JP5459455B1 - 継目無金属管の製造方法、マンドレルミル及び補助治具 - Google Patents

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Abstract

この継目無金属管の製造方法は、延伸圧延時に中空素管と接触するワーク部の長さが異なる複数のマンドレルバーを準備する工程と;前記複数のマンドレルバーの中から、肉厚圧下に利用されるスタンド数に応じた長さのワーク部を備えるマンドレルバーを選択する工程と;前記中空素管に、前記選択する工程で選択された前記マンドレルバーを挿入する工程と;前記マンドレルバーが挿入された前記中空素管を延伸圧延する工程と;を備える。そして、前記延伸圧延する工程では、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれか一方で外径圧下を実施して他方で肉厚圧下を実施するか、又は、前記前段スタンド群及び前記後段スタンド群のいずれにおいても肉厚圧下を実施する。

Description

本発明は、継目無金属管の製造方法、マンドレルミル及び補助治具に関し、さらに詳しくは、マンドレルミルを用いた継目無金属管の製造方法、マンドレルミル、及び、継目無金属管の製造方法に利用される補助治具に関する。
本願は、2012年7月24日に、日本に出願された特願2012−163437号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
マンドレルミルを用いた継目無金属管の製造方法では、初めに、加熱された丸ビレットを穿孔機により穿孔圧延し、中空素管を製造する。製造された中空素管に対して、マンドレルバーを挿入する。マンドレルバーが挿入された中空素管を、マンドレルミルにより延伸圧延する。このとき、マンドレルミルの各スタンドは、中空素管を肉厚圧下する。そのため、中空素管の外径及び肉厚は、延伸圧延により変化する。延伸圧延された中空素管を、必要に応じて加熱し、さらに、サイザ又はレデューサにより絞り圧延する。以上の工程により、継目無金属管が製造される。
延伸圧延において、マンドレルバーは、特定サイズ(外径及び肉厚)の中空素管を1ロット製造するごとに、複数本(たとえば、10〜20本)使用される。そのため、製造される継目無金属管のサイズが複数存在すれば、マンドレルバーの在庫数は非常に多くなる。在庫数が多ければ、それだけマンドレルバーのコストも高くなる。
特許文献1及び特許文献2は、マンドレルバーのコスト低減を目的とした技術を提案する。
特許文献1では、使用済のマンドレルバーから、先半部の圧延部を切断し、後半部の支持部を残す。そして、先半部を新たな先半部に取り替える。このとき、先半部と支持部との間に短尺接合材を配置して、摩擦圧接により、先半部、短尺接合材及び支持部を一体化する。これにより、マンドレルバーの再生使用が可能であると、特許文献1では記載されている。
特許文献2も、特許文献1と同様に、マンドレルバーを、シェルと接触する圧延部と、シェルと接触しない保持部と、に分割する。圧延部は、保持部とネジで結合される。この場合においても、圧延部のみを補修、取り替えできるため、マンドレルバーのコストを抑えることができると、特許文献2では記載されている。
日本国特開平4−344805号公報 日本国特開平10−249411号公報
しかしながら、特許文献1及び2のいずれにおいても、圧延部の長さは一定であると考えられる。なぜなら、マンドレルミルの各スタンドは、肉厚圧下を実施するため、圧延部は少なくともマンドレルミルの先頭スタンドから末尾スタンドまでの距離に相当する長さが必要となるからである。そのため、保持部(支持部)を再利用することにより保持部の製造コストを低減できても、圧延部の製造コストは依然として掛かる。圧延部には、保持部よりも強度、耐ヒートクラック性及び耐摩耗性に優れた素材が利用され、保持部に利用される素材よりも高価である。つまり、マンドレルバーの製造コストは圧延部に依存する。
本発明は、延伸圧延に必要なマンドレルバーのコストを抑えることができる、継目無金属管の製造方法、マンドレルミル及び補助治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
(1)本発明に係る第1の態様は、パスラインに沿って先頭から配列された複数のスタンドを含む前段スタンド群と、前記前段スタンド群の後ろに配列された複数のスタンドを含む後段スタンド群とを有するマンドレルミルを用いて、中空素管より継目無金属管を製造する方法であって、延伸圧延時に前記中空素管と接触するワーク部の長さが異なる複数のマンドレルバーを準備する工程と;前記複数のマンドレルバーの中から、肉厚圧下に利用されるスタンド数に応じた長さのワーク部を備えるマンドレルバーを選択する工程と;前記中空素管に、前記選択する工程で選択された前記マンドレルバーを挿入する工程と;前記マンドレルバーが挿入された前記中空素管を延伸圧延する工程と;を備える。この継目無金属管の製造方法は、前記延伸圧延する工程では、前記前段スタンド群及び前記後段スタンド群のいずれか一方で外径圧下を実施して他方で肉厚圧下を実施するか、又は、前記前段スタンド群及び前記後段スタンド群のいずれにおいても肉厚圧下を実施する。
(2)上記(1)の態様において、前記マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を先端に備える棒状の補助治具を、前記マンドレルバーの後端に取り付ける工程と;前記補助治具の後端を把持装置により把持しながら、前記把持装置を前進させる工程と;をさらに備えていてもよい。
(3)上記(2)の態様において、前記複数のスタンドと前記把持装置との間に配置された支持ロールを上昇させて、前進中の前記マンドレルバーを前記支持ロールで支持する工程と;前記補助治具の外径が前記マンドレルバーの外径と異なる場合、前記補助治具の前進距離に基づいて前記支持ロールを昇降させて、前記支持ロールの高さを調整する工程と;をさらに備えていてもよい。
(4)上記(3)の態様において、前記調整する工程では、前記補助治具の外径が前記マンドレルバーの外径よりも大きい場合、前記補助治具が前記支持ロールを通過する前に、前記支持ロールを下降させてもよい。
(5)上記(1)または(2)の態様において、前記延伸圧延する工程では、前記前段スタンド群で外径圧下を実施し;前記複数のマンドレルバーの全長は、互いに等しくてもよい。
(6)本発明に係る第2の態様は、パスラインに沿って配列された複数のスタンドと;前記複数のスタンドのうち、先頭のスタンドの入側に配置され、マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を前端に備える棒状の補助治具と、前記補助治具の後端を把持可能な把持装置と、前記把持装置を前記パスラインに沿って前進させる駆動装置とを備えるリテーナと;を備えるマンドレルミルである。
(7)本発明に係る第3の態様は、マンドレルバーの後端を把持可能な把持装置と、前記把持装置を前進させる駆動装置とを備えるリテーナに用いられる補助治具であって、棒状の本体と;前記本体の前端に配置され、前記マンドレルバーの後端を把持可能な把持部と; 前記本体の後端に配置され、前記把持装置が把持可能な形状の取付部と;を含む。
上記各態様によれば、延伸圧延に必要なマンドレルバーのコストを抑えることができる。
