除電を行う除電部
材20が配置されている。この除電部材20は、転写材
保持部材3の裏面に接触する接地された導電体層21
と、この導電体層21を積層する絶縁性の弾性体層23
と、上記導電体層21の転写用コロナ放電器10側の領
域を覆う誘電体層22とから構成されている。上記導電
体層としては、アルミニウム箔や銅箔等が使用される
が、導電部材であれば必ずしも金属箔でなくとも、導電
性が付与された合成樹脂層や多数本の導電性繊維からな
るブラシ等を用いても良い。また、上記導電体層21
は、絶縁弾性体層23上に積層されており、この絶縁弾
性体層23は、シリコンやウレタン等の弾性を持った樹
脂層よりなり、特に発泡させることで、その弾性を活用
できる形になっている。さらに、上記導電体層21に
は、その転写用コロナ放電器10側の端部を覆うように
誘電体層22が接着されており、転写用コロナ放電器1
0からの放電電荷が導電体層21に直接流れ込むのを防
止している。
【0062】上述の除電部材20は、より具体的に、図
13(a)に示される。24は除電部材20の固定用基
材であり、厚さ数mmのポリカーボネート等の絶縁性樹
脂よりなる。23は上記の絶縁弾性体であり、厚さ10
mm以下でその弾性を活用できる厚さになっている。2
1は上記の薄層の導電体層であり、電気的に接地されて
いる。22は除電部材20の転写用コロナ放電器10側
の端部を覆うように取付けられたテフロン(登録商標)
等からなる誘電体層である。この誘電体層22の先端部
22aは、導電体層21側にわずか折り曲げられて、当
該誘電体層22の表面が導電体層21の表面と同一平面
を構成するように設定されており、導電体層21の先端
部の磨耗を防止するようになっている。
【0063】なお、図13(b)はこの実施例の変形例
を示すものであり、この図13(b)に示すように、絶
縁弾性体の一部分が導電体層21の転写用コロナ放電器
10側の端部を覆うような形状に設定されており、この
場合には、誘電体層22は不要となる。
【0064】また、図13(c)はこの実施例の他の変
形例を示すものであり、この図13(c)に示すよう
に、比較的厚い誘電体層22によって導電体層21の転
写用コロナ放電器10側の端部を覆うように構成されて
いる。この場合には、誘電体層22が磨耗に対して十分
な強度を有する。
【0065】図13(a)〜(c)において、点Aは導
電体層21の転写材保持部材3への接触開始点であり、
点Bは除電部材20の転写材保持部材3への接触開始点
である。点Aと点Bの間隔は、リーク防止の観点から通
常1mm程度に設定される。これは、前述のように、感
光体ドラム1と転写材保持部材3の転写部のニップ幅は
通常2〜4mmであり、除電部材20の剥離放電防止効
果を得るには、点Aが転写ニップ部内、もしくは剥離放
電が起こる以前の少なくとも転写ニップ直後にあり、こ
こから転写材保持部材3の移動方向下流側にかけて設定
されて導電体層21が、転写材保持部材3の裏面に接す
る必要があることと、転写用コロナ放電器10からの放
電電荷が、直接導電体層21に流れ込まないようにする
ためであること、及び、転写のために転写用コロナ放電
器10からの転写用電荷が感光体ドラム1と転写材保持
部材3がニップしている領域で直接転写材保持部材3の
裏面に供給される必要があることによる。
【0066】この実施例では、導電体層21として厚さ
0.1mm程度の銅箔を用い、誘電体層22に厚さ0.
