JP7463818B2 - 加熱体、ヒートシール装置、及び定着装置 - Google Patents

加熱体、ヒートシール装置、及び定着装置 Download PDF

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Description

本発明は、加熱体、ヒートシール装置、及び定着装置に関する。
特許文献1には、「基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、上記フッ素樹脂層が、架橋度の低い馴染み層を含む摺動部品」が開示されている。
特許文献2には、「基材、該基材の表面に設けられた弾性層、及び表層を有する定着部材であって、該表層は特定の構造式で示される部分構造を有しているテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体を含み、かつ、ぬれ張力が31.0mN/mである、ぬれ張力試験用混合液に対する接触角が65°以上である表面を有することを特徴とする定着部材」が開示されている。
特開2018-185007号公報 特開2015-165299号公報
被加熱体を加熱しながら搬送する装置において無端ベルト等の回転体の内周面に接触しつつ加熱する加熱体では、回転体への接触面の耐摩耗性が求められることに加え、被加熱体が加熱される際に加熱ムラによる凹凸等の発生が起こりにくいことが求められる。
本発明の課題は、加熱源となる加熱層と前記加熱層上に設けられ未架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層である表面層とを有し、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm未満であり、かつ、表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃超えである加熱体に比べ、耐摩耗性を有しつつ、被加熱体の表面凹凸の発生を抑制する加熱体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 加熱源となる加熱層と、
前記加熱層上に設けられた表面層であって、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層、架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層、又は架橋フッ素樹脂層である表面層と、
を有し、
前記表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm以上であり、かつ、
前記表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃以下である加熱体。
<2> 前記架橋フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子、パーフルオロアルキルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン共重合樹脂粒子、及びヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂粒子から選択される少なくとも1種である<1>に記載の加熱体。
<3> 前記架橋フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子である<2>に記載の加熱体。
<4> 前記耐熱樹脂層は、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、ポリベンゾイミダゾール樹脂層、又は未架橋フッ素樹脂層である<1>~<3>のいずれか1つに記載の加熱体。
<5> 前記金属層は、無電解金属めっき層である<1>~<4>のいずれか1つに記載の加熱体。
<6> 前記無電解金属めっき層は、無電解ニッケル・リンめっき層である<5>に記載の加熱体。
<7> 第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の加熱体であって、前記第2回転体の内面に前記加熱体の表面層が接して配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、
を備えるヒートシール装置。
<8> 第1回転体と、
前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の加熱体であって、前記第2回転体の内面に前記加熱体の表面層が接して配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、
を備える定着装置。
前記<1>、<2>、<3>、<4>、<5>、又は<6>に係る発明によれば、加熱源となる加熱層と前記加熱層上に設けられ未架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層である表面層とを有し、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm未満であり、かつ、表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃超えである加熱体に比べ、耐摩耗性を有しつつ、被加熱体の表面凹凸の発生を抑制する加熱体が提供される。
前記<7>又は<8>に係る発明によれば、加熱源となる加熱層と前記加熱層上に設けられ未架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層である表面層とを有し、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm未満であり、かつ、表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃超えである加熱体を適用した場合に比べ、耐摩耗性を有しつつ、被加熱体の表面凹凸の発生を抑制する加熱体を備えたヒートシール装置又は定着装置が提供される。
本実施形態に係るヒートシール装置の一構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の一構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る物品搬送装置の一構成例を示す概略図である。
以下に、本実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本実施形態中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本実施形態中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本実施形態において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本実施形態において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
本実施形態において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本実施形態において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
[加熱体]
本実施形態に係る加熱体は、加熱源となる加熱層と、前記加熱層上に設けられた表面層であって、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層、架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層、又は架橋フッ素樹脂層である表面層と、を有し、前記表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm以上であり、かつ、前記表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃以下である。