継目無金属管の製造設備を示す機能ブロック図である。 図1中の穿孔機の要部を示す模式図である。 図1中のマンドレルミルを示す機能ブロック図である。 図3中のマンドレルミルの圧延機本体の側面図である。 図4中のスタンドの正面図であって、図4のA−A断面図である。 図5と異なる他のスタンドの正面図であって、図4のB−B断面図である。 マンドレルミルによる中空素管の延伸圧延を示す模式図である。 図3中のリテーナの縦断面図である。 図8中の支持部材の正面図である。 リテーナの把持部材及びマンドレルバーの平面図である。 図10Aに示す把持部材及びマンドレルバーの縦断面図である。 図10Aの把持部材にマンドレルバーが取り付けられた状態を示す平面図である。 図10Cに示す把持部材及びマンドレルバーの縦断面図である。 図3に示す圧延機本体及びエキストラクタの模式図である。 マンドレルミルでの「全肉厚圧下」を説明するための模式図である。 マンドレルミルでの「一部外径圧下」を説明するための模式図である。 本実施形態による継目無金属管の製造工程を示すフロー図である。 マンドレルバーの側面図である。 全肉厚圧下時のマンドレルバーの状態を説明するための模式図である。 一部外径圧下時のマンドレルバーの状態を説明するための模式図である。 マンドレルミルの後段スタンド群で外径圧下を実施した場合のマンドレルバーの状態を説明するための模式図である。 補助治具を用いた場合のマンドレルミルでの延伸圧延を説明するための模式図である。 図19中の補助治具の縦断面図である。 図20の補助治具の正面図であって、図20のC−C断面図である。 図20の補助治具の平面図である。 図20の補助治具の変形例を示す図であって、複数の溝部を有する補助治具の縦断面図である。 同補助治具の平面図である。 補助治具及び支持ロールを用いたマンドレルミルでの延伸圧延を説明するための模式図である。 図25中の制御装置の動作を示すフロー図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本実施形態による継目無金属管の製造方法では、パスラインに沿って先頭から配列された複数のスタンドを含む前段スタンド群と、前段スタンド群の後ろに配列された複数のスタンドを含む後段スタンド群とを有するマンドレルミルを用いて、中空素管より継目無金属管を製造する。この継目無金属管の製造方法は、延伸圧延時に中空素管と接触するワーク部の長さが異なる複数のマンドレルバーを準備する工程と;複数のマンドレルバーの中から、肉厚圧下に利用されるスタンド数に応じた長さのワーク部を備えるマンドレルバーを選択する工程と;中空素管に、選択する工程で選択されたマンドレルバーを挿入する工程と;マンドレルバーが挿入された中空素管を延伸圧延する工程と;を備える。そして、延伸圧延する工程では、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれか一方で外径圧下を実施して他方で肉厚圧下を実施するか、又は、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれにおいても肉厚圧下を実施する。
本実施形態において、マンドレルミルは、全てのスタンドで肉厚圧下を実施するだけでなく、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれか一方で、外径圧下も実施する。ここで、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれか一方で外径圧下し、他方で肉厚圧下する延伸圧延を「一部外径圧下」という。また、前段スタンド群及び後段スタンド群のいずれにおいても肉厚圧下する延伸圧延を「全肉厚圧下」という。
マンドレルミルが一部外径圧下を実施する場合、外径圧下を実施するスタンドでは、ワーク部は不要である。なぜなら、外径圧下では、中空素管の内面を、ワーク部に接触させる必要はないからである。そのため、一部外径圧下を実施する場合、全肉厚圧下を実施する場合と比較して、外径圧下を実施するスタンド群のスタンド数に相当する長さだけ、ワーク部を短くしてもよい。
換言すれば、一部外径圧下を実施する場合、ワーク部の長さは、肉厚圧下を実施するスタンド数に相当する長さで足りる。
そこで、本実施形態では、ワーク部の長さが異なる複数のマンドレルバーを予め準備し、マンドレルミルの複数のスタンドのうち、肉厚圧下に利用されるスタンド数に応じた長さのワーク部を備えたマンドレルバーを使用する。
以上の製造方法では、従来のように、ワーク部の長さを一定にする必要がなく、従来よりもワーク部の短いマンドレルバーを準備できる。そのため、マンドレルバーのコストを抑えることができる。
好ましくは、上記の製造方法はさらに、マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を先端に備える棒状の補助治具を、マンドレルバーの後端に取り付ける工程と、補助治具の後端を把持装置により把持しながら、把持装置を前進させる工程と、を備える。
この場合、補助治具を利用することにより、マンドレルバーの長さを短くすることができる。そのため、マンドレルバーの在庫スペースを抑えることができ、マンドレルバーのコストも抑えることができる。
好ましくは、上記の製造方法はさらに、複数のスタンドと把持装置との間に配置され昇降可能な支持ロールを上昇させて、前進中のマンドレルバーを支持ロールで支持する工程と、補助治具の外径がマンドレルバーの外径と異なる場合、補助治具の前進距離に基づいて支持ロールを昇降させて、支持ロールの高さを調整する工程と、を備える。
この場合、補助治具の外径がマンドレルバーの外径と異なっていても、支持ロールを、補助治具にとって適切な高さに調整できる。
好ましくは、調整する工程では、補助治具の外径がマンドレルバーの外径よりも大きい場合、補助治具が支持ロールを通過する前に、支持ロールを下降させる。
この場合、補助治具と支持ロールとの衝突を抑制することができる。
上述の製造方法では、延伸圧延する工程において、前段スタンド群で外径圧下を実施する場合、複数のマンドレルバーの全長は、互いに等しくしてもよい。
前段スタンド群において外径圧下を実施する場合(つまり、一部外径圧下が実施される場合)、後段スタンド群では肉厚圧下が実施される。この場合、後段スタンド群の最終スタンドは、肉厚圧下を実施するため、延伸圧延に利用される複数のマンドレルバーの全長は互いに等しくなる。この場合、マンドレルバーのうち、ワーク部以外の部分であって、延伸圧延中に中空素管HSと接触しないエクステンション部の長さも変化する。具体的には、ワーク部が短くなれば、その分、エクステンション部が長くなる。ワーク部の素材及び加工費用の方が、エクステンション部よりも高いため、本ケースにおいてもマンドレルバーのコストを抑えることができる。
本実施形態によるマンドレルミルは、上述の継目無金属管の製造方法に利用される。マンドレルミルは、複数のスタンドと、リテーナとを備える。複数のスタンドは、パスラインに沿って配列され、複数のロールを含む。リテーナは、複数のスタンドのうちの先頭のスタンドの入側に配置され、延伸圧延中にマンドレルバーを前進させる。リテーナは、補助治具と、把持装置と、駆動装置とを備える。補助治具は、マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を前端に備える。把持装置は、補助治具の後端を把持する。駆動装置は、把持装置を、パスラインに沿って前進させる。
本実施形態によるマンドレルミルは、補助治具を備える。そのため、マンドレルバーの全長を短くすることができる。その結果、マンドレルバーのコストを低減できる。
本実施形態による補助治具は、マンドレルバーの後端部を把持可能な把持装置と、把持装置を前進させる駆動装置とを備えるリテーナに用いられる。
補助治具は、棒状の本体と、把持部と、取付部とを含む。把持部は、本体の前端に配置され、マンドレルバーの後端部を把持する。取付部は、本体の後端に配置され、把持装置が把持可能な形状を有する。