1mmのPETを使用している。また、絶縁弾性体23
としてポリウレタンフォームを使用している。このよう
な構成とすることにより、前記接触開始点Aの位置が正
確に決められるようになり、動作中も除電部材20がば
たついたり、剥がれたりすることがなく、除電部材20
としての効果が安定して得られるようになっている。な
お、弾性体23を用いる理由としては、除電部材20と
転写材保持部材3の接触を均一に保つことの他に、転写
ニップ部の圧力を制御するためである。通常、除電部材
20を転写材保持部材3に押圧、接触することにより、
転写ニップ部圧力が増大する。一般に知られているよう
に、転写ニップ部での転写材保持部材3の感光体ドラム
1への接触圧力が過大になると、線、文字画像の中抜け
という画像欠陥が発生してしまう。この画像欠陥を防止
するには、転写ニップ部圧力をおよそ10g/cm以下
の線圧にする必要があることが、他の実験により確認さ
れている。つまり、転写ニップ部での転写材保持部材3
と感光体ドラム1の線圧と文字画像中抜け状の画像欠陥
のグレードとの関係を実験したところ、図14に示すよ
うに、画像欠陥のグレードを許容レベルであるG1以下
に抑えるには、転写ニップ部圧力をおよそ10g/cm
以下の線圧にする必要があることがわかった。
【0067】この線圧を安定的に実現させるには、前記
弾性体23を用いるのが好適である。この実施例では、
転写ニップ部での転写材保持部材3の感光体ドラム1へ
の線圧が6〜7g/cmとなるように設定されている。
【0068】以上の構成において、この実施例に係るカ
ラー画像形成装置の場合には、次のようにして転写ドラ
ムを構成する転写材保持部材の除電が行われる。すなわ
ち、上記カラー画像形成装置においては、まず、複写動
作開始信号により感光体ドラム1上へのトナー像Tの作
像工程が開始されるとともに、誘電体シート3を備えた
転写ドラム2も感光体ドラム1の周速と略同速で回転を
開始する。また、転写用紙5は、フィードローラー6に
より給紙トレイ4から送り出され、この転写用紙5は、
その先端がグリッパー7によって把持されるとともに、
押し付けロール8と用紙吸着用コロナ放電器9の作用に
より転写ドラム2上に吸着保持されて転写部へと移動す
る。上記感光体ドラム1と転写ドラム2が当接する転写
位置へ移動したトナー像Tは、同期して移動してきた転
写ドラム2上の転写用紙5上にコロナ放電器10の作用
により静電的に吸着され転写が実行される。上記トナー
像Tが転写された転写用紙5と転写材保持部材3は、図
12に示すように、感光体ドラム1から分離されていく
が、このとき、転写材保持部材3の裏面に設けられた除
電部材20の作用により、転写用電荷は除電されるた
め、剥離部での剥離放電は発生しない。
【0069】この実施例においては、除電部材20の転
写材保持部材3への接触が弾性体23の働きにより、確
実かつ均一に得られるので、剥離部での剥離放電が部分
的に発生してしまうということがない。
【0070】これにより、転写用紙5上の転写されたト
ナー像Tの電荷量は変化することがなく帯電分布も変化
しない。さらに、誘電体である転写材保持部材3にも、
余分な電荷が残ることができないのでチャージアップす
ることなく、2回目以降の転写用コロナ放電器10の印
加電圧を大幅に大きくする必要がない。また、転写部と
剥離部を過ぎた転写材保持部材3の裏面及び、転写用紙
5上のトナーの電荷はほぼ同量で極性が逆となってい
る。このため、トナー像Tは、安定的に転写用紙5上に
形成されている。上述のように、転写用紙5上のトナー
電荷は増大することなく、また、帯電分布も広がること
がないので、2回目以降にトナー像を多重転写しても、
転写不良や、トナーの飛び散りによる画像低下がない。
【0071】さらに、この実施例では、上述のように、
剥離部での部分的な剥離放電をも抑えるように構成され
ているので、除電効果が不均一なために生じるすじ状の
転写ムラを発生させず、均一な転写画像が得られる。
【0072】上述のような除電部材20を適用する以前
は、転写用紙5上のトナー電荷量は、中心値が26μC
/g、分布幅は20μC/gであった。これに対し、本
実施例では、転写用紙5上のトナー電荷量は、中心値が
18μC/g、分布幅は、8μC/gであった。これ
は、感光体ドラム1上に現像された状態でのトナー電荷
量及び分布と、ほぼ同じであった。
【0073】以上のように、本実施例では、除電部材2
0の作用により、剥離放電を抑えられ、多重転写を良好
に、安定的に行える。カラー複写装置において、各トナ