以下、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さを「表面フッ素樹脂硬度」ともいい、表面層における熱膨張係数を「表面線膨張率」ともいう。
ここで、表面フッ素樹脂硬度(つまり、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さ)は、25℃において、表面層の露出面のうちフッ素樹脂が露出している領域を選択的に5箇所についてマルテンス硬さを測定し平均した値である。例えば、フッ素樹脂以外のベース樹脂にフッ素樹脂粒子が分散された表面層の場合、表面層の露出面のうちフッ素樹脂粒子が露出した領域5箇所についてマルテンス硬さの測定を行い平均した値を「表面フッ素樹脂硬度」とする。
マルテンス硬さの測定は、ナノインデンター(フィッシャー・インストルメンツ社製HM500)を用いてナノインデンテーション法により行う。具体的には、測定対象の領域について、ベルコビッチ圧子により、測定温度25℃、最大押し込み深さ0.5μmの条件で測定する。
また、表面線膨張率(つまり、表面層における熱膨張係数)は、JIS K7197(1991年)に準じて測定された線膨張率である。具体的には、加熱体の表面層から作製又は別途作製した測定用試料片(幅10mm、厚さ50μm、長さ20mm)について、熱分析装置(島津製作所製、TMA-50)を用いて、昇温速度5℃/minの条件で、温度を25℃から200℃まで変化させながら求めたTMA曲線(変位量)より算出する。
本実施形態の加熱体は、加熱層上に設けられた表面層が、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層、架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層、又は架橋フッ素樹脂層であり、表面フッ素樹脂硬度が10N/mm以上であり、かつ、表面線膨張率が20.0×10-5/℃以下であることにより、耐摩耗性を有しつつ、被加熱体の表面凹凸の発生が抑制される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
無端ベルト等の回転体上に配置された被加熱体を加熱しながら搬送する装置(例えば、ヒートシール装置、定着装置等)において、加熱体が回転体の内面に接触した状態で回転体の内面から押圧しつつ加熱を行う場合、装置の連続運転によって加熱体の表面が摩耗することがある。加熱体の表面が摩耗すると、例えば偏摩耗に起因する加熱ムラや摩擦ムラが発生したり、加熱体の表面が荒れることで回転体の回転負荷が上昇したりすることがある。
また、加熱体が回転体の内面に接触した状態で回転体の内面から押圧しつつ加熱を行う装置では、加熱体の表面が熱膨張すると、加熱体表面の平滑さが失われて加熱ムラが生じ、加熱ムラに起因する凹凸が加熱された被加熱体に発生することがある。
これに対して、本実施形態では、表面層が架橋フッ素樹脂を含み、表面フッ素樹脂硬度が10N/mm以上であり、かつ、表面線膨張率が20.0×10-5/℃以下である。
そのため、架橋フッ素樹脂の存在により、加熱体の表面が低摩擦化するとともに、回転体の内周面に潤滑剤を用いる場合は潤滑剤との親和性が向上し、加えて表面フッ素樹脂硬度が高いことで、回転体の内面に接触する加熱体の表面が摩耗しにくくなる。そして、加熱体の表面層が熱膨張しにくいことにより、熱膨張に起因する加熱ムラが抑制され、被加熱体の表面凹凸の発生が抑制される。
以上のことから、本実施形態の加熱体では、耐摩耗性を有しつつ、被加熱体の表面凹凸の発生が抑制されると推測される。
本実施形態の加熱体は、加熱源となる加熱層と、加熱層上に設けられた表面層とを少なくとも有し、必要に応じてその他の層を有してもよい。その他の層としては、例えば、加熱層と表面層との間に設けられる層(接着層等)、加熱層の表面層とは反対側に設けられる層(断熱層等)などが挙げられる。
以下、本実施形態に係る加熱体を構成する各層について、それぞれ説明する。
<加熱層>
加熱層は、加熱源となる層であれば特に限定されるものではない。
加熱層としては、例えば、発熱部を2枚の樹脂フィルムで溶着した面状発熱体(例えばセラミクスヒーター等の発熱板、ニクロム線ヒーター等が挙げられる。
加熱層の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、表面層を設ける面を有する形状が挙げられ、その中でも、表面層を設ける面が平面であることが好ましい。
表面層を設ける面の大きさは、特に限定されるものではなく、必要とされる装置に具備可能な面積とすればよい。
加熱層の平均厚みは、特に限定されるものではなく、必要とされる装置に具備可能な厚みとすればよい。
<表面層>
(表面フッ素樹脂硬度)
表面フッ素樹脂硬度(つまり、表面層におけるフッ素樹脂の25℃におけるマルテンス硬さ)は、前記の通り10N/mm以上であり、10N/mm以上50N/mm以下であることが好ましく、10N/mm以上40N/mm以下であることがより好ましく、10N/mm以上30N/mm以下であることがさらに好ましい。
表面フッ素樹脂硬度の制御は、例えば、表面層に含まれるフッ素樹脂の種類を選択すること、フッ素樹脂を複数種含む場合(例えば非架橋フッ素樹脂と架橋フッ素樹脂とを含む場合等)はそれらの比率を調整することのほか、架橋フッ素樹脂の架橋処理度合を制御すること等によって行われる。
(表面線膨張率)
表面線膨張率(つまり、表面層における熱膨張係数)は前記の通り20.0×10-5/℃以下であり、1.0×10-5/℃以上20.0×10-5/℃以下であることが好ましく、2.0×10-5/℃以上18.0×10-5/℃以下であることがより好ましく、4.0×10-5/℃以上16.0×10-5/℃以下であることがさらに好ましい。
表面線膨張率の制御は、例えば、表面層に含まれる材料の種類を選択すること、表面層が複数種の材料を含む場合(例えば非架橋フッ素樹脂と架橋フッ素樹脂とを含む場合等)はそれらの比率を調整することのほか、架橋フッ素樹脂の架橋処理度合を制御すること等によって行われる。
(架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層)
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層は、例えば、ベース樹脂としての耐熱性樹脂に架橋フッ素樹脂粒子を分散した層が挙げられる。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層は、少なくともベース樹脂である耐熱性樹脂と架橋フッ素樹脂粒子とを含み、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
耐熱性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂(以下「PI」といもいう)、ポリアミドイミド樹脂(以下「PAI」ともいう)、ポリベンゾイミダゾール樹脂(以下「PBI」ともいう)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(以下「PEEK」ともいう)、ポリサルフォン樹脂(以下「PSU」ともいう)、ポリエーテルスルホン樹脂(以下「PES」ともいう)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS」ともいう)、ポリエーテルイミド樹脂(以下「PEI」ともいう)、全芳香族ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下「PTFE」ともいう)、パーフルオロアルキルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(以下「PFA」ともいう)、ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(以下「FEP」ともいう)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(以下「ETFE」ともいう)、及びこれらの変性体等が挙げられる。