本実施形態による補助治具は、延伸圧延中に、マンドレルバーとリテーナとの間に配置可能である。そのため、マンドレルバーの長さを短くでき、マンドレルバーのコストを低減できる。
以下、本実施形態を詳述する。
[継目無金属管の製造設備]
図1は、本実施形態による継目無金属管の製造設備の概略を説明するためのブロック図である。継目無金属管の製造設備は、いわゆるマンネスマンマンドレルミル方式により継目無金属管を製造する。図1を参照して説明すると、本実施形態の製造設備は、加熱炉1と、穿孔機2と、マンドレルミル3とを備える。加熱炉1と、穿孔機2と、マンドレルミル3との間には、それぞれ、搬送装置10が配置される。各搬送装置10は、たとえば、複数の搬送ローラを備え、丸ビレット又は中空素管を搬送する。
[加熱炉1及び穿孔機2]
加熱炉1は、継目無金属管の素材である中実の丸ビレットを収納し、これを加熱する。穿孔機2は、図2に示すとおり、一対の傾斜ロール21とプラグ22とを備える。プラグ22は、一対の傾斜ロール21の間であってかつ、パスライン(圧延軸)PL上に配置される。穿孔機2は、両傾斜ロール21により、これらの間に挟んだ丸ビレットBLをその周方向に回転させながらプラグ22に押し込み、丸ビレットBLを穿孔圧延して中空素管(Hollow Shell)HSを製造する。
[マンドレルミル3]
マンドレルミル3は、中空素管HS内にマンドレルバーを挿入し、マンドレルバーが挿入された中空素管HSを圧延機本体で延伸圧延する。マンドレルミル3により延伸圧延された中空素管HSは、マンドレルバーが引き抜かれた後、図示しない絞り圧延機に搬送される。絞り圧延機は、たとえば、サイザやレデューサである。絞り圧延機は、中空素管HSを絞り圧延し、継目無金属管を製造する。
図3は、マンドレルミル3の構成を示すブロック図である。図3を参照して説明すると、マンドレルミル3は、リテーナ31と、圧延機本体32と、エキストラクタ33とを備える。リテーナ31と、圧延機本体32と、エキストラクタ33とは、一列に配列される。リテーナ31は、圧延機本体32が中空素管HSを延伸圧延する前に中空素管HSにマンドレルバーを挿入したり、延伸圧延後の中空素管HSからマンドレルバーを引き抜いたりする。圧延機本体32は、中空素管HSを延伸圧延する。エキストラクタ33は、延伸圧延後の中空素管HSからマンドレルバーを引き抜くときに利用される。以下、各設備について詳述する。
[圧延機本体32]
図4は、マンドレルミル3の圧延機本体32の側面図である。図4を参照して説明すると、圧延機本体32は、パスラインPLに沿って一列に配列される複数のスタンドST1〜STm(mは自然数)を備える。スタンド総数mは特に制限されない。スタンド総数mは、たとえば、4〜8である。
図5及び図6は、スタンドSTi(i=2〜m)及びスタンドSTi−1の断面図である。図5及び図6を参照して説明すると、本例では、各スタンドST1〜STmは、パスラインPL周りに互いに120°の位置に配置される3個のロールROを含む。各ロールROは、その中心軸線を含む断面で見た場合の横断形状が弓状をなす溝GRを有し、3つのロールROの溝GRにより孔型PAを形成する。
図5及び図6に示すように、パスラインPLに沿って見た場合、後段のスタンドSTi(i=2〜m)に含まれる3個のロールROは、前段のスタンドSTi−1に含まれる3個のロールROからパスラインPL周りに60°ずらして配置される。
各スタンドST1〜STmの3個のロールROは、図示しない3つのモータにより回転駆動される。
各スタンドSTにおいて3個のロールROにより形成される孔型PAの断面積は、前段よりも後段のスタンドのものほど小さくなる。
図7に示すように、マンドレルバー40が挿入された中空素管HSは、パスラインPLに沿って、スタンドST1からSTmまでを通って延伸圧延され、中空素管HSの外径及び肉厚が変更される。
図4〜図7に示す圧延機本体32では、各スタンドSTiが3つのロールROを備える。しかしながら、ロール数は3つのみに限定されない。各スタンドSTiは複数のロールROを備えていればよい。ロール数は2つであってもよいし、4つであってもよい。より具体的には、スタンドSTiは、パスラインPLの周りに配置されたn個(nは2以上の自然数)のロールを含み、後段におけるn個のロールは、その前段にあるスタンドSTi−1に含まれるn個のロールからパスライン周りに180°/nずらして配置される。
[リテーナ31]
図8は、リテーナ31の縦断面図である。リテーナ31は、マンドレルバー40の後端部を把持したまま、マンドレルバー40を前進させて、中空素管HS内にマンドレルバー40を挿入する。リテーナ31はさらに、延伸圧延中、マンドレルバー40が挿入された中空素管HSをパスラインPLに沿って前進させる。
図8を参照して説明すると、リテーナ31は、モータ及び減速機を含む駆動源311と、駆動ホイル312と、従動ホイル313と、チェーン314と、複数の支持部材315と、把持部材316とを備える。
駆動源311は、駆動ホイル312を正方向(図8中の時計回り)及び逆方向(図8中の反時計回り)に回転させる。従動ホイル313は、駆動ホイル312の前方に駆動ホイル312から離れて配置される。チェーン314は、駆動ホイル312及び従動ホイル313にわたって架けられ、無限軌道を形成する。駆動源311、駆動ホイル312、従動ホイル313及びチェーン314は、マンドレルバー40を基準距離Dref分、前進又は後進させる駆動装置を構成する。
複数の支持部材315は、チェーン314の外表面上に一列に配列される。図9は、支持部材315の正面図である。なお、図9の二点鎖線は、マンドレルバー40を表す。支持部材315は、逆三角形状の溝317を有する。溝317の幅は、支持部材315の上端から下端に向かって徐々に小さくなる。複数の支持部材315は、リテーナ31がマンドレルバー40を前進させている間、マンドレルバー40の軸線がパスラインPLと一致し続けるように支持する。
図10A及び図10Bは、把持部材316及びマンドレルバー40の平面図及び縦断面図である。図10C及び図10Dは、マンドレルバー40の後端を把持した把持部材316の平面図及び縦断面図である。
図8、図10A及び図10Bを参照して説明すると、把持部材316は、チェーン314の上面に固定される。把持部材316は、チェーン314が稼働する(回る)ことにより、基準距離Dref分(開始位置Pstartから終了位置Pendまでの間)前進又は後進する(図8参照)。
図10A及び図10Bを参照して説明すると、把持部材316は、溝319とフック318とを備える。溝319は、把持部材316の上面に形成され、マンドレルバー40の軸方向に対して垂直に伸びる。フック318は、溝319よりも前方に形成され、上方に凸の形状を有する。
マンドレルバー40は棒状であり、その軸線に垂直な横断形状は円である。マンドレルバー40は、その後端部に、ネック410と、フランジ420とを備える。ネック410は、その軸線に垂直な横断面が円の棒状であり、その外径は、マンドレルバー40の本体部分の外径よりも小さい。フランジ420は、ネック410の後端に配置される。フランジ420は円板形状であり、ネック410よりも大きな外径を有する。
溝319の幅は、フランジ420の幅とほぼ同一、もしくは若干大きい。そして、溝319の底面は、円弧状に凹に湾曲している。また、フック318の上面には、ネック410が嵌め込まれる凹部320が形成されている。