ー色に応じ、上記転写動作が3乃至4回行われ、所定の
転写作用が終了した転写用紙5は、剥離爪により、転写
ドラム2から剥離され、図示しない定着装置に送られ、
定着が行われる。
【0074】なお、上記実施例は、転写ドラムを用いた
カラー複写装置についてのものであるが、転写ドラムに
代わり無端ベルト状の転写材保持部材上に転写用紙を保
持し各色トナーに対応した、複数の感光体から同一転写
用紙上にトナー像を重ね転写するタンデムタイプのカラ
ー複写装置においても各色の転写部に、図13に示す除
電部材20を適用することで、転写ドラムを用いた場合
と同様の効果が得られる。
【0075】第5実施例 図15はこの発明の請求項第5項に記載されたカラー画
像形成装置の一実施例を示すものであり、前記請求項第
3項に記載の実施例と同一部分には同一の符号を付して
説明すると、この実施例では、転写材保持部材上に保持
された転写材上に像担持体上からトナー像を転写するの
ではなく、中間転写体上に像担持体上に順次形成される
各色のトナー像を1次的に多重転写し、この中間転写体
上に多重転写されたトナー像を転写材上に2次転写する
ことにより、カラー画像の形成を行なうように構成され
ている。
【0076】すなわち、感光体ドラム1上のトナー像を
中間転写体30上に、1次転写したのち、これを中間転
写体30上から転写用紙5へ2次転写することにより画
像を形成するカラー画像形成装置の場合も、トナー像T
の多重転写を行い中間体上にフルカラー像を得る1次転
写部において図13に示す除電部材20を適用すること
で、転写ドラムを用いた場合と同様の効果が得られ、中
間転写体30上に良好に多重転写が行える。さらに、中
間転写体30を用いた複写装置では、中間体上のトナー
電荷量、および分布幅が大きくならないことにより、転
写用紙上への2次転写が良好に行えるという利点があ
る。
【0077】その他の構成及び作用は、前記実施例と同
一であるので、その説明を省略する。
【0078】
【発明の効果】この発明は、以上の構成及び作用よりな
るもので、請求項第1項及び第2項に記載のカラー画像
形成装置においては、転写ニップ後の剥離放電が起こる
以前の少なくとも転写ニップ部直後から移動方向下流側
にかけて、転写材保持部材又は中間転写体の裏面に付与
された過度の転写用電荷を除電部材によって除電するよ
うに構成されているので、剥離放電をほとんど起こさず
にトナー像担持体から、転写材保持部材及び転写材を剥
離することができ、これにより、転写材上のトナー電荷
量が増大したり、分布幅が広がったりすることもなく2
回目以降の多重転写が良好となり、転写不良やトナー同
士の反発によるトナー飛び散り等による画質劣化のきわ
めて少ないフルカラー像を得ることができるという効果
を奏する。
【0079】また、剥離放電を防止できる本発明におい
ては、誘電体よりなる転写材保持部材が多重転写を行う
2回目以降の転写においてもチャージアップすることが
ほとんどなく、さらに、転写用コロナ放電器からの放電
電荷が、直接除電部材へ流れ込むこともないので、転写
用コロナ放電器のワイヤ印加電圧は、1回目の転写時よ
り大幅に大きくする必要がないので、高電圧によるリー
クや電圧不足による転写不良を防止できるという効果を
奏する。
【0080】さらに、この発明においては、剥離部の転
写材保持部材表面側には、紙送りに妨害となるもの、ト
ナー像を乱すような電界発生部材もないので良好な紙送
りと転写が行え、剥離部よりさらに下流側においては、
転写材保持部材及び、転写材、転写材上のトナー等の電
位、電荷量を調整するコロナ放電器等の調整部材を不要
にできるという効果を奏する。
【0081】また、この発明の請求項第3項記載のカラ
ー画像形成装置では、除電部材の少なくとも導電部材を
弾性部材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるよ
うに構成したので、該弾性部材の作用により導電部材を
転写材保持部材の裏面に均一に接触させることができ、
前記除電部材の剥離放電防止効果が安定して得られる。
すなわち、上記導電部材と転写材保持部材の接触状態が
不均一になることにより、前記剥離放電防止効果が得ら
れなくなる部分が発生することによって、転写画像上に
縦すじ状の画像欠陥が発生するのを防止することができ
る。
【0082】さらに、この発明の請求項第4項記載のカ
ラー画像形成装置では、薄層形状の導電部材を絶縁性の
弾性体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側の領域