この中でも耐熱性樹脂としては、耐熱性の観点から、PI、PAI、PBI、非架橋のフッ素樹脂(すなわち、未架橋フッ素樹脂)が好ましく、PI、PBI、非架橋のPTFE、及び非架橋のPFAがより好ましく、PI、非架橋のPTFEがさらに好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子は、架橋フッ素樹脂からなる粒子である。
架橋フッ素樹脂としては、例えば、未架橋のフッ素樹脂に電離性放射線(例えば、γ線、電子線、X線、中性子線、又は高エネルギーイオン等)を照射して架橋させた架橋体が挙げられる。具体的には、架橋フッ素樹脂としては、例えば、結晶融点よりも高い温度で加熱した状態の未架橋フッ素樹脂に、酸素不在の環境下で、照射線量1KGy以上10MGy以下の電離性放射線を照射して架橋させた架橋体が挙げられる。
架橋フッ素樹脂粒子におけるフッ素樹脂としては、例えば、PTFE,PFA、FEP、ETFE、及びこれらの変性体等が挙げられ、その中でも、低摩擦化及び耐摩耗性の観点から、PTFE、PFA、及びFEPが好ましく、PTFEがより好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子の個数平均粒径としては、例えば1μm以上30μm以下の範囲が挙げられ、分散性の観点から、2μm以上25μm以下の範囲が好ましく、5μm以上20μm以下の範囲がより好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子の個数平均粒径は、次の方法により測定される値である。
まず、架橋フッ素樹脂粒子が含まれる層を切断して試料片を作製する。得られた試料片の断面について、SEM(走査型電子顕微鏡)により、例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態の架橋フッ素樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行う。50個の一次粒子状態の架橋フッ素樹脂粒子の最大径の平均値を求め、上記個数平均粒径とする。なお、SEMとしては、日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層における架橋フッ素樹脂の含有量としては、例えば5質量%以上80質量%以下が挙げられ、被膜形成の観点から、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層に含まれるその他の成分としては、例えば、熱伝導性粒子、補強性粒子、その他添加剤等が挙げられる。
熱伝導性粒子としては、例えば、グラファイト粒子、窒化ホウ素粒子、カーボンナノチューブ粒子、カーボンブラック粒子、金属酸化物粒子等が挙げられ、その中でも、グラファイト粒子、窒化ホウ素粒子、カーボンナノチューブ粒子が好ましい。
耐熱樹脂層が熱伝導性粒子を含むことで、加熱層によって発熱した熱が表面層を通じて被加熱体に伝わりやすくなるため、加熱体の加熱効率が高くなる。
耐熱樹脂層が熱伝導性粒子を含む場合、その含有量としては、例えば5質量%以上20質量%以下の範囲が挙げられる。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層の厚みとしては、例えば、1μm以上100μm以下が挙げられ、耐摩耗性の観点から、2μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を形成する場合、耐熱樹脂層を形成する前にあらかじめ架橋された架橋フッ素樹脂粒子を用いてもよく、耐熱性樹脂がフッ素樹脂以外である場合は未架橋のフッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を形成した後に電離性放射線を照射することでフッ素樹脂粒子を架橋させてもよい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を形成する方法としては、例えば、あらかじめ架橋された架橋フッ素樹脂粒子と耐熱性樹脂又は耐熱性樹脂の前駆体とを含む分散液を加熱層の表面に塗布し塗布膜を乾燥させ、必要に応じて焼成を行うことで架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を得る方法、未架橋のフッ素樹脂粒子と耐熱性樹脂又は耐熱性樹脂の前駆体とを含む分散液を加熱層の表面に塗布し塗布膜を乾燥させ、必要に応じて焼成を行うことで未架橋のフッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を得た後に電離性放射線を照射する方法、あらかじめ架橋された架橋フッ素樹脂粒子と耐熱性樹脂とを混練等により混合し成形することで架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を得てから加熱層の表面に設ける方法、未架橋のフッ素樹脂粒子と耐熱性樹脂とを混練等により混合し成形することで未架橋のフッ素樹脂を含む耐熱樹脂層を得て加熱層の表面に設けた後に電離性放射線を照射する方法等が挙げられる。
なお、熱伝導性粒子を含む耐熱樹脂層を形成する場合は、上記耐熱性樹脂又は耐熱性樹脂の前駆体を含む分散液に熱伝導性粒子を添加してもよく、フッ素樹脂粒子と耐熱性樹脂との混練時に熱伝導性粒子を添加してもよい。
分散液を塗布する方法としては、公知の方法が挙げられ、具体的には、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、らせん塗布(フローコート)法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。また、分散液の塗布及び乾燥を行う方法として、遠心成形法等も挙げられる。
(架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層)
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層は、例えば、金属に架橋フッ素樹脂粒子が分散された層が挙げられる。
金属としては、例えば、ニッケル、銅、アルミが挙げられ、製造容易性の観点からその中でもニッケルが好ましい。
金属層に含まれる架橋フッ素樹脂粒子におけるフッ素樹脂の種類及び個数平均粒径は、上記耐熱樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂粒子におけるフッ素樹脂の種類及び個数平均粒径と同様である。
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層における架橋フッ素樹脂の含有量としては、例えば5質量%以上80質量%以下が挙げられ、膜強度の観点から、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層の厚みとしては、例えば、1μm以上30μm以下が挙げられ、耐摩耗性の観点から、1μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層を形成する場合、耐熱樹脂層を形成する前にあらかじめ架橋された架橋フッ素樹脂粒子を用いてもよく、未架橋のフッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層を形成した後に電離性放射線を照射することでフッ素樹脂粒子を架橋させてもよい。