図10C及び図10Dに示すとおり、把持部材316の溝319には、フランジ420が嵌め込まれる。これにより、把持部材316は、マンドレルバー40を把持する。圧延機本体32による延伸圧延中、把持部材316は、中空素管HS内に配置されたマンドレルバー40の後端部(ネック410及びフランジ420)を把持しながら、図8に示す基準距離Dref分、前進する。このとき、リテーナ31の駆動装置(駆動源311、駆動ホイル312、従動ホイル313及びチェーン314)が把持部材316を基準距離Dref分、前進させる。以上のとおり、リテーナ31は、圧延機本体32による延伸圧延中における、マンドレルバー40の前進速度を制御する。リテーナ31はさらに、延伸圧延前に、中空素管HSにマンドレルバー40を挿入する。リテーナ31はさらに、延伸圧延後、把持部材316を後進させて、マンドレルバー40を延伸圧延された中空素管HSから引き抜く。
上述のリテーナ31は、チェーン314により無限軌道を形成する駆動装置により、把持部材316を前進又は後進させる。しかしながら、リテーナ31の駆動装置は、他の構成を有してもよい。たとえば、リテーナ31の駆動装置は、ラックアンドピニオンを備えることにより、把持部材316を前進又は後進させてもよいし、電動又は油圧シリンダを含み、シリンダの先端に把持部材316を取り付けることにより、把持部材316を前進又は後進させてもよい。
[エキストラクタ33]
図11を参照して説明すると、エキストラクタ33は、パスラインPLに沿って一列に配列される複数のスタンドSA1〜SAr(rは自然数)を備える。各スタンドSA1〜SArは、パスラインPL周りに等間隔に配置される複数のロールを含む。各スタンドSA1〜SAnのロール数は2であってもよいし、3又は4であってもよい。エキストラクタ33のスタンド総数rは、たとえば、2〜4である。
エキストラクタ33は、中空素管HSが圧延機本体32により延伸圧延されているときに、中空素管HSの先端部分を噛み込み、その先端部分に対して若干の絞り圧延を実施する。中空素管HSの先端部分がエキストラクタ33により絞り圧延されているとき、リテーナ31は、駆動ホイール312を逆回転して把持部材316を後進させる。これにより、マンドレルバー40が中空素管HSから後方へ引き抜かれる。要するに、エキストラクタ33は、マンドレルバー40を引き抜くための設備である。
本実施形態では、マンドレルバー40を引き抜くために、エキストラクタ33を使用する。しかしながら、エキストラクタ33に替えて、サイザ又はレデューサといった絞り圧延機を配置してもよい。これらの絞り圧延機も、エキストラクタ33と同様に、中空素管を絞り圧延する。そのため、エキストラクタ33を利用する場合と同様に、マンドレルバー40を中空素管HSから引き抜くことができる。
[継目無金属管の製造工程]
本実施形態による継目無金属管の製造方法では、継目無金属管の鋼種及び延伸比に応じて、マンドレルミル3の圧延機本体32において肉厚圧下に使用するスタンド数を変更する。
たとえば、高合金等の圧延荷重が高い鋼種からなる中空素管を延伸圧延する場合、又は、継目無金属管の延伸比が高い場合、図12に示すとおり、マンドレルミル3の全てのスタンドST1〜STmで肉厚圧下を実施する。ここで、「肉厚圧下」とは、中空素管HSがスタンドSTi内のロールROに接触して圧下されるときに、中空素管HSの内面がマンドレルバー40の外面と接触しながら圧下されることを意味する。この場合、中空素管HSは、ロールRO及びマンドレルバー40に挟まれて延伸圧延され、肉厚が変動する。全てのスタンドST1〜STmで肉厚圧下を実施するため、圧延荷重が高い継目無金属管の製造、及び、延伸比の高い継目無金属管の製造に適する。図12に示す延伸圧延を、「全肉厚圧下」と呼ぶ。
一方、たとえば、普通鋼等の圧延荷重が低い鋼種からなる中空素管を延伸圧延する場合、又は、継目無金属管の延伸比が低い場合、マンドレルミル3のスタンドST1〜STmのうち、一部の複数のスタンドSTが肉厚圧下をすれば足りる。そこで、この場合、図13に示すとおり、複数のスタンドST1〜STmのうち、先頭から連続して配列された複数のスタンドST1〜STj(jは自然数、j<m)を含むスタンド群(以下、前段スタンド群FSTという)において、肉厚圧下に替えて外径圧下を実施し、スタンドSTj+1〜STmを含むスタンド群(以下、後段スタンド群RSTという)において、肉厚圧下を実施する。ここで、「外径圧下」とは、中空素管HSがスタンドSTi(i=1〜j)内のロールROに接触して圧下されるときに、中空素管HSの内面がマンドレルバー40の外面と接触しないまま圧下されることを意味する。換言すれば、前段スタンド群FSTでは、絞り圧延が実施される。この延伸圧延を「一部外径圧下」と呼ぶ。
一部外径圧下では、穿孔機2により製造された中空素管HSをさらに縮径することができる。そのため、たとえば、従来であれば穿孔機2で所定の外径にまで圧延しなければならなかった中空素管を、前段スタンド群FSTで外径圧下して、所定の外径にすることができる。したがって、穿孔機2で仕上げるべき中空素管の外径を従来よりも大きくすることができる。この場合、製造すべき中空素管の外径寸法に応じた、穿孔機2の傾斜ロール21に交換するための頻度を下げることができる。穿孔機2で縮径すべきサイズを、前段スタンド群FSTで代替することができるからである。したがって、一部外径圧下を実施することにより、ロールを交換する頻度を減らすことができ、穿孔機2及びマンドレルミル3のローリングスケジュールの自由度を高めることができる。換言すれば、本実施形態の継目無金属管の製造工程は、穿孔機2及びマンドレルミル3の稼働率を高めることができ、その結果、生産効率を高めることができる。
一部外径圧下を実施する場合、さらに、穿孔機2により製造された中空素管HSの外径を、前段スタンド群FSTでさらに均一に整えることができる。そのため、継目無金属管の寸法精度をさらに高めることができる。
本実施形態では、マンドレルミル3のスタンドST1〜STmを、必要に応じて、前段スタンド群FSTと、後段スタンド群RSTとに区分けして、「全肉厚圧下」又は「一部外径圧下」を実施する。以下に製造工程を詳述する。
図14は、本実施形態による継目無金属管の製造方法のフロー図である。図14を参照して説明すると、まず初めに、製造予定の継目無金属管の鋼種及びサイズに応じて、マンドレルミル3の各スタンドST1〜STmのロール距離Droll(パスラインPLの中心からロールROの溝GRまでの距離)を設定する(ステップS1)。
ステップS1の設定により、マンドレルミル3が全肉厚圧下をするか、一部外径圧下をするかが決定される。さらに、ステップS1の設定により、一部外径圧下の場合、前段スタンド群FSTとするスタンドST1〜STjも決定される。要するに、前段スタンド群FSTに含まれるスタンド総数jを、ステップS1の設定により変更できる。前段スタンド群FSTに含まれるスタンド総数jは、たとえば、鋼種及び/又は製造される継目無金属管のサイズ(外径及び肉厚)に基づいて決定される。
各スタンドSTiのロール距離Drollは、たとえば、製造される継目無金属管の鋼種及びサイズ(外径及び肉厚)に対応して予め決定されている。そして、これらのロール距離Drollは、継目無金属管の鋼種及びサイズと対応づけて、図示されないコンピュータの記憶装置(HDD又はメモリ)に記録されている。製造される継目無金属管の鋼種及びサイズに応じたロール距離Drollの値をコンピュータから読み出すことにより、各スタンドST1〜STmのロール距離Drollは、設定すべきロール距離Drollの値に調整される。
さらに、製造予定の継目無金属管のサイズ(外径寸法及び肉厚寸法)に応じて、使用するマンドレルバーを選択する(ステップS2)。本実施形態では、継目無金属管のサイズに応じて、外径が異なる複数のマンドレルバーが予め準備されている。ステップS2では、これらのマンドレルバーの中から、適切な外径を持つマンドレルバーを選択する。