を誘電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を弾性部
材によって転写材保持部材の裏面に押圧させるように構
成したので、導電部材が積層された絶縁性の弾性体の弾
性力によって導電部材を転写材保持部材の裏面に均一に
接触させることができ、部分的、局所的な剥離放電をほ
とんど起こさずに、トナー像担持体から転写材保持部材
及び転写材を剥離することができ、これにより、転写材
上のトナー電荷量が増大したり、分布幅が広がったりす
ることもなく2回目以降の多重転写が良好となり、転写
不良やトナー同士の反発によるトナー飛び散り等による
画質劣化や、縦すじ状の画像ムラなどのきわめて少ない
フルカラー像を得ることができるという効果を奏する。
【0083】また、この発明の請求項第7項記載のカラ
ー画像形成装置では、除電部材の導電部材の押圧力が、
10g/cm以下の線圧であるように構成したので、一
般に知られているような線、文字画像の中央付近に強い
応力がかかることで発生する線、文字画像の中抜けとい
う画像欠陥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係るカラー画像形成装置の
一実施例を示す要部構成図である。
【図2】 図2はこの発明に係るカラー画像形成装置の
一実施例を示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明に係るカラー画像形成装置の
他の実施例を示す構成図である。
【図4】 図4は従来のカラー画像形成装置を示す構成
図である。
【図5】 図5は図4に示す装置の作用を示す要部構成
図である。
【図6】 図6は従来の他のカラー画像形成装置を示す
構成図である。
【図7】 図7は従来のさらに他のカラー画像形成装置
を示す要部構成図である。
【図8】 図8は従来のさらに他のカラー画像形成装置
を示す要部構成図である。
【図9】 図9は図8に示す装置の作用を示す要部構成
図である。
【図10】 図10はこの発明に係るカラー画像形成装
置の第3実施例を示す要部構成図である。
【図11】 図11は図10に示す実施例の変形例を示
す要部構成図である。
【図12】 図12はこの発明に係るカラー画像形成装
置の第4実施例を示す要部構成図である。
【図13】 図13(a)〜(c)は除電部材の構成を
それぞれ示す断面図である。
【図14】 図14は転写ニップ部の線圧と画像欠陥の
グレードの関係を示すグラフである。
【図15】 図15はこの発明に係るカラー画像形成装
置の第5実施例を示す要部構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム、2 転写ドラム、3 転写材保持部
材、5 転写用紙、20 除電部材、21 導電部材、
22 誘電部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−332321(JP,A) 実開 昭62−57271(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 G03G 15/01 114

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に順次形成された各色に対応
    する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、該現像像
    を誘電体シートよりなる転写材保持部材上に保持された
    転写材上に、静電的に順次重ねて転写することによりカ
    ラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置において、
    前記転写材保持部材の像担持体と対向したトナー像転写
    部の裏面側で、該像担持体と転写材保持部材のニップ部
    の少なくとも直後から転写材保持部材の移動方向下流側
    の領域にかけて、当該転写材保持部材裏面の除電を行な
    う除電部材を設け、この除電部材を、転写材保持部材の
    裏面に接触する接地された薄層形状の導電部材と、この
    導電部材の静電転写手段側の領域を覆う同じく薄層形状
    の誘電部材とから構成したことを特徴とするカラー画像
    形成装置。
  2. 【請求項2】 像担持体上に順次形成された各色に対応
    する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、該現像像