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層を形成する方法としては、例えば、あらかじめ架橋された架橋フッ素樹脂粒子と金属とを含む無電解めっき液を用い無電解めっき法によって加熱層の表面に架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層を形成する方法、未架橋のフッ素樹脂粒子と金属とを含む無電解めっき液を用い無電解めっき法によって加熱層の表面に未架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層を形成した後に電離性放射線を照射する方法等が挙げられる。
架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層は、無電解金属めっき層であることが好ましく、ニッケルを含む無電解金属めっき層であることがより好ましく、無電解ニッケル・リンめっき層であることがさらに好ましい。
(架橋フッ素樹脂層)
架橋フッ素樹脂層は、架橋フッ素樹脂を主成分として含む層であり、必要に応じて添加剤等のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、熱伝導性粒子、補強性粒子、その他添加剤等が挙げられる。ただし、架橋フッ素樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂及び熱伝導性粒子の合計含有量は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。また、架橋フッ素樹脂層がその他の成分として熱伝導性粒子を含む場合、架橋フッ素樹脂層全体に対する熱伝導性粒子の含有量としては、例えば5質量%以上20質量%以下の範囲が挙げられる。
架橋フッ素樹脂層に含まれるフッ素樹脂の種類は、前記耐熱樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂粒子におけるフッ素樹脂の種類と同様である。
また、その他の成分として含まれる熱伝導性粒子の種類は、前記耐熱樹脂層にその他の成分として含まれる熱伝導性粒子の種類と同様である。
架橋フッ素樹脂層の厚みとしては、例えば、1μm以上50μm以下が挙げられ、耐摩耗性の観点から、2μm以上45μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下がより好ましい。
架橋フッ素樹脂層の形成方法としては、例えば、加熱層の表面に未架橋のフッ素樹脂層を形成した後に電離性放射線を照射することでフッ素樹脂層を架橋させ、架橋フッ素樹脂層を得る方法等が挙げられる。なお、未架橋のフッ素樹脂層の形成方法としては、例えば、未架橋のフッ素樹脂膜(フィルム、チューブ等)を加熱層の表面に配置する方法、未架橋のフッ素樹脂を含む分散液を加熱層の表面に塗布し乾燥させる方法等が挙げられる。分散液を塗布する方法としては、公知の方法が挙げられ、その具体例は前述の通りである。
なお、熱伝導性粒子を含む架橋フッ素樹脂層を形成する場合は、上記未架橋のフッ素樹脂を含む分散液に熱伝導性粒子を添加してもよい。
[ヒートシール装置]
本実施形態に係るヒートシール装置は、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前述の加熱体であって、第2回転体の内面に加熱体の表面層が接して配置され第2回転体の内面から第2回転体を第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、を備える。
ヒートシール装置では、例えば、被加熱体が、第1回転体と第2回転体との間における挟み込み領域で加熱されながら加圧される。具体的には、例えば、被加熱体としてシール部を接触させて重ねた積層体を用いる場合、ヒートシール装置における第1回転体と第2回転体との間の挟み込み領域を積層体が通過する際に、積層体が加熱及び加圧されることで、積層体のシール部が接着される。
以下、本実施形態に係るヒートシール装置の一例を説明するが、これに限られない。
図1は、本実施形態に係るヒートシール装置の一例を示す概略構成図である。図1は、前述の加熱体をヒータブロックとして備えたヒートシール装置である。
図1に示すヒートシール装置400は、第1回転体の一例としてのシールベルト410と、第2回転体の一例としてのシールベルト430と、シールベルト430の内部に設けられた前述の加熱体の一例としてのヒータブロック440と、を備えて構成されている。
なお、ヒートシール装置400では、第1回転体であるシールベルト410の内部に、前述の加熱体の一例としてのヒータブロック420が設けられている。
シールベルト410は、内部に配置された駆動ロール411と支持ロール412とヒータブロック420とによって回転自在に支持され、ヒータブロック420によってシールベルト430に対して加圧された状態で配置されている。
同様に、シールベルト430は、内部に配置された駆動ロール431と支持ロール432とヒータブロック440とによって回転自在に支持され、ヒータブロック440によってシールベルト410に対して加圧された状態で配置されている。
それにより、シールベルト410とシールベルト430との間で被加熱体を挟み込む挟み込み領域が形成されている。
ヒータブロック420は、加熱源となる抵抗発熱体である加熱層に表面層を有する構成であり、その表面層がシールベルト410の内面に接し、シールベルト410の内面からシールベルト430へ押圧しつつ、挟み込み領域を通過する被加熱体を加熱する。また、ヒータブロック440は、加熱源となる抵抗発熱体である加熱層に表面層を有する構成であり、その表面層がシールベルト430の内面に接し、シールベルト430の内面からシールベルト410へ押圧しつつ、挟み込み領域を通過する被加熱体を加熱する。
シールベルト410及びシールベルト430の内周面には、それぞれ、図示しない潤滑剤塗布部材が配設されている。潤滑剤塗布部材は、例えば、シールベルトの内周面に対して接触するように配置され、シールベルトの内周面に潤滑剤を適量供給する。
潤滑剤としては、例えば、フッ素オイル、シリコーンオイル、固形物質と液体とを混合させた合成潤滑油グリース等が挙げられる。
フッ素オイルとしては、例えば、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩およびヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等が挙げられる。
合成潤滑油グリースとしては、例えば、シリコーングリース(すなわち、上記シリコーンオイルを含むグリース)、フッ素グリース(すなわち、上記フッ素オイルを含むグリース)等が挙げられる。
潤滑剤は、加熱体の耐摩耗性の観点から、これらの中でも、フッ素原子を含む潤滑剤が好ましく、フッ素オイルを含む潤滑剤(すなわち、フッ素オイル及びフッ素グリース)がより好ましく、パーフルオロポリエーテルオイルを含む潤滑剤(すなわち、パーフルオロポリエーテルオイル単体及びパーフルオロポリエーテルオイルを含むグリース)がさらに好ましい。
なお、ヒートシール装置400では、潤滑剤塗布部材によりシールベルトの内周面に潤滑剤を供給しているが、潤滑剤塗布部材および潤滑剤を用いない形態としてもよい。
ヒートシール装置400では、まず、駆動ロール431の回転駆動によってシールベルト430が矢印A方向に回転することで、被加熱体であるシール部を接触させて重ねた積層体450が、シールベルト430上を矢印C方向に移動し、挟み込み領域に導かれる。一方、シールベルト410は、駆動ロール411の回転駆動によって矢印B方向に回転する。