続いて、加熱炉1にて丸ビレットを加熱する(ステップS3)。丸ビレットは、連続鋳造により製造されてもよいし、インゴット又はスラブを圧延して製造されてもよい。加熱された丸ビレットを穿孔機2により穿孔圧延して、中空素管HSを製造する(ステップS4)。
続いて、中空素管HS内に、ステップS2で選択されたマンドレルバー40を挿入する(ステップS5)。本実施形態では、リテーナ31が中空素管HS内にマンドレルバー40を挿入する。
続いて、マンドレルミル3により中空素管HSを延伸圧延する(ステップS6)。ステップS1でのロール距離Drollの設定に応じて、マンドレルミル3は、中空素管HSを、全肉厚圧下又は一部外径圧下する。マンドレルミル3での延伸圧延後、サイザ又はレデューサにより中空素管HSを絞り圧延して、継目無金属管を製造する(ステップS7)。
以上の工程により、本実施形態による継目無金属管の製造方法では、製造される継目無金属管の鋼種及びサイズに応じて、マンドレルミル3により全肉厚圧下又は一部外径圧下を実施する。そのため、圧延荷重の高い鋼種の継目無金属管及び延伸比の高い継目無金属管に対しては、全肉厚圧下を実施して、マンドレルミル3での圧延を可能にする。さらに、圧延荷重の低い鋼種の継目無金属管又は延伸比の低い継目無金属管に対しては、一部外径圧下を実施して、穿孔機2及びマンドレルミル3の圧延機本体32のロール交換の頻度を減らし、ローリングスケジュールの自由度を高めることができる。そのため、穿孔機2及びマンドレルミル3の稼働率を高め、生産効率を高めることができる。
以上のとおり、マンドレルミル3は「全肉厚圧下」または「一部外径圧下」を実施する。そのため、中空素管HSの鋼種及びサイズに応じて、マンドレルミル3の圧延機本体32において肉厚圧下を実施するスタンド数が変化する。そこで、本実施形態では、肉厚圧下を実施するスタンド数に応じて、マンドレルバー40を選択する。
図15は、マンドレルバー40の側面図である。図15を参照して説明すると、マンドレルバー40は、ワーク部401とエクステンション部402とを備える。ワーク部401及びエクステンション部402は、別個の素材で製造され、互いに同軸に結合される。たとえば、ワーク部401の後端及びエクステンション部402の前端には、ねじ切りが施されており、これらを締め合わせることにより、互いに結合される。ワーク部401及びエクステンション部402は、ねじによる結合に替えて、溶接により結合されてもよいし、他の方法により結合されてもよい。
ワーク部401は、マンドレルバー40の前部に配置される。ワーク部401は、延伸圧延時に中空素管HSの内面と接触する。つまり、ワーク部401は、マンドレルバー40のうち、肉厚圧下に利用される部分である。ワーク部401は、中空素管HSから熱を受けやすく、肉厚方向の圧縮応力及び軸方向の引張応力を受けやすいため、ワーク部401には摩耗及びクラックが発生しやすい。そのため、ワーク部401には、JIS規格の合金工具鋼鋼材(SKD)に代表される、高温強度、耐ヒートクラック性及び耐摩耗性に優れた高価な材料が使用される。さらに、継目無金属管の肉厚の精度は、ワーク部401の形状(外径精度)に依存し、継目無金属管の内面の清浄度(平滑さ)は、ワーク部401の外面の清浄度(平滑さ)に依存する。したがって、ワーク部401は、機械特性に優れた材料、高い外径精度及び外面清浄度が要求される。そのため、ワーク部401の製造コストは高い。
エクステンション部402は、ワーク部401と同軸に、ワーク部401の後端に取り付けられる。エクステンション部402の後端部には、ネック410及びフランジ420が形成される。エクステンション部402は、延伸圧延時に中空素管HSの内面と接触しない。そのため、エクステンション部402は、ワーク部401に比べて、高い機械特性(強度、耐ヒートクラック性及び耐摩耗性)、外径精度及び外面清浄度が要求されない。したがって、エクステンション部402は、ワーク部401よりも安価な材料を用いて、製造コストを抑えることができる。また、エクステンション部402の外径は、ワーク部401の外径より小さくてもよく、この場合、製造コストをさらに抑えることができる。
上述のとおり、マンドレルミル3では、全肉厚圧下及び一部外径圧下のいずれかが実施される。一部外径圧下の場合は、さらに、製造される継目無金属管の鋼種及びサイズにより、前段スタンド群FSTに含まれるスタンド数jが異なる場合がある。つまり、マンドレルミル3では、肉厚圧下を実施するスタンドSTの総数が、継目無金属管の鋼種及びサイズにより異なる。
そこで、本実施形態では、肉厚圧下を実施するスタンド数に応じて、異なる長さのワーク部401を備える複数のマンドレルバー40を準備する。上述のとおり、図14のステップS2においてマンドレルバー40を選択する場合、製造される継目無金属管のサイズに応じた外径を有する複数種類のマンドレルバー40を選択する。
ここで、ステップS1のロール距離Drollの設定により、肉厚圧下を実施するスタンド数は決定されている。そこで、上記選択された複数種類のマンドレルバー40のうち、肉厚圧下を実施するスタンド数に応じた長さのワーク部401を備えるマンドレルバー40を、使用するマンドレルバー40に決定する(ステップS2)。
たとえば、図16に示すように、全肉厚圧下が実施される場合、リテーナ31の把持部材316がチェーン314上の終点位置Pendまで前進したときに、少なくとも、圧延機本体32の先頭スタンドST1の入側位置P1inから最終スタンドSTmの出側位置Pmoutまでの距離に等しい長さを有するワーク部401を備えるマンドレルバー40を選択する。この場合、各スタンドST1〜STmでワーク部401を利用して肉厚圧下が実施可能である。なお、この場合、エクステンション部402は、少なくとも、終点位置Pendから入側位置P1inまでの距離に等しい長さを有すればよい。
一方、図17に示すように、一部外径圧下が実施され、スタンドST1及びST2が前段スタンド群FSTに相当する場合、肉厚圧下が実施されるのは、スタンドST3〜スタンドSTmである。したがって、ワーク部401は、少なくとも、スタンドST3〜スタンドSTmのスタンド数に対応する長さ、より具体的には、スタンドST3の入側位置P3inから最終スタンドSTmの出側位置Pmoutまでの距離に等しい長さを有すればよい。そして、エクステンション部402は、少なくとも、終点位置Pendから第3スタンドST3の入側位置P3inまでの距離に等しい長さを有すればよい。
一部外径圧下を実施する場合のワーク部401は、全肉厚圧下を実施する場合のワーク部401よりも短くてよい。なぜなら、一部外径圧下において肉厚圧下が実施されるスタンド数は、全肉厚圧下において肉厚圧下が実施されるスタンド数よりも少ないからである。さらに、図17からも理解できるように、一部外径圧下において、前段スタンド群FSTに含まれるスタンド数が多いほど、マンドレルバー40のワーク部401を短くすることができる。
以上のとおり、本実施形態では、互いに異なる長さのワーク部401を備える複数のマンドレルバー40を予め準備する。各マンドレルバー40のワーク部401の長さは、肉厚圧下を実施するスタンド数に対応して予め決められている。そして、図14に示す製造工程中のステップS2において、肉厚圧下が実施されるスタンド数に応じた長さを有するワーク部401を備えるマンドレルバー40を選択する。
上述のとおり、マンドレルバー40は、継目無金属管を1ロット製造するごとに、複数本使用される。そのため、製造される継目無金属管のサイズが複数存在すれば、延伸圧延に必要なマンドレルバー40の在庫数は非常に多くなる。本実施形態では、一部外径圧下に利用されるマンドレルバー40のワーク部401の長さを、全肉厚圧下の場合よりも短くすることができる。ワーク部401が短いマンドレルバーを利用可能であるため、在庫に必要なマンドレルバー40のコストを抑えることができる。