    を誘電体シートよりなる中間転写体上に、静電的に順次
    重ねて1次転写するとともに、この中間転写体上に多重
    転写された現像像を転写材上に2次転写することにより
    カラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置におい
    て、前記中間転写体の像担持体と対向したトナー像転写
    部の裏面側で、該像担持体と中間転写体のニップ部の少
    なくとも直後から中間転写体の移動方向下流側の領域に
    かけて、当該中間転写体裏面の除電を行なう除電部材を
    設け、この除電部材を、中間転写体の裏面に接触する接
    地された薄層形状の導電部材と、この導電部材の静電転
    写手段側の領域を覆う同じく薄層形状の誘電部材とから
    構成したことを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 【請求項3】 像担持体上に順次形成された各色に対応
    する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、該現像像
    を誘電体シートよりなる転写材保持部材上に保持された
    転写材上に、静電的に順次重ねて転写することによりカ
    ラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置において、
    前記転写材保持部材の像担持体と対向したトナー像転写
    部の裏面側で、該像担持体と転写材保持部材のニップ部
    の少なくとも直後から転写材保持部材の移動方向下流側
    の領域にかけて、当該転写材保持部材裏面の除電を行な
    う除電部材を設け、この除電部材を、転写材保持部材の
    裏面に接触する接地された薄層形状の導電部材と、この
    導電部材の静電転写手段側の領域を覆う同じく薄層形状
    の誘電部材とから構成し、当該除電部材の少なくとも導
    電部材を弾性部材によって転写材保持部材の裏面に押圧
    させたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記薄層形状の導電部材を絶縁性の弾性
    体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側の領域を誘
    電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を弾性部材に
    よって転写材保持部材の裏面に押圧させたことを特徴と
    する請求項第3項記載のカラー画像形成装置。
  5. 【請求項5】 像担持体上に順次形成された各色に対応
    する静電潜像を、各色のトナーで順次現像し、該現像像
    を誘電体シートよりなる中間転写体上に、静電的に順次
    重ねて1次転写するとともに、この中間転写体上に多重
    転写された現像像を転写材上に2次転写することにより
    カラー画像の形成を行なうカラー画像形成装置におい
    て、前記中間転写体の像担持体と対向したトナー像転写
    部の裏面側で、該像担持体と中間転写体のニップ部の少
    なくとも直後から中間転写体の移動方向下流側の領域に
    かけて、当該中間転写体裏面の除電を行なう除電部材を
    設け、この除電部材を、中間転写体の裏面に接触する接
    地された薄層形状の導電部材と、この導電部材の静電転
    写手段側の領域を覆う同じく薄層形状の誘電部材とから
    構成し、当該除電部材の少なくとも導電部材を弾性部材
    によって中間転写体の裏面に押圧させたことを特徴とす
    るカラー画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記薄層形状の導電部材を絶縁性の弾性
    体上に積層し、該導電部材の静電転写手段側の領域を誘
    電部材にて覆い、当該除電部材の導電部材を弾性部材に
    よって中間転写体の裏面に押圧させたことを特徴とする
    請求項第5項記載のカラー画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記除電部材の導電部材の押圧力が、1
    0g/cm以下の線圧であることを特徴とする請求項第
    4項乃至第6項のいずれかに記載のカラー画像形成装
    置。
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