挟み込み領域に搬送された積層体450は、シールベルト410及びシールベルト430の回転により搬送されつつ、ヒータブロック420及びヒータブロック440によって加熱及び加圧され、積層体450のシール部が接着される。
そして、シール部が接着された積層体450は、さらにシールベルト430の回転により搬送され、挟み込み領域から排出される。
[定着装置]
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、前述の加熱体であって、第2回転体の内面に加熱体の表面層が接して配置され第2回転体の内面から第2回転体を第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、を備える。
定着装置では、例えば、被加熱体が、第1回転体と第2回転体との接触部において加熱されながら加圧される。具体的には、例えば、被加熱体として未定着トナー像が形成された記録媒体を用いる場合、定着装置における第1回転体と第2回転体との接触部を未定着トナー像が形成された記録媒体が通過する際に、記録媒体が加熱及び加圧されることで、トナー像が記録媒体に定着される。
以下、本実施形態に係る定着装置の一例を説明するが、これに限られない。
図2は、本実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。図2は、前述の加熱体をセラミックヒータとして備えた定着装置である。
図2に示す定着装置900は、第1回転体の一例としての加圧ロール910と、第2回転体の一例としての定着ベルト920と、定着ベルト920の内部に設けられた前述の加熱体の一例としてのセラミックヒータ820と、を備えて構成されている。
加圧ロール910は、回転駆動する回転体である。加圧ロール910は、定着ベルト920に対応するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転に従動して定着ベルト920は、加圧ロール910の回転方向と反対の方向へ回転する。
加圧ロール910は、例えば、コア(円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性層912と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成されている。加圧ロール910を構成する各層は、必要に応じて、トナーのオフセット対策としてカーボンブラック等の添加により半導電性化されている。
定着ベルト920は、被加熱体である用紙Kの未定着トナー像保持面側に配置されている。定着ベルト920は、内部に配置されたセラミックヒータ820とベルト走行ガイド630と図示しないエッジガイドとによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域Nにおいて加圧ロール910に対して加圧された状態で接触して配置されている。なお、セラミックヒータ820及びベルト走行ガイド630は、金属製のホルダ650に保持されている。ベルト走行ガイド630は、例えば、静止摩擦係数が小さく、かつ、熱伝導率の低い材質(例えば、PFA、PPS等)で形成されている。
セラミックヒータ820は、加熱源となる抵抗発熱体である加熱層に表面層を有する構成であり、その表面層が定着ベルト920の内面に接し、定着ベルト920の内面から定着ベルト920を介して加圧ロール910に加圧される状態で配置され、加圧ロール910との間で挟込領域Nを形成している。セラミックヒータ820は、例えば、加圧ロール910側の面がフラットに形成されている。そして、セラミックヒータ820は、挟込領域Nに熱を供給する。
ホルダ650には、定着装置900の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材670が配設されている。潤滑剤塗布部材670は、定着ベルト920内周面に対して接触するように配置され、定着ベルト920の内周面に潤滑剤を適量供給する。
潤滑剤の具体例及び好ましい例は、前述のヒートシール装置に用いる潤滑剤の具体例及び好ましい例と同様である。
なお、定着装置900では、潤滑剤塗布部材670により定着ベルト920内周面に潤滑剤を供給しているが、潤滑剤塗布部材および潤滑剤を用いない形態としてもよい。
定着装置900では、剥離の補助手段として、定着ベルト920の挟込領域Nの下流側に、剥離部材700が配設されている。剥離部材700は、剥離バッフル710が定着ベルト920の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト920と近接する状態でホルダ720によって保持されている。
定着装置900では、まず、被加熱体である未定着トナー像を有する用紙Kが、定着入口ガイド560によって導かれて、挟込領域Nに向かって搬送される。挟込領域Nに搬送された用紙Kは、加圧ロール910及び定着ベルト920の回転により搬送され、挟込領域Nを通過する。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と、セラミックヒータ820から供給される熱と、によって定着される。
挟込領域Nを通過した用紙Kは、挟込領域Nの出口領域(剥離挟込部)において定着ベルト920の曲率の変化によって定着ベルト920から剥離される。
[物品搬送装置]
本実施形態に係る物品搬送装置は、無端ベルトからなる物品搬送ベルトと、前述の加熱体であって、物品搬送ベルトの内面に加熱体の表面層が接して配置され物品搬送ベルトお内面から押圧しつつ加熱する加熱体と、を備える。
物品搬送装置では、例えば、被加熱体である物品が、物品搬送ベルトにより搬送されながら、加熱体により加熱される。被加熱体である物品は、特に限定されるものではなく、例えば、食品、電子部品等が挙げられる。
なお、物品搬送装置は、物品搬送ベルトにより搬送される被加熱体に対し、加圧しながら加熱する装置であってもよい。
以下、本実施形態に係る物品搬送装置の一例を説明するが、これに限られない。
図3は、本実施形態に係る物品搬送装置の一例を示す概略構成図である。図3は、前述の加熱体をヒータブロックとして備えた物品搬送装置である。
図3に示す物品搬送装置300は、物品搬送ベルトの一例としての搬送ベルト310と、搬送ベルト310の内部に設けられた前述の加熱体の一例としてのヒータブロック320と、を備えて構成されている。
搬送ベルト310は、内部に配置された駆動ロール311と支持ロール312とヒータブロック320とによって回転自在に支持されている。
ヒータブロック320は、加熱源となる抵抗発熱体である加熱層に表面層を有する構成であり、その表面層が搬送ベルト310の内面に接し、搬送ベルト310の内面から押圧しつつ、搬送ベルト310によって搬送される被加熱体を加熱する。
搬送ベルト310の内周面には、図示しない潤滑剤塗布部材が配設されている。潤滑剤塗布部材は、例えば、搬送ベルト310の内周面に対して接触するように配置され、搬送ベルト310の内周面に潤滑剤を適量供給する。
潤滑剤の具体例及び好ましい例は、前述のヒートシール装置に用いる潤滑剤の具体例及び好ましい例と同様である。
なお、物品搬送装置300では、潤滑剤塗布部材により搬送ベルト310の内周面に潤滑剤を供給しているが、潤滑剤塗布部材および潤滑剤を用いない形態としてもよい。
物品搬送装置300では、まず、駆動ロール311の回転駆動によって搬送ベルト310が矢印E方向に回転することで、被加熱体である物品350が、搬送ベルト310上を矢印F方向に移動し、加熱領域に導かれる。
加熱領域に搬送された物品350は、搬送ベルト310の回転により搬送されつつ、ヒータブロック320によって加熱され、物品350が加熱される。
そして、加熱された物品350は、さらに搬送ベルト310の回転により搬送され、加熱領域から排出される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[加熱体の作製]
<加熱体1の作製>