本実施形態では、前段スタンド群FSTで一部外径圧下を実施する。したがって、準備される複数のマンドレルバー40には、ワーク部401の長さが異なるマンドレルバー40が含まれるものの、複数のマンドレルバー40の全長はいずれも等しい。図16及び図17に示すとおり、最終スタンドSTmは、全肉厚圧下及び一部外径圧下のいずれであっても、肉厚圧下を実施するからである。したがって、ワーク部401が短い場合、エクステンション部402が長くなる。
上述の例では、一部外径圧下において、前段スタンド群FSTで外径圧下を実施する。しかしながら、図18に示すように、外径圧下を後段スタンド群RST(STm−1及びSTm)で実施してもよい。この場合、マンドレルバー40のワーク部401は、少なくとも、先頭スタンドST1の入側位置P1inから前段スタンド群FSTの最終スタンドSTm−2の出側位置Pm−2outまでの距離に等しい長さを有すればよい。さらに、マンドレルバー40のエクステンション部402は、少なくとも、終点位置Pendから先頭スタンドST1の入側位置P1inまでの距離に等しい長さを有すればよい。したがって、マンドレルバー40の全長は、終点位置PendからスタンドSTm−2の出側位置Pm−2outまでの距離に等しい長さで足りる。外径圧下が実施される後段スタンド群RST(スタンドSTm−1及びSTm)では、外径圧下させる中空素管HS内にマンドレルバー40が挿入される必要がないからである。
一部外径圧下において、後段スタンド群RSTで外径圧下を実施する場合、肉厚圧下を実施する最終スタンド(図18におけるスタンドSTm−2)は、製造される継目無金属管の鋼種及びサイズ等に応じて変わる。この場合、マンドレルバー40の全長も、肉厚圧下が実施される最終スタンドの位置に応じて、変化する。より具体的には、肉厚圧下が実施されるスタンド数が少ないほど、マンドレルバー40の全長も短くなる。したがって、後段スタンド群RSTで外径圧下をする場合、在庫に必要なマンドレルバー40をさらに短くすることができる。
ただし、上述のとおり、前段スタンド群FSTで外径圧下を実施する場合、穿孔機2で製造された中空素管HSを前段スタンド群FSTでさらに縮径し、後段スタンド群RSTで肉厚圧下を実施することができる。そのため、後段スタンド群RSTで外径圧下を実施する場合に比べて、前段スタンド群FSTで外径圧下を実施する場合の方が、穿孔機2及びマンドレルミル3でのローリングスケジュールの自由度が増し、ロール交換をするための頻度を抑制することができる。そのため、前段スタンド群FSTで外径圧下を実施する場合、製造ラインの稼働率が高まり、生産効率が高まる。
[第2の実施形態]
上述のとおり、マンドレルミル3による延伸圧延では、多数のマンドレルバー40が準備され、在庫される。マンドレルバー40が長いほど、マンドレルバー40の製造コストが高くなる。さらに、マンドレルバー40が長いほど、広い在庫スペースが必要となる。在庫スペースはなるべく小さくできる方が好ましい。
図19は、本実施形態によるマンドレルミル3の縦断面図である。図19を参照して説明すると、マンドレルミル3は、第1の実施形態におけるマンドレルミル3と比較して、新たに、補助治具50を備える。
[補助治具50]
図20は、図19中の補助治具50の縦断面図であり、図21は図20のC−C線より見た断面図であり、図22は平面図である。図20〜図22を参照して説明すると、補助治具50は、本体部51と、把持部52と、取付部53とを備える。
本体部51は、棒状であり、好ましくは、横断形状が円である。本体部51の素材は特に限定されないが、好ましくは金属である。
把持部52は、本体部51の前端に配置される。把持部52は、マンドレルバー40の後端のフランジ420及びネック410と嵌合する。つまり、把持部52により、補助治具50はマンドレルバー40に同軸に取り付けられる。
把持部52は、溝部521とフック部522とを含む。フック部522は、本体部51の前端面511よりも前方に、前端面511と隙間を設けて形成される。本例では、フック部522の上面に、ネック410と嵌合する溝523が形成される。
溝部521は、フック部522と前端面511との間に形成され、補助治具50の横断方向に延びる。より具体的には、溝部521は、補助治具50の周方向に弓状又は円弧状に延びる。溝部521の幅は、フランジ420の幅よりも若干大きい。溝部521はフランジ420と嵌合する。
把持部52は、溝部521及びフック部522により、マンドレルバー40の後端部を把持する。
取付部53は、リテーナ31の把持部材316が把持可能な形状を有する。好ましくは、取付部53は、マンドレルバー40の後端部と同じ形状を有する。取付部53は、ネック531と、フランジ532とを含む。ネック531及びフランジ532の形状は、マンドレルバー40のネック410及びフランジ420と同じ形状である。取付部53は、リテーナ31の把持部材316と嵌合する。これにより、補助治具50は、把持部材316に固定される。
図19を参照して説明すると、補助治具50の把持部52は、マンドレルバー40の後端部(ネック410及びフランジ420)を把持して、マンドレルバー40に着脱可能に固定される。さらに、補助治具50の取付部53は把持部材316と嵌合して、把持部材316に着脱可能に固定される。
要するに、補助治具50は、マンドレルバー40の長さを補完する。補助治具50はエクステンション部402と同じ役割を果たし、エクステンション部402を延長する。これにより、予め準備されるマンドレルバー40の全長を短くすることができる。
好ましくは、互いに外径の異なる複数のマンドレルバー40であっても、後端部(ネック410及びフランジ420)の形状は、いずれも同じである。この場合、補助治具50の把持部52は、種々のサイズ(外径)のマンドレルバー40を把持できる。そのため、補助治具50は、サイズの異なる複数のマンドレルバー40に汎用可能である。したがって、複数のマンドレルバー40の全長を短くすることができる。
本実施形態の継目無金属管の製造工程は、次のとおりである。図14を参照して説明すると、ステップS5において、リテーナ31の把持部材316に、補助治具50を取り付ける。その後、補助治具50にステップS2で選択されたマンドレルバー40を取り付ける。以上の工程により、マンドレルバー40の後端部に、補助治具50が取り付けられる。リテーナ31は、補助治具50が取り付けられたマンドレルバー40を中空素管HS内に挿入する。その他の動作は、第1の実施形態と同じである。なお、マンドレルバー40に補助治具50を取り付けた後に、補助治具50を把持部材316に取り付けてもよい。
本実施形態では、補助治具50を1種類のみ準備してもよいし、外径の異なる複数種類の補助治具50を準備してもよい。複数種類の補助治具50を準備する場合、図14のステップS2において、最適なマンドレルバー40及び補助治具50を選択する。
また、本実施形態では、把持部52は1つの溝部521を有する。しかしながら、図23および図24に示すように、把持部52は、大きさの異なる複数の溝部を有してもよい。この場合たとえば、把持部52は、軸方向に一列に配列された複数の溝部を有する。フック部522に近いほど、溝部は小さい。この場合、把持部52は、後端部のサイズの異なる複数のマンドレルバー40を、把持することができる。複数の溝部は、サイズの異なる複数のマンドレルバーの各後端部に対応して形成されている。そのため、後端部のサイズが異なるマンドレルバーについても、把持部52で把持することができる。
さらに、把持部52の構成は、図20〜図22に限定されない。たとえば、把持部52は、開閉可能なアームを備え、アームを開閉してマンドレルバー40の後端部をアームで挟むことにより、マンドレルバー40を把持してもよい。この場合も、1つの補助治具50が、外径の異なる複数のマンドレルバー40を把持できる。把持部52は把持部材316と同じ構成を有していてもよい。
[第3の実施形態]
補助治具50をサイズの異なる複数のマンドレルバー40に適用する場合、補助治具50の外径とマンドレルバー40の外径が異なる場合が生じる。このような場合であっても、適切に延伸圧延できる方が好ましい。
図25を参照して説明すると、本実施形態によるマンドレルミル3は、第2の実施形態と比較して、さらに制御装置70を備える。
制御装置70は、複数の支持ロールSR1〜SRk(kは自然数)の昇降を制御する。
支持ロールSR1〜SRkは、リテーナ31と圧延機本体32との間に、パスラインに沿って配列される。支持ロールはたとえば、外周面が平坦なロールであってもよいし、横断形状が三角形状の溝を外周面の円周方向に有するVロールであってもよい。
支持ロールSR1〜SRkは、昇降装置DR1〜DRkによって上下に昇降する。昇降装置DR1〜DRkはたとえば、油圧シリンダ、電動シリンダ等である。図25では、各支持ロールSRに1つの昇降装置DRが配置されている。しかしながら、複数の支持ロールSRに1つの昇降装置DRが配置されてもよい。
制御装置70は、昇降装置DR1〜DRkを制御して、支持ロールSR1〜SRkを昇降する。リテーナ31と圧延機本体32とは離れている。そのため、マンドレルバー40がリテーナ31と圧延機本体32との間で下方に湾曲する場合がある。このような湾曲は、圧延中のマンドレルバーの安定した搬送及び延伸圧延後の中空素管HSの寸法精度に影響する。そこで、延伸圧延中、マンドレルバー40の位置に応じて、支持ロールSR1〜SRkが上昇し、マンドレルバー40をパスラインPL上に支持する。
しかしながら、上述のとおり、補助治具50を汎用する場合、補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径と異なる場合が生じる。この場合、延伸圧延中のマンドレルバー40の下端位置と、補助治具50の下端位置とは異なる。支持ロールSRの高さを、マンドレルバー40の下端位置の高さに合わせたまま維持すれば、支持ロールSRと補助治具50との間に隙間が生じたり、補助治具50が支持ロールSRに衝突したりする場合が起こり得る。
そこで、制御装置70は、延伸圧延中の補助治具50の移動距離(前進距離)に応じて、支持ロール高さを調整する。具体的には、補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径よりも大きい場合、補助治具50が支持ロールSRq(qは1〜kの自然数)を通過する前に、昇降装置DRqを制御して支持ロールSRqを降下させる。このとき、制御装置70は、補助治具50の外径とマンドレルバー40の外径との差分値に基づいて、降下量を決定してもよい。この場合、下降後の支持ロールSRqが補助治具50の下端に接する程度に、支持ロールSRqを下降させることができる。
一方、補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径よりも小さい場合、補助治具50が支持ロールSRqを通過した後、昇降装置DRqを制御して支持ロールSRqを上昇する。このとき、制御装置70は、補助治具50の外径とマンドレルバー40の外径との差分値に基づいて、上昇量を決定してもよい。この場合、上昇後の支持ロールSRqが補助治具50の下端に接する程度に、支持ロールSRqを上昇させることができる。
以上のとおり、制御装置70は、補助治具50の移動距離に応じて、支持ロールSRqを昇降させて支持ロールSRqの高さを調整する。そのため、補助治具50が支持ロールSRに衝突するのを抑制できる。好ましくは、制御装置70はさらに、補助治具50及びマンドレルバー40の外径差を考慮して、支持ロールSRqを昇降させる。この場合、支持ロールSRqで補助治具50を支持できる。
本実施形態の製造工程の詳細は次の通りである。
図14中のステップS1〜S7の動作は、本実施形態でも実施される。制御装置70は、ステップS6の延伸圧延中において、図26に示す動作を実行する。
制御装置70は、最初に、補助治具50の外径及びマンドレルバー40の外径を読み出し、比較する(ステップS601)。制御装置70はこのとき、補助治具50の外径とマンドレルバー40の外径との差分値を求める。続いて、支持ロールSRq上を補助治具50が通過するときの支持ロールSRqの高さを決定する(ステップS602)。制御装置70は、マンドレルバー40及び補助治具50の組み合わせごとに、支持ロールSRqの高さを予めテーブルに管理して、メモリに格納していてもよい。
制御装置70は、マンドレルバー40及び補助治具50の移動開始を認識する(ステップS603)。たとえば、リテーナ31は、延伸圧延において把持部材316の前進を開始したとき、その旨を制御装置70に通知する。制御装置70は通知を受け、補助治具50等の移動開始を認識する(ステップS603)。
制御装置70は、マンドレルバー40が支持ロールSRqを通過するごとに、支持ロールSRqを上昇させる(ステップS604)。このとき、制御装置70は、マンドレルバー40のサイズ(外径)に応じて、支持ロールSRqの上昇量を決定する。
以上の動作により、延伸圧延中のマンドレルバー40は、支持ロールSR1〜SRkにより支持される。
続いて、制御装置70は、ステップS601の検討結果を読み出す(ステップS605)。補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径と同じである場合、支持ロールSRqの高さを調整する必要がない。そのため、制御装置70は、1本の中空素管HSの延伸圧延が終了するまで、支持ロールSRqの高さをそのまま維持する。
一方、補助治具50の外径が、マンドレルバー40の外径よりも大きい場合、制御装置70は、支持ロール下降処理を実施する(ステップS610)。具体的には、制御装置70は、現在の補助治具50の移動量をチェックする(ステップS611)。制御装置70はたとえば、リテーナ31から所定時間ごとに把持部材316の移動量の通知を受け、補助治具50の移動量(開始位置Pstartからの前進距離)を認識する。
ステップS611でチェックした補助治具50の移動量に基づいて、補助治具50が支持ロールSR1の所定距離手前に来たとき(ステップS612でYES)、制御装置70は、支持ロールSR1を下降させる。このとき、制御装置70は、支持ロールSR1を補助治具50と離れるように下降させてもよい。制御装置70はまた、補助治具50とマンドレルバー40との外径差に基づいて、支持ロールSR1が補助治具50と接触するよう、支持ロールSR1を下降させてもよい。
支持ロールSR1を下降させた後、カウントqをインクリメントし(ステップS615)、ステップS611に戻る。そして、カウントqがkを超えるまで(ステップS614でYES)、つまり、各支持ロールSR1〜SRkに対して、ステップS611〜S613の動作を実行する。
以上の動作により、補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径よりも大きい場合、制御装置70は支持ロールSRqを下降する。そのため、補助治具50が支持ロールSRqと衝突することを抑制できる。
ステップS605に戻って、補助治具50の外径が、マンドレルバー40の外径よりも小さい場合、支持ロール上昇処理を実施する(ステップS620)。制御装置70は、現在の補助治具50の移動量(前進距離)を所定時間ごとにチェックする(ステップS621)。