加熱層として、平面を有するガラスヒータ(平面の大きさ:550cm、平均厚み:5mm)(以下「加熱層1」ともいう)を用いた。
また、以下のようにして、個数平均粒径20μmの架橋PTFE粒子1を得た。
具体的には、未架橋のPTFE粉末(ダイキン工業株式会社製、品番:ニューポリフロンPTFE M112)をマット状に固めた後、低酸素の雰囲気ガス中でそのPTFEの融点を若干上回る温度(すなわち300℃)に加熱した状態で所定量の放射線(放射線の種類:電子線、照射条件:200kGy)を照射して架橋させ、その後常温(すなわち25℃)まで冷却してから粉砕器で加工し、個数平均粒径20μmの架橋PTFE粒子1を得た。
また、熱伝導性粒子1として、グラファイト粒子(日本黒鉛社製、品番:UP)を準備した
PTFEを含む分散液(PTFEディスパージョン、ダイキン工業社製、品名:ポリフロンPTFE-Dシリーズ)100部(固形分50部)に、上記架橋PTFE粒子1を25部、上記熱伝導性粒子1を10部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って架橋PTFE粒子分散液1を得た。
得られた架橋PTFE粒子分散液1を、スプレー塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で30分保持することで焼成し、架橋PTFE粒子及び熱伝導性粒子が分散した非架橋PTFEの表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子及び熱伝導性粒子を含む耐熱樹脂層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:50質量%、熱伝導性粒子含有量:10質量%)である膜厚20μmの表面層1が加熱層1の表面に設けられた加熱体1を得た。
<加熱体2の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
架橋PTFE粒子として、上記架橋PTFE粒子1を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
PFAを含む分散液(PFAディスパージョン、ダイキン工業社製、品名:ネオフロン PFA AD-2CRER、固形分50%)100部に、上記架橋PTFE粒子1を20部、上記熱伝導性粒子1を10部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って架橋PTFE粒子分散液2を得た。
得られた架橋PTFE粒子分散液2を、スプレー塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、360℃の加熱炉内で30分保持することで焼成し、架橋PTFE粒子及び熱伝導性粒子が分散した非架橋PFAの表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:40質量%、熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚28μmの表面層2が加熱層1の表面に設けられた加熱体2を得た。
<加熱体3の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
PTFEを含む分散液(PTFEディスパージョン、ダイキン工業社製、品名:ポリフロンPTFE-Dシリーズ、固形分50%)100部に、上記熱伝導性粒子1を10部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って分散液3を得た。
得られた分散液3を、スプレー塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で30分保持することで焼成し、未架橋のPTFE層を得た。
続いて、未架橋のPTFE層に対し、300℃に温度調整した状態で、酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下、放射線を照射(放射線の種類:電子線、照射条件:200kGy)して架橋した。
以上のようにして、架橋PTFE層(熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚1μmの表面層3が加熱層1の表面に設けられた加熱体3を得た。
<加熱体4の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
架橋PTFE粒子として、上記架橋PTFE粒子1を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
市販のポリイミド前駆体溶液(UワニスS、宇部興産社製、固形分20wt%)100部に、上記架橋PTFE粒子1を10部、上記熱伝導性粒子1を4部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って架橋PTFE粒子分散液4を得た。
得られた架橋PTFE粒子分散液4を、ブレード塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で60分保持することで焼成し、架橋PTFE粒子及び熱伝導性粒子が分散したPIの表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:50質量%、熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚40μmの表面層4が加熱層1の表面に設けられた加熱体4を得た。
<加熱体5の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
架橋PTFE粒子として、上記架橋PTFE粒子1を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
PBIを含む分散液(ワニス、PBIをDMAC(N,N-ジメチルアセトアミド)に溶解させたPBIマトリックスレジンソリューション:MRS0810H、MRS0810N(以上、クラリアントジャパン製、固形分20wt%)、MRS0810HとMRS0810Nとの質量比、10:90)100部に、上記架橋PTFE粒子1を10部、上記熱伝導性粒子1を4部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って架橋PTFE粒子分散液5を得た。
得られた架橋PTFE粒子分散液5を、ブレード塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で30分保持することで焼成し、架橋PTFE粒子が分散したPBIの表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:50質量%、熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚33μmの表面層5が加熱層1の表面に設けられた加熱体5を得た。
<加熱体6の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
架橋PTFE粒子として、上記架橋PTFE粒子1を用いた。
ニッケルを含むめっき液100部に、上記架橋PTFE粒子1を25部添加し、羽かくはんにより15分間撹拌を行って架橋PTFE粒子分散めっき液6を得た。
得られた架橋PTFE粒子分散めっき液6を用いて、油分を除去する為の洗浄(具体的には、水酸化ナトリウムを主成分としたアルカリ洗浄液による洗浄)を実施した加熱層1の表面に無電解めっき(めっき条件:温度50℃、超音波振動を加えながら数分間実施)を行って、架橋PTFE粒子が分散した無電解ニッケル・リンめっき層である表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:25質量%)である膜厚4μmの表面層6が加熱層1の表面に設けられた加熱体6を得た。
<加熱体7の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
架橋フッ素樹脂粒子として、以下のようにして製造した架橋FEP粒子7を用いた。具体的には、未架橋のFEP粉末(ダイキン工業社製、品番:ネオフロンFEP-NP)をマット状に固めた後、窒素雰囲気下にて240℃に加熱した状態で所定量の放射線(放射線の種類:電子線、照射条件:150kGy)を照射して架橋させ、その後常温(すなわち25℃)まで冷却してから粉砕器で加工し、個数平均粒径5μmの架橋FEP粒子7を得た。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
市販のポリイミド前駆体溶液(UワニスS、宇部興産社製、固形分20wt%)100部に、上記架橋FEP粒子7を10部、上記熱伝導性粒子1を4部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って架橋FEP粒子分散液7を得た。
得られた架橋FEP粒子分散液7を、ブレード塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で60分保持することで焼成し、架橋FEP粒子及び熱伝導性粒子が分散したPIの表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層(架橋フッ素樹脂粒子含有量:50質量%、熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚40μmの表面層7が加熱層1の表面に設けられた加熱体7を得た。
<加熱体C1の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
未架橋PTFE粒子として、個数平均粒径10μmの非架橋PTFE粒子C1(ダイキン工業社製、品番:ポリフロンF)を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
PTFEを含む分散液(PTFEディスパージョン、ダイキン工業社製、品名:ポリフロン PTFE E-3705S21R、固形分50wt%)100部に、上記非架橋PTFE粒子C1を20部、上記熱伝導性粒子1を5部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って非架橋PTFE粒子分散液C1を得た。
得られた非架橋PTFE粒子分散液C1を、スプレー塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で30分保持することで焼成し、非架橋PTFE粒子及び熱伝導性粒子が分散した非架橋PTFEの表面層を得た。
以上のようにして、非架橋フッ素樹脂粒子を含み架橋フッ素樹脂粒子を含まない耐熱樹脂層(非架橋フッ素樹脂含有量:90質量%、熱伝導性粒子含有量:10質量%)である膜厚30μmの表面層C1が加熱層1の表面に設けられた加熱体C1を得た。
<加熱体C2の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
非架橋PTFE粒子として、上記非架橋PTFE粒子C1を用いた。
熱伝導性粒子として、上記熱伝導性粒子1を用いた。
市販のポリイミド前駆体溶液(UワニスS、宇部興産社製、固形分20wt%)100部に、上記非架橋PTFE粒子C1を10部、上記熱伝導性粒子1を4部添加し、サンドミルにより30分間撹拌を行って非架橋PTFE粒子分散液C2を得た。
得られた非架橋PTFE粒子分散液C2を、ブレード塗布法により、加熱層1の平面に塗布した。その後、350℃の加熱炉内で60分保持することで焼成し、非架橋PTFE粒子及び熱伝導性粒子が分散したPIの表面層を得た。
以上のようにして、非架橋フッ素樹脂粒子を含み架橋フッ素樹脂粒子を含まない耐熱樹脂層(非架橋フッ素樹脂含有量:80質量%、熱伝導性粒子含有量:20質量%)である膜厚35μmの表面層C2が加熱層1の表面に設けられた加熱体C2を得た。
<加熱体C3の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
非架橋PTFE粒子として、上記非架橋PTFE粒子C1を用いた。
ニッケルを含むめっき液100部に、上記非架橋PTFE粒子C1を25部添加し、羽かくはんにより15分間撹拌を行って非架橋PTFE粒子分散めっき液C3を得た。
得られた非架橋PTFE粒子分散めっき液C3を用いて、油分を除去する為の洗浄(具体的には、水酸化ナトリウムを主成分としたアルカリ洗浄液による洗浄)を実施した加熱層1の表面に無電解めっき(めっき条件:温度50℃、超音波振動を加えながら数分間実施)を行って、非架橋PTFE粒子が分散した無電解ニッケル・リンめっき層である表面層を得た。
以上のようにして、非架橋フッ素樹脂粒子を含み架橋フッ素樹脂粒子を含まない金属層(非架橋フッ素樹脂粒子含有量:25質量%)である膜厚5μmの表面層C3が加熱層1の表面に設けられた加熱体C3を得た。
<加熱体C4の作製>
加熱層として、上記加熱層1を用いた。
ニッケルを含むめっき液を用いて、油分を除去する為の洗浄(具体的には、水酸化ナトリウムを主成分としたアルカリ洗浄液による洗浄)を実施した加熱層1の表面に無電解めっき(めっき条件:温度50℃、超音波振動を加えながら数分間実施)を行って、無電解ニッケル・リンめっき層である表面層を得た。
以上のようにして、架橋フッ素樹脂粒子を含まない金属層である膜厚6μmの表面層C4が加熱層1の表面に設けられた加熱体C4を得た。
[加熱体の測定]
得られた加熱体について、前述の方法により、表面フッ素樹脂硬度(つまり、表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さ)及び表面線膨張率(つまり、表面層における熱膨張係数)を測定した。結果を表1~表4に示す。
[加熱体の評価A]
得られた加熱体を、図1に示すヒートシール装置のヒータブロック440として用いた。
なお、シールベルト430の内周面には、潤滑剤を用いた。潤滑剤としてはフッ素グリースである「パーフルオロポリエーテルオイルを含むグリース(住鉱潤滑剤社製、品名:スミテックF936)」を用いた。
一方、シール部を接触させて重ねた積層体である被加熱体として、ラミネートフィルム(東京ラミネックス社製、型番:PETラミネートフィルム、全体厚み:32μm)の間に、厚み100μm、大きさ20cm×20cmの紙片を挟んだ積層体を用い、積層体におけるシール部の接着(温度:150℃、圧力:5MPa、搬送速度:50mm/s)を連続で100万回行った。
<搬送安定性評価>
上記100万回の積層体におけるシール部の接着において、1000回ごとに、ベルト走行時の表面層摩耗に起因する振動発生の有無を、汎用振動計(リオンRION社製 型番:VM-82A)で確認した。最初に上記振動が確認されるまでの積層体におけるシール部の接着の回数を表1及び表2に示す。
<被加熱体表面凹凸評価>
上記100万回の積層体におけるシール部の接着において、1000回ごとに、シール部が接着された積層体を目視で確認し、溶着ムラに起因する積層体表面凹凸発生有無を判断した。最初に積層体表面凹凸発生が確認されるまでの積層体におけるシール部の接着の回数を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において「未発生」とは、100万回の接着において積層体表面凹凸が発生しなかったことを示す。
前記表1及び表2に示す結果から、本実施例の加熱体は、比較例の加熱体に比べ、ベルト走行時の表面層摩耗に起因する振動発生及び被加熱体表面の凹凸発生が共に抑制されており、耐摩耗性を有しつつ被加熱体の表面凹凸の発生が抑制されていることがわかる。
[加熱体の評価B]