ステップ621でチェックした補助治具50の移動量に基づいて、補助治具50が支持ロールSR1を所定距離通過したとき(ステップS622でYES)、制御装置70は、支持ロールSR1を所定量上昇させる。このとき、制御装置70は、補助治具50とマンドレルバー40との外径差に基づいて、支持ロールSR1が補助治具50と接触するよう、支持ロールSR1を所定量上昇させる。
その後、支持ロール下降処理S610と同様に、各支持ロールSR1〜SRkに対して、ステップS621〜S623の動作を実施する(ステップS624及びS625)。
以上の動作により、補助治具50の外径がマンドレルバー40の外径よりも小さい場合、制御装置70は支持ロールSRqを所定量上昇させて、支持ロールSRqを補助治具50に接触させる。補助治具50は下方に湾曲することなく、前進することができる。
上述の例では、制御装置70が、支持ロール下降処理S610及び支持ロール上昇処理S620を実施する。しかしながら、制御装置70は、支持ロール下降処理S610のみ実施してもよい。制御装置70はさらに、支持ロール下降処理S610において、補助治具50の外径によらず、一定量支持ロールSRqを下降させてもよい。この場合、少なくとも、補助治具50が支持ロールSRqと衝突することを抑制でき、より適切な延伸圧延を実施できる。
上述の実施形態では、各支持ロールSR1〜SRkに対して、ステップS611〜S613の処理を実施する。しかしながら、複数の支持ロールSRを一度に下降させてもよい。また、全ての支持ロールSR1〜SRkを一度に下降させてもよい。
上述の実施形態では、リテーナ31と圧延機本体32の先頭スタンドST1との間に複数の支持ロールSR1〜SRkを配列する。しかしながら、1以上の支持ロールが配置されればよい。
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態は、上述の実施形態に限定されない。
第3の実施形態では、支持ロールSR1〜SRkを配置したが、第1及び第2の実施形態では、支持ロールSR1〜SRkがなくてもよい。
上述の実施形態では、リテーナ31により、中空素管HS内にマンドレルバー40が挿入される。しかしながら、他の方法により、中空素管HS内にマンドレルバー40を挿入してもよい。たとえば、リテーナ31とは別個の装置であるインサータにより、中空素管HS内にマンドレルバー40を挿入してもよい。
リテーナ31の把持部材316は、上述の構成に限定されない。把持部材316はたとえば、開閉可能な複数のアームを備えてもよい。この場合、把持部材316は、マンドレルバー40の後端部をアームで挟むことにより、マンドレルバー40を把持してもよい。
上述の実施形態では、マンドレルバー40の後端部は、ネック410とフランジ420とを備える。しかしながら、マンドレルバー40の後端部の形状はこれに限定されない。要するに、把持部材316及び補助治具50の把持部52が把持可能な形状であれば、マンドレルバー40の後端部の形状は特に限定されない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態のみに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。例えば、上述した実施形態では、マンドレルミルは、外径圧下または肉厚圧下を実施する前段スタンド群および後段スタンド群を有し、中空素管を延伸圧延するが、外径圧下および肉厚圧下のいずれも実施しないスタンドを有していてもよい。すなわち、必要に応じて、マンドレルミルのスタンドから、前段スタンド群および後段スタンド群に用いるスタンドを適宜選択すればよい。
延伸圧延に必要なマンドレルバーのコストを抑えることができる継目無金属管の製造方法、マンドレルミルおよび補助治具を提供することができる。
2 穿孔機
3 マンドレルミル
31 リテーナ
32 圧延機本体
40 マンドレルバー
50 補助治具
52 把持部
53 取付部
311 駆動源
312 駆動ホイル
313 従動ホイル
314 チェーン
316 把持部材
HS 中空素管
ST1〜STm スタンド
FST 前段スタンド群
RST 後段スタンド群
SR1〜SRk 支持ロール

Claims (7)

  1. パスラインに沿って先頭から配列された複数のスタンドを含む前段スタンド群と、前記前段スタンド群の後ろに配列された複数のスタンドを含む後段スタンド群とを有するマンドレルミルを用いて、中空素管より継目無金属管を製造する方法であって、
    延伸圧延時に前記中空素管と接触するワーク部の長さが異なる複数のマンドレルバーを準備する工程と;
    前記複数のマンドレルバーの中から、肉厚圧下に利用されるスタンド数に応じた長さのワーク部を備えるマンドレルバーを選択する工程と;
    前記中空素管に、前記選択する工程で選択された前記マンドレルバーを挿入する工程と;
    前記マンドレルバーが挿入された前記中空素管を延伸圧延する工程と;
    を備え、
    前記延伸圧延する工程では、前記前段スタンド群及び前記後段スタンド群のいずれか一方で外径圧下を実施して他方で肉厚圧下を実施するか、又は、前記前段スタンド群及び前記後段スタンド群のいずれにおいても肉厚圧下を実施する
    ことを特徴とする継目無金属管の製造方法。
  2. 前記マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を先端に備える棒状の補助治具を、前記マンドレルバーの後端に取り付ける工程と;
    前記補助治具の後端を把持装置により把持しながら、前記把持装置を前進させる工程と;
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の継目無金属管の製造方法。
  3. 前記複数のスタンドと前記把持装置との間に配置された支持ロールを上昇させて、前進中の前記マンドレルバーを前記支持ロールで支持する工程と;
    前記補助治具の外径が前記マンドレルバーの外径と異なる場合、前記補助治具の前進距離に基づいて前記支持ロールを昇降させて、前記支持ロールの高さを調整する工程と;
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の継目無金属管の製造方法。
  4. 前記調整する工程では、前記補助治具の外径が前記マンドレルバーの外径よりも大きい場合、前記補助治具が前記支持ロールを通過する前に、前記支持ロールを下降させることを特徴とする請求項3に記載の継目無金属管の製造方法。
  5. 前記延伸圧延する工程では、前記前段スタンド群で外径圧下を実施し;前記複数のマンドレルバーの全長は、互いに等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の継目無金属管の製造方法。
  6. パスラインに沿って配列された複数のスタンドと;
    前記複数のスタンドのうち、先頭のスタンドの入側に配置され、マンドレルバーの後端部を把持可能な把持部を前端に備える棒状の補助治具と、前記補助治具の後端を把持可能な把持装置と、前記把持装置を前記パスラインに沿って前進させる駆動装置とを備えるリテーナと;
    を備えることを特徴とするマンドレルミル。
  7. マンドレルバーの後端を把持可能な把持装置と、前記把持装置を前進させる駆動装置とを備えるリテーナに用いられる補助治具であって、
    棒状の本体と;
    前記本体の前端に配置され、前記マンドレルバーの後端を把持可能な把持部と;
    前記本体の後端に配置され、前記把持装置が把持可能な形状の取付部と;
    を含むことを特徴とする補助治具。
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