得られた加熱体を、図2に示す定着装置のセラミックヒータ820として用いた。
なお、定着ベルト920の内周面には、潤滑剤を用いた。潤滑剤としてはフッ素グリースである「パーフルオロポリエーテルオイルを含むグリース(住鉱潤滑剤社製、品名:F931)」を用いた。
一方、未定着トナー像が形成された記録媒体である被加熱体として、1cm四方の黒トナー未定着ベタ画像が形成されたA4サイズの記録紙(富士ゼロックス社製、品名:C2用紙)を用い、未定着画像の定着(定着温度:165℃、定着圧力:1MPa、搬送速度:300mm/s)を連続で100万枚行った。
<トルク上昇評価>
駆動ロールである加圧ロール910にかかったトルクを測定し、経時でのトルク上昇(すなわち、回転負荷の上昇)をオシロスコープ測定装置(横河計測社製、型番:DLM400シリーズ)を用い、駆動電流が流れるケーブル部の電流測定を行い、所定の変換数式に代入し、モータートルク値に換算することによって評価した。なお、トルク上昇が小さいほど加熱体表面層の耐摩耗性が高いことを意味する。画像定着5万枚目及び8万枚目におけるトルク上昇値をそれぞれ表3及び表4に示す。
<画像光沢筋評価>
上記100万枚の画像定着において、1万枚ごとに、得られた定着画像の光沢筋発生の有無を目視で確認した。最初に上記光沢筋が確認されるまでの枚数を表3及び表4に示す。なお、上記光沢筋は、摩耗部分の凹みに起因するものと推測され、光沢筋が確認されるまでの枚数が多いほど摩耗が抑制されていることを意味する。なお、表3及び表4において「未発生」とは、100万枚の画像定着において光沢筋が発生しなかったことを示す。
<紙しわ評価>
上記100万枚の画像定着において、1万枚ごとに、画像が定着された記録媒体の紙しわ発生の有無を目視で確認した。最初に上記紙しわが確認されるまでの枚数を表3及び表4に示す。なお、上記紙しわは、トルク上昇によるベルト従動不良に起因するものと推測され、紙しわが確認されるまでの枚数が多いほどトルク上昇が抑制されていることを意味する。なお、表3及び表4において「未発生」とは、100万枚の画像定着において紙しわが発生しなかったことを示す。
<濃度むら評価>
上記100万枚の画像定着において、1万枚ごとに、得られた定着画像の濃度むら発生の有無を目視で確認した。最初に上記濃度むらが確認されるまでの枚数を表3及び表4に示す。なお、上記濃度むらは、表面摩耗による定着ムラに起因するものと推測され、濃度むらが確認されるまでの枚数が多いほど表面摩耗が抑制されていることを意味する。なお、表3及び表4において「未発生」とは、100万枚の画像定着において濃度むらが発生しなかったことを示す。
<ベルト座屈評価>
上記100万枚の画像定着において、1万枚ごとに、定着ベルト920の座屈発生の有無を目視で確認した。最初に上記座屈が確認されるまでの枚数を表3及び表4に示す。なお、上記座屈は、トルク上昇によるベルト従動不良に起因するものと推測され、座屈が確認されるまでの枚数が多いほど駆動力伝達不良が抑制されていることを意味する。なお、表3及び表4において「未発生」とは、100万枚の画像定着において座屈が発生しなかったことを示す。
前記表3及び表4に示す結果から、本実施例の加熱体は、比較例の加熱体に比べ、経時でのトルク上昇の抑制、定着画像の光沢筋発生の抑制、紙しわ発生の抑制、定着画像の濃度むら発生の抑制、及びベルト座屈の抑制が実現されており、耐摩耗性を有しつつ被加熱体の表面凹凸の発生が抑制されていることがわかる。
300 物品搬送装置
310 搬送ベルト
311、411、431 駆動ロール
312、412、432 支持ロール
320、420、440 ヒータブロック
350 物品
400 ヒートシール装置
410、430 シールベルト
450 積層体
560 定着入口ガイド
630 ベルト走行ガイド
650 ホルダ
670 潤滑剤塗布部材
700 剥離部材
710 剥離バッフル
720 ホルダ
820 セラミックヒータ
900 定着装置
910 加圧ロール
911 コア
912 耐熱性弾性層
913 離型層
920 定着ベルト
K 用紙
N 挟込領域

Claims (11)

  1. 加熱源となる加熱層と、
    前記加熱層上に設けられた表面層であって、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層、架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層、又は熱伝導性粒子を含む架橋フッ素樹脂層である表面層と、
    を有し、
    前記表面層におけるフッ素樹脂のマルテンス硬さが10N/mm以上であり、かつ、
    前記表面層における熱膨張係数が20.0×10-5/℃以下である加熱体。
  2. 前記架橋フッ素樹脂層全体に対する前記熱伝導性粒子の含有量は、5質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の加熱体。
  3. 前記熱伝導性粒子は、グラファイト粒子、窒化ホウ素粒子、カーボンナノチューブ粒子、カーボンブラック粒子、及び金属酸化物粒子からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の加熱体。
  4. 前記表面層は、架橋フッ素樹脂粒子を含む耐熱樹脂層又は架橋フッ素樹脂粒子を含む金属層である、請求項1に記載の加熱体。
  5. 前記架橋フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子、パーフルオロアルキルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン共重合樹脂粒子、及びヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂粒子から選択される少なくとも1種である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の加熱体。
  6. 前記架橋フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子である請求項に記載の加熱体。
  7. 前記耐熱樹脂層は、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、ポリベンゾイミダゾール樹脂層、又は未架橋フッ素樹脂層である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の加熱体。
  8. 前記金属層は、無電解金属めっき層である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の加熱体。
  9. 前記無電解金属めっき層は、無電解ニッケル・リンめっき層である請求項に記載の加熱体。
  10. 第1回転体と、
    前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
    請求項1~請求項のいずれか1項に記載の加熱体であって、前記第2回転体の内面に前記加熱体の表面層が接して配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、
    を備えるヒートシール装置。
  11. 第1回転体と、
    前記第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、
    請求項1~請求項のいずれか1項に記載の加熱体であって、前記第2回転体の内面に前記加熱体の表面層が接して配置され、前記第2回転体の内面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧しつつ加熱する加熱体と、
    を備える定着装置。